JP4037046B2 - 偏平角形電池 - Google Patents
偏平角形電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4037046B2 JP4037046B2 JP2000330916A JP2000330916A JP4037046B2 JP 4037046 B2 JP4037046 B2 JP 4037046B2 JP 2000330916 A JP2000330916 A JP 2000330916A JP 2000330916 A JP2000330916 A JP 2000330916A JP 4037046 B2 JP4037046 B2 JP 4037046B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- sealing
- case
- side peripheral
- peripheral surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏平形の一次電池または二次電池に係り、特に、偏平形電池の角形化を可能にした偏平角形電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボタン形電池、偏平形電池とも称されるコイン形の電池は小型薄型であるため、その特徴を生かして腕時計や補聴器など小型化が要求される場合や、ICカードなどのように薄型化が要求される場合に広く用いられている。
【0003】
このコイン形電池は、図7(a)(b)に示すような薄い円盤状に構成される。この製造は、図8に示すように、円形半殻体に形成された封口ケース35内に、円盤状に形成された正極ペレット32と負極ペレット33とをセパレータ36を介して対向配置し、電解液を注入した後、封口ケース35の開口部にガスケット36を装着して電池ケース31を被せ、電池ケース31の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により封口ケース35の開口部を電池ケース31で封口するカシメ封口により、図7(a)(b)に示すように、コイン形の外観形状を呈するコイン形電池に形成される。
【0004】
この偏平形の電池はコイン形と称されるように平面形状が円形である。これは電池ケース31の開口端側を縮口して封口ケース35との間をガスケット36で封じるカシメ封口が全周にわたって均等確実になされ、電池内からの漏液を防止するのに円形が適していることによる。
【0005】
この偏平形電池の平面形状を四角形に形成することができれば、電池収容のスペース効率が向上するだけでなく、正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回した極板構造を容易に適用することができ、偏平形電池の性能を向上させ、適用範囲を拡大させることができる。この平面形状を四角形にした偏平角形電池は、特開2000−164259号に開示されたものが知られている。
【0006】
この偏平角形電池は、図9に示すように、平面形状が角丸長方形の半殻体に形成された封口ケース53と電池ケース52とを互いの開口部側を対向配置した内部空間に巻回構造の極板群を収容し、電池ケース52の開口端側を縮口するカシメ加工により電池ケース52と封口ケース53との間を封口し、偏平な角形電池に構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、角形の封口ケース53は、そのコーナーのアール形成部分と、直線部分とでは、電池ケース52を縮口するカシメ加工に対する強度に差があり、直線部分において確実な封口がなされず、漏液防止が困難となる問題点があった。
【0008】
即ち、図10(a)に示すように、角形半殻体に形成された電池ケース52及び封口ケース53をガスケット54を介して対向配置し、電池ケース52の側周面52aの開口端側を封口ケース53の側周面53aに形成された段差部53b上に折り曲げるカシメ加工を実施したとき、図10(b)に示すように、封口ケース53のコーナー部分では、電池ケース52からの加圧で変形することなく、ガスケット54は電池ケース52の側周面52aにより段差部53b上に圧縮されて封口がなされる。しかし、封口ケース53の側周部53aの直線部分では電池ケース52からの加圧に耐えるだけの強度が確保できず、図10(c)に示すように、段差部53bに歪みが生じたり(図示A)、側周面53aが外側に広がったり(図示B)、封口ケース53の底面が膨らんだり(図示C)する。このように封口ケース53の直線部分で変形が生じると、封口が確実になされず漏液が発生する。
【0009】
本発明が目的とするところは、角形ケースによる直線部分の強度低下による封口時の変形を防止する構造を備えた偏平角形電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、多角形半殻体に形成された金属製の電池ケースと、この電池ケースの側周面から所定間隔を隔てる外径が電池ケース側周面の高さに対応する位置で外径を狭める段差部を設けた側周面を有する多角形半殻体に形成された金属製の封口ケースとが、互いの開口部を対向させた内部空間に発電要素を収容し、両ケースの側周面の間にガスケットを配して電池ケース側周面の開口端側を縮口して前記段差部上にガスケットを圧縮して両ケース間が封口された偏平角形電池であって、前記封口ケースは、その底面から前記段差部に至る側周面及び段差部が、前記底面の板厚の1.2倍以上の厚さに形成されてなることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、電池ケースの開口端側を封口ケースの段差上に折り曲げるカシメ加工時の加圧によっても、封口ケースの底面から前記段差部に至る側周面及び段差部が厚く形成されていることにより強度が向上し、変形強度が低くなる直線部分でも変形が防止される。従って、角形に形成することによって直線部分の封口性が低下することがなく、漏液にない偏平角形電池を構成することができる。
