JP4039333B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して油圧室を作動油、例えば燃料により満たし、燃料噴射を開始するためにアクチュエータが励勢されて一次ピストンが油圧室に向け変位されると油圧室の容積が減少すると共に油圧室内の圧力が上昇し、それにより二次ピストンが油圧室から離れる方向に変位し、燃料噴射を停止するためにアクチュエータが消勢されて一次ピストンが油圧室から離れる方向に変位されると油圧室の容積が増大すると共に油圧室内の圧力が低下し、それにより二次ピストンが油圧室に向け変位するようにした燃料噴射弁が知られている。
【0003】
このような燃料噴射弁では、一次ピストン及び二次ピストンがピストン収容孔内にそれぞれ油密に挿入され、作動油が油圧室内からできるだけ漏れないようにされている。ところが実際には、これらピストンとピストン収容孔間のクリアランスから作動油が漏れ、このため作動油室内の作動油の量が次第に減少し、一次ピストン及び二次ピストンが初期位置にあるときの油圧室内の圧力が低下する。その結果、一次ピストンが変位し始めてから二次ピストンが変位し始めるまでに要する時間が長くなり、即ちいわゆる作動遅れが生ずる恐れがある。
【0004】
そこで、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を作動油補充路内に配置した燃料噴射弁が公知である(特許文献1参照)。この燃料噴射弁では、一次ピストン及び二次ピストンが初期位置にあるときの油圧室内の圧力が逆止弁の開弁圧よりも低くなると逆止弁が開弁して油圧室内に作動油が供給され、従って油圧室内の圧力が低下するのが阻止される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−166653号公報
【特許文献2】
米国特許第5779149号明細書
【特許文献3】
特開2002−202022号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一次ピストンが油圧室に向けて変位されたときに油圧室内の作動油は非圧縮性流体として作用し、このため一次ピストンの変位が速やかに二次ピストンに伝達される。
【0007】
ところが、油圧室内に例えば空気や作動油の蒸気からなる気泡が存在すると、この気泡は圧縮性流体として作用するので、一次ピストンが変位しても二次ピストンが速やかに変位できず、その結果作動遅れが生じて燃料噴射時期が正規の時期から逸脱する恐れがある。また、この気泡が燃料と共に噴射されると、実際に噴射された燃料の量が正規の燃料よりも少なくなる。
【0008】
油圧室内に気泡が生じたとしても、この気泡を油圧室外に逃がすことができれば、このような問題点を解決することができる。
【0009】
そこで本発明の目的は油圧室内の気泡を確実に油圧室外へ逃がすことができる燃料噴射弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、前記作動油補充路を一次ピストン内に形成すると共に前記逆止弁を一次ピストン内に配置し、逆止弁の弁座面が円錐状面をなしており、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において弁座面の中心軸線が鉛直軸線に対し傾斜するように、車両本体に対する内燃機関本体の角度、内燃機関本体に対する燃料噴射弁の角度、及び燃料噴射弁長手軸線に対する弁座面の中心軸線の角度のうち少なくとも一つを設定し、逆止弁が開弁したときに逆止弁弁室内の気泡が逆止弁を介し逆止弁弁室外に逃げるようにしている。
【0011】
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、車載状態において前記弁座面が水平面に対し下向きに拡開するように前記角度又は弁座面の中心角を設定している。
【0013】
また、3番目の発明によれば1番目の発明において、燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、前記弁座面の中心軸線が燃料噴射弁長手軸線に対しほぼ平行になるように前記逆止弁を一次ピストン内に配置している。
【0014】
また、4番目の発明によれば1番目の発明において、前記弁座面の中心軸線が燃料噴射弁長手軸線に対し傾斜しておりかつ車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、一次ピストンの中心軸線に関する一次ピストンの角度位置が正規の角度位置にある車載状態において一次ピストンの中心軸線よりも低くなっている側に一次ピストンの重心が位置するように一次ピストンを形成している。
【0015】
また、5番目の発明によれば1番目から4番目までの発明のいずれか一つにおいて、前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、作動油流入路の流出端の中心軸線を弁座面の中心軸線に対し傾斜させている。
【0016】
また、6番目の発明によれば1番目から4番目までの発明のいずれか一つにおいて、前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、該作動油流入路の流出端を、逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りから構成すると共に、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、該絞りの中心軸線を指向させている。
【0017】
また、7番目の発明によれば5番目又は6番目の発明において、前記作動油流入路のうち、逆止弁が開弁したときに車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に連通する位置に凹溝を形成し、逆止弁が開弁したときに生ずる作動油流れでもって凹溝内の圧力が周囲圧力よりも低くなるようにしている。
【0018】
