JP4039559B2 - 解体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物を解体する解体機械に係り、より詳しくは狭隘な場所で家屋を解体する場合に好適な解体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物を解体するための解体機械として、走行体上に旋回装置を介して設置した旋回体と、先端に作業具を設けた多関節アームとの間に拡張ブームを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。この従来の解体機械においては、前記拡張ブームの下端を旋回体に固定し、拡張ブームの上端に前記多関節アームの基端部を回動自在に取付けてなる。このような拡張ブームを設ければ、多関節アームの先端の作業具の高さを高めることができる。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−2723号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
建築物、特に木造家屋の解体においては、リサイクル法により、その解体物を分別する必要が生じている。例えば、瓦、木材、壁材等をそれぞれリサイクル可能に分別する必要がある。このため、家屋の屋根の部分まで解体処理可能であることが要求される。その上、家屋間の道路、空地等の狭隘な空間に配置可能であることも要求される。
【0005】
しかし、前述した公報記載の解体機械においては、作業具の高さ方向の到達範囲を大とする試みはなされているものの、水平方向の移動量を大きくするための配慮はなされていない。このため、作業の進行に合わせて、作業具の水平方向の位置を変えるために、走行により、家屋間の道路、空地等の狭隘な空間内で解体機械全体を家屋側に移動調整する必要があり、作業性が良好でないという問題がある。また、狭隘な空間で家屋の手前側の解体作業ができないという問題がある。
【0006】
また、この種の解体機械においては、解体用作業具に大きな破砕力を発揮させて、解体作業の能率を向上させることも要望されている。
【0007】
本発明は、補助ブームを揺動させる揺動用油圧シリンダとして比較的小径のものを用いたとしても、解体用作業具に大きな破砕力を生じさせることができ、重量やコストを最小限に抑制しうる構成の解体機械を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するため、走行体と、
前記走行体上に旋回装置を介して設置した旋回体と、
前記旋回体にブラケットを介して垂直姿勢より前後に起伏自在に設けられる補助ブームと、
前記補助ブームの先端に起伏自在に設けられた多関節アームと、
前記多関節アームの先端に設けられた作業具と、
前記補助ブームと前記多関節アームとの間に設けられ、前記補助ブームに対し前記多関節アームを起伏させる起伏用油圧シリンダと、
下端部を前記ブラケットに連結部材を介して連結し、上端部を前記補助ブームに連結して設けられ、前記補助ブームを前記ブラケットに対して揺動させる揺動用油圧シリンダとを備え、
前記補助ブームの上部における前記多関節アームとの連結ピンの軸心と、前記起伏用油圧シリンダの前記補助ブームとの連結ピンの軸心との、前記補助ブームの垂直姿勢における前後方向の距離をaとし、
前記補助ブームと前記ブラケットとの連結ピンの軸心と、前記揺動用油圧シリンダの前記連結部材との連結ピンの軸心との前後方向の距離をbとしたとき、
a<bとなるように前記連結部材を前方に張り出して設け、前記揺動用油圧シリンダを連結したことを特徴とする。
【0009】
本発明の解体機械は、多関節アームと旋回体に設けたブラケットとの間に、前後に揺動自在な補助ブームを付加したので、作業具の高さ方向の到達位置を高くすることができることは勿論のこと、さらに前後方向の到達位置を拡大することができる。このため、走行体を駆動して解体機械本体を移動させなくても、本体に近い位置から遠い位置まで作業具を到達させることができ、作業性が向上する。
【0010】
また、本発明の解体機械は、前記揺動用油圧シリンダの下端部ブラケットとの連結部を前方に偏位させたので、揺動用油圧シリンダを揺動させる力、ひいては解体機械の多関節アームの先端に取付けられる作業具に大きな破砕力を発生させることができ、揺動用油圧シリンダを大径化することなく、破砕力の大きな解体機械を提供することができる。
【0011】