【0012】
上記構成において、封口ケースの底面の周辺部に、少なくとも直線部に沿って凹部を形成することにより、底面が補強され、封口時の加圧により底面に変形が生じることが防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
本実施形態に係る偏平角形電池1は、図1に示すように、正方形のコーナ部に小さいアールを形成したほぼ正方形の偏平形電池に構成されたもので、外装体となる電池ケース2及び封口ケース3内に収容する発電要素によって一次電池にも、二次電池にも適用することができる。ここでは、巻回構造の極板群を収容した対角寸法30mmの角丸正方形の偏平角形リチウムイオン二次電池に構成した具体例を示す。
【0015】
前記電池ケース2は、図2に示すように、厚さ0.2〜0.25mmのステンレス板を金属プレス成形して四角形の半殻体に形成される。その電池底面21は電池コーナ部23に所定のアール半径Rで角丸を設けた四角形で、電池底面21の周囲から電池側周面22が立ち上がるように形成される。前記電池コーナ部23のアール半径Rは、電池ケース2の材厚tとの関係が、2t<R<20tとなるように形成される。
【0016】
また、前記封口ケース3は、図3に示すように、厚さ0.2〜0.25mmのステンレス板を金属プレス成形により四角形の半殻体に形成される。その封口底面31は封口コーナ部33にアールを設けた四角形で、封口底面31の周囲から立ち上がる封口側周面32には所定高さ位置に段差部35が形成される。前記段差部35の段幅は、封口ケース3の材厚の5〜10倍になるように形成するのが望ましい。また、封口コーナ部33のアール半径Rは、電池ケース2と同様に、封口ケース3の材厚tとの関係が、2t<R<20tとなるように形成される。また、封口ケース3は、図4に断面図として示すように、封口底面31から段差部35に至る封口側周面32及び段差部35が、封口底面31の厚さの1.2倍以上の厚さに形成されている。
【0017】
また、極板群5は、正極集電体に正極材料を塗着した正極極板と、負極集電体に負極材料を塗着した負極極板とを、それぞれ帯状に裁断し、この正極極板と負極極板とを、図6に示すようにセパレータを介して偏平に巻回し、偏平な一方面側に正極リード15、他方面側に負極リード16が位置するように仕上げられる。
【0018】
上記構成になる封口ケース3の封口側周面32の開口端側に、図4に示すように樹脂製のガスケット4を装着し、封口ケース3内に極板群5を収容し、封口ケース3の内面に負極のリードを接続した後、これに電解液を所定量滴下し、含浸時間を経過させた後、電池ケース2の内面に正極のリードを接続し、この電池ケース2を封口ケース3に被せて封口することにより、図1に示す状態に偏平角形電池1が形成される。封口は封口金型を用いた加圧プレスにより、図4(b)に示すように、電池ケース2の電池側周面22の開口端側を封口ケース側に折り曲げ、封口側周面32の段差部35上にガスケット4を圧縮することによりなされる。
【0019】
また、図5に示すように、封口ケース3の封口底面31の周辺部に凹部36を形成すると、封口底面31の変形強度が向上し、封口時の加圧による封口底面31の変形が防止される。この凹部36は、正方形の封口底面31の全周にわたって形成してもよいが、直線部分4か所に沿って形成してもよく、強度の弱い直線部分を補強することができる。
【0020】
本実施形態に示すような角形の電池を封口するとき、封口ケース3の封口側周面32のコーナ部とそれをつなぐ直線部との間には変形強度に差があるため、封口加圧を受けたとき、封口側周面32の直線部は内側に向かって座屈変形しやすくなる。そのため直線部での封口が充分になされず、漏液が発生しやすい状態となるが、本実施形態による封口ケース3では、前述したように封口底面31から段差部35にかけて厚く形成されているので、直線部の剛性が大きくなって変形が抑制され、封口コーナ部33と直線部との間の変形に対する強度の差が小さくなり、角形であっても封口が確実になされて漏液を防止することができる。
【0021】
上記構成において、偏平角形電池1の正極側とする電池ケース2の内面に、保護層としてニッケルあるいはアルミニウムの単体またはその合金を0.005mm以上の厚さに形成することにより、母材金属(ここではステンレス鋼)が電位差によって溶解することが防止できる。前記保護層の形成は、クラッド、メッキ、蒸着等の手段により実施することができる。また、本実施形態では電池ケース2を正極、封口ケース3を負極としているが、この逆に正極、負極を設定する場合もある。
【0022】
また、電池ケース2及び封口ケース3の外面は梨地に形成しておくと、リード板を溶接するときの接触抵抗が増加し、抵抗溶接が容易となる。
【0023】
また、本実施形態では、極板群5に巻回構造を適用して電池容量の増加を図った例を示しているが、封口ケース3の形状に対応する角丸の正方形に成形した正極ペレットと負極ペレットとをセパレータを介して対向配置した電極構造を適用することもできる。
【0024】
