JP4039601B2 - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷凍装置に関し、特に、機内に発生する不凝縮水素ガスの除去装置を有する吸収式冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収式冷凍サイクルで運転される吸収式冷凍機が冷房装置として知られていたが、さらに近年、運転時のエネルギ効率の良さ等の利点が着目され、冷房運転だけでなく、蒸発器で外気から汲み上げた熱を利用したヒートポンプ暖房運転も行えるようにした吸収式冷凍機に対する需要が高まりつつある。例えば、特公平6−97127号公報では、冷房運転、ヒートポンプ運転による暖房、および直火焚き(ボイラ)運転による暖房という3つのモードで運転できるようにした吸収式冷温水機が提案されている。
【0003】
上記吸収式冷凍機の吸収冷凍サイクルは高真空下で行われることから、冷媒中の成分と冷媒流路を形成している金属材料および腐食抑制剤との接触反応によって、ごく微量の水素ガス等の不凝縮ガスが発生する。この不凝縮ガスは高い真空度を維持すべき構成部分である吸収器、蒸発器等の真空度を低下させ、冷暖房の運転効率を著しく低下させることが知られている。このために、真空ポンプ等の抽出手段を用いてこの不凝縮ガスを機外に放出するメンテナンスが一定期間毎に必要となっていた。
【0004】
特開平8−121911号公報や特開平5−9001号公報には吸収式冷凍機内で発生した不凝縮ガスを機外に排出する装置が開示されている。これらの装置では、加熱されたパラジウム管に冷媒液から分離した不凝縮ガスを誘導し、パラジウムの選択透過性を利用して、該不凝縮ガスを大気中に放出している。
【0005】
吸収式冷凍サイクルのためフッ化アルコール等のアルコール系冷媒を使用する吸収式冷凍装置においては、冷媒中に水を混入させることで、冷媒流路を形成している金属材料の腐食を抑制できることが知られている。この場合、混入させた水が冷媒流路を形成しているアルミニウムと反応して微量の水素ガスを発生するためこれの除去が必要になる。
【0006】
しかし、上記不凝縮ガスの排出装置では、発生した水素ガスを機外に放出させるようになっているため、機内の気密性を保持するための構造が複雑化することになる。また、徐々に冷媒中に含まれている水分が減少していくことになるため、腐食の抑制に必要な適正量の水が確保されない。
【0007】
そこで、本発明者等は、吸収冷凍サイクル中に発生する水素ガスに作用して還元反応を生じさせる酸化金属を主成分とする還元部を冷媒の通路に設けた吸収式冷凍装置を、先に提案している(特開2000-186865号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記吸収式冷凍機では、長期の使用によって還元部の還元剤の交換が必要となることがある。この場合、還元部を取り付けた冷媒通路の真空状態を維持したまま、還元剤を交換するのは容易ではない。また、運搬時に冷媒通路の冷媒が還元部に浸入して還元剤を濡らすおそれがあった。この還元剤の濡れは、還元剤の性能を低下させることになるので、対策が望まれている。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、機内の真空度を低下させることなく還元部のメンテナンスを実施でき、かつ、運搬時等に冷媒による還元剤の濡れを防止することができる吸収式冷凍装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、冷媒を収容した蒸発器と、前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収剤溶液で吸収する吸収器と、前記溶液の吸収剤濃度を回復させるため、該吸収剤溶液を加熱して冷媒蒸気を抽出する再生器と、前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸発器へ供給するための凝縮器とを有する吸収式冷凍装置において、吸収冷凍サイクル中に発生する水素ガスに作用して還元反応を生じさせる還元剤を保持する保持手段と、前記水素ガスが前記還元剤に接触可能なように、前記保持手段を前記冷媒蒸気の流路に連通させる通路手段と、前記通路手段を開閉させるバルブ手段とを具備し、前記保持手段が、前記バルブ手段による前記通路手段の遮断状態で、該通路手段に着脱自在に係合されている点に特徴がある。
