JP4036500B2 - アミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬 - Google Patents

アミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミド類縁体であるアミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬、特に神経疾患の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
スフィンゴ糖脂質(以下、GSLという)は、哺乳動物細胞の細胞表面膜構成成分として存在しており、生理活性物質のレセプター機能、細胞間相互認識機能、又は細胞間相互作用等を介しての発生、増殖、分化、癌化及び免疫反応等の細胞機能と密接に関係していることが知られている。
【0003】
なかでもガングリオシドはシアル酸を含有するGSLで、末梢神経損傷や中枢神経障害等の神経疾患の回復、すなわち神経の再生促進や神経伝達過程に活性を持つといわれ、現在までに神経系の種々の病態モデルに対する外因性ガングリオシドの有効性が検討されている。既に、これを利用した薬剤としてイタリアでクロナシアル(CronassialTM) なる薬剤が上市され、関連する特許出願がなされている(特開昭52−34912号)。
【0004】
現在、ガングリオシドの機能を探る手法として最も多く使われているものは、実験系に外からガングリオシドを添加するというタイプのものであるが、その場合内因性ガングリオシドとの関連が問題となる。つまり、細胞膜に存在する内因性ガングリオシドが種々の細胞表面受容体等と既に複合体を形成している中に、更にガングリオシドを添加して導きだされる結果は、内因性ガングリオシドの真の細胞生理学的意義を常に反映しているとは限らないと考えられる。したがって、ガングリオシドの細胞生理学上における本来の役割を知るためには、内因性GSLの生合成を特異的に変化させる方法が必要であった。本発明者等は先に、セラミドのアナログである1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール (PDMP) を合成し、D−トレオ−PDMPがグルコシルセラミド生合成酵素を特異的に阻害し、グルコシルセラミドを出発物質とする全てのGSLの細胞内含量を著しく減少させることを証明した(J. Lipid. Res., vol.28, 565-571, 1987)。
【0005】
更に、D−トレオ−PDMPによってGSL含量が低下し、このことにより神経突起の伸展が抑制されることが報告されている(J. Biochem., 110, 96-103, 1991)。また、D−トレオ−PDMPがシナプス機能を抑制し、この抑制は種々のガングリオシドのなかでGQ1bにより特異的に解除されることが見出されている(Biochem. Biophys. Res. Commun., 222, 494-498, 1996)。この結果より、ガングリオシドGQ1bはシナプス機能に必須の活性分子であることが示唆され、内因性ガングリオシドの神経機能に及ぼす重要性が認識されている。
【0006】
一方、D−トレオ−PDMPの光学対掌体であるL−トレオ−PDMPは、GSLの生合成を促進する可能性があることを本発明者らは見出している(J. Cell. Physiol., 141, 573-583(1989))。しかしながら、L−トレオ−PDMPが神経細胞の内因性ガングリオシドレベルを増加させるか否か、また内因性ガングリオシドの増加が神経細胞の機能を活性化するかということに関しては全く未知の問題であり、検討がなされていなかった。
【0007】
そこで本発明者らは、L−トレオ−PDMP等の2−アシルアミノプロパノール誘導体が、神経細胞のガングリオシド生合成を促進することにより、神経突起伸展促進効果(J. Neurochem., 67,1821-1830(1996))及びシナプス形成促進効果を発揮し、神経疾患治療剤として有望であることを見出している(PCT国際公開WO95/05177)。
【0008】
最近、本発明者らはL−トレオ−PDMPの神経栄養因子様活性の作用機序の解明を目的として、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)や脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Factor; BDNF)等でシナプス伝達を持続的に亢進したときに活性化されるMAP キナーゼ(MAPkinase; mitogen-activated proteinkinase)への該物質の影響を検討した。その結果、L−トレオ−PDMPはシナプス形成促進効果に比例してMAP キナーゼを長時間活性化することが判明している。さらにL−トレオ−PDMPによるGQ1b合成酵素活性の活性化効果も見出している。
【0009】
しかし、上記のL−トレオ−PDMPは、in vivo で薬効を発揮させる際、血中半減期及び脳内移行性について更に改良の余地があると判断された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、L−トレオ−PDMP等の2−アシルアミノプロパノール誘導体の水酸基をエステル化することにより、溶解性が著しく改善されることを見出した。また、エステル化したL−トレオ−PDMPを哺乳動物に投与した際、L−トレオ−PDMPよりも優れた神経疾患治療効果及び脳保護作用を有することを確認した。これらの知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
〔1〕一般式(1)
【0012】
【化4】
Figure 0004036500
【0013】
〔式中、R1 はアルキル基、アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R2 はアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルケニル基、アルコキシル基又はアラルキルオキシ基を示し、R3 は下記式(I)〜(VI)で表される置換アミノ基を示し、R4 は水素原子、低級アルキル基、アミノ基、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基、低級アルコキシル基又はカルボキシル基を示し、nは1〜4の整数を示す〕
【0014】
【化5】
Figure 0004036500
【0015】
〔式中、R5 及びR6 は、同一又は異なり、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシアルキル基、アミノ低級アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、アラルキル基又は低級アルキルが置換されていてもよいピペラジノ基を表し、R7 及びR8 は同一又は異なり、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシル基、ヒドロキシ低級アルキル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキル基、ピペリジノ基、アシルオキシ基、アミノ基及びアミノ低級アルキル基から選ばれる基を表し、R9 は酸素で中断されていてもよい低級アルキレン基を表し、R10及びR11は、同一又は異なり、水素原子、低級アルキル基又はヒドロキシ低級アルキル基を表すか、あるいはR10とR11は、それらが結合している窒素原子と共に、低級アルキルが置換していてもよいピペリジノ基又はモルホリノ基を表し、mは2〜6の整数を表し、pは2又は3を表し、Xは下記式(VII)又は(VIII)を表す。
【0016】
【化6】
Figure 0004036500
【0017】
(式中、R12は低級アルキル基、アシル基、低級アルコキシカルボニル基又はピリジル基を表す)〕で示されるアミノアルコール誘導体及び薬学的に許容されるその塩に関する。
【0018】
また本発明は、
〔2〕一般式(1)において、R1 が置換基を有していてもよいフェニル基であり、R2 が炭素数2〜19のアルキル基、アルコキシル基又はアラルキルオキシ基を示し、R3 がモルホリノ基;低級アルキルアミノ基;モルホリノ低級アルキルアミノ基;ヒドロキシルで置換されていてもよいシクロアルキルアミノ基;ヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピロリジノ基;低級アルキルで置換されていてもよいピペラジノ基;ビス(ヒドロキシ低級アルキル)アミノ基;及びヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピペリジノ基から選ばれる置換アミノ基であり、R4 が前記のとおりであるアミノアルコール誘導体;
〔3〕一般式(1)において、R1 がフェニル基であり、R2 がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3 がモルホリノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ピロリジノ基、N−メチルピペラジノ基、ジエタノールアミノ基、ヒドロキシピペリジノ基又はピペリジノ基であり、R4 が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であるアミノアルコール誘導体;
〔4〕一般式(1)において、R1 がフェニル基であり、R2 がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3 がモルホリノ基、N−メチルピペラジノ基、又はジエタノールアミノ基であり、R4 が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1S,2S)であるアミノアルコール誘導体;
〔5〕一般式(1)において、R1 がフェニル基であり、R2 がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3 がヒドロキシピペリジノ基であり、R4 が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1S,2S)、(1R,2S)又は(1S,2R)であるアミノアルコール誘導体;
〔6〕一般式(1)において、R1 がフェニル基であり、R2 がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3 がモルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、シクロヘキシルアミノ基又はシクロペンチルアミノ基であり、R4 が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1R,2R)であるアミノアルコール誘導体;に関する。
さらに、本発明は、上記一般式(1)で表されるアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を含有する医薬に関し、特に神経疾患の治療剤又は脳保護剤に関する。
なお、上記〔4〕〜〔6〕における一般式(1)の化合物の立体配置、(1S,2S)、(1R,2S)、(1S,2R)又は(1R,2R)は、それぞれL−トレオ体、L−エリトロ体、D−エリトロ体又はD−トレオ体に相当する。
【0019】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0020】
本発明において、低級とは炭素数が1〜6であることを意味する。
【0021】
上記式中、R1 が表す基の炭素数は6〜15が好ましく、置換基は低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシ低級アルキル又はニトロ基が好ましい。置換基を有していてもよいアリール基としては、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシ低級アルキル及びニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、例えばフェニル基、ジメトキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基が挙げられ、更に好ましくはフェニル基が挙げられる。またシクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が挙げられる。
