JP4039970B2 - 電解装置及びそれを用いた水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食用水や、水耕栽培、或いは、養魚場などから出る排水などの水(被処理水)を殺菌処理するための電解装置及びそれを用いた水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば貯水槽などに貯留された水道水などの飲食用水中に含まれる細菌やカビ、原虫などの微生物を除去する場合、従来ではこれら微生物を収集可能な多孔質のフィルタ材を流水路中に配設し、このフィルタ材に微生物を固着させることによって、浄化する方法が採られていた。
【0003】
また、これに加えて飲食用水中に電極を挿入して電気分解することにより、塩素やオゾンを発生させ、これらの殺菌作用によって飲食用水中に含まれる微生物を死滅させるものもあった。
【0004】
一方、水耕栽培では、栽培床に作物の栽培に好適な割合で肥料を水に溶解した養液を循環させ、栽培床に植え付けられた作物を好適に生育させている。しかし、養液を循環させた栽培床の中はフザリウム菌(カビの一種)などの病原菌の繁殖に好適な環境であり、栽培床中にフザリウム菌が繁殖すると作物の根を傷め作物を枯らしてしまう。
【0005】
このため、養液をヒータで加熱したり、養液の循環経路中に透光性のジャケットに内装した紫外線或いはオゾンにて養液中に含まれる病原菌を滅菌させる構造の装置が実施されていた。
【0006】
そこで、水耕栽培で栽培床中に繁殖する病原菌の滅菌を行なうために養液を加熱していたが、加熱した養液をそのまま使用すると植物が枯れてしまうため加熱した養液を冷却する冷却装置も必要になる。このため、養液の加熱、冷却に大量のエネルギーを使用しなければならない問題があった。また、紫外線やオゾンを用いて養液中に含まれる病原菌を殺菌すると、養液中に含まれる鉄やマンガン濃度を低下させてしまう問題もあった。
【0007】
そこで、養液などの被処理水を殺菌する方法として、中空部を有する円筒形の導電性フィルタを本体内に設け、フィルタ周囲から被処理水を供給してフィルタを通過させ、浄水処理した後、中空部内に処理水を導入し、フィルタの両端部電極を設置し、フィルタに通電してフィルタに付着した物質を除去するように構成した殺菌装置がある(特許文献1参照)。
【0008】
また、活性炭素繊維などの通水性吸着材で形成された電極の一方の側から被処理水を供給する流路と、他方の側へ透過した被処理水の流路とを形成し、係る電極により電気化学的処理を行うことにより、被処理水中の殺菌を行うものがある(特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第3065903号公報
【特許文献2】
特許第3267779号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の殺菌装置では、殆どの被処理水を装置内部に取り込み、フィルタ材若しくは、通水性吸着材により構成された電極を通過させるため、被処理水中に混入されるゴミなどがフィルタ材や電極に形成された透過孔を閉塞し、直ぐに目詰まりを生じてしまう問題があった。そのため、フィルタ材や電極の目詰まりにより、被処理水を流通させる速度が低下し、処理効率が著しく低下する問題があった。
【0011】
また、当該フィルタ材や電極の目詰まりが悪化した場合には、被処理水を逆流させ、再生したり、若しくは、当該フィルタ材や電極等を交換しなければ成らず、煩雑なメンテナンスが強いられるという問題があった。
【0012】
そこで本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、容易に被処理水の水処理を行うことができると共に、被処理水に混入されるゴミなどにより電極が目詰まりする不都合を著しく改善することができる電解装置及びそれを用いた水処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1の発明の電解装置は、少なくとも微生物を収集可能な通水性部材から成り、所定の間隔を存して配置された一対の電極を備え、この電極は平膜状の炭素繊維、又は、カーボンファイバー、若しくは、活性炭繊維などの炭素系材料により構成されていると共に、当該電極は矩形体により構成された枠部材に固定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明の電解装置は、上記において両電極間より流出した被処理水をろ過処理するMF膜を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明の水処理装置は、請求項1又は請求項2の電解装置と、各電極をそれぞれ通過してそれらの外側から両電極間に被処理水を流入させた後、当該両電極間から流出させる被処理水の搬送手段と、両電極への電位の印加と搬送手段を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明の水処理装置は、上記発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、該第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させて被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、被処理水の存在下、両電極に交流電圧を印加する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明の水処理装置は、請求項3の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、該第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、両電極に印加する電位の極性を反転させ、両電極に印加する電位を上昇させて被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、被処理水の存在下、両電極に交流電圧を印加する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明の水処置装置は、請求項4又は請求項5の発明において、被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、制御装置は、第3の処理ステップにおいてヒータに通電することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明の水処理装置は、請求項3の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、該第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させて被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、被処理水をヒータにて加熱する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明の水処理装置は、請求項3の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、該第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、両電極に印加する電位の極性を反転させ、両電極に印加する電位を上昇させて被