JP4036444B2 - エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法、および、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法、および、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンドレスベルトの内周面にその周方向に沿って蛇行防止部材を貼り付け、エンドレスベルト張架用ロールに設けた走行ガイド溝に蛇行防止部材を走らせたり、張架用ロール端縁に蛇行防止部材を当接させた状態でエンドレスベルトを回転走行させたりすることにより、エンドレスベルトが複数のロール間に張架されて回転する際に生じる位置ズレや蛇行走行を防止して、エンドレスベルトが直進性良く安定して回転走行するようにした技術が知られている。
【0003】
そして、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置の分野においても、中間転写ベルトや転写搬送ベルト等のエンドレスベルトが用いられており、該エンドレスベルトが位置ズレや蛇行走行を起こした場合には良好な画像を得ることが出来ないので、エンドレスベルトの内周面に蛇行防止部材を貼り付ける技術は、かかるトラブルの防止策の一つとして重要視されている。
【0004】
ところが、蛇行防止部材をエンドレスベルトの内周面に貼り付ける作業を機械化し、精度良く(エンドレスベルトの走行方向に対して平行かつ真っ直ぐ)しかも効率的に貼り付けることは意外に困難であり、高精度で効率的な蛇行防止部材の貼り付け方法、貼り付け装置が望まれていた。
【0005】
従来、この種の貼り付け作業を行うための装置として、蛇行防止部材がその貼り付け面に接着剤が付され、かつその貼り付け面がエンドレスベルトの内周面と対向する状態で、蛇行防止部材がエンドレスベルトを張架するための駆動ロールのガイド溝に導入される、貼り付け装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、剥離紙の側端部を剥離板にひっかけてスパイラル状溝に吸着させ、剥離紙を剥離しながら蛇行防止部材をスパイラル状溝に巻き付け、同期して回転する貼り付けロールに巻きつけ始端部を引渡し、引き渡された蛇行防止部材は同期して移動しているエンドレスベルトに第2回転体貼り付けロールによって押圧されて貼り付けられる、貼り付け装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
ところが、上記の貼り付け装置では次のような課題がある。
【0008】
すなわち、特許文献1の装置では、蛇行防止部材の導入角度、エンドレスベルトの回転速度に少しでもばらつきが生じると、蛇行防止部材の姿勢が変化する。該装置では、接着剤が露出した状態で蛇行防止部材を取り扱う必要があるため、貼り付け工程中に蛇行防止部材の姿勢が変化すると、接着剤露出面がエンドレスベルト内周面の所望の位置に貼りつく前に、別の場所に貼りついてしまい、蛇行防止部材を真っ直ぐに貼ることができなくなるという課題がある。貼り付け時、蛇行防止部材はエンドレスベルトの回転につられて引き込まれ、エンドレスベルトに貼り付けられてゆくが、剥離紙を剥離した後の蛇行防止部材は一般に柔らかいので、引き込まれる時に伸びが生じる。この伸び率が常に一定であれば問題ないが、貼り付け動作中にエンドレスベルトの回転速度が変化すると、蛇行防止部材の伸び率も変化してしまう。その結果、エンドレスベルトに貼り付けられた後の蛇行防止部材の幅が部分的に変化してしまい、色ずれが悪化するという弊害がある。更に、接着面が露出した状態が長く続くために、接着面にゴミや埃が付きやすく、接着力の低下を招くという課題もある。
【0009】
また、特許文献2の装置では、接着剤露出面がエンドレスベルト内周面の所望の位置以外に触れないよう、剥離紙剥離後の蛇行防止部材を一旦スパイラルロールに巻きつけているが、蛇行防止部材がスパイラル状に巻きつけられた時に、蛇行防止部材にスパイラル状の巻き癖が付いてしまう。巻き癖が付いたままの蛇行防止部材をエンドレスベルトに貼り付けると、エンドレスベルトへの貼り付け後に、巻き癖(ねじれ方向の歪み)が徐々に開放されてゆくので、真っ直ぐに取り付けられていた蛇行防止部材の真直度が低下してくる。
【0010】
このように、剥離紙を剥がした後にエンドレスベルトに蛇行防止部材を取り付ける方法はいくつか提案されているが、貼り付け精度において満足の良く方法は未だ提案されていないのが現状である。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−177918号公報([0008]、[図10])
【特許文献2】
特開平9−150817号公報([0008]、[図1])
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、紐状の蛇行防止部材をエンドレスベルトの内周面の周方向に沿って精度良くかつ均一に貼り付けすることができる、蛇行防止部材の貼り付け方法、および、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
特許文献1の装置における課題、すなわち、
1.蛇行防止部材の導入角度、エンドレスベルトの回転速度に少しでもばらつきが生じると、蛇行防止部材の姿勢が変化し、蛇行防止部材を真っ直ぐ貼ることができないこと、
2.貼り付け動作中のエンドレスベルトの回転ムラによって、蛇行防止部材の幅が変化すること、
3.接着面が露出した状態が長く続くために、接着面にゴミや埃が付きやすく、接着力の低下を招くこと、
という課題は、エンドレスベルトへの貼り付けに接着剤を用いている点が原因であると考え、本発明者らは蛇行防止部材に接着剤ではなく粘着剤を用い、該粘着剤の上に剥離紙を設けておいて、エンドレスベルトへの貼り付け直前に剥離紙を剥離する方法を選択した。を試みたその理由を以下に述べる。
【0014】
蛇行防止部材は、エンドレスベルトに貼り付けられて回転されるため、回転時の変形に容易に追従できる程度に、柔軟性を有する材料が選ばれる。このため、蛇行防止部材は、エンドレスベルトへの貼り付け時においても変形しやすく、エンドレスベルトの回転速度や蛇行防止部材の姿勢が少しでも変わると、蛇行防止部材がねじれたり、座屈したりしてしまう。
【0015】
蛇行防止部材がねじれたり、座屈したりすることがないようにするためには、蛇行防止部材を硬くすればよい。しかし、蛇行防止部材を硬くするとエンドレスベルトへの貼り付け後、エンドレスベルト回転時の変形に追従し難くなる。この矛盾を解決するためには、貼り付け時には硬く、貼り付け後には柔らかい蛇行防止部材があればよい。実際にそのような特性を有する材質があればよいが、一般的なゴムやエラストマーを用いる限り、そのような特性は得られない。そこで、蛇行防止部材に粘着剤を設け、その上に剥離紙を設けておいて、エンドレスベルトへの貼り付け直前に剥離紙を剥離するようにすれば、貼り付け時(正確には貼り付け直前)には硬く、貼り付け後には柔らかい、という条件に近づけることができると考えた。こうすることで、エンドレスベルトへの貼り付け直前まで、柔らかい蛇行防止部材を一定の姿勢で導入することが可能となり、蛇行防止部材の導入角度が安定し、エンドレスベルトの回転速度にばらつきが生じても、蛇行防止部材が座屈して、エンドレスベルト内周面の所望の位置に貼りつく前に、別の場所に貼りついてしまうという現象を回避することができると考えた。