また、8番目の発明によれば1番目から4番目までの発明のいずれか一つにおいて、前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、該作動油流入路の流出端を互いに並列配置された第1の絞りと第2の絞りとから構成し、該第1の絞りは逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りからなり、該第2の絞りは逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りからなり、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、第1の絞りの中心軸線を指向させると共に、逆止弁が開弁したときに第2の絞りの逆止弁弁室側開口が車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に開口するように、第2の絞りの逆止弁弁室側開口を位置決めしている。
【0019】
また、9番目の発明によれば5番目から8番目までの発明のいずれか一つにおいて、前記作動油流出路の流入端を車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に開口させ、逆止弁が開弁したときに逆止弁弁室内に流入した作動油でもって逆止弁弁室内に旋回流が形成されるようにしている。
【0020】
また、前記課題を解決するために10番目の発明によれば、ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、作動油補充路を一次ピストン内に形成すると共に逆止弁を一次ピストン内に配置し、作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において一次ピストンの底面が水平面に対し傾斜しており、一次ピストンの底面のうち車載状態において最も高い位置に作動油流出路の流出端を開口させている。
【0021】
また、11番目の発明によれば10番目の発明において、一次ピストンの底面に凹溝を形成し、該凹溝の最奥位置に作動油流出路の流出端を開口させている。
【0022】
また、12番目の発明によれば11番目の発明において、前記凹溝が円錐状面により画定されており、車載状態において該円錐状面が水平面に対し下向きに拡開するように、車両本体に対する内燃機関本体の角度、内燃機関本体に対する燃料噴射弁の角度、燃料噴射弁長手軸線に対する円錐状面の中心軸線の角度、及び円錐状面の中心角のうち少なくとも一つを設定している。
【0023】
また、13番目の発明によれば11番目の発明において、前記凹溝が球状面により画定されている。
【0024】
また、14番目の発明によれば10番目から13番目までの発明のいずれか一つにおいて、車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、車載状態において一次ピストンの中心軸線よりも低くなっている側に一次ピストンの重心が位置するように一次ピストンを形成している。
【0025】
また、15番目の発明によれば11番目から14番目までの発明のいずれか一つにおいて、二次ピストンの頂面に、一次ピストンの底面の凹溝に概ね相補的な凸部を形成している。
【0026】
また、前記課題を解決するために16番目の発明によれば、ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、油圧室を画定するピストン収容孔内壁面のうち、車載状態においてピストン収容孔の中心軸線よりも高くなっているピストン収容孔内壁面に、作動油補充路の流出端を開口させている。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、燃料噴射弁1は噴孔2aを備えたハウジング2を具備する。ハウジング2内には燃料噴射弁長手軸線K−K方向に延びるニードル収容孔3が形成され、このニードル収容孔3内にはニードル4が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に摺動可能にかつ油密に収容される。ニードル4の頂面とニードル収容孔3の内壁面とにより燃料室5が画定され、この燃料室5は一方では絞りを有する連通路6を介して高圧燃料通路7に接続され、他方では絞りを有する連通路8を介して制御弁室9に接続される。この制御弁室9は制御弁室9内に配置された制御弁10を介してリリーフ通路11に接続され、従って制御弁10は制御弁室9とリリーフ通路11間の連通を制御する。一方、ニードル4の受圧面4a周りのニードル収容孔3には燃料溜まり12が形成され、この燃料溜まり12も高圧燃料通路7に接続される。ここで、燃料室5内、高圧燃料通路7内、及び制御弁室9内は高圧の燃料で、リリーフ通路11内は低圧例えば大気圧の燃料でそれぞれ満たされている。なお、高圧燃料通路7はコモンレール(図示しない)を介して燃料ポンプ(図示しない)の吐出側に接続され、リリーフ通路11は燃料タンク(図示しない)に接続される。
【0028】
更に図1に示されるように、ハウジング2内には燃料噴射弁長手軸線K−K方向に延びる中間ピストン収容孔13が形成され、この中間ピストン収容孔13内には制御弁10と一体的に形成された中間ピストン14が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に摺動可能にかつ油密に収容される。中間ピストン収容孔13はハウジング2内を燃料噴射弁長手軸線K−K方向に延びる駆動ピストン収容孔15に接続され、この駆動ピストン収容孔15内には駆動ピストン16が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に摺動可能にかつ油密に収容される。
【0029】
中間ピストン14と駆動ピストン16との間には、中間ピストン14の頂面14aと、駆動ピストン16の底面16aと、中間ピストン収容孔13及び駆動ピストン収容孔15の内壁面とにより油圧室17が画定される。この油圧室17内は作動油、即ち本発明による実施例では燃料により満たされている。
