JP4039739B2 - 試料中のタンパク質の分析方法及びそのキット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中に微量に含まれるタンパク質を簡便に定性・定量することができる分析方法及び分析キットに関する。分析化学、生命科学、医療の分野、特に臨床検査分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来の最も簡便なタンパク質分析手段として、タンパク質と結合するとその色調を変える色素を担体に含浸させた試験片が挙げられる。しかし、この試験片は吸収可能な試料が数μl 〜数十μl にすぎず、タンパク質を僅かしか含まない試料については適用困難であった。その上、試料中の他の物質や非結合態色素の影響を受け、誤結果を招く場合もあった。
【0003】
そのために近年、試料を濃縮して感度を上げ、かつ試料中の妨害物質の影響を低減させるいくつかの技術が提案されている。
【0004】
例えば、木下ら〔分析化学 23巻,1543-1544頁,1974年〕は、試料中のタンパク質をメンブランフィルタ上に濃縮し、その後フィルタをフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で蛍光染色し、洗浄後にスポットの蛍光強度を測定する技術を報告している。しかしながら、この技術においては、タンパク質とFITCとの反応に30分も要し、また妨害物質を除去するために染色後には洗浄を必要とするという問題があった。
【0005】
また、藤田ら〔分析化学 44巻,733-738頁,1995年〕は、タンパク質と色素−金属錯体との沈殿会合体をフィルタで物理的に補集した後、水酸化ナトリウム水溶液で再溶解し、この溶液の吸光度を測定する技術を報告している。しかしながら、この技術においては、沈殿物の目詰まりのため定量性が決して良好とは言えず、またフィルタ上の着色を観察するものではなく、再溶解液を測定するものであるため、簡易迅速な分析に適さないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、尿中タンパク質分析のようなタンパク質を僅かしか含まない試料を濃縮して感度を上げるこれまでの技術は、洗浄工程、発色工程、抽出工程等の工程を必須とするために操作が煩雑であり、色測定まで時間がかかり、定量性にも問題があった。そこで、本発明は、工程数を極力減らし、色測定を短時間で可能とし、定量性に優れた、簡易迅速なタンパク質の分析手段を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、a)タンパク質を含有する可能性がある試料と、ブロモクロロフェノールブルー、クマシーブリリアントブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル及びブロモフェノールブルーから選ばれる色素を、該色素のpKaよりも低いpHにおいて混合し、形成される該タンパク質と該色素とのイオン会合体を沈殿させずにイオン会合体溶液を形成させる工程;b)該イオン会合体溶液を疎水性フィルタに通すことにより、該イオン会合体溶液中に溶解した該会合体を該フィルタに吸着させる工程;c)該フィルタを乾燥させる工程;及びd)該フィルタ上の該会合体を定性・定量的に分析する工程を順次行う、試料中のタンパク質の分析方法である。
なお、本発明の試料中のタンパク質の分析方法においては、色素が、ブロモクロロフェノールブルーであることが好適である。
【0008】
また、本発明は、ブロモクロロフェノールブルー、クマシーブリリアントブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル及びブロモフェノールブルーから選ばれる色素;試料と該色素とを混合したイオン会合体溶液のpHを該色素のpKaよりも低く設定することができる緩衝剤;及び疎水性フィルタを含み、場合によりイオン会合体溶液を疎水性フィルタに通すための装置を含む、前記方法に使用されるタンパク質分析キットである。イオン会合体溶液を疎水性フィルタに通すための装置としては、例えば、前記フィルタを固定可能な開口部を、その一端に有するシリンダと、シリンダ内壁に摺動して前記一端の方向に移動しうる、外部から操作可能なピストンが挙げられ、ピストンの移動により、イオン会合体溶液中のイオン会合体が該フィルタに吸着する。
【0009】
【発明の実施の態様】
本発明で分析可能な試料は、例えば、生体試料(血液、血清、血漿、尿、髄液、精液、唾液、汗、腹水、羊水及び涙等の体液、脳、肝臓及び腎臓等の臓器の抽出液、毛髪、爪及び皮膚等の組織の抽出液並びに糞便等)、食品(穀物、野菜、果物、魚介類、加工食品等)、飲料(水、茶、牛乳、果汁、酒類等)が挙げられるが、特に限定されない。また、必要に応じて希釈や濃縮を行う。