【0016】
そして、エンドレスベルトへの貼り付け直前に剥離紙を剥離する方法において、高精度に蛇行防止部材を貼り付けるべく、その貼り付け条件について、本発明者らが鋭意検討した結果、蛇行防止部材の弾性率:E(MPa)と、剥離紙の剥離位置から粘着面がエンドレスベルトの内周面に貼り付けられる位置までの距離:D(mm)との関係が重要であることを見出し、EとDの関係を特定の範囲に設定することで蛇行防止部材がねじれたり座屈したりすることなく、真っ直ぐに貼り付けることができることを見出した。上記特定の範囲とは0.2≦E÷D≦30である。
【0017】
そして、より好ましい条件として、蛇行防止部材のねじれをより低減し、蛇行防止部材をより真っ直ぐに貼るために、エンドレスベルトに蛇行防止部材を貼り付ける際に、エンドレスベルトを駆動するためのローラー(以降、駆動軸)に蛇行防止部材を受けるための溝を設け、剥離紙を剥離する前から該溝に蛇行防止部材を導入し、蛇行防止部材が溝に導入された状態を保ったまま剥離紙を剥離して、蛇行防止部材を貼り付けることを見出した。
【0018】
このようにすると、蛇行防止部材をより高精度に貼ることができる理由は以下のように考えられる。図3において、まず、蛇行防止部材の供給位置が、供給ガイドではなく、駆動軸122の溝の位置によって決まるので、貼り付け後の蛇行防止部材の走行位置と、貼り 付け前の蛇行防止部材の位置が一平面上に位置することになる。したがって、案内部材と駆動軸122の溝との相対的な位置関係(位置精度)に影響されることがなくなる。また、剥離紙が剥離される前に、蛇行防止部材の姿勢を溝に案内することで、蛇行防止部材のねじれが矯正される。ねじれを矯正する前に剥離紙を剥離すると、剥離後の蛇行防止部材は柔らかいので、該ねじれが容易に開放されて蛇行防止部材がねじれ、ねじれた状態でエンドレスベルトに供給されることになるが、請求項1あるいは請求項2に記載した方法では、蛇行防止部材のねじれが予め矯正されているので、剥離紙を剥離してもねじれを生じることがない。これらの理由によって、蛇行防止部材を真直度良く貼り付けることができると考えられる。
【0019】
また、本発明では剥離紙を剥離後の蛇行防止部材をエンドレスベルトに貼り付ける前に一旦スパイラルロールに巻きつけることはないので、特許文献2の装置における課題は発生しない。
【0020】
本発明の方法によって得られたエンドレスベルトは、電子写真装置に用いられる各種ベルトの中でも、高精度な蛇行防止部材の貼りつけが要求される中間転写ベルト、転写搬送ベルト、感光体ベルトとして用いると、蛇行防止部材を真っ直ぐに貼れるという本発明の特徴を生かすことができ、色ズレが少なく、高精細な画像を得ることが可能となる。とりわけ、画像形成装置のカラー化に伴い、近年需要が高まっている中間転写ベルトおよび転写搬送ベルトとして好適である。
【0021】
ところで、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを用いた画像形成装置は、既に広く普及しているが、プロセスカートリッジは本体から着脱可能であるゆえに、画像形成装置本体と比較して、物流時や取り扱い時に多くの振動を受ける。このため、プロセスカートリッジに中間転写ベルトを組み込むと、取り扱いや物流によって蛇行防止部材が微小にずれたり、剥がれたりする場合がある。また、蛇行防止部材にひずみが残った状態でエンドレスベルトに取り付けられている場合は、振動によってひずみが徐々に開放され、蛇行防止部材の進捗度が低下し、色ずれの悪化や乗り上げを生じる場合がある。元々、蛇行防止部材がひずみなく、かつ十分な精度で貼り付けられていれば、この微小なずれは問題ないが、元の貼り付け精度が十分でないと、真直度のわずかな悪化が、実用上好ましくないレベルの色ずれを引き起こす場合がある。
【0022】
本発明の方法によって得られた中間転写ベルトは、蛇行防止部材が真っ直ぐに貼り付けられている。そこで、本発明者らは、本発明の方法によって得られた中間転写ベルトと、トナーの画像を担持するための電子写真感光体とを一体に有するプロセスカートリッジに組み込んで、該カートリッジに時々振動を与えながら、画像出力を繰り返し行った。その結果、色ずれが悪化することがないことを確認し、本発明の方法によって得られた中間転写ベルトは、感光体との一体型プロセスカートリッジに好適であることを見出した。
【0023】
すなわち、本発明は、エンドレスベルト用の蛇行防止部材の片面に設けられた剥離紙を剥離して該蛇行防止部材の粘着面を露出させ、露出した該蛇行防止部材の粘着面を該エンドレスベルトの内周面に当接させることによって、該蛇行防止部材を、該エンドレスベルトの内周面に、その周方向に沿って貼り付ける方法であって、
該蛇行防止部材の弾性率:E(MPa)と、該剥離紙の剥離位置から該蛇行防止部材の粘着面が該エンドレスベルトの内周面に当接される位置までの距離:D(mm)との関係が、
0.2≦E÷D≦30
の条件を満たし、
溝が設けられた駆動軸を用いて該エンドレスベルトを回転させ、該蛇行防止部材から該剥離紙を剥離する前から該駆動軸の溝に該蛇行防止部材を導入し、該蛇行防止部材が該駆動軸の溝に導入された状態を保ったまま該蛇行防止部材から該剥離紙を剥離して、該蛇行防止部材を該エンドレスベルトの内周面に貼り付ける
ことを特徴とする、エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法である。
【0028】
また、本発明は、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトを製造する方法であって、上記方法によって、蛇行防止部材を、エンドレスベルトの内周面に、その周方向に沿って貼り付ける工程を有することを特徴とする、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明において、E÷Dの好ましい範囲は、0.5以上25以下、より好ましい範囲は1以上20以下である。E÷Dの値が0.2より小さいと、蛇行防止部材が柔らかい割に、距離Dが大きいので、蛇行防止部材がねじれたり座屈したりしやすくなる。その結果、蛇行防止部材を真っ直ぐ貼ることが困難になる。E÷Dの値が30より大きいと、ねじれや座屈の問題はないが、
1. 蛇行防止部材が硬すぎて、エンドレスベルトへの貼り付け後に、ベルト回転時の変形に追従し難くなる、または
2. 距離Dが近すぎて、蛇行防止部材の貼り付け時に、蛇行防止部材とエンドレスベルトの間に剥離紙を巻き込みやすくなる。
【0030】
なお、本発明において、蛇行防止部材の弾性率:Eは以下のようにして求める。
【0031】
<蛇行防止部材の弾性率:Eの測定方法>
サンプルは予め23±2℃/55±10%RHの環境に12時間以上放置しておく。測定環境も23±2℃/55±10%RHとする。
【0032】
1.蛇行防止部材を長さ100mmに切断して剥離紙を剥がし(試験片Aとする)、試験片Aの質量:M(g)を測定する。
【0033】
2.上記1とは別に、蛇行防止部材を長さ110mmに切断して剥離紙を剥がし、(試験片Bとする)、粘着層を上向きにして、試験片Bの片端部10mmをチャックする。チャック部は水平に保つ。
