JP4040273B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原稿に記録された画像を記録紙などの記録媒体に形成する画像形成装置が使用されている。画像形成装置には、通常、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部と、このスキャナ部で読み取った画像を記録媒体に形成するプリンタ部とが組み込まれている。
【0003】
また、画像形成装置には、上記のスキャナ部とプリンタ部とをそれぞれ別の筐体に組み込んで2つの筐体を重ねておき、これら2つの筐体を互いにスライドさせるスライドタイプのものがある(特開平10−63053号参照)。
【0004】
従来のスライドタイプの画像形成装置について、図12と図13を参照して説明する。
【0005】
図12は、従来のスライドタイプの画像形成装置を示す側面図である。図13は、図12の画像形成装置を示す正面図である。
【0006】
画像形成装置10は、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部が組み込まれた上筐体20と、スキャナ部で読み取った画像を記録媒体に形成するプリンタ部が組み込まれた下筐体30に大別される。上筐体20は、図13に示すように、矢印A,B方向に自在にスライドできる(移動できる)ように構成されている。
【0007】
上筐体20の両側壁にはそれぞれ、矢印A,B方向に延びるガイド板22,24が固定されている。ガイド板22には、細長い2つのガイド孔22a,22bが形成されている。ガイド板24にも同様のガイド孔(図示せず)が形成されている。
【0008】
一方、下筐体30の上部には、矢印A,B方向に直交する方向に延びる4本のローラ軸32,34,36(1本は図示せず)が形成されている。各ローラ軸32,34,36にはローラ32a,34a,36aが回転自在に固定されている。これらのローラ32a,34a,36aが上筐体20を支持している。ローラ軸32,36がそれぞれガイド孔22a,22bを矢印A,B方向に移動することにより、上筐体20が矢印A,B方向に移動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにスライドタイプの画像形成装置10では、上筐体20を移動させるために、上筐体20には2枚のガイド板22,24が取り付けられており、また、下筐体30には4本のローラ軸32,34,36や4つのローラ32a,34a,36a等が取り付けられている。このように多数の部品が必要であるので、コストも高くなる。また、画像形成装置10を組み立てる工数も増えて組立作業(組付作業)が煩雑になる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、部品点数が少なくて組み付けが容易な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、原稿に記録された画像を読取るための部品が組み込まれた第1筐体を有する画像読取部と、画像を記録媒体上に形成するための部品が組み込まれた第2筐体を有するプリンター部と、を有し、プリンター部は原稿読取部の下に配置され、画像読取部は、画像を形成するために前記第2筐体の上壁を覆う画像形成位置と前記第2筐体の上壁の一部を開放するための保守位置との間をプリンター部に対してスライドする画像形成装置において、
(1)画像形成装置の背面側の第 1 筐体の側壁に設けられている第 1 突起部は、画像形成装置の背面側から正面側に向かって突出し、第2筐体と一体に形成された凹み部である第 1 ガイドに嵌り、
(2)第2筐体に設けられている第2突起部は、画像形成装置の正面側から背面側に向かって突出し、第 1 筐体と一体で形成されて、画像形成装置の正面側の第 1 筐体の側壁に設けられている凹み部である第2ガイドに嵌ることで第 1 筐体は第2筐体に対してスライド可能であることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、
(3)前記第1筐体が前記画像形成位置及び前記保守位置に位置しているときは、前記第1突起部が前記第1ガイドに隙間無く嵌まり込んでいると共に、前記第2突起部が前記第2ガイドに隙間無く嵌まり込んでいるように構成してもよい。
【0013】
また、