また、本実施形態では、偏平角形電池1の平面形状を角丸の正方形としているが、長辺と短辺との長さの差が大きくならない程度の長方形に形成することもできる。また、四角形以上の多角形に形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、偏平形電池を角形に形成したときに直線部分で封口が充分になされない問題点を、封口時に最も変形しやすい封口ケースに段差部から底面にかけての厚さを増すことにより変形強度を向上させ、直線部分の変形による漏液を防止することができる。従って、従来は円形にしかできなかった偏平形電池を角形に構成することが可能となり、また、巻回構造の極板を収容することが容易となり、携帯機器などのように小型化、薄型化、軽量化が要求される場合の電池電源として、スペース効率及び電池容量の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る偏平角形電池の斜視図。
【図2】実施形態に係る電池ケースの構成を示す斜視図。
【図3】実施形態に係る封口ケースの構成を示す斜視図。
【図4】実施形態に係る偏平角形電池の(a)は組立状態、(b)は封口状態を示す断面図。
【図5】実施形態に係る偏平角形電池の別態様を示す断面図。
【図6】実施形態に係る巻回構造の極板を示す斜視図。
【図7】従来の円形の偏平電池の構成を示す(a)は側面図、(b)は平面図。
【図8】従来の円形偏平電池の構成を示す断面図。
【図9】従来の偏平角形電池の構成を示す(a)は側面図、(b)は平面図。
【図10】同上の(a)は組立状態、(b)封口時のコーナー部分、(c)は封口時の直線部分の座屈状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 偏平角形電池
2 電池ケース
3 封口ケース
4 ガスケット
5 極板群
21 電池底面
22 電池側周面
31 封口底面
32 封口側周面
35 段差部
36 凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏平形の一次電池または二次電池に係り、特に、偏平形電池の角形化を可能にした偏平角形電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボタン形電池、偏平形電池とも称されるコイン形の電池は小型薄型であるため、その特徴を生かして腕時計や補聴器など小型化が要求される場合や、ICカードなどのように薄型化が要求される場合に広く用いられている。
【0003】
このコイン形電池は、図7(a)(b)に示すような薄い円盤状に構成される。この製造は、図8に示すように、円形半殻体に形成された封口ケース35内に、円盤状に形成された正極ペレット32と負極ペレット33とをセパレータ36を介して対向配置し、電解液を注入した後、封口ケース35の開口部にガスケット36を装着して電池ケース31を被せ、電池ケース31の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により封口ケース35の開口部を電池ケース31で封口するカシメ封口により、図7(a)(b)に示すように、コイン形の外観形状を呈するコイン形電池に形成される。
【0004】
この偏平形の電池はコイン形と称されるように平面形状が円形である。これは電池ケース31の開口端側を縮口して封口ケース35との間をガスケット36で封じるカシメ封口が全周にわたって均等確実になされ、電池内からの漏液を防止するのに円形が適していることによる。
【0005】
この偏平形電池の平面形状を四角形に形成することができれば、電池収容のスペース効率が向上するだけでなく、正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回した極板構造を容易に適用することができ、偏平形電池の性能を向上させ、適用範囲を拡大させることができる。この平面形状を四角形にした偏平角形電池は、特開2000−164259号に開示されたものが知られている。
【0006】
この偏平角形電池は、図9に示すように、平面形状が角丸長方形の半殻体に形成された封口ケース53と電池ケース52とを互いの開口部側を対向配置した内部空間に巻回構造の極板群を収容し、電池ケース52の開口端側を縮口するカシメ加工により電池ケース52と封口ケース53との間を封口し、偏平な角形電池に構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、角形の封口ケース53は、そのコーナーのアール形成部分と、直線部分とでは、電池ケース52を縮口するカシメ加工に対する強度に差があり、直線部分において確実な封口がなされず、漏液防止が困難となる問題点があった。
【0008】
即ち、図10(a)に示すように、角形半殻体に形成された電池ケース52及び封口ケース53をガスケット54を介して対向配置し、電池ケース52の側周面52aの開口端側を封口ケース53の側周面53aに形成された段差部53b上に折り曲げるカシメ加工を実施したとき、図10(b)に示すように、封口ケース53のコーナー部分では、電池ケース52からの加圧で変形することなく、ガスケット54は電池ケース52の側周面52aにより段差部53b上に圧縮されて封口がなされる。しかし、封口ケース53の側周部53aの直線部分では電池ケース52からの加圧に耐えるだけの強度が確保できず、図10(c)に示すように、段差部53bに歪みが生じたり(図示A)、側周面53aが外側に広がったり(図示B)、封口ケース53の底面が膨らんだり(図示C)する。このように封口ケース53の直線部分で変形が生じると、封口が確実になされず漏液が発生する。
【0009】