【0022】
式中、R2 が表す基の炭素数は2〜19が好ましく、より好ましくは炭素数7〜15のアルキル基(例えばへプチル、ノニル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル等)若しくはヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシへプチル、ヒドロキシノニル、ヒドロキシウンデシル、ヒドロキシトリデシル、ヒドロキシペンタデシル等)、炭素数4〜14のアルコキシル基(例えばt−ブトキシ、n−オクチルオキシ)、又はアラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシ)である。R2 の最も好ましい例は、ノニル基、n−オクチルオキシ基若しくはベンジルオキシ基である。
【0023】
式中、R3 は、好ましくはモルホリノ基;低級アルキルアミノ基;モルホリノ低級アルキルアミノ基;ヒドロキシルで置換されていてもよいシクロアルキルアミノ基;ヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピロリジノ基;低級アルキルで置換されていてもよいピペラジノ基;ビス(ヒドロキシ低級アルキル)アミノ基;ヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピペリジノ基が挙げられる。より好ましくは、モルホリノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ピロリジノ基、N−メチルピペラジノ基、ジエタノールアミノ基、ヒドロキシピペリジノ基又はピペリジノ基が挙げられる。最も好ましい基は、本発明のアミノアルコール誘導体の使用目的、不斉炭素原子おける立体配置によって異なる。R3 がモルホリノ基、N−メチルピペラジノ基又はジエタノールアミノ基であり、立体配置が(1S,2S)である場合、又はR3 がヒドロキシピペリジノ基であり、立体配置が(1S,2S)、(1R,2S)又は(1S,2R)である場合、糖脂質生合成促進作用及び神経突起伸長活性が強く、神経疾患の治療剤として特に有用である。一方、R3 がモルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、シクロヘキシルアミノ基又はシクロペンチルアミノ基であり、立体配置が(1R,2R)である場合、糖脂質生合成抑制作用又は分化誘導作用が強く、癌治療剤として有用である。
【0024】
式中、R4 が表す低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル等)が好ましい。モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基としては、1又は2個の前記低級アルキルを有するアミノ基(メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等)が好ましい。低級アルコキシル基としては、炭素数1〜4のアルコキシル基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等)が好ましい。nは1〜4の整数であるが、好ましくは1又は2である。R4 としてより好ましい基は、水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基あるいはカルボキシル基であり、最も好ましくは水素原子である。−(CH2)n −R4 の好ましい一例としては、
【0025】
【化7】
Figure 0004036500
【0026】
が挙げられる。
【0027】
式(1)で示される本発明のアミノアルコール誘導体は、式(2)で示されるアミノアルコール誘導体の水酸基をCO−(CH2)n −R4 に対応するカルボン酸又はその反応性誘導体を用い、自体既知の方法であるエステル化反応によって得られるが、このような方法に限定されるものではない。
【0028】
式(2)で示されるアミノアルコール誘導体のR1 、R2 又はR3 に、エステル化試薬に対して反応性の官能基が含まれる場合は、この官能基をあらかじめ適当な保護基で保護し、エステル化反応を行った後、脱保護させてもよい。
【0029】
【化8】
Figure 0004036500
【0030】
エステル化方法としては、上記カルボン酸と縮合剤を用いる方法、酸無水物を用いる方法、酸ハロゲン化物を用いる方法等が例示される。
具体的には、式(2)で示されるアミノアルコール誘導体又はその酸付加塩(例えば塩酸塩)を塩化メチレン、ピリジン等の有機溶媒中、上記カルボン酸と縮合剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))とエステル化触媒(例えばN,N−ジメチルアミノピリジン、N−ピロリジノピリジン)を用いて反応させる方法、酸無水物又は酸ハロゲン化物(例えば酸塩化物)と塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基)を用いて反応させる方法等が例示される。なお、上記有機溶媒は、エステル化反応を阻害せず、上記アミノアルコール誘導体を溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、また上記エステル化触媒もエステル化反応を促進するものであれば、特に限定されない。
【0031】
エステル化反応は、通常約0〜50℃、好ましくは室温下(5〜35℃(JIS K0050))、数時間〜数日間、好ましくは10時間〜2日間行われるが、反応条件は当業者であれば予備実験によって適宜に設定することができる。
エステル化反応の後、酢酸エチル、クロロホルム等による溶媒抽出、各種クロマトグラフィー(吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等)、結晶化の自体既知の精製手段を適宜に組み合わせて、式(1)で表される本発明化合物を精製・単離することができる。
【0032】
上記式(2)で表される化合物は、例えばJ. Lipid. Res., Vol.28, 565-571(1987)及びJ. Biochem., Vol.111, 191-196(1992)に記載された次の方法に準じて合成し、必要に応じて光学分割することによって得られる。
【0033】
【化9】
Figure 0004036500
【0034】
すなわち、例えば式(2)で表される化合物において、R1 がフェニル基で、R2 COがアシル基である場合、2−アシルアミノアセトフェノンをマンニッヒ反応で2級アミン(R3 H)と縮合させた後、水素化ホウ素ナトリウムで還元する。これにより得られた4つの異性体の混合物を、クロロホルム/エーテルで分別結晶化(ジアステレオマー分割)して、D,L−トレオ体及びD,L−エリトロ体をそれぞれラセミ体として得た後、更にまた、このラセミ体を酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、カンフル酸等の光学活性な塩で分別結晶化(光学分割)することにより、所望の立体配置を有する化合物を光学活性な塩として得ることができる。更に当業者が容易に行える方法で塩を除去し、目的化合物を遊離の塩基性化合物として得ることができる。
【0035】
また、上記式(2)で表される化合物は、次に示すように、式(3)で表されるキラル化合物を出発物質として使用し、順次反応させることにより所望の立体配置を有する化合物として得られる。
【0036】
【化10】
Figure 0004036500
【0037】
〔式中、*は不斉炭素を表し;P1 はアミノ基の保護基であり、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンゼンスルホニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が挙げられ;Yはメタンスルホニル、トリハロゲノメタンスルホニル、P−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル、P−ブロモベンゼンスルホニル基等の脱離基を表す〕
【0038】
すなわち、式(3)で示されるアミノアルコール誘導体の1級水酸基のみに脱離基(Y)を導入して式(4)で示される化合物とした後、該化合物に式R3 Hで示されるアミンを反応させ、式(5)で示されるアミノアルコール誘導体とし、該化合物よりP1 を脱離させて式(6)で示されるアミノアルコール誘導体とし、ついでR2 COOHで示されるカルボン酸又はその反応性誘導体を反応させることにより、式(2)で示されるキラルなアミノアルコール誘導体を得ることができる。
【0039】
また、上記式(2)で示される化合物は、次に示すように、キラル化合物(7)を出発物質として、オキサゾリン環を有する化合物(8)を合成中間体とする合成経路を踏襲することにより、所望の立体配置を有する化合物として得られる。
【0040】
【化11】
Figure 0004036500
【0041】
すなわち、化合物(7)の1級水酸基のみに脱離基(Y)を導入後、塩基性条件下で閉環させてオキサゾリン環を有する化合物(8)とした後、再度1級水酸基に脱離基を導入し、アミン(R3 H)と反応させて化合物(9)とした後、酸処理によってオキサゾリン環を開環させることにより、キラルなアミノアルコール誘導体(2)を得ることができる。
式(1)で示される化合物の薬学的に許容される塩としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸塩、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、P−トルエンスルホン酸等の有機酸の塩を挙げることができる。このような塩の製造は自体既知の方法によって行うことができ、例えば式(1)で示される化合物(遊離型)をアルコール等の適宜な溶媒に溶解し、通常等モル程度の上記の酸を添加して反応させ、所望により溶媒を溜去すればよい。
【0042】
〔溶解性〕
本発明化合物は遊離型である場合よりも、塩酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩等の塩型である場合の方が、水又は生理食塩水に対する溶解性が向上する。
例えば、L−トレオ−PDMP塩酸塩の生理食塩水に対する溶解度は0.5mg/ml 程度であるのに対し、L−トレオ−PDMPをアセチルエステル化した実施例1の化合物の塩酸塩(実施例1−2)は非常に溶解性が改善され、生理食塩水及び1%トウィーン80(Tween80)含有生理食塩水に対する溶解度はそれぞれ100mg/ml 以上であった。また、実施例1−1の化合物のクエン酸塩(実施例1−2)も非常に溶解性が向上し、生理食塩水及び1%トウィーン80含有生理食塩水に対する溶解度は100mg/ml 以上であった。
【0043】
〔作用〕
本発明化合物は、糖脂質の生合成を制御する作用を有し、該作用に基づく医薬としての有用性を有している。
式(1)で示される化合物は、その立体配置(L−トレオ、L−エリトロ、D−トレオ、D−エリトロ)により、上記生合成制御作用が異なる。このうち糖脂質(ガングリオシド等)生合成促進作用を有する化合物は、神経突起伸展促進効果、シナプス形成促進効果、神経細胞死防止効果、MAPキナーゼ活性化効果を有し、in vivo において記憶障害改善効果、シアン化カリウム惹起低酸素症モデル動物に対する脳保護効果を有しているので、このような効果に基づく神経疾患治療剤として有用である。したがって、本発明化合物の有効量を、末梢神経又は中枢神経の障害に起因する神経疾患に罹患したヒトを含む哺乳動物に投与することによって、該動物を治療することができる。代表的な疾患として、例えば脳卒中、脳梗塞、脳血管障害後遺症、脳出血、脳外傷、記憶障害、老年痴呆、アルツハイマー病やパーキンソン氏病等の、神経繊維が再生されることによって治療効果が期待される種々の中枢神経系疾患;並びに、例えば代謝障害性多発性神経障害、機械的神経障害、毒性神経障害等の種々の末梢神経系疾患が挙げられる。特に立体配置がL−トレオである本発明化合物は、神経疾患治療剤としての作用が強いが、糖脂質生合成促進作用を有する限り、立体配置には限定されず、例えばL−トレオ体である前記〔4〕に記載の化合物だけでなく、前記〔5〕に記載の化合物のように、L−トレオ体以外の立体配置の化合物も神経疾患治療剤の有効成分として使用できる。また、上記のような本発明化合物は、海馬CA1領域の神経細胞死を防止する効果が認められ、また本発明化合物の母体化合物(式(1)における−O−CO−(CH2)n −R4 の部分が−OHである化合物)に比較して脳内移行性が高く、かつ脳内からの消失も緩慢であるため、中枢神経系疾患治療剤、特に脳保護剤若しくは脳神経賦活・保護剤として、例えば脳血管障害後遺症の治療に有効である。