【0010】
本発明で使用される色素としては、それとタンパク質との会合体が沈殿しにくい性質になるような色素が好ましい。
具体的には、溶解度の高いイオン会合体を形成するようなイオン性基を有する色素が好ましい。
【0011】
特に陰イオン性基を有する色素が好ましく、タンパク質の正荷電部位と結合して電気的な中和を行うことができる。例えば、スルホン基や水酸基等の親水性基を有する色素が挙げられる。
【0012】
また、会合体の疎水性フィルタへの吸着性を高めるため、色素が疎水性基を有することが好ましく、特に芳香環を有する色素が好ましい。
【0013】
このようなものとして、例えば、トリフェニルメタン系色素(例えば、ブロモクロロフェノールブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモフェノールブルー、クマシーブリリアントブルー、ブロモクレゾールパープル)、アゾ色素(例えば、バッファローブラック、アシッドオレンジ12、メチルオレンジ、オレンジG、アゾスルファチアゾール)、キサンテン系色素(例えば、エオシン、エリスロシン)等が挙げられる。
【0014】
この中でも特に、ブロモクロロフェノールブルー(BCPB)、クマシーブリリアントブルー(CBB)、テトラブロモフェノールブルー(TBPB)、ブロモクレゾールパープル(BCP)、ブロモフェノールブルー(BPB)やエオシンが好ましい。
【0015】
前記色素は、驚くべきことにほぼすべての種類のタンパク質と結合し、イオン会合体を形成する。本発明でのイオン会合体の形成機序は定かではないが、静電引力型イオン会合や疎水構造型イオン会合のいずれかであると考えられる〔本水,「総合論文 イオン会合を利用する分離・分析法の設計」,分析化学 38巻,147-170頁,1989年〕。
【0016】
本発明では、このイオン会合体を溶媒中に完全に溶解させ、沈殿を生じさせないようにする。条件は、当業者により容易に実験的に設定可能である。
【0017】
例えば、タンパク質含有溶液として、ヒト血清アルブミン(HSA)水溶液を用いた場合の条件例を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
試料と色素を混合する際に、色素は、色素を含有する溶液の形態で混合してもよく、または粉末や固形状の形態で混合してもよい。
【0020】
試料と色素の混合によりイオン会合体は瞬時に形成される。
このイオン会合体の色調は、色素のそれと相違することが好ましい。例えば、表1の条件下で、BCPB、TBPBやBPBを用いた場合、タンパク質添加前は黄色であるのに対し添加後は青色となり、目視でタンパク質の定性・定量分析が可能となる。
【0021】
例えば、図1に示したように、BCPBはpKa2 であるpH4.1以下では−1価(HBCPB- )となり黄色を示すのであるが、タンパク質と会合することにより−2価(BCPB2-)となって青色を示すようになる。
【0022】
以上のように色調の変化が黄色から青色のように吸収波長が離れていると、色調の変化を目視にて判別しやすいので特に好ましい。
【0023】
なお、このような場合には、緩衝剤を添加し、溶液中のpHを色素のpKaよりも低く設定するのが好ましい。
【0024】
このイオン会合体溶液を疎水性フィルタに通すことにより、イオン会合体溶液中のイオン会合体が疎水性フィルタに吸着される。
【0025】
このイオン会合体が疎水性フィルタに吸着される原理は定かではないが、電気的に中和された会合体が溶液中において疎水性フィルタに疎水結合的に吸着すると考えられる。
【0026】
なお、溶媒から疎水性フィルタへの分配比が小さい色素を選択することにより、フィルタ上には会合していない色素が殆ど吸着されないので、会合していない色素の色の影響を回避することが可能となる。
【0027】
これにより、フィルタ上の会合していない色素を除去するための洗浄操作が不要となる。例えば、表1に示したすべての組み合わせにおいて、洗浄工程は不要である(フィルタにはニトロセルロースフィルタを使用)。
【0028】
ところで、本発明においては、混合する試料と色素の量の比によってイオン会合体が疎水性フィルタに吸着する量が変わってくる。
【0029】
これを実験的に示したのが図2である。
なお、この実験の操作の詳細は、後の参考例2に記載した。
【0030】
この図2において、横軸は混合した試料中のタンパク質濃度を、左の縦軸は吸光度の差を、右の縦軸は吸光度を表す。
【0031】
