JP4037615B2 - 凝集条件決定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
少なくとも高分子凝集剤を利用する凝集処理の条件決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より河川水、湖沼水等の表流水を原水とする浄水処理あるいは工業用水や排水の処理において、凝集沈殿処理が広く採用されている。
【0003】
この凝集沈殿処理では、原水に凝集剤を添加して急速攪拌した後、緩速攪拌を行いフロックを粗大化する。そして、その後沈殿槽で沈殿処理することで、清澄な上澄み水(凝集沈殿処理水)を得る。また、この凝集沈殿処理水については、通常ろ過処理を行い、さらに固形物を除去している。
【0004】
また、凝集剤としては、アルミ系や鉄系の無機凝集剤(例えば、PAC(ポリ塩化アルミニウム))が広く利用されているが、これに加えて高分子凝集剤を添加することも行われている。高分子凝集剤を添加することで、フロックを粗大化して沈降速度を大きくすることができる。
【0005】
ここで、凝集沈殿処理において重要なのは適切な凝集を行うことであり、凝集剤添加量、攪拌強度、攪拌時間などの凝集条件を適切なものとしなければならない。
【0006】
このために、通常の場合、水処理用ジャーテスタによって凝集テストを行い、凝集条件を決定している。この水処理用ジャーテスタでは、撹拌強度、時間を変更することは可能であり、凝集剤添加量、攪拌強度、攪拌時間を変更して、凝集実験を行う。また、ジャーテスタに濁度計等の水質測定装置を組み合わせれば、試料水の濁度と静置後の濁度(上澄水濁度)を測定し、最適な凝集条件を決定することは可能である。
【0007】
ここで、一般的にジャーテストでは、上澄水水質かジャーテスト後のろ過水を測定し、その結果から最適な凝集条件(撹拌時間、撹拌強度、pH、凝集剤注入率、高分子注入率、その他助剤注入率)を決定する。一方、凝集沈殿後にろ過処理を行う場合には、最終的に重要なのは、ろ過水水質であって上澄水水質ではない。しかし、通常であれば、上澄水水質が良好であれば、ろ過水水質も良好であると予測可能なため、ろ過水水質の測定を行わない場合が多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らは各種の実験の結果、ジャーテストの上澄水水質のみでは、ろ過水質やろ過抵抗等のろ過処理への影響について予測が出来ないことを発見した。つまり、高分子凝集剤を用いたジャーテストでは、ろ過処理まで行って、水質を評価する必要がある。しかも、ろ紙等による評価では、砂ろ過を十分に再現できないため、小型の砂ろ過カラム等による評価が必要である。しかし、小型化した砂ろ過カラムの製作は容易でなく、特に砂ろ過層の支持や、ろ過層周囲に沿った短絡の防止など各種の問題があり実際の砂ろ過装置を模擬することは難しかった。
【0009】
また、実際の凝集状態を判断するためには、無機凝集剤および高分子凝集剤注入率に加え、攪拌(特に急速撹拌)の強度を最適化する必要がある。このため、多数の凝集条件について、試験する必要があり、このためには多数の小型砂ろ過カラムが必要になる。このため、ろ過処理まで考慮して、最適凝集条件を決定することは非常に困難である。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、適切な凝集条件を決定できる凝集条件決定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、凝集沈殿処理における適切な凝集条件を決定する方法において、原水である試料水に少なくとも有機高分子凝集剤を添加して急速攪拌した後、緩速攪拌混合するとともに、この緩速攪拌中の試料水の濁度を計測し、さらに緩速攪拌後、攪拌を停止して試料水を静置して、フロックを沈殿させた上澄み水の濁度を測定し、さらに試料水の濁度を測定し、これらの計測結果に基づいて有機高分子凝集剤の添加量をなるべく少なくして、原水濁度を100%として、攪拌濁度が50%以上であり、かつ静置濁度が1度未満となるような条件を検出し、有機高分子凝集剤の注入率及び急速攪拌強度のうち少なくとも1つを決定することを特徴とする。