【0011】
また、本発明は、前記バルブ手段が、前記通路手段を開閉する弁体を備え、前記弁体には、前記通路手段を介して前記保持手段および前記冷媒蒸気の通路に連通する抽気通路が設けられ、前記抽気通路には、前記弁体による前記通路手段の開閉いずれの状態においても該抽気通路を開閉可能な抽気バルブ手段が設けられている点にも特徴がある。
【0012】
上記特徴によれば、発生する水素ガスが酸化金属に作用して還元反応が起こり、水が生成されて水素ガスは除去される。こうして水素ガスを除去することにより、凝縮器、蒸発器、吸収器等、冷媒通路各部の真空度の低下による運転効率の低下を防止できるし、生成した水が還元部から冷媒通路に戻ることにより、冷媒中の水分は適正量に維持される。
【0013】
特に、バルブ手段によって、通路手段を遮断した状態、つまり冷媒蒸気の流路と還元剤の保持手段との間で流体の流通を遮断した状態を形成でき、この状態で保持手段を着脱できる。したがって、保持手段を取り外したときも、冷媒蒸気の流路内の低圧は維持される。
【0014】
また、弁体に設けられた抽気通路を抽気バルブ手段によって開くことにより、抽気通路を通じて保持手段および冷媒蒸気の通路を脱気できる。特に、通路手段を開閉いずれの状態にしたときにも、抽気通路は開閉可能であるので、例えば、通路手段を開いて脱気したときは、保持手段および冷媒蒸気の通路の双方について圧力を低下させられるし、通路手段を閉じて脱気したときは、保持手段のみについて圧力を低下させられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は本発明の一実施形態に係る吸収式冷凍機の要部構成を示す系統ブロック図である。なお、ここでは、吸収式冷凍機の一実施態様として吸収式冷暖房装置を想定している。蒸発器1には冷媒としてトリフルオロエタノール(TFE)等のフッ化アルコールが、吸収器2には吸収剤を含む溶液としてDMI誘導体(ジメチルイミダゾリジノン)が収容されている。前記冷媒はフッ化アルコールに限らず非凍結範囲が広くとれるものであればよい。溶液についてはDMI誘導体に限らず非結晶範囲が広く取れるものであり、TFEつまり冷媒よりも高い常圧沸点を有し、冷媒を吸収しうる吸収剤であればよい。
【0016】
蒸発器1と吸収器2とは、蒸発(冷媒)通路を介して互いに流体的に連結されており、これら蒸発器1および吸収器2を、例えば30mmHg程度の低圧環境下に保持すると蒸発器1内の冷媒が蒸発し、この冷媒蒸気は前記蒸発通路を介して吸収器2内に入る。吸収器2内では吸収剤溶液が冷媒蒸気を吸収して吸収冷凍動作が行われる。なお、蒸発通路には、冷媒蒸気中に残存するミスト(霧状の冷媒)を加熱して蒸気化させるとともに、凝縮器9から送給されるTFEの温度を下げる働きをする予冷器18が設けられている。
【0017】
バーナ7が点火されると、再生器3によって吸収器2内の溶液濃度が高められる(バーナおよび再生器ならびに溶液濃縮については後述する)。吸収器2内の高濃度溶液が冷媒蒸気を吸収すると蒸発器1内の冷媒が蒸発し、その蒸発時の潜熱によって蒸発器1内が冷却される。蒸発器1には冷水が通過する管路1aが通っている。管路1aを流れる冷水としてはエチレングレコール又はプロピレングレコ−ル水溶液を使用するのが好ましい。管路1aの一端(図では出口端)は第1の四方弁V1の#1開口に、その他端(図では入口端)は第2の四方弁V2の#1開口にそれぞれ連結される。
【0018】
冷媒はポンプP1によって蒸発器1内に設けられた散布手段1bに導かれ、冷水が通過している管路1a上に散布される。冷媒は管路1a内の冷水から蒸発熱を奪って冷媒蒸気となり、冷媒で熱を奪われた管路1a内の冷水はその温度が降下する。冷媒蒸気は前記蒸発通路を通って吸収器2に流入する。蒸発器1内の冷媒は散布手段1bに導かれるほか、その一部はフィルタ4を通って精留器6にも給送される。蒸発器1とフィルタ4との間には流量調節弁V5が設けられている。
【0019】