そして、この図2中の「○」は、イオン会合体に特異的な602nmにおける、疎水性フィルタに通す前のイオン会合体溶液の吸光度から疎水性フィルタを通した後のろ液の吸光度を差し引いた値(吸光度の差)、つまり、疎水性フィルタに吸着したイオン会合体の量を表す。
【0032】
また、「■」は、イオン会合体に特異的な602nmにおける、疎水性フィルタに通す前のイオン会合体溶液の吸光度、つまり、イオン会合体溶液中に存在するイオン会合体の量を表す。
【0033】
この図より、試料と色素を混合したイオン会合体溶液中に形成されるイオン会合体の量は、試料中のタンパク質濃度が高くなるにつれて増加してゆくことが分かる。
【0034】
また、疎水性フィルタに吸着するイオン会合体の量は、試料中のタンパク質濃度が約30mg/lまでの間は試料中のタンパク質濃度に応じて増加するが、この濃度以上では逆に低下してゆくことが分かる。
【0035】
また、イオン会合体溶液を疎水性フィルタに通し乾燥した後の疎水性フィルタ上の着色の強さをデンシトメータで測定する実験を行った。
この実験の結果を図3に示した。また、実験の操作の詳細を後の参考例3に記載した。
【0036】
図3において、横軸は色素と混合した試料中のタンパク質の濃度を、縦軸はイオン会合体に特異的な602nmにおける吸光度の高さ(吸光度のピークの面積)を表す。
【0037】
この図3から、この実験系において、疎水性フィルタ上のイオン会合体の量を表す602nmにおける吸光度の高さは、試料中のタンパク質濃度が約50mg/lまでの間は試料中のタンパク質濃度に応じて増加するが、この濃度以上では逆に低下してゆくことが分かる。
【0038】
つまり、本発明において、試料中のタンパク質と色素の会合体の形成時に、色素の量に対してタンパク質の量が一定範囲にある場合は、形成されたイオン会合体は疎水性フィルタに吸着するが、一定範囲を越えタンパク質量が多くなってくると、形成されるイオン会合体の量は増えるにもかかわらず疎水性フィルタには吸着しなくなってくる。
【0039】
本発明において、使用される疎水性フィルタの材質として、例えば、ニトロセルロース、オクタデシルシリル化シリカ、オクチルシリル化シリカ、エチルシリル化シリカ、メチルシリル化シリカ、フェニルシリル化シリカ、フルオロカーボン化シリカ、グラファイトカーボン化シリカ等が挙げられる。このようなフィルタは市販されており、例えば、混合セルロースエステルフィルタA020A025A(ニトロセルロース、ポアサイズ0.2μm 、アドバンテック東洋社製)が使用しうる。
【0040】
フィルタ上の着色の測定は、目視により行っても、デンシトメータやスポットメータ等の機器を用いてもよい。また、着色強度は、例えば、可視部の吸光度、透過率、蛍光強度を測定することによりなされる。
【0041】
なお、本発明において、フィルタ上の着色は、疎水性フィルタにイオン会合体溶液を通した直後の疎水性フィルタがぬれている時と、疎水性フィルタが乾燥している時では色が異なる。
【0042】
これを実験的に示したのが図4である。
なお、この実験の詳細は、後の参考例4に記載した。
【0043】
この図4において、横軸は疎水性フィルタ上の着色の吸光度測定時の波長を、縦軸はその時の吸光度の値を表す。
そして、この図4中の実線は、イオン会合体溶液を疎水性フィルタに通した直後の疎水性フィルタがぬれている時の吸光度を、破線はこの疎水性フィルタを乾燥した時の吸光度を表す。
【0044】
この図より、疎水性フィルタ上の着色は、疎水性フィルタがぬれている時に比べて乾燥している時は、HBCPB- に特異的な434nm近辺(黄色)の吸光度が減少し、かつイオン会合体に特異的な602nm近辺(青色)の吸光度が増加していることが分かる。
【0045】
よって、フィルタ上の着色の測定は、フィルタを乾燥した後に行うことが好ましい。
フィルタの乾燥は、放置、風を当てること、又は加温等により行えばよい。
放置により乾燥する場合は、通常は20分間以上放置すればよい。
【0046】
上記の参考例2、参考例3、及び参考例4の結果より、本発明における試料中のタンパク質と色素の会合体の形成、形成されたイオン会合体の疎水性フィルタへの吸着、及び着色について、以下のような作用が推察される。
【0047】
色素はpKa2 以下のpHでは1価(HBCPB- )となっているが、タンパク質と会合することにより色素は多価(BCPB2-)となる。
この時に、色素の量に対してタンパク質の量が一定以上の場合は、タンパク質に会合している色素は多価(BCPB2-)であって、タンパク質の限定された特定の部位に会合する。
【0048】
また、色素の量に対してタンパク質の量が一定以下の場合、つまりタンパク質に対して色素が過剰に存在する場合は、多価の色素(BCPB2-)が特定の部位に会合したタンパク質に、更に過剰に存在する1価の色素(HBCPB- )が非選択的に会合して多重会合体を形成する。