【0034】
3.チャック部の根元高さと、チャック部とは反対側の蛇行防止部材先端高さとの差(試験片Bのたわみ量y:mm)を測定する。(図1)
4.式(1)に従って、蛇行防止部材(試験片B)の弾性率:Eを計算する。
【0035】
【数1】
ただし、
E:蛇行防止部材の弾性率(MPa)
M:試験片Aの質量(g)
y:たわみ量(mm)
W:蛇行防止部材の幅(mm)
t:蛇行防止部材の厚み(mm)
である。
【0036】
なお、式(1)は、片持ち梁のたわみを算出する式である、式(2)から導出される。
【0037】
【数2】
ただし、
P:試験片Bを片持ち梁と見立てたときに梁にかかる荷重(MPa)
L:試験片Bのチャック部を除いた部分の長さ(梁の長さ)
である。
【0038】
本発明において、剥離紙を剥がす前の蛇行防止部材の弾性率(剥離紙込みの状態で、重量、たわみ、および厚さを計測して式(1)から算出する)は20(MPa)以上であることが好ましい。
【0039】
20(MPa)未満であると、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率があまり高くないので、蛇行防止部材がねじれた状態でエンドレスベルトに供給されやすくなり、貼り付け後の真直度が低下しやすい。一方、該数値が150(MPa)より大きいと、剛性が強すぎて、蛇行防止部材をエンドレスベルトにスムーズに供給して貼り付けることが困難になる。
【0040】
従って、該数値の範囲が20(MPa)〜150(MPa)である蛇行防止部材を用いることが好ましい。
【0041】
また、本発明において、剥離紙を剥離後の蛇行防止部材の弾性率は13〜150(MPa)が好ましい。13(MPa)未満であると、蛇行防止部材自体が柔らかすぎで、蛇行防止部材本来の目的である、エンドレスベルトの蛇行防止能力が低下する。このため、エンドレスベルトを繰り返し使用すると、ベルトが乗り上げやすくなる。一方、150(MPa)より大きいと、蛇行防止部材の剛性が大きすぎて、エンドレスベルトを、該ベルトを張架するためのプーリに沿わせることが困難になる。
【0042】
図3において、エンドレスベルトを回転するための駆動軸122の駆動源と、剥離紙を剥離するための引き取りローラー121の駆動源は、同一にすることが好ましい。駆動源が別であっても、それぞれを同期させれば問題ない。しかし、駆動源を一つにしたほうが、両者を同期させやすい。好ましい同期方法は、駆動軸122の駆動源と、引き取りローラー121駆動源を同一にして、駆動軸122の周速度:S1≦引き取りローラー121の周速度:S2として、引取りローラー121と剥離紙との間で適度なスリップを起こすようにすることである。適度なスリップがあることで、駆動軸122の回転速度が急激に変化しても(特に駆動源を手動とした場合)、貼り付け作業中に剥離紙がたるんでエンドレスベルトに巻き込まれることがなくなる。
【0043】
S1>S2であると、貼り付け速度に剥離速度が間に合わないので、剥離紙を剥離しないまま貼り付け動作に入ってしまい、剥離紙を巻き込んでしまう。一方、S2÷S1>1.5になると、剥離紙を剥離されて柔らかくなった蛇行防止部材が、剥離位置とエンドレスベルトへの貼り付き位置との間で座屈を起こしやすくなる。このため、S2÷S1≦1.3が好ましい。より好ましい範囲は、1.0≦S2÷S1≦1.2である。あるいは、引き取りローラー121を用いて剥離紙を剥離するのではなく、滑車等を介して剥離紙先端に適当な重さのおもり(50〜1000g程度)など、荷重手段を付与し、剥離紙の剥離を行ってもよい。
【0044】
駆動軸122の直径はφ10mm以上が好ましい。φ10より細い場合には、エンドレスベルトとの接触面積が小さすぎて、貼り付け動作に必要な駆動トルクを得ることが難しくなる(スリップ)。駆動軸の径に特に上限はないが、作業のしやすさを考えると、φ100mm以下が好ましい。
【0045】
本発明の方法において、好ましくは、駆動軸に設ける溝幅:W1と、蛇行防止部材の幅:Wの関係は、W−0.2≦W1≦W+0.5とする。W−0.2>W1であると、蛇行防止部材が駆動軸の溝に入りきらず、蛇行防止部材の姿勢が安定しないので、貼り付け精度(真直度)が悪化する。また、W1> W+0.5であると、蛇行防止部材に対して溝幅が広すぎ、溝の中で蛇行防止部材が真っ直ぐにならない。結果として、貼り付け精度の低下を招く。好ましい範囲は、W−0.1≦W1≦W+0.4である。なお、駆動軸の溝の断面形状を、開口部を長辺とする台形形状にすると、蛇行防止部材の幅が多少変動しても蛇行防止部材を真直度良く貼り付けることができるので、好ましい。
【0046】
溝の深さは、蛇行防止部材の厚さ(粘着層込み、剥離紙含まない)の70〜130%とすることが好ましい。溝の深さが70%未満であると、蛇行防止部材貼り付け時に、該部材が盛り上がってしまい、エンドレスベルトが破断したり永久変形(伸びる)したりしやすい。130%より深いと、蛇行防止部材が溝の奥に入り込んでしまい、粘着面とエンドレスベルトとの粘着が弱くなり、良好な粘着性を発揮し難くなる。好ましい深さは85〜115%である。
【0047】
本発明に用いられる蛇行防止部材は、ゴムまたはエラストマー材料からなるガイドと、ガイドの一面に設けられた粘着層と、粘着層に貼り合わされた剥離紙から構成されたゴム粘着テープを、スリット加工や打ち抜き刃型による打ち抜き加工により、幅1mm〜10mm程度に加工したものが用いられる。
【0048】
ゴムの材質としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどを挙げることができる。エラストマーの材質としては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。ゴム、エラストマーは、内部にほとんど気泡を含まない、いわゆる通常のゴムであってもよいし、発泡させてもよい。
【0049】
粘着剤は、例えばアクリル系粘着剤、エステル系粘着剤を用いることができる。
【0050】
粘着層は、単層の粘着剤で構成されていてもよいが、粘着剤と不織布/織布/プラスチックフィルムなどを積層したものを用いてもよい。積層したものを用いると、不織布/織布/プラスチックフィルムによって、蛇行防止部材が補強されるので、エンドレスベルトの蛇行防止能が向上して好ましい。
【0051】
粘着層の厚みは、ガイドの厚みの1〜20%が好ましい。1%未満であると、粘着能が低下して、エンドレスベルトの使用中に、蛇行防止部材がはがれやすい。20%以上であると、蛇行防止部材の側面における粘着剤の面積比率が増加するので、蛇行防止部材の側面が、エンドレスベルトを駆動するためのローラーに設けられた溝の端面に貼り付きやすくなり、エンドレスベルトの円滑な駆動が困難になる。
【0052】
剥離紙は、グラシン紙、上質紙、クラフト紙等の基材にアンダーコートなしでシリコーン等の離型剤を塗布したものや、ポリエチレンのアンダーコートをしてシリコーン等の離型剤を塗布したものなどを用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明する。
【0054】
(実施例1)
<エンドレスベルト>
配合比は次の通り。
【0055】
ポリフッ化ビニリデン(PVDF) 70質量部
ポリエーテルエステルアミド樹脂 10質量部
