JP4040113B2 - Isdnインターフェースのt/s点共用装置 - Google Patents

Isdnインターフェースのt/s点共用装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はISDN(サービス総合デジタル網)のインターフェースに関し、特に構内交換機(PBX)やボタン電話装置の主装置等の第2の網端末装置NT2のインターフェースとして使用され、T点、S点のインターフェースの機能を持つISDNインターフェースのT/S点共用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、パソコン等のデータ端末やG4ファクシミリ等のデジタル機器の普及によりISDNを使用する機会が増え、構内交換機やボタン電話装置の主装置等をISDN回線に接続して使用する場合も多くなった。図2にISDN加入者系の構成を示す。図中1は交換局にあるISDN交換機、2は利用者の宅内であり、両者は加入者線によって接続されている。この加入者線は宅内2にて第1の網終端装置NT1に接続されていて、そこから直接形態1端末装置に接続される場合と、第2の網端末装置NT2に接続され、さらに形態1端末装置TE1に接続される場合と、端末アダプタ装置TAを介して形態2端末装置TE2に接続される場合、といった利用態様がある。ここで第1の網終端装置NT1は加入者線でデジタル信号を伝送するための宅内2側の送受信装置で、第2の網端末装置NT2は構内交換機(PBX)やボタン電話装置の主装置に相当するもので、配下の内線にISDN端末を収容する。形態1端末装置TE1はISDN用の標準端末であり、第1の網終端装置NT1に直接接続される場合と、第2の網端末装置NT2を介して接続される場合がある。端末アダプタ装置TAはISDN対応機能を持たない既存端末である形態2端末装置TE2をISDNに接続するためのインターフェース変換機能を持つ装置である。
【0003】
このような加入者系のインターフェースは端末に近い方からそれぞれ、R,S,T及び図示しないUの4つのインターフェースが規定されている。Uインターフェースは第1の網終端装置NT1とISDN交換機1の間の加入者と電話局とを結ぶインターフェースである。Tインターフェースは第1の網終端装置NT1と第2の網端末装置NT2とのあいだの点のインターフェースで、Sインターフェースは第2の網端末装置NT2と形態1端末装置TE1との間の点のインターフェースであり、形態1端末装置TE1は第1の網終端装置NT1に接続される場合もあるため、そのような場合にはこの点をS/T点と呼んでいる。
【0004】
次に加入者系の基本インターフェースにおける信号の流れを図3に示す。
図では第2の網端末装置NT2を省略し、S/T点のインターフェースとして表している。第1の網終端装置NT1からは上り/下り各一対の宅内配線が延出していて、これに各形態1端末装置TE1がソケット3を介して接続され、4線式の全2重通信を行うようになっており、その末端は終端抵抗で処理されている。網側から着信した信号、すなわちISDN交換機1からの信号は第1の網終端装置NT1を介して受信信号RXDとして各形態1端末装置TE1に送出され、各形態1端末装置TE1からの信号は送信信号TXDとして第1の網終端装置NT1に送信される。また、第1の網終端装置NT1から各形態1端末装置TE1へ最大420mWの給電が行われている。
【0005】
また、例えば図に示すように着信信号RXDには、情報チャネルB1,B2、信号チャネルD、競合制御用チャネルE等が含まれており、送信信号TXDには、情報チャネルB1,B2、信号チャネルD等はあるが、競合制御用チャネルEはない。このような電気信号の形態についての取決めはレイヤ1として詳細に規定されており、その外にメッセージ転送のためのリンク設定制御、誤り制御等についてレイヤ2として規定されている。
【0006】
ところで、第1の網終端装置NT1と形態1端末装置TE1との間にPBXや主装置等の第2の網端末装置NT2を置くと、この第2の網端末装置NT2の第1の網終端装置NT1側と形態1端末装置TE1側にそれぞれTインターフェース、Sインターフェースを設ける必要があるが、図4に示すように主装置等の第2の網端末装置NT2のTインターフェースと、Sインターフェースでは信号の向きが逆になる。すなわち、図4に示すように、Tインターフェースでは受信信号RXDを受信し、送信信号TXDを送信する。これに対し、Sインターフェースでは受信信号RXDを送信し、送信信号TXDを受信する。また、Tインターフェースでは第1の網終端装置NT1側からの電力の供給を受けるが、Sインターフェースでは形態1端末装置TE1に対し電力を供給する。なお、受信信号RXDと送信信号TXDとでは上述の如く競合制御用チャネルEの有/無等その形態においても若干異なったものとなる。