【0049】
そして、色素の量に対してタンパク質の量が一定以上の場合に形成される、多価の色素とのイオン会合体は、疎水性フィルタとの親和性が低く僅かしか吸着しない。
【0050】
しかし、色素の量に対してタンパク質の量が一定以下の場合に形成される多重会合体は、多価の色素に加えて1価の色素が多重に会合しているため疎水性が高くなり、疎水的親和性によって疎水性フィルタへの吸着率が高くなる。
【0051】
以上のことは、試料中のタンパク質濃度が増加するにつれ形成されるイオン会合体量が増してゆくにもかかわらず、疎水性フィルタに吸着するイオン会合体の量が一定のタンパク質濃度を境に増加から減少に転じることより推察される。(図2及び図3を参照のこと。)
【0052】
そして、疎水性フィルタに吸着した多重会合体は、多価の色素(BCPB2-)〔青色〕が会合した上に1価の色素(HBCPB- )〔黄色〕が多数会合しているため黄緑色を示すのであるが、これが乾燥状態に置かれることによってpH又は塩濃度等の環境が変わり、1価の色素(HBCPB- )のプロトン解離、又はタンパク質の特定の部位への会合を引き起こし、1価の色素(HBCPB- )が多価の色素(BCPB2-)に変換され多価の色素の色(青色)に変わる。
【0053】
上記のことは、乾燥により、1価の色素(HBCPB- )に特異的な434nm近辺(黄色)の吸光度が減少し、イオン会合体に特異的な602nm近辺(青色)の吸光度が増加することより推察される。(図4を参照のこと)
【0054】
以上詳述したように、本発明の試料中のタンパク質の分析方法、及びタンパク質分析キットでは、分析を行う試料中のタンパク質の量に対して色素の量等を調整することにより、試料中のタンパク質が特定の濃度範囲にある時のみ、疎水性フィルタ上に着色を生じさせることができる。つまり、試料中のタンパク質が特定の濃度範囲にあることを検出することができる。
【0055】
そして、色素の量等を調整して、着色を生じる濃度範囲を段階的に変えていった複数の濃度の色素よりなる分析キットを用いて1つの試料を分析することにより、その試料中のタンパク質の定量分析を行うことができる。
【0056】
本発明のタンパク質分析キットであるが、図5に本発明の方法を実施するための分析キットの例(分析キット1)を示す。分析に際し、まず疎水性フィルタ2をシリンダ3の開口部に透き間なく固定する。
次に、試料と色素を混合したイオン会合体溶液を、予めシリンダ3内部に注入しておき、ピストン5を開口部4の方向に移動させて(すなわち、レバー6を押して)、イオン会合体溶液をシリンダ外部に押し出す。この際、このイオン会合体溶液中に含まれているイオン会合体が疎水性フィルタ2に吸着される。
あるいは、試料に色素を添加したイオン会合体溶液中に開口部4を導入し、ピストン5を開口部4と反対側に移動させる(すなわち、レバー6を引く)ことにより、シリンダ3内部にイオン会合体溶液を吸引して、疎水性フィルタ2にイオン会合体を吸着させる態様にしてもよい。
【0057】
〔参考例1〕
(最適pHの決定)
7.45×10-4M ブロモクロロフェノールブルー(BCPB)〔東京化成社製〕水溶液8ml及び2N NaCl水溶液1mlを混合し、蒸留水を加え、全容を500mlとした。
次に、430nmでの色素のみの吸光度、590nmでの色素のみの吸光度及び0.0504gのHSAを混合してイオン会合体を形成させたときの600nmでの吸光度を、pHを変えて測定した。
その結果を図1に示す。
この結果から、この条件下ではpH2.5付近とするのが最適である。
【0058】
〔参考例2〕
(疎水性フィルタに吸着するイオン会合体の量の検討(1))
(1)色素溶液の調製
BCPB(東京化成社製)2.034mgを蒸留水に溶解し全量100mlとして色素溶液〔35μM BCPB溶液〕を調製した。
【0059】
(2)緩衝液の調製
モノクロロ酢酸189mgを蒸留水90mlに溶解し、塩酸でpHを3.1に調整した後、全量を100mlとし、緩衝液〔0.02M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH3.1)〕を調製した。
【0060】
(3)試料の調製
HSAを、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400mg/lとなるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、12種類の試料を調製した。
【0061】
(4)測定
前記色素溶液1mlと前記緩衝液1mlを混合し、更に前記の各試料8mlを混合してイオン会合体溶液を調製した。
