JP4039499B2 - 電動機用回転子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
界磁にプラスチックマグネットが用いられている高速回転用の電動機の回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速回転用の電動機において、遠心力により回転子に取り付けてあるマグネットが飛散しないように、インナーロータ型の回転子であれば、マグネットの外周に筒状の飛散防止用環を取り付けて対応している。また、筒状のプラスチックマグネットを使用すれば、通常、飛散防止用環は必要ない。しかし、マグネットの磁力を強めるために、プラスチックマグネット内に含まれる磁粉の量を増やすと、結合力が弱まり、飛散防止用環が必要になる場合がある。
【0003】
この従来の電動機の回転子を図5および図6を用いて説明する。図5は、従来における飛散防止環を回転子に取り付ける際の説明をした斜視図である。図6は、飛散防止環の取り付け固定後の飛散防止環とプラスチックマグネットとの結合部の拡大側断面図である。
【0004】
図5において、回転子11は、筒状のプラスチックマグネット12と、このプラスチックマグネット12の内周部に固着された筒状の回転子ヨーク13と、この回転子ヨーク13の内周部に固着されたシャフト14で形成されている。
【0005】
そして、プラスチックマグネット12に着磁を施した後、プラスチックマグネット12の外周を、筒状の飛散防止環15で覆い固定する。
【0006】
飛散防止環15は、通常、非磁性体の金属で形成されている。そして、飛散防止環15の軽量化、あるいは材料の少量化のために、任意の箇所に複数個の透孔16が設けられている。
【0007】
図6において、飛散防止環15の軸長寸法は、プラスチックマグネット12の軸長寸法より長く形成されており、飛散防止環15をプラスチックマグネット12の外周面に配設した後、飛散防止環15の両端部を内周側に、かつプラスチックマグネット12の表面に沿うように折り曲げて、飛散防止環15をプラスチックマグネット12に固定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の電動機の回転子において、プラスチックマグネットの外周面に飛散防止環を取り付け固定する際、飛散防止環の両端を折り曲げて固定する作業が必要であった。
【0009】
また、飛散防止環をプラスチックマグネットの外周にスムーズに挿入させるため、飛散防止環の内周径は、プラスチックマグネットの外周径よりも若干大きくする必要があった。すなわち、飛散防止環の径が大きくすると、プラスチックマグネットの外周面と固定子の内周面との間のエアギャップが広くなり、モータ効率のダウンの一因となることがあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明によれば、界磁にプラスチックマグネットが用いられている電動機の回転子の製造方法において、アルミ材又はステンレス材からなり、ラジアル方向に貫かれた複数個の透孔が設けられた筒状の飛散防止環を構成し、この飛散防止環がプラスチックマグネットの外周に固着されるように、飛散防止環を予めプラスチックマグネット射出成形型に挿入し、その後、この射出成形型に設けたピンゲートから樹脂を流し込み、プラスチックマグネットを成形した電動機用回転子、あるいは、前記飛散防止環は、内周面に複数個の凹凸が設けられていることを特徴とする電動機用回転子の製造方法を提供する。
【0011】
または、界磁にプラスチックマグネットが用いられる電動機の回転子の製造方法において、ガラス繊維又は炭素繊維等の耐熱性及び耐強度性の繊維材で筒状布を形成し、この筒状布が、プラスチックマグネットの外周に固着されるように、筒状布を予めプラスチックマグネット射出成形型に挿入し、その後、この射出成形型に設けたピンゲートから樹脂を流し込み、プラスチックマグネットを成形したことを特徴とする電動機用回転子の製造方法を提供する。
【0012】
【作用】
飛散防止環を射出成形型に挿入した後、この射出成形型でプラスチックマグネットを形成する。このとき、飛散防止環がプラスチックマグネットの外周面を覆うように射出成形型に挿入する。
【0013】
これにより、飛散防止環の外周径の寸法が成形型で決まり、寸法精度を向上させられる。さらに、飛散防止環とプラスチックマグネットとが絡み合って、強力に結合されるため、飛散防止環とプラスチックマグネットとの取付固定作業が不必要となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における実施例を図1〜図4を用いて説明する。図1は、飛散防止環を射出成形型に挿入する際の側断面図である。図2は、図1の飛散防止環の挿入後の射出成形型の側断面図である。図3は、本発明におけるプラスチックマグネットと飛散防止環との結合部の拡大側断面図である。図4は、図3のプラスチックマグネットを使用した回転子の斜視図である。
【0015】
図1において、飛散防止環1は、前述した従来の飛散防止環と同様に、筒状に形成され、任意の箇所に複数個の透孔2が設けられている。そして、この飛散防止環1をプラスチックマグネットを成形する際の射出成形型3に挿入する。この射出成形型3は、筒状のプラスチックマグネットを成形する型であって、筒状の穴4が設けられている。
【0016】
図2において、飛散防止環1を射出成形型3内に挿入する際、飛散防止環1の外周面が、成形型の外側面に接面するように挿入する。そして、異方性にするならば成形型に磁場を発生させながら、樹脂、磁粉等をピンゲート5より成形型内に流入させて成形する。
【0017】
図3において、射出成形完了後、プラスチックマグネット6の外周部と飛散防止環1との結合部では、飛散防止環の透孔2部までの樹脂および磁粉が回り込んでいる。そのため、飛散防止環1は、軸方向への移動、および円周方向への空回りを防止している。
【0018】
図4において、回転子8は、飛散防止環1と同時成形された筒状のプラスチックマグネット6と、このプラスチックマグネット6の内周部に固着された筒状の回転子ヨーク9と、この回転子ヨーク9の内周部に固着されたシャフト10で形成されている。
【0019】
また、本実施例においては、複数個の透孔が設けられた飛散防止環について、説明したが、プラスチックマグネットと飛散防止環との結合部分の形状は、飛散防止環が、軸方向への移動、および円周方向への空回りを防止すればよい。したがって、飛散防止環の形状をメッシュ状に、あるいは飛散防止環の内周面に凹凸を設けた形状にして、メッシュ部、凹凸部に樹脂を回り込ませても同様の効果を得ることができる。
【0020】
また、ガラス繊維、炭素繊維等、強度的に飛散防止環として使用可能な繊維材を使用し、この繊維材を筒状にして筒状布を形成して、飛散防止環として使用し、この繊維材の隙間に樹脂を回り込ませてもよい。
【0021】
以上のように、飛散防止環と、プラスチックマグネットとを同時に成形することにより、飛散防止環の隙間、凹凸部、または透孔部にプラスチックマグネットを構成する樹脂が入り込み、飛散防止環と、プラスチックマグネットとの結合を強力にすることができる。
【0022】
【発明の効果】
プラスチックマグネットの飛散を防止することができると共に、飛散防止環を含めた回転子の外周径の寸法精度をあげることができる。また、飛散防止環とプラスチックマグネットとの取付固定作業が不必要となる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】飛散防止環を射出成形型に挿入する際の側断面図。
【図2】図1の飛散防止環の挿入後の射出成形型の側断面図。
【図3】本発明におけるプラスチックマグネットと飛散防止環との結合部の拡大側断面図。
【図4】図3のプラスチックマグネットを使用した回転子の斜視図。
【図5】従来における飛散防止環を回転子に取り付ける際の説明をした斜視図。
【図6】飛散防止環の取り付け固定後の飛散防止環とプラスチックマグネットとの結合部の拡大側断面図。
【符号の説明】
1、15…飛散防止環
2、16…透孔
3…射出成形型
4…穴
5…ピンゲート
6、12…プラスチックマグネット
8、11…回転子
9、13…回転子ヨーク
10、14…シャフト
Claims (3)
- 界磁にプラスチックマグネットが用いられている電動機の回転子の製造方法において、
アルミ材又はステンレス材からなり、ラジアル方向に貫かれた複数個の透孔が設けられた筒状の飛散防止環を構成し、この飛散防止環がプラスチックマグネットの外周に固着されるように、飛散防止環を予めプラスチックマグネット射出成形型に挿入し、その後、この射出成形型に設けたピンゲートから樹脂を流し込み、プラスチックマグネットを成形したことを特徴とする電動機用回転子の製造方法。 - 界磁にプラスチックマグネットが用いられている電動機の回転子の製造方法において、
アルミ材又はステンレス材からなり、内周面に複数個の凹凸が設けられた筒状の飛散防止環を構成し、この飛散防止環がプラスチックマグネットの外周に固着されるように、飛散防止環を予めプラスチックマグネット射出成形型に挿入し、その後、この射出成形型に設けたピンゲートから樹脂を流し込み、プラスチックマグネットを成形したことを特徴とする電動機用回転子の製造方法。 - 界磁にプラスチックマグネットが用いられる電動機の回転子の製造方法において、
ガラス繊維又は炭素繊維等の耐熱性及び耐強度性の繊維材で筒状布を形成し、
この筒状布が、プラスチックマグネットの外周に固着されるように、筒状布を予めプラスチックマグネット射出成形型に挿入し、その後、この射出成形型に設けたピンゲートから樹脂を流し込み、プラスチックマグネットを成形したことを特徴とする電動機用回転子の製造方法。
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JP03054798A JP4039499B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 電動機用回転子の製造方法 |
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JP03054798A Expired - Fee Related JP4039499B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 電動機用回転子の製造方法 |
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