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、被処理水をヒータにて加熱する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明の水処理装置は、上記各水処理装置の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップにおいて、電極に印加する電位の極性を交互に変化させることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明の水処理装置は、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9の発明において、制御装置は、第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、当該被処理水のpHを9以上のアルカリに調整する第5の処理ステップを実行することを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明の水処理装置は、請求項10の発明において、被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、制御装置は、第5の処理ステップにおいてヒータに通電することを特徴とする。
【0024】
請求項1の発明の電解装置によれば、少なくとも微生物を収集可能な通水性部材から成り、所定の間隔を存して配置された一対の電極により構成されるので、微生物を効果的に捕集することができるようになる。
【0025】
また、電極は、炭素繊維、又は、カーボンファイバー、若しくは、活性炭繊維などの炭素系材料により構成されるので、微生物との親和性が向上し、より一層効果的に微生物を捕集することができるようになる。また、これら炭素系材料は、電極として表面積が大きくとれるので、電極性能が向上する。また、炭素系材料を用いることにより、環境負荷を軽減することができるようになる。
【0026】
特に、電極は平膜状であり、矩形体により構成された枠部材に固定されているので、電極の構成が著しく簡素化される。また、電極を炭素繊維にて構成することにより、請求項3乃至請求項9の発明において、第1の処理ステップにおける収集効率の向上、並びに、 第2の処理ステップにおける電気分解による被処理水のpHを微生物の至適pHからずらす効果を向上させることができるようになる。更に、各電極は枠部材と一体化されるため、容易に処理対象となる被処理水中に投入可能となる。
【0027】
請求項2の発明によれば、上記において、両電極間より流出した被処理水をろ過処理するMF膜を備えたので、確実に除菌処理を行うことができるようになり、被処理水を飲料として用いることが可能となる。また、両電極間において処理した後の被処理水をMF膜によりろ過処理することから、MF膜の目詰まりを抑制することができ、当該MF膜の長寿命化を図ることができるようになる。
【0028】
請求項3の発明によれば、上記各発明の電解装置と、各電極をそれぞれ通過してそれらの外側から両電極間に被処理水を流入させた後、当該両電極間から流出させる被処理水の搬送手段を備えているため、当該両電極間に流入した被処理水のみを水処理することができるようになる。そのため、被処理水に混入されるゴミなどにより通水性部材にて構成される電極が目詰まりする不都合を著しく改善することができるようになり、被処理水の処理効率が向上する。
【0029】
また、目詰まりを改善することができることから、搬送手段による被処理水の流速の低下を著しく抑制することができるようになり、より一層被処理水の処理効率の向上を図ることができるようになる。
【0030】
請求項4の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0031】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは低下し、酸性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。また、この第2の処理ステップである程度次亜塩素酸による殺菌も行われる。
【0032】
次に、第3の処理ステップでは両電極間に交流電圧を印加するので、被処理水は発熱する。この発熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項2の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水を微生物の至適pHから大きくずらすことにより微生物を低い温度上昇で効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0033】
請求項5の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0034】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性を反転させて両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは高くなり、アルカリ性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。
【0035】
次に、第3の処理ステップでは両電極間に交流電圧を印加するので、被処理水は発熱する。この発熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項3の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水中に含まれる微生物を効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0036】
また、請求項6の発明によれば、請求項4又は請求項5の発明の第3の処理ステップにおいて、前記被処理水をヒータにて加熱するので、被処理水は両電極間に印加される交流電圧による発熱に加え、ヒータからの加熱によって迅速に温度上昇するようになる。これにより、一方の電極に固着された微生物をより迅速且つ効果的に死滅させることが可能となる。
【0037】
請求項7の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0038】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは低下し、酸性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。また、この第2の処理ステップである程度次亜塩素酸による殺菌も行われる。
【0039】
次に、第3の処理ステップではヒータにて被処理水を加熱する。この加熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項5の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水を微生物の至適pHから大きくずらすことにより微生物を低い温度上昇で効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0040】
