JP4037135B2 - 電波透過性波長選択膜の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明基板、特に建造物、自動車などの窓ガラス、に到来する電波および可視光線を効率よく透過させることができるとともに、太陽の熱線を反射して充分な断熱性を発揮する電波透過性波長選択膜の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、日射を遮蔽することを目的として、導電性薄膜を被覆したり、または導電性薄膜を含むフィルムを貼り付けた窓ガラスが普及し始めた。このような窓ガラスを高層ビルに施工するとTV周波数帯域の電波を反射して、TV画面にゴーストを発生させる原因となるとともに室内アンテナで衛星放送を受信し難くなる。また、住宅用窓ガラス或いは自動車用窓ガラスとして用いた場合には、携帯電話が通じ難くなる恐れがあったり、ガラスアンテナの利得が悪化したりする原因となり得る。
【0003】
このような事情から現状では、ガラス基板に電気抵抗の比較的高い透明な熱線反射膜を被覆して、可視光線の一部を透過させるとともに電波の反射を低減させて電波障害を防止することが行なわれている。
また、導電性膜付きガラスの場合には、ガラス基板に被覆させた導電性膜を、入射電波の電界方向に平行な導電性膜の長さを電波の波長の1/20倍以下になるように分割し、電波障害を防止することが特許第2620456号公報に示されている。
【0004】
しかしながら、前記の電気抵抗の比較的高い透明な熱線反射膜を被覆する方法は、電波の反射を低減して電波障害を防止することは出来るが、熱線遮蔽性能が十分ではなく、生活の快適性において問題があった。また、特許第2620456号公報に示された導電性膜を分割する方法は、分割する長さが太陽光の大部分を占める可視光、近赤外光の波長より非常に大きいので、これらの光は全て反射してしまい、電波障害を防止し充分な日射遮蔽性能を有する電波透過性波長選択スクリーンガラスは得られるが、可視光の透過性が確保できないという問題がある。さらに、開口部のサイズが2m×3mのように大きな窓では、例えば、衛星放送波を透過させるためには、衛星放送の波長約25mmの1/20、少なくとも導電膜を1.25mm平方に、好ましくは0.5mm平方に切断しなければならない。大面積の導電性膜をこのような小さいセグメントに、例えば、イットリウム−アルミニウム−ガーネットレーザで切断するには、長時間を要し現実的でない等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、特開2000−281388号公報に記載するように、ガラス基板表面、またはガラス基板上に被覆したAlN(窒化アルミニウム)層の表面に、連続したAgを成膜することにより粒状のAgに変化生成させた電波透過性波長選択ガラスについて出願した。その後、さらに研究を進めた結果、上記いずれの方法でも光線反射率が最大となる波長(以下、共振波長と略す)を近赤外線遮蔽係数が高くなる800nm〜1500nmの範囲にシフトさせると反射率(全波長域)が低くなるという不具合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑みて鋭意研究した結果、透明基板表面に、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層、その上層に少なくともAgを含むAg含有層を順次成膜したのち、加熱することにより粒状のAgよりなるAg粒状層が形成され、その方法により得られた電波透過性波長選択膜は、反射率を低減することなく、共振波長を近赤外線遮蔽係数の大きい800nm〜1500nmの範囲にシフトすることが可能となり、可視光線透過率の高い優れた断熱性を有する電波透過性波長選択膜が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、透明基板表面に、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層、その上層に、Agが連続したAg連続層よりなる少なくともAgを含むAg含有層を順次成膜したのち、成膜されたこれらの膜を加熱することにより、混合分散層の表層に、粒状のAgよりなるAg粒状層を形成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、前記Ag連続層の膜厚は5nm〜1μmであることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、透明基板表面に、誘電体層を成膜したのち、前記混合分散層を成膜することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、前記Ag粒状層を形成したのち、さらにその上層に誘電体層を成膜することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、前記混合分散層および/またはAg混合層における金属窒化物は、Al