前記フッ化アルコールの蒸気つまり冷媒蒸気が吸収器2の溶液に吸収されると、吸収熱によって該溶液の温度は上昇する。溶液の吸収能力は該溶液の温度が低いほど、また、溶液濃度が高いほど大きい。そこで、該溶液の温度上昇を抑制するため、吸収器2の内部には冷却水が通る管路2aが設けられる。管路2aの一端(図では出口端)は凝縮器9内を通した後、ポンプP3を介して第1の四方弁V1の#2開口に、管路2aの他端(図では入口端)は第2の四方弁V2の#2開口にそれぞれ連結される。管路2aを通過する冷却水として、前記冷水と同じ水溶液を使用する。
【0020】
溶液はポンプP2によって吸収器2内に設けられた散布手段2bに導かれ、管路2a上に散布される。その結果、溶液は管路2aを通っている冷却水で冷却される。一方、冷却水は熱を吸収するのでその温度が上昇する。吸収器2内の溶液が冷媒蒸気を吸収し、その吸収剤濃度が低下すると吸収能力が低下する。そこで、再生器3および精留器6によって吸収剤溶液から冷媒蒸気を分離発生させることにより、溶液の濃度を高めて吸収能力を回復させる。
【0021】
吸収器2で冷媒蒸気を吸収して希釈された溶液つまり希液は前記散布手段2bに導かれるほか、ポンプP2により管路7bを通じて精留器6に給送され再生器3へと流下する。ポンプP2と再生器3とをつなぐ管路7bには開閉弁V3が設けられている。再生器3には吸収器2から供給される希液を加熱するバーナ7が設けられている。バーナ7はガスバーナが好ましいが、他の型式のどのような加熱手段であってもよい。
【0022】
再生器3で加熱され、冷媒蒸気が抽出されて濃度が高められた溶液(濃液)は、管路7aを通って吸収器2に戻される。管路7a上には開閉弁V4が設けられている。温度が比較的高い濃液は散布手段2cによって管路2a上に散布される。
【0023】
再生器3に給送された希液がバーナ7で加熱されると、冷媒蒸気が発生する。この冷媒蒸気に混入された吸収剤溶液は精留器6で分離され、より一層純度を高められた冷媒蒸気が凝縮器9へ給送される。冷媒蒸気は凝縮器9で冷却されて凝縮液化され、前記予冷器18、減圧弁11を経由して蒸発器1に戻される。この冷媒は管路1a上に散布される。
【0024】
凝縮器9から蒸発器1に供給される蒸気の純度は極めて高くなってはいるが、還流冷媒中にごくわずかに混在する吸収剤成分が長時間の運転サイクルによって蓄積し、蒸発器1内の冷媒の純度が徐々に低下することは避けられない。蒸発器1から冷媒のごく一部をフィルタ4を介して精留器6に給送し、再生器3から生じる冷媒蒸気と共に再び純度を上げるためのサイクルを経るようにすることによって冷媒純度の低下が抑制される。
【0025】
再生器3から出た管路7a中の高温濃液は、吸収器2と精留器6を連結する管路の中間に設けられた熱交換器12により、吸収器2から出た希液と熱交換して冷却された後、吸収器2内に散布される。一方、熱交換器12で予備的に加熱された希液は精留器6へ給送される。こうして熱効率の向上が図られているが、さらに、還流される前記濃液の熱を吸収器2または凝縮器9から出た管路2a内の冷却水に伝達するための熱交換器(図示せず)を設けることにより、吸収器2に還流される濃液の温度をより一層低下させ、冷却水温度はさらに上げることができるような構成をとってもよい。
【0026】
前記冷水または冷却水を外気と熱交換するための顕熱交換器14には管路4a、室内機15には管路3aが設けられている。管路3a、4aの各一端(図では入口端)は第1の四方弁V1の#3および#4開口に、その他端(図では出口端)は第2の四方弁V2の#3および#4開口にそれぞれ連結される。室内機15は冷暖房を行う室内に備えられるもので、冷風または温風の吹出し用ファン(両者は共通)10と吹出し出口(図示せず)とが設けられる。前記顕熱交換器14は室外に置かれ、ファン19で強制的に外気との熱交換が行われる。
【0027】
蒸発器1には冷媒の量を感知するレベルセンサL1、冷媒の温度を感知する温度センサT1、および蒸発器1内の圧力を感知する圧力センサPS1が設けられている。吸収器2には溶液の量を感知するレベルセンサL2が設けられている。凝縮器9には、凝縮した冷媒の量を感知するレベルセンサL9、冷媒の温度を感知する温度センサT9、および凝縮器9内の圧力を感知する圧力センサPS9が設けられている。顕熱交換機14、再生器3、および室内機15にはそれぞれ温度センサT14、T3およびT15が設けられている。顕熱交換機14の温度センサT14は外気温度を感知し、室内機15の温度センサT15は冷暖房をする室内の温度を感知する。また、再生器3の温度センサT3は溶液の温度を感知する。
