JP2020060227A - 軸受装置 - Google Patents

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勇介 澁谷
Yusuke Shibuya
勇介 澁谷
小池 孝誌
Takashi Koike
孝誌 小池
靖之 福島
Yasuyuki Fukushima
靖之 福島
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Abstract

【課題】従来の上記軸受装置と比べて、主軸の支持剛性の異方性が抑えられており、かつ熱流束センサが潤滑油に曝されたときに熱流束センサが脱離しにくい軸受装置を提供する。【解決手段】軸受装置100は、第1軸受1aと、外輪間座13と、内輪間座14と、熱流束を検出する第1熱流束センサ7aと、外輪間座13に第1熱流束センサ7aを固定する第1固定部材8aとを備える。第1固定部材8aは、第1熱流束センサ7aに対して外輪間座13の第1内径面とは反対側に配置されて第1熱流束センサ7aと接する押さえ部81aと、押さえ部81aを外輪間座13に固定する固定部82aとを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、軸受装置に関する。
過負荷等に伴う軸受の発熱を検出するために、軸受から生じた熱流束の変化を熱流束センサによって検出する技術が知られている。
特開2017−187451号公報(特許文献1)には、外輪の外径面に接するハウジングの内径面に凹部が形成されており、該凹部内に配置された熱流束センサを備える監視装置が開示されている。上記外輪は、熱流束センサを介さずにハウジングに直接接続されている領域と、熱流束センサを介してハウジングに接続されている領域とを有している。上記2つの領域は、外輪の周方向に交互に配置されている。
また、一般的に、熱流束センサにおいて熱流束を検出する熱流束検出部は、熱流束を検出すべき領域に接着により固定されている。
特開2017−187451号公報
上記特許文献1に記載の軸受装置では、上記2つの領域が存在することにより、ハウジングによる軸受を支持する剛性(軸受の支持剛性)が周方向において大きな異方性を有している。つまり、上記軸受装置では、軸受の支持剛性が相対的に高い領域と軸受の支持剛性が相対的に低い領域とが上記周方向に交互に配置されている。その結果、上記軸受装置では、軸受による主軸を支持する剛性(主軸の支持剛性)も、周方向において大きな異方性を有している。
そのため、上記軸受装置が工作機等の一般的な回転機械に適用された場合、上記のような主軸の支持剛性の異方性は、主軸の振れ精度の低下、および主軸の振動を引き起こす。
また、上記軸受装置が潤滑油により潤滑された軸受を備える場合、熱流束センサを軸受およびハウジングに固定するための接着部材も潤滑油に曝されることになる。この場合、接着部材の耐久性が低下し、熱流束センサが脱離するおそれがある。
本発明の主たる目的は、従来の上記軸受装置と比べて、主軸の支持剛性の異方性が抑えられており、かつ熱流束センサが潤滑油に曝されたときに熱流束センサが脱離しにくい軸受装置を提供することにある。
本発明に係る軸受装置は、第1軌道面を有する固定輪と、固定輪の径方向において第1軌道面と間隔を隔てて配置されている第2軌道面を有する回転輪と、第1軌道面と第2軌道面との間に配置される複数の転動体とを含む転がり軸受と、転がり軸受の軸方向において固定輪に隣接している固定側間座と、軸方向において回転輪に隣接し、かつ径方向において固定側間座と間隔を隔てて配置されている回転側間座と、熱流束を検出する熱流束センサと、固定側間座に熱流束センサを固定する固定部材とを備えている。固定側間座は、回転側間座と径方向に対向する第1面を有している。固定部材は、熱流束センサに対して固定側間座の第1面とは反対側に配置されて熱流束センサと接する押さえ部と、押さえ部を固定側間座に固定する固定部とを含む。なお、転がり軸受の中心軸が延在する方向を転がり軸受の軸方向、該中心軸に対して直交しかつ該中心軸から放射状に延在する方向を転がり軸受の径方向、と呼ぶ。
本発明に係る軸受装置によれば、上記軸受装置と比べて主軸の支持剛性の異方性が抑えられており、かつ信頼性が高い軸受装置を提供することができる。
実施の形態1に係る軸受装置の軸方向に沿った断面図である。 図1に示される熱流束センサ、固定部材、および外輪間座を径方向の内側から視た部分平面図である。 図2中の矢印III−IIIから視た断面図である。 実施の形態2に係る軸受装置の熱流束センサおよび固定部材の部分平面図である。 図4に示される熱流束センサおよび固定部材の斜視図である。 実施の形態3に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座を径方向の内側から視た部分平面図である。 図6に示される熱流束センサ、固定部材、および外輪間座の斜視図である。 実施の形態4に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座を軸方向から視た部分平面図である。 実施の形態5に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座を径方向の内側から視た部分平面図である。 図9中の矢印X−Xから視た断面図である。 実施の形態6に係る軸受装置の軸方向に沿った断面図である。 実施の形態3に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座の変形例を軸方向から視た平面図である。 実施の形態1に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座の変形例を軸方向から視た部分平面図である。 実施の形態1に係る軸受装置の熱流束センサ、固定部材、および外輪間座の変形例を軸方向から視た部分平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下においては、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さないものとする。
(実施の形態1)
<軸受装置の構成>
図1〜図3に示されるように、実施の形態1に係る軸受装置100は、第1軸受1a、第2軸受1b、外輪間座13、内輪間座14、第1熱流束センサ7a、第2熱流束センサ7b、および第1固定部材8a、第2固定部材8bを主に備える。軸受装置100は、主軸17をハウジング18に対して回転可能に支持するように設けられている。