請求項8の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0041】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性を反転させて、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行っているので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは高くなり、アルカリ性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。
【0042】
次に、第3の処理ステップではヒータにて被処理水を加熱する。この加熱による被処理水の温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項6の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水中に含まれる微生物を効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0043】
請求項9の発明によれば、上記各水処理装置の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップにおいて、電極に印加する電位の極性を交互に変化させるので、正電位とされた一方の電極のみに微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物が付着することを抑制することができると共に、極性が変化し、負電位とされることにより、効果的に電極に付着した微生物や水酸化マグネシウムなどを剥離させることができるようになる。これにより、電極の耐久性が向上する。
【0044】
請求項10の発明によれば、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9の発明において、制御装置は、第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、当該被処理水のpHを9以上のアルカリに調整する第5の処理ステップを実行するので、両電極の表面に吸着した微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物をより一層効果的に剥離させることができるようになる。
【0045】
これにより、電極の表面に吸着飽和した微生物を剥離させることにより、当該電極の再生を行うことができるようになる。また、当該電極の表面に付着した水酸化マグネシウムなどの付着物による導電率の低下を未然に回避することができるようになる。また、煩雑なメンテナンスを行うことなく、容易に吸着飽和した微生物や付着物を除去し、電極の再生を図ることができるようになる。
【0046】
請求項11の発明によれば、請求項10の発明において、被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、制御装置は、第5の処理ステップにおいてヒータに通電するので、より一層効果的に電極の再生処理及び被処理水の殺菌処理を行うことができるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した実施例としての水処理装置1の斜視図、図2は本実施例としての水処理装置1の断面図を示している。水処理装置1は、飲食用水や、水耕栽培システムにて出る排水などの被処理水を貯留する貯水槽3に浸漬して用いられるものであり、一対の電極11、12を所定間隔を存して固定する枠部材7と、この枠部材7の上方からこれら電極11、12間の被処理水を外部に導出する導出配管2と、この導出配管2を介して強制的に外部に被処理水を引き出す排水ポンプ5(搬送手段)とから構成されている。尚、電極11、12と枠部材7とにより電解装置を構成されるものとする。
【0048】
枠部材7は前面及び後面に開口が形成された矩形体により構成されており、上下端及び左右側端が一体に構成されている。そして、この前面及び後面に形成された開口には、それぞれ電極11、12が所定間隔を存して固定されており、これら電極11、12は、図2に示す如くそれぞれ電源4に接続されている。これにより、電極11、12は、枠部材7と一体に構成されることとなり、容易に処理対象となる被処理水中に投入可能となる。
【0059】
また、両電極11、12は、被処理水の処理に最適な間隔を存して一体とされているので、一体とされた両電極11、12を被処理水中に投入するのみで、被処理水の処理に最適な間隔を存して設置することができるようになり、使用時における煩雑な作業を回避することができるようになる。
【0060】
更に、この電極11、12は、平膜状の炭素繊維にて構成されている。この炭素繊維は、少なくとも微生物を収集可能なメッシュ状の通水性部材により構成される。尚、本実施例では、炭素繊維にて電極11、12を構成しているが、これ以外にも、カーボンファイバーや活性炭繊維などの炭素系材料により構成しても良いものとする。
【0061】
そして、当該枠部材7の上面には、前述した如き導出配管2を設けるための挿入孔が形成され、当該挿入孔を介して両電極11、12間の被処理水を外部に引き出すための導出配管2が挿入されている。
【0062】
当該水処理装置1が浸漬される貯水槽3には、飲食用水や、水耕栽培システムにて出る排水などの被処理水を当該貯水槽3内に導入するための導入配管8が設けられている。尚、この導入配管8は、搬送ポンプ6により被処理水の貯水槽3への供給制御を行っている。更に、貯水槽3内には、水処理装置1の前方または後方に位置してシーズヒータから成る電気ヒータ9が設けられており、通電されて発熱し、貯水槽3内の被処理水を加熱する。
【0063】
尚、電極11、12が接続された電源4と、電気ヒータ9、排水ポンプ5、搬送ポンプ6は、制御装置15に接続されており、この制御装置15は、これら電極11、12への電位の印加を制御すると共に、電気ヒータ9への通電と各ポンプ5、6の運転を制御する。また、この制御装置15には、各電極11、12間(若しくは貯水槽3内)の被処理水の温度を検出する温度センサが接続されている。
【0064】
以上の構成で、次に制御装置15の動作について説明する。貯留槽3には例えば水耕栽培用の養液などの被処理水が導入配管8を介して接続される。また、前記制御装置15は例えば汎用のマイクロコンピュータにて構成されており、予め設定されたプログラムに従い、以下に説明する第1の処理ステップ乃至第6の処理ステップを順次実行する。
【0065】
(1)第1の処理ステップ
制御装置15は先ず排水ポンプ5を停止し、搬入ポンプ6を運転して、貯水槽3内に被処理水を貯留する。これにより、被処理水が貯水槽3内に貯留され、水処理装置1の電極11、12は、被処理水中に浸漬されるかたちとなる。この時点で、被処理水は、一旦貯水槽3に貯留されることから、被処理水中に混入されるゴミなどは自重により貯水槽3底面に残留する。
【0066】
そして、被処理水が貯水槽3内に所定水位上貯留された時点で、排水ポンプ5を運転する。これにより、自重により貯水槽3底面に残留したゴミが除去された状態の被処理水のみが、両電極11、12を通過し、排水ポンプ5を介して外部に排水される。このとき、電極11、12が炭素繊維により構成されていることから、被処理水中に含まれる細菌やカビなどの微生物は、電極11、12中を通過する過程でその表面に形成されている微細な孔に捕らえられ、または、炭素繊維と微生物の親和性により、或いは、炭素繊維のフィルタ作用により捕らえられて固着されていく。尚、上述した如く電極11、12を炭素繊維の他に、カーボンファイバーや活性炭繊維などの炭素系材料により構成した場合であっても、微生物との親和性が向上し、より一層効果的に微生物を捕集することができるようになる。また、これら炭素系材料は、電極として表面積が大きくとれるので、電極性能が向上する。また、炭素系材料を用いることにより、環境負荷を軽減することができるようになる。
