JP4391171B2 - タンパク質の測定方法及び測定キット - Google Patents
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Description
このように血清又は血漿のタンパク質濃度は、各種疾患又は各種病態に伴って変化するので、その測定は疾患の診断及び治療において重視されている。
この尿中のタンパク質を測定することも、前記疾患の診断及び治療にとって重要である。
(1) 試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程;前記接触後その一定量を多孔性膜上に添加する工程;並びに前記多孔性膜上の着色域を測定する工程、を含むことを特徴とする試料中のタンパク質の測定方法。
(2) 試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程において、塩を共存させることを特徴とする前記(1)記載の測定方法。
(3) タンパク質と会合体を形成する色素がエリスロシンBである前記(1)又は(2)記載の測定方法。
(4) 水溶性高分子化合物がポリアルキレングリコールである前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の測定方法。
(5) タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬、並びに多孔性膜、を含むことを特徴とする試料中のタンパク質の測定キット。
(6) タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬が、更に塩を含有することを特徴とする前記(5)記載の測定キット。
(7) タンパク質と会合体を形成する色素がエリスロシンBである前記(5)又は(6)記載の測定キット。
(8) 水溶性高分子化合物がポリアルキレングリコールである前記(5)〜(7)のいずれか1つに記載の測定キット。
1.試料
本発明における試料としては、タンパク質を含む可能性がある試料であれば特に限定されないが、例えば、ヒト若しくは動物に由来する試料、植物に由来する試料、微生物に由来する試料、食物、飲料、飲料水、薬剤、試薬、又は環境試料等を挙げることができる。
また、必要に応じて、希釈又は濃縮処理を行ってもよい。
本発明におけるタンパク質と会合体を形成する色素は、静電気的引力又は疎水相互作用等によってタンパク質と会合体を形成することができる色素であれば、特に限定されずに用いることができる。
また、このタンパク質と会合体を形成する色素としては、そのpKaが測定を行おうとするタンパク質のpI(等電点)よりも低いものが好ましい。
本発明における水溶性高分子化合物は、水溶性の高分子化合物であれば、特に限定されずに用いることができる。
このポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールとしては、例えば、分子量200〜4,000,000のものを用いることができる。分子量1,000〜400,000のものがより好ましく、分子量2,000〜40,000のものが特に好ましい。
従って、本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットによる測定においては、水溶性高分子化合物は必須である。
本発明による試料中のタンパク質の測定においては、試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程において、塩を共存させることにより、測定の感度を更に高めることができるので好ましい。
この陽イオンとしては、1価の陽イオンであってもよく、又は2価以上の多価の陽イオンであってもよい。
そして、この陽イオンとしては、例えば、金属イオン、アンモニウムイオン、又はその他の陽イオン等を挙げることができる。
本発明において、試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる際のpHとしては、タンパク質と会合体を形成する色素のpKaよりも低いpHであることが好ましい。
但し、余りpHが低いとタンパク質が変性、不溶化される。
本発明における多孔性膜は、多数の微細な孔を有する膜であって、その膜上に微量の溶液を添加したときにその溶液を吸収することができるものであれば、特に制限なく用いることができる。
本発明における試料中のタンパク質の測定について、以下説明を行う。
(1)接触工程
まず、試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程であるが、前記の試料、前記のタンパク質と会合体を形成する色素、及び前記の水溶性高分子化合物を接触させることができれば,どのような方法でもよい。この接触により、水溶性高分子化合物の存在下、試料中に含まれるタンパク質と、タンパク質と会合体を形成する色素とを反応させ、「タンパク質−タンパク質と会合体を形成する色素」の会合体を形成させる。このときの濃度については、前記の通りである。
あるいは、水溶性高分子化合物を含有する試薬と、試料とを混合し、その後、この混合液にタンパク質と会合体を形成する色素を含有する試薬を混合して、接触させる。
次に、前記接触後その一定量を多孔性膜上に添加する工程であるが、これも、前記の試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物との接触の後、得られた混合液の一定量を前記の多孔性膜の上に添加するのであれば、特に限定なく行うことができる。
そして、前記多孔性膜上の着色域を測定する工程であるが、これも、前記の多孔性膜上への添加の後、この多孔性膜上に生じた着色域を測定するのであれば,特に限定なく行うことができる。
また、前記の着色域の着色の濃さを測定することにより、試料中に含まれていたタンパク質の濃度を定量することもできる。
これに対して、試料中にタンパク質が存在する場合はその着色域の外縁が明暸である。更に、その外縁上にはリング状の線がはっきりと見受けられる。