【0044】
一方、本発明化合物のうち、糖脂質合成阻害作用を有する化合物は、未分化な状態で異常増殖する細胞の分化を誘導する作用又は癌細胞を正常化する作用を有し、癌治療剤として有用である。立体配置がD−トレオ又はL−トレオである本発明化合物はこのような用途には好ましく用いられ、D−トレオ体が特に好ましい。例えば、前記〔6〕に記載の化合物をこのような目的に使用し得る。
【0045】
〔製剤化〕
本発明化合物は、担体、賦形剤、その他の添加物と共に、経口又は非経口的に投与する製剤とすることができ、ヒトを含む哺乳動物の各種疾患(例えば神経疾患、癌)の治療に用いることができる。
【0046】
経口製剤としては、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤等の固形製剤;シロップ剤、エリキシル剤、乳剤等の液状製剤を挙げることができる。散剤は、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロース、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸等の賦形剤と混合して得ることができる。顆粒剤は、上記賦形剤のほか、必要に応じて、例えば白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤や、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤を更に加え、湿式又は乾式で造粒して得ることができる。錠剤は、上記散剤又は顆粒剤をそのまま、又はステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤を加えて打錠して得ることができる。また、上記錠剤又は顆粒剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸メチルコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネート等の腸溶性基剤で被覆し、あるいはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油、白色セラック等で被覆し、これらを腸溶性又は持続性製剤にすることができる。硬カプセル剤は、上記散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填して得ることができる。また軟カプセル剤は、本発明化合物を、グリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油等に溶解し、これをゼラチン膜で被覆して得ることができる。シロップ剤は、白糖、ソルビトール、グリセリン等の甘味剤と本発明化合物とを、水に溶解して得ることができる。また、甘味剤及び水のほかに、精油、エタノール等を加えてエリキシル剤とするか、あるいはアラビヤゴム、トラガント、ポリソルベート類(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80(トウィーン80)等)、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を加えて、乳剤又は懸濁剤にすることもできる。またこれらの液状製剤には、必要に応じ、矯味剤、着色剤、保存剤等を加えることができる。
【0047】
非経口製剤としては、注射剤、直腸投与剤、ペッサリー、皮膚外用剤、吸入剤、エアゾール剤、点眼剤等を挙げることができる。注射剤は、本発明化合物に、必要に応じてポリソルベート類等の非イオン界面活性剤;塩酸、水酸化ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調整剤;塩化ナトリウム、ブドウ糖等の等張化剤;アミノ酸類等の安定化剤;及び注射用蒸留水又は生理食塩水を加え、滅菌濾過した後、アンプルに充填して得ることができる。また更にマンニトール、デキストラン、ゼラチン等を加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の注射剤とすることができる。その他、粉末充填型の注射剤とすることもできる。また本発明化合物に、レシチン、ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、マクロゴール等の乳化剤を加えた後、水中で乳化させた注射用乳剤にすることもできる。
【0048】
また、注射剤としては、溶解性、目標臓器への移行速度の改善が可能なリポソーム製剤やリピッドマイクロスフェア等が挙げられる。特にナノスフェア−リポソーム(脂質超微粒子)は、網内系組織に取り込まれることなく血中濃度を高め、薬効発現に必要な最小有効投与量を低下させることができるだけでなく、脳血管関門を10倍程度通過しやすくするので、脳の神経疾患の治療に使用する場合に好適である。リポソーム製剤は、公知のリポソーム調製法(C.G. Knight, Liposomes: From Physical Structure to Therapeutic Applications, pp. 51-82, Elsevier, Amsterdam (1981); Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., Vol.75, 4194(1978))に従って調製することができる。
【0049】
すなわち、リポソーム膜を形成する両親媒性物質としては、天然リン脂質(卵黄レシチン、大豆レシチン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、カルジオリピン等)、合成リン脂質(ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン等)等のリン脂質が使用される。また、膜の安定性、流動性、薬剤の膜透過性を改善するために、コレステロール類(コレステロール、エルゴステロール、フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール等)、リポソームに負電荷を付与することが知られている物質(ホスファチジン酸、ジセチルホスフェート等)、正電荷を付与することが知られている物質(ステアリルアミン、ステアリルアミンアセテート等)、酸化防止剤(トコフェロール等)、油性物質(大豆油、綿実油、ゴマ油、肝油等)等、公知の種々の添加剤を使用してもよい。
【0050】
リポソームの製造は、例えば以下の方法で行うことができる。上記両親媒性物質及び添加剤と本発明化合物を、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、エタノール、メタノール、ヘキサン等の単独又は混合溶媒)にそれぞれ溶解し、両溶液を混合し、フラスコ等の容器中において不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)の存在下で有機溶媒を除去し、器壁に薄膜を付着させる。次いで、この薄膜を適当な水性媒体(生理食塩水、緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等)に加え、撹拌機で撹拌する。小粒径のリポソームを得るためには、超音波乳化機、加圧型乳化機、フレンチプレス細胞破砕機等を用いて更に分散させる。このようにリポソーム化に必要な両親媒性物質等と本発明化合物が水性媒体に分散した液を、メンブランフィルター処理することによってリポソーム化が進行し、粒径分布が制御されたナノスフェア−リポソーム(脂質超微粒子;粒径25〜50nm程度)を得ることができる。また、リポソームを限外濾過、遠心分離、ゲル濾過等の分画処理に付し、担持されなかった薬剤を除去してもよい。
【0051】
また、膜形成物質として、上記両媒性物質、添加剤の他に、β−オクチルグルコシド、L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン、フェニルアミノマンノシド又はスルファチドを添加することによって得られる、グルコース残基、チロシン残基、マンノース残基又はスルファチドを膜上に有するリポソームに、本発明化合物を担持させることによって、脳血管関門を通過しやすくすることもできる(特開平4−69332号参照)。
【0052】
リピッドマイクロスフェアは、本発明化合物を大豆油、ゴマ油等に溶解し、天然リン脂質、グリセリン、水等を加え撹拌機で撹拌し、更に超音波乳化機、加圧型乳化機、フレンチプレス細胞破砕機等を用いて分散させることにより得られる。
【0053】
直腸投与剤は、本発明化合物にカカオ脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセリド、ポリエチレングリコール等の坐剤用基剤を加えた後、加温して溶融し、これを型に流し込んで冷却するか、あるいは本発明化合物をポリエチレングリコール、大豆油等に溶解した後、ゼラチン膜で被覆して得ることができる。
【0054】
皮膚外用剤は、本発明化合物に白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等を加え、必要に応じ加温し、混練して得ることができる。
【0055】
テープ剤は、本発明化合物にロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体等の粘着剤を混練し、これを不織布等に展延して得ることができる。
【0056】
吸入剤は、例えば薬学的に許容される不活性ガス等の噴射剤に、本発明化合物を溶解又は分散し、これを耐圧容器に充填して得ることができる。
【0057】
本発明化合物を神経疾患の治療剤、特に脳保護剤若しくは脳神経賦活・保護剤として使用する場合、注射剤が好ましく、静脈注射剤がより好ましい。このような注射剤は、本発明化合物の脳内移行性を考慮して、リピッドマイクロスフェア製剤、界面活性剤を含む製剤としてもよい。
【0058】
〔投与方法〕
本発明化合物を有効成分として含有する薬剤の投与方法は、特に限定されないが、中枢神経系の障害に起因する神経疾患の治療に使用する場合、筋肉内注射、静脈内注射、皮下注射又は腹腔内注射等の注射、経直腸投与、経肺投与、点眼等が好ましい。
投与量は、患者の年令、健康状態、体重等に応じ適宜決定するが、一般には、0.25〜200mg/kg 、好ましくは0.5〜100mg/kg を一日1回あるいはそれ以上に分けて投与する。
【0059】
〔毒性〕
5週齢のWister系ラットを用い、実施例1−2の本発明化合物(塩酸塩)及びL−トレオ−PDMP塩酸塩(調製例4−2の化合物)の安全性を検討した。賦形剤(Vehicle)として1.5%〜2.5%Tween 80含有生理食塩水を用いて各化合物を含む注射剤を調製し、上記ラットに静脈注射(i.v.) により投与した結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004036500
【0061】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されものではない。
なお、中間体の合成例を調製例として示す。
【0062】
調製例1 (1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール−3−メタンスルホニルエステルの合成
(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール15.4g(51.0mmol)を塩化メチレン150mlに溶かし、ピリジン12.1ml(149.6mmol)を加えた後、氷浴上でメタンスルホニルクロリド4.5ml(58.1mmol)を5分間かけて滴下した。氷浴上で30分間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。反応が終了していることをTLC(クロロホルム:メタノール=20:1、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で確認した後、水100ml及びクロロホルム50mlを加え、有機層を1N 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び水それぞれ100mlで順次洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過した。溶媒を留去し、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1(100ml)を加え、一夜放置した。析出した結晶をろ取し、n−へキサン:酢酸エチル=2:1で洗浄して、白色結晶の標記物質16.6g(収率85.7%)を得た。
【0063】
調製例2 (1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成
(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール−3−メタンスルホニルエステル1.21g(3.19mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド6mlに溶かし、室温下、モルホリン1.11g(12.8mmol)を加え、40℃で24時間撹拌した。反応がほぼ終了していることをTLC(クロロホルム:メタノール=20:1、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2、酢酸エチル)で確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液70ml及び酢酸エチル100mlを加え、有機層を水及び飽和食塩水それぞれで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、無色油状の標記物質507.5mg(収率43.0%)を得た。
【0064】
調製例3 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成
(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール438.8mg(1.19mmol)をメタノール10mlに溶かし、10%パラジウム炭素126.5mg(10.0mol %)を加え、水素雰囲気下、室温で一夜撹拌した。TLC(クロロホルム:メタノール=9:1及び7:3)で反応が終了していることを確認した後、パラジウム炭素をろ過除去した。ろ液を濃縮して、無色油状の標記物質275.6mg(収率98.5%)を得た。
【0065】
調製例4−1 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成
(1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール944.0mg(4.00mmol)をメタノール4mlに溶かし、トリエチルアミン668.0μl(4.8mmol)を加え、氷冷下にてデカノイルクロリド0.82ml(4.0mmol)を滴下した。30分後、TLC(酢酸エチル、クロロホルム:メタノール=20:1、クロロホルム:メタノール=7:3)で反応がほとんど終了していることを確認した後、メタノール30mlを加え、90分間放置した。反応溶液を減圧濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液20mlを加え、酢酸エチル50mlで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水それぞれ20mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、無色油状の標記物質930.5mg(収率59.6%)を得た。
【0066】
調製例4−2 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩の調製
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール(179g,459.0mmol)に2N 塩酸(250ml)を加え、氷冷下にて一夜放置した。析出した結晶をグラスフィルター上でろ取し、水(100ml×5)、エーテル(100ml×5)で順次洗浄後、室温下48時間減圧乾燥し、白色結晶の(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩(98.0g、収率50.0%)を得た。
【0067】
調製例5 (1S,2S)−2−オクチルオキシカルボニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成
調製例3で得られた(1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール627.7mg(2.66mmol)をメタノール10mlに溶かし、室温下、トリエチルアミン0.518ml(3.723mmol)を加えた後、氷浴上にてクロロギ酸n−オクチルエステル0.625ml(3.19mmol)を加え、室温下15時間撹拌した。反応終了後、メタノール5mlを加え20分間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチル100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ70mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、無色油状の標記物質814.5mg(収率78.1%)を得た。
TLC Rf 0.21(n-Hexane:AcOEt=1: 2), 0.32(CHCl3:MeOH=20:1), 0.36(AcOEt)
1H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H, m, aromatic), 4.99(1H, d, J=3.42Hz, H--1), 4.08(1H, m, H-2), 3.98(2H, m, COOCH2), 3.73(4H, m, (CH2)2O), 2.66-2.45(6H, m, CH2N(CH2)2), 1.54(2H, m, COOCH2CH 2 ), 1.27(10H, m,(CH 2 )5CH3), 0.88(3H, t, CH2CH 3 )
13C-NMR(CDCl3)δ: 156.5, 140.7, 128.3, 127.6, 126.2, 75.4, 66.9, 65.3, 60.1, 54.4, 52.0, 31.7, 29.2, 29.0, 28.9, 25.7, 22.6, 14.0
前記の方法(表1参照)と同様の方法によって測定した本化合物のLD50値(i.v.投与)は69mg/kg であり、2週反復投与での無影響量(反復投与後の一般状態、体重、摂餌量、尿検査、血液学的検査、剖検及び肝臓・腎臓の組織学的検査の全てに異常が認められない安全性を示す投与量)は20mg/kg であった。
【0068】
調製例6 (1R,2R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ピロリジノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成
(1R,2R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール−3−メタンスルホニルエステル1.52g(4.01mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)8mlに溶かし、ピロリジン1.14g(16.0mmol)を加え、40〜50℃で18時間撹拌した後、酢酸エチル100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ70mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、無色油状の標記物質1.21g(収率85.5%)を得た。
【0069】
調製例7 (2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−ノネン−3−オールの合成
(1)(4S,5S)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−4−ノネン−1,3−ジオール2.3g(7.02mmol)のピリジン10ml溶液に、窒素雰囲気下0℃で、メタンスルホニルクロリド0.65ml(8.43mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、モルホリン6.1ml(70.2mmol)を加え、44時間撹拌した。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3 Cl)で精製し、標記物質1.46g(収率67%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.77(1H, dt, J=15.5, 6.6Hz, =CH-CH2), 5.49(1H, dd, J=15.5, 8.3Hz, CH-CH=), 4.69(1H, t, J=8.3Hz, O-CH), 3.80(2H, m), 3.50(1H, m, CH-OH), 2.27(2H, t, J=7.6Hz, N=C-CH2), 2.07(2H, q, J=6.6Hz, =CH-CH 2 ), 1.62(2H, m), 1.26(16H, m), 0.89(6H, m, CH3)
TOF-Mass: 310(M+H+), 333(M+Na+H+), (C19H35NO2 309)
HRMS(FAB)C19H36NO2(M+H+), 理論値; 310.2746 測定値; 310.2750
〔α〕D 23=-75.9 °(c=1.10, CHCl3)
【0070】
(2)(4S,5S)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−モリホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(4S,5S)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン700mg(2.26mmol)の塩化メチレン15ml溶液に、窒素雰囲気下−45℃で、ピリジン0.55ml(6.79mmol)と無水トリフルオロ酢酸0.46ml(2.71mmol)を滴下した。−45℃で1時間撹拌後、モルホリン1.98ml(22.6mmol)を加えた。−45℃で1時間、室温で2時間撹拌後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標記物質141.0mg(収率39%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 5.76(1H, dt, J=15.2,6.9Hz, =CH-CH2), 5.46(1H, dd, J=15.2,7.6Hz, CH-CH=),4.62(1H, t, J=7.6Hz, O-CH),3.87(1H, q, J=6.9Hz, N-CH),3.68(4H, m, (CH2)2O),2.63-2.32(6H, m, CH2N(CH2)2),2.26(2H, t, J=8.0Hz, N=C-CH2), 2.06(2H, m, =CH-CH 2 ), 1.61(2H, m),1.26(16H, m),0.89(6H, m, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 167.7, 134.7, 128.1, 84.5, 69.7, 66.7, 62.9, 54.0, 31.7, 31.0, 29.3, 29.1, 29.0, 28.2, 25.9, 22.5, 22.0, 14.0, 13.7
TOF-Mass: 379(M+H+), (C23H42N2O2 378)
HRMS(FAB)C23H43N2O2(M+H+), 理論値; 379.3325 測定値; 379.3322
〔α〕D 23=-38.4 °(c=1.00, CHCl3)
【0071】
(3)(2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−ノネン−3−オール
(4S,5S)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−モリホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン39mg(0.103mmol)に3N 塩酸3mlを加え、室温で13時間撹拌した。1N NaOHでpH9に調整した後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、標記物質24.5mg(収率60%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.73(1H, dt, J=15.5, 6.6Hz, H-5), 5.42(1H, dd, J=15.2, 6.3Hz, H-4), 4.28(1H, dd, J=5.9, 3.3Hz, H-3), 4.05(1H, m, H-2), 3.69(4H, t, J=4.6Hz, (CH2)2O), 2.69(1H, dd, J=13.2, 6.6Hz, H-1a), 2.56(4H, t, J=4.6Hz, N(CH2)2), 2.51(1H, dd, J=13.2, 5.9Hz, H-1b), 2.17(2H, t, J=7.9Hz, CO-CH2), 2.06(2H, m, =CH-CH 2 ), 1.60(2H, m), 1.26(16H, m), 0.89(6H, m, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 173.5, 133.5, 128.8, 73.5, 66.7, 59.6, 54.1, 49.8, 36.7, 31.9, 31.2, 29.3, 29.1, 25.7, 22.5, 22.1, 14.0, 13.8
TOF-Mass: 397(M+H+), 420(M+Na+)(C23H44N2O3 396)
HRMS(FAB)C23H45N2O3(M+H+), 理論値; 397.3430 測定値; 397.3430
〔α〕D 23=-23.3 °(c=0.49, CHCl3)
【0072】
調製例8 (2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−オクタデセン−3−オールの合成
(1)(4S,5S)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−4−オクタデセン−1,3−ジオール2.48g(5.47mmol)のピリジン20ml溶液に、窒素雰囲気下0℃で、メタンスルホニルクロリド0.55ml(7.11mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、モルホリン4.8ml(54.7mmol)を加え、室温下15時間撹拌した。クロロホルムで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物にヘキサンを加え、析出した結晶をろ過除去し、ろ液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3 Cl)で精製し、標記物質1.64g(収率69%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.77(1H, dt, J=15.3, 6.6Hz, =CH-CH2), 5.48(1H, dd, J=15.3, 8.1Hz, CH-CH=), 4.70(1H, t, J=8.1Hz, O-CH), 3.80(2H, m, CH-OH, N-CH), 3.49(1H, dd, J=11.6, 4.3Hz, CH-OH), 2.26(2H, t, J=7.9Hz, N=C-CH2), 2.05(2H, q, J=6.6Hz, =CH-CH 2 ), 1.61(2H, m, N=C-CH2-CH 2 ), 1.26(34H, m), 0.88(6H, t, J=6.9Hz, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 169.0, 135.6, 127.5, 82.4, 73.4, 62.6, 32.1, 31.8, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 29.0, 28.7, 28.2, 25.9, 22.6, 14.0
TOF-Mass: 436(M+H+) ,459(M+Na+H+), (C28H53NO2 435)
HRMS(FAB)C28H54NO2(M+H+), 理論値; 436.4155 測定値; 436.4147
〔α〕D 23=-54.4 °(c=1.00, CHCl3)
【0073】
(2)(4S,5S)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(4S,5S)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン1.58g(3.63mmol)の塩化メチレン200ml溶液に、窒素雰囲気下−45℃で、ピリジン0.88ml(10.9mmol)と無水トリフルオロ酢酸0.73ml(4.35mmol)を滴下した。−45℃で2時間撹拌後、モルホリン3.2ml(36.3mmol)を加えた。−45℃で2時間、室温で8時間撹拌後、クロロホルムで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記物質432mg(収率24%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 5.75(1H, dt, J=15.2, 6.9Hz, =CH-CH2), 5.46(1H, dd, J=15.2, 7.6Hz, CH-CH=), 4.62(1H, t, J=7.6Hz, O-CH), 3.87(1H, q, J=6.9Hz, N-CH), 3.68(4H, m, (CH2)2O), 2.63-2.32(6H, m, CH2N(CH2)2), 2.26(2H, t, J=8.0Hz, N=C-CH2), 2.05(2H, q, J=6.9Hz, =CH-CH 2 ), 1.62(2H, m, N=C-CH2-CH 2 ), 1.26(34H, m), 0.88(6H, t, J=6.9Hz, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 167.8, 134.8, 128.1, 84.5, 69.7, 66.8, 62.9, 54.1, 32.1, 31.8, 29.6, 29.5, 29.4, 29.3, 29.2, 29.0, 28.9, 28.3, 26.0, 22.6, 14.0
TOF-Mass: 505(M+H+), (C32H60N2O2 504)
HRMS(FAB)C32H61N2O2(M+H+), 理論値; 505.4733 測定値; 505.4736
〔α〕D 23=-18.8 °(c=1.00, CHCl3)
【0074】
(3)(2S,3S,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−オクタデセン−3−オール
(4S,5S)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン314mg(0.62mmol)に3N 塩酸3mlを加え、室温で2時間撹拌した。反応液に1N NaOHを加えpH9に調整した後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製し、標記物質187.0mg(収率58%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.73(1H, dt, J=15.2, 6.9Hz, H-5), 5.42(1H, dd, J=15.2, 6.3Hz, H-4), 4.27(1H, dd, J=6.3, 3.6Hz, H-3), 4.04(1H, m, H-2), 3.69(4H, t, J=4.6Hz, (CH2)2O), 2.69(1H, dd, J=12.9, 6.6Hz, H-1b), 2.55(4H, t, J=4.6Hz,N(CH2)2), 2.49(1H, dd, J=12.9, 5.6Hz, H-1b), 2.17(2H, t, J=7.6Hz, CO-CH2), 2.04(2H, q, J=6.6Hz,=CH-CH 2 ),1.60(2H, m,CO-CH2-CH 2 ), 1.26(34H, m), 0.88(6H, t, J=6.9Hz,CH3)
13C-NMR(CDCl3): 173.4, 133.5, 128.8, 73.6, 66.8, 59.7, 54.2, 49.8, 36.7, 32.2, 31.8, 31.7, 29.6, 29.4, 29.3, 29.2, 25.7, 22.5, 14.0
TOF-Mass: 524(M+H+), 546(M+Na+)(C32H62N2O3 522)
HRMS(FAB)C32H63N2O3(M+H+), 理論値; 523.4838 測定値; 523.4837
〔α〕D 23=-17.6 °(c=1.00, CHCl3)
【0075】
調製例9 (2R,3R,4E)−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−ノネン−3−オール
(1)(4R,5R)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(2R,3R,4E)−2−デカノイルアミノ−4−ノネン−1,3−ジオール88.8mg(0.305mmol)の塩化メチレン2ml溶液に、窒素雰囲気下0℃で、トリエチルアミン128μl(0.916mmol)及びメタンスルホニルクロリド28μl(0.366mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、モルホリン(267μl(3.05mmol)を加え、室温で19時間撹拌した。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3 Cl)で精製し、標記物質48.5mg(収率51%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.77(1H, dt, J=15.5, 6.6Hz, =CH-CH2), 5.49(1H, dd, J=15.5, 8.3Hz, CH-CH=), 4.69(1H, t, J=8.3Hz, O-CH), 3.80(2H, m), 3.50(1H, m, CH-OH), 2.27(2H, t, J=7.6Hz, N=C-CH2), 2.07(2H, q, J=6.6Hz, =CH-CH 2 ), 1.62(2H, m), 1.26(16H, m), 0.89(6H, m, CH3)
TOF-Mass: 310(M+H+), 333(M+Na+H+), (C19H35NO2 309)
HRMS(FAB)C19H36NO2(M+H+), 理論値; 310.2746 測定値; 310.2750
〔α〕D 23=+75.9 °(c=1.10, CHCl3)
【0076】
(2)(4R,5R)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(4R,5R)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン298.0mg(0.963mmol)の塩化メチレン2ml溶液に、窒素雰囲気下−45℃で、ピリジン234μl(2.89mmol)と無水トリフルオロ酢酸194μl(1.16mmol)を滴下した。−45℃で1.5時間撹拌後、モルホリン0.84ml(9.63mmol)を加えた。−45℃で1時間、室温で2時間撹拌後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記物質141.0mg(収率39%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 5.76(1H, dt, J=15.2, 6.9Hz, =CH-CH2), 5.46(1H, dd, J=15.2, 7.6Hz, CH-CH=), 4.62(1H, t, J=7.6Hz, O-CH), 3.87(1H, q, J=6.9Hz, N-CH), 3.68(4H, m, (CH2)2O), 2.63-2.32(6H, m, CH2N(CH2)2), 2.26(2H, t, J=8.0Hz, N=C-CH2), 2.06(2H, m, =CH-CH 2), 1.61(2H, m), 1.26(16H, m), 0.89(6H, m, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 167.7, 134.7, 128.1, 84.5, 69.7, 66.7, 62.9, 54.0, 31.7, 31.0, 29.3, 29.1, 29.0, 28.2, 25.9, 22.5, 22.0, 14.0, 13.7
TOF-Mass: 379(M+H+), (C23H42N2O2 378)
HRMS(FAB)C23H43N2O2(M+H+), 理論値; 379.3325 測定値; 379.3322
〔α〕D 23=+32.5 °(c=0.43, CHCl3)
【0077】
(3)(2R,3R,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−ノネン−3−オール
(4R,5R)−5−(1−(E)−ヘキセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン174.0mg(0.46mmol)に3N 塩酸3mlを加え、室温で13時間撹拌した。反応溶液に1N NaOHを加えpH9に調整した後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、標記物質106.4mg(収率59%)を得た。
1H-NMR(CDCl3;D2O exchange): 5.73(1H, dt, J=15.5, 6.6Hz, H-5), 5.42(1H, dd, J=15.2, 6.3Hz, H-4), 4.28(1H, dd, J=5.9, 3.3Hz, H-3), 4.05(1H, m, H-2), 3.69(4H, t, J=4.6Hz, (CH2)2O), 2.69(1H, dd, J=13.2, 6.6Hz, H-1a), 2.56(4H, t, J=4.6Hz, N(CH2)2), 2.51(1H, dd, J=13.2, 5.9Hz, H-1b), 2.17(2H, t, J=7.9Hz, CO-CH2), 2.06(2H, m, =CH-CH 2 ),1.60(2H,m), 1.26(16H,m), 0.89(6H, m, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 173.5, 133.5, 128.8, 73.5, 66.7, 59.6, 54.1, 49.8, 36.7, 31.9, 31.2, 29.3, 29.1, 25.7, 22.5, 22.1, 14.0, 13.8
TOF-Mass: 397(M+H+), 420(M+Na+)(C23H44N2O3 396)
HRMS(FAB)C23H45N2O3(M+H+), 理論値; 397.3430 測定値; 397.3430
〔α〕D 23=+23.0 °(c=1.00, CHCl3)
【0078】
調製例10 (2R,3R,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−オクタデセン−3−オールの合成
(1)(4R,5R)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(2R,3R,4E)−2−デカノイルアミノ−4−オクタデセン−1,3−ジオール1.38g(3.04mmol)のピリジン10ml溶液に、窒素雰囲気下0℃で、メタンスルホニルクロリド0.33ml(4.26mmol)を滴下した。0℃で2時間撹拌後、モルホリン2.7ml(30.4mmol)を加え、室温下18時間撹拌した。クロロホルムで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物にヘキサンを加え、析出した結晶をろ過除去し、ろ液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3 Cl)で精製し、標記物質496mg(収率37%)を得た。
1H-NMR(CDCl3; D2O exchange): 5.77(1H, dt, J=15.3, 6.6Hz, =CH-CH2), 5.48(1H, dd, J=15.3, 8.1Hz, CH-CH=), 4.70(1H, t, J=8.1Hz, O-CH), 3.80(2H, m, CH-OH, N-CH), 3.49(1H, dd, J=11.6, 4.3Hz, CH2-OH), 2.26(2H, t, J=7.9Hz, N=C-CH2), 2.05(2H, q, J=6.6Hz, =CH-CH 2 ), 1.61(2H, m, N=C-CH2-CH 2 ), 1.26(34H, m), 0.88(6H, t, J=6.9Hz, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 169.0, 135.6, 127.5, 82.4, 73.4, 62.6, 32.1, 31.8, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 29.0, 28.7, 28.2, 25.9, 22.6, 14.0
TOF-Mass: 436(M+H+), 459(M+Na+H+), (C28H53NO2 435)
HRMS(FAB)C28H54NO2 (M+H+), 理論値; 436.4155 測定値; 436.4147
〔α〕D 23=+54.7 °(c=2.94, CHCl3)
【0079】
(2)(4R,5R)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン
(4R,5R)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−ヒドロキシメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン802mg(1.84mmol)の塩化メチレン40ml溶液に、窒素雰囲気下−45℃で、ピリジン0.45ml(5.52mmol)と無水トリフルオロ酢酸372μl(2.21mmol)を滴下した。−45℃で2時間撹拌後、モルホリン1.61ml(18.4mmol)を加えた。−45℃で1時間、室温で5時間撹拌後、クロロホルムで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記物質219mg(収率24%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 5.75(1H, dt, J=15.2,6.9Hz, =CH-CH2), 5.46(1H, dd, J=15.2,7.6Hz, CH-CH=),4.62(1H, t, J=7.6Hz, O-CH),3.87(1H, q, J=6.9Hz, N-CH),3.68(4H, m, (CH2)2O),2.63-2.32(6H, m, CH2N(CH2)2),2.26(2H, t, J=8.0Hz, N=C-CH2), 2.05(2H, q, J=6.9Hz,=CH-CH 2 ),1.62(2H, m, N=C-CH2-CH 2 ),1.26(34H, m),0.88(6H, t, J=6.9Hz, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 167.8, 134.8, 128.1, 84.5, 69.7, 66.8, 62.9, 54.1, 32.1, 31.8, 29.6, 29.5, 29.4, 29.3, 29.2, 29.0, 28.9, 28.3, 26.0, 22.6, 14.0
TOF-Mass: 505(M+H+), (C32H60N2O2 504)
HRMS(FAB)C32H61N2O2(M+H+), 理論値; 505.4733 測定値; 505.4736
〔α〕D 23=+19.4 °(c=0.32, CHCl3)
【0080】
(3)(2R,3R,4E)−2−デカノイルアミノ−1−モルホリノ−4−オクタデセン−3−オール
(4R,5R)−5−(1−(E)−ペンタデセニル)−4−モルホリノメチル−2−ノニル−2−オキサゾリン190mg(0.38mmol)に3N 塩酸3mlを加え、室温で2時間撹拌した。反応液に1N NaOHを加えpH9に調整した後、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、標記物質125mg(収率63%)を得た。
1H-NMR(CDCl3;D2O exchange): 5.73(1H, dt, J=15.2, 6.9Hz, H-5), 5.42(1H, dd, J=15.2, 6.3Hz, H-4), 4.27(1H, dd, J=6.3, 3.6Hz, H-3), 4.04(1H, m, H-2), 3.69(4H, t, J=4.6Hz, (CH2)2O), 2.69(1H, dd, J=12.9, 6.6Hz, H-1b), 2.55(4H, t, J=4.6Hz, N(CH2)2), 2.49(1H, dd, J=12.9, 5.6Hz, H-1b), 2.17(2H, t, J=7.6Hz, CO-CH2), 2.04(2H, q, J=6.6Hz, =CH-CH 2 ), 1.60(2H, m, CO-CH2-CH 2 ), 1.26(34H, m), 0.88(6H, t, J=6.9Hz, CH3)
13C-NMR(CDCl3): 173.4, 133.5, 128.8, 73.6, 66.8, 59.7, 54.2, 49.8, 36.7, 32.2, 31.8, 31.7, 29.6, 29.4, 29.3, 29.2, 25.7, 22.5, 14.0
TOF-Mass: 524(M+H+), 546(M+Na+)(C32H62N2O3 522)
HRMS(FAB)C32H63N2O3(M+H+), 理論値; 523.4838 測定値; 523.4837
〔α〕D 23=+16.9 °(c=0.95, CHCl3)
【0081】
実施例1−1 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテートの合成
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩10.00g(22.47mmol)を塩化メチレン220mlに溶かし、室温下、ピリジン9.10ml(112.51mmol)及び無水酢酸8.50ml(90.17mmol)を加え一夜撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え30分間撹拌した後、有機層を水、1N 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ150mlで順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒に溶解後、室温下放置し、析出した結晶をろ取し、白色結晶の標記物質5.35g(収率55.2%)を得た。
TLC Rf. 0.23(酢酸エチル)、0.36(クロロホルム:メタノール=20:1)
1H-NMR(CDCl3): 7.35-7.26(5H, m, aromatic), 6.05(1H, d, J=4.88Hz, H-1), 5.57(1H, d, J=9.28Hz, NH), 4.51(1H, m, H-2), 3.64(4H, m, (CH2)2O), 2.49-2.39 及び2.38-2.29(6H, m, CH2N(CH2)2), 2.18-2.06(5H, m, COCH3, COCH2), 1.54(2H, m, COCH2CH 2 ), 1.25(12H, m, (CH 2)6CH3), 0.88(3H, t, CH2CH 3 )
13C-NMR(CDCl3): 172.8, 169.9, 137.6, 128.5, 128.2, 126.5, 75.0, 67.0, 59.1, 53.9, 50.4, 36.8, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 25.7, 22.6, 21.0, 14.1
【0082】
実施例1−2 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテート塩酸塩及びその他の塩の調製
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテート 1,414.6mg(3.275mmol)をエタノール30mlに溶かし、室温下2N 塩酸1,638μl(3.276mmol)を加え、10分間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。この後エタノール30mlを加え、減圧留去する操作を3回繰り返し、室温下48時間減圧乾燥し、白色無晶状の(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテート塩酸塩1.54g(収率100%)を得た。
また、上記塩酸塩の調製法において、塩酸の代わりにL−乳酸、クエン酸又はコハク酸を使用し、(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテートの上記各カルボン酸の塩を調製した。
【0083】
実施例2 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル N,N−ジメチルアミノアセテートの合成
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩902.1mg(2.03mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド709.6mg(3.44mmol)、N,N−ジメチルグリシン216.2mg(2.10mmol)及びN,N−ジメチルアミノピリジン98.5mg(0.806mmol)に塩化メチレン20mlを加え、室温下2日間撹拌した。反応終了後、白色結晶をろ過除去し、ろ液を濃縮後、クロロホルム100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ70mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=9:1)で精製し、赤色油状の標記物質713.8mg(収率74.1%)を得た。
TLC Rf. 0.33(クロロホルム:メタノール=20:1)、0.19(酢酸エチル:メタノール=9:1)
1H-NMR(CDCl3): 7.34-7.26(5H, m, aromatic), 6.13(1H, d, J=4.39Hz, H-1), 5.95(1H, d, J=8.79Hz, NH), 4.51(1H, m, H-2), 3.65(4H, m, (CH2)2O), 3.25(2H, d, J=2.93Hz, COCH2N), 2.44(4H, m, N(CH2)2), 2.35-2.32(8H, m, H-3, N(CH3)2), 2.11(2H, m, COCH2), 1.53(2H, m, COCH2CH 2 ), 1.25(12H, m, (CH 2 )6CH3), 0.88(3H, t, CH2CH 3 )
13C-NMR(CDCl3): 172.8, 169.5, 137.5, 128.4, 128.2, 126.5, 75.1, 67.0, 60.5, 59.2, 53.8, 50.4, 45.3, 36.7, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 25.7, 22.6, 14.1
【0084】
実施例3 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル メトキシアセテートの合成
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩982.2mg(2.207mmol)を塩化メチレン20mlに溶かし、室温下ピリジン0.357ml(4.41mmol)及びメトキシアセチルクロリド0.242ml(2.65mmol)を加えて撹拌し、24時間後ピリジン0.179ml(2.207mmol)及びメトキシアセチルクロリド0.202ml(2.207mmol)を追加した。反応終了後、メタノール5mlを加え、20分間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチル100mlを加え、有機層を1N 塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ70mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1)で精製し、無色油状の標記物質1,000.8mg(収率98.2%)を得た。
TLC Rf. 0.39(クロロホルム:メタノール=20:1)、0.48(酢酸エチル:メタノール=20:1)
1H-NMR(CDCl3): 7.36-7.27(5H, m, aromatic), 6.14(1H, d, J=4.88Hz, H-1), 5.64(1H, d, J=9.28Hz, NH), 4.54(1H, m, H-2), 4.09(2H, m, CH 2 OCH3), 3.64(4H, m, (CH2)2O), 3.44(3H, s, OCH3), 2.48-2.37及び2.35-2.30(6H, m, CH2N(CH2)2),2.12(2H, m, COCH2),1.54(2H, m, COCH2CH 2 ), 1.25(12H, m, (CH 2 )6CH3),0.88(3H, t, CH2CH3)
13C-NMR(CDCl3): 172.8, 169.3, 137.1, 128.5, 128.4, 126.6, 75.5, 69.8, 66.9, 59.4, 59.0, 53.8, 50.3, 36.8, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 29.1, 25.7, 22.6, 14.0
【0085】
実施例4 (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル ヒドロゲンサクシネートの合成
(1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール塩酸塩950.6mg(2.136mmol)を塩化メチレン220mlに溶かし、室温下ピリジン0.346ml(4.272mmol)及び無水コハク酸346.1mg(3.459mmol)を加えて撹拌し、24時間後ピリジン0.141ml(1.737mmol)及び無水コハク酸173.8mg(1.737mmol)を追加した。反応終了後、1N 塩酸70mlを加え、20分間撹拌した後、クロロホルム100mlで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ70mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、白色無晶状の標記物質637.1mg(収率54.7%)を得た。
TLC Rf. 0.24(クロロホルム:メタノール=9:1)、0.12(酢酸エチル:メタノール=9:1)
1H-NMR(CDCl3): 7.35-7.26(5H, m, aromatic), 6.40(1H, d, J=9.27Hz, NH), 5.96(1H, d, J=4.39Hz, H-1), 4.63(1H, m, H-2), 3.74-3.62(4H, m, (CH2)2O), 2.82-2.57及び2.39-2.35(10H, m, COCH2CH2CO, CH2N(CH2)2), 2.14(2H, m, COCH2), 1.51(2H, m, COCH2CH 2 ), 1.25(12H, m, (CH 2 )6CH3), 0.88(3H, t, CH2CH 3 )
13C-NMR(CDCl3): 176.8, 173.5, 171.5, 137.0, 128.6, 128.4,126.4, 75.3, 65.6, 58.3, 53.0, 49.3, 36.5, 31.9, 30.4, 30.3, 29.5, 29.4, 29.3, 25.5, 22.6, 14.1
【0086】
実施例5 (1S,2S)−2−オクチルオキシカルボニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテートの合成
(1S,2S)−2−オクチルオキシカルボニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール1034.5mg(2.639mmol)を塩化メチレン26mlに溶かし、室温下ピリジン0.54ml(6.677mmol)及び無水酢酸0.5ml(5.304mmol)を加えて撹拌し、14時間後ピリジン0.54ml(6.677mmol)及び無水酢酸0.5ml(5.304mmol)を追加した。反応終了後、メタノール5mlを加え20分間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、無色油状の標記物質915.2mg(収率79.9%)を得た。
TLC Rf. 0.44(CHCl3:MeOH=20:1)、0.21(n-Hexane:AcOEt=1:2)
1H-NMR(CDCl3): 7.35-7.26(5H, m, aromatic), 6.02(1H, d, J=3.91Hz, H-1) ,4.83(1H, d, J=7.81Hz, NH), 4.13(1H, m, H-2), 3.97(2H, m, COO-CH2), 3.67(4H, m, (CH2)2O), 2.50-2.31(6H, m, CH2N(CH2)2), 2.12(3H, s, COCH3), 1.53(2H, m, COOCH2CH 2 ), 1.27(10H, m, (CH 2 )5CH3),0.89(3H, t, CH2CH3)
13C-NMR(CDCl3): 169.7, 156.4, 137.8, 128.4, 128.1, 126.5, 74.9, 67.0, 65.2, 59.6, 53.9, 52.7, 31.8, 29.2, 29,0, 25.8, 22.6, 21.0, 14.0
【0087】
実施例6 (1R,2R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ピロリジノ−1−フェニル−1−プロピル アセテートの合成
(1R,2R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−フェニル−3−ピロリジノ−1−プロパノール284.2mg(0.803mmol)をピリジン5mlに溶かし、氷浴上にて、無水酢酸151.4μl(1.61mmol)を加え、室温下撹拌し、16時間後、無水酢酸38.0μl(0.403mmol)を追加した。反応終了後1N 塩酸30mlを加え、20分間撹拌した後、酢酸エチル50mlで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩水それぞれ30mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。また、合わせた洗液をクロロホルム70mlで3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を合わせてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1、酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、無色油状の標記物質230.9mg(収率72.6%)を得た。
TLC Rf. 0.24(クロロホルム:メタノール=20:1)、0.31(酢酸エチル:メタノール=9:1)
1H-NMR(CDCl3): 7.34-7.25(10H, m, aromatic), 5.95(1H, d, J=4.88Hz, H-1), 5.10-4.94(2H, m, COOCH2), 4.17(1H, m, H-2), 2.51(6H, m, CH2N(CH2)2), 2.03(3H, s, COCH3), 1.73(4H, m, H-3', H-4')
13C-NMR(CDCl3): 169.7, 156.1, 137.7, 136.6, 128.6, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 126.6, 75.3, 66.5, 56.5, 54.5, 54.3, 23.5, 20.8
実施例2〜6の化合物も、実施例1に示した方法で、同様に塩酸塩を調製することができる。
【0088】
実施例7〜10
また、調製例7〜10に示した化合物を原料に用い、実施例1〜4に示した各カルボン酸若しくはその反応性誘導体を用い、基本的に同様の方法で水酸基のエステル化を行うことによって、各原料に対応するエステルを得ることができる。
【0089】
実施例11 繰り返し脳虚血ラットの空間認知記憶障害に対するL−トレオ−PDMP及びL−トレオ−PDMPアセテートの改善効果
〔実験方法〕
動物はWister系雄性ラット(体重:250〜280g)を用い、8方向放射状迷路課題の訓練を1日1回行い、空間認知を獲得させた。空間認知を獲得したラットにPulsinelli and Brierlyらの方法(Stroke, 10,267, 1979)に従って椎骨動脈の焼灼と総頸動脈の剥離手術を行い、その翌日、手術が迷路課題の遂行に影響がないことを確認できたラットのみを用いて虚血処置を行った。虚血処置は無麻酔下で総頸動脈を10分間クリップを用いて結紮し、血流再開1時間後に更に10分間結紮し、2回の繰り返し虚血を行った。再生試行は虚血処置1週間後に行い、成績は最初の8回の選択の内の正選択数と最大10分間の観察時間中の誤選択数として表した(図1参照)。また薬物の効果は改善の程度を著効(正選択数が7以上かつ誤選択数が1以下を示す)、有効(正選択数が7以上かつ誤選択数が2又は3を示す)及び無効(誤選択数が4以上を示す)の3段階に評価してその改善率として表した(図2参照)。
【0090】
〔結果〕
ラットを用いた8方向放射状迷路課題における繰り返し脳虚血1週間後の空間認知記憶障害に対して、ガングリオシド生合成促進効果が確認されているL−トレオ−PDMPとL−トレオ−PDMPアセテートの効果を比較検討した。具体的には両化合物を1.5%Tween 80含有生理食塩水に溶解させ、2mg/kg(i.v.) を虚血処置24時間後から1日2回、6日間連続投与した。
【0091】
各試験群についての正選択数と誤選択数を図1に示す。その結果、両化合物の6日間連続投与群は、対照群(1.5%Tween 80含有生理食塩水を投与;図1中、ischemiaと表す)に対し、有意な正選択数の増加及び有意な誤選択数の減少が認められた。すなわち繰り返し脳虚血による空間認知記憶障害モデルにおいて、既に急性期の神経細胞障害が生じている虚血後24時間からの投与でも改善作用を示すことが判明し、臨床的価値が非常に高い脳血管障害後遺症治療薬として期待されることがわかった。また、L−トレオ−PDMPアセテートは、正選択数の増加及び誤選択数の減少の両方において、L−トレオ−PDMPより優れていることが判明し、L−トレオ−PDMPアセテートの有用性が証明された。なお、図1中shamは、椎骨動脈の焼灼と総頸動脈の剥離手術を行った翌日、手術が迷路課題の遂行に影響がないことを確認できたラットのうち、虚血処置を行わなかったラットを表す。
【0092】
また、各薬剤投与の成績を個体レベルでの改善率(著効:正選択数7以上かつ誤選択数1以下、有効:正選択数7以上かつ誤選択数2又は3、無効:誤選択数4以上)として図2に示した。その結果、L−トレオ−PDMPアセテートは、L−トレオ−PDMPと比較して著効の比率が高いことが判明した。
なお、図1、2中、L−トレオ−PDMPをL−PDMPと略して記載した。
【0093】
実施例12 L−トレオ−PDMP及びL−トレオ−PDMPアセテートの神経突起伸長活性
〔実験方法〕
妊娠17日のWister系ラット(日本SLC)より胎児を無菌的に取り出した後(胎児8匹)、胎児より脳を取り出し、実体顕微鏡下で小脳を取り外し、大脳から中脳を取り外した。更に大脳皮質から髄膜を剥ぎ取り、大脳皮質だけにした。8匹分の大脳皮質を60mm皿上で安全カミソリで縦横に各々100回細切し、5mlリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を2回加えて外植片(Explant)を皿より洗い取り、500rpm ×1分の遠心をした。単一細胞(single cell)を含む上清を除き、ペレットにDMEM(Dulbecco's modified Eagle's medium)4mlを加えて懸濁させ、1mlづつ50mlのファルコンチューブに分注し、DMEM 12mlを加えた。チューブを振りながら懸濁させた状態で、0.1%ポリエチレンイミンでコートした24穴プレート(2cm2)4枚にまいた(1.66×105cells/500μl/well)。
【0094】
培養2時間後に上清50μl を抜き取り、実施例1−1で合成した化合物A(L−トレオ−PDMPアセテート)50μl 及び実施例5で合成した化合物Bを終濃度5〜20μM になるよう添加した。2日間培養した後、1%グルタルアルデヒド/PBSを500μl 加え、室温で20分間固定した。サクションで上清を除去した後、0.5mlPBSをゆっくり重層し、すぐにサクションで除去した。20%ギムザ液/リン酸カリウム緩衝液(リン酸二水素カリウム6.63g及びリン酸水素二ナトリウム2.56gを蒸留水で1,000mlにし、pH試験紙でpH6.4であることを確認した後、10倍希釈して使用した)をゆっくり重層し、室温で2時間置いた。サクションで上清を除去した後、5%メタノール/PBS 1.0mlをゆっくり重層し、20分間室温で脱染した。サクションで上清を除去した後、PBS 0.5mlを加えた。顕微鏡下×40〜×100倍で、50〜200μm の Explantの神経突起伸展の程度を、一群100個以上計測した。評価は、それぞれの Explantの直径より長い神経突起を有する Explantの数を、コントロール(無添加)を100%として存在率で表記した。
【0095】
〔結果〕
図3に、化合物A及びBの最大有効濃度(共に10μM)における神経突起伸長活性(%)を示した。この結果から、L−トレオ−PDMPアセテートのin vitroでの神経突起伸長促進活性が明らかとなった。
【0096】
実施例13 シアン化カリウム惹起低酸素症(KCN Hypoxia)マウスモデルに対するL−トレオ−PDMPアセテートの延命効果
本発明化合物の脳保護作用を確認するため、L−トレオ−PDMPアセテートの1.5%Tween 80含有生理食塩水溶液を、該化合物2、8及び20mg/kg の各用量でマウス(n=5)の静脈内に投与し、さらにその1時間後にシアン化カリウム(KCN)2.4mg/kg を静脈内に投与して、1時間後の生存率を検討した。
【0097】
その結果、コントロール群(KCNのみ投与、n=5) は、5%の生存率(LD95)であるのに対し、8及び20mg/kg の本発明化合物投与群は、80%の生存率を示した。また、2mg/kg の本発明化合物投与群は、40%の生存率を示した。
【0098】
以上の結果は、本発明化合物の脳保護作用に基づくものと考えられ、本発明化合物の脳保護剤としての有用性が示された。
【0099】
なお、上記各用量において、SHRラット及び正常ラットに対する血圧、心拍数への本発明化合物の影響は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】繰り返し脳虚血ラットの空間認知障害に対するL−トレオ−PDMP及びL−トレオ−PDMPアセテートの正選択数及び誤選択数に及ぼす効果を表す。
【図2】L−トレオ−PDMPアセテート及びL−トレオ−PDMP連続投与後の個体レベルでの空間認知記憶障害改善効果を表す。
【図3】L−トレオ−PDMPアセテート(化合物A)及び実施例5で合成した化合物(化合物B) の神経突起伸長活性を表す。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示されるアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。
    Figure 0004036500
    〔式中、R1、炭素数6〜15のアルケニル基、又低級アルキル、炭素数1〜6のアルコキシル、ヒドロキシル、ヒドロキシ低級アルキル及びニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を示し、
    2、炭素数2〜19のアルキル基、炭素数2〜19のアルコキシル基、又はアラルキルオキシ基を示し、
    3、モルホリノ基;低級アルキルアミノ基;モルホリノ低級アルキルアミノ基;ヒドロキシルで置換されていてもよいシクロヘキシルアミノ基又はシクロペンチルアミノ基;ヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピロリジノ基;低級アルキルで置換されていてもよいピペラジノ基;ビス(ヒドロキシ低級アルキル)アミノ基;及びヒドロキシル若しくはヒドロキシ低級アルキルで置換されていてもよいピペリジノ基から選ばれる置換アミノ基を示し、
    4水素原子、低級アルキル基、アミノ基、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシル基又はカルボキシル基を示し、
    nは1〜4の整数を示す
    但し、前記低級アルキルとは、炭素数1〜6のアルキル基を意味する。
  2. 一般式(1)において、R1がフェニル基であり、R2がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3がモルホリノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ピロリジノ基、N−メチルピペラジノ基、ジエタノールアミノ基、ヒドロキシピペリジノ基又はピペリジノ基であり、R4が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  3. 一般式(1)において、R1がフェニル基であり、R2がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3がモルホリノ基、N−メチルピペラジノ基又はジエタノールアミノ基であり、R4が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1S,2S)である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  4. 一般式(1)において、R1がフェニル基であり、R2がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3がヒドロキシピペリジノ基であり、R4が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1S,2S)、(1R,2S)又は(1S,2R)である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  5. 一般式(1)において、R1がフェニル基であり、R2がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R3がモルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、シクロヘキシルアミノ基又はシクロペンチルアミノ基であり、R4が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基であり、その立体配置が(1R,2R)である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  6. 一般式(1)において、R 1 がフェニル基、ヘキセニル基又はペンタデセニル基であり、R 2 がノニル基、オクチルオキシ基又はベンジルオキシ基であり、R 3 がモルホリノ基又はピロリジノ基であり、R 4 が水素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基又はカルボキシル基である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  7. 一般式(1)において、R 1 がフェニル基であり、R 2 がノニル基又はオク チルオキシ基であり、R 3 がモルホリノ基であり、R 4 が水素原子であり、その立体配置が(1S,2S)である、請求項1記載のアミノアルコール誘導体。
  8. (1S,2S)−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロピル アセテート塩酸塩又はクエン酸塩。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有する、神経疾患の治療剤である医薬。
  10. アミノアルコール誘導体が、請求項又は記載のアミノアルコール誘導体である、請求項記載の医薬。
  11. アミノアルコール誘導体が、請求項6〜8のいずれか1項に記載のアミノアルコール誘導体である、請求項9記載の医薬。
  12. 神経疾患の治療剤が脳保護剤である、請求項9〜11いずれか1項記載の医薬。
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