【0062】
次に、これら12種類のイオン会合体溶液それぞれの602nmにおける吸光度を、U−2000型分光光度計(日立製作所社製)で測定した。
【0063】
その後、これら12種類のイオン会合体溶液の10mlを、それぞれニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、直径:25mm、製品番号:A020A025A、アドバンテック東洋社製)に上から注いで通した。
【0064】
ここで得られた12種類のろ液の602nmにおける吸光度を先と同様にして測定した。
【0065】
そして、疎水性フィルタに吸着したイオン会合体の量を算出するため、イオン会合体に特異的な602nmにおける、疎水性フィルタに通す前のイオン会合体溶液の吸光度から疎水性フィルタを通した後のろ液の吸光度を差し引いた。
この結果を図2に示した。
【0066】
〔参考例3〕
(疎水性フィルタに吸着するイオン会合体の量の検討(2))
(1)色素溶液の調製
BCPB(東京化成社製)2.034mgを蒸留水に溶解し全量100mlとして色素溶液〔35μM BCPB溶液〕を調製した。
【0067】
(2)緩衝液の調製
モノクロロ酢酸189mgを蒸留水90mlに溶解し、塩酸でpHを3.0に調整した後、全量を100mlとし、緩衝液〔0.02M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH3.0)〕を調製した。
【0068】
(3)試料の調製
HSAを、5、10、15、20、25、50、75、100、125、150mg/lとなるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、10種類の試料を調製した。
【0069】
(4)測定
前記色素溶液1mlと前記緩衝液1mlを混合し、これに前記の各試料1mlを混合し、更に蒸留水2mlを混合してイオン会合体溶液を調製した。
【0070】
次に、これら10種類のイオン会合体溶液5mlそれぞれをシリンジ内に吸引した後、シリンジの先にニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、直径:25mm、製品番号:A020A025A、アドバンテック東洋社製)を付け、シリンジ内のイオン会合体溶液をピストンで押してフィルタに通した。
【0071】
これら10種類のフィルタを40℃の乾燥器で10分間乾燥した後、フィルタ上の着色の602nmにおける吸光度の高さ(吸光度のピークの面積)をCS−9300PC型デンシトメータ(島津製作所社製)で測定した。
この結果を図3に示した。
【0072】
〔参考例4〕
(乾燥による疎水性フィルタ上の着色のスペクトル変化の検討)
(1)色素溶液の調製
BCPB(東京化成社製)2.034mgを蒸留水に溶解し全量100mlとして色素溶液〔35μM BCPB溶液〕を調製した。
【0073】
(2)緩衝液の調製
モノクロロ酢酸189mgを蒸留水90mlに溶解し、塩酸でpHを3.0に調整した後、全量を100mlとし、緩衝液〔0.02M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH3.0)〕を調製した。
【0074】
(3)試料の調製
HSAを50mg/lになるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解して試料を調製した。
【0075】
(4)測定
前記色素溶液1mlと前記緩衝液1mlを混合し、これに前記の試料1mlを混合し、更に蒸留水2mlを混合してイオン会合体溶液を調製した。
【0076】
次に、このイオン会合体溶液5mlをシリンジ内に吸引した後、シリンジの先にニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、直径:25mm、製品番号:A020A025A、アドバンテック東洋社製)を付け、シリンジ内のイオン会合体溶液をピストンで押してフィルタに通した。
【0077】
このフィルタを40℃の乾燥器で10分間乾燥した後、フィルタ上の着色の吸光度スペクトルをCS−9300PC型デンシトメータ(島津製作所社製)でスキャンして測定した。
この結果を図4に示した。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、抽出工程、発色工程、洗浄工程が原則的に不要であるため工程数が非常に少なく、またイオン会合の原理を採用しているので色測定が短時間で可能であり、更に沈殿させないでフィルタに吸着させるので定量性に優れている、簡易迅速なタンパク質の分析手段が提供される。