従って、この着色域の外縁が明瞭であること、又は外縁上にリング状の線が見られることにより、試料中のタンパク質の存在を判定することもできる。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットは、少なくとも、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬、並びに多孔性膜、を含むものである。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットは、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬を含む。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットにおける、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬において、タンパク質と会合体を形成する色素は、前記「I.試料中のタンパク質の測定方法」において詳述した通りである。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットにおける、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬において、水溶性高分子化合物は、前記「I.試料中のタンパク質の測定方法」において詳述した通りである。
本発明の試料中のタンパク質の測定においては、試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる際に、塩を共存させて測定を行うことにより、測定の感度を更に高めることができるので好ましい。
本発明において、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬のpHとしては、タンパク質と会合体を形成する色素のpKaよりも低いpHであることが好ましい。
但し、余りpHが低いとタンパク質が変性、不溶化される。
本発明における、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬には、必要に応じて、アジ化ナトリウム、抗生物質若しくは合成抗菌剤などの防腐剤;糖類などの安定化剤;他の反応活性化剤;試料中に含まれる測定妨害物質の消去若しくは影響抑制に関わる物質;非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤若しくは両性界面活性剤などの界面活性剤;又は他の試薬成分を適宜含有させることができる。
本発明における、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬は、1試薬よりなるものであってもよいし、又は2試薬以上の複数の試薬より構成されるものであってもよい。
タンパク質と会合体を形成する色素、水溶性高分子化合物、及び塩を含有する試薬
・ タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬、並びに塩を含有する試薬
タンパク質と会合体を形成する色素を含有する試薬、水溶性高分子化合物を含有する試薬、及び塩を含有する試薬
本発明の試料中のタンパク質の測定キットにおける多孔性膜は、前記「I.試料中のタンパク質の測定方法」において詳述した通りである。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットには、必要に応じて、タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬、並びに多孔性膜以外の物を含めることができる。
本発明の試料中のタンパク質の測定キットを用いて、試料中のタンパク質の測定を行うことについては、前記「I.試料中のタンパク質の測定方法」に記載した通りである。
本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットにおける、水溶性高分子化合物の効果を確認した。
(1)緩衝液
緩衝液として、100mMモノクロロ酢酸ナトリウム−塩酸緩衝液〔pH3.0(20℃)〕を調製した。
塩試薬として、1M塩化ナトリウム水溶液を調製した。
色素・高分子化合物試薬として、下記の試薬を各々調製した。
500μMエリスロシンBを含む水溶液。(ポリエチレングリコールは含まない。)
1.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
3.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
5.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
10%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
15%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
多孔性膜として、セルロースアセテート膜(商品名「SELECA−V」〔東洋濾紙社〕)を用いた。
(イ)タンパク質含有試料
タンパク質含有試料として、10mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製した。
タンパク質を含まないタンパク質不含試料として、純水を用意した。
(1) 前記3の(イ)のタンパク質含有試料の85μLに、前記1の(1)の緩衝液10μLを添加し、混合した。
なお、色素・高分子化合物試薬は、(a)PEG0%試薬〜(f)PEG15%試薬の6種類の色素・高分子化合物試薬を、各々別々に用いた。
(b)PEG1%試薬を用いたとき: 0.333%
(c)PEG3%試薬を用いたとき: 1.0%
(d)PEG5%試薬を用いたとき: 1.67%
(e)PEG10%試薬を用いたとき: 3.33%
(f)PEG15%試薬を用いたとき: 5.0%
前記測定の結果を、図2に示した。
タンパク質(ヒト血清アルブミン)を10mg/dL含む試料においては、いずれの場合でも、多孔性膜上の着色域の着色は濃く、試料中にタンパク質が存在すると判定することができる。
本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットにおける、塩の効果を確認した。
(1)緩衝液
緩衝液として、100mMモノクロロ酢酸ナトリウム−塩酸緩衝液〔pH3.0(20℃)〕を調製した。
(a)塩不含試薬
純水を、塩不含試薬として用意した。
1M塩化ナトリウムを含む水溶液を調製し、塩含有試薬とした。
色素・高分子化合物試薬として、1.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕及び500μMエリスロシンBを含む水溶液を調製した。
多孔性膜として、セルロースアセテート膜(商品名「SELECA−V」〔東洋濾紙社〕)を用いた。
(イ)タンパク質不含試料
純水を、タンパク質を含まないタンパク質不含試料(タンパク質濃度:0mg/dL)とした。
0.03mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.03mg/dL試料とした。
0.1mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.1mg/dL試料とした。