また、補助ブームの揺動用油圧シリンダや多関節アームの起伏用油圧シリンダへの最大油圧は通常同じであるが、揺動用油圧シリンダに大径のものを必要としないため、その推力も過大になることを防ぐことができ、揺動用油圧シリンダの両端を受ける旋回体や補助ブームにおける連結部も強度の大きいものとする必要がなくなる。このため、揺動用油圧シリンダのみならず、補助ブームの強度も増大させる必要がなく、さらに解体機械本体の重量バランスを保つ役割を果たすカウンタウエイトも大型化する必要がなく、重量はコストの上昇を防止することができる。また、解体機械を小型化できるため、狭隘な場所への進入や狭隘な場所での作業も行うことができる。
【0012】
また、本発明の解体機械において、前記補助ブームの上部の多関節アームとの連結ピンの軸心と、該多関節アームの起伏用油圧シリンダの前記補助ブームとの連結ピンの軸心との、補助ブームの垂直姿勢における前後方向の距離をaとし、
前記補助ブームと前記旋回体との連結ピンの軸心と、前記揺動用油圧シリンダの前記旋回体との連結ピンの軸心との前後方向の距離をbとしたとき、
a<bに設定することにより、前記(1)に記載のように、揺動用油圧シリンダを大径化することなく、大きな破砕力を得ることができる。
【0013】
)また、本発明の解体機械において、前記補助ブームと多関節アームとの連結ピンの軸心より、前記起伏用油圧シリンダの軸心へ下ろした垂線の距離をcとし、
前記補助ブームと前記ブラケットとの連結ピンの軸心より、前記揺動用油圧シリンダの軸心へ下ろした垂線の距離をdとしたとき、
c<dとなるように設定することにより、前記(1)に記載のように、揺動用油圧シリンダを大径化することなく、大きな破砕力を得ることができる。
【0014】
)本発明の解体機械において、好ましくは、前記補助ブームと前記多関節アームとは、前記ブラケットに対して互換性を有して取付けられる構造を有し、
前記補助ブームの上部における前記多関節アームとの連結ピンの軸心と、前記起伏用油圧シリンダの前記補助ブームとの連結ピンの軸心との、前記補助ブームの垂直姿勢における前後方向の距離をa、高低差をfとし、
前記補助ブーム前記ブラケットに対する連結ピンの軸心と、この連結ピンより前方に位置し、前記連結部材の前記ブラケットに対する連結ピンの軸心との間の前後方向の距離をg、高低差をhとしたとき、
a=g、f=hとなるように設定したことを特徴とする。
【0015】
このように、ブラケットの取付け部を、補助ブームと多関節アームとが互換性を有して取付けられる構造とすることにより、ブラケットに多関節アームを直接取付けることもでき、解体機械を他の作業に転用することができる
【0016】
また、多関節アームと補助ブームとをブラケットに互換性を有して取付ける構造とし、仮に多関節アームの起伏用油圧シリンダと補助ブームの揺動用油圧シリンダを取付けるためのブラケットの連結部を共通に使用するとすれば、起伏用油圧シリンダと揺動用油圧シリンダに同じ規格の油圧シリンダを用いる必要があり、揺動用油圧シリンダによって補助ブームに作用させる揺動力を大きくするために揺動用油圧シリンダのサイズを大きくすれば、前記(1)で述べた理由から補助ブームも大型化させる必要があり、さらには多関節アームや起伏用油圧シリンダ等の関節部回動用油圧シリンダも大型化させる必要があり、さらにはカウンタウエイトの重量も大きくなり、全体の重量が増大し、かつ大型化するが、本発明によればこのような重量、サイズの増大、コスト高を防止することができる。また、解体機械を小型化できるため、狭隘な場所への進入や狭隘な場所での作業も行うことができる。
【0017】
)また、本発明の解体機械において、前記補助ブームの前記ブラケットに対する連結部材は、前記ブラケットに着脱可能に取付けられるアダプタにより構成することにより、多関節アームを有する解体機械において、補助ブームを付加してその揺動用油圧シリンダの下側連結部を前方に偏位させた構造が容易に採用できる。
【0018】
本発明の解体機械において、前記補助ブームの前記ブラケットに対する連結部材は、前記ブラケットにそれぞれピンにより着脱可能に連結され、かつ前記揺動用油圧シリンダの下端部に共通に連結される2つのリンクフレームにより構成すれば、多関節アームを有する解体機械において、補助ブームを付加してその揺動用油圧シリンダの下側連結部を前方に偏位させた構造が容易に採用できる。また、リンクフレームとブラケットとの連結はそれぞれ個別に行われるので、リンクフレームの代わりに前記アダプタを用いる場合に比較し、連結部を構成するピン孔とピン位置の合わせが容易に行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による解体機械の一実施の形態を示す側面図である。1は解体機械本体であり、該本体1は、無限軌道形の走行体2と、該走行体2上に設置された旋回装置3と、該旋回装置3の旋回体4と、該旋回体4上に設置した油圧パワーユニット5、カウンタウェイト6および運転席18とからなる。