【0079】
そして、本発明の分析方法及び分析キットにおいては、試料中のタンパク質が特定の濃度範囲にあることを検出することができる。
【0080】
更に、複数の濃度の色素よりなる分析キットを用いることにより、試料中のタンパク質の定量分析を行うこともできる。
【0081】
【実施例】
〔実施例1〕
(試料中のタンパク質の分析(1))
(1)色素含有溶液の調製
BCPB(東京化成社製)を372.5μM となるように1M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH2.05)に溶解し、色素含有溶液を調製した。
【0082】
(2)試料の調製
HSAを、1.0、2.5、5.0、10、25、50、100、200、250、500mg/lになるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、10種類の試料を調製した。
また、HSAを50mg/lとなるように尿に溶解した試料も調製した。
【0083】
(3)測定
前記色素含有溶液0.5mlと前記の各試料2mlを混合した。その後、これら11種類の混合液の0.5mlを、それぞれニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、アドバンテック東洋社製)に上から注いで通した。
【0084】
このフィルタの色を目視により測定した。
フィルタ上に青色のスポットが検出された場合、試料中にタンパク質が存在すると判定した。
【0085】
その結果、2.5mg/lの濃度まで、目視で判定可能であった。
また、フィルタ上にUVランプを照射し、その蛍光(赤色)を目視により測定した。その結果、すべての濃度において目視で判定可能であった。
【0086】
そして、フィルタの色の測定及び蛍光色の測定のいずれの手段においても、尿試料中のHSAが確認された。
【0087】
〔実施例2〕
(試料中のタンパク質の分析(2))
(1)色素溶液の調製
BCPB(東京化成社製)2.034mgを蒸留水に溶解し全量100mlとして色素溶液〔35μM BCPB溶液〕を調製した。
【0088】
(2)緩衝液の調製
モノクロロ酢酸189mgを蒸留水90mlに溶解し、塩酸でpHを3.0に調整した後、全量を100mlとし、緩衝液〔0.02M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH3.0)〕を調製した。
【0089】
(3)試料の調製
HSAを、1.25、3.75、6.25、10、12.5、16.25、18.75、22.5、25、37.5、50、75、100mg/lとなるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、13種類の試料を調製した。
また、対照として、生理食塩水よりなる試料も用意した。
【0090】
(4)測定
前記色素溶液1mlと前記緩衝液1mlを混合し、これに前記の各試料1mlを混合し、更に蒸留水2mlを混合してイオン会合体溶液を調製した。
【0091】
次に、これら14種類のイオン会合体溶液5mlそれぞれをシリンジ内に吸引した後、シリンジの先にニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、直径:25mm、製品番号:A020A025A、アドバンテック東洋社製)を付け、シリンジ内のイオン会合体溶液をピストンで押してフィルタに通した。
【0092】
これら14種類のフィルタを40℃の乾燥器で10分間乾燥した。
これらのフィルタの色を目視により測定した。
フィルタ上の着色を図6に示した。
【0093】
この結果、試料中のタンパク質濃度が3.75mg/l〜22.5mg/lの場合に青色の着色が検出された。
つまり、3.75mg/l〜22.5mg/lの試料中のタンパク質の存在が確認された。
【0094】
〔実施例3〕
(試料中のタンパク質の分析(3))
(1)色素溶液の調製
BCPB(東京化成社製)の、10.17mg、14.53mg、15.98mg、17.43mg、20.34mg、21.79mg、23.24mg、29.05mg、又は40.67mgを蒸留水に溶解し全量100mlとして9種類の色素溶液〔175μM 、250μM 、275μM 、300μM 、350μM 、375μM 、400μM 、500μM 、又は700μM BCPB溶液〕を調製した。
【0095】
(2)緩衝液の調製
モノクロロ酢酸1.89gを蒸留水90mlに溶解し、塩酸でpHを3.1に調整した後、全量を100mlとし、緩衝液〔0.2M モノクロロ酢酸−塩酸緩衝液(pH3.1)〕を調製した。
【0096】
(3)試料の調製