、Si、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレス鋼のいずれかの金属の窒化物であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、加熱における透明基板の温度は、150℃以上で該透明基板の軟化温度以下であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の製法により得られた電波透過性波長選択膜は、Ag粒状層におけるAg粒子は、平均粒径が100nm〜0.5mmであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の製法により得られた電波透過性波長選択膜は、電波透過性波長選択膜の共振波長(光線反射率が最大となる波長)は、波長が600nm〜1500nmの範囲にあることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の製法により得られた電波透過性波長選択膜は、電波透過性波長選択膜の式(1)で定義する近赤外域の遮蔽係数(Es)は、0.3以上であることを特徴とする。
【0017】
【式2】
【0018】
ここで、λ : 透明基板(膜面側)に入射する電磁波の波長
Rdp: 波長λにおける透明基板(膜面側)の反射率
Isr: 波長λにおけるエアーマス1.0における太陽の放射強度
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、透明基板表面に、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層、その上層にAgが連続したAg連続層または金属窒化物とAgとを混合したAg混合層よりなる少なくともAgを含むAg含有層を順次成膜したのち、成膜されたこれらの膜を加熱することにより、膜の表層に粒状のAgよりなるAg粒状層を形成することを特徴とする。
Ag粒状層は、前記混合分散層の上層にAg連続層を積層させた場合には、該混合分散層の表層に形成され、混合分散層の上層に前記Ag混合層を積層させた場合には、該Ag混合層の表層に形成される。なお、Ag粒状層の好ましい膜厚は、10nm〜500nmであるが、これらに限定するものではない。
また、前記Ag混合層におけるAg含有量を前記混合分散層におけるAg含有量よりも少なくすると、加熱した場合に生成する粒状のAgの粒径を制御し易くなるのでより好ましい。
【0020】
前記Ag連続層は、後述する種々の成膜法によりAg膜を成膜する場合のように、連続した金属Agの膜を被覆させたものを示し、その膜厚は、5nm〜1μmの範囲が好ましい。5nm未満では、Agが島状に堆積し、連続層を形成しないので好ましくなく、1μmを越えると透明基板の軟化温度以下では粒状のAgを生成しなくなり好ましくない。また、このAg連続層に数%以下の金属、例えば、Pt、Pd、Alなどを添加すると、その添加量により、後述のAg粒子素の大きさ、粒子素の生成数などの制御ができ、さらに、成膜工程から粒子素生成処理工程間でのAg連続層の変質が防止できるので好ましい。
前記混合分散層および/またはAg混合層における金属窒化物は、Al、Si、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレス鋼のいずれかの金属の窒化物を用いることが可能である。
【0021】
また、本発明の電波透過性波長選択膜は、前記混合分散層の下層及び/またはAg粒状層の上層に誘電体層を設けることが好ましい。
混合分散層の下層に誘電体層を設ける場合は、透明基板表面に、誘電体層を成膜したのち、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層を成膜する。一方、Ag粒状層の上層に誘電体層を設ける場合には、透明基板表面に、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層、その上層にAgが連続したAg連続層または金属窒化物とAgとを混合したAg混合層よりなる少なくともAgを含むAg含有層を順次成膜したのち加熱し、膜の表層に粒状のAgよりなるAg粒状層を形成し、さらにその上層に誘電体層を成膜することができる。
【0022】
この誘電体層としては、Al、Si、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレス鋼のいずれかの金属の窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレス鋼のいずれかの金属の酸化物、或いはこれらを多層に積層したもの等を用いることができる。特に、Al、Siの金属の窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Inの金属の酸化物は無色透明であるので、可視光透過率の高い電波透過性波長選択膜を必要とする建築用、車輌用窓ガラスに特に適する。