【0020】
前記旋回体4の後部に搭載されたカウンタウェイト6は、平面視の形状が旋回装置3の旋回中心を中心とする円弧状をなし、その円弧は旋回体4の旋回角の如何にかかわらず走行体2の幅内に収まるように構成されている。すなわち走行体1、旋回体4およびその上の載置した装置の機種も含めて小型の機種構成として狭隘な場所への侵入を可能にしている。
【0021】
7は先端に解体用作業具8を取付けた多関節アームであり、該多関節アーム7は一般的には油圧ショベルに使用されるく字形の第1アーム9と、直線状の第2アーム10と、これらを回動させるための第1、第2、第3の油圧シリンダ11、12、13とからなる。以下第1の油圧シリンダ11を多関節アームの起伏用油圧シリンダと称する。
【0022】
14は前記旋回体4と多関節アーム7との間に前記多関節アーム7と互換性を有して取付ける補助ブームであり、15は該補助ブームを前後方向に揺動させるための油圧シリンダである。16は前記補助ブーム14、多関節アーム7および油圧シリンダ15、11を取付けるためのブラケットであり、本実施の形態においては、該ブラケット16は、図2(A)に示すように、前記旋回体4にピン17を中心に不図示の油圧シリンダにより水平揺動自在に取付けられる。
【0023】
前記ブラケット16には、前記補助ブーム14の下端部が、ピン孔23を有する連結部にピン19を挿着することにより着脱自在に取付けられる。32、33は前記揺動用油圧シリンダ15の下側連結部を前方に偏位させるためのリンクフレームである。これらのリンクフレーム32、33のうち、一方のリンクフレーム32は、前記ブラケット16におけるピン孔23を有する連結部に挿着されるピン19を使用して、一端がブラケット16に着脱自在に連結される。他方のリンクフレーム33は、前記ブラケット16におけるピン孔24を有する連結部に挿着されるピン20を使用して、ブラケット16に着脱自在に連結される。これらのリンクフレーム32、33の他端は、前記揺動用油圧シリンダ15の旋回体側端部(下端)にピン31により共通に着脱自在に連結される。
【0024】
前記補助ブーム14の上部に設けた多関節アーム取付け部14aには、ピン孔25、26を有する連結部が設けられ、該各連結部に、それぞれピン21、22により多関節アーム7および起伏用油圧シリンダ11の下端が着脱自在に連結される。前記揺動用油圧シリンダ15の上端は、補助ブーム14の上部の多関節アーム取付け部14aに設けた連結部にピン27により連結される。該補助ブーム14は、揺動用油圧シリンダ15の伸縮により、補助ブーム14の垂直姿勢から、前方に傾斜した姿勢と、後方に傾斜した姿勢をとることができる。
【0025】
図2(B)に示すように、ブラケット16は補助ブーム14の下端を嵌めて取付ける構造を有し、その取付け部の幅W2は、補助ブーム14の上端の多関節アーム取付け部14aの多関節アーム7の下端の嵌合取付け部の幅W1にほぼ等しく(W1=W2)構成する。油圧シリンダ15、11の下端の嵌合取付け部の幅も同様に同じとする。また、前記ピン19、20を挿入するピン孔23、24は、前記ピン21、22のピン孔25、26とそれぞれ同径をなす。
【0026】
また、図2(A)に示すように、補助ブーム14が垂直に起立したときの前記多関節アーム取付け部14aのピン21、22の軸心間の前後方向の距離aおよび高低差fと、ブラケット16のピン19、20の軸心間の前後方向の距離gおよび高低差hはそれぞれ等しく(a=g、f=h)設定される。また、補助ブーム14とブラケット16との連結ピン19の軸心と、揺動用油圧シリンダ15のリンクアーム32、33との連結ピン31の軸心との前後方向の距離をbとしたとき、a<bとなるようにリンクアーム32、33を前方に張り出して設ける。
【0027】
このような構成を有するので、図3に示すように、補助ブーム14、リンクフレーム32、33および揺動用油圧シリンダ15を取外し、代わりに多関節アーム7や起伏用油圧シリンダ11をブラケット16にそれぞれピン19、20により取付けることができる。
【0028】
このようにブラケット16や取付け部14aを構成することにより、ブラケット16に対し、補助ブーム14と多関節アーム7(第1アーム9)とが互換性を有して交換取付け可能である。
【0029】