酸化亜鉛 20質量部
【0056】
上記配合の材料を、2軸押し出し機を用いて210℃で溶融混練し、押し出した溶融物を直径約2mm、長さ約5mm程度のペレットにした。
【0057】
該ペレットを、図2に記載の成形装置で筒状フィルム1に成形した。図2において、成形用ダイス103は単層用環状ダイスとし、内側マンドレルの外径φ100mm、ダイスリット0.8mmのものを用いた。前記ペレットは、十分に加熱乾燥させてホッパー102へ投入し、200℃に加熱した成形用ダイス103から円筒状に押し出した。ダイ103の周囲には外部冷却リング105が設置されており、押し出されたフィルムに周囲から空気を吹き付け、冷却を行う。
【0058】
また、押し出された筒状フィルムの内部には、気体導入路104より空気を吹き込み、直径200mmまで拡大膨張させた後、引き取り装置によって一定速度で連続的に引き取った。なお、筒状フィルム内部への空気の導入は、該フィルムの直径が200mmになった時点で停止している。
【0059】
さらに、ピンチローラー107に続くカット装置108で筒状フィルムを長さ280mmで切断して、厚さ80μmの筒状フィルム1を得た。
【0060】
この筒状フィルム1を、アルミシリンダーの外周面に被せ、その上にステンレススチール製シリンダーを被せた。そして、両シリンダーを175℃に加熱して冷却し、筒状フィルム1を取り出した(筒状フィルム1を加熱冷却したものを筒状フィルム2とする)。アルミニウム製シリンダーの外径とステンレススチール製シリンダーの内径は0.35mmしか違わないので、加熱によって筒状フィルム1がアルミニウム製シリンダーとステンレススチール製シリンダーの間でプレスされる。その結果得られた筒状フィルム2は、ピンチローラー通過時についていた筒状フィルム1の折り目が除去されていた。フィルム両端部の内周長の差は、筒状フィルム1が0.5mmであったのに対して、筒状フィルム2は0.3mmに減少していた。筒状フィルム2の内周長は、627mmであった。
【0061】
筒状フィルム2を、蛇行防止部材を貼り付けるためのエンドレスベルトとして用いた。
【0062】
<蛇行防止部材>
蛇行防止部材は、ガイド、粘着層、剥離紙がこの順に積層されてなる(図10)。
【0063】
ガイド:厚さ1.5mmの発泡ポリウレタン
粘着層:厚さ50μmのポリエステル不織布の両面に、アクリル粘着剤を厚さ50μmずつ塗布したもの
剥離紙:シリコーン系離型剤を塗布したクラフト紙(厚さ100μm)
【0064】
上記積層部材をスリッターで幅4.5mmに切断し、長さを625±0.5mmに切り揃えた。なお、長さを625±0.5mmに切り揃える際は、片端は剥離紙を含めて切断し、もう一端は、ガイドと粘着層のみ切断し、剥離紙は残した(ハーフカット)。そして、剥離紙のみ、全長725mmとした。片端部は剥離紙が100mmだけ長く出ており、剥離の際に掴みやすくした。
【0065】
蛇行防止部材のたわみを上記の方法で測定し、弾性率:Eを求めた。
【0066】
測定結果は以下の通り。
【0067】
M=0.47(g)
y=20(mm)
W=4.5(mm)
t=1.65(mm)
以上の測定値を式(1)に代入して、本実施例の蛇行防止部材の弾性率:Eを計算した。
【0068】
【数3】
なお、同様の測定を、蛇行防止部材を貼り付ける前のエンドレスベルトに対しても行った。ただし、測定サンプル長は60mmとし、片端部10mmをチャックして、梁の長さを50mmとした。
【0069】
測定結果は以下の通り。
【0070】
M=0.13(g)(長さ50mm、幅15mmの重量)
L=50(mm)
y=22(mm)
W=15(mm)
t=0.08(mm)
以上の測定値を式(2)に代入して、エンドレスベルトの弾性率:E''を計算した。
【0071】
【数4】
更に、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材のたわみの測定も行った。
【0072】
測定結果は以下の通り。
【0073】
M=0.52(g)
L=100(mm)
y=15.5(mm)
W=4.5(mm)
t=1.75(mm)
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0074】
【数5】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
図3に示す貼り付け装置を用いた。図3において、駆動軸122の外径はφ35mm、駆動軸に設けた溝幅は4.7mm、溝の深さは1.7mmとした。
【0075】
まず、バックアップローラー125を左方向に移動させ、バックアップローラー125と引き取りローラー121との間にすき間(約5mm)を作る。蛇行防止部材の剥離紙(100mm出ている側)を剥離ピン126に引っ掛けて、バックアップローラー125と引き取りローラー121との間にすき間に、剥離紙(100mm出ている側)の先端を挿入する。次に、バックアップローラー125を右方向に移動させ、バックアップローラー125と引き取りローラー121とで、剥離紙を挟み込む。なお、バックアップローラー125には不図示のバネにより、バックアップローラー125が引き取りローラー121に押し付けられる機構になっている。バックアップローラーはウレタンゴムからなり、引き取りローラー121はローレット加工されたSUS材からなる。図3の拡大図において、蛇行防止部材の不図示の部分(破断線により省略されている部分)は、積重巻回するなどの姿勢の矯正は行っておらず、蛇行防止部材は自然に垂れ下がった格好になっている。
【0076】
次に、張架ローラー123を上方に移動し、駆動軸122との距離を十分に縮める。次に、蛇行防止部材貼り付け前のエンドレスベルトを挿入する。そして、張架ローラー123を下方に移動させ、エンドレスベルトを張架ローラー123と駆動軸122とで張架する。張架ローラー123には任意の荷重手段を与えてもよいが、本実施例では該ローラーの自重(約2kgf/cm2)がかかるようにした。
【0077】
本実施例では、剥離紙の剥離位置:Pは、剥離ピン126の位置となる。そこから、エンドレスベルトに蛇行防止部材が貼り付く位置:Sまでの距離は86mmである。(D=86mm)。従って、本実施例ではE÷D=0.2である。
【0078】
剥離紙を剥離するための引き取りローラー121と、駆動軸122の駆動源は同一で、不図示の回転手段を手で回すことにより、ベルトとプーリを介して、双方に駆動力が伝達される。駆動の伝達にあたっては、121と122の周速度が同一になるようにプーリ径を選択した。回転方向は、図3に示された矢印の方向である(駆動軸122=時計回り、引き取りローラー=反時計回り)。
【0079】
図3から明らかなように、本実施例では、蛇行防止部材は、剥離紙が剥離された後に駆動軸122の溝に導入される。以上のようにして、エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付けが行われる。
【0080】
蛇行防止部材を貼り終えた後、不図示のカット手段によって、エンドレスベルトの両端部をカットし、ベルトの幅を240mmに整えてから、エンドレスベルトを図3の貼り付け装置から取り外した。
【0081】
なお、本実施例では、蛇行防止部材をエンドレスベルトの片端に貼り付けたが、両端に貼り付けてもよい。