【0012】
このように、攪拌中の濁度は、高分子凝集剤の攪拌状態を表しており、この攪拌中の濁度を用いることによって、高分子凝集剤の攪拌強度について判断が行え、適切な凝集条件を決定することができる。
【0013】
また、緩速攪拌後、攪拌を停止して試料水を静置して、フロックを沈殿させた上澄み水の濁度を測定し、この測定結果も考慮することが好適である。静置後の上澄み水の濁度により、凝集剤添加量の不足、攪拌強度が強すぎるなどの凝集条件を判定することができる。
【0014】
また、試料水の濁度を測定し、この検出値も考慮することが好適である。原水濃度によっても、凝集条件は変動するため、原水濁度を考慮することでより適切な凝集条件を決定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るジャーテスタの構成を示す図である。容器10は、上部が開放され、内部に試料水を保持することができる。また、容器10内には、無機凝集剤、高分子凝集剤が供給できるようになっており、また洗浄水も供給できるようになっている。無機凝集剤、高分子凝集剤は、試験条件に応じて適切な量が供給される。試料水の投入、凝集剤の添加などは、人手によって行ってもよいが、注入ポンプ、バルブ、流量計などを設け自動的に行ってもよい。
【0018】
また、容器10は、断面正方形の筒状であり、その底部が傾斜し最低部に排水用の排水バルブ12が設けられている。さらに、容器10内の上部には溢流排水バルブ16が設けられており、この溢流排水バルブ16を開いておくことで、容器10内試料水水位を溢流排水バルブ16位置に設定することができる。なお、容器10を円筒状とすることも好適である。
【0019】
容器10には、攪拌装置14が配置されている。この攪拌装置14は、容器10内のほぼ中心部に位置する攪拌翼14aと、容器10上に設けられ攪拌翼14aを回転させるためのモータ14bを有しており、この攪拌強度が調整可能になっている。図示は省略したが、例えばモータ14bへの供給電圧を変更することで攪拌強度を変更することができる。
【0020】
そして、容器10内の上部には濁度計18が配置されている。この位置は、例えば容器10内の試料水面から5cm下(水深5cm)にしてある。また、濁度計18の出力は、記録表示装置20に供給され、ここに表示されるとともに、必要なデータについては記憶され、適宜出力可能になっている。
【0021】
このようなジャーテスタにより、凝集条件についての試験を行う場合には、まず排水バルブ12を閉じた状態で、試料水を容器10内に流入する。このとき溢流バルブ16を開いておくことで、容器10内試料水位が一定位置になる。その後、溢流バルブ16を閉じ、攪拌機14を駆動し、所定の攪拌強度にした状態で濁度計18により試料水の濁度を検出記憶しておく。なお、濁度は必ずしも容器10内の試料水について計測しなくてもよく、また攪拌中でなくてもよい。
【0022】
次に、攪拌中の試料水に無機凝集剤を注入し、その後高分子凝集剤を注入する。ここで、この攪拌は急速攪拌である。ここで、無機凝集剤注入量、高分子凝集剤注入量、急速攪拌強度、攪拌時間は、実験条件として予め設定しておいたものである。
【0023】
そして、所定時間の急速攪拌の後、攪拌強度を下げ、緩速攪拌を行う。ここで、この緩速攪拌中において、濁度計18によって緩速攪拌中の試料水上部の濁度を測定して記録表示装置20に記憶する。次に、攪拌を停止し、試料水を静置して、凝集フロックを沈殿させる。そして、この沈殿上澄み水の濁度を濁度計18で測定して記録表示装置20に記憶する。なお、攪拌中の濁度検出タイミングとしては、緩速攪拌の終了直前の1点としてもよいが、ある程度の期間において複数の測定値を得たり連続的な測定値を得、これらの平均値をとることが好適である。これらの処理は、記録表示装置20において容易に行うことができる。
【0024】