なお、軸受装置100では、第1軸受1a、第1熱流束センサ7a、および第1固定部材8aと、第2軸受1b、第2熱流束センサ7b、および第2固定部材8bとが、外輪間座13および内輪間座14に対して基本的に同等の構成を有している。そのため、以下では、第1軸受1a、第1熱流束センサ7a、第1固定部材8a、外輪間座13、および内輪間座14について説明し、第2軸受1b、第2熱流束センサ7b、および第2固定部材8bについては説明を省略する。なお、第1軸受1aおよび第2軸受1bの組み合わせは、例えば背面組み合わせである。
第1軸受1aは、転がり軸受であり、例えばアンギュラ玉軸受である。第1軸受1aは、外輪2a、複数の玉3a、内輪4a、および保持器5aを含む。外輪2aは、外輪軌道面を有している。内輪4aは、外輪2aの径方向において外輪軌道面と間隔を隔てて配置されている内輪軌道面を有している。複数の玉3aは、外輪軌道面と内輪軌道面との間に配置されている。保持器5aは、外輪2aの周方向において複数の玉3aを一定の距離を隔てて保持している。
外輪2aおよび外輪間座13は、例えばハウジング18に対してすきま嵌めとされている。内輪4aおよび内輪間座14は、例えば主軸17に対してしまり嵌めとされている。軸受装置100では、外輪2aが固定輪、内輪4aが回転輪、外輪間座13が固定側間座、内輪間座14が回転側間座として構成されている。
外輪間座13は、第1軸受1aの軸方向において、外輪2aと第2軸受1bの外輪2bとの間に配置されている。外輪間座13の上記軸方向の端面は、外輪2aおよび外輪2bに隣接して配置されている。外輪間座13は、内輪間座14と上記径方向に対向する内径面を有している。内輪間座14は、上記軸方向において、内輪4aおよび第2軸受1bの内輪4bの間に配置されている。内輪間座14は、上記軸方向の端面は、内輪4aおよび内輪4bに隣接して配置されている。内輪間座14は、外輪間座13の内径面と上記径方向に対向する外径面を有している。外輪間座13および内輪間座14を構成する各材料の熱伝導率は、第1軸受1aの内部空間に供給される潤滑油またはエアの熱伝導率よりも高い。
外輪間座13は、例えば上記軸方向において中央に位置する第1環状部分131と、上記軸方向において当該第1環状部分131を挟むように配置された第2環状部分132および第3環状部分133とを含む。第1環状部分131は、第2環状部分132および第3環状部分133よりも、上記径方向において内輪間座14側に突出している。
第1環状部分131は、内輪間座14と上記径方向に対向する第1面としての第1内径面13aと、第1軸受1aと上記軸方向に対向する第1端面13bおよび第2軸受1bと上記軸方向に対向する第2端面13cとを有している。第2環状部分132は、内輪間座14と上記径方向に対向する第2内径面13dと、第1軸受1aと接する第3端面13eとを有している。第2内径面13dは、第1端面13bおよび第3端面13eに接続されている。第3環状部分133は、内輪間座14と上記径方向に対向する第3内径面13fと、第2軸受1bと接する第4端面13gとを有している。第3内径面13fは、第2端面13cおよび第4端面13gに接続されている。
第1環状部分131の第1内径面と内輪間座14の外径面との上記径方向の距離は、第2環状部分132の第2内径面と内輪間座14の外径面との上記径方向の距離および第3環状部分133の第3内径面と内輪間座14の外径面との上記径方向の距離よりも短い。第1環状部分131の第1内径面と内輪間座14の外径面との上記径方向の距離は、例えば第1軸受1aの外輪2aの軌道面と内輪4aの軌道面との上記径方向の距離よりも短い。
第1環状部分131の上記軸方向の幅は、第2環状部分132の上記軸方向の幅および第3環状部分133の上記軸方向の幅よりも広く、例えば第2環状部分132の上記軸方向の幅と第3環状部分133の上記軸方向の幅との和よりも広い。
第1環状部分131の第1内径面には、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bが固定されている。第1環状部分131には、貫通孔13hが形成されている。貫通孔13hの一端は第1環状部分131の第1内径面に開口し、かつ貫通孔13hの他端は第1環状部分131の外径面に開口している。貫通孔13hには、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bの各々に接続されたケーブル6が通されている。貫通孔13hは、第1環状部分131において上記軸方向の中央に設けられている。なお、ハウジング18には、例えば貫通孔13hと連なるように設けられた貫通孔18hが形成されている。ケーブル6は、貫通孔13hおよび貫通孔18hに通されて、ハウジング18の外部において図示しない異常診断部と接続されている。
第1熱流束センサ7aは、第1軸受1aの温度変化を検出するように設けられている。第1熱流束センサ7aは、熱流束を検出する検出部71aと、検出部71aに隣接する隣接部72aとを含む。検出部71aは、第1検出面と、第1検出面とは反対側に位置する第2検出面とを有している。第1熱流束センサ7aは、第1検出面と第2検出面との間に与えられた温度差からゼーベック効果によって生じた起電力を出力するように設けられている。
検出部71aの第1検出面は、第1環状部分131の第1内径面において上記軸方向の第1軸受1a側に位置する領域と、接着部材を介さずに接続されている。検出部71aの第1検出面と第1環状部分131の内径面とは、例えば接している。検出部71aの第2検出面は、内輪間座14の外径面において上記軸方向の第1軸受1a側に位置する領域と、上記径方向に対向している。検出部71aの第1検出面と第2検出面との間の温度差は、該第1検出面と第2検出面とを通過する熱流束の密度、すなわち外輪間座13および内輪間座14の上記軸方向の第1軸受1a側に位置する各領域を通過する熱流束の密度に比例する。外輪間座13および内輪間座14の上記軸方向の第1軸受1a側に位置する各領域を通過する熱流束の密度は、第1軸受1a内での温度差が増加すると、比較的速やかに増加する。つまり、第1熱流束センサ7aは、第1軸受1aの状態変化に伴い第1軸受1a内での温度差が増加した場合、外輪間座13と内輪間座14とを通過する熱流束の密度の変化を検出して、その変化量に応じて変化した起電力を出力できる。
隣接部72aは、上記径方向と交差する方向においてのみ、検出部71aに隣接している。隣接部72aは、例えば上記軸方向において検出部71aに隣接している。隣接部72aは、後述する第1固定部材8aによって、第1環状部分131の第1内径面において第2環状部分132よりも上記軸方向の中央側に位置する領域に固定されている。隣接部72aは、第1環状部分131と第1固定部材8aの押さえ部81aとの間に、挟持されている。
第2熱流束センサ7bは、第2軸受1bの温度変化を検出するように設けられている。第2熱流束センサ7bは、第1熱流束センサ7aと基本的に同等の構成を有しているため、説明を省略する。