【0082】
以上のようにして、エンドレスベルトを2本作製した。
【0083】
得られたエンドレスベルトのうち1本について、該ベルトを軸方向に切り裂き、ベルトを平面上に広げて、蛇行防止部材の真直度を測定した。真直度は0.35mmであった。また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は4.1〜4.5(mm)の範囲であった。
【0084】
次に、もう一方のエンドレスベルトを、転写搬送ベルト20として図4に示す画像形成装置に組み込み、1万枚の画像出力を行った。
【0085】
8000枚付近から色ずれ僅かに悪化したが、実用レベルの画像を得ることができた。なお、8000枚付近から色ずれ僅かに悪化したが、実用レベルの画像を得ることができた。なお、1万枚耐久後も、蛇行防止部材がエンドレスベルトから剥がれたり、蛇行防止部材規制用の案内溝から蛇行防止部材が乗り上げたりすることはなかった。
【0086】
(実施例2)
<エンドレスベルト>
実施例1と同一配合のペレットを実施例1と同様にして成形した。ただし、筒状フィルムの直径は140mmとし、アルミシリンダー、ステンレスシリンダーの大きさも、該筒状フィルムの直径にあわせて径が約30%小さい(=140/200)ものを用いた。
【0087】
その結果、内周長439mm、幅280mm、厚さ80μmの筒状フィルム2を得た。該ベルトの弾性率は、実施例1と同一材質なので、1410(MPa)である。
【0088】
得られた筒状フィルム2は、ピンチローラー通過時についていた筒状フィルム1の折り目が除去されていた。フィルム両端部の内周長の差は、筒状フィルム1が0.4mmであったのに対して、筒状フィルム2は0.25mmに減少していた。これを、蛇行防止部材を貼り付ける前のエンドレスベルトとした。
【0089】
<蛇行防止部材>
蛇行防止部材は、ガイド、粘着層、剥離紙がこの順に積層されている(図10)。
【0090】
ガイド:厚さ1.2mmのポリウレタン
粘着層:厚さ50μmのポリエステル不織布の両面に、アクリル粘着剤を厚さ70μmずつ塗布したもの
剥離紙:シリコーン系離型剤を塗布したクラフト紙(厚さ150μm)
【0091】
上記積層部材をスリッターで幅4.5mmに切断し、長さを436±0.5mmに切り揃えた。なお、長さを436±0.5mmに切り揃える際は、片端は剥離紙を含めて切断し、もう一端は、ガイドと粘着層のみ切断し、剥離紙は残した(ハーフカット)。そして、剥離紙のみ、全長536mmとした。片端部は剥離紙が100mmだけ長く出ており、剥離の際に掴みやすくした。
【0092】
蛇行防止部材のたわみを上記の方法で測定し、弾性率:Eを求めた。
【0093】
測定結果は以下の通り。
【0094】
M=0.60(g)
y=45(mm)
W=4.5(mm)
t=1.39(mm)
以上の測定値を式(1)に代入して、本実施例の蛇行防止部材の弾性率:Eを計算した。
【0095】
【数6】
更に、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材のたわみの測定も行った。
【0096】
測定結果は以下の通り。
【0097】
M=0.65(g)
L=100(mm)
y=6(mm)
W=4.5(mm)
t=1.54(mm)
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0098】
【数7】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
図5に示す貼り付け装置を用いた。図5において、駆動軸122の外径はφ65mm、駆動軸に設けた溝幅は4.7mm、溝の深さは1.3mmとした。
【0099】
まず、蛇行防止部材の剥離紙が100mm出ている側を手前に持ち、駆動軸122に設けられた溝と案内部材124とのすき間に、剥離紙の先端を右下方向から挿入する。これによって、ガイド121の先端は、駆動軸122に設けられた溝と案内部材124とのすき間に導入される(図11)。
【0100】
次に、バックアップローラー125を左方向に移動させ、バックアップローラー125と引き取りローラー121との間にすき間(約5mm)を作る。剥離紙の先端を、案内部材の左上端部(P点)に架け回して、バックアップローラー125と引き取りローラー121とのすき間に、蛇行防止部材の剥離紙(100mm出ている側)の先端を挿入する。そして、バックアップローラー125を右方向に移動させ、バックアップローラー125と引き取りローラー121とで、剥離紙を挟み込む(図12)。
【0101】
なお、バックアップローラー125には不図示のバネにより、バックアップローラー125が引き取りローラー121に押し付けられる機構になっている。バックアップローラーはウレタンゴムから構成される。案内部材124は、蛇行防止部材の滑りを考慮して、POM材で作製した。図5の拡大図において、蛇行防止部材の不図示の部分(破断線により省略されている部分)は、積重巻回するなどの姿勢の矯正は行っておらず、蛇行防止部材は自然に垂れ下がった格好になっている。
【0102】
次に、張架ローラー123を上方に移動し、駆動軸122との距離を十分に縮める。次に、蛇行防止部材貼り付け前のエンドレスベルトを挿入する。そして、張架ローラー123を下方に移動させ、エンドレスベルトを張架ローラー123と駆動軸122とで張架する。張架ローラー123には任意の荷重手段を与えてもよいが、本実施例では該ローラーの自重(約3kgf/cm2)がかかるようにした。
【0103】
本実施例では、剥離紙の剥離(P点)は、案内部材124の左上部先端で行われる。P点から、エンドレスベルトに蛇行防止部材が貼り付く位置:S点までの距離Dは21mmである。従って、本実施例ではE÷D=1.0である。
【0104】
剥離紙を剥離するための引き取りローラー121と、駆動軸122の駆動源は同一で、不図示の回転手段を手で回すことにより、ベルトとプーリを介して、双方に駆動力が伝達される。駆動の伝達にあたっては、121の周速度:S2が、122の周速度:S1の1.2倍になるようにプーリ径を選択した。回転方向は、図5に示された矢印の方向である(駆動軸122=時計回り、引き取りローラー121=反時計回り)。
【0105】
駆動軸122の回転に伴って、蛇行防止部材がエンドレスベルトに貼り付けられて行く。図5から明らかなように、本実施例では、剥離紙が剥離される前から、ガイドが駆動軸122の溝に導入されている。L点からP点までは、蛇行防止部材200はガイド部材124と軽く擦れながら移動する。移動時に、蛇行防止部材は姿勢を変えることがなく、安定した姿勢のままP点で剥離紙が剥離されて行くので、エンドレスベルトに対して蛇行防止部材が安定して貼り付けられてゆく。この点が実施例1より優れている。以上のようにして、エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付けが行われる。
【0106】
蛇行防止部材を貼り終えた後、不図示のカット手段によって、エンドレスベルトの両端部をカットし、ベルトの幅を240mmに整えてから、エンドレスベルトを図5の貼り付け装置から取り外した。
【0107】