なお、Ag粒状層上に、さらに誘電体層を被覆すると、透明基板上に成膜した誘電体層との相互作用によって可視光透過率が高められるとともに、Ag粒状層の変質防止等の保護膜としての作用をするのでより好ましく、この場合に用いる誘電体層としては、Al、Siの窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Inの酸化物または、これらを多層に積層したものが望ましい。
【0023】
金属窒化物とAgの混合分散層、Ag連続層、Ag混合層、誘電体層を成膜する方法については、特に限定するものではなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング等の成膜法を用いて、金属窒化物の膜を常法で形成する際にAgをターゲット材として付加するなどの手段により成膜することが可能であるが、特に、DCマグネトロンスパッタリング法は生成する層の均一性、生産性の点より好ましい。
【0024】
成膜後の加熱の方法としては、抵抗加熱、ガス燃焼加熱、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱等を適宜用いることが可能である。その内、前記混合分散層、Ag含有層には吸収されるが、基板とは相互作用のないレーザビームを短時間照射して膜の加熱を行うと、基板はほとんど加熱されないので、耐熱性透明プラスチックを基板とする系に対しては特に適している。また、導電性物質のみを選択的に加熱できる誘導加熱も同様である。
【0025】
なお、加熱条件については、加熱温度は150℃以上で透明基板が軟化しない温度以下とすることが好ましい。透明基板の温度が軟化温度を越えると、特に、酸化物ガラスの場合、Ag原子が基板内に拡散し、電磁波の反射による波長選択性が著しく低下する。また、Ag原子のみを選択的に加熱できるレーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱の場合の加熱温度の上限は、Agの沸点2212℃である。また、加熱時間は、抵抗加熱、ガス燃焼加熱の場合、数秒から数時間、レーザまたは電子線などのビームの照射或いは誘導加熱の場合は、マイクロ秒から数秒とすることが好ましい。なお、加熱後、自然放冷或いは強制放冷等により冷却する。
また、Agは紫外線領域にプラズマ周波数が存在し、さらに、この周波数の低周波数側に「銀の窓」と呼ばれるAgの消衰係数が無限小になる領域があるので、Ag粒子の厚みと誘電体層膜の膜厚を制御すれば、可視光の透過性が確保できる。
【0026】
前述のように加熱により、成膜された膜の表層に粒状のAg(Ag粒状層)が生成される。生成される粒状のAgの形状は、通常は半球状、ドーム状、数珠状(例えば、ドーム状が連なった形状)、扁平状、鱗片状、針状等特にその形状は限定するものではなく、加熱により変化生成した独立した個の形状(これら個の集合体がAg粒状層を形成する)は全て含まれるが、光学的な性能からすると、半球状、ドーム状、扁平状、鱗片状等の形状が好ましい。また、Ag粒子の粒径は、後述するように100nm〜0.5mmの大きさが好ましいがこれらに限定するものではない。さらに、本発明は、Ag連続層の厚み、混合分散層の厚み、加熱条件などを制御することにより、Ag粒子の粒径、粒子数、分布等を制御でき、近赤外線を選択的に反射する膜が得られるという利点を有する。
【0027】
なお、前記の製法により得られた電波透過性波長選択膜は、前記式(1)で定義した近赤外域の遮蔽係数(Es)を0.3以上とすることが好ましく、この特性を有する電波透過性波長選択膜を得るには、選択膜の反射率が600nm〜1500nmの波長範囲で最大となるように混合分散層或いはAg混合層の表層に生成するAg粒状層のAgの粒径を制御する必要がある。この目的に適合する粒状のAgは、粒径が100nm以上、後述する占有面積比が0.2以上であることが好ましい。
【0028】
また、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、混合分散層の表層またはAg混合層の表層に形成されるAg粒状層における粒状のAgの占有面積比は、0.2〜0.8の範囲であることを特徴とするが、粒状のAgの占有面積比とは、Ag粒子の外部形態を法線方向から電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した像をAg微粒子とそうでない背景部とに2値化して、Ag粒子の総面積を求め、SEM画像全体の面積で除した値を示す。ここでいう2値化は、Ag微粒子を白色、マトリックスを黒色に塗り分けて画像処理を行なう。粒状のAgの占有面積比が0.2未満になると、粒状Ag間の平均距離が粒径の2倍以上となり、粒子間の相互干渉が小さくなり、単独で粒子が存在している状態に近づく。
そのため、光線反射率は占有面積比程度となり、反射率がたとえ600nm〜1500nmの波長範囲で最大となっても、目標の近赤外線遮蔽係数が得られない。なお、粒状のAgの平均粒径が100nm未満であると、いかなる占有面積比に対しても反射率が最大となる波長は600nm以下となる。