【0067】
そして、比較的重量の大きなゴミが除去された被処理水のみを両電極間に流入させ、水処理することができるようになる。そのため、被処理水に混入されるゴミなどにより通水性部材にて構成される電極11、12が目詰まりする不都合を著しく改善することができるようになり、被処理水の処理効率が向上する。
【0068】
また、目詰まりを改善することができることから、各ポンプ5、6による被処理水の流速の低下を著しく抑制することができるようになり、より一層被処理水の処理効率の向上を図ることができるようになる。
【0069】
一方、制御装置15は、例えば電極11に正電位(+)を印加し、電極12に負電位(−)を印加する。尚、この場合に印加する電位は、水の電気分解が生じない程度の電位であり、被処理水の水質などに応じて決定する。
【0070】
ここで、微生物は一般的に負電位に帯電していることから正電位とされた電極11に微生物は引き寄せられようになる。従って、電極11内に流入した微生物は、電極11の表面に引き寄せられ、その微細な孔に円滑且つ効率的に固着されていく。
【0071】
上記の如き第1の処理ステップを実行することにより、水処理装置1内を通過して導出配管2から流出する被処理水は、微生物が電極11に固着されて除去された正常な養液となる。この第1の処理ステップは養液の供給が必要な期間中、若しくは、タイマにて予め定められた期間、実行される。
【0072】
尚、係る第1の処理ステップにおいて、これら電極11、12に印加する電位の極性を所定間隔をおいて、交互に変化させても良いものとする。これにより、正電位とされた一方の電極、例えば電極11のみに微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物が付着することを抑制することができるようになる。また、係る電極11が極性が変化し、負電位とされることにより、効果的に電極11に付着した微生物や水酸化マグネシウムなどを剥離させることができるようになる。これにより、電極11又は12の耐久性が向上する。
【0073】
そして、その後の養液の供給を停止する期間、若しくは、タイマにて予め定められた期間に制御装置15は第2の処理ステップを実行する。
【0074】
(2)第2の処理ステップ
この第2の処理ステップでは、制御装置15は各ポンプ5、6の運転を停止する。これにより、水処理装置1の両電極11、12内の被処理水の流通が停止される。この状態で、制御装置15は電極11、12に印加する電位の極性をそのままで、両電極11、12に印加する電位を上昇させて被処理水の電気分解を生起せしめる。尚、この場合に印加する電位も、被処理水の水質などに応じて決定する。
【0075】
また、水処理装置1の両電極11、12間に被処理水が滞留した状態で、電極11が正電位となることにより、当該電極11の表面付近の被処理水のpHは低下し、例えばpH2程の酸性となる。ここで、微生物の至適pHは一般的にpH7近傍とされていることから、微生物は至適pHから外れた被処理水中では代謝異常を起こし、増殖性及び耐熱性が大幅に低下してしまう。そして、前述の如く電極11に固着された微生物の周囲は酸性水となるため、通常は+60℃程まで耐えられる微生物の耐熱性は著しく低下するようになる。このように、養液の供給を停止する期間に被処理水の電気分解を生起せしめて、被処理水のpHを微生物の至適pHから大幅に外す。また、この第2の処理ステップで次亜塩素酸の発生もあるため、この次亜塩素酸による殺菌もある程度行なわれている。
【0076】
ここで、原虫のような微生物の場合には、タンパク質を変性・溶解させることが処理効率の向上に繋がる。そこで、係る微生物を多く含んだ被処理水の場合や正に帯電した微生物が多い場合には、上記第1の処理ステップ終了後、電極11の電位と、電極12の電位を反転させて次に説明するもう一つの第2の処理ステップを実行する。
【0077】
(3)もう一つの第2の処理ステップ
この場合の第2の処理ステップでは制御装置15は電極11に負電位(−)を印加する。一方、電極12には正電位(+)を印加する。尚、この場合に印加する電位も、被処理水の水質などに応じて決定する。
【0078】
電極11が負電位となることにより、電極11の表面付近の被処理水のpHは上昇し、例えばpH11程のアルカリ性となる。これにより、電極11に固着された微生物の周囲はアルカリ性水となるため、原虫などの微生物のタンパク質が変性・溶解され、その耐性は低下する。これにより、第2の処理ステップの次に実行する第3の処理ステップにおける殺菌効果が向上することになる。そして、制御装置15は係る第2の処理ステップの被処理水の電気分解を所定時間行なった後、第3の処理ステップを実行する。
【0079】
(4)第3の処理ステップ
この第3の処理ステップでは、制御装置15は電極11と電極12間に交流電圧を印加する。これにより、電極11と電極12間の被処理水には電流が流れ、当該電極11、12及び被処理水は発熱する。このとき、電極11、12及び被処理水の温度は少なくとも約+50℃(+50℃〜+100℃の範囲)程まで上昇する。係る発熱による温度上昇により、第1の処理ステップで電極11に固着され、第2の処理ステップで生き残り耐熱性が低下している微生物も、第3の処理ステップで効率的に死滅される。尚、前述の第2の処理ステップで被処理水を電気分解し、pHを低下又は上昇させているので、通常+60℃程まで耐えられる微生物でも約+50℃程の低い温度で死滅させることができる。
【0080】
また、電極11と電極12では被処理水の電気分解が生じ、正電位とされ、アノードとなる電極11では被処理水中の塩化物イオンが電子を放出して塩素(又は次亜塩素酸)が発生する。また、水分子も分解されて酸素原子が結合することによりオゾンが発生する。一方、負電位とされてカソードとなる電極12では活性酸素が発生する。
【0081】
係る電極11と電極12間に交流を印加した場合、電極上での分極を起こさずにこれら電極11、12間の被処理水を加熱することが可能となる。これら電極11、12間の被処理水の温度上昇により、電気分解によって耐熱性が低下している微生物を更に効率的に死滅させることが可能となる。
【0082】
尚、電極11、電極12間に直流を印加し発熱させる場合、直流では上述のオゾン等の発生の他に水の電気分解が起こり、発熱以外にエネルギーが消費されてしまうが、交流は水の電気分解が起こらず少ない電力消費量で微生物を死滅させることができる。これにより、大幅な省エネルギー化を図れ、経済的に有利となる。また、交流は化学変化を伴わないため、電極寿命を延ばせることも期待できる。
【0083】
(5)もう一つの第3の処理ステップ
ここで、係る電極11、12への交流電圧の印加(前記(4)の第3の処理ステップ)に代えて、電気ヒータ9により被処理水を加熱してもよい。この場合、制御装置15は電気ヒータ9に通電(交流電圧)して発熱させ、各電極11、12及び被処理水を加熱する。
【0084】
このときも、両電極11、12間の被処理水の温度は少なくとも約+50℃(+50℃〜+100℃の範囲)程まで上昇させる。係る発熱による温度上昇により、第1の処理ステップで電極11に固着され、第2の処理ステップで生き残り、耐熱性が低下している微生物も、このもう一つの第3の処理ステップで効率的に死滅される。尚、前述の第2の処理ステップで被処理水を電気分解し、pHを低下又は上昇させているので、通常+60℃程まで耐えられる微生物でも約+50℃程の低い温度で死滅させることができる。尚、電気ヒータ9の通電は温度センサの出力に基づいて制御装置15が制御する。