また、蛇行防止部材を取り付ける際に、不図示のマーキング部材付与手段により、エンドレスベルトの端部(非画像領域)にエンドレスベルトの位相を検出するためのマーキングを施す加工を施すこともできる。具体的には、エンドレスベルト表面とは色相や光沢度が異なるシールを貼り付ける、印刷を行う、あるいはエンドレスベルトの端部に穴を開けるなどの加工を施すことができる。
【0108】
駆動軸122と引き取りローラー121の駆動は手動式なので、回転速度は一定でないが、両者が同期しており、かつE/Dの値が0.2〜30の範囲に入っており、蛇行防止部材が座屈したり、剥離紙が巻き込まれたりするなどの現象は発生しなかった。
【0109】
以上のようにして、エンドレスベルトを2本作製した。得られたエンドレスベルトのうち1本について、該ベルトを軸方向に切り裂き、ベルトを平面上に広げて、蛇行防止部材の真直度を測定した。真直度は0.15mmであった。
【0110】
本実施例の蛇行防止部材の真直度は、実施例1との単純比較で2.3倍の精度であった。エンドレスベルトの周長差を考慮しても、0.35÷0.15×439÷627=1.6倍の精度である。
【0111】
これは、
1.剥離紙を剥離する前から、蛇行防止部材を駆動軸の溝に導入したため、貼り付け前から蛇行防止部材の姿勢が安定していたこと、
2.駆動軸の溝が蛇行防止部材の供給ガイドを兼ねているので、貼り付け後の蛇行防止部材の走行位置と、貼り付け前の蛇行防止部材の位置が一平面上に位置していること、
の双方の要因によって貼り付け精度が向上したものと考えられる。また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は4.3〜4.5(mm)の範囲であった。
【0112】
次に、もう一方のエンドレスベルトを、中間転写ベルトとして、図6に示す画像形成装置に組み込んで、1万枚の画像出力を行った。蛇行防止部材が剥がれたり、乗り上げたりすることなく、1万枚の耐久を通して色ずれが悪化することなく良好な画像出力を行うことができた。
【0113】
(実施例3)
<エンドレスベルト>
実施例2と同一のものを用いた。
【0114】
<蛇行防止部材>
蛇行防止部材は、ガイド、粘着層、剥離紙がこの順に積層されている(図10)。
【0115】
ガイド:厚さ1.5mmの発泡ポリウレタン
粘着層:厚さ100μmのアクリル粘着剤
剥離紙:シリコーン系離型剤を塗布したクラフト紙(厚さ150μm)
【0116】
上記積層部材をスリッターで幅4.5mmに切断し、長さを436±0.5mmに切り揃えた。なお、長さを436±0.5mmに切り揃える際は、片端は剥離紙を含めて切断し、もう一端は、ガイドと粘着層のみ切断し、剥離紙は残した(ハーフカット)。そして、剥離紙のみ、全長536mmとした。片端部は剥離紙が100mmだけ長く出ており、剥離の際に掴みやすくした。
【0117】
蛇行防止部材のたわみを上記の方法で測定し、弾性率:Eを求めた。
【0118】
測定結果は以下の通り。
【0119】
M=0.40(g)
y=25(mm)
W=4.5(mm)
t=1.57(mm)
以上の測定値を式(1)に代入して、本実施例の蛇行防止部材の弾性率:Eを計算した。
【0120】
【数8】
更に、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材のたわみの測定も行った。
【0121】
測定結果は以下の通り。
【0122】
M=0.45(g)
L=100(mm)
y=6(mm)
W=4.5(mm)
t=1.72(mm)
【0123】
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0124】
【数9】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
溝の深さを1.5mmとし、案内部材124の形状を変えてP点の位置を変えることで、距離Dを27mmとした以外は、実施例2と同一の貼り付け装置を用い、実施例2と同様の手順で蛇行防止部材の貼り付けを行った(E÷D=0.5)。
【0125】
蛇行防止部材を貼り終えた後、不図示のカット手段によって、エンドレスベルトの両端部をカットし、ベルトの幅を240mmに整えてから、エンドレスベルトを貼り付け装置から取り外した。
【0126】
以上のようにして、エンドレスベルトを2本作製した。得られたエンドレスベルトのうち1本について、該ベルトを軸方向に切り裂き、ベルトを平面上に広げて、蛇行防止部材の真直度を測定した。真直度は0.17mmであった。
【0127】
また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は4.3〜4.5(mm)の範囲であった。
【0128】
次に、もう一方のエンドレスベルトを、中間転写ベルトとして、図7に示す感光ドラム−中間転写体が一体となったプロセスカートリッジに組み込んだ。
【0129】
図7において、感光ドラム−中間転写体が一体となったプロセスカートリッジは、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
トナーの画像を担持するための電子写真感光体1と、
電子写真感光体1との当接部を有する中間転写ベルト5と、
該当接部において電子写真感光体1から中間転写ベルト5へトナー画像を一次転写するための一次転写手段と、
中間転写ベルト5上のトナーを該当接部にて電子写真感光体1に戻して中間転写ベルト5をクリーニングするために、中間転写ベルト5上のトナーに一次転写時のトナー極性と逆極性の電荷を付与するための電荷付与手段9と、
電子写真感光体1をクリーニングするための電子写真感光体クリーニング手段53とを一体に支持し、
電子写真感光体1を有する電子写真感光体ユニットと、中間転写ベルト5を有する中間転写ベルトユニットとに分離可能であり、
該電子写真感光体ユニットと中間転写ベルトユニットとを連結する連結手段を有するものである。
【0130】
本プロセスカートリッジでは、中間転写ベルト5のクリーニングは、次の画像出力の一次転写時に静電的に行われるものである(一次転写同時クリーニング方式)。
【0131】
該カートリッジを図8に示す画像形成装置に組み込んだ。画像出力1000枚毎に、前記カートリッジを画像形成装置本体に対して20回脱着し、プロセスカートリッジに振動を与えるという動作を10回繰り返して、合計1万枚の画像出力を行った。蛇行防止部材が剥がれたり、乗り上げたりすることなく、1万枚の耐久を通して色ずれが悪化することなく良好な画像出力を行うことができた。
【0132】
(実施例4〜6)
<エンドレスベルト>
実施例2と同一のものを用いた。
【0133】
<蛇行防止部材>
蛇行防止部材は、ガイド、粘着層、剥離紙がこの順に積層されている(図10)。
【0134】
ガイド:厚さ1.5mmの発泡ポリウレタン
粘着層:厚さ100μmのポリエステル不織布の片面(ガイド側)に、厚さ50μmのアクリル粘着剤を、もう一方の面(剥離紙側)に、厚さ100μmのアクリル粘着剤を塗布したもの
剥離紙:シリコーン系離型剤を塗布したクラフト紙(厚さ150μm)
【0135】
上記積層部材をスリッターで幅4.5mmに切断し、長さを436±0.5mmに切り揃えた。なお、長さを436±0.5mmに切り揃える際は、片端は剥離紙を含めて切断し、もう一端は、ガイドと粘着層のみ切断し、剥離紙は残した(ハーフカット)。そして、剥離紙のみ、全長536mmとした。片端部は剥離紙が100mmだけ長く出ており、剥離の際に掴みやすくした。