【0007】
従って、従来はTインターフェースと、Sインターフェースとで、それぞれ異なったハードウエア、ソフトウエアを用意して使用していたため、T点からS点、またはS点からT点へのインターフェース変更を行う場合、ソフトウエアを含めたハードウエアの変更が必要となり、機材の費用が2倍になり、また、変更のための手間と時間を要していた。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたものでその目的とするところは、Tインターフェースと、Sインターフェースの両方のインターフェースをハードウエア、ソフトウエアの両面で同時にサポートでき、T点からS点、またはS点からT点へのインターフェース変更が、簡単かつ安価に実現可能なISDNインターフェースのT/S点共用装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ISDN加入者回線の構内交換機やボタン電話装置の主装置等の第2の網端末装置のインターフェースとして使用されるISDNインターフェースのT/S点共用装置において、ISDNインターフェースのレイヤ1の規定に従った信号の制御と、ISDNインターフェースのレイヤ2の規定に従った信号の制御とを行う送受信部と、音声を含むデータの授受を送受信部と行うバス制御部と、TインターフェースとSインターフェースとの切換を行うNT/TEモードスイッチと、Tインターフェース制御用のプログラムとSインターフェース制御用のプログラムとを格納している記憶部と、NT/TEモードスイッチによるTインターフェース使用時には、記憶部内のTインターフェース制御用のプログラムを起動して送受信部により受信信号を受信し、送信信号を送信するとともに電力の供給を受ける制御と、NT/TEモードスイッチによるSインターフェース使用時には、記憶部内のSインターフェース制御用のプログラムを起動し、送受信部により受信信号を送信し、送信信号を受信するとともに電力を供給する制御とを行うCPUとを有することを特徴とするISDNインターフェースのT/S点共用装置である。
【0010】
そして、送受信部はISDN信号の送信を行うISDN送信信号用トランスと、ISDN信号の受信を行うISDN受信信号用トランスと、これらISDN送信信号用トランスとISDN受信信号用トランスを介してISDN信号の授受を行うレイア1LSIと、このレイア1LSIに接続されたレイア2LSIと、前記ISDN送信信号用トランスとISDN受信信号用トランスの一次側にあって受電あるいは給電を行う受電回路、給電回路と、これらを切り換える切換手段とを有することを特徴とした。
【0011】
【作用】
送受信部140はISDN用信号の授受を行う部分で、ISDNのインターフェースとして要求されるレイヤ1、レイヤ2等の規律に従って、S点、T点双方ににおける信号の授受に必要な機能や電力の授受に必要な機能を有しており、これにより受信信号RXDを受信し、送信信号TXDを送信するとともに電力の供給を受け、あるいは、受信信号RXDを送信し、送信信号TXDを受信するとともに電力を供給する。記憶部144はTインターフェース制御用のプログラムとSインターフェース制御用のプログラムを内蔵していて、必要に応じてどちらか一方を読み出すことが可能となっている。バス制御部145は構内交換機やボタン電話装置の主装置等の内部バスに接続されて、この内部バスを介して構内交換機やボタン電話装置の主装置等のシステムCPUと交信したり音声信号の授受を行う。そして、CPU100がTインターフェースとSインターフェースの切換用のNT/TEモードスイッチ101を切り換えることにより選択された、記憶部144内のTインターフェース制御用のプログラムあるいはSインターフェース制御用のプログラムを実行することにより、TインターフェースあるいはSインターフェースのいずれとしても動作することができる。
【0012】
また、送受信部140内のレイヤ1LSI112と、レイヤ2LSI113はそれぞれ、デジタル加入者線信号方式として規定されたレイヤ1、レイヤ2の規律に従って信号を制御するLSIで、CPU100からのコマンドにより必要な信号の制御を行い、制御ソフトによってT点にもS点にも対応できる機能を有する。切換手段141はCPU100からの命令により、受電回路108と給電回路109を切り換える。
【0013】
次に本発明の一実施例について図に基づいて説明する。図1は本発明の代表的実施例として、構内交換機や主装置の内部に組み込まれて使用されるインターフェース装置の基本構成を示した図である。