【0028】
以上の構成において、冷房運転時には、第1の四方弁V1および第2の四方弁V2を、それぞれの#1および#3開口を連通させる一方で、#2および#4開口を連通させるように切替える。この切替えにより、冷媒が散布されて温度が下げられた冷水が室内機15の管路3aへ導かれて室内の冷房が行われる。
【0029】
一方、暖房運転時には、前記第1の四方弁V1および第2の四方弁V1を、それぞれの#1および#4開口を連通させ、#2および#3開口を連通させるように切替える。この切替えにより、暖められた冷却水が室内機15の管路3aへ導かれて室内の暖房が行われる。
【0030】
なお、暖房運転時に、外気温度が極端に低くなると、顕熱交換器14を介して外気から熱を汲み上げ難くなり、暖房能力が低下する。このようなときのために、凝縮器9と再生器3(または精留器6)との間をバイパスする環流通路9aおよび開閉弁17を設けている。すなわち、外気からの熱の汲み上げが困難なときには、吸収冷凍サイクル運転は停止して、再生器3で発生した蒸気を凝縮器9との間で環流させ、バーナ7による加熱熱量を凝縮器9内で効率よく管路2a内の冷却水に伝導させられる直火焚き運転により前記冷却水を昇温させて暖房能力を向上させるようにする。
【0031】
続いて、上記冷暖房装置に設けられている水素ガス除去装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る冷暖房装置の要部構成を示す断面図である。同図において、再生器3の上部に設けられた精留器6は、連結管16を介して凝縮器9と連結される。凝縮器9には、前記管路2a内を循環する冷却水で冷却される熱交換コア17を有する凝縮室9aと、水素除去アセンブリ21が配置される除去処理室9bとが設けられる。凝縮室9aと除去処理室9bとはプレート20で仕切られ、プレート20の下部には通路20aが設けられる。
【0032】
凝縮室9aの底部には、凝縮した冷媒(冷媒液)が蓄積される。前記プレート20は、冷媒の液面9cと該プレート20の下端との間に隙間を残して通路20aが形成されるように寸法と位置が決定される。除去処理室9b内には、酸化金属を含む還元部としての水素除去アセンブリ21が設けられる。水素除去アセンブリ21の構造は図1等に関して後述する。酸化金属としては、例えば遷移金属の酸化物単体または遷移金属の酸化物同士の混合物を使用できる。一例として、NiO単体、またはNiOを主成分とし、さらにCuO,MnO,Alを混合した混合物を使用することができる。また、他の例として、CuO,MnO,Alのうちの少なくとも一つを主成分とした混合物を使用することができる。
【0033】
発生した水素ガスHは、運転休止中は凝縮器9内に拡散しており、運転中は凝縮器9内の冷媒蒸気の流れによって冷媒液面9cに張り付くようにして溜まっている。この溜まっている水素ガスHが濃度勾配すなわち拡散によって除去処理室9b内に流入し、流入した水素ガスHは酸化金属と接触し、その結果、酸化金属の還元反応が起こり、水が生成されて水素ガスが除去される。すなわち、例えば、次式(f1)による化学反応が生じる。MOX+XH=M+XHO…(f1)。ここで、符号Mは遷移金属、Xは定数である。生成された水は通路20aを通じて凝縮室9a内に流入する。
【0034】
こうして、凝縮室9a内に溜まった水素ガスが除去されるときに水が生成されるので、冷媒通路内を流れる冷媒内の水含有量が水素ガス除去作用に伴って減少することはない。したがって、冷媒通路を形成している金属材料の腐食を抑制させるため冷媒に混入させている水が適正な量に維持される。
【0035】
次に、前記水素除去アセンブリを詳述する。図1は、水素除去アセンブリの構造を示す凝縮器9の要部断面図である。同図において、除去処理室9bに設けられる水素除去センブリ21は、還元部21Aとバルブ部21Bとからなる。還元部21Aには、除去処理室9bに上方から突出し、両端が開口した円筒状のハウジング22が含まれる。一方、バルブ部21Bには、除去処理室9bの底部を貫通した円筒状のボディ23が設けられる。ハウジング22の下端とボディ23の上端は互いに連結され、凝縮器9を上下に貫通する1つの筒状体を構成している。
【0036】
ハウジング22には、還元剤としての酸化金属の粉末Mを適当量収容する筒状容器(保持手段)24が挿入される。容器24の下端にはフィルタ25(網)が装着され、粉末Mはこのフィルタ25によって容器24内に保持される。容器24の上端は押さえ板26で押しつけられ、ハウジング22内に固定される。凝縮器9の上板には、前記ハウジング22と同心に配置された環状の台座27が溶接されている。前記押さえ板26は、その周縁が係合して台座27の上に載置され、ボルト28によって台座27に固定される。押さえ板26と台座27との間には、気密を保持するためのシールリング29が介挿される。このように、酸化金属の粉末Mを収容した容器24は、ハウジング22に対して着脱可能に取り付けられる。
【0037】
一方、除去処理室9b内に突出したボディ23の部分には、ボディ23内と除去処理室9b内とを連通させる横孔23aが形成される。横孔23aは前記通路20aに対向している。横孔23aは凝縮室9aと粉末Mが収容された容器24とを連通する通路手段を構成する。ボディ23内には、横孔23aを開閉する主弁体30が、ボディ23の軸方向つまり上下方向に移動自在に嵌挿される。主弁体30の下端には、ボディ23の内面の雌ねじに係合する雄ねじが形成され、ボディ23に対する主弁体30のねじ送りを可能にしている。主弁体30の外周にはシール部材(Oリング)31が設けられる。
【0038】
また、主弁体30の内周には、主弁体30の先端(上端)の開口30aを開閉する抽気ポート弁体32が、主弁体30の軸方向つまり上下方向に移動自在に嵌挿される。抽気ポート弁体32の下端には、主弁体30の内面の雌ねじに係合する雄ねじが形成され、主弁体30に対する抽気ポート弁体32のねじ送りを可能にしている。抽気ポート弁体32の外周にはシール部材33が設けられる。
【0039】
抽気ポート弁体32には、該弁体32の中心線に沿って上下に延び、先端部分(上端)近くで側部に開口する通路34が形成される。主弁体30の先端開口30aと抽気ポート弁体32の上端との間には開口30aを封止するシール部材32aが設けられる。さらに、ボディ23の下端には、キャップ35が螺着される。キャップ35とボディ23の下端面との間にはシール部材35aが介装される。
【0040】
上記構成の水素除去アセンブリ21において、主弁体30を下げて横孔23aを開いた状態では、凝縮室9aに溜まった水素ガスはこの横孔23aを通ってボディ23内に流入し、ボディ23上方の還元部21Aに導入される。水素ガスはフィルタ25を通過して酸化金属の容器24内に入り、酸化金属を還元して水を生ずる。発生した水は、フィルタ25,横孔23aを通過し、通路20aを通って凝縮室9aに流入する。
【0041】
続いて、バルブ部21Bの、各種動作態様を説明する。図4は、横孔23aを閉じたときのバルブ部21Bの断面図である。主弁体30をねじ込んで上方に移動させることにより、図のように主弁体30の外周で横孔23aは閉じられる。この状態では、還元部21Aと凝縮室9aとが隔絶されるので、前記押さえ板26を取り外して容器24をハウジング22から取り出す操作をしても、凝縮器9の真空度は低下しないか、低下してもわずかである。したがって、最小限の真空引きで還元部の容器24を取り替えて、還元剤つまり酸化金属を更新することができる。また、このように、横孔23aを閉じた状態で、凝縮器9を含む冷暖房装置が揺らされた場合であっても冷媒液が還元部21Aに流入するような事態は回避されるので、運搬時の操作性は良好であり、移転や配置換えが容易である。
【0042】
図5は、横孔23aを閉じた状態で、抽気ポート弁体32を下げたときのバルブ部21Bの断面図である。この状態では、主弁体30の開口30aは開いて、抽気ポート弁体32の通路34と還元部21Aとは連通する。したがって、凝縮器9の真空を維持したまま還元部21Aのみを、容易に脱気して真空度を回復させることができる。矢印Eは脱気のときの流体の流れを示す。
【0043】
図6は、弁主体30を下げた状態で、抽気ポート弁体32をも下げたときのバルブ部21Bの断面図である。この状態では、横孔23aおよび主弁体30の開口30aはいずれも開いている。したがって、抽気ポート弁体32の通路34は還元部21Aおよび凝縮室9aの双方と連通し、冷暖房装置全体を矢印E’のように脱気することができる。
【0044】
なお、前記主弁体30および抽気ポート弁体32の頭つまり下端部には、これらをねじ送りする際に六角レンチなどの工具を係合可能な凹部が設けられる。
【0045】
図7は、脱気つまり真空引きのための治具を装着したときのバルブ部21Bの断面図である。同図において、抽気ポート弁体32の頭に形成された六角形の凹部には六角レンチ36が装着されている。この六角レンチ36は断面が環状の管体であり、内周面に沿って抽気パイプ37が挿入されている。抽気パイプ37は図示しない真空ポンプに結合される。この状態で、まず真空ポンプを作動させ、次に、六角レンチ36を回動させて主弁体30の先端開口30aを開く。そうすると、還元部21A内は真空ポンプで脱気されて真空度が高められる。全体を脱気させるときは、主弁体30を下げて、横孔23aを開口させたあと、上記還元部21Aの脱気と同様の操作をすればよい。
【0046】
上記水素除去アセンブリ21は凝縮器9内をプレート20で仕切って形成した除去処理室9b内に設置したが、設置位置はこれに限らない。図8は水素除去アセンブリ21の、他の設置例を示す断面図であり、図1と同符号は同一または同等部分を示す。同図において、凝縮器9の側壁には、冷媒の液面直上に開口位置を設定して抽出管38が結合される。水素除去アセンブリ21は図1のものと同様、酸化金属用の容器とを備えた還元部21A、ならびに還元部21Aと連通するバルブ部21Bを有する。抽出管38は還元部およびバルブ部の間に設けられる前記横孔23a相当の開口に結合され、凝縮器9および還元部間を、図1のものと同様、バルブ部を介して連通させる。この例では、ハウジングを設けないで、容器24をバルブ部21Bのボディ23に螺着させている。
【0047】
以上、本発明を好ましい実施形態に従って説明したが、水素除去アセンブリの取り付け位置は、種々変形できる。凝縮器に取り付けるのに限らず、要は、冷媒の通路に連通するように設置されていればよい。また、冷媒の通路と還元部とを封止弁からなるバルブ部を介して連通し、バルブ部を閉じた状態で還元部を取り外しあるいは開放して還元剤である酸化金属の交換をでき、バルブ部を開けた状態で冷媒の通路と還元部とが連通されればよい。さらに、バルブ部は、還元部および冷媒の通路のいずれか、または双方を、選択的に外気と連通するように切り替えられる構造であれば、種々変形できる。
【0048】
なお、本実施形態では、酸化金属は粉末状のものを用いたが、これに限らない。例えば、容器24の内周に酸化金属の層を形成し、水素ガスと接触させるようにしてもよい。その場合、粉末の落下を防止するためのフィルタ25は不要である。また、酸化金属は先に列挙したもの単体でもよいし、酸化金属と水素ガスとの反応を促進させるための触媒作用をもつ物質、例えば、パラジウムもしくはその化合物(PdCl)、白金もしくはその化合物等の添加剤を微量混入するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1〜請求項7の発明によれば、酸化金属の還元作用により水素が除去され、水が生成される。したがって、冷媒通路の真空度が低下することがないので高い運転効率を維持できるとともに、生成された水は機外に排出されないので、特に、水を混入した冷媒の含有水分量を適正に維持することができる。
【0050】
また、冷媒蒸気の流路を外部と遮断した状態で還元剤の保持部材を着脱できるので、冷媒蒸気の流路を低圧に維持したまま還元剤の交換を実施できる。したがって、交換後は保持手段内だけを脱気すればよいので、作業時間を短縮できる。
【0051】