【0030】
ハウジング2内には更に、燃料噴射弁長手軸線K−K方向に延びるアクチュエータ収容孔18が形成され、このアクチュエータ収容孔18は油圧室17と反対側において駆動ピストン収容孔15に接続される。アクチュエータ収容孔18内には例えば圧電素子や磁歪素子などからなるアクチュエータ19が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に伸縮可能に収容される。このアクチュエータ19の頂端はハウジング2に固定され、底端は駆動ピストン16に結合される。従って、アクチュエータ19が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に伸縮されると駆動ピストン16が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に変位せしめられる。また、アクチュエータ収容孔18はリリーフ通路11にも接続されており、アクチュエータ19周りのアクチュエータ収容孔18内は燃料で満たされている。
【0031】
また、ニードル収容孔3の内壁面とニードル4の頂面間にはニードル4を閉弁方向に付勢するための圧縮バネ20が挿入されており、制御弁室9の内壁面と制御弁10の底面間には制御弁10を閉弁方向に付勢するための圧縮バネ21が挿入されている。更に、駆動ピストン収容孔15の底面と駆動ピストン16の底面16a間、及び駆動ピストン16のフランジ部分16bとアクチュエータ収容孔18の底面間には駆動ピストン16を中間ピストン14から離れる方向に付勢するための圧縮バネ22,23がそれぞれ挿入されている。
【0032】
本発明による実施例では、ニードル収容孔3、ニードル4、中間ピストン収容孔13、中間ピストン14、駆動ピストン収容孔15、駆動ピストン16、油圧室17、アクチュエータ収容孔18、及びアクチュエータ19の長手軸線は燃料噴射弁長手軸線K−K方向に対しほぼ平行になっており、特に中間ピストン収容孔13、中間ピストン14、駆動ピストン収容孔15、駆動ピストン16、油圧室17、アクチュエータ収容孔18、及びアクチュエータ19の中心軸線は互いにほぼ一致している。
【0033】
ここで、図1及び図2を参照しながら燃料噴射弁1の作動を簡単に説明する。
【0034】
燃料噴射を開始するためにアクチュエータ19が励勢されると、アクチュエータ19が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に伸長せしめられる。その結果、油圧室17内の容積が減少して油圧室17内の燃料圧が上昇する。油圧室17内の燃料圧により中間ピストン14及び制御弁10に作用する下向き即ち開弁方向の力が、制御弁室9内の燃料圧及び圧縮バネ21のバネ力により中間ピストン14及び制御弁10に作用する上向き即ち閉弁方向の力よりも大きくなると、中間ピストン14及び制御弁10が下降し始め、斯くして図2に示されるように制御弁10が開弁される。制御弁10が開弁されると制御弁室9内の高圧燃料がリリーフ通路11内に流出し、燃料室5内の高圧燃料が連通路8及び制御弁室9を介してリリーフ通路11内に流出し、従って燃料室5内の圧力が低下する。燃料室5内の燃料圧及び圧縮バネ20のバネ力によりニードル4に作用する下向き即ち閉弁方向の力が、燃料溜まり12内の燃料圧により受圧面4aに作用する上向き即ち開弁方向の力よりも小さくなるとニードル4が上昇し始め、噴孔2aが開放されると燃料噴射が開始される。
【0035】
ここで、中間ピストン14の直径ないし受圧面積は駆動ピストン16の直径ないし受圧面積よりも小さくされており、このため駆動ピストン16がわずかに変位しただけでも中間ピストン14が大きく変位する。従って、油圧室17は駆動ピストン16の変位を中間ピストン14に伝達するだけでなく、中間ピストン14の変位の量ないし速度を増大させる機能を有する。
【0036】
これに対し、燃料噴射を停止するためにアクチュエータ19が消勢されるとアクチュエータ19が燃料噴射弁長手軸線K−K方向に収縮せしめられる。その結果、油圧室17内の容積が増大して油圧室17内の燃料圧が低下する。油圧室17内の燃料圧により中間ピストン14及び制御弁10に作用する下向きの力が、制御弁室9内の燃料圧及び圧縮バネ21のバネ力により中間ピストン14及び制御弁10に作用する上向きの力よりも小さくなると、中間ピストン14及び制御弁10が上昇し始め、斯くして図1に示されるように制御弁10が閉弁される。制御弁10が閉弁されると制御弁室9内及び燃料室5内の燃料圧が上昇し、燃料室5内の燃料圧及び圧縮バネ20のバネ力によりニードル4に作用する下向きの力が、燃料溜まり12内の燃料圧により受圧面4aに作用する上向きの力よりも大きくなるとニードル4が下降し始め、噴孔2aがニードル4により閉鎖されると燃料噴射が停止される。
【0037】
従って、中間ピストン収容孔13及び駆動ピストン収容孔15をピストン収容孔と考え、中間ピストン14及び駆動ピストン16をそれぞれ一次ピストン及び二次ピストンと考えると、ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにしているということになる。
【0038】
再び図1を参照すると、油圧室17には、油圧室17内に燃料を補充するための補充路30が接続される。図1に示される本発明による第1実施例では、この補充路30は駆動ピストン16の底面16aから駆動ピストン16内を燃料噴射弁軸線K−K方向に延びた後に、アクチュエータ収容孔18を介しリリーフ通路11に到っている。このリリーフ通路11は補充燃料源として作用する。補充路30内には、油圧室17に向けてのみ流通可能な逆止弁31が配置され、従って本発明による第1実施例では逆止弁21が駆動ピストン16内に配置される。次に、図3(A)及び(B)を参照して逆止弁31について説明する。
【0039】