隣接部72aは、第1環状部分131の第1内径面において上記軸方向の中央側に位置する領域と、接着部材を介さずに接続されている。隣接部72aは、上記軸方向において貫通孔13hよりも第1軸受1a側に配置されている。隣接部72aは、検出部71aの検出結果を軸受装置100の外部に出力するためのケーブル6と接続されている図示しないパッド部と、検出部71aとパッド部とを電気的に接続している配線部とを有している。
第1熱流束センサ7aの上記軸方向の長さは、例えば第1熱流束センサ7aの上記周方向の長さよりも長い。検出部71aの上記軸方向の長さは、例えば隣接部72aの上記軸方向の長さ未満である。
第1固定部材8aは、第1熱流束センサ7aを外輪間座13に固定するように設けられている。第1固定部材8aは、押さえ部81aと、固定部82aとを含む。押さえ部81aは、第1熱流束センサ7aの隣接部72aに対して外輪間座13とは反対側に配置されている。押さえ部81aおよび第1環状部分131は、隣接部72aを挟持している。
押さえ部81aは、例えば第1部分83a、第2部分84a、および第3部分85aを有している。第1部分83aは、上記径方向において隣接部72aおよび第1環状部分131と重なるように配置されている。第2部分84aおよび第3部分85aは、第1部分83aと接続されており、上記径方向において第1環状部分131のみと重なるように配置されている。第2部分84aおよび第3部分85aは、例えば上記周方向において第1部分83aを挟むように設けられている。第2部分84aおよび第3部分85aには、図示しない貫通孔が形成されている。押さえ部81aは、第2部分84aおよび第3部分85aに形成された各貫通孔の孔軸が上記径方向に沿うように配置されている。
固定部82aは、押さえ部81aを外輪間座13に固定している。固定部82aは、第2部分84aに形成された上記貫通孔に挿通されて外輪間座13に固定される第1固定部分と、第3部分85aに形成された上記貫通孔に挿通されて外輪間座13に固定される第2固定部分とを有する。固定部82aの第1固定部分および第2固定部分は、外径が押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aに形成された各貫通孔の孔径超えである拡径部と、当該拡径部に接続されており、かつ外径が上記各貫通孔の孔径以下である縮径部とを有している。固定部82aの縮径部が外輪間座13の第1環状部分131に接続されている。
第2固定部材8bは、第2熱流束センサ7bを外輪間座13に固定するように設けられている。第2固定部材8bは、第1固定部材8aと基本的に同等の構成を有しているため、説明を省略する。
押さえ部81aの上記軸方向の長さは、押さえ部81aの上記周方向の長さ未満である。押さえ部81aの上記軸方向の長さは、隣接部72aの上記軸方向の長さ未満である。押さえ部81aの上記周方向の長さは、隣接部72aの上記周方向の長さ超えである。押さえ部81aの上記軸方向の各中心は、例えば隣接部72aの上記軸方向の各中心よりも検出部71aから離れた領域に配置されている。固定部82aは、例えばネジである。
第1熱流束センサ7aは、外輪間座13の第1環状部分131と第1固定部材8aの押さえ部81aとの間に挟まれていることにより、外輪間座13に対して固定されている。第2熱流束センサ7bは、外輪間座13の第1環状部分131と第2固定部材8bの押さえ部81bとの間に挟まれていることにより、外輪間座13に対して固定されている。
第1固定部材8aを構成する材料は、両面テープなどの接着部材を構成する材料と比べて、第1軸受1aおよび第2軸受1bに供給される潤滑油と反応しにくい材料とされている。第1固定部材8aを構成する材料は、例えば鋼を含み、好ましくは外輪間座を構成する材料と同じである。
<作用効果>
軸受装置100は、第1軸受1aと、第1軸受1aの軸方向において外輪2aに隣接している外輪間座13と、上記軸方向において内輪4aに隣接し、かつ上記径方向において外輪間座13と間隔を隔てて配置されている内輪間座14と、熱流束を検出する第1熱流束センサ7aと、外輪間座13に第1熱流束センサ7aを固定する第1固定部材8aとを備える。外輪間座13は、上記径方向において内輪間座14と対向する第1内径面を有している。第1固定部材8aは、第1熱流束センサ7aに対して外輪間座13の第1内径面とは反対側に配置されている押さえ部81aと、押さえ部81aを外輪間座13の第1内径面に固定する固定部82aとを含む。第1熱流束センサ7aは、外輪間座13と第1固定部材8aとの間に挟まれて固定されている。
このように、軸受装置100では、第1熱流束センサ7aが、第1固定部材8aによって外輪間座13の第1内径面に固定されており、外輪2aの外径面とハウジング18の内径面との間に固定されていない。そのため、軸受装置100においてハウジング18による第1軸受1aの支持剛性の上記周方向の異方性は、上記特許文献1に記載の監視装置におけるそれと比べて、低減されている。その結果、軸受装置100では、上記特許文献1に記載の軸受と比べて、主軸17の振れ精度の低下および主軸17の振動の発生が抑制されている。
一方で、第1熱流束センサ7aは、外輪間座13において内輪間座14と上記径方向に対向する第1内径面に配置されているため、第1軸受1aに潤滑油が供給される場合には潤滑油に曝される。これに対し、軸受装置100では、第1熱流束センサ7aが外輪間座13と第1固定部材8aとの間に挟まれて固定されており、接着部材によらずに固定されている。第1固定部材8aを構成する材料は、接着部材を構成する材料と比べて、上記潤滑油と反応しにくい材料とされ得る。その結果、第1固定部材8aは、上記潤滑油に曝された場合にも、第1熱流束センサ7aを外輪間座13に固定し続けることができる。
また、主軸17およびハウジング18の熱容量が比較的大きいため、例えば第1軸受1aに付与される予圧が上昇して玉3aの転動面と内輪4aの軌道面との面圧が増加することに伴い第1軸受1a内で発熱が生じ始めた後、第1軸受1aの外輪2a、内輪4a、外輪間座13および内輪間座14の温度が上昇するまでには比較的長い時間を要する。つまり、第1軸受1aの外輪2a、内輪4a、外輪間座13および内輪間座14のいずれかに固定された温度センサでは、上記発熱を速やかに検出することは困難である。これに対し、第1軸受1aの外輪2a、内輪4a、外輪間座13および内輪間座14を通過する熱流束の密度は、上記発熱が生じ始めた後、これらの温度が上昇するよりも先に速やかに増加する。そのため、外輪間座13に固定された第1熱流束センサ7aは、第1軸受1aの外輪2a、内輪4a、外輪間座13および内輪間座14のいずれかに固定された温度センサと比べて、第1軸受1a内での発熱を速やかに検出することができるため、第1軸受1aの焼付き等の異常の前兆をより早期に検出することができる。