本発明が目的とするところは、角形ケースによる直線部分の強度低下による封口時の変形を防止する構造を備えた偏平角形電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、多角形半殻体に形成された金属製の電池ケースと、この電池ケースの側周面から所定間隔を隔てる外径が電池ケース側周面の高さに対応する位置で外径を狭める段差部を設けた側周面を有する多角形半殻体に形成された金属製の封口ケースとが、互いの開口部を対向させた内部空間に発電要素を収容し、両ケースの側周面の間にガスケットを配して電池ケース側周面の開口端側を縮口して前記段差部上にガスケットを圧縮して両ケース間が封口された偏平角形電池であって、前記封口ケースは、その底面から前記段差部に至る側周面及び段差部が、前記底面の板厚の1.2倍以上の厚さに形成されてなることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、電池ケースの開口端側を封口ケースの段差上に折り曲げるカシメ加工時の加圧によっても、封口ケースの底面から前記段差部に至る側周面及び段差部が厚く形成されていることにより強度が向上し、変形強度が低くなる直線部分でも変形が防止される。従って、角形に形成することによって直線部分の封口性が低下することがなく、漏液にない偏平角形電池を構成することができる。
【0012】
上記構成において、封口ケースの底面の周辺部に、少なくとも直線部に沿って凹部を形成することにより、底面が補強され、封口時の加圧により底面に変形が生じることが防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
本実施形態に係る偏平角形電池1は、図1に示すように、正方形のコーナ部に小さいアールを形成したほぼ正方形の偏平形電池に構成されたもので、外装体となる電池ケース2及び封口ケース3内に収容する発電要素によって一次電池にも、二次電池にも適用することができる。ここでは、巻回構造の極板群を収容した対角寸法30mmの角丸正方形の偏平角形リチウムイオン二次電池に構成した具体例を示す。
【0015】
前記電池ケース2は、図2に示すように、厚さ0.2〜0.25mmのステンレス板を金属プレス成形して四角形の半殻体に形成される。その電池底面21は電池コーナ部23に所定のアール半径Rで角丸を設けた四角形で、電池底面21の周囲から電池側周面22が立ち上がるように形成される。前記電池コーナ部23のアール半径Rは、電池ケース2の材厚tとの関係が、2t<R<20tとなるように形成される。
【0016】
また、前記封口ケース3は、図3に示すように、厚さ0.2〜0.25mmのステンレス板を金属プレス成形により四角形の半殻体に形成される。その封口底面31は封口コーナ部33にアールを設けた四角形で、封口底面31の周囲から立ち上がる封口側周面32には所定高さ位置に段差部35が形成される。前記段差部35の段幅は、封口ケース3の材厚の5〜10倍になるように形成するのが望ましい。また、封口コーナ部33のアール半径Rは、電池ケース2と同様に、封口ケース3の材厚tとの関係が、2t<R<20tとなるように形成される。また、封口ケース3は、図4に断面図として示すように、封口底面31から段差部35に至る封口側周面32及び段差部35が、封口底面31の厚さの1.2倍以上の厚さに形成されている。
【0017】
また、極板群5は、正極集電体に正極材料を塗着した正極極板と、負極集電体に負極材料を塗着した負極極板とを、それぞれ帯状に裁断し、この正極極板と負極極板とを、図6に示すようにセパレータを介して偏平に巻回し、偏平な一方面側に正極リード15、他方面側に負極リード16が位置するように仕上げられる。
【0018】
上記構成になる封口ケース3の封口側周面32の開口端側に、図4に示すように樹脂製のガスケット4を装着し、封口ケース3内に極板群5を収容し、封口ケース3の内面に負極のリードを接続した後、これに電解液を所定量滴下し、含浸時間を経過させた後、電池ケース2の内面に正極のリードを接続し、この電池ケース2を封口ケース3に被せて封口することにより、図1に示す状態に偏平角形電池1が形成される。封口は封口金型を用いた加圧プレスにより、図4(b)に示すように、電池ケース2の電池側周面22の開口端側を封口ケース側に折り曲げ、封口側周面32の段差部35上にガスケット4を圧縮することによりなされる。
【0019】
また、図5に示すように、封口ケース3の封口底面31の周辺部に凹部36を形成すると、封口底面31の変形強度が向上し、封口時の加圧による封口底面31の変形が防止される。この凹部36は、正方形の封口底面31の全周にわたって形成してもよいが、直線部分4か所に沿って形成してもよく、強度の弱い直線部分を補強することができる。
【0020】
本実施形態に示すような角形の電池を封口するとき、封口ケース3の封口側周面32のコーナ部とそれをつなぐ直線部との間には変形強度に差があるため、封口加圧を受けたとき、封口側周面32の直線部は内側に向かって座屈変形しやすくなる。そのため直線部での封口が充分になされず、漏液が発生しやすい状態となるが、本実施形態による封口ケース3では、前述したように封口底面31から段差部35にかけて厚く形成されているので、直線部の剛性が大きくなって変形が抑制され、封口コーナ部33と直線部との間の変形に対する強度の差が小さくなり、角形であっても封口が確実になされて漏液を防止することができる。
【0021】
上記構成において、偏平角形電池1の正極側とする電池ケース2の内面に、保護層としてニッケルあるいはアルミニウムの単体またはその合金を0.005mm以上の厚さに形成することにより、母材金属(ここではステンレス鋼)が電位差によって溶解することが防止できる。前記保護層の形成は、クラッド、メッキ、蒸着等の手段により実施することができる。また、本実施形態では電池ケース2を正極、封口ケース3を負極としているが、この逆に正極、負極を設定する場合もある。