(4)前記第1筐体が前記画像形成位置と前記保守位置との間を移動する際には、前記第1突起部が前記第 1 ガイドとの間に隙間が存在するように嵌まり込んでいると共に、前記第2突起部が前記第2ガイドとの間に隙間が存在するように嵌まり込んでいるように構成してもよい。
【0014】
さらに、
(5)前記第2筐体は、前記第1筐体の前記移動方向への移動を補助する補助部材が該第2筐体の上面に形成されたものであってもよい。
【0015】
さらにまた、
(6)前記補助部材は、前記上面に配置された回転自在なコロであってもよい。
【0016】
さらにまた、
(7)前記第1筐体は、その側壁に穴が形成されたものであり、
(8)前記第2筐体は、前記第1筐体が前記画像形成位置に位置するときに前記穴に挿入されて該第1筐体を固定する突起が形成されたものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の外観を示す斜視図である。
【0023】
複写機50は、原稿に記録された画像を読み取るための複数の部品が組み込まれた第1筐体60と、画像を記録媒体に形成するための複数の部品が組み込まれた第2筐体100とを有する。第2筐体100は、図に示すように、第1筐体60の下に配置されている。従って、第1筐体60は第2筐体100に載置されていることとなる。なお、後述するように、第1筐体60は、第2筐体100の上面に沿って矢印A,B方向(本発明にいう所定の移動方向の一例である)に移動する。
【0024】
複写機50の頂面には開閉自在な直方体状の原稿圧着板62が配置されている。原稿圧着板62の下には、周知の光学系(図示せず)が組み込まれた光学用筐体64が配置されている。光学系には光源LED(図示せず)などが備えられている。光学用筐体64の上面(上壁)は、原稿が載置される原稿台ガラス(図示せず)である。原稿圧着板62と光学用筐体64によって、第1筐体60が構成されている。
【0025】
第2筐体100のうち、第1筐体60よりも手前側(正面側)には、複写枚数などが入力される操作パネル102が配置されている。第2筐体100の下部には、複数枚のカット紙が収容されるカセット104が第2筐体100に出し入れ自在に備えられている。第2筐体100の右側壁には、葉書などの小サイズの記録紙を給紙できる矩形状の手差しトレイ106が備えられている。この手差しトレイ106は、下辺部106aを中心にして矢印C方向(図2参照)に回動し、記録媒体を載置できる位置まで開く。また、第2筐体100の左側部分には空間が形成されており、排出された記録紙が積載される排紙トレイ108が形成されている。
【0026】
光学用筐体64のうち手前側の側壁には、矢印A,B方向に延びるレール溝66が形成されており、一方、第2筐体100には、レール溝66に嵌まり込む2つの凸部134,136が形成されている。また、第2筐体100の上部の奧側(手前側とは反対の側)の側壁には、矢印A,B方向に延びるレール溝138が形成されており、一方、光学用筐体64にはレール溝138に嵌まり込む4つの凸部72,74,76,78が形成されている。これらについては、図4などを参照して詳述する。
【0027】
図2と図3を参照して、複写機50で画像を形成する手順や保守点検の手順などを説明する。
【0028】
図2は、第1筐体が画像形成位置に位置している複写機を示す模式図である。図3は、第1筐体が保守位置に位置している複写機を示す模式図である。
【0029】
複写機50で画像を形成するに際は、第1筐体60を画像形成位置(図2に示す位置)に位置させておく。原稿に記録された画像を記録媒体に形成するためには、原稿圧着板62を開き、原稿台ガラス(図示せず)の上面に、画像面が下になるように原稿を載置し、この原稿を原稿圧着板62で押さえて固定する。次に、所定の操作ボタン等を押すことにより、原稿に記録された画像は、光学用筐体64に組み込まれた光学系で読み取られる。読み取られた画像はデジタル信号に変換され、このデジタル信号は、レーザスキャナ110に送信される。
【0030】
レーザスキャナ110に送信された信号はレーザ光に変換されて、このレーザ光は、高速で回転するスキャナミラー110a、折り返しミラー110bを経由して感光ドラム112に照射される。感光ドラム112は帯電器111によって一様に帯電されており、レーザ光が照射された感光ドラム112には静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ114から供給された現像剤で現像されて現像像が形成される。