上記軸受装置100において、第1熱流束センサ7aは、熱流束を検出する検出部71aと、検出部71aに隣接する隣接部72aとを含む。第1熱流束センサ7aでは、隣接部72aのみが外輪間座13と押さえ部81aとの間に挟まれている。
このような第1熱流束センサ7aの検出部71aは、外輪間座13と押さえ部81aとの間に挟まれていないため、押さえ部81aを通過していない熱流束を検出することができる。このような第1熱流束センサ7aは、検出部71aが外輪間座13と押さえ部81aとの間に挟まれている第1熱流束センサ7aと比べて、内輪間座14から外輪間座13に向かう熱流束の変化を速やかに検出することができる。なお、上述のように内輪回転として設けられている軸受装置のハウジング18には、一般的に、冷却媒体が流通する図示しない冷却路が設けられている。そのため、内輪4a,4bおよび内輪間座14は、外輪2a,2bおよび外輪間座13と比べて、温度が高くなる傾向がある。この場合、外輪間座13の上記第1内径面を通過する熱流束の向きは、内輪間座14から外輪間座13に向かう方向となる。
上記軸受装置100では、押さえ部81aは、上記径方向において検出部71aと重なるように配置されている第1部分83aと、上記径方向から視て第1部分83aを挟むように配置されている第2部分84aおよび第3部分85aとを有している。固定部82aは、第2部分84aを外輪間座13に固定する第1固定部分と、第3部分85aを外輪間座13に固定する第2固定部分とを有する。第2部分84aおよび第3部分85aは、上記周方向において第1熱流束センサ7aの隣接部72aを挟むように配置されている。
このような第1固定部材8aは、押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aの一方のみが外輪間座13に固定される第1固定部材8aと比べて、第1熱流束センサ7aの脱離または移動を抑制することができる。
上記軸受装置100は、第1軸受1aに対して背面組み合わせとされた第2軸受1bと、第2熱流束センサ7bと、外輪間座13に第2熱流束センサ7bを固定する第2固定部材8bとをさらに備える。第2軸受1bは、第1軸受1aと同様の構成を有している。第2熱流束センサ7bは、第1熱流束センサ7aと同様の構成を有している。第2固定部材8bは、第1固定部材8aと同様の構成を有している。
そのため、ハウジング18による第2軸受1bの支持剛性の上記周方向の異方性も、上記特許文献1に記載の監視装置におけるそれと比べて、低減されている。さらに、第1熱流束センサ7aが潤滑油に曝されるときには第2熱流束センサ7bも潤滑油に曝されるが、第2熱流束センサ7bも脱離しにくい。また、第2軸受1bに発熱が生じた場合、第1熱流束センサ7aよりも第2軸受1bの近くに配置された第2熱流束センサ7bが、当該発熱に伴う熱流束の変化を速やかに検出することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置100と基本的に同様の構成を備えるが、押さえ部81aが複数の第1凸部86aを有している点で異なる。図4および図5に示されるように、複数の第1凸部86aは、第1熱流束センサ7aの検出部71aよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出しており、かつ上記周方向において検出部71aを挟むように配置されている。
異なる観点から言えば、押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aは、上記軸方向に沿って延びるように配置されており、かつ上記周方向において検出部71aを挟むように配置されている。押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aは、第1熱流束センサ7aの検出部71aよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出している。複数の第1凸部86aは、押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aにより構成されている。
押さえ部81aは、例えば第1熱流束センサ7aの検出部71aに対して、押さえ部81aの第1部分83aとは反対側に配置された第4部分87aを有している。第4部分87aは、第1凸部86aとして構成された第2部分84aと第3部分85aとを接続するように設けられている。異なる観点から言えば、押さえ部81aは、上記径方向において検出部71aの第2検出面に対して突出しており、かつ上記径方向から視て検出部71aを囲むように設けられている。押さえ部81aの平面形状は、例えば四角環状である。上記径方向から視た押さえ部81aの四隅には、固定部82aを挿通させるための貫通孔が設けられている。固定部82aは、上記4つの貫通孔の各々に挿通されて、外輪間座13に固定される第1固定部分、第2固定部分、第3固定部分、および第4固定部分を有する。
実施の形態2に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるため、実施の形態1に係る軸受装置と同様の効果を奏することができる。
また、主軸17が高速で回転する場合、外輪間座13と内輪間座14との間には上記周方向に沿った空気、潤滑油等の流れが生じる。検出部71aがこのような流れに曝されると、第2検出面の温度が低下し、第1熱流束センサ7aの検出精度が低下するおそれがある。特に、主軸17の回転速度が変化する場合には、上記流れの速度も変化するため、上記流れが第1熱流束センサ7aの検出精度に与える影響度も変化する。
これに対し、実施の形態2に係る軸受装置では、第1凸部86aが、検出部71aに向かう上記流れに対する風防部として作用する。そのため、実施の形態2に係る軸受装置では、このような風防部を備えない軸受装置100と比べて、上記流れに伴う第1熱流束センサ7aの検出精度の低下がさらに抑制されている。
なお、第2固定部材8bは、例えば上述した第1固定部材8aと同様の構成を有している。押さえ部81bは、複数の第1凸部86bを有している。複数の第1凸部86bは、第2熱流束センサ7bの検出部71bよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出しており、かつ上記周方向において検出部71bを挟むように配置されている。異なる観点から言えば、押さえ部81bの第2部分84bおよび第3部分85bは、上記軸方向に沿って延びるように配置されており、かつ上記周方向において検出部71bを挟むように配置されている。押さえ部81bの第2部分84bおよび第3部分85bは、検出部71bよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出している。複数の第1凸部86bは、押さえ部81bの第2部分84bおよび第3部分85bにより構成されている。
このような実施の形態2に係る軸受装置では、第1凸部86bが、検出部71bに向かう上記流れに対する風防部として作用するため、軸受装置100と比べて、上記流れに伴う第2熱流束センサ7bの検出精度の低下も抑制されている。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る軸受装置は、実施の形態2に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるが、図6および図7に示されるように、押さえ部81aが複数の第1凸部86aおよび複数の第2凸部88aを有している点で異なる。
複数の第2凸部88aは、上記径方向において第1凸部86aよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出しており、かつ上記周方向において検出部71aを挟むように配置されている。各第2凸部88aの上記周方向の幅は、第1凸部86aの上記周方向の幅未満である。つまり、複数の第1凸部86aおよび複数の第2凸部88aは、2段の風防部として構成されている。
押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aは、上記軸方向に沿って延びるように配置されており、かつ上記周方向において検出部71aを挟むように配置されている。押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aは、第1熱流束センサ7aの検出部71aよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出している。複数の第1凸部86aは、押さえ部81aの第2部分84aおよび第3部分85aにより構成されている。
1つの第2凸部88aは、第1凸部86aとしての第2部分84aに接続されており、第2部分84aに対して内輪間座14側に向けて突出している。他の第2凸部88aは、第1凸部86aとしての第3部分85aに接続されており、第3部分85aに対して内輪間座14側に向けて突出している。各第2凸部88aは、例えば上記周方向において検出部71aから最も離れた第2部分84aおよび第3部分85aの各端部に接続されている。
各第2凸部88aは、例えば第1凸部86aの上記軸方向の一端から他端にまで延びるように設けられている。各第2凸部88aの上記径方向の幅(厚み)は、例えば第1凸部86aの上記径方向の幅(厚み)以上である。固定部82aは、上記周方向において複数の第2凸部88aの間に配置されている。
実施の形態3に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるため、実施の形態1に係る軸受装置と同様の効果を奏することができる。
さらに実施の形態3に係る軸受装置では、第1凸部86aおよび第2凸部88aが検出部71aに向かう上記流れに対する風防部として作用するため、軸受装置100と比べて、上記流れに伴う第2熱流束センサ7bの検出精度の低下も抑制されている。また、実施の形態3に係る軸受装置では、第1凸部86aおよび第2凸部88aが2段の風防部として作用するため、実施の形態2に係る軸受装置と比べて、上記流れに伴う第2熱流束センサ7bの検出精度の低下がさらに効果的に抑制されている。
なお、第2固定部材8bは、例えば上述した第1固定部材8aと同様の構成を有している。押さえ部81bは、複数の第1凸部86bおよび複数の第2凸部88bを有している。複数の第2凸部88bは、上記径方向において第1凸部86bよりも外輪間座13から離れる側に向けて突出しており、かつ上記周方向において検出部71bを挟むように配置されている。各第2凸部88bの上記周方向の幅は、第1凸部86bの上記周方向の幅未満である。つまり、複数の第1凸部86bおよび複数の第2凸部88bは、2段の風防部として構成されている。
このような実施の形態3に係る軸受装置では、第1凸部86bおよび第2凸部88bが検出部71bに向かう上記流れに対する風防部として作用するため、軸受装置100と比べて、上記流れに伴う第2熱流束センサ7bの検出精度の低下も抑制されている。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるが、図8に示されるように、押さえ部81aが固定部82aによって外輪間座13の上記第1端面13bに固定されている点で異なる。
押さえ部81aは、上記軸方向において外輪間座13の第2面と第1軸受1aとの間に配置されている被固定部分89aをさらに有している。被固定部分89aは、押さえ部81aにおいて上記径方向において外輪間座13の第1内径面と内輪間座14の外径面との間に配置されている部分に接続されている。被固定部分89aは、例えば押さえ部81aにおいて第1部分83a以外の他の部分に接続されている。図8に示されるように、被固定部分89aは、例えば第1凸部86aとして構成されている第2部分84aおよび第3部分85aの上記軸方向の端部に接続されている。なお、被固定部分89aは、例えば図4に示される第4部分87aの上記軸方向の端部に接続されていてもよい。
被固定部分89aには、少なくとも1つの貫通孔が形成されている。被固定部分89aには、例えば複数の貫通孔が形成されている。押さえ部81aは、被固定部分89aに形成された上記貫通孔の孔軸が上記軸方向に沿うように配置されている。固定部82aは、被固定部分89aに形成された上記貫通孔に挿通されて、外輪間座13の第1端面13bに固定される。
第2固定部材8bは、例えば上述した第1固定部材8aと同様の構成を有している。押さえ部81bは、上記軸方向において外輪間座13の第2面と第1軸受1aとの間に配置されている被固定部分89bをさらに有している。被固定部分89bは、押さえ部81bにおいて上記径方向において外輪間座13の第1内径面と内輪間座14の外径面との間に配置されている部分に接続されている。被固定部分89bは、例えば第1凸部86bとして構成されている第2部分84bおよび第3部分85bの上記軸方向の端部に接続されている。
被固定部分89bには、少なくとも1つの貫通孔が形成されている。被固定部分89bには、例えば複数の貫通孔が形成されている。押さえ部81bは、被固定部分89bに形成された上記貫通孔の孔軸が上記軸方向に沿うように配置されている。固定部82bは、被固定部分89bに形成された上記貫通孔に挿通されて、外輪間座13の第2端面13cに固定されている。
実施の形態4に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるため、実施の形態1に係る軸受装置と同様の効果を奏することができる。また、実施の形態4に係る軸受装置では、固定部82aおよび固定部82bが外輪間座13と内輪間座14との間に配置されないため、外輪間座13と内輪間座14との間の上記径方向の距離が比較的短い軸受装置に好適である。
(実施の形態5)
実施の形態5に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるが、図9および図10に示されるように、外輪間座13の内輪間座14と対向する対向面に対して凹状である溝部13iが形成されており、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bが溝部13iの内部に配置されている点で異なる。
溝部13iは、外輪間座13の第1環状部分131の第1内径面に対して凹状に設けられている。溝部13iは、例えば第1環状部分131の上記軸方向の一方の端面から他方の端面にまで達するように設けられている。溝部13iの底面は、例えば上記径方向に垂直な平面として設けられている。
第1熱流束センサ7a、第2熱流束センサ7b、第1固定部材8a、および第2固定部材8bは、溝部13iの内部に配置されている。言い換えると、図7に示されるように、軸受装置を上記軸方向から視たときに、第1熱流束センサ7a、第2熱流束センサ7b、第1固定部材8a、および第2固定部材8bは、図7において点線で示される第1環状部分131の上記第1内径面の仮想延長線と溝部13iの底面との間に配置されている。つまり、溝部13iの上記径方向の深さD1(図7参照)は、溝部13iの底面に対する固定部82a,82bの最大高さH1以上である。
第1熱流束センサ7a、第2熱流束センサ7b、第1固定部材8aおよび第2固定部材8bの上記周方向の各中心は、例えば溝部13iの上記周方向の中心と上記径方向に重なるように配置されている。ケーブル6が挿通される貫通孔13hは、溝部13iの底面に開口している。
実施の形態5に係る軸受装置では、外輪間座13において溝部13iと上記周方向に隣接する段差部が、検出部71aに向かう上記流れに対する風防部として作用する。そのため、実施の形態5に係る軸受装置では、このような風防部を備えない軸受装置100と比べて、上記流れに伴う第1熱流束センサ7aの検出精度の低下が抑制されている。
(実施の形態6)
図11に示されるように、実施の形態6に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるが、外輪間座13が上記径方向において外輪2aと内輪4aとの間に配置されている突出部134をさらに含み、第1熱流束センサ7aの検出部71aが上記径方向において内輪4aと突出部134との間に配置されている点で異なる。
外輪間座13は、上記軸方向において第1軸受1aの外部に配置されている本体部として、上述した第1環状部分131、第2環状部分132、および第3環状部分133を有している。第1環状部分131、第2環状部分132、および第3環状部分133は、例えば一体として構成されている。突出部134は、上記本体部に接続されて、固定されている。
突出部134は、上記周方向に延在する環状形状を有している。突出部134は、第1環状部分131の上記第1端面13bおよび第2環状部分132の上記第2内径面13dに接続されている。突出部134は、上記軸方向において上記第3端面13eに対して軸受1a側に突出している。突出部134は、上記径方向において内輪4aおよび内輪間座14の各外径面に対向する第3面134aを有している。第3面134aは、第1環状部分131の第1内径面13aと連なるように設けられている。上記軸方向において第1軸受1a側に位置する突出部134および第3面134aの各端部は、例えば上記径方向において内輪4aと保持器5aとの間に配置されている。
第1熱流束センサ7aは、検出部71aの第1検出面が第3面134aに接しており、かつその第2検出面が上記径方向において内輪4aに対向するように配置されている。隣接部72aは、例えば第1環状部分131と押さえ部81aとの間に挟まれている。固定部82aは、例えば第1環状部分131に固定されている。なお、隣接部72aは、突出部134と押さえ部81aとの間に挟まれていてもよい。固定部82aは、突出部134に固定されていてもよい。
実施の形態6に係る軸受装置は、実施の形態1に係る軸受装置と基本的に同様の構成を備えるため、実施の形態1に係る軸受装置と同様の効果を奏することができる。
さらに、実施の形態6に係る軸受装置では、実施の形態1に係る軸受装置100と比べて、検出部71aが第1軸受1aの近くに配置されているため、第1熱流束センサ7aが第1軸受1a内での発熱に伴う熱流束の変化をより早期に検出することができる。
外輪間座13は、例えば上記径方向において外輪2bと内輪4bとの間に配置されている突出部135をさらに含む。突出部135は、突出部134を基本的に同様の構成を有している。突出部135は、第1環状部分131の上記第2端面13cおよび第3環状部分133の上記第3内径面13fに接続されている。突出部135は、上記軸方向において上記第4端面13gに対して軸受1b側に突出している。突出部135は、上記径方向において内輪4bおよび内輪間座14の各外径面に対向する第3面135aを有している。
第2熱流束センサ7bは、検出部71bの第1検出面が第3面135aに接しており、かつその第2検出面が上記径方向において内輪4bに対向するように配置されている。隣接部72bは、例えば第1環状部分131と押さえ部81bとの間に挟まれている。固定部82bは、例えば第1環状部分131に固定されている。なお、隣接部72bは、突出部135と押さえ部81bとの間に挟まれていてもよい。固定部82bは、突出部135に固定されていてもよい。
なお、実施の形態6に係る軸受装置は、実施の形態2〜5に係る軸受装置のいずれかと基本的に同様の構成を有していてもよい。
(変形例)
図12に示されるように、実施の形態1〜6に係る軸受装置は、上記周方向において互いに間隔を隔てて配置されている複数の第1熱流束センサ7aと、上記周方向において互いに間隔を隔てて配置されている複数の第1固定部材8aとを備えていてもよい。各第1熱流束センサ7aは、実施の形態1〜6のいずれかにおける第1熱流束センサ7aと同等の構成を有している。各第1固定部材8aは、実施の形態1〜6のいずれかにおける第1固定部材8aと同等の構成を有している。各第1熱流束センサ7aは、例えば異なる第1固定部材8aによって外輪間座13に固定されている。なお、複数の第1熱流束センサ7aは、例えば1つの第1固定部材8aによって外輪間座13に固定されていてもよい。図12は、実施の形態3に係る軸受装置が複数の第1熱流束センサ7aおよび複数の第1固定部材8aを備える構成例を示している。複数の第1熱流束センサ7aは、例えば上記周方向において互いに等間隔に配置されている。