このようにして、原水濁度、攪拌濁度、静置濁度の3つの濁度が濁度計18によって測定され、記録表示装置20に記憶される。そして、原水濁度を100%として、攪拌濁度が50%以上であり、かつ静置濁度が1度未満となるような条件を検出する。なお、高分子凝集剤の添加量はなるべく少なく設定する。また、原水濁度が2度以下の場合には、上述のような条件が適切でない場合も多い。
【0025】
ここで、この試験は、基本的に高分子凝集剤の添加量および急速攪拌強度を設定することを目的としている。従って、無機凝集剤の注入量は従前の通りのジャーテスト試験等によって決定すればよく、緩速攪拌強度、静置時間なども通常の場合と同様に決定し、一定値としておく。
【0026】
そして、高分子凝集剤注入量および急速攪拌強度について、所定の範囲で変更して、最適条件を検出する。特に、本実施形態では、攪拌濁度を検出する。これは、攪拌が弱く高分子凝集剤混合後のフロックが粗大化した場合、水中の濁度成分の凝集が十分でなく、ろ過処理が十分効率的に行えないからである。
【0027】
本実施形態によれば、攪拌濁度が所定以上であることで急速攪拌強度の不足を検出することができる。また、急速攪拌強度の過剰は静置濁度の上昇によって検出できる。さらに、高分子凝集剤の添加量不足は静置濁度の上昇によって検出できる。従って、高分子凝集剤の添加量をなるべく少なくして、原水濁度を100%として、攪拌濁度が50%以上であり、かつ静置濁度が1度未満となるような条件を検出することで、最適凝集条件を決定することができる。
【0028】
なお、濁度計18は、透過光方式または水中散乱方式のものを用いることができ、例えば投げ込み式のものが採用できる。しかし、容器10内上部の試料水濁度を測定できれば、どのような形式のものでもよい。ただし、測定セルに採取して濁度検出を行うと、セル内において濁質が沈殿してしまう。このため、攪拌中の濁度を容器10内で計測することが好ましい。
【0029】
また、試験が終了した場合には、排水バルブ12を開き、容器10内の試料水を排水し、洗浄水によって容器内部を洗浄して次の試験に備える。
【0030】
図2に、一般的な浄水場における処理フローを示す。このように、原水は、無機凝集剤混和槽30に導入され、ここで無機凝集剤(例えばPAC)が混合される。次に、高分子凝集剤混和槽32に導入され、ここで高分子凝集剤が混合される。これら無機凝集剤混和槽30、高分子凝集剤混和槽32には攪拌装置が設けられており、急速攪拌により凝集剤が原水に混合される。そして、凝集剤が混合された凝集剤混合水はフロック形成池34に導入され、ここで緩速攪拌によりフロック形成が促進される。
【0031】
フロック形成池34からの水は沈殿池36に導入され、ここで静置されフロックが沈殿される。この沈殿池36の上澄み水は、ろ過器38に導入され、ここでろ過処理され、ろ過処理水が処理水タンク40に貯留され、消毒処理を受けた後配水される。ろ過器38は、内部にアンスラサイトや、ケイ砂などのろ過層が設けられており、このろ過層によって微細な固形物が除去される。なお、ろ過器38は、ろ過能力が落ちた場合に、ろ過処理水をろ過層に逆流させ、適宜逆洗されるようになっている。
【0032】
本実施形態のジャーテスタによれば、高分子凝集剤混和層32における高分子凝集剤の添加量および攪拌強度について適切な条件(凝集条件)を検出できる。特に、この凝集条件は、ろ過器38によるろ過処理も考慮した条件である。そこで、凝集沈殿処理だけのための凝集条件ではなく、実際の浄水場における処理において適切な凝集条件を決定することができる。特に、本実施形態のジャーテスタでは、小型の砂ろ過器などを設けることなく、ろ過も含めたフローにおいて最適な凝集条件を決定することができる。
【0033】
特に、本実施形態によれば、浄水処理に高分子凝集剤を用いる場合の最適凝集条件の把握を短時間で、かつ砂ろ過カラムを用いることなく、確実に行うことができる。
【0034】
【実施例】
「実施例1(従来のジャーテスタを併用する場合)」
実施例1では、実際の浄水場にて、無機凝集剤注入率、高分子凝集剤注入率、高分子凝集剤撹拌強度の調整のためのジャーテストを行った。既存の浄水場では、通常処理水量が決まっているので、処理に要する時間も決まっている。従って、ジャーテストの時間に関する項目は一定とした。
【0035】
(i)従来のジャーテストの条件