【0031】
一方、カセット104からは記録紙などの記録媒体が給紙ローラ116によって矢印D方向(給紙方向)に給紙され、搬送ローラ118とレジストローラ120によって転写器122に搬送される。転写器122では、搬送されてきた記録媒体に感光ドラム112の現像像が転写される。現像像が転写された記録媒体は搬送装置124によって定着器126に搬送される。定着器126には定着ローラ126aと加圧ローラ126bが配置されており、これら2つのローラ126a,126bに記録媒体が挟まれながら搬送されて、現像像が記録媒体に定着される。このようにして現像像が定着された記録媒体は排紙ローラ128によって排出されて排紙トレイ108に積載される。
【0032】
なお、手差しトレイ106から記録媒体を給紙することもでき、手差しトレイ106から給紙された記録媒体に画像が形成される手順も上記と同じである。また、複写機50には、各種部品を駆動するための電源及び電気部品が装着された電装基板129も内蔵されている。
【0033】
上述したように複写機50には種々の部品や部材が組み込まれている。これらの部品のうち、帯電器111、感光ドラム112、及び現像ローラ114などはプロセスカートリッジ130に組み込まれている。このプロセスカートリッジ130は複写機50に着脱自在に装着されている。
【0034】
ここで、プロセスカートリッジ130を着脱したりジャム処理をしたりする保守点検作業について説明する。
【0035】
第2筐体100の上壁の一部は、開閉自在な蓋132になっている。プロセスカートリッジ130を着脱する際は、第1筐体60を矢印A方向に移動して保守位置に位置(図3に示す位置)させておき、蓋132を開ける。これにより、プロセスカートリッジ130を着脱できるだけでなく、複写機50の内部にジャム処理を行える。
図4から図9までを参照して、第1筐体を矢印A,B方向に移動(スライド)させる機構を説明する。
【0036】
先ず、図4と図5を参照して、スライド機構の概略を説明する。
【0037】
図4は、複写機の上面図である。図5は、図4の複写機を矢印E方向から見た側面図である。
【0038】
第1筐体60は、図4に示すように上から見た場合、ほぼ直方体である。この直方体の、矢印A,B方向に延びる側壁のうち、操作パネル102の側の側壁(手前側部分)には、矢印A,B方向に延びる凹部(レール溝であり、本発明にいう第1ガイドの一例である)66が形成されている。このレール溝66は、所定間隔離れて矢印A,B方向に延びる一対の上リブ68及び下リブ70を第1筐体60に射出成型で一体に作製することにより形成される。従って、第1筐体60にレール溝66を容易に低コストで作製できる。なお、第1筐体60の側壁には、上リブ68を補強する複数のリブ69が形成されている。下リブ70にも同様に複数の補強用のリブ71(図6参照)が形成されている。
【0039】
第2筐体100には、レール溝66に嵌まり込んだ円柱状の2つの凸部134,136(位置決めボスであり、本発明にいう第2ガイドの一例である)が射出成型によって一体に形成されている。第1筐体60を矢印A,B方向に移動させる際は、2つの凸部134,136がレール溝66に嵌まり込んでこれらが協働するので、第1筐体60が第2筐体100の上面に沿ってスムーズに案内されながら移動する。
【0040】
上述したように、複写機50では、第1筐体60を矢印A,B方向に案内するレール溝66と凸部134,136がそれぞれ第1筐体60及び第2筐体100に一体に形成されているので、これらを各筐体60,100に別々に(別体として)形成する場合に比べて部品点数が少ない。従って、第2筐体100の上に第1筐体60を容易に組み付けできる。また、レール溝66と凸部134,136が第1筐体60及び第2筐体100に一体に形成されているので、これらの強度が高い。従って、頑丈な複写機50が得られる。なお、2つの凸部134,136を第2筐体100とは別体として形成してもよいが、部品点数が増える。
【0041】
第1筐体60のうち、レール溝66とは反対側の側壁には、内側に向いて突出した4つの円柱状の凸部(位置決めボス)72,74,76,78(本発明にいう複数の凸部の一例である)が形成されている。一方、第2筐体100には、これら4つの凸部72,74,76,78が嵌まり込むレール溝138(本発明にいう移動方向に延びる凹部の一例である)が形成されている。このレール溝138は矢印A,B方向に延びている。これらについては後述する。