このような軸受装置は、複数の第1熱流束センサ7aによって第1軸受1aの近傍の熱流束分布を監視することができるため、第1軸受1aの発熱をより高精度にかつより速やかに検出することができる。なお、上記軸受装置は、上記周方向において互いに間隔を隔てて配置されている複数の第2熱流束センサ7bと、上記周方向において互いに間隔を隔てて配置されている複数の第2固定部材8bとを備えていてもよい。
図13に示されるように、実施の形態1〜6に係る軸受装置は、熱流束センサ以外に、第1軸受1aおよび第2軸受1bの状態変化を検出するためのセンサ、例えば温度センサ、加速度センサ、および荷重センサの少なくともいずれか、をさらに備えていてもよい。図13は、実施の形態1に係る軸受装置が、接触式温度センサとして構成された第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bを備える構成例を示している。第1温度センサ9aは、第1軸受1aの温度上昇を検出するように設けられている。第2温度センサ9bは、第2軸受1bの温度上昇を検出するように設けられている。第1温度センサ9aと第2温度センサ9bとは、基本的に同様の構成を備えている。
第1温度センサ9aは、外輪2aに接触して外輪2aの温度を測定する接触式検温部91aを有している。接触式検温部91aは、例えば外輪2aの上記軸方向の端面に接するように設けられており、具体的には外輪間座13において外輪2aに接している第3端面13eに連なるように設けられている。第1温度センサ9aの接触式検温部91a以外の残部は、例えば外輪間座13の内部に埋め込まれている。第1温度センサ9aは、接触式検温部91aの検出結果を軸受装置100の外部に出力するためのケーブル26と接続されている。ケーブル26は、例えば貫通孔13hと、上記貫通孔13hに連なるように設けられた貫通孔13jとに通されている。
このような軸受装置では、第1熱流束センサ7aの検出結果と、第1温度センサ9aの検出結果とに基づいて、第1軸受1aの発熱を検出することができる。
なお、第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bは、例えば放射温度計等の非接触式温度センサであってもよい。この場合、第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bは非接触式検温部を有している。第1温度センサ9aの非接触式検温部は、例えば第1環状部分131の上記第1端面13bに露出するように設けられている。第2温度センサ9bの非接触式検温部は、例えば第1環状部分131の上記第2端面13cに露出するように設けられている。
図14に示されるように、実施の形態1〜6に係る軸受装置は、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bの各検出結果を軸受装置の外部にワイヤレス送信するための送信部28をさらに備えていてもよい。図14は、実施の形態1に係る軸受装置が、送信部28を備える構成例を示している。送信部28は、ケーブル6を介して第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bに接続されている。送信部28は、例えば外輪間座13の外径面とハウジング18の内径面との間に配置されている。例えば、外輪間座13の外径面には凹部が設けられており、送信部28は該凹部内に配置されている。
上記軸受装置が第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bを備える場合、送信部28は、第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bの各検出結果も軸受装置の外部にワイヤレス送信するように設けられていてもよい。この場合、送信部28は、ケーブル26を介して第1温度センサ9aおよび第2温度センサ9bに接続されている。軸受装置の外部には、送信部28から送信された信号を受信するための受信部が設けられている。受信部は、例えばハウジング18の外部に配置されている。
図14に示されるように、上記軸受装置は、送信部28に電力を供給するための給電部29をさらに備えていてもよい。給電部29は、例えば給電ケーブル30を介して送信部28に接続されている。給電部29は、例えば外輪間座13の外径面に設けられた凹部内に配置されている。給電部29は、例えばバッテリであってもよいし、振動または温度差等によって発電する自己発電ユニットであってもよい。
また、実施の形態1〜6に係る軸受装置は、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bの出力を加工処理する処理部を備えていてもよい。該処理部は、例えば第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bの出力からノイズ成分の除去、アナログ−デジタル変換、および変調等の処理を行なうように設けられている。
また、実施の形態1〜6に係る軸受装置では、検出部71aおよび検出部71bに撥油処理が施されていてもよい。また、実施の形態1〜6に係る軸受装置では、第1熱流束センサ7aの全体を覆う保護部が設けられていてもよい。保護部を構成する材料は、好ましくは電気的絶縁性および潤滑油に対する耐久性を有する任意の樹脂材料である。保護部は、例えばモールド成形されたモールド材である。このようにすれば、検出部71aおよび第1熱流束センサ7aとケーブル6との接続部が潤滑油に曝されないため、保護膜を備えない軸受装置と比べて、第1熱流束センサ7aの出力に対する潤滑油の影響が低減される。なお、第2熱流束センサ7bにも、第1熱流束センサ7aと同様の保護部が設けられていてもよい。
実施の形態1〜6に係る軸受装置では、押さえ部81aが第1熱流束センサ7aの全体を覆う保護部として構成されていてもよい。異なる観点から言えば、上記保護部は、実施の形態1〜6のいずれかの押さえ部81aを成すように設けられていてもよい。また、上記保護部は、第1熱流束センサ7aおよび外輪間座13と一体としてモールド成形されていてもよい。この場合、保護部は、押さえ部81aを成すとともに、固定部82aを成すように設けられている。異なる観点から言えば、第1固定部材8aは、押さえ部81aと固定部82aとが一体として構成されていてもよい。このような軸受装置では、第1熱流束センサ7aが外輪間座13に対して強固に固定されているとともに、保護膜を備えない軸受装置と比べて、第1熱流束センサ7aおよび第2熱流束センサ7bの出力に対する潤滑油の影響が低減される。なお、第2熱流束センサ7bにも、第1熱流束センサ7aと同様の保護部が設けられていてもよい。