この構成において、図3に示すように、補助ブーム14を設けず、多関節アーム7をブラケット16に直接取付けた場合、多関節アーム7の下端のピン19を基準にすると、作業具8の爪部8aにかかった負荷Faにより、爪部8aとピン19との間の距離jとモーメントアームとするピン19回りのモーメントMaが発生する。従って、起伏用油圧シリンダ11には、ピン19から起伏用油圧シリンダ11に下ろした垂線の距離kをモーメントアームとして、前記爪部8aの負荷FaによるモーメントMaにより負荷Fbが加わる。
【0030】
一方、図1に示すように補助ブーム14を設けた場合、作業具8の爪部8aにかかった負荷Fcにより、爪部8aとピン19との間の距離mをモーメントアームとするピン19回りのモーメントMbが発生する。
【0031】
ここで図2(A)に二点鎖線で示すように、仮に前記揺動用油圧シリンダ15Aの下端部を、ブラケット16のピン孔24に挿着するピン20により直接ブラケット16に連結したとすると、揺動用油圧シリンダ15Aには、ピン19から揺動用油圧シリンダ15Aに下ろした垂線の距離nをモーメントアームとして、前記爪部8aの負荷FcによるモーメントMbにより負荷Fdが加わる。
【0032】
ここで、図1,図3により、補助ブーム14を設ける場合と設けない場合の爪部8aとピン19との間の距離m、jを比較すると、距離mの方が長くなっている(j<m)。従って爪部8aにFa、Fcを同じ(Fa=Fc)として、負荷Fa、FcによるモーメントMa、Mbを比較すると、Mbの方が大きく(Ma<Mb)なる。
【0033】
ここで、図2(A)に示したピン19〜22の位置関係から、ピン19から起伏用油圧シリンダ11と揺動用油圧シリンダ15Aの各軸心に下ろした垂線k、nの長さはほぼ同じ(k=n)であるから、図3におけるモーメントMaによる起伏用油圧シリンダ11にかかる負荷Fbと、図2(A)における前記モーメントMbによる揺動用油圧シリンダ15Aにかかる負荷Fdを比較すると、Fdの方が大きくなる(Fb<Fd)。つまり揺動用油圧シリンダ15Aには起伏用油圧シリンダ11と比較してより大きな推力が発生可能であることが要求される。
【0034】
ここで、各油圧シリンダ11、15Aに供給される最大油圧は通常同じに設定されるから、推力を増大させるためには断面積を大きくする必要があり、加えて、その推力に耐えうるだけの端部強度が必要とされるため、油圧シリンダ15Aは大型化する。
【0035】
従って、前述のように多関節アーム7を直接ブラケット16に取付けるように選択した際の起伏用油圧シリンダ11の下端部のブラケット16との連結位置と、補助ブーム14を設けた際の揺動用油圧シリンダ15Aの下端部のブラケット16への連結位置を同じとして、多関節アーム7と補助ブーム14との互換性を有して交換取付け可能とするためには、揺動用油圧シリンダ15Aの大型化が必要になる。そしてこの大型化に伴って、補助ブーム14やブラケット16、さらには互換性を持たせるための多関節アーム7および起伏用油圧シリンダ11を大型化することが必要となり、重量が増すと共にコスト高になるという問題点がある。
【0036】
さらに、揺動用油圧シリンダ15A、補助ブーム14、ブラケット16、多関節アーム7、起伏用油圧シリンダ11の重量増加により、解体機械本体1の重量バランスを保つ役割を果たすカウンタウエイト6が大型化し、狭隘な場所への進入や狭隘な場所での作業が困難になるという問題点がある。
【0037】
一方、図2(A)の実線に示すように、揺動用油圧シリンダ15の下端部の連結部をリンクフレーム32、33によりを前方に偏位させることにより、揺動用油圧シリンダ15の軸心にピン19の軸心から下ろした垂線dの長さは、前記のようにブラケット16にピン20に揺動用油圧シリンダ15の下端部を直接取付けた場合の垂線nの長さより長くなる(d>n)。
【0038】
このため、図2(A)において実線で示す本実施の形態の揺動用油圧シリンダ15に作用する負荷Feと、二点鎖線で示す揺動用油圧シリンダ15Aに作用する負荷Fdとを比較すると、本実施の形態における負荷Feの方が小さくなる(Fd>Fe)。
【0039】
このため、本実施の形態における揺動用油圧シリンダ15は、前記揺動用油圧シリンダ15Aと比較して小さな推力が発生可能であればよい。換言すれば、比較的小径の揺動用油圧シリンダ15で作業具8に大きな破砕力を得ることができる。本実施の形態においては、リンクフレーム32、33の長さを適当な長さとすることにより、揺動用油圧シリンダ15に必要とされる推力が、前記起伏用油圧シリンダ11に必要とされる推力と同じになるように、揺動用油圧シリンダ15の下端部の位置を前方に設定している。