【0042】
第1筐体60を第2筐体100に組み付ける際には、2つの凸部134,136をレール溝66に嵌め込むと共に、4つの凸部72,74,76,78をレール溝138に嵌め込む。この場合、複写機50の手前側では、第1筐体60のレール溝66に第2筐体100の2つの凸部134,136が嵌めこまれると共に、複写機50の後側では、第2筐体100のレール溝138に第1筐体60の凸部72,74,76,78が嵌めこまれるので、第1筐体60を第2筐体100に容易に組み付けられる。
【0043】
また、第2筐体100の上面には、第1筐体60が矢印A,B方向に移動することを補助する4つのコロ160(本発明にいう補助部材の一例である)が配置されている。これら4つのコロ160については後述する。
【0044】
上記したレール溝66の形状や2つの凸部134,136の位置について、図6と図7を参照して説明する。
【0045】
図6(a)は、画像形成位置に位置する第1筐体を示す側面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。図7は、保守位置に位置する第1筐体を示す側面図である。これらの図では、図2に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0046】
第2筐体100に形成された2つの凸部134,136の位置は、第1筐体60の移動量(スライド量)によって設定される。例えば、第1筐体60が画像形成位置に位置するときは、図6に示すように、レール溝66の左端66aのやや内側に凸部136が位置するように凸部136を第2筐体100に形成する。また、第1筐体60が保守位置に位置するときは、図7に示すように、レール溝66の右端66bのやや内側に凸部134が位置するように凸部134を第2筐体100に形成する。
【0047】
また、レール溝66の長手方向中央部分には、段差66cが形成されている。この段差66cよりも左端66aの側における上リブ68と下リブ70の間隔は、右側66bにおけるこの間隔よりも、広くなっている。但し、レール溝66のうち左端66aの側の一部66dでは、上リブ68と下リブ70が平行になっており、それらの間隔は、凸部136が隙間無く嵌まり込む間隔である。同様に、第1筐体60が画像形成位置に位置するときに凸部134が接触している上リブ68と下リブ70の間隔も、凸部134が隙間無く嵌まり込む間隔である。
【0048】
上記のようにレール溝66における上リブ68と下リブ70の間隔が設定されているので、第1筐体60が、図5に示すように、画像形成位置に位置するときは、凸部134,136がレール溝66に隙間無く嵌めこまれており、第1筐体60は上下方向に移動できない。従って、複写機50に内蔵されたモータなどの駆動に起因して第1筐体60が上下方向に振動しようとしてもこの振動が防止されるので、第1筐体60が上下方向にがたつかない。この結果、このような振動に起因する画質低下を防止できる。
【0049】
第1筐体60を矢印A,B方向に移動させるときは、凸部134,136と上リブ68との間には、図6(b)に示すように、隙間Lが形成される。従って、第1筐体60が矢印A,B方向に移動するときは、第1筐体60が上下方向に多少がたつくので、第1筐体60を矢印A,B方向にスムーズに移動できる。
【0050】
第1筐体60が保守位置に位置する場合、図7に示すように、矢印H方向の力が作用したときは、矢印M方向で示すモーメントが発生する。このようなモーメントが発生しても、凸部134,136が上リブ68及び下リブ70に当接して第1筐体60の回転を防止するので、第1筐体60が第2筐体100から外れない。
【0051】
図8と図9を参照して、レール溝138と4つの凸部72,74,76,78について説明する。
【0052】
図8は、第1筐体が画像形成位置に位置する複写機を図4の矢印G方向から見た側面図である。図9は、第1筐体が保守位置に位置する複写機を図4の矢印G方向から見た側面図である。これらの図では、図2に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0053】
上述したように、第1筐体60のうち、レール溝66とは反対側の側壁には、4つの凸部72,74,76,78が形成されている。一方、第2筐体100には、これら4つの凸部72,74,76,78が嵌まり込むレール溝138が形成されている。このレール溝138は、矢印A,B方向に延びる下リブ140と上リブ142によって形成されている。