【0085】
また、係るもう一つの第3の処理ステップでは、電気ヒータ9の発熱に加えて、前記(4)の第3の処理ステップ同様に電極11と電極12間に交流電圧を印加し、被処理水と両電極11、12を発熱させてもよい。係る構成によれば、第3の処理ステップにおける被処理水の温度上昇を迅速に行い、微生物の処理効果を向上させることができるようになる。
【0086】
そして、制御装置15は係る第3の処理ステップで微生物を死滅させた後、上述した如き第1の処理ステップを実行する。
【0087】
尚、上記実施例に加えて、他の実施例として図3に示す如く各電極11、12の外方にそれぞれ第3の電極として電極16、17を設けても良いものとする。尚、係る第3の電極16、17は、例えば、白金や白金被覆電極などの貴金属又は貴金属被覆電極により構成されているものとする。係る電極16、17は、前記電極11、12と同様に図示しない電源を介して制御装置15により通電制御されるものとする。そして、係る実施例では、上述の実施例と同様に第1の処理ステップから第3の処理ステップまで実行した後、第4の処理ステップを実行する。
【0088】
(5)第4の処理ステップ
この第4の処理ステップでは、制御装置15は第3の処理ステップの終了後、両電極11、12に負電位(−)を印加する。一方、電極16、17には正電位(+)を印加する。尚、この場合に印加する電位も、被処理水の水質などに応じて決定する。また、制御装置15は、前記温度センサの出力に基づき、電気ヒータ9を通電し、両電極11、12間の被処理水を例えば+50℃以上に加熱する。
【0089】
これにより、電極11及び12が負電位となることにより、電極11及び12の表面付近の被処理水のpHは上昇し、例えばpH12程度のアルカリ性となる。また、電気ヒータ9が通電されることにより、両電極11、12間の被処理水は、+50℃以上のアルカリ性水となる。
【0090】
そのため、上述した如き第2の処理ステップ及び第3の処理ステップにおいて正電位が印加された電極11の表面に微生物が吸着し飽和すると共に、負電位が印加された電極12表面に溶解度の関係で水酸化マグネシウムなどが固形化し付着するが、両電極11、12間が+50℃以上、pH12程度のアルカリ性水となることにより、吸着飽和した電極11の微生物等を除去することができると共に、溶解度の関係で電極12の水酸化マグネシウムなどの付着物を除去することができるようになる。
【0091】
これにより、両電極11、12間に流入し、電極11に固着した微生物や電極12に固着した水酸化マグネシウムは、容易に各電極11、12から剥離する。これによって、電極11、12は、微生物や付着物が固着していない元の綺麗な炭素繊維の状態に蘇生できるので、各電極11、12を清潔で綺麗に保つことができるようになる。
【0092】
このようにして、第2の処理ステップ及び第3の処理ステップでは電極11に固着された微生物を死滅させると共に、第4の処理ステップで死滅し電極11に固着された微生物や電極12に付着した付着物を剥離することができるため、次回の第1の処理ステップを実行する際、電極11による良好な微生物固着作用を再現することが可能となる。また、各電極11、12の電解効率の低下を抑制することができる。
【0093】
尚、上記実施例に加えて、第1の処理ステップの終了後に第5の処理ステップ若しくは第6の処理ステップを実行しても良いものとする。
【0094】
(6)第5の処理ステップ
この第5の処理ステップでは、制御装置15は、第1の処理ステップの終了後、両電極11、12への通電を停止すると共に、各ポンプ5、6の運転を停止する。これにより、水処理装置1の両電極11、12内の被処理水の流通が停止されると共に、電気分解が停止する。そして、この状態で、被処理水中に薬剤などを添加することにより、被処理水のpHを9以上のアルカリに調整する。
【0095】
被処理水のpHを9以上のアルカリに調整することにより、第1の処理ステップが終了した段階で、両電極11、12の表面に吸着した微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物を効果的に剥離させることができる。これにより、電極11、12の表面に吸着飽和した微生物を剥離させることができるようになり、当該電極11、12の再生を行うことができるようになる。
【0096】
そのため、電極11、12の表面に付着したシリカ及び水酸化マグネシウムなどの付着物による導電率の低下を未然に回避することができる。これにより、煩雑なメンテナンスを行うことなく、容易に吸着飽和した微生物や付着物を除去し、電極11、12の再生を図ることができるようになる。
【0097】
尚、他の実施例として、図3に示す如く各電極11、12の外方にそれぞれ第3の電極として電極16、17を設けている場合には、この第5の処理ステップにおいて、各ポンプ5、6の運転を停止すると共に、両電極11、12に負電位を印加した状態で、第3の電極16、17に正電位を印加し、両電極11、12の表面付近の被処理水のpHを高くしても良い。かかる場合には、両電極11、12の表面付近の被処理水が、アルカリ性となって両電極11、12の表面に吸着飽和した微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物を剥離させることができるようになる。
【0098】
これによっても、電極11、12の表面に吸着飽和した微生物を剥離させることにより、電極11、12の再生を行うことができるようになる。また、電極11、12の表面に付着した水酸化マグネシウムなどの付着物による導電率の低下を未然に回避することができるようになる。また、煩雑なメンテナンスを行うことなく、容易に吸着飽和した微生物や付着物を除去し、電極11、12の再生を図ることができるようになる。
【0099】
かかる場合において、被処理水中に、塩化物イオンを含む物質が含有されている場合、若しくは格別に添加されている場合には、両電極11、12により被処理水が電気分解され、被処理水中に次亜塩素酸やオゾンを含む活性酸素が生成される。これにより、比較的濃度の高い次亜塩素酸やオゾンなどの活性酸素により、被処理水の殺菌処理及び貯水槽3の殺菌処理を行うことができるようになる。
【0100】
また、かかる場合において、第3の電極16、17は、上述した如く貴金属又は貴金属を被覆した不溶性導電体により構成されるので、より一層効果的に、電極11、12の再生処理を行うことができる。特に、上述した如く被処理水中に塩化物イオンが含有されている場合には、より一層次亜塩素酸やオゾンなどの活性酸素の生成効率が向上し、効率的に被処理水の殺菌処理を行うことができるようになる。
【0101】
また、係る第5の処理ステップにおいて前記電気ヒータ9を通電しても良いものとする。これにより、より一層効果的に電極11、12の再生処理及び被処理水の殺菌処理を行うことができるようになる。
【0102】
(7)第6の処理ステップ
この第6の処理ステップでは、図3に示す如く各電極11、12の外方にそれぞれ第3の電極として電極16、17を設けている場合には、制御装置15は、第1の処理ステップの終了後、各ポンプ5、6を停止し、両電極11、12に正電位を印加した状態で、第3の電極16、17に負電位を印加し、これら電極11、12、16、17に印加する電位を上昇させる。これにより、電極11、12の表面の炭素が酸素と燃焼反応を生じ、効果的に、電極11、12の表面を再生させることができるようになる。