【0040】
このような構成とすることにより、揺動用油圧シリンダ15、補助ブーム14、ブラケット16、多関節アーム7、起伏用油圧シリンダ11を大型化することなく、補助ブーム14と多関節アーム7とが互換性を有してブラケット16に交換取付け可能とすることができ、重量やコストの上昇を必要最小限に抑えることができる。さらに、前記部材の重量を必要最小限に抑えることによって、解体機械本体1の重量バランスを保つ役割を果たすカウンタウエイト6の大型化を抑え、狭隘な場所への進入や狭隘な場所での作業性を確保することが必要となる。
【0041】
本発明の補助ブーム14を設けない場合、すなわち図3に示すように多関節アーム7をブラケット16に直接取付ける場合の作業具8による作業可能範囲に比較し、図1に示すように補助ブーム14を取付けた場合は、高い位置まで、および前後方向の広い範囲にわたり作業が可能になる。また、補助ブーム14を揺動できない固定構造でブラケット16に取付けた場合の作業範囲に比較して、前後方向の広い範囲にわたり、作業が可能となる。
【0042】
したがって、家屋の間の狭隘な空間において、解体機械本体1を家屋に近接させた状態で手前の部分の解体作業を行う場合、転倒のおそれなく、従来より近接させた位置で安定性を確保した状態で行うことができ、かつ解体機械から遠い場所の解体作業も行えるので、走行を行うことなく、広い範囲の解体作業が行え、作業性が向上する。
【0043】
また、補助ブーム14と多関節アーム7とが互換性を有して取付けられる構造としたので、旋回体4に多関節アーム7を直接取付けることもでき、作業具8として別の作業具を取付けることにより、解体機械を掘削等の他の作業に転用することができる。
【0044】
図4(A)、(B)はそれぞれ本発明の他の実施の形態を示す側面図、斜視図である。本実施の形態は、連結部材として、前記リンクフレーム32、33の代わりにアダプタ34をブラケット16に着脱自在に取付けたものである。すなわちアダプタ34は、前記ピン孔23、24に挿着するピン19、20によりブラケット16に着脱自在に取付けられる。35は前記ピン31により前記揺動用油圧シリンダ15の下端部を連結するピン孔である。
【0045】
図1および図2のようにリンクフレーム32、33あるいは図4のようにアダプタ34のように、ブラケット16に着脱自在な連結部材を介して補助ブーム14を取付ける構造とすれば、補助ブーム14を付加してその揺動用油圧シリンダ15の下側連結部を前方に偏位させた構造が容易に採用できる。また、リンクフレーム32、33を連結部材として用いれば、旋回体4との連結はそれぞれ個別に行われるので、リンクフレーム32、33の代わりに前記アダプタ34を用いる場合に比較し、連結部を構成するピン孔とピン位置の合わせが容易に行え、高い加工精度を要しないという利点がある。
【0046】
図5(A)は本発明の参考例を示す側面図である。本参考例は、前記旋回体4に設けるブラケット16Aに前記起伏用油圧シリンダ11を取付けるためのピン孔24以外に、そのピン孔24より前方に起伏用油圧シリンダ11を連結するためのピン孔36を設けたものである。本参考例によっても、前記揺動用油圧シリンダ15の大径化防止、全体の重量、コスト上昇防止等の効果が得られる。
【0047】
上記参考例においては、いずれも補助ブーム14と多関節アーム7とが互換性を有してブラケット16あるいは16Aに取付けられる構成としたが、図5(B)に示すように、旋回体4に設けるブラケット16Bの構造を補助ブーム14取付け専用に構成した構成としてもよい。いずれの場合にも前記多関節アーム7と起伏用油圧シリンダ11の各連結ピン21、22の軸心間の前後方向間隔aと、ブラケット16に対する補助ブーム14、揺動用油圧シリンダ15の各連結ピン31の軸心間の間隔bの大小関係は前記の通り(a<b)である。
【0048】
本発明を実施する場合、旋回体4にブラケット16を水平旋回自在に取付けるのではなく、固定して取付ける構造としてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、多関節アームと旋回体に設けたブラケットとの間に前後揺動式補助ブームを設けたので、解体機械本体を大型化することなく、すなわち狭隘な場所に進入可能でかつ狭い場所で作業が可能であって、作業範囲が高さ方向、前後方向に共に拡大された解体機械が提供できる。また、補助ブームの垂直姿勢において、揺動用油圧シリンダの下側連結部を上側連結部より前方に突出するように構成したので、揺動用油圧シリンダを大径化することなく、ひいては補助ブーム、多関節アーム、起伏用油圧シリンダ、カウンタウエイト等の他の構成部材を大型化することなく、また、重量、コストを上昇させることなく破砕力の大きな解体機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による解体機械の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】(A)は該実施の形態の補助ブームの取付け構造を示す側面図、(B)はその背面図である。