0.3mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.3mg/dL試料とした。
0.7mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.7mg/dL試料とした。
1.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、1mg/dL試料とした。
2.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、2mg/dL試料とした。
(1) 前記3の試料の85μLに、前記1の(1)の緩衝液10μLを添加し、混合した。
なお、試料は、(イ)タンパク質不含試料、(ロ)0.03mg/dL試料、(ハ)0.1mg/dL試料、(ヘ)1mg/dL試料、及び(ト)2mg/dL試料を各々別々に用いた。
なお、多孔性膜上の着色域の着色が濃い場合には試料中にタンパク質が存在すると判定し、前記着色域の着色が薄い場合には試料中にタンパク質が存在しないと判定した。
(b)塩含有試薬を用いたとき: 33mM
前記測定の結果を、図3に示した。
塩不含試薬を用いたときには、最低1mg/dLのヒト血清アルブミンを含む試料まで、試料中にタンパク質が存在すると判定することができる。すなわち、検出限界は、1mg/dLである。
本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットにより、尿試料中のタンパク質の測定を行った。
(1)緩衝液
緩衝液として、100mMモノクロロ酢酸ナトリウム−塩酸緩衝液〔pH3.0(20℃)〕を調製した。
1M塩化ナトリウムを含む水溶液を調製し、塩試薬とした。
色素・高分子化合物試薬として、1.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕及び500μMエリスロシンBを含む水溶液を調製した。
多孔性膜として、セルロースアセテート膜(商品名「SELECA−V」〔東洋濾紙社〕)を用いた。
(イ)タンパク質不含尿希釈試料
ヒトの尿を純水で30倍希釈したものを、タンパク質を含まないタンパク質不含尿希釈試料(タンパク質濃度:0mg/dL)とした。
前記(イ)のタンパク質不含尿希釈試料にヒト血清アルブミン(HSA)を添加し、0.1mg/dLのヒト血清アルブミンを含む尿希釈試料を調製して、0.1mg/dL尿希釈試料とした。
前記(イ)のタンパク質不含尿希釈試料にヒト血清アルブミン(HSA)を添加し、0.3mg/dLのヒト血清アルブミンを含む尿希釈試料を調製して、0.3mg/dL尿希釈試料とした。
前記(イ)のタンパク質不含尿希釈試料にヒト血清アルブミン(HSA)を添加し、0.7mg/dLのヒト血清アルブミンを含む尿希釈試料を調製して、0.7mg/dL尿希釈試料とした。
(1) 前記3の各試料の85μLに、それぞれ前記1の(1)の緩衝液10μLを添加し、混合した。
なお、多孔性膜上の着色域の着色が濃い場合には試料中にタンパク質が存在すると判定し、前記着色域の着色が薄い場合には試料中にタンパク質が存在しないと判定した。
前記測定の結果を、図4に示した。
ヒト尿の希釈試料中のタンパク質を測定したときにも、最低0.1mg/dLのヒト血清アルブミンを含む試料まで、試料中にタンパク質が存在すると判定することができる。すなわち、検出限界は、0.1mg/dLである。
本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットにおいて、セルロースアセテート膜よりなる多孔性膜、及びセルロース混合エステルよりなる多孔性膜を用いて測定を行った。
(1)緩衝液
緩衝液として、100mMモノクロロ酢酸ナトリウム−塩酸緩衝液〔pH3.0(20℃)〕を調製した。
塩試薬として、200mM塩化ナトリウム水溶液を調製した。
色素・高分子化合物試薬として、2.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕及び500μMエリスロシンBを含む水溶液を調製した。
(a)セルロースアセテート膜よりなる多孔性膜(商品名「SELECA−V」〔東洋濾紙社〕)
(イ)タンパク質不含試料
純水を、タンパク質を含まないタンパク質不含試料(タンパク質濃度:0mg/dL)とした。
0.05mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.05mg/dL試料とした。
0.1mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.1mg/dL試料とした。
0.2mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.2mg/dL試料とした。
0.5mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.5mg/dL試料とした。
1.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、1mg/dL試料とした。
2.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、2mg/dL試料とした。
(1) 前記3の各試料の65μLに、それぞれ前記1の(1)の緩衝液10μLを添加し、混合した。
なお、多孔性膜上の着色域の外縁が明暸でありその外縁上にリング状の線が見られる場合には試料中にタンパク質が存在すると判定し、前記着色域の外縁が不明瞭でありぼやけたものである場合には試料中にタンパク質が存在しないと判定した。
前記測定の結果を、図5に示した。
本発明の試料中のタンパク質の測定方法及び測定キットにおいて、種々の水溶性高分子化合物を用いて測定を行った。
(1)緩衝液
緩衝液として、100mMモノクロロ酢酸ナトリウ厶−塩酸緩衝液〔pH3.0(20℃)〕を調製した。
塩試薬として、200mM塩化ナトリウム水溶液を調製した。
色素・高分子化合物試薬として、下記の試薬を各々調製した。