また、実施の形態1〜6に係る軸受装置において、第1熱流束センサ7aは、外輪間座13と第1固定部材8aとによって挟まれて固定されている限りにおいて、接着剤によって外輪間座13または第1固定部材8aに接着されていてもよい。言い換えると、実施の形態1〜6に係る軸受装置において、接着剤は第1熱流束センサ7aを外輪間座13に固定する補助的な固定部材として使用されていてもよい。この場合、当該接着剤の耐久性が潤滑油によって低下しても、第1熱流束センサ7aは外輪間座13と第1固定部材8aとの間に挟まれて固定されているため、外輪間座13からの第1熱流束センサ7aの脱離が抑制されている。また、このようにすれば、外輪間座13および第1固定部材8aのうちの一方に予め接着された第1熱流束センサ7aをその他方との間で容易に挟むことができるため、補助的な固定部材として接着剤を使用しない場合と比べて、軸受装置の製造方法の作業性が向上する。同様に、第2熱流束センサ7bは、外輪間座13と第2固定部材8bとによって挟まれて固定されている限りにおいて、接着剤によって外輪間座13または第2固定部材8bに接着されていてもよい。
また、実施の形態1〜6に係る軸受装置は、外輪2a,2bが回転輪、内輪4a,4bが固定輪、外輪間座13が回転側間座、内輪間座14が固定側間座として構成されていてもよい。この場合、第1熱流束センサ7aは固定側間座としての内輪間座14と第1固定部材8aとの間に挟まれて固定されていればよい。同様に、第2熱流束センサ7bは、内輪間座14と第1固定部材8aとの間に挟まれて固定されていればよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a 第1軸受、1b 第2軸受、2a,2b 外輪、3a 玉、4a,4b 内輪、5a 保持器、6,26 ケーブル、7a 第1熱流束センサ、7b 第2熱流束センサ、8a 第1固定部材、8b 第2固定部材、9a 第1温度センサ、9b 第2温度センサ、13 外輪間座、13a 第1内径面、13b 第1端面、13c 第2端面、13d 第2内径面、13e 第3端面、13f 第3内径面、13g 第4端面、13h,13j,18h 貫通孔、13i 溝部、14 内輪間座、17 主軸、18 ハウジング、28 送信部、29 給電部、30 給電ケーブル、71a,71b 検出部、72a,72b 隣接部、81a,81b 押さえ部、82a,82b 固定部、83a 第1部分、84a,84b 第2部分、85a,85b 第3部分、86a,86b 第1凸部、87a 第4部分、88a,88b 第2凸部、89a,89b 被固定部分、91a 接触式検温部、100 軸受装置、131 第1環状部分、132 第2環状部分、133 第3環状部分、134,135 突出部、134a,135a 第3面。

Claims (10)

  1. 第1軌道面を有する固定輪と、前記固定輪の径方向において前記第1軌道面と間隔を隔てて配置されている第2軌道面を有する回転輪と、前記第1軌道面と前記第2軌道面との間に配置される複数の転動体とを含む転がり軸受と、
    前記転がり軸受の軸方向において前記固定輪に隣接している固定側間座と、
    前記軸方向において前記回転輪に隣接し、かつ前記径方向において前記固定側間座と間隔を隔てて配置されている回転側間座と、
    熱流束を検出する熱流束センサと、
    前記固定側間座に前記熱流束センサを固定する固定部材とを備え、
    前記固定側間座は、前記回転側間座と前記径方向に対向する第1面を有し、
    前記固定部材は、前記熱流束センサに対して前記固定側間座の前記第1面とは反対側に配置されて前記熱流束センサと接する押さえ部と、前記押さえ部を前記固定側間座に固定する固定部とを含む、軸受装置。
  2. 前記熱流束センサは、熱流束を検出する検出部と、前記検出部に隣接する隣接部とを含み、
    前記熱流束センサでは、前記隣接部のみが、前記固定側間座と前記押さえ部との間に挟まれている、請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記固定部材は、前記径方向において前記検出部よりも前記固定側間座から離れる側に向けて突出し、かつ前記固定側間座の周方向において前記検出部を挟むように配置された複数の第1凸部を有している、請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記固定部材は、前記径方向において前記第1凸部よりも前記固定側間座から離れる側に向けて突出し、かつ前記周方向において前記検出部を挟むように配置された複数の第2凸部を有している、請求項3に記載の軸受装置。
  5. 前記固定側間座は、前記軸方向に交差する第2面をさらに有し、
    前記押さえ部は、前記軸方向において前記固定側間座の前記第2面と前記転がり軸受との間に配置されている被固定部分を有しており、
    前記固定部は、前記被固定部分を前記第2面に固定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受装置。
  6. 前記固定側間座は、
    前記軸方向において前記転がり軸受の外部に配置されている本体部と、
    前記本体部から前記固定輪と前記回転輪との間に延びている突出部とを含み、
    前記突出部は、前記第1面と連なり前記回転輪と前記径方向に対向する第3面を有し、
    前記検出部の少なくとも一部は、前記第3面に接するように設けられている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の軸受装置。
  7. 前記本体部と前記突出部とは、別体として設けられている、請求項6に記載の軸受装置。
  8. 前記第1面には溝部が形成されており、
    前記熱流束センサおよび前記固定部材は、前記溝部内に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の軸受装置。
  9. 前記熱流束センサの出力を外部に送信する送信部と、
    前記送信部に給電する給電部とをさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の軸受装置。
  10. 複数の前記熱流束センサと、
    複数の前記固定部材とをさらに備え、
    前記複数の熱流束センサは、前記固定側間座の周方向において互いに間隔を隔てて配置されており、
    前記複数の固定部材は、前記周方向において互いに間隔を隔てて配置されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の軸受装置。
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