図において150はISDN加入者線に接続するための入/出力コネクタ、140は送受信部で、144は制御用プログラム等を記憶する記憶部、145は構内交換機やボタン電話装置の主装置等の内部バスに接続されて、信号の授受を行うバス制御部、100は送受信部140やバス制御部145と接続されこれらを制御するCPU、101はT点と、S点のインターフェースを切り換えるNT/TEモードスイッチ、151は構内交換機やボタン電話装置の主装置等の内部バスと接続するための内部バス用コネクタである。
【0014】
また、送受信部140の構成要素として、104はISDN信号を送信するためのISDN送信信号用トランス、105はISDN信号を受信するためのISDN受信信号用トランス、108はISDN回線から電力の供給を受ける受電回路、109はISDN回線へ電力を供給する給電回路、141はこの受電回路108と給電回路109を切り換えるための切換手段、112はISDN信号をレイヤ1の規定に従って送受信するためのレイヤ1LSI、113はISDN信号をレイヤ2の規定に従って送受信するためのレイヤ2LSI、116はこのレイヤ2LSI113が扱うデータを格納するためのRAMである。
【0015】
また、記憶部144の構成要素として、118はCPU100が扱うデータを格納するRAM、119はCPU100が実行するためのプログラム等を格納するBootROMで、その所定の領域にはTインターフェース制御用のプログラムとSインターフェース制御用のプログラムが格納されている。
【0016】
また、バス制御部145の構成要素として、121はクロック信号等の基準となる所定の周波数の信号を発生する発振器、122は網同期用LSI、123はシステム制御バス用インターフェースLSI、124はシステム音声バス用LSIである。
【0017】
しかして、入/出力コネクタ150にはISDN送信信号用トランス104とISDN受信信号用トランス105とがそれぞれ接続されていて、また、それぞれ切換手段141を介して受電回路108または給電回路109が接続されるようになっている。ISDN送信信号用トランス104とISDN受信信号用トランス105の2次側はそれぞれレイア1LSI112に接続されていて、このレイア1LSI112によりISDNの信号が制御される。また、レイア1LSI112にはレイア2LSI113が接続されており、さらに、レイア1LSI112とレイア2LSI113にはこの2つのLSIの扱うデータを格納するためのRAM116が接続されている。レイア1LSI112とレイア2LSI113にはアドレス/コントロールバス132とデータバス133がそれぞれ接続されていて、CPU100やバス制御部145と接続される他、レイア1LSI112はシステム音声バス用LSIと接続され、ISDN Bチャンネルデータの授受を行っている。
【0018】
記憶部144内のRAM118とBootROM119は、それぞれアドレス/コントロールバス132とデータバス133とを介してCPU100等と接続されている。
【0019】
バス制御部145内の網同期用LSI122はレイヤ1LSI112と接続されるとともに、システム音声バス用LSI124と接続されている。また、発振器121と接続されクロック信号の供給を受けるとともに、アドレス/コントロールバス132とデータバス133と接続されている。システム制御バス用インターフェースLSI123はアドレス/コントロールバス132とデータバス133を介してCPU100等と接続されるとともに、構内交換機や主装置の内部バスである制御BUSと接続され、必要に応じてシステムCPUとデータの授受等を行う。システム音声バス用LSI124も同様に構内交換機や主装置の内部バスである音声BUSと接続され、音声データの授受等を行う。
【0020】
CPU100はアドレス/コントロールバス132とデータバス133を介して送受信部140、記憶部144、バス制御部145等と接続され制御プログラムに従ってこれらを制御するとともに、NT/TEモードスイッチ101と接続されている。
【0021】
このような構成の装置において、送受信部140内のレイヤ1LSI112はISDNインターフェースのレイヤ1の規定に従って信号を制御するLSIで、CPU100からのコマンド等に応じてISDNのBchデータの授受等を行うもので、前述の送信信号TXDと受信信号RXDのフレーム構造や通信手順の相違は全てソフトウエアでサポートされ、このレイヤ1LSI112を制御することにより実現されている。また、レイヤ2LSI113も同様にレイヤ2の規定に従ってISDN信号を制御するLSIでレイヤ1より一階層上の構造である通信効率等について規定している。そして、レイヤ1LSI112とレイヤ2LSI113とは接続されていて一体として動作する。
【0022】
バス制御部145はCPU100が外部バスと接続するための制御用のシステム制御バス用インターフェースLSIと音声データ等の授受を行うシステム音声バス用LSI124により構内交換機や主装置と接続されて、必要なデータの授受や制御を受ける。また、網同期用LSI122は網のフレームとシステム内のフレームの同期をとるものである。