【0103】
また、かかる場合において、第3の電極16、17は、上述した如く貴金属又は貴金属を被覆した不溶性導電体により構成されるので、より一層効果的に、電極11、12の再生処理を行うことができる。特に、被処理水中に塩化物イオンを含む物質が添加されている場合には、より一層次亜塩素酸やオゾンなどの活性酸素の生成効率が向上し、効率的に被処理水の殺菌処理を行うことができるようになる。
【0104】
尚、上述の如く水処理された後の被処理水は、更に、導出配管2を介して図示しないMF膜又はMF平膜を備えたろ過処理手段に接続しても良いものとする。これにより、除菌処理された後の被処理水を更に目の細かいMF膜やMF平膜などによりろ過処理することにより、より一層、高度に水処理することができるようになり、当該水処理された後の被処理水を飲料用として用いることができるようになる。また、両電極11、12間において処理した後の被処理水をMF膜によりろ過処理することから、MF膜の目詰まりを抑制することができ、当該MF膜の長寿命化を図ることができるようになる。
【0105】
(8)水耕栽培システム
ここで、本発明の水処理装置1を水耕栽培システム30に採用した場合の例を図4を用いて説明する。図4において養液タンク36に蓄えられた2次養液(2次養液とは、栽培床35で植物に養分が吸収され、養分が薄くなった養液を云う)は循環ポンプ37で送り出され、活性炭などが用いられた濾過タンク31で有機物などのゴミが除去された後、貯液タンク32に流入し、そこで一旦貯液される。貯液タンク32に貯留された養液(被処理水)は、糸巻きフィルターなどからなるカートリッジフィルター33に流入し濾過タンク31で除去されなかったゴミが除去された後導入配管8から水処理装置1が設置された貯留槽3内に流入する。
【0106】
水処理装置1に流入した養液は、そこで電気分解されて養液中に繁殖する菌、特に、栽培床35中の植物としての作物38の根を傷めるフザリウム菌或いは他の細菌など(以降これらを病原菌と称す)が電極11に吸着され、病原菌の取り除かれた養液だけが水処理装置1の導出配管2より養液調整タンク34に流入される。例えば、1日に1回排出ポンプ5と搬送ポンプ6を停止して、第2の処理ステップ(電気分解)が行なわれることにより、養液はpH2程の酸性水となり、電極11に吸着された病原菌は至適pHが外れて代謝異常を起こし、増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。
【0107】
そして、養液の電気分解によって病原菌の増殖性及び耐熱性が低下した後、第3の処理ステップに進み、電極11と電極12間に交流電圧が印加される。交流電圧が印加されると、電極11と電極12間の養液は発熱し、病原菌は加熱される。これにより、代謝異常を起こした病原菌は死滅する。
【0108】
また、水処理装置1は、第3の処理ステップの終了後、第4の処理ステップにおいて電極11及び12の再生を行う。尚、40は用水(この場合、用水には水道水或いは地下水などが用いられる)である。循環経路を循環する養液は作物38に吸収され、また、自然蒸発により少なくなっていくので、少なくなった養液量分の用水40を補充することになる。
【0109】
また、栽培床35内の養液に栽培床35に植え付けられた作物38の生育に不足している養分がある場合、肥料調整装置34A、34B、34C、34D(この場合、作物38の生育に不足すると思われるマグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、他肥料(養分)などがそれぞれ別々に肥料調整装置34A、34B、34C、34D内に収納されている)から不足する養分が選択されて養液調整タンク34内に投入される。
【0110】
これにより、養液調整タンク34内は、栽培床35に植え付けられた作物38の生育に適した養分を含んだ養液に調整される。そして、作物38の生育に適した養分に調整された養液は、養液調整タンク34から作物38が植え付けられた栽培床35に流入し、そこで、所定量の養液が作物38に吸収され、養分が薄くなった2次養液は排水されて養液タンク36に戻り、再度循環ポンプ37で送り出されリサイクル液として循環を繰り返す。
【0111】
このように、栽培床35から出た2次養液を当該栽培床35に再循環させる経路中に本発明の水処理装置1を設けているので、養液及び2次養液が流れる経路を循環する養液中に含まれる病原菌の至適pHを大幅にずらし、加熱することが可能となる。これにより、栽培床35の循環経路中に生存する病原菌に代謝異常を起こさせて、代謝異常を起こした病原菌を加熱により死滅させ、滅菌することができるようになる。従って、従来のようにヒータを用いた養液の加熱殺菌に比較して大量のエネルギーを消費する不都合が回避され、大幅な省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0112】
また、オゾン、紫外線を用いて養液中に繁殖する病原菌の殺菌を行なっていないので、養液中に含まれる鉄やマンガン濃度の低下を抑えることが可能となる。これにより、栽培床35で栽培する作物38の鉄やマンガン欠乏症を防止することができるようになる。また、従来の殺菌剤を用いた場合に起こり易い毒性物質の残留や蓄積による作物38自体および作物38を食した人畜への悪影響を阻止することが可能となり、総じて、循環経路中の病原菌の除去効果を著しく改善することができ、クリーンで衛生的な作物38を栽培することができるようになる。
【0113】
尚、実施例では、第2の処理ステップで電極11に正電位(+)、電極12に負電位(−)を印加し、もう一つの第2の処理ステップで電極11に負電位(−)、電極12に正電位(+)を印加したが、これに限らず、第1の処理ステップの後、第2の処理ステップともう一つの第2の処理ステップを交互に行なうようにしても差し支えない。即ち、第1の処理ステップの次の処理ステップ(これが第2の処理ステップとなる)で電極11と電極12に正電位(+)と負電位(−)を交互に印加して至適pHが酸性、或いは、アルカリ性の微生物を死滅させるようにしても本発明は有効である。
【0114】
また、最初の実施例では貯水槽からの水道管などの流水路中に水処理装置1を設けたが、それに限らず、貯水槽内に直接投入してもよく、また、排水の流路中に設けても有効である。また、実施例では微生物を収集可能な通水性部材として炭素繊維を用いたが、それに限らず、微生物を収集可能な導電体であればよい。
【0115】
また、後者の実施例では本発明の水処理装置1を、水耕栽培システム30のカートリッジフィルター33と養液調整タンク34の間に介設したが、これに限らず、水処理装置1は、養液及び2次養液が循環する循環経路であればどこに設けても差し支えない。また、水処理装置1を水耕栽培システム30に1カ所設けたが、これに限らず、水処理装置1を養液及び2次養液の循環経路に2カ所或いはそれ以上設けても本発明は有効である。
【0116】
更に、実施例では水耕栽培システムに本発明の水処理装置を適用したが、それに限らず、塩水魚或いは淡水魚の養魚場に適用し、塩水や淡水中の雑菌や微生物を死滅させてもよい。
【0117】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1の発明の電解装置によれば、少なくとも微生物を収集可能な通水性部材から成り、所定の間隔を存して配置された一対の電極により構成されるので、微生物を効果的に捕集することができるようになる。
【0118】