【0022】
また、電池ケース2及び封口ケース3の外面は梨地に形成しておくと、リード板を溶接するときの接触抵抗が増加し、抵抗溶接が容易となる。
【0023】
また、本実施形態では、極板群5に巻回構造を適用して電池容量の増加を図った例を示しているが、封口ケース3の形状に対応する角丸の正方形に成形した正極ペレットと負極ペレットとをセパレータを介して対向配置した電極構造を適用することもできる。
【0024】
また、本実施形態では、偏平角形電池1の平面形状を角丸の正方形としているが、長辺と短辺との長さの差が大きくならない程度の長方形に形成することもできる。また、四角形以上の多角形に形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、偏平形電池を角形に形成したときに直線部分で封口が充分になされない問題点を、封口時に最も変形しやすい封口ケースに段差部から底面にかけての厚さを増すことにより変形強度を向上させ、直線部分の変形による漏液を防止することができる。従って、従来は円形にしかできなかった偏平形電池を角形に構成することが可能となり、また、巻回構造の極板を収容することが容易となり、携帯機器などのように小型化、薄型化、軽量化が要求される場合の電池電源として、スペース効率及び電池容量の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る偏平角形電池の斜視図。
【図2】実施形態に係る電池ケースの構成を示す斜視図。
【図3】実施形態に係る封口ケースの構成を示す斜視図。
【図4】実施形態に係る偏平角形電池の(a)は組立状態、(b)は封口状態を示す断面図。
【図5】実施形態に係る偏平角形電池の別態様を示す断面図。
【図6】実施形態に係る巻回構造の極板を示す斜視図。
【図7】従来の円形の偏平電池の構成を示す(a)は側面図、(b)は平面図。
【図8】従来の円形偏平電池の構成を示す断面図。
【図9】従来の偏平角形電池の構成を示す(a)は側面図、(b)は平面図。
【図10】同上の(a)は組立状態、(b)封口時のコーナー部分、(c)は封口時の直線部分の座屈状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 偏平角形電池
2 電池ケース
3 封口ケース
4 ガスケット
5 極板群
21 電池底面
22 電池側周面
31 封口底面
32 封口側周面
35 段差部
36 凹部
Claims (2)
- 多角形半殻体に形成された金属製の電池ケースと、この電池ケースの側周面から所定間隔を隔てる外径が電池ケース側周面の高さに対応する位置で外径を狭める段差部を設けた側周面を有する多角形半殻体に形成された金属製の封口ケースとが、互いの開口部を対向させた内部空間に発電要素を収容し、両ケースの側周面の間にガスケットを配して電池ケース側周面の開口端側を縮口して前記段差部上にガスケットを圧縮して両ケース間が封口された偏平角形電池であって、
前記封口ケースは、その底面から前記段差部に至る側周面及び段差部が、前記底面の板厚の1.2倍以上の厚さに形成されてなることを特徴とする偏平角形電池。 - 封口ケースの底面の周辺部に、少なくとも直線部に沿って凹部が形成されてなる請求項1記載の偏平角形電池。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000330916A JP4037046B2 (ja) | 2000-10-30 | 2000-10-30 | 偏平角形電池 |
CNB2005100081620A CN1286192C (zh) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | 扁平方形电池 |
EP01972697A EP1282176A4 (en) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | SQUARE FLAT BATTERY |
KR10-2002-7007489A KR100452230B1 (ko) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | 편평 각형 전지 |
CNB018030661A CN1295799C (zh) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | 扁平方形电池 |
US10/149,731 US6893773B2 (en) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | Flat square battery |
PCT/JP2001/008772 WO2002033767A1 (en) | 2000-10-13 | 2001-10-04 | Flat square battery |
TW090125202A TW522595B (en) | 2000-10-13 | 2001-10-12 | Flat square battery |
US10/936,305 US7348098B2 (en) | 2000-10-13 | 2004-09-08 | Flat prismatic battery |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000330916A JP4037046B2 (ja) | 2000-10-30 | 2000-10-30 | 偏平角形電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002134071A JP2002134071A (ja) | 2002-05-10 |
