JP4041408B2 - 建設機械のウオッシャタンク取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、上部旋回体を有する建設機械のウオッシャタンクの取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の油圧ショベル等の建設機械には履帯を履いた下部走行体とその上に旋回可能に載置された上部旋回体とから構成されており、上部旋回体上にはオペレータの保護や運手しやすい環境を作るためにキャブボックスが設けられている。更に上部旋回体上にはエンジンや油圧ポンプ、オイルタンク、その他の機器が配置され、それらの機器類を格納するためにハウスが設けられている。上部旋回体上に配置された機器類を点検、修理等の作業をするため、上部旋回体上へ昇るための昇降用ステップを取り付ける必要があった。又、キャブボックスにはオペレータが作業の際に前方が良く見えるように前面窓が設けられており、この前面窓には大きな窓ガラスが装着されている。窓ガラスが汚れているときは窓ガラスに洗浄液を吹き付けて汚れを清掃する必要があった。
【0003】
ところで、洗浄液を容れたウオッシャタンクの取り付け位置は従来からいろいろと検討されてきた。例えば、ウオッシャタンクをキャブボックス内部に設置した場合はキャブボックス内部が煩雑になるだけでなく、洗浄液補充の際に液がこぼれるとキャブボックス内部が汚れるという問題が指摘されている。又、上部旋回体上に設けられたハウス内に設置した場合は、取り付ける位置によっては洗浄液の補充作業が厄介な作業になるという問題が生じる。
【0004】
そこで、上記の問題を解決するために、例えば、公開特許公報、特開平11−321577号、並びに、公開特許公報、特開2002−13161号には、ハウスカバーに作業機の点検用ドアを設け、その裏側にウオッシャタンクを取り付けた例が開示されている。このようにして取り付けた場合でも上記した問題点は解決されているが、建設機械が超小型の旋回形油圧ショベルでは点検用ドアの裏側にもスペースが設けられない場合もある。このような場合には他の都合の良い場所に設置する必要がある。又、昇降用ステップの下側は無駄なスペースとなっていることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、昇降用ステップの下側にある無駄なスペースを活用してウオッシャタンクを設置することにより上記課題を解決する。又、取り付け場所が多ければ選択の自由度が増えてそれだけ設計が容易になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するための手段として以下の構成を採用している。即ち、請求項1に記載の発明は、上部旋回体を有する超小型建設機械において、該上部旋回体フレームの前側面の中央側端部に昇降用ステップとウオッシャタンクを保護するケースとを兼用した保護ケースを旋回半径の内側に入るように配置し、前記フレームに固設して昇降用ステップとして利用できるように構成し、該保護ケースの前面カバーを前方向に回転可能に設けて開閉自在とし、該前面カバーを開いた場合に前記ウオッシャタンクの給水蓋が開口面上方に現れてウオッシャ液の給水が容易となるように該ウオッシャタンクを保護ケース内部に取り付けたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上部旋回体を有する超小型建設機械において、上部旋回体を有する超小型建設機械において、該上部旋回体フレームの前側面の中央側端部に昇降用ステップとウオッシャタンクを保護するケースとを兼用した保護ケースを旋回半径の内側に入るように配置し、前記フレームに固設して昇降用ステップとして利用できるように構成し、該保護ケースを上下方向に2分割して蓋体と本体とを形成し、かつ、該蓋体を前方向に回転可能に設けて開閉自在とし、該蓋体を開いた場合に前記ウオッシャタンクの給水蓋が本体の上方に現れてウオッシャ液の給水が可能となるように該ウオッシャタンクを該本体内部に取り付けたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明を実施した超小型の旋回形油圧ショベルとウオッシャタンクの取り付け位置を示した図である。図2、図3は洗浄液を補充する場合と昇降用ステップとして利用する場合を説明した実施例である。図1(A)は平面図、(B)は側面図を示す。図1において、下部走行体11上に上部旋回体12が旋回可能に設けられている。さらに、上部旋回体12上の一側(前を向いて左側)にキャブボックス13が設けられ、反対側には燃料タンク、作動油タンク及びバブル等(何れも図示省略)を格納するハウス15が設けられている。又、キャブボックス及び燃料タンク若しくは作動油タンクの後方にはエンジン、油圧ポンプ等(何れも図示省略)が載置され、最後部には重量バランスのためのカウンタウエイト16が配備されている。なお、図1(A)の2点鎖線17は上部旋回体の旋回範囲を示す円である。 上部旋回体12の前側で、ハウス15の前側中央寄りの位置に昇降用ステップ20が設けられている。