HSAを、10、25、50、75、100、125、150、175、200、300、400mg/lとなるように、生理食塩水(0.9% 塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、11種類の試料を調製した。
また、対照として、生理食塩水よりなる試料も用意した。
【0097】
(4)測定
前記9種類の色素溶液1mlのそれぞれと前記緩衝液1mlを混合したものを12組用意した。
この1組ずつに前記の12種類の試料の1種類ずつをそれぞれ1ml混合し、更に蒸留水2mlを混合して合計108種類のイオン会合体溶液を調製した。
【0098】
次に、これら108種類のイオン会合体溶液5mlそれぞれをシリンジ内に吸引した後、シリンジの先にニトロセルロースフィルタ(ポアサイズ:0.2μm 、直径:25mm、製品番号:A020A025A、アドバンテック東洋社製)を付け、シリンジ内のイオン会合体溶液をピストンで押してフィルタに通した。
【0099】
これら108種類のフィルタを40℃の乾燥器で10分間乾燥した。
このフィルタの色を目視により測定した。
【0100】
これらのフィルタ上の着色を図7に示した。
この図7において、横軸は試料中のタンパク質濃度を、縦軸は色素溶液中のBCPB濃度を表す。
そして、この図7中の「●」は疎水性フィルタ上の着色が青色であることを、「◎」は疎水性フィルタ上の着色がうすい水色であることを、そして「○」は疎水性フィルタが着色されていないことを表す。
【0101】
また、図8には、CS−9300PC型デンシトメータ(島津製作所社製)で測定した、これら108種類のフィルタ上の着色の602nmにおける吸光度の高さ(吸光度のピークの面積)を示した。
【0102】
これらの結果より、本発明においては、分析を行う試料中のタンパク質の量に対して色素の量を調整することにより、試料中のタンパク質が特定の濃度範囲にある時のみ、疎水性フィルタ上に着色を生じさせることができる。
つまり、試料中のタンパク質が特定の濃度範囲にあることを検出することができることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】pHと、色素(430nm、590nm)及びイオン会合体(600nm)の吸光度との関係を示した図である。
【図2】試料中のタンパク質濃度と疎水性フィルタに吸着するイオン会合体等の量の関係を示した図である。
【図3】試料中のタンパク質濃度と疎水性フィルタに吸着するイオン会合体の量の関係を示した図である。
【図4】疎水性フィルタがぬれている時と乾燥している時の着色のスペクトルを示した図である。
【図5】本発明に係るタンパク質分析キットである。
【図6】各タンパク質濃度の試料における疎水性フィルタの着色を示した図(写真)である。
【図7】試料中のタンパク質濃度及び色素溶液中のBCPB濃度の両方を変えて分析を行った時の疎水性フィルタの着色を示した図である。
【図8】試料中のタンパク質濃度及び色素溶液中のBCPB濃度の両方を変えて分析を行った時の疎水性フィルタの着色の吸光度の高さを示した図である。
【符号の説明】
1 分析キット
2 疎水性フィルタ
3 シリンダ
4 開口部
5 ピストン
6 レバー
Claims (3)
- a)タンパク質を含有する可能性がある試料と、ブロモクロロフェノールブルー、クマシーブリリアントブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル及びブロモフェノールブルーから選ばれる色素を、該色素のpKaよりも低いpHにおいて混合し、形成される該タンパク質と該色素とのイオン会合体を沈殿させずにイオン会合体溶液を形成させる工程;
b)該イオン会合体溶液を疎水性フィルタに通すことにより、該イオン会合体溶液中に溶解した該会合体を該フィルタに吸着させる工程;
c)該フィルタを乾燥させる工程;及び
d)該フィルタ上の該会合体を定性・定量的に分析する工程を順次行うことを特徴とする試料中のタンパク質の分析方法。 - 色素が、ブロモクロロフェノールブルーである、請求項1記載の試料中のタンパク質の分析方法。
- ブロモクロロフェノールブルー、クマシーブリリアントブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル及びブロモフェノールブルーから選ばれる色素;試料と該色素とを混合したイオン会合体溶液のpHを該色素のpKaよりも低く設定することができる緩衝剤;及び疎水性フィルタを含む、請求項1記載の方法に使用される夕ンパク質分析キット。
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