JP4037046B2 true JP4037046B2 (ja) | 2008-01-23 |
Family
ID=18807347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000330916A Expired - Fee Related JP4037046B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-30 | 偏平角形電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4037046B2 (ja) |
Families Citing this family (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4505711B2 (ja) * | 2003-05-15 | 2010-07-21 | 東芝電池株式会社 | 扁平角形電池 |
JP4563001B2 (ja) * | 2003-07-10 | 2010-10-13 | 東芝電池株式会社 | 扁平角形電池 |
JP4563002B2 (ja) * | 2003-08-27 | 2010-10-13 | 日立マクセル株式会社 | 扁平形非水電解質二次電池 |
JP2005276579A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Hitachi Maxell Ltd | 扁平角型電池 |
JP5115204B2 (ja) * | 2007-03-02 | 2013-01-09 | パナソニック株式会社 | 面実装用方形蓄電セル |
JP5420871B2 (ja) * | 2008-09-18 | 2014-02-19 | 日立マクセル株式会社 | 扁平形電池 |
JP5371347B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2013-12-18 | 日立マクセル株式会社 | 扁平形電池 |
JP2010165506A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Hitachi Maxell Ltd | 扁平形電池 |
JP5462611B2 (ja) * | 2009-12-17 | 2014-04-02 | 三洋電機株式会社 | コイン形電気素子 |
US9727511B2 (en) | 2011-12-30 | 2017-08-08 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Input/output module with multi-channel switching capability |
US10834094B2 (en) | 2013-08-06 | 2020-11-10 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Operator action authentication in an industrial control system |
US8862802B2 (en) | 2011-12-30 | 2014-10-14 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Switch fabric having a serial communications interface and a parallel communications interface |
US8868813B2 (en) | 2011-12-30 | 2014-10-21 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Communications control system with a serial communications interface and a parallel communications interface |
US9600434B1 (en) | 2011-12-30 | 2017-03-21 | Bedrock Automation Platforms, Inc. | Switch fabric having a serial communications interface and a parallel communications interface |
US11967839B2 (en) | 2011-12-30 | 2024-04-23 | Analog Devices, Inc. | Electromagnetic connector for an industrial control system |
US9437967B2 (en) | 2011-12-30 | 2016-09-06 | Bedrock Automation Platforms, Inc. | Electromagnetic connector for an industrial control system |
US11144630B2 (en) | 2011-12-30 | 2021-10-12 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Image capture devices for a secure industrial control system |