【0054】
第1筐体60が画像形成位置に位置しているときは、図8に示すように、レール溝138の左端138aのやや内側に凸部74が位置すると共に右端138bのやや内側に凸部72が位置するように凸部72,74を第1筐体60に形成する。一方、第1筐体60が保守位置に位置するときは、図9に示すように、レール溝138の右端138bのやや内側に凸部76が位置すると共に左端138aのやや内側に凸部78が位置するように凸部76,78を第2筐体100に形成する。
【0055】
第1筐体60に形成された4つの凸部72,74,76,78の位置(配置)は、レール溝138の長さによって決定される。2つの凸部72,74の間隔、及び2つの凸部76,78の間隔はそれぞれ、レール溝138の長さよりも短い。従って、第1筐体60が画像形成位置に位置しているときは、図8に示すように、2つの凸部72,74はレール溝138に確実に嵌めこまれている。同様に、第1筐体60が保守位置に位置しているときは、図9に示すように、2つの凸部76,78はレール溝138に確実に嵌め込まれている。
【0056】
また、レール溝138を形成する下リブ140の長手方向両端部にはそれぞれ、傾斜部140a,140bが形成されている。これら2つの傾斜部140a,140bはストレート部140cでつながれている。2つの傾斜部140a,140bにおける下リブ140と上リブ142の間隔は、ストレート部140cにおける下リブ140と上リブ142の間隔よりも広くなっているストレート部140cにおける下リブ140と上リブ142の間隔は、凸部72,74,76,78が隙間無く嵌まり込む間隔である。従って、2つの傾斜部140a,140bにおける下リブ140と上リブ142の間隔は、上リブ142と凸部72,74,76,78との間には多少の隙間が形成される。
【0057】
上記のようにレール溝138における上リブ142と下リブ140の間隔が設定されているので、第1筐体60が、図8に示すように、画像形成位置に位置するときは、凸部72,74がレール溝138に隙間無く嵌めこまれており、第1筐体60は上下方向に移動できない。従って、複写機50に内蔵されたモータなどの駆動に起因して第1筐体60が上下方向に振動しようとしてもこの振動が防止されるので、第1筐体60が上下方向にがたつかない。この結果、このような振動に起因する画質低下を防止できる。
【0058】
また、第1筐体60が保守位置に位置する場合、図9に示すように、矢印H方向の力が作用したときは、矢印M方向で示すモーメントが発生する。このようなモーメントが発生しても、凸部76,78が上リブ142及び下リブ140に当接して第1筐体60の回転を防止するので、第1筐体60が第2筐体100から外れない。
【0059】
図10を参照して、第2筐体の上面に固定されたコロについて説明する。
【0060】
図10は、第2筐体の上部を示す側面図である。
【0061】
上述したように、第2筐体100の上面100aには、第1筐体60が矢印A,B方向に移動することを補助する4つのコロ160(図10では2つのコロ160が示されている)が配置されている。4つのコロ160が第2筐体100の上面100aから突出している量(高さh)は、第1筐体60と第2筐体100との隙間に相当する量である。コロ160は、第1筐体60の重心の位置、又は第1筐体60の移動領域に応じて、第1筐体60を容易に矢印A,B方向に移動できるように決定される。ここでは、4つのコロ160を配置したが、第1筐体60が比較的軽く、重心等を考慮しても、第1筐体60を移動する際に傾かないようであるときは、3つのコロ160を配置してもよい。
【0062】
コロ160は円筒形状のもので、上面100aに回転自在に配置されている。又は、コロ160は回転しないものでもよいが、この場合は摺動性に優れた材料でコロ160を作製する。このようなコロ160を上面100aに適宜に配置することにより、第1筐体60を矢印A,B方向に移動するときの摩擦抵抗を軽減できるので、この移動をスムーズに行える。
【0063】
図11を参照して、第1筐体60の位置を決める突起と穴について説明する。
【0064】
図11(a)は、第1筐体の光学用筐体の一部を矢印B方向下流側から見た側面図であり、(b)は、第2筐体を矢印A,B方向に直交する方向から見た複写機の一部を示す背面図である。
【0065】