【0136】
蛇行防止部材のたわみを上記の方法で測定し、弾性率:Eを求めた。
【0137】
測定結果は以下の通り。
【0138】
M=0.56(g)
y=2.5(mm)
W=4.5(mm)
t=1.75(mm)
【0139】
以上の測定値を式(1)に代入して、本実施例の蛇行防止部材の弾性率:Eを計算した。
【0140】
【数10】
更に、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材のたわみの測定も行った。
【0141】
測定結果は以下の通り。
【0142】
M=0.61(g)
L=100(mm)
y=1.5(mm)
W=4.5(mm)
t=1.9(mm)
【0143】
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0144】
【数11】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
実施例2で用いた貼り付け装置と以下3点を変更した。
【0145】
溝の深さを1.8mmとした。
【0146】
溝の形状を台形形状(図9参照)にした。
【0147】
案内部材124の形状を変えることでP点の位置を変えて、距離Dを表1のようにした。
【0148】
【表1】
上記変更点以外は、貼り付け手順も含めて、実施例2と同様である。
【0149】
各実施例において、蛇行防止部材を貼り終えた後、不図示のカット手段によって、エンドレスベルトの両端部をカットし、ベルトの幅を240mmに整えてからエンドレスベルトを貼り付け装置から取り外し、エンドレスベルトを各実施例につき2本ずつ作製した。
【0150】
得られたエンドレスベルトのうち各1本について、該ベルトを軸方向に切り裂き、ベルトを平面上に広げて、蛇行防止部材の真直度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0151】
【表2】
また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は各実施例共に4.4〜4.5(mm)の範囲であった。
各実施例において、切り裂いていない方のベルトを実施例3と同様にして、画像出力1000枚毎に、前記カートリッジを画像形成装置本体に対して20回脱着し、プロセスカートリッジに振動を与えるという動作を10回繰り返して、合計1万枚の画像出力を行った。
【0152】
蛇行防止部材が剥がれたり、テンションローラー12に設けた、蛇行防止部材規制用の案内溝から乗り上げたりすることなく、1万枚の耐久を通して色ずれが悪化することなく良好な画像出力を行うことができた。
【0153】
(実施例7)
実施例1で作製した筒状フィルム2を、蛇行防止部材を貼り付けるためのエンドレスベルトとした。
【0154】
<蛇行防止部材>
実施例1で用いた蛇行防止部材において、クラフト紙の厚さを50μmに変えた以外は実施例1と同様の蛇行防止部材を用いた。
【0155】
従って、蛇行防止部材の弾性率:Eは、実施例1と同様に17.1(MPa)、エンドレスベルトの弾性率:E″も、実施例1と同様に1410(MPa)である。
【0156】
本実施例の蛇行防止部材において、剥離紙を剥がす前の状態で実施例1と同様にして、たわみの測定を行ったところ、以下のようなデータが得られた。
【0157】
M=0.49(g)
L=100(mm)
y=18(mm)
W=4.5(mm)
t=1.70(mm)
【0158】
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0159】
【数12】
上記の蛇行防止部材を、実施例1と同様にして筒状部材に貼り付け、2本のエンドレスベルトを作製した。
【0160】
得られたエンドレスベルトの1本について、実施例1と同様にして蛇行防止部材の真直度を測定したところ、真直度は0.42mmであった。実施例1と比較して蛇行防止部材の真直度が悪くなっているのは、剥離紙を剥がす前の蛇行防止部材の弾性率が18.1(MPa)と低めであるために、剥離紙を剥がす前に蛇行防止部材が若干ねじれており、そのねじれが剥離紙を剥離した後にも残っていたためと考えられる。
【0161】
また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は4.1〜4.5(mm)の範囲であった。
【0162】
次に、もう一方のエンドレスベルトを、実施例1と同様にして1万枚の画像出力を行った。8000枚付近から蛇行防止部材規制用の案内溝から蛇行防止部材が乗り上げ気味になり、色ずれがやや悪化した。ただし、実用レベルの画像を得ることはでき、エンドレスベルトが破断することはなかったため、実用に耐えるものであった。
【0163】
(実施例8)
蛇行防止部材を貼り付ける前のエンドレスベルトとして、実施例2で用いたものと同一のものを用いた。
【0164】
<蛇行防止部材>
実施例2で用いた蛇行防止部材において、剥離紙としてクラフト紙の代わりに厚さ200μmのポリエチレンを用いた以外は実施例2と同様の蛇行防止部材を用いた。
【0165】
従って、蛇行防止部材の弾性率:Eは、実施例1と同様に16.2(MPa)、エンドレスベルトの弾性率:E’’も、実施例1と同様に1410(MPa)である。
【0166】
本実施例の蛇行防止部材において、剥離紙を剥がす前の状態で実施例2と同様にして、たわみの測定を行ったところ、以下のようなデータが得られた。
【0167】
M=0.68(g)
L=100(mm)
y=29(mm)
W=4.5(mm)
t=1.59(mm)
【0168】
以上の測定値を式(2)に代入して、剥離紙が付いた状態での蛇行防止部材の弾性率:E'を計算した。
【0169】
【数13】
上記の蛇行防止部材を、実施例2と同様にして筒状部材に貼り付け、2本のエンドレスベルトを作製した。
【0170】
得られたエンドレスベルトの1本について、実施例2と同様にして蛇行防止部材の真直度を測定したところ、真直度は0.27mmであった。実施例2と比較して蛇行防止部材の真直度が悪くなっているのは、剥離紙を剥がす前の蛇行防止部材の弾性率が19.1(MPa)と低めであるために、剥離紙を剥がす前に蛇行防止部材が若干ねじれており、そのねじれが剥離紙を剥離した後にも残っていたためと考えられる。
【0171】
また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は4.3〜4.5(mm)の範囲であった。
【0172】
次に、もう一方のエンドレスベルトを、実施例2と同様にして1万枚の画像出力を行った。8000枚付近から色ずれ僅かに悪化したが、実用レベルの画像を得ることができた。なお、1万枚耐久後も、蛇行防止部材規制用の案内溝から蛇行防止部材が乗り上げる現象は見られなかった。
【0173】
(比較例1)
<エンドレスベルト>
実施例2のベルトを使用。
【0174】
<蛇行防止部材>
実施例2の蛇行防止部材を使用。
【0175】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
実施例3で用いた貼り付け装置を使用。ただし、D寸法は0.6mmとした。剥離紙の剥離ポイントから貼り付けポイントまでの距離が近すぎるために、貼り付け動作中に剥離紙を巻き込んでしまい、蛇行防止部材を満足に貼り付けることができなかった。