【0029】
また、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、Ag粒状層におけるAg粒子は、平均粒径が100nm〜0.5mmであることを特徴とするが、得られた粒状のAgの粒径及び粒子の数は、生成したAg粒子の外部形態をFE−SEM(日立製作所製S−4500)で法線方向から観察し、画像処理によって面積10μm2当たりの粒子の数と粒径を求めることができる。
Agの粒径の算出方法については、上記SEM像を2値化した画像からAg粒子それぞれの面積を個別にコンピュータで読み取り、読み取った面積に等しい円の直径を算出した。円の直径をAgの粒径と見なして、平均粒径を求めた。
したがって、例えば粒状のAgがドーム状の場合には、粒径はドームの底面の直径に対応する。
なお、本発明に用いる透明基板としては、ガラス基板、透明セラミック基板、耐熱性透明プラスチック等を用いることができ、目的に応じて適宜選択し得る。
【0030】
また、粒子の生成過程、加熱温度の影響、粒状のAgの粒径制御を調査するために以下のような確認実験を行った。
先ず、混合分散層からの粒子の生成過程を調査するために以下のような実験を行った。
すなわち、混合分散層中のAg体積含有量が0.25の試料について、日本電子製JAMP−30型オージェ電子分光法で膜表面から内部方向のAg元素の分布を測定した。
その結果、加熱前の試料におけるAgの濃度は、深さ方向にほぼ一定で均質であったが、加熱後の試料ではAgの濃度は、混合分散層の表層側が大きく表面で極大となった。また、加熱前の試料の比抵抗は、Agの100倍以上であった。以上のことから、混合分散層中におけるAgは、金属窒化物の三次元骨格で遮られて連続膜ではなくクラスター状に存在し、加熱を行うことにより、このAgが金属窒化物の三次元骨格の隙間を拡散して、表層でAg粒子を生成したものと推定される。
したがって、本製法は、前述の特開2000−281388号公報に記載した粒状Ag生成法に比べ、少ないエネルギーで同様の構造の電波透過性波長選択膜を作製することができるという利点を有する。
【0031】
次に、Ag連続層からの粒子素の生成過程を知るために、該Ag連続層に与えたエネルギーと該Ag連続層の形態変化の関係を観察した。
フロートガラス板表面に、膜厚17nmよりなるAg連続層を成膜し、該膜を200℃、250℃、300℃、350℃、400℃の各温度で2分間加熱し、FE−SEM(日立製作所製S−4500)で膜表面の形態を観察した。
その結果、200℃の加熱後では、Ag連続層の一部が欠如した網目状であった。250℃の加熱熱処理後では、Agの粒子が7〜10個連なるように網目を切断した状態であった。300℃の加熱後では、粒子の連なりは3〜5個となり、350℃の加熱後では、粒子の連なりは2〜3個となった。400℃の加熱後では、Agの単独粒子が主体となった。
【0032】
この観察結果は、Ag連続層に与えるエネルギーの増大に伴って、Ag連続層が網目状、数珠状を経てかなり大きな独立状の粒子素に変化することを示している。すなわち、Ag連続層から生成する粒子素は、窒化物とAgを混合した混合分散層の表面に混合分散層中のAgが拡散して膜表面で粒子素を生成するのに比べ、少ないエネルギーで共振波長が600nm〜1500nm、特に、800nm〜1500nmとなる電波透過性波長選択膜が生成することが確認できた。
【0033】
次に、粒状のAgの平均粒径の制御について確認実験を行った。
フロートガラス板表面に、窒化物とAgを混合した混合分散層を成膜したのち、その上層に膜厚10nmのAlN層を積層し加熱しても粒状のAg層は生成しなかった。しかし、このAlN層にAgを少し混合すると、粒子数は極めて少ないが、粒径の大きい粒状のAgから成るAg粒子層が生成した。
この実験は、加熱によって生じるAg拡散路の数がAgを少し含む混合層では少ないので、粒子素が生成する数が少なくなり、その結果、粒径の大きいAg粒状が生成することを示している。すなわち、粒径の制御が可能であることが確認できた。
【0034】
以上のように、本発明における表層に生成するAg粒状層の生成機構は、加熱の初期にAg連続層が粒径50nm〜200nmの無数の粒子素に変化し、その後、混合分散層から粒子素に拡散してきたAg原子によって粒子素は成長し、Ag粒状層を形成するものと推定される。
【0035】
本発明により得られた波長選択膜は、TV放送、衛星放送、携帯電話それぞれの周波数帯域の電波に対して反射率を低減させて、電波障害を防止するとともに、充分な日射遮蔽性能と可視光線透過性を有する電波透過性波長選択膜であり、前記基板表面に被覆することで、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス用等に用いることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例を述べる。但し、本発明は、これに限定するものではない。
【0037】
実施例1
本発明の電波透過性波長選択膜付きガラスは次に示す手順で製造した。
▲1▼先ず、洗浄した厚さ3mmのフロートガラス板をDCマグネトロンスパッタリング装置内に入れ、槽内の真空度が2〜4×10-4Paに達するまで排気した。なお、ターゲット−ガラス基板間の距離は90mmに固定した。
▲2▼次に、純Alターゲット(直径152mm、厚み5mm)のエロージョン域にAgチップ(10mm×10mm×1mmの直方体)4個を等間隔に載置した。
このターゲットにDC200Wを印加して放電させ、反応性スパッタ法により膜厚100nmのAlN−Ag混合分散層を作製した。なお、異常放電を防止するために、周波数10kHzの矩形パルス波をカソードに印加した。スパッタリング中、N2/Ar混合ガスのガス流量比を20/7に、圧力を1Paに制御した。
▲3▼次いで、純Agターゲット(直径152mm、厚み5mm)にDC30Wを印加して放電させ、前記AlN−Ag混合分散層の上層に膜厚8nmのAg連続層を積層した。なお、スパッタリング中、N2ガスのみを流し、圧力を1Paに制御した。
▲4▼次いで、被覆した試料を雰囲気温度500℃の恒温炉で5分間加熱したのち、炉外に取り出し放冷することにより、Al窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなるAg粒状層とを有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
【0038】
このようにして得られた電波透過性波長選択膜付きガラスの反射率、透過率を日立製作所製U−4000型自記分光光度計を用いて波長300〜2500nmの範囲で測定した。また、この測定値を式(1)に代入して近赤外域の遮蔽係数を算出した。その結果を表1に示す。
結果、共振波長が850nmで近赤外線遮蔽係数が0.42と大きい、可視光線透過率が20%の良好な波長選択膜が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例2
実施例1と同様にして膜厚100nmのAlN−Agよりなる混合分散層を作製し、この混合分散層上に膜厚17nmのAg連続層を積層した。次に、積層した試料を実施例1と同一の条件で加熱してAl窒化物とAgの混合分散層と、その表層に生成された粒状のAgからなるAg粒状層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
電波透過性波長選択膜付きガラスの特性結果を表1に示す。
結果、共振波長が1300nmで近赤外線遮蔽係数が0.43と大きい、可視光線透過率が33%の良好な波長選択膜が得られた。
【0041】
実施例3
実施例1と同様にして膜厚100nmのAlN−Agよりなる混合分散層を作製し、この混合分散層上に膜厚35nmのAg連続層を積層した。次に、積層した試料を実施例1と同一の条件で加熱して金属窒化物とAgの混合分散層と、その表層に生成された粒状のAgからなるAg粒状層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
電波透過性波長選択膜付きガラスの特性結果を表1に示す。
結果、共振波長が1500nmで近赤外線遮蔽係数が0.41と大きい、可視光線透過率が38%の良好な波長選択膜が得られた。
【0042】
Ag粒子の外部形態を法線方向から電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した像を図1に、また断面方向から観察した像を図2に示す。これらの図から、比較的小さな粒子は、半球に近い形状に成長している。大きな粒子は、小さな粒子の集まりから形成されており、粒子の厚さは集合した粒子の内で最も大きい粒子の厚さで決まることが明らかである。
【0043】
比較例1
実施例1の▲3▼と同様な方法で、フロートガラス板上に膜厚40nmのAg連続層を積層した。実施例1と同一の条件で連続層を加熱してフロートガラス板の表面に生成された粒状のAgからなるAg粒状層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
電波透過性波長選択膜付きガラスの特性結果を表1に示す。
結果、共振波長は1350nmと800nm〜1500nmの範囲にシフトしたが、反射率が減少し、近赤外線遮蔽係数が0.15と小さくなり性能はよくなかった。
【0044】
以上のように、共振波長(光線反射率が最大となる波長)を近赤外線遮蔽係数が高くなる800nm〜1500nmの範囲にシフトさせるには、混合分散層の膜厚を厚くする方法があるが、可視光透過率の高い電波透過性波長選択膜付きガラスが得られない。実施例1〜3に示したように、混合分散層上に、Ag連続層からなる層を積層した系では、可視光透過率の減少がなく、共振波長をシフトできた。また、表1は、少なくとも波長600nm〜1500nmの範囲であれば、Ag連続層からなる層の膜厚調整により、共振波長を制御できることを示している。
【0045】
参考例