また、電極は、炭素繊維、又は、カーボンファイバー、若しくは、活性炭繊維などの炭素系材料により構成されるので、微生物との親和性が向上し、より一層効果的に微生物を捕集することができるようになる。また、これら炭素系材料は、電極として表面積が大きくとれるので、電極性能が向上する。また、炭素系材料を用いることにより、環境負荷を軽減することができるようになる。
【0119】
特に、電極は平膜状であり、矩形体により構成された枠部材に固定されているので、電極の構成が著しく簡素化される。また、電極を炭素繊維にて構成することにより、請求項3乃至請求項10の発明において、第1の処理ステップにおける収集効率の向上、並びに、第2の処理ステップにおける電気分解による被処理水のpHを微生物の至適pHからずらす効果を向上させることができるようになる。更に、各電極は枠部材と一体化されるため、容易に処理対象となる被処理水中に投入可能となる。
【0120】
請求項2の発明によれば、上記において、両電極間より流出した被処理水をろ過処理するMF膜を備えたので、確実に除菌処理を行うことができるようになり、被処理水を飲料として用いることが可能となる。また、両電極間において処理した後の被処理水をMF膜によりろ過処理することから、MF膜の目詰まりを抑制することができ、当該MF膜の長寿命化を図ることができるようになる。
【0121】
請求項3の発明によれば、上記各発明の電解装置と、各電極をそれぞれ通過してそれらの外側から両電極間に被処理水を流入させた後、当該両電極間から流出させる被処理水の搬送手段を備えているため、当該両電極間に流入した被処理水のみを水処理することができるようになる。そのため、被処理水に混入されるゴミなどにより通水性部材にて構成される電極が目詰まりする不都合を著しく改善することができるようになり、被処理水の処理効率が向上する。
【0122】
また、目詰まりを改善することができることから、搬送手段による被処理水の流速の低下を著しく抑制することができるようになり、より一層被処理水の処理効率の向上を図ることができるようになる。
【0123】
請求項4の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0124】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは低下し、酸性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。また、この第2の処理ステップである程度次亜塩素酸による殺菌も行われる。
【0125】
次に、第3の処理ステップでは両電極間に交流電圧を印加するので、被処理水は発熱する。この発熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項2の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水を微生物の至適pHから大きくずらすことにより微生物を低い温度上昇で効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0126】
請求項5の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0127】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性を反転させて両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは高くなり、アルカリ性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。
【0128】
次に、第3の処理ステップでは両電極間に交流電圧を印加するので、被処理水は発熱する。この発熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項3の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水中に含まれる微生物を効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0129】
また、請求項6の発明によれば、請求項4又は請求項5の発明の第3の処理ステップにおいて、前記被処理水をヒータにて加熱するので、被処理水は両電極間に印加される交流電圧による発熱に加え、ヒータからの加熱によって迅速に温度上昇するようになる。これにより、一方の電極に固着された微生物をより迅速且つ効果的に死滅させることが可能となる。
【0130】
請求項7の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0131】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行うので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは低下し、酸性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。また、この第2の処理ステップである程度次亜塩素酸による殺菌も行われる。
【0132】
次に、第3の処理ステップではヒータにて被処理水を加熱する。この加熱による温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項5の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水を微生物の至適pHから大きくずらすことにより微生物を低い温度上昇で効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0133】
請求項8の発明によれば、先ず第1の処理ステップで搬送手段を動作させた状態で、一方の電極に正電位を印加し、他方の電極に負電位を印加することから、電極間を流通する被処理水中に含まれる微生物は一方の電極に収集される。このとき、微生物は負電位に帯電していることから正電位とされた一方の電極に微生物は引き寄せられるようになる。これにより、一方の電極への微生物の固着は円滑且つ効率的に行われる。
【0134】
次に、第2の処理ステップでは搬送手段を停止して両電極に印加する電位の極性を反転させて、両電極に印加する電位を上昇させ、被処理水の電気分解を行っているので、一方の電極の表面付近の被処理水のpHは高くなり、アルカリ性となって微生物周囲の被処理水のpHを、微生物の至適pHから大幅にずらすことができる。また、一方の電極の表面で次亜塩素酸も同時に発生する。微生物は酵素で代謝を行っているので、至適pHから外れた被処理水で代謝異常を起こして増殖性及び耐熱性が大幅に低下する。これにより、より低い温度上昇で微生物を死滅させることが可能となる。
【0135】
次に、第3の処理ステップではヒータにて被処理水を加熱する。この加熱による被処理水の温度上昇によって、一方の電極に固着され、被処理水が至適pHから外れて代謝異常を起こしている微生物は死滅する。以上の作用により請求項6の発明によれば、飲食用水や排水などの被処理水中に含まれる微生物を効率的に固着・死滅させ、被処理水中の微生物の除去効果を著しく改善することができるようになる。
【0136】