【0176】
(比較例2)
<エンドレスベルト>
実施例2のベルトを使用。
【0177】
<蛇行防止部材>
実施例3の蛇行防止部材を使用。
【0178】
<エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け>
実施例1で用いた貼り付け装置を使用。ただし、D寸法は135mmとした。
【0179】
蛇行防止部材が柔軟であるにも拘わらず、剥離紙の剥離ポイントから貼り付けポイントまでの距離が遠すぎるために、蛇行防止部材がエンドレスベルトに貼りつく前(P点とS点との間)に、若干うねりを生じていた。その状態でエンドレスベルトに貼り付けられたため、蛇行防止部材の真直度が悪化した。(0.6mm)
また、切り裂いたベルトを、蛇行防止部材を上にして平面上に広げ、蛇行防止部材を10等分した各点において、該部材の幅を測定した。10箇所の測定値は3.8〜4.5(mm)の範囲であった。Eが小さい割にDの距離が長い(E/D<0.2)ために、エンドレスベルトに引き込まれながら蛇行防止部材が貼り付けられてゆく際に、手回しによるエンドレスベルトの回転ムラが、蛇行防止部材の伸びムラとなって現れたものと考えられる。
【0180】
2枚作製したベルトのうち一方のベルトを実施例3と同様にして、画像出力を行った。わずか500枚程度で、テンションローラー12に設けた蛇行防止部材規制用の案内溝から乗り上げ、それ以上中間転写ベルトを回転させることが不可能となった。つまり、画像出力の継続が不可能となった。
【0181】
【表3】
【0182】
【発明の効果】
本発明のエンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法および蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法によれば、蛇行防止部材をエンドレスベルトの内周面の周方向に沿って精度良くかつ均一に貼り付けることができる。
【0183】
また、本発明のエンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法および蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法によって得られたエンドレスベルトは、蛇行防止部材の貼り付け精度(真直度)が優れているので、画質の観点から 高精度な蛇行防止部材の真直度が要求される、中間転写ベルト、転写搬送ベルトとして用いると、本発明の特徴を最大限に生かすことができる。
【0184】
また、本発明のエンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法および蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法によって得られた中間転写ベルトは、蛇行防止部材が高精度に貼り付けられているので、中間転写ベルトと電子写真感光体とを一体に有するプロセスカートリッジに組み込んで該カートリッジに多少の振動を与えても、蛇行防止部材がずれて色ずれが悪化することがないという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛇行防止部材のたわみ量測定状態を示す図である。
【図2】筒状フィルムの成形装置の説明図である。
【図3】本発明の蛇行防止部材貼り付け装置の説明図である。
【図4】転写搬送ベルトを有する画像形成装置の概略図である。
【図5】本発明の別の蛇行防止部材貼り付け装置の説明図である。
【図6】中間転写ベルトを有する画像形成装置の概略図である。
【図7】プロセスカートリッジの概略図である。
【図8】プロセスカートリッジと、これを着脱する画像形成装置本体の説明図である。
【図9】実施例4〜6で用いた蛇行防止部材貼り付け装置の駆動軸の溝断面概略図である。
【図10】蛇行防止部材の断面図である。
【図11】蛇行防止部材を装置にセットする過程の説明図である。
【図12】蛇行防止部材を装置にセットした状態の説明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 一次帯電手段(帯電ローラー)
3 露光手段
41 第1の現像手段(イエロー色現像器)
42 第2の現像手段(マゼンタ色現像器)
43 第3の現像手段(シアン色現像器)
44 第4の現像手段(ブラック色現像器)
5 中間転写ベルト
6 一次転写手段(一次転写ローラー)
7 二次転写手段(二次転写ローラー)
8 駆動ローラー
9 電荷付与手段(ベルトクリーニングローラー)
10 転写材ガイド
11 給紙ローラー
12 テンションローラー(従動ローラー)
13 電子写真感光体クリーニング手段
15 定着手段
20 転写搬送ベルト
22 転写ローラー
24 帯電器
27 バイアス電源
28 バイアス電源
30 バイアス電源
31 バイアス電源
32 一次帯電手段の電源
33 バイアス電源
P 転写材
45 中間転写ベルトフレーム
53 クリーニングブレード
55 ドラムシャッター
59 電子写真感光体フレーム
60 電子写真装置本体の上蓋
71 突起部
73 フック部の爪
74 ロック穴
100 押し出し機
102 ホッパー
103 環状ダイス
104 気体導入路
105 外部冷却リング
106 安定板
107 ピンチローラー
108 カット装置
110 筒状フィルム
121 引き取りローラー
122 駆動軸
123 張架ローラー
124 案内部材
125 バックアップローラー
126 剥離ピン
200 蛇行防止部材
201 ガイド
202 粘着層
203 剥離紙
Claims (2)
- エンドレスベルト用の蛇行防止部材の片面に設けられた剥離紙を剥離して該蛇行防止部材の粘着面を露出させ、露出した該蛇行防止部材の粘着面を該エンドレスベルトの内周面に当接させることによって、該蛇行防止部材を、該エンドレスベルトの内周面に、その周方向に沿って貼り付ける方法であって、
該蛇行防止部材の弾性率:E(MPa)と、該剥離紙の剥離位置から該蛇行防止部材の粘着面が該エンドレスベルトの内周面に当接される位置までの距離:D(mm)との関係が、
0.2≦E÷D≦30
の条件を満たし、
溝が設けられた駆動軸を用いて該エンドレスベルトを回転させ、該蛇行防止部材から該剥離紙を剥離する前から該駆動軸の溝に該蛇行防止部材を導入し、該蛇行防止部材が該駆動軸の溝に導入された状態を保ったまま該蛇行防止部材から該剥離紙を剥離して、該蛇行防止部材を該エンドレスベルトの内周面に貼り付ける
ことを特徴とする、エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法。 - 蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトを製造する方法であって、請求項1に記載の貼り付け方法によって、蛇行防止部材を、エンドレスベルトの内周面に、その周方向に沿って貼り付ける工程を有することを特徴とする、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法。
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