さらに、冷媒蒸気の流路を閉じた状態で装置の運搬や配置換えをできるので、冷媒蒸気の流路から浸入する冷媒によって還元剤が濡れるのを防止することができる。また、さらに、バルブ手段の弁体や抽気バルブ手段を操作するだけの簡単な操作で冷媒蒸気の流路を開閉できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る水素除去アセンブリを含む凝縮器の要部断面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る吸収式冷暖房装置の構成を示す系統図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る水素除去アセンブリを含む吸収式冷暖房装置の模式図である。
【図4】 冷媒蒸気の流路と連通する通路を閉じた状態のバルブ手段を示す断面図である。
【図5】 冷媒蒸気の流路と連通する通路を閉じ、抽気通路を開いた状態のバルブ手段を示す断面図である。
【図6】 冷媒蒸気の流路と連通する通路、および抽気通路を開いた状態のバルブ手段を示す断面図である。
【図7】 バルブ手段の螺送治具を装着した状態のバルブ手段を示す断面図である。
【図8】 水素除去アセンブリの取り付けの変形例に係る凝縮器の模式図である。
【符号の説明】
1…蒸発器、 2…吸収器、 3…再生器、 9…凝縮器、 14…顕熱交換器、 15…室内機、 19…ファン、 20…プレート、 21…水素除去アセンブリ、 22…ハウジング、 23…ボディ、 24…還元剤の容器、 25…フィルタ、 26…押さえ板、 30…主弁体、 32…抽気ポート弁体、 M…酸化金属

Claims (6)

  1. 冷媒を収容した蒸発器と、前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収剤溶液で吸収する吸収器と、前記溶液の吸収剤濃度を回復させるため、該吸収剤溶液を加熱して冷媒蒸気を抽出する再生器と、前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸発器へ供給するための凝縮器とを有する吸収式冷凍装置において、
    吸収冷凍サイクル中に発生する水素ガスに作用して還元反応を生じさせる還元剤を保持する保持手段と、
    前記水素ガスが前記還元剤に接触可能なように、前記保持手段を前記冷媒蒸気の流路に連通させる通路手段と、
    前記通路手段を開閉させる弁体を有するバルブ手段とを具備し、
    前記保持手段が、前記バルブ手段による前記通路手段の遮断状態で、該通路手段に着脱自在に係合されているとともに、
    前記弁体には、前記通路手段を介して前記保持手段および前記冷媒蒸気の通路に連通する抽気通路が設けられ、前記抽気通路には、前記弁体による前記通路手段の開閉いずれの状態においても該抽気通路を開閉可能な抽気バルブ手段が設けられていることを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. 前記通路手段に連通するハウジングを具備し、
    前記保持手段が、前記ハウジングに着脱自在に収容されたことを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍装置。
  3. 前記バルブ手段の弁体が、前記通路手段に対して進退自在に螺合され、螺送によって該通路手段を開閉するように構成され、
    前記抽気バルブ手段が、前記弁体に対して進退自在に螺合され、螺送によって前記抽気通路をする開閉するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の吸収式冷凍装置。
  4. 前記ハウジングが筒状をなし、その一端側に前記バルブ手段が配されるとともに、他端側に前記保持手段が着脱可能に配されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の吸収式冷凍装置。
  5. 前記ハウジングが、凝縮器を貫通するように設けられ、前記一端側のバルブ手段と前記他端側の保持手段との間に前記通路手段が結合されて前記冷媒蒸気の通路に連通していることを特徴とする請求項記載の吸収式冷凍装置。
  6. 前記冷媒としてアルコール系冷媒を使用すると共に、前記還元剤が酸化金属を主体としていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸収式冷凍装置。
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