請求項9の発明によれば、上記各水処理装置の発明において、制御装置は、搬送手段を動作させた状態で一方の電極に正電位を印加し、且つ、他方の電極に負電位を印加して微生物を一方の電極に吸着する第1の処理ステップにおいて、電極に印加する電位の極性を交互に変化させるので、正電位とされた一方の電極のみに微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物が付着することを抑制することができると共に、極性が変化し、負電位とされることにより、効果的に電極に付着した微生物や水酸化マグネシウムなどを剥離させることができるようになる。これにより、電極の耐久性が向上する。
【0137】
請求項10の発明によれば、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9の発明において、制御装置は、第1の処理ステップの終了後、搬送手段を停止し、被処理水の存在下、当該被処理水のpHを9以上のアルカリに調整する第5の処理ステップを実行するので、両電極の表面に吸着した微生物や水酸化マグネシウムなどの付着物をより一層効果的に剥離させることができるようになる。
【0138】
これにより、電極の表面に吸着飽和した微生物を剥離させることにより、当該電極の再生を行うことができるようになる。また、当該電極の表面に付着した水酸化マグネシウムなどの付着物による導電率の低下を未然に回避することができるようになる。また、煩雑なメンテナンスを行うことなく、容易に吸着飽和した微生物や付着物を除去し、電極の再生を図ることができるようになる。
【0139】
請求項11の発明によれば、請求項10の発明において、被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、制御装置は、第5の処理ステップにおいてヒータに通電するので、より一層効果的に電極の再生処理及び被処理水の殺菌処理を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施例の水処理装置の概要説明図である。
【図2】 水処理装置の断面図である。
【図3】 他の実施例としての水処理装置の概要説明図である。
【図4】 図1の水処理装置を適用した水耕栽培システムを説明する図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
2 導出配管
3 貯水槽
4 電源
5 排水ポンプ
6 搬送ポンプ
7 枠部材
8 導入配管
9 電気ヒータ
11、12、16、17 電極
15 制御装置

Claims (11)

  1. 少なくとも微生物を収集可能な通水性部材から成り、所定の間隔を存して配置された一対の電極を備え、該電極は平膜状の炭素繊維、又は、カーボンファイバー、若しくは、活性炭繊維などの炭素系材料により構成されていると共に、当該電極は矩形体により構成された枠部材に固定されていることを特徴とする電解装置。
  2. 前記両電極間より流出した前記被処理水をろ過処理するMF膜を備えたことを特徴とする請求項1の電解装置。
  3. 請求項1又は請求項2の電解装置と、各電極をそれぞれ通過してそれらの外側から両電極間に被処理水を流入させた後、当該両電極間から流出させる被処理水の搬送手段と、
    前記両電極への電位の印加と前記搬送手段を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする水処理装置。
  4. 前記制御装置は、前記搬送手段を動作させた状態で一方の前記電極に正電位を印加し、且つ、他方の前記電極に負電位を印加して前記微生物を前記一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、
    該第1の処理ステップの終了後、前記搬送手段を停止し、前記被処理水の存在下、前記両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させて前記被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、前記被処理水の存在下、前記両電極に交流電圧を印加する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする請求項3の水処理装置。
  5. 前記制御装置は、前記搬送手段を動作させた状態で一方の前記電極に正電位を印加し、且つ、他方の前記電極に負電位を印加して前記微生物を前記一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、
    該第1の処理ステップの終了後、前記搬送手段を停止し、前記被処理水の存在下、前記両電極に印加する電位の極性を反転させ、両電極に印加する電位を上昇させて前記被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、前記被処理水の存在下、前記両電極に交流電圧を印加する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする請求項3の水処理装置。
  6. 前記被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、前記制御装置は、前記第3の処理ステップにおいて前記ヒータに通電することを特徴とする請求項4又は請求項5の水処理装置。
  7. 前記制御装置は、前記搬送手段を動作させた状態で一方の前記電極に正電位を印加し、且つ、他方の前記電極に負電位を印加して前記微生物を前記一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、
    該第1の処理ステップの終了後、前記搬送手段を停止し、前記被処理水の存在下、前記両電極に印加する電位の極性をそのままで、両電極に印加する電位を上昇させて前記被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、前記被処理水をヒータにて加熱する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする請求項3の水処理装置。
  8. 前記制御装置は、前記搬送手段を動作させた状態で一方の前記電極に正電位を印加し、且つ、他方の前記電極に負電位を印加して前記微生物を前記一方の電極に吸着する第1の処理ステップと、
    該第1の処理ステップの終了後、前記搬送手段を停止し、前記被処理水の存在下、前記両電極に印加する電位の極性を反転させ、両電極に印加する電位を上昇させて前記被処理水の電気分解を生起せしめる第2の処理ステップと、該第2の処理ステップの終了後、前記被処理水をヒータにて加熱する第3の処理ステップとを実行することを特徴とする請求項3の水処理装置。
  9. 前記制御装置は、前記搬送手段を動作させた状態で一方の前記電極に 正電位を印加し、且つ、他方の前記電極に負電位を印加して前記微生物を前記一方の電極に吸着する第1の処理ステップにおいて、
    前記電極に印加する電位の極性を交互に変化させることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8の水処理装置。
  10. 前記制御装置は、前記第1の処理ステップの終了後、前記搬送手段を停止し、前記被処理水の存在下、当該被処理水のpHを9以上のアルカリに調整する第5の処理ステップを実行することを特徴とする請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9の水処理装置。
  11. 前記被処理水を加熱するためのヒータを設けると共に、前記制御装置は、前記第5の処理ステップにおいて前記ヒータに通電することを特徴とする請求項10の水処理装置。
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