第1筐体60の側壁のうち矢印B方向下流側の側壁には穴80が形成されている。一方、第2筐体100の上面100aのうち矢印B方向下流側部分からは壁170が立ち上がっており、この壁170の内壁面170aには、矢印B方向上流側に突出した突起172が形成されている。
【0066】
第1筐体60が画像形成位置に位置するときは、第1筐体60の穴80に第2筐体100の突起172が挿入される。これにより、第1筐体60は、矢印A,B方向に直交する方向には移動できないように第2筐体100に確実に固定される。
【0067】
上記した複写機50では、2つのレール溝66,138と、これらのレール溝66,138に嵌まり込む凸部72,136を形成したが、いずれか一方のレール溝とこのレール溝に嵌まり込む凸部だけを形成して他方は形成しなくてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像形成装置では、第1の筐体を移動方向に案内する第1及び第2ガイドがそれぞれ第1及び第2筐体に一体に形成されているので、ガイドを各筐体に別々に(別体として)形成する場合に比べて部品点数が少ない。従って、第2筐体の上に第1筐体を容易に組み付けできる。また、第1及び第2ガイドが第1及び第2筐体に一体に形成されているので、各ガイドの強度が高い。従って、頑丈な画像形成装置が得られる。
【0069】
ここで、前記第1及び第2筐体はそれぞれ、前記第1及び第2ガイドと共に射出成型で作製されたものである場合は、第1及び第2ガイドそれぞれを第1及び第2筐体に射出成型で一体に形成するのでそれらの製造コストを低くできる。
【0070】
また、前記第1ガイドは、前記第1筐体の側壁に形成された、前記移動方向に延びる凹部であり、前記第2ガイドは、前記凹部に嵌まり込んだ凸部である場合は、凹部に凸部を嵌め込むだけでガイドを構成できるので、第2筐体の上に第1筐体をいっそう容易に組み付けできる。
【0071】
さらに、前記第1筐体は、画像が形成される画像形成位置から、所定の保守動作が行われる保守位置までの間を移動するものであり、前記凹部は、前記第1筐体が前記画像形成位置に位置しているときには、該凹部の内部で前記凸部が上下方向に移動することを禁止するものであり、一方、前記第1筐体が前記画像形成位置と前記保守位置との間を移動中は、該凹部の内部で前記凸部が上下方向に移動することを許可するものである場合は、第1筐体が画像形成位置に位置しているときは凹部の内部で凸部が上下方向に移動できないので、第1筐体も上下方向に移動できない。従って、モータの駆動などに起因して第1筐体が上下方向に振動しようとしてもこの振動が防止されるので、第1筐体は上下にがたつかない。この結果、形成される画像の画質を向上できる。また、第1筐体が移動中は第1筐体が上下方向に移動できるので、移動の際の抵抗を少なくできる。従って、第1筐体をスムーズに移動させ易い。
【0072】
さらにまた、前記凹部は、前記第1筐体が前記画像形成位置に位置しているときにおける該凹部のうち前記凸部が位置する部分と、前記第1筐体が移動中における該凹部のうち前記凸部が位置する部分との境界部分に段差が形成されたものである場合は、凹部に段差を形成することにより凸部の上下方向の移動を禁止したり許可したりするので、簡易な構成にできる。
【0073】
さらにまた、前記第1筐体は、該第1筐体のうち前記凹部が形成された側壁とは反対側の側壁に複数の凸部が形成されたものであり、前記第2筐体は、前記複数の凸部が嵌まり込んだ、前記移動方向に延びる凹部が形成されたものである場合は、第1筐体の凹部に第2筐体の凸部を嵌め込むと共に、第1筐体の複数の凸部を第2筐体の凹部に嵌め込むことにより、第1筐体を第2筐体に組み付けられる。従って、第1筐体を第2筐体に組み付け易い。
【0074】
さらにまた、前記第1筐体に形成された複数の凸部は、2つ以上の凸部を一組として二組以上形成されたものであると共に、該第1筐体が前記画像形成位置及び前記保守位置に位置しているときにはいずれかの組の凸部が、前記第2筐体に形成された凹部に嵌まり込んでいるものである場合は、第1筐体が第2筐体から外れることを防止できる。
【0075】
さらにまた、前記第2筐体は、前記第1筐体の前記移動方向への移動を補助する補助部材が該第2筐体の上面に形成されたものである場合は、第1筐体を移動方向にいっそう容易に移動できる。
【0076】
さらにまた、前記補助部材は、前記上面に配置された回転自在なコロである場合は、簡易な構成の補助部材が得られる。
【0077】