特に図3(B)を参照すると、逆止弁31は弁室32を備え、弁室32の内壁面には例えば円錐状面をなす弁座面33が形成される。弁室32内には、弁室32内を移動可能な弁体34と、弁体34を弁座面33に向けて付勢する圧縮バネ35とが収容される。また、弁室32には、弁体34の一側において補充路30の流入路30aが接続されており、弁体34の他側において補充路30の流出路30bが接続されている。この流入路30aは駆動ピストン16内をアクチュエータ収容孔18まで延びており、流出路30bは駆動ピストン16内を油圧室17まで延びている(図1参照)。
【0040】
更に、円錐状面をなす弁座面33の中心軸線L−Lが燃料噴射弁長手軸線K−Kに対し傾斜角θTだけ傾斜するように、弁座面33が形成されている。なお、弁体34は弁座面33の中心軸線L−Lにほぼ沿って変位する。
【0041】
上述したように、中間ピストン14及び駆動ピストン16は中間ピストン収容孔13及び駆動ピストン収容孔15内にそれぞれ油密に収容されている。しかしながら、冒頭で述べたように、時間の経過と共に油圧室17内の燃料が油圧室17外に漏れて油圧室17内の燃料圧が低下する場合がある。
【0042】
本発明による実施例では、油圧室17内の燃料圧が低下し、油圧室17内の燃料圧と圧縮バネ35のバネ力とにより弁体34に作用する閉弁方向の力が、流入路30a内の燃料圧により弁体34に作用する開弁方向の力よりも小さくなると、逆止弁31が一時的に開弁し、リリーフ通路11内の燃料が逆止弁31を介して油圧室17内に補充される。このようにして、油圧室17内の燃料圧が低下するのが阻止されている。
【0043】
さて、本発明による第1実施例では図4に示されるように、燃料噴射弁長手軸線K−Kが内燃機関本体Eの縦軸線J−Jにほぼ一致し又はほぼ平行になるように燃料噴射弁1が内燃機関本体Eに取り付けられており、内燃機関本体Eの縦軸線J−Jが鉛直軸線M−Mにほぼ一致し又はほぼ平行になるように内燃機関本体Eが車両本体Vに取り付けられている。
【0044】
その結果、燃料噴射弁1が内燃機関本体Eに取り付けられかつ内燃機関本体Eが車両本体Vに取り付けられている状態を車載状態と称すると、図3(A)及び(B)に示されるように、車載状態において燃料噴射弁長手軸線K−Kが鉛直軸線M−Mにほぼ一致し又はほぼ平行になり、弁座面33の中心軸線L−Lが燃料噴射弁長手軸線K−K及び鉛直軸線M−Mに対し傾斜角θTだけ傾斜するということになる。
【0045】
このようにすると、油圧室17内の気泡を油圧室17外へ確実に逃がすことができる。即ち、まず、補充路30の流出路30bが駆動ピストン16の底面16aに開口しているので(図3(a)参照)、油圧室17内の気泡が流出路30bを介し逆止弁31の弁室32内に集められる。
【0046】
弁室32内に集められた気泡は次いで、車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lが鉛直軸線M−Mに対し傾斜しているので、弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分(図3(B)のA)に、弁室32内の気泡が集められる。
【0047】
このように気泡が弁室32内の一ヶ所に集められると、次いで逆止弁31が開弁したときに、気泡が補充路30の流入路30a内に簡単に逃げることができる。従って、弁室32内の気泡の大部分又はほぼ全部を弁室32外に確実に逃がすことができ、油圧室17内の気泡を油圧室17外に確実に逃がすことができ、燃料噴射時期及び燃料噴射量が正規の時期及び量から逸脱するのを阻止することができる。
【0048】
即ち、従来では、気泡が弁室32内に散在しており、逆止弁31が開弁したときにすべての気泡が弁室32外に逃げるとは限らないのである。
【0049】
図5は本発明による第2実施例を示している。この第2実施例では、弁座面33の中心軸線L−Lが燃料噴射弁長手軸線K−Kにほぼ一致し又はほぼ平行になるように、燃料噴射弁1内に逆止弁31が形成されている。
【0050】
その上で、車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lが鉛直軸線M−Mに対し例えば傾斜角θTだけ傾斜するように、燃料噴射弁1が設けられる。即ち、図6(A)に示される例では、燃料噴射弁長手軸線K−Kが内燃機関本体Eの縦軸線J−Jに対し傾斜角θTだけ傾斜するように燃料噴射弁1が内燃機関本体Eに取り付けられ、内燃機関本体Eの縦軸線J−Jが鉛直軸線M−Mにほぼ一致し又はほぼ平行になるように内燃機関本体Eが車両本体Vに取り付けられる。
【0051】
一方、図6(B)に示される例では、燃料噴射弁長手軸線K−Kが内燃機関本体Eの縦軸線J−Jにほぼ一致し又はほぼ平行になるように燃料噴射弁1が内燃機関本体Eに取り付けられ、内燃機関本体Eの縦軸線J−Jが鉛直軸線M−Mに対し傾斜角θTだけ傾斜するように内燃機関本体Eが車両本体Vに取り付けられる。
【0052】
更に、図6(C)に示される例では、燃料噴射弁長手軸線K−Kが内燃機関本体Eの縦軸線J−Jに対し例えばθT/2だけ傾斜するように燃料噴射弁1が内燃機関本体Eに取り付けられ、内燃機関本体Eの縦軸線J−Jが鉛直軸線M−Mに対しθT/2だけ傾斜するように内燃機関本体Eが車両本体Vに取り付けられる。
【0053】
従って一般的に言うと、車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lが鉛直軸線M−Mに対し傾斜するように、車両本体Vに対する内燃機関本体Eの角度、内燃機関本体Eに対する燃料噴射弁1の角度、及び燃料噴射弁長手軸線K−Kに対する弁座面33の中心軸線L−Lの角度のうち少なくとも一つを設定しているということになる。
【0054】
ところで、弁座面33の中心軸線L−Lを鉛直軸線M−Mに対し傾斜させると、車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分(図3(B)のA)に油圧室17内又は弁室32内の気泡を集めることができる。この気泡を確実にかつ速やかに弁室32外に逃がすためには、図3(B)に示されるように、車載状態において弁座面33が水平面H−Hに対し下向きに拡開する必要がある。言い換えると、鉛直軸線M−Mに対する弁座面33の中心軸線L−Lの傾斜角θTに、弁座面33の中心角の半分θS/2を加算したものが90°よりも小さくなるようにする必要がある(θT+θS/2<90°、図3(B)参照)。
【0055】
そこで本発明による実施例では、車載状態において弁座面33が水平面H−Hに対し下向きに拡開するように、車両本体Vに対する内燃機関本体Eの角度、内燃機関本体Eに対する燃料噴射弁1の角度、燃料噴射弁長手軸線K−Kに対する弁座面33の中心軸線L−Lの角度、又は弁座面33の中心角θSが設定されている。
【0056】
図7は本発明による第3実施例を示している。この第3実施例では、弁座面33の中心軸線L−Lが燃料噴射弁長手軸線K−Kに対し傾斜し、車載状態において燃料噴射弁長手軸線K−Kが鉛直軸線M−Mに対し傾斜し、それにより弁座面33の中心軸線L−Lが鉛直軸線M−Mに対し例えば傾斜角θTだけ傾斜している。
【0057】
図8は本発明による第4実施例を示している。
【0058】
駆動ピストン16は駆動ピストン収容孔15内において、駆動ピストン16の中心軸線即ち燃料噴射弁長手軸線K−K回りに回転可能になっている。一方、駆動ピストン16の重心は駆動ピストン16の中心軸線K−K上にあるのが一般的である。その結果、図7を参照して上述した本発明による第3実施例では、駆動ピストン16がその中心軸線K−K回りに回転し、図9に示されるように、車載状態において弁座面33が水平面を横切って上向きに拡開する恐れがある。
【0059】
そこで本発明による第4実施例では、図8に示されるように、駆動ピストン16のうち、その中心軸線K−Kに関する駆動ピストン16の角度位置が正規の角度位置にある車載状態において駆動ピストン16の中心軸線K−Kよりも高くなっている側に、例えば燃料で満たされた空間40を形成し、それにより、駆動ピストン16の重心Cが駆動ピストン16の中心軸線K−Kよりも低くなっている側に位置するようにしている。その結果、駆動ピストン16の角度位置を、図8に示される正規の角度位置に保持することができる。
【0060】
図10は本発明による第5実施例を示している。本発明による第5実施例では、弁座面33の中心軸線L−Lが燃料噴射弁長手軸線K−Kに対し傾斜し、車載状態において燃料噴射弁長手軸線K−Kが鉛直軸線M−Mにほぼ一致し又はほぼ平行になっており、それにより弁座面33の中心軸線L−Lが鉛直軸線M−Mに対し傾斜している。
【0061】
更に図10(A)を参照すると、流出路30bの流入端の中心軸線は燃料噴射弁長手軸線K−K又は鉛直軸線M−Mにほぼ一致し又はほぼ平行になっている。これに対し、流入路30aの流出端の中心軸線Pは流入路30aの流出端の中心軸線Pを流出路の流入端の中心軸線、即ち燃料噴射弁長手軸線K−K又は鉛直軸線M−Mに対し傾斜される。
【0062】
その結果、逆止弁31が開弁したときに図10(B)に矢印で示されるように、燃料が車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分Bに向かうようになる。
【0063】
上述したように、車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aには気泡が集められている。従って、逆止弁31が開弁したときに燃料がこの弁室32部分Aに向かって流れると、この燃料流れでもって気泡が弁室32内に戻され、流入路30a内に逃げるのが妨げられる恐れがある。
【0064】
そこで本発明による第5実施例では、弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分Bに向けて燃料が流れるように流入路30aの流出端の中心軸線Pを指向させ、気泡が流入路30a内に確実に逃げるようにしている。
【0065】
図11は本発明による第6実施例を示している。この第6実施例は、流入路30aのうち、逆止弁31が開弁したときに車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに連通する位置に凹溝41が形成される点で、図10に示す第5実施例と構成を異にしている。
【0066】
上述したように、逆止弁31が開弁すると、弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分に向けて燃料が流れる。その結果、このとき生ずる燃料流れでもって凹溝41内の圧力が周囲圧力よりも低くなり、即ち凹溝41内にいわゆる剥離が生ずる。このため、弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに集められている気泡が速やかに凹溝41内に引き込まれ、弁室32外に排出される。
【0067】
図12は本発明による第7実施例を示している。本発明による第7実施例では、流入路30aの流出端が別部材42内に形成された絞り43から構成される。ここで、逆止弁31が開弁したときに燃料が車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分Bに向かうように、絞り43の中心軸線Qが指向されている。
【0068】
また、絞り42は弁室32内に向かう方向についての流量係数が弁室32外に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りから形成されている。その結果、逆止弁31を介し弁室32内に補充される燃料の量が比較的少ないときであっても、このときの燃料流れは弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分Bに向かうようになる。
【0069】
従って、図10を参照して上述した本発明による第5実施例と同様に、逆止弁31が開弁したときの燃料流れにより気泡が弁室32内に戻されるのが阻止される。
【0070】
なお、図11を参照して上述した本発明による第6実施例と同様に、凹溝41を設けることもできる。
【0071】
図13は本発明による第8実施例を示している。この第8実施例は、別部材42内に別の絞り44が形成され、流入路30aの流入端が互いに並列配置されたこれら絞り43,44により構成される点で、第7実施例と構成を異にしている。
【0072】
ここで、逆止弁31が開弁したときに別の絞り44の弁室32側開口が車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに開口するように、別の絞り44の弁室32側開口が位置決めされている。また、別の絞り44は弁室32外に向かう方向についての流量係数が弁室32内に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りから形成されている。
【0073】
その結果、逆止弁31が開弁したときに、燃料は主として絞り43を介して弁室32内に補充され、弁室32内の気泡は主として別の絞り43を介して弁室32外へ逃げるようになる。このように燃料の通路と気泡の通路とを別個に設けることによって、弁室32内の気泡を弁室32外に確実に逃がすことができるようになる。
【0074】
図14は本発明による第9実施例を示している。本発明による第9実施例は図14(A)に示されるように、流出路30bの流入端が車載状態において弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに開口される点で、図10に示される第5実施例と構成を異にしている。
【0075】
この場合、逆止弁31が開弁すると図14(B)に示されるように、弁座面33の中心軸線L−Lよりも低くなっている側の弁室32部分Bに向けて燃料が流れ、次いで弁室32の内壁面に沿いつつ向きを変えて進行し、弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに向かう。この燃料の一部は流出路30bを介し油圧室17内に流入し、残りの燃料は流入路30aの流出端に向けて進行し、斯くして弁室32内に旋回流Sが形成される。
【0076】
その結果、弁座面33の中心軸線L−Lよりも高くなっている側の弁室32部分Aに集められた気泡がこの旋回流Sによって流入路30aに向け付勢され、従って流入路30aから確実に逃げることができるようになる。
【0077】
図15は本発明による第10実施例を示している。この第10実施例では、駆動ピストン16の底面16aに凹溝50が形成され、中間ピストン14の頂面14aに、駆動ピストン16の凹溝50に概ね相補的な凸部51が形成される。本発明による第10実施例では、凹溝50が円錐状面により画定されており、従って凸部51は円錐状をなしている。
【0078】
図15に示されるように、円錐状面により画定される凹溝50の中心軸線G−Gは燃料噴射弁長手軸線K−Kにほぼ一致し又はほぼ平行になるように、凹溝50が形成されている。一方、車載状態において燃料噴射弁長手軸線K−Kは鉛直軸線M−Mに対し傾斜角θTTだけ傾斜しており、従って凹溝50の中心軸線G−Gも車載状態において鉛直軸線M−Mに対し傾斜角θTTだけ傾斜している。この場合、凹溝50は水平面H−Hに対し傾斜している。
【0079】
更に、凹溝50の最奥位置、即ち凹溝50のうち車載状態において最も高い位置に、流出路30bの流出端が開口されている。
【0080】
このようにすると、車載状態において凹溝50の中心軸線G−Gよりも高くなっている凹溝50部分AAにより、油圧室17内の気泡が流出路30bまで案内され、弁室32内に集められるようになる。図15に示される逆止弁31は例えば図5を参照して上述した第2実施例と同様に構成されており、従って弁室32内に集められた気泡は確実に弁室32外に排出される。
【0081】
この場合、逆止弁31の弁座面33の場合と同様に、車載状態において凹溝50が水平面H−Hに対し下向きに拡開するように、言い換えると鉛直軸線M−Mに対する凹溝50の中心軸線G−Gの傾斜角θTTに、凹溝50の中心角の半分θSS/2を加算したものが90°よりも小さくなるように、(θTT+θSS/2<90°)、車両本体Vに対する内燃機関本体Eの角度、内燃機関本体Eに対する燃料噴射弁1の角度、燃料噴射弁長手軸線K−Kに対する凹溝50の中心軸線G−Gの角度、及び凹溝50の中心角θSSのうち少なくとも一つが設定されている。
【0082】
一方、油圧室17の容積が大きくなると、駆動ピストン16の変位が速やかに中間ピストン14に伝達されるのが困難になる。そこで本発明による第10実施例では、駆動ピストン16の凹溝50に概ね相補的な凸部51を中間ピストン14に形成している。
【0083】
図16は本発明による第11実施例を示している。この第11実施例では、駆動ピストン16の底面16aに形成される凹溝50が球状面により画定されており、中間ピストン14の頂面14aに形成される凸部51が球状をなしている。
【0084】
本発明による第11実施例においても、凹溝50の最奥位置、即ち凹溝50のうち車載状態において最も高い位置に、流出路30bの流出端が開口されている。
【0085】
図15に示される第10実施例では、流出路30bの流出端は駆動ピストン16の中心軸線上、即ち燃料噴射弁長手軸線K−K上に位置しており、従って駆動ピストン16がその中心軸線即ち燃料噴射弁長手軸線K−K回りに回転しても、何ら不具合は生じない。
【0086】
ところが、図16に示される第11実施例では、流出路30の流出端は燃料噴射弁長手軸線K−K上から逸脱した位置にある。このため、駆動ピストン16がその中心軸線即ち燃料噴射弁長手軸線K−K回りに回転すると、図9を参照して説明した不具合が生ずることになる。
【0087】
そこで本発明による第11実施例では、駆動ピストン16のうち、その中心軸線K−Kに関する駆動ピストン16の角度位置が正規の角度位置にある車載状態において駆動ピストン16の中心軸線K−Kよりも高くなっている側に、例えば燃料で満たされた空間40を形成し、それにより、駆動ピストン16の重心Cが駆動ピストン16の中心軸線K−Kよりも低くなっている側に位置するようにしている。その結果、駆動ピストン16の角度位置を、図16に示される正規の角度位置に保持することができる。
【0088】
図17は本発明による第12実施例を示している。この第12実施例では、補充路30が中間ピストン収容孔13及び駆動ピストン収容孔15に隣接するハウジング2内を延びており、従って逆止弁31もハウジング2内に形成されている。
【0089】
また、本発明による第12実施例では、車載状態において燃料噴射弁長手軸線K−Kが鉛直軸線M−Mに対し傾斜している。このような車載状態において、油圧室17を画定する中間ピストン収容孔13及び駆動ピストン収容孔15の内壁面のうち、これらピストン収容孔13,15の中心軸線即ち燃料噴射弁長手軸線K−Kよりも高くなっている位置AAAに、流出路30bが開口される。
【0090】
その結果、車載状態においてピストン収容孔13,15の中心軸線即ち燃料噴射弁長手軸線K−Kよりも高くなっているピストン収容孔13,15の内壁面により、油圧室17内の気泡が流出路30bまで案内され、弁室32内に集められるようになる。図17に示される逆止弁31は例えば図3を参照して上述した第1実施例と同様に構成されており、従って弁室32内に集められた気泡は確実に弁室32外に排出される。
【0091】
【発明の効果】
油圧室内の気泡を確実に油圧室外へ逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射弁の縦断面図である。
【図2】図1と同様な燃料噴射弁の縦断面図である。
【図3】燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図4】本発明による第1実施例の燃料噴射弁、内燃機関本体、及び車両本体を概略的に示す図である。
【図5】本発明による第2実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図6】本発明による第2実施例の燃料噴射弁、内燃機関本体、及び車両本体を概略的に示す図である。
【図7】本発明による第3実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図8】本発明による第4実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図9】好ましくない例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図10】本発明による第5実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図11】本発明による第6実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図12】本発明による第7実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図13】本発明による第8実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図14】本発明による第9実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図15】本発明による第10実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図16】本発明による第11実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【図17】本発明による第12実施例を説明するための、燃料噴射弁の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁
2…ハウジング
4…ニードル
13…中間ピストン収容孔(ピストン収容孔)
14…中間ピストン(ピストン収容孔)
14a…中間ピストンの頂面(二次ピストンの頂面)
15…駆動ピストン収容孔(ピストン収容孔)
16…駆動ピストン(一次ピストン)
16a…駆動ピストンの底面(一次ピストンの底面)
17…油圧室
19…アクチュエータ
30…補充路
30a…作動油流入路
30b…作動油流出路
31…逆止弁
32…弁室(逆止弁室)
33…弁座面
41…流入路における弁室内に連通する位置に形成した凹溝
43…絞り(第1の絞り)
44…絞り(第2の絞り)
50…駆動ピストン(一次ピストン)の底面に形成した凹溝
51…中間ピストン(二次ピストン)の頂面に形成した凸部
K…燃料噴射弁長手軸線
L…円錐状面の中心軸線(弁座面の中心軸線)
M…鉛直軸線
Claims (16)
- ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、前記作動油補充路を一次ピストン内に形成すると共に前記逆止弁を一次ピストン内に配置し、逆止弁の弁座面が円錐状面をなしており、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において弁座面の中心軸線が鉛直軸線に対し傾斜するように、車両本体に対する内燃機関本体の角度、内燃機関本体に対する燃料噴射弁の角度、及び燃料噴射弁長手軸線に対する弁座面の中心軸線の角度のうち少なくとも一つを設定し、逆止弁が開弁したときに逆止弁弁室内の気泡が逆止弁を介し逆止弁弁室外に逃げるようにした燃料噴射弁。
- 車載状態において前記弁座面が水平面に対し下向きに拡開するように前記角度又は弁座面の中心角を設定した請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、前記弁座面の中心軸線が燃料噴射弁長手軸線に対しほぼ平行になるように前記逆止弁を一次ピストン内に配置した請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁座面の中心軸線が燃料噴射弁長手軸線に対し傾斜しておりかつ車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、一次ピストンの中心軸線に関する一次ピストンの角度位置が正規の角度位置にある車載状態において一次ピストンの中心軸線よりも低くなっている側に一次ピストンの重心が位置するように一次ピストンを形成した請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、作動油流入路の流出端の中心軸線を弁座面の中心軸線に対し傾斜させた請求項1から4までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、該作動油流入路の流出端を、逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りから構成すると共に、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、該絞りの中心軸線を指向させた請求項1から4までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記作動油流入路のうち、逆止弁が開弁したときに車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に連通する位置に凹溝を形成し、逆止弁が開弁したときに生ずる作動油流れでもって凹溝内の圧力が周囲圧力よりも低くなるようにした請求項5又は6に記載の燃料噴射弁。
- 前記作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、該作動油流入路の流出端を互いに並列配置された第1の絞りと第2の絞りとから構成し、該第1の絞りは逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りからなり、該第2の絞りは逆止弁弁室外に向かう方向についての流量係数が逆止弁弁室内に向かう方向についての流量係数よりも大きい絞りからなり、逆止弁が開弁したときに作動油が車載状態において弁座面の中心軸線よりも低くなっている側の逆止弁弁室内に向かうように、第 1の絞りの中心軸線を指向させると共に、逆止弁が開弁したときに第2の絞りの逆止弁弁室側開口が車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に開口するように、第2の絞りの逆止弁弁室側開口を位置決めした請求項1から4までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記作動油流出路の流入端を車載状態において弁座面の中心軸線よりも高くなっている側の逆止弁弁室内に開口させ、逆止弁が開弁したときに逆止弁弁室内に流入した作動油でもって逆止弁弁室内に旋回流が形成されるようにした請求項5から8までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、作動油補充路を一次ピストン内に形成すると共に逆止弁を一次ピストン内に配置し、作動油補充路が、逆止弁弁体の一側において逆止弁弁室から作動油源まで延びる作動油流入路と、逆止弁弁体の他側において逆止弁弁室から油圧室まで延びる作動油流出路とを含んでおり、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において一次ピストンの底面が水平面に対し傾斜しており、一次ピストンの底面のうち車載状態において最も高い位置に作動油流出路の流出端を開口させた燃料噴射弁。
- 一次ピストンの底面に凹溝を形成し、該凹溝の最奥位置に作動油流出路の流出端を開口させた請求項10に記載の燃料噴射弁。
- 前記凹溝が円錐状面により画定されており、車載状態において該円錐状面が水平面に対し下向きに拡開するように、車両本体に対する内燃機関本体の角度、内燃機関本体に対する燃料噴射弁の角度、燃料噴射弁長手軸線に対する円錐状面の中心軸線の角度、及び円錐状面の中心角のうち少なくとも一つを設定した請求項11に記載の燃料噴射弁。
- 前記凹溝が球状面により画定されている請求項11に記載の燃料噴射弁。
- 車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、車載状態において一次ピストンの中心軸線よりも低くなっている側に一次ピストンの重心が位置するように一次ピストンを形成した請求項10から13までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 二次ピストンの頂面に、一次ピストンの底面の凹溝に概ね相補的な凸部を形成した請求項11から14までのいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- ハウジング内を燃料噴射弁長手軸線方向に延びるピストン収容孔内に一次ピストン及び二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に並べてそれぞれ摺動可能に収容し、一次ピストンの底面と二次ピストンの頂面とピストン収容孔の内壁面とにより油圧室を画定して該油圧室を作動油により満たし、アクチュエータにより一次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させることにより二次ピストンを燃料噴射弁長手軸線方向に変位させるようにし、油圧室内に作動油を補充するための作動油補充路を油圧室に接続すると共に、油圧室に向けてのみ流通可能な逆止弁を該作動油補充路内に配置した燃料噴射弁において、燃料噴射弁が内燃機関本体に取り付けられかつ内燃機関本体が車両本体に取り付けられている状態である車載状態において燃料噴射弁長手軸線が鉛直軸線に対し傾斜しており、油圧室を画定するピストン収容孔内壁面のうち、車載状態においてピストン収容孔の中心軸線よりも高くなっているピストン収容孔内壁面に、作動油補充路の流出端を開口させた燃料噴射弁。
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