・無機凝集剤撹拌時間:3min、高分子凝集剤撹拌時間:5min、緩速撹拌時間:10min、静置:15min
(ii)従来のジャーテスタの仕様
・一般的なものとして、6連式、1Lビーカー使用、撹拌強度:G値150(1/sec)
(iii)本ジャーテスタの仕様
・1槽式、容量2L、撹拌強度:10〜3000(1/sec)、透過光式濁度計付き
(iv)原水水質
・pH7.3、水温17℃の時の原水濁度:30度
(v)凝集剤
・無機凝集剤:PAC(ポリ塩化アルミニウム:有効成分(Al)10%)
・高分子凝集剤:アクリルアミド系ノニオン高分子凝集剤
(vi)実験方法
まず、従来のジャーテスタにて、無機凝集剤(PAC)の最適注入率を決定する(撹拌強度と時間は一定)。次に、従来のジャーテスタにて、最適無機凝集剤注入率における暫定的な最適高分子凝集剤注入率を決定する。これらは、上澄水濁度によって判断する。
【0036】
この従来のジャーテストにて、決定した最適無機凝集剤注入率と暫定最適高分子凝集剤注入率で、本ジャーテスタを用いて、最終的な高分子凝集剤の注入率と撹拌強度を決定した(撹拌時間は一定)。また、撹拌強度は、初めは500(1/sec)程度とした。
【0037】
試料水を貯める容器10と、撹拌強度をG値として10〜3,000(1/sec)制御可能な撹拌装置14と緩速撹拌中の試料水上部の濁度を測定できる濁度計18とを備える本ジャーテスタにおいて、試料水の濁度(原水濁度)と高分子凝集剤を添加した急速撹拌を行い、引き続き緩速撹拌を行っている最中の容器10内試料水の上部(液面から5cm)の濁度(撹拌濁度)と、静置15min後の混和槽試料水の上部(液面から5cm)の濁度(静置濁度)を測定した。
【0038】
撹拌濁度の測定は、緩速撹拌の中間付近から終了前にかけて測定するのが望ましい。また、記録計やパソコン等からなる記録表示装置20へ濁度計18の信号を取り込み図3に示すような経時変化を記録し、平均値の算出を行って撹拌濁度としても良い。そして、原水の濁度を100%として、撹拌濁度が50%以上で、静置濁度が1度未満となるように、凝集剤注入及び撹拌強度を決定する。この場合、原水濁度は30度なので、撹拌濁度は15度以上か未満かで判断する。濁度計18は、透過光方式または水中散乱方式のものを用いる。
【0039】
判定方法は、
(i)撹拌濁度15度未満、静置濁度1度未満の場合→急速撹拌の強度が不足→撹拌強度を上げる
(ii)撹拌濁度15度以上、静置濁度1度以上の場合→急速撹拌の強度が過大→撹拌強度を下げる
(iii)撹拌濁度15度以上、静置濁度1度未満の場合→適正な凝集条件→OK
というものであり、最終的に(iii)となるように、撹拌強度を決定する。
【0040】
このようにして、本ジャーテスタを用いて、高分子凝集剤を用いた場合の凝集条件を決定できる。そして、このように決定した凝集条件により、凝集沈殿の後にろ過処理(例えば砂ろ過処理)を行った場合に、ろ過処理を効率的に行うことができ、ろ過処理水の水質を上昇することができるとともに、逆洗頻度を減少させることができる。
【0041】
「実施例2(本ジャーテスタのみの場合)」
実施例2では、主に通常の凝集剤、高分子凝集剤注入率を補正するために行った。実際の浄水場にて、凝集剤注入率、高分子凝集剤注入率、高分子凝集剤撹拌強度の調整のためのジャーテストを行った。既存の浄水場では、通常処理水量が決まっているので、処理に要する時間も決まっている。従って、ジャーテストの時間に関する項目は、一定とした。
【0042】
(i)ジャーテスト条件
・無機凝集剤撹拌時間:3min、高分子凝集剤撹拌時間:5min、緩速撹拌時間:10min、静置:15min
(ii)本ジャーテスタの仕様
・1槽式、容量2L、撹拌強度:10〜30001/s、透過光式濁度計付き
(iii)凝集剤
・無機凝集剤:PAC
・高分子凝集剤:アクリルアミド系ノニオンリマー
(iv)原水水質
・pH6.8、水温15℃の時の原水濁度:20度〜50度
(v)実験方法
原水濁度20度のとき、PAC20mg/L、高分子凝集剤0.1mg/L、G値500(1/sec)であったが、原水濁度が50度に上昇したので、ジャーテストを実施し、最適なPAC注入率、高分子凝集剤の注入率と高分子凝集剤の撹拌強度の決定をした。
【0043】
試料水を貯める容器10と撹拌強度を10〜30001/s制御可能な撹拌装置14と緩速撹拌中の試料水上部の濁度を測定できる濁度計18とを備えるジャーテスタにおいて、試料水の濁度(原水濁度)と高分子凝集剤を添加した急速撹拌を行い、引き続き緩速撹拌を行っている最中の混和槽試料水の上部(液面から5cm)の濁度(撹拌濁度)と、静置15min後の混和槽試料水の上部(液面から5cm)の濁度(静置濁度)を測定する。そして、原水の濁度を100%して、撹拌濁度が50%以上で、静置濁度が1度未満となるように、凝集剤注入及び撹拌強度を決定した。この場合、原水濁度は50度なので、撹拌濁度は25度以上か未満かで判断した。濁度計18は、透過光方式または水中散乱方式のものを用いた。
【0044】
判定方法は、
(i)撹拌濁度25度以上、静置濁度1度以上の場合→無機または高分子あるいは両方の不足→無機または高分子あるいは両方をup
(ii)撹拌濁度25度未満、静置濁度1度以上の場合→無機凝集剤の注入率が不足→無機凝集剤up
(iii)撹拌濁度25度未満、静置濁度1度未満の場合→急速撹拌の強度が不足→撹拌強度up
(iv)撹拌濁度25度以上、静置濁度1度未満の場合→適正な凝集が行われている→OK
であり、最終的に(iv)となるように、PAC注入率、高分子凝集剤注入率、高分子凝集剤撹拌強度を決定する。
【0045】
このようにして、本ジャーテスタを用いて、高分子凝集剤を用いた場合の凝集条件を決定できる。そして、このように決定した凝集条件により、凝集沈殿の後にろ過処理(例えば砂ろ過処理)を行った場合に、ろ過処理を効率的に行うことができ、ろ過処理水の水質を上昇することができるとともに、逆洗頻度を減少させることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、試料水に少なくとも高分子凝集剤を添加して攪拌混合するとともに、この攪拌中の試料水の濁度を計測し、この計測結果に基づいて高分子凝集剤の攪拌強度を決定することを特徴とする。
【0047】
このように、攪拌中の濁度は、高分子凝集剤の攪拌状態を表しており、この攪拌中の濁度を用いることによって、高分子凝集剤の攪拌強度について判断が行え、適切な凝集条件を決定することができる。
【0048】
また、緩速攪拌後、攪拌を停止して試料水を静置して、フロックを沈殿させた上澄み水の濁度を測定し、この測定結果も考慮することが好適である。静置後の上澄み水の濁度により、凝集剤添加量の不足、攪拌強度が強すぎるなどの凝集条件を判定することができる。
【0049】
また、試料水の濁度を測定し、この検出値も考慮することが好適である。原水濃度によっても、凝集条件は変動するため、原水濁度を考慮することでより適切な凝集条件を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のジャーテスタの構成を示す図である。
【図2】 浄水フローを示す図である。
【図3】 攪拌濁度の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
10 容器、14 攪拌装置、18 濁度計。

Claims (1)

  1. 凝集沈殿処理における適切な凝集条件を決定する方法において、原水である試料水に少なくとも有機高分子凝集剤を添加して急速攪拌した後、緩速攪拌混合するとともに、
    この緩速攪拌中の試料水の濁度を計測し、
    さらに緩速攪拌後、攪拌を停止して試料水を静置して、フロックを沈殿させた上澄み水の濁度を測定し、
    さらに試料水の濁度を測定し、
    これらの計測結果に基づいて有機高分子凝集剤の添加量をなるべく少なくして、原水濁度を100%として、攪拌濁度が50%以上であり、かつ静置濁度が1度未満となるような条件を検出し、有機高分子凝集剤の注入率及び急速攪拌強度のうち少なくとも1つを決定することを特徴とする凝集条件決定方法。
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