【0013】
(第1実施例)
図2(A)は正面図、(B)は側面図を示す。図2において、昇降用ステップ20はウオッシャタンク21を保護する保護ケースと兼用している。以下、単にステップ兼用保護ケースという。ステップ兼用保護ケース20の前面板20aは下側に開閉可能に取り付けられており、前面板20aを開くとウオッシャタンク21の給水蓋21aが現れ、給水蓋21aを取り外すと給水口が現れ、ウオッシャ液を給水可能となる。図2(A)、(B)は前面板20aを開いた状態を示している。また、ウオッシャタンク21は図示省略の固定手段によりステップ兼用保護ケース20内に着脱自在に固定されている。
【0014】
本実施形態は以上の構成により、前面板20aを閉じた状態では昇降用ステップとして活用できると共に、前面板20aを開けた場合はウオッシャ液を給水可能となり、ウオッシャタンク21の保護ケースとして活用できる。また、このステップ兼用保護ケース20は、図1に示すように上部旋回体12の前方に固設されており、高さ方向の取付け位置は昇降用ステップとしても、また、給水する場合にも好適な位置に装着することが可能である。
【0015】
(第2実施例)
図3は上記実施例を一部変更した第2実施例で、図3(A)は正面図、図3(B)は側面図を示す。図3で、図2と同じ機能の構成要素については同じ番号を付して詳細な説明を省略する。図3において、ステップ兼用保護ケース25は上蓋25aを有する保護ケースとして構成されている。図3(A)、(B)は上蓋25aを開いた状態を示している。この状態で給水蓋21aを開ければ給水可能となり、又上蓋25aを閉じれば、昇降用ステップ25として活用できる。
【0016】
以上に説明したように本実施形態によれば、昇降用ステップ20(又は25)の下側の空きスペースを利用して収納ボックスと昇降用ステップ20とを一体的に構成し、設置したので、キャブボックス13や機器を格納するハウス15内にウオッシャタンク21を収納するスペースを設ける必要がなく、これらの空間を有効に活用できるという効果が得られる。更に、ウオッシャタンク21を収納するボックスが昇降用ステップと兼用しているので材料のコストを節約できる効果が得られ、又、ウオッシャタンク21を収納するボックスは車両の外部に設けられており、ウオッシャ液の補充作業が容易になるという効果も得られる。
【0017】
以上本発明の実施形態を図面に基づいて詳述してきたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではなく、例えば、昇降用ステップの下側にウオッシャタンク又は収納ボックスを独立に設けた場合も本発明の技術的範囲に属する。又、本発明は小型油圧ショベルにしか適用できないものでない。特に下部走行体と上部旋回体を有する大型の建設機械にも適用できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、昇降用ステップの下側の空きスペースを利用してウオッシャタンク又は収納ボックスを設けたので、スペースの有効活用が図れるという効果を有する。また、昇降用ステップと収納ボックスを兼用した場合は材料費を節約できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した小型油圧ショベルを示す。
【図2】 本実施形態の実施例を示す。
【図3】 本実施形態の別の実施例を示す。
【符号の説明】
11 下部走行体
12 上部旋回体
13 キャブ
14 作業機
15 機器収納ハウス
16 カウンタウエイト
20、25 ステップ兼用保護ケース
21 ウオッシャタンク
Claims (2)
- 上部旋回体を有する超小型建設機械において、該上部旋回体フレームの前側面の中央側端部に昇降用ステップとウオッシャタンクを保護するケースとを兼用した保護ケースを旋回半径の内側に入るように配置し、前記フレームに固設して昇降用ステップとして利用できるように構成し、該保護ケースの前面カバーを前方向に回転可能に設けて開閉自在とし、該前面カバーを開いた場合に前記ウオッシャタンクの給水蓋が開口面上方に現れてウオッシャ液の給水が容易となるように該ウオッシャタンクを保護ケース内部に取り付けたことを特徴とする建設機械のウオッシャタンク取り付け構造。
- 上部旋回体を有する超小型建設機械において、該上部旋回体フレームの前側面の中央側端部に昇降用ステップとウオッシャタンクを保護するケースとを兼用した保護ケースを旋回半径の内側に入るように配置し、前記フレームに固設して昇降用ステップとして利用できるように構成し、該保護ケースを上下方向に2分割して蓋体と本体とを形成し、かつ、該蓋体を前方向に回転可能に設けて開閉自在とし、該蓋体を開いた場合に前記ウオッシャタンクの給水蓋が本体の上方に現れてウオッシャ液の給水が可能となるように該ウオッシャタンクを該本体内部に取り付けたことを特徴とする建設機械のウオッシャタンク取り付け構造。
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