【0023】
このインターフェース装置をT点で使用する場合には、NT/TEモードスイッチ101をNT側に切り換える。するとCPU100がこれを認識して、BootROM119の所定の領域のTインターフェース用プログラムを起動させ、レイヤ1LSI112とレイヤ2LSI113等を制御して 受信信号RXDを受信し、送信信号TXDを送信する、そして、切換手段141を受電回路108に切り換え、電力の供給を受ける。
【0024】
S点で使用する場合には逆にNT/TEモードスイッチ101をTE側にすれば、BootROM119の所定の領域のSインターフェース用プログラムが起動し、受信信号RXDを送信し、送信信号TXDを受信する制御を行い、切換手段141を給電回路109に切り換え、電力を供給する。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ISDNのTインターフェースとSインターフェースの切換を、ハードウエア、ソフトウエアを変えずにスイッチの切換だけで変更可能としたので、T点からS点、あるいはS点からT点へのインターフェースの変更が簡単かつ安価にできるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の基本構成を示した図である。
【図2】ISDN加入者系の構成を示した図である。
【図3】加入者系の基本インターフェースにおける信号の流れを示した図である。
【図4】T点とS点での信号の向き等を示した図である。
【符号の説明】
1 ISDN交換機
2 宅内
3 ソケット
NT1 第1の網終端装置
NT2 第2の網終端装置
TE1 形態1端末装置
TE2 形態2端末装置
TA 端末アダプタ装置
100 CPU
101 NT/TEモードスイッチ
104 ISDN送信信号用トランス
105 ISDN受信信号用トランス
108 受電回路
109 給電回路
112 レイア1LSI
113 レイア2LSI
116 RAM
118 RAM
119 BootROM
120 RAM
121 発振機
122 網同期用LSI
123 システム制御バス用インターフェースLSI
124 システム音声バス用LSI
132 アドレス/コントロールバス
133 データバス
140 送受信部
141 切換手段
144 記憶部
145 バス制御部
150 入/出力コネクタ
151 内部バス用コネクタ

Claims (1)

  1. ISDN加入者回線の構内交換機やボタン電話装置の主装置等の第2の網端末装置(NT2)のインターフェースとして使用されるISDNインターフェースのT/S点共用装置において、
    ISDNインターフェースのレイヤ1の規定に従った信号の制御と、ISDNインターフェースのレイヤ2の規定に従った信号の制御とを行う送受信部(140)と、
    音声を含むデータの授受を送受信部(140)と行うバス制御部(145)と、
    TインターフェースとSインターフェースとの切換を行うNT/TEモードスイッチ(101)と、
    Tインターフェース制御用のプログラムとSインターフェース制御用のプログラムとを格納している記憶部(144)と、
    NT/TEモードスイッチ(101)によるTインターフェース使用時には、記憶部(144)内のTインターフェース制御用のプログラムを起動して送受信部(140)により受信信号(RXD)を受信し、送信信号(TXD)を送信するとともに電力の供給を受ける制御と、NT/TEモードスイッチ(101)によるSインターフェース使用時には、記憶部(144)内のSインターフェース制御用のプログラムを起動し、送受信部(140)により受信信号(RXD)を送信し、送信信号(TXD)を受信するとともに電力を供給する制御とを行うCPU(100)とを有し、
    前記送受信部(140)はISDN信号の送信を行うISDN送信信号用トランス(104)と、ISDN信号の受信を行うISDN受信信号用トランス(105)と、これらISDN送信信号用トランス(104)とISDN受信信号用トランス(105)を介してISDN信号の授受を行うレイア1LSI(112)と、このレイア1LSI(112)に接続されたレイア2LSI(113)と、前記ISDN送信信号用トランス(104)とISDN受信信号用トランス(105)の一次側にあって受電あるいは給電を行う受電回路(108)、給電回路(109)と、これらを切り換える切換手段(141)とを有することを特徴とするISDNインターフェースのT/S点共用装置。
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