2.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量4,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量8,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量10,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ポリエチレングリコール(PEG)〔平均分子量20,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%α−サイクロデキストリン(α−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%β−サイクロデキストリン(β−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%γ−サイクロデキストリン(γ−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ヒドロキシプロピル−α−サイクロデキストリン(HP−α−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン(HP−β−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ヒドロキシプロピル−γ−サイクロデキストリン(HP−γ−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%ヒドロキシブチル−α−サイクロデキストリン(HB−α−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%カチオニック−β−サイクロデキストリン(CA−β−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%マルトシル−β−サイクロデキストリン(MA−β−CD)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%デキストラン〔平均分子量10〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%デキストラン〔平均分子量500〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%デキストラン〔平均分子量71,500〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%デキストラン〔平均分子量100,000〜200,000〕、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%BL−9EX(非イオン性界面活性剤)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%BL−25(非イオン性界面活性剤)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%NP−15(非イオン性界面活性剤)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%TritonX−100(非イオン性界面活性剤)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%PONPE−20(非イオン性界面活性剤)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
2.0%KF−6011(変性シリコンオイル)、及び500μMエリスロシンBを含む水溶液。
セルロース混合エステルよりなる多孔性膜(商品名「MF−メンブランフィルター(タイプHA;孔径0.45μm)」〔ミリポア社〕)
(イ)タンパク質不含試料
純水を、タンパク質を含まないタンパク質不含試料(タンパク質濃度:0mg/dL)とした。
0.05mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.05mg/dL試料とした。
0.1mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.1mg/dL試料とした。
0.2mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.2mg/dL試料とした。
0.5mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、0.5mg/dL試料とした。
1.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、1mg/dL試料とした。
2.0mg/dLのヒト血清アルブミン(HSA)を含む水溶液を調製し、2mg/dL試料とした。
(1) 前記3の各試料の65μLに、それぞれ前記1の(1)の緩衝液10μLを添加し、混合した。
なお、この色素・高分子化合物試薬は、(a)PEG4000試薬〜(w)KF−6011試薬の計23種類の試薬を各々別々に用いた。
なお、多孔性膜上の着色域の外縁が明暸でありその外縁上にリング状の線が見られる場合には試料中にタンパク質が存在すると判定し、前記着色域の外縁が不明瞭でありぼやけたものである場合には試料中にタンパク質が存在しないと判定した。
色素・高分子化合物試薬が、(a)PEG4000試薬、(b)PEG8000試薬、(c)PEG10000試薬、及び(d)PEG20000試薬の場合には、最低0.1mg/dLのヒト血清アルブミンを含む試料まで、着色域の外縁が明瞭でありその外縁上にリング状の線が見られ、試料中にタンパク質が存在すると判定することができた。すなわち、検出限界は、0.1mg/dLであった。
Claims (8)
- 試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程;前記接触後その一定量を多孔性膜上に添加する工程;並びに前記多孔性膜上の着色域を測定する工程、を含むことを特徴とする試料中のタンパク質の測定方法。
- 試料、タンパク質と会合体を形成する色素、及び水溶性高分子化合物を接触させる工程において、塩を共存させることを特徴とする請求項1記載の測定方法。
- タンパク質と会合体を形成する色素がエリスロシンBである請求項1又は請求項2記載の測定方法。
- 水溶性高分子化合物がポリアルキレングリコールである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の測定方法。
- タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬、並びに多孔性膜、を含むことを特徴とする試料中のタンパク質の測定キット。
- タンパク質と会合体を形成する色素及び水溶性高分子化合物を含有する試薬が、更に塩を含有することを特徴とする請求項5記載の測定キット。
- タンパク質と会合体を形成する色素がエリスロシンBである請求項5又は請求項6記載の測定キット。
- 水溶性高分子化合物がポリアルキレングリコールである請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の測定キット。
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