【図3】本実施の形態において、補助ブームを取外した状態を示す解体機械の側面図である。
【図4】(A)は本発明の他の実施の形態を示す側面図、(B)はその斜視図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ本発明の参考例を示す側面図である。
【符号の説明】
1:解体機械本体、2:走行体、3:旋回装置、4:旋回体、5:油圧パワーユニット、6:カウンタウェイト、7:多関節アーム、8:作業具、9:第1アーム、10:第2アーム、11:起伏用油圧シリンダ、12、13:油圧シリンダ、14:補助ブーム、14a:取付け部、15、15A:揺動用油圧シリンダ、16、16A、16B:ブラケット、17:ピン、18:運転席、19〜22:ピン、23〜26:ピン孔、27、31:ピン、32、33:リンクフレーム、34:アダプタ、35、36:ピン孔

Claims (5)

  1. 走行体と、
    前記走行体上に旋回装置を介して設置した旋回体と、
    前記旋回体にブラケットを介して垂直姿勢より前後に起伏自在に設けられる補助ブームと、
    前記補助ブームの先端に起伏自在に設けられた多関節アームと、
    前記多関節アームの先端に設けられた作業具と、
    前記補助ブームと前記多関節アームとの間に設けられ、前記補助ブームに対し前記多関節アームを起伏させる起伏用油圧シリンダと、
    下端部を前記ブラケットに連結部材を介して連結し、上端部を前記補助ブームに連結して設けられ、前記補助ブームを前記ブラケットに対して揺動させる揺動用油圧シリンダとを備え、
    前記補助ブームの上部における前記多関節アームとの連結ピンの軸心と、前記起伏用油圧シリンダの前記補助ブームとの連結ピンの軸心との、前記補助ブームの垂直姿勢における前後方向の距離をaとし、
    前記補助ブームと前記ブラケットとの連結ピンの軸心と、前記揺動用油圧シリンダの前記連結部材との連結ピンの軸心との前後方向の距離をbとしたとき、
    a<bとなるように前記連結部材を前方に張り出して設け、前記揺動用油圧シリンダを連結したことを特徴とする解体機械。
  2. 請求項1記載の解体機械において、
    前記補助ブームと前記多関節アームとの連結ピンの軸心より、前記起伏用油圧シリンダの軸心へ下ろした垂線の距離をcとし、
    前記補助ブームと前記ブラケットとの連結ピンの軸心より、前記揺動用油圧シリンダの軸心へ下ろした垂線の距離をdとしたとき、
    c<dとなるように設定したことを特徴とする解体機械。
  3. 請求項1または2に記載の解体機械において、
    前記補助ブームと前記多関節アームとは、前記ブラケットに対して互換性を有して取付けられる構造を有し、
    前記補助ブームの上部における前記多関節アームとの連結ピンの軸心と、前記起伏用油圧シリンダの前記補助ブームとの連結ピンの軸心との、前記補助ブームの垂直姿勢における前後方向の距離をa、高低差をfとし、
    前記補助ブーム前記ブラケットに対する連結ピンの軸心と、この連結ピンより前方に位置し、前記連結部材の前記ブラケットに対する連結ピンの軸心との間の前後方向の距離をg、高低差をhとしたとき、
    a=g、f=hとなるように設定したことを特徴とする解体機械。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の解体機械において、
    前記連結部材は、前記ブラケットに着脱可能に取付けられるアダプタにより構成されることを特徴とする解体機械。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の解体機械において、
    前記連結部材は、前記ブラケットにそれぞれピンにより着脱可能に連結され、かつ前記揺動用油圧シリンダの下端部に共通に連結される2つのリンクフレームにより構成されることを特徴とする解体機械。
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