実施例1と同様にして膜厚50nmのAlN−Agよりなる混合分散層を作製し、該混合分散層上に膜厚12nmのAlN−AgよりなるAg混合層(今後、制御層と呼ぶ)を積層した。なお、この制御層を成膜する場合、純Alターゲットのエロージョン域に載置したAgチップの形状はスパッタされる有効面積が混合分散層を成膜するときに載置したチップの1/4の5mm×5mm×1mmの直方体で、載置数は実施例1と同様4個である。実施例1と同一の条件で加熱をしてAg混合層の表層に粒状のAgからなるAg粒状層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
電波透過性波長選択膜付きガラスの特性結果を表2に示す。
結果、微粒子の生成数は比較例1の0.6倍、平均粒径は1.3倍、最大反射率は1.2倍の波長選択膜が得られた。
なお、粒子の数と平均粒径については、生成したAg粒子の外部形態をFE−SEM(日立製作所製S−4500)で法線方向から観察し、画像処理によって面積10μm2当たりの粒子の数と平均粒径を求めた。
【0046】
【表2】
【0047】
比較例2
実施例1と同様にして膜厚50nmのAlN−Agよりなる混合分散層を作製した。実施例1と同一の条件で混合分散層を加熱して金属窒化物とAgの混合分散層と、その表層に生成された粒状のAgからなるAg粒状層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
電波透過性波長選択膜付きガラスの特性結果を表2に示す。
結果、近赤外線反射率が0.19と低く、好ましいものではなかった。
【0048】
以上の参考例、比較例2に示すように、Ag含有量がAlN−Agよりなる混合分散層より少ないAlN−AgよりなるAg混合層、すなわち、制御層を積層することにより、表2の参考例に示したように生成する粒子の数が減少し、その結果、平均粒径は増大した。また、粒径分布が小さくなていることがFE−SEMの観察から明らかとなった。その結果、反射率の最大値は、表2に示したように増大した。
【0049】
混合分散層に比べてAgの拡散路の少ない制御層を混合分散層と空気の界面に挿入することにより、制御層が粒子の混合層表面への拡散を抑制できることを表2は示している。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、簡単な製法により反射率を低減することなく、共振波長を近赤外線遮蔽係数がの大きい800nm〜1500nmの範囲にシフトすることが可能な、可視光線透過率の高い優れた断熱性を有する電波透過性波長選択膜が得られ、得られた電波透過性波長選択膜は、TV放送、衛星放送、携帯電話それぞれの周波数帯域の電波に対して反射率を低減させるとともに、充分な日射遮蔽性能と可視光線透過性を有するので、TV画面にゴーストを発生させたり、携帯電話が通じなくなったり、或いはガラスアンテナの利得が悪くなったり等の電波障害がなく、且つ日射を充分に遮蔽される等快適な生活環境を提供することが可能である等の著効を有するので、特に自動車用窓ガラス、建築用窓ガラスとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたAg粒子の法線方向から見た外部形態を示す図面代用SEM写真である。
【図2】実施例3で得られたAg粒子の法線から85度傾斜した方向から見た外部形態を示す図面代用SEM写真である。
Claims (8)
- 透明基板表面に、金属窒化物とAgとを混合した混合分散層、その上層に、Agが連続したAg連続層よりなる少なくともAgを含むAg含有層を順次成膜したのち、成膜されたこれらの膜を加熱することにより、混合分散層の表層に、粒状のAgよりなるAg粒状層を形成することを特徴とする電波透過性波長選択膜の製法。
- 前記Ag連続層の膜厚は5nm〜1μmであることを特徴とする請求項1記載の電波透過性波長選択膜の製法。
- 透明基板表面に、誘電体層を成膜したのち、前記混合分散層を成膜することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の電波透過性波長選択膜の製法。
- 前記Ag粒状層を形成したのち、さらにその上層に誘電体層を成膜することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電波透過性波長選択膜の製法。
- 前記加熱における透明基板の温度は、150℃以上で該透明基板の軟化温度以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電波透過性波長選択膜の製法。
- Ag粒状層におけるAg粒子は、平均粒径が100nm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電波透過性波長選択膜の製法。
- 電波透過性波長選択膜の共振波長(光線反射率が最大となる波長)は、波長が600nm〜1500nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の電波透過性波長選択膜の製法。
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