さらにまた、前記第1筐体は、その側壁に穴が形成されたものであり、前記第2筐体は、前記第1筐体が前記画像形成位置に位置するときに前記穴に挿入されて該第1筐体を固定する突起が形成されたものである場合は、第1筐体が画像形成位置に確実に固定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の外観を示す斜視図である。
【図2】第1筐体が画像形成位置に位置している複写機を示す模式図である。
【図3】第1筐体が保守位置に位置している複写機を示す模式図である。
【図4】複写機の上面図である。
【図5】図4の複写機を矢印E方向から見た側面図である。
【図6】(a)は、画像形成位置に位置する第1筐体を示す側面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
【図7】保守位置に位置する第1筐体を示す側面図である。
【図8】第1筐体が画像形成位置に位置する複写機を図4の矢印G方向から見た側面図である。
【図9】第1筐体が保守位置に位置する複写機を図4の矢印G方向から見た側面図である。
【図10】第2筐体の上部を示す側面図である。
【図11】(a)は、第1筐体の光学用筐体の一部を矢印B方向下流側から見た側面図であり、(b)は、第2筐体を矢印A,B方向に直交する方向から見た複写機の一部を示す背面図である。
【図12】従来のスライドタイプの画像形成装置を示す側面図である。
【図13】図12の画像形成装置を示す正面図である。
【符号の説明】
50 複写機
60 第1筐体
66,138 レール溝
68 上リブ
70 下リブ
80 穴
100 第2筐体
72,74,76,78,134,136 凸部
160 コロ
172 突起
Claims (6)
- 原稿に記録された画像を読取るための部品が組み込まれた第1筐体を有する画像読取部と、画像を記録媒体上に形成するための部品が組み込まれた第2筐体を有するプリンター部と、を有し、プリンター部は原稿読取部の下に配置され、画像読取部は、画像を形成するために前記第2筐体の上壁を覆う画像形成位置と前記第2筐体の上壁の一部を開放するための保守位置との間をプリンター部に対してスライドする画像形成装置において、
画像形成装置の背面側の第 1 筐体の側壁に設けられている第 1 突起部は、画像形成装置の背面側から正面側に向かって突出し、第2筐体と一体に形成された凹み部である第 1 ガイドに嵌り、第2筐体に設けられている第2突起部は、画像形成装置の正面側から背面側に向かって突出し、第 1 筐体と一体で形成されて、画像形成装置の正面側の第 1 筐体の側壁に設けられている凹み部である第2ガイドに嵌ることで第 1 筐体は第2筐体に対してスライド可能であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1筐体が前記画像形成位置及び前記保守位置に位置しているときは、前記第1突起部が前記第1ガイドに隙間無く嵌まり込んでいると共に、前記第2突起部が前記第2ガイドに隙間無く嵌まり込んでいることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1筐体が前記画像形成位置と前記保守位置との間を移動する際には、前記第1突起部が前記第 1 ガイドとの間に隙間が存在するように嵌まり込んでいると共に、前記第2突起部が前記第2ガイドとの間に隙間が存在するように嵌まり込んでいることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第2筐体は、
前記第1筐体の前記移動方向への移動を補助する補助部材が該第2筐体の上面に形成されたものであることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記補助部材は、
前記上面に配置された回転自在なコロであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記第1筐体は、その側壁に穴が形成されたものであり、
前記第2筐体は、前記第1筐体が前記画像形成位置に位置するときに前記穴に挿入されて該第1筐体を固定する突起が形成されたものであることを特徴とする請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
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