US8971072B2 (en) | 2011-12-30 | 2015-03-03 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Electromagnetic connector for an industrial control system |
US10834820B2 (en) | 2013-08-06 | 2020-11-10 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Industrial control system cable |
US9467297B2 (en) | 2013-08-06 | 2016-10-11 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Industrial control system redundant communications/control modules authentication |
US11314854B2 (en) | 2011-12-30 | 2022-04-26 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Image capture devices for a secure industrial control system |
US9191203B2 (en) | 2013-08-06 | 2015-11-17 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Secure industrial control system |
US20150243938A1 (en) * | 2012-09-11 | 2015-08-27 | Routejade Inc. | Case for secondary battery with reinforced connection unit |
US10613567B2 (en) | 2013-08-06 | 2020-04-07 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Secure power supply for an industrial control system |
EP3082215B1 (en) * | 2015-04-13 | 2020-11-25 | Bedrock Automation Platforms Inc. | Secure power supply for an industrial control system |
-
2000
- 2000-10-30 JP JP2000330916A patent/JP4037046B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002134071A (ja) | 2002-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4037046B2 (ja) | 偏平角形電池 | |
US7348098B2 (en) | Flat prismatic battery | |
US6143442A (en) | Prismatic battery | |
JP4339951B2 (ja) | 二次電池のキャップアセンブリ | |
JP2008262905A (ja) | 扁平形電池 | |
JP2006338992A (ja) | 角型リチウムイオン電池 | |
JP4020580B2 (ja) | 偏平角形電池 | |
JP3738230B2 (ja) | 電池の製造方法 | |
JP3749048B2 (ja) | 角形密閉電池とその製造方法 | |
JP3849733B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2002216709A (ja) | 密閉形電池と密閉形電池の製造方法 | |
JP4831625B2 (ja) | コイン形電池 | |
JP4070136B2 (ja) | コイン形電池 | |
JPH0513054A (ja) | 密閉式角型蓄電池とその製造方法 | |
JP3744788B2 (ja) | 密閉電池とその製造方法 | |
JPH0696748A (ja) | 長円形密閉電池 | |
JP3729138B2 (ja) | 密閉式角型蓄電池とその製造方法 | |
JPH0340373A (ja) | ボタン形リチウム電池 | |
JP2021082562A (ja) | 全固体電池 | |
JP4354750B2 (ja) | 電池とその製造方法 | |
JP2005044649A (ja) | 扁平形電池と、扁平形電池の電池缶と、扁平形電池の電池缶の製造方法 | |
WO2006058467A1 (en) | A Button-Shaped Alkaline Battery | |
CN215933698U (zh) | 一种壳体组件及电池 | |
JP3599391B2 (ja) | 角形電池の製造方法 | |
JP2003045381A (ja) | コイン形電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101109 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |