JP4039070B2 - センサ付軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などの移動体の軸受装置やギヤボックスなど、あるいは、産業機械や音響、情報、映像機器など精密機器などに使用されるセンサ付軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すような回転軸を支持する軸受装置51は、回転精度や耐久性など高い信頼性が要求されることが多い。このような軸受装置51は、運転状態を監視するために、センサ52が取付けられ、運転中に変化する温度や振動などが計測される。センサ52は、温度や振動を検出する検出部53を備えている。そして、これらの検出部53は、信号線54で温度や振動の情報を出力するため、図6のように計測の対象となる軸受55を保持するハウジング56などに取付けられるか、軸受の外表面に取付けられる。信号線54は、温度や振動の情報を計測する計測装置57まで配線される。計測装置57は、検出部53によって得られた情報を処理して記録計58に記録したり、処理された情報を基に軸受装置51の健全性を評価したり、必要に応じて警報装置59などを作動させたりする。また、電力を必要とする検出部53には、別途電力を供給するための電線を電源から配線する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軸受装置の熱や振動は、軸受の回転輪及び固定輪と転動体との転接面において発生する。よって、軸受装置の内部で発生している熱や振動を直接測定することはできなかった。
【0004】
センサは、軸受やハウジングを伝わってきた温度や振動を計測することとなる。したがって、従来の方法では、伝わってきた温度や振動を検出するため、検出の応答性が悪い。そして、実際に熱や振動が発生している部位の温度や振動は、計測された温度や振動と経験則を基に解析することによって求めなければならない。
【0005】
また、保持器など温度や振動の発生源がセンサの検出部から離れるとともに、伝わる経路が変わることによって、検出できる信号の信頼性が低下する。そのため、熱や振動の発生源を予め予測してセンサを取付けなければ、信頼性の高い計測ができないとともに、熱や振動の発生源を特定することが難しい。
【0006】
各検出部は、検出した情報を信号線で出力するので、取付け可能な場所が限られる。また、頻繁に着脱が行われる軸受装置に取付けられるセンサは、軸受装置とともに着脱されることとなる。したがって、軸受装置の着脱の度に信号線を配線し直さなければならず、着脱を繰返すうちに信号線を破損する可能性がある。
【0007】
さらに、外部電源を必要とするセンサを取付ける場合は、電力を供給するケーブルを信号線とともに配線しなければならない。そして、このケーブルも信号線と同様に、軸受装置の着脱の度に配線し直さなければならなくなる。
【0008】
そこで、本発明は、取付け場所の制約の少ないセンサを備えることで、汎用性に優れたセンサ付軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるセンサ付軸受装置は、固定輪と、回転輪と、固定輪及び回転輪のそれぞれに転接する複数の転動体と、これらの転動体の間隔を所定の間隔に保つ保持器とを有する軸受に、球状に形成されたシリコン半導体製のセンサベースと、このセンサベースの表面の一部に巻き付けられたコイルと、センサベースの表面にエッチングで形成されたセンサ回路とを有するセンサを少なくとも1つ備え、このセンサは絶縁性の保護膜で覆われている。前記センサベースは、中空の球状に形成されたシェルであり、前記シェルの中空空間には、ターゲットボールが配置されており、前記シェルの内面には、電極が設けられており、前記センサ回路は、前記電極に電場をかけることで前記ターゲットボールを前記シェルの中に浮遊させる制御回路と、前記電極と前記ターゲットボールの間の電圧を検出する検出回路とを有し、前記電極に電場をかけることにより前記ターゲットボールを前記シェルの中空空間に浮遊する状態で保持するとともに、前記ターゲットボールを浮遊させる電圧の変化を検出して振動を検出する。
【0011】
本発明の一つの形態によれば、前記シェルの内面には、多数の電極が設けられており、振動の変化により前記ターゲットボールを浮遊させるために必要となる電圧が各電極毎に異なって変化する。
【0012】
本発明の一つの形態によれば、前記センサ回路は、電磁波を受信する受信回路と、前記受信回路で受信された電磁波を電力に変換する発電回路と、検出した信号を電波で送信する送信回路とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態のセンサ付軸受装置1について、図1から図3を参照して説明する。図1に示すセンサ付軸受装置1は、ハウジング2と、このハウジング2に固定された2つの軸受3とを備えている。軸受3は、ハウジング2に固定される固定輪としての外輪4と、回転する軸が挿入されてこの軸とともに回転する回転輪としての内輪5と、複数の転動体6と、保持器7と、外輪4に支持されたシールド8とを備えている。転動体6は、外輪4と内輪5のそれぞれに転接し、回転する周方向に対して等配になるように保持器7によって互いの間隔を保持されている。保持器7は、図2に示すように軸受2の周方向に沿って環状に形成されており、転動体6と遊嵌する孔7aが設けられている。また、保持器7は、外周面7bから有底の穴7cが設けられており、センサ9が接着剤などで埋設されている。シールド8は、電磁波や電波を遮蔽しない材質、例えば、合成樹脂などがよい。
【0014】
なお、センサ9は、図2に示すように転動体6に対してセンサ付軸受装置1の回転中心軸に沿う方向に配置されてもよいし、転動体6に対してセンサ付軸受装置1の回転中心軸の回転方向、すなわち、転動体6と転動体6の間に配置してもよい。また、センサ9を複数設けてもよい。
【0015】
センサ9は、半導体、例えばシリコン製であり、図3に示すように球状に形成されている。センサ9の表面9aには、センサ回路10がエッチングなどにより形成されている。センサ回路10は、受信回路11と、発電回路12と、検出回路13と、制御回路14と、送信回路15とを備えている。また、センサ9の表面9aに沿って、大円を含む範囲に送受信用のアンテナとして機能するコイル16が巻き付けられている。また、センサ9は、センサ回路10とコイル16を保護するために、樹脂など絶縁性の保護膜17で覆う。なお、コイル16は、エッチングなどでセンサ9の表面9aに直接形成してもよい。
【0016】
受信回路11は、コイル16と接続され、電磁波Eや指令信号の電波Rを受信し、それぞれを分波する。発電回路12は、コイル16から受信された電磁波Eを利用して発電し、各回路11,13,14,15に電力を供給する。検出回路13は、検出対象を検出するための回路、具体的には、トランジスタのベースエミッタ間の順方向pn接合電圧が温度によって変化することを応用した温度検出回路などを備えている。制御回路14は、検出回路13で検出された信号を処理するともに、処理した信号を送信回路15に出力する。送信回路15は、制御回路14から出力された信号に基いてコイル16から電波Rを送信する。また、送信回路15は、検出回路13で検出された信号をそのまま電波Rに変換して出力してもよい。なお、受信回路11と送信回路15は、電磁波Eや指令信号の電波Rを受信する機能と、出力信号としての電波Rを送信する機能とをともに備えた送受信回路としてもよい。また、受信回路11は、電磁波Eを受信する電磁波受信回路と指令信号を受信する電波受信回路に分けてもよい。また、コイル16についても、電磁波Eを受信する電磁波用コイルと電波Rを送受信する電波用コイルとに分けて設けてもよいし、受信用と送信用、あるいは、電磁波受信用と電波受信用と電波送信用に分けて設けてもよい。
【0017】
センサ付軸受装置1と離れた位置には、制御装置18を設ける。制御装置18は、電磁波送信装置19と、監視装置20と、警報装置21とを備えている。電磁波送信装置19は、センサ9が発電に利用する電磁波Eを送信する。監視装置20は、センサ9の送信回路15によって送信された信号を受信し、評価するとともに、受信した信号を記録する。また、監視装置20は、センサ9に対して指令信号の電波Rを送信し、センサ9に出力信号としての電波Rを出力させることができる。そして、評価した信号が各センサに対して予め設定された閾値を超える場合、監視装置20は、警報装置21を作動させる。警報装置21は、予め各センサに対して設定された閾値を超える信号が検出されたことをリレー回路などによって表示や音などで利用者に報知する。このとき、必要に応じて、センサ付軸受装置1が組み込まれた機械や装置を停止させてもよい。
【0018】
なお、制御装置18は、同時に複数のセンサ付軸受装置、及びこのセンサ付軸受装置に搭載される複数のセンサに対応することで、より高度で複合的な監視を行うことが可能である。また、センサ9との無線通信用に監視装置20が備える電波Rの送受信機能を電磁波送信装置19の電磁波Eの送信機能と組み合わせて、電磁波送受信装置としてもよい。
【0019】
次に、センサ付軸受装置1の動作について説明する。センサ付軸受装置1は、電磁波送信装置19によって制御装置18から出力された電磁波Eをセンサ9のコイル16から受信する。受信された電磁波Eは、発電回路12で電力に変換され、各回路11,13,14,15に供給される。センサ付軸受装置1が運転されると、転動体6と外輪4及び内輪5との転接面は、転がり摩擦によって発熱する。発生した熱は、転動体6から保持器7を経て、あるいは、外輪4と内輪5に挟まれた空間22にあるグリースなどの潤滑剤によって、保持器7に取付けられたセンサ9に伝わる。検出回路13の温度検出回路は、検出された温度に応じた信号を制御回路14に対して出力する。出力された信号は、制御回路14において、増幅、数値化などの処理が行われ、送信回路15を経由してコイル16から送信される。そして、送信された信号は、制御装置18で受信され、監視装置20で各センサ毎に予め設定されている閾値と比較評価される。
【0020】
以上のように、本実施形態のセンサ付軸受装置1は、制御装置18の電磁波送信装置19から送信された電磁波Eをコイル16で受信し、この電磁波Eを発電回路12で電力に変換する。また、検出回路13で検出した温度に対応する信号は、送信回路15によってコイル16から電波Rで出力される。すなわち、センサ付軸受装置1は、電磁波Eを利用して外部から電力が供給されるので、電力を供給するためのケーブルが必要ないとともに、検出された信号を電波Rで送信するので、信号線も必要ない。
【0021】
したがって、本実施形態のセンサ付軸受装置1は、軸受3の回転輪(本実施形態では内輪5)や保持器7など有線でセンサを取付けられないような部位のほか、産業機械などに装着されるスピンドルユニットなど着脱が頻繁に行われる部品などにも適用することができ、汎用性に優れている。また、電力が電磁波Eで供給され、電池などの消耗部品を備えていないので、分解が困難な部位に適用するセンサ付軸受装置としても適している。
【0022】
なお、センサ付軸受装置1に取付けられセンサ9は、1つの軸受3に対して1つでもよいし、複数取付けてもよい。また、センサ9から送信される信号は、所定の時間間隔毎に一定の時間送信してもよいし、制御装置18から送られてくる指令信号に応じて検出した信号を送信するようにしても良い。
【0023】
次に、本発明と関連性のある参考例のセンサ付軸受装置23について、図3及び図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態のセンサ付軸受装置1と同じ構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
センサ付軸受装置23は、図4に示すように軸受3の外輪4と内輪5の間に挟まれた空間22に、図3に示すセンサ9を配置している。つまり、センサ9が、軸受3の空間22に注入されているグリースなどの潤滑剤に浮遊した状態である。また、センサ9は、検出回路13に温度を検出する温度検出回路を備えている。
【0025】
なお、センサ9は、潤滑剤とともに空間を動き回るので、センサ9の表面9aを耐磨耗性に優れた保護膜17で覆うと耐久性が向上するのでよい。耐磨耗性の保護膜17として具体的には、DLC(Diamond Like Carbon)などをコーティングするとよい。
【0026】
この参考例のセンサ付軸受装置23は、空間22に配置されたセンサ9が、電磁波Eを受信して発電し、この電力を使用してセンサ9の周りの潤滑剤の温度を検出回路13で計測する。そして、計測された温度の信号を電波Rで送信する。
【0027】
このように、この参考例のセンサ付軸受装置23は、運転中の潤滑剤の温度を直接計測することができるので、温度を計測する検出応答性がよく、軸受3の焼付きの防止などに効果的であり、機械装置などの運転状態の監視に適している。また、センサ9への電力の供給を電磁波Eによって行い、センサからの信号の出力を電波Rで行うので、電力供給用のケーブルや信号出力用の信号線が不要である。したがって、センサ付軸受装置23は、スピンドルユニットのように頻繁に機械装置から着脱されるような部品や、ケーブルや信号線を配線することができない部位に適用することができ、汎用性に優れている。
【0028】
なお、この参考例のセンサ付軸受装置23は、第1の実施形態のセンサ付軸受装置1のように、センサ9を保持器7にも備えてもよい。また、センサ9は、空間22や保持器7に複数配置してもよい。
【0029】
次に、本発明の第の実施形態のセンサ付軸受装置24について、図3及び図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態のセンサ付軸受装置1または上記参考例のセンサ付軸受装置23と同じ構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
センサ付軸受装置24は、図5に示すように軸受3の内輪5に空間22に面して開口する有底の穴5aを設け、この穴5aに図3に示すセンサ9を入れて接着剤や樹脂などでモールド固定している。このときセンサ9の検出回路13を空間に向けるとともに、モールド固定によって取付ける。このセンサ9は、センサ回路10の検出回路13に温度を検出する温度検出回路と、振動を検出する振動検出回路を備えている。
【0031】
の実施形態のセンサ付軸受装置24は、内輪5に取付けられたセンサ9が、電磁波Eを受信して発電し、その電力で内輪5の温度を計測して電波Rを送信する。したがって、センサ9へ電力を供給するケーブルが不要であるとともに、検出した信号を出力する信号線も不要である。そして、内輪5にセンサ9を取付けているので、内輪5を伝わってきた温度や振動を直接計測することができる。
【0032】
また、振動は加速度として検出されるので、センサ9を回転輪である内輪5に取付けた場合、この振動検出回路を利用して、センサ9にかかる遠心力から、内輪5が支持する軸の回転速度を求めることができる。すなわち、遠心力Fは、センサ9の回転半径をr、回転角速度をω、遠心力Fを受ける部材の質量をm、とすると、F=mrωであり、このときセンサ9に作用する加速度αは、α=rωとなる。したがって、センサ9を決められた半径rの位置に取付けることによって、軸受3に保持されている軸の回転角速度ωを容易に求めることができる。
【0033】
また、センサ9を埋没しないようにモールド固定すると、センサ9は、潤滑剤に直接触れる。したがって、潤滑剤の温度を直接計測することができるとともに、潤滑剤の温度変化に対する応答性が向上する。センサ9の検出回路13を穴5aから突出させてモールド固定するとより効果的である。
【0034】
以上のように、第の実施形態のセンサ付軸受装置24は、内輪5と転動体6の転接面から近い位置で温度や振動を検出することができるので、温度や振動の変化に対して応答性がよく、検出される値の信頼性も高い。また、内輪5や潤滑剤の温度を直接計測することができるので、機械装置などの予防保全や、精密機器の軸受の温度管理に適している。なお、内輪5に設けた穴5aと同様の穴を固定輪である外輪4に設け、ここにセンサ9を取付けてもよい。
【0035】
さらに、センサ付軸受装置24は、センサ9への電力の供給を電磁波Eによって行い、センサからの信号の出力を電波Rで行うので、電力供給用のケーブルや信号出力用の信号線が不要である。したがって、センサ付軸受装置24は、スピンドルユニットのように頻繁に機械装置から着脱されるような部品や、ケーブルや信号線を配線することができない部位に適用することができ、汎用性に優れている。
【0036】
なお、第1および第2の実施形態、および上記参考例のセンサ付軸受装置は、センサの検出回路が温度検出回路のほかに、振動、圧力、回転速度などの検出に対応した回路をそれぞれ備えることで、センサに作用する振動、圧力、回転速度などを計測することができる。各回路は、それぞれ別々のセンサの検出回路13に設け、各センサ9をそれぞれ軸受3の外輪4、内輪5、保持器7に取付けてもよいし、このうちの複数を検出回路13に備えて対応する検出対象を検出するようにしてもよい。また、各センサ9は、第1の実施形態のように保持器7に取付けてもよいし、第の実施形態のように内輪5に取付けてもよい。また、上記参考例のように検出回路13に温度検出回路を備えたセンサ9のように、圧力を計測する検出回路を供えたセンサを空間22に配置してもよい。さらに、内輪5に設けた穴5aと同様の穴を外輪4に設けてセンサ9を別途取付けると、外輪4の温度や振動などを直接計測することができる。
【0037】
1または第の実施形態のセンサで振動や回転速度あるいは圧力を検出する方法として、多数の電極を内面に備えた中空の球状に形成された半導体製のシェルと、この電極との間に電場をかけることで隙間を隔ててシェルの中で浮遊するターゲットボールと、シェルの外面に形成されたセンサ回路と、シェルの外面の一部に巻き付けられたコイルとを備えるセンサとする。センサ回路には、電磁波を受信する受信回路と、この受信回路で受信された電磁波を電力に変換する発電回路と、ターゲットボールをシェルの中に浮遊させる制御回路と、電極とターゲットボールの間の電圧を検出する検出回路と、検出した信号を電波で送信する送信回路とを備える。受信回路で受信した電磁波は、発電回路で電力に変換され、各回路に供給される。
【0038】
このセンサは、振動や回転速度の変化によって、加速度の変化が生じると、ターゲットボールがシェルの中で片寄り、ターゲットボールを中心に浮遊させるために必要となる電圧が各電極毎に異なって変化する。そして、このときの電圧の変化を検出することで、振動や回転速度を求める。
【0039】
また、圧力の変化によって、シェルとセンサとの距離が全体に変化することで、センサを中心に浮遊させるために必要となる電圧が全体的に変化する。したがって、このときの電圧の変化を検出することで、センサにかかる圧力を求めることが可能である。
【0040】
圧力は、シェルの外面に形成されるセンサ回路に歪を検出する検出回路を設けるか、シェルの一部をダイヤフラム状に形成し、外圧に応じて変形するダイヤフラムの変形量を計測することでも計測することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のセンサ付軸受装置によれば、コイルで電磁波を受信してセンサ回路で発電し、この電力で軸受の温度を計測することができる。センサ回路は、計測した温度の信号を基に電波をコイルから送信することができる。つまり、電力を供給するためのケーブルや検出された信号を出力する信号線が不要である。さらに本発明のセンサ付軸受装置によれば、ターゲットボールを浮遊させる電圧の変化を検出して振動を検出することができる。
【0042】
したがって、本発明のセンサ付軸受装置は、軸受の回転輪や保持器など有線でセンサを取付けられないような部位のほか、産業機械などに装着されるスピンドルユニットなど着脱が頻繁に行われる部品などにも適用することができ、汎用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のセンサ付軸受装置を示す断面図。
【図2】図1中の軸受を拡大して示す断面図。
【図3】図2のセンサを拡大し、保護膜の一部を切り欠いて示す正面図。
【図4】 本発明と関連性を有する参考例のセンサ付軸受装置を示す断面図。
【図5】 本発明の第の実施形態のセンサ付軸受装置を示す断面図。
【図6】従来の軸受装置にセンサを取付けた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1,23,24…センサ付軸受装置
3…軸受
4…外輪(固定輪)
5…内輪(回転輪)
6…伝導体
7…保持器
9…センサ
9a…表面
10…センサ回路
11…受信回路
12…発電回路
13…検出回路
14…制御回路
15…送信回路
16…コイル
22…空間
E…電磁波
R…電波

Claims (3)

  1. 固定輪と、回転輪と、前記固定輪及び前記回転輪のそれぞれに転接する複数の転動体と、これらの転動体の間隔を所定の間隔に保つ保持器とを有する軸受に、
    球状に形成されたシリコン半導体製のセンサベースと、このセンサベースの表面の一部に巻き付けられたコイルと、前記センサベースの表面にエッチングで形成されたセンサ回路とを有するセンサを少なくとも1つ備え、このセンサは絶縁性の保護膜で覆われており、
    前記センサベースは、中空の球状に形成されたシェルであり、前記シェルの中空空間には、ターゲットボールが配置されており、前記シェルの内面には、電極が設けられており、前記センサ回路は、前記電極に電場をかけることで前記ターゲットボールを前記シェルの中に浮遊させる制御回路と、前記電極と前記ターゲットボールの間の電圧を検出する検出回路とを有し、前記電極に電場をかけることにより前記ターゲットボールを前記シェルの中空空間に浮遊する状態で保持するとともに、前記ターゲットボールを浮遊させる電圧の変化を検出して振動を検出することを特徴とするセンサ付軸受装置。
  2. 前記シェルの内面には、多数の電極が設けられており、振動の変化により前記ターゲットボールを浮遊させるために必要となる電圧が各電極毎に異なって変化することを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受装置。
  3. 前記センサ回路は、電磁波を受信する受信回路と、前記受信回路で受信された電磁波を電力に変換する発電回路と、検出した信号を電波で送信する送信回路とを有することを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受装置。
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