JP4035889B2 - 全方位型半導体加速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

全方位型半導体加速度センサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、全方位型半導体加速度センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエアバッグ装置には、衝突を感知する衝突センサが設けられ、衝突センサに半導体加速度センサが用いられている。この半導体加速度センサにおいて衝突方向を検知する機能を持たせる場合、つまり、全方位型半導体加速度センサとする場合がある。この全方位型半導体加速度センサが、特開平9−145740号公報に開示されている。具体的には、図14,15に示すように、絶縁基板70の上に固定電極71が配置され、固定電極71は円形の接触面72を有する。また、絶縁基板70の上にアンカー部73が設けられ、このアンカー部73から梁74が延びリング状の可動電極75が連結支持されている。可動電極75での円形の外周面76と固定電極71とは所定の間隔をおいて対向している。さらに、固定電極71での接触面はアンカー部73を中心として所定角度毎に区画され、各固定電極71a〜71mと可動電極75との間にコンデンサが形成され、加速度が基板70の表面に平行な方向に加わると、可動電極75と固定電極71a〜71mとの距離が変化し、各コンデンサの容量変化を検出することにより、その加速度の加わった方向を検知することができる。
【0003】
しかしながら、この全方位型半導体加速度センサでは、梁74と可動電極75にて梁構造の可動部材が構成され、この可動部材74,75が自重にて垂下しやすい特性を有する。そのため、長期にわたる使用によっても梁構造の可動部材74,75の自重垂れが起きにくくしたいという要求がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、可動部材が自重により垂下するのを防止することができる全方位型半導体加速度センサ及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサは、固定部材の上に配置され、半導体基板よりなる可動部材と、前記固定部材の上面に形成されたV字型溝と、前記可動部材の下面に形成され、前記V字型溝に配置され、前記固定部材の上に前記可動部材を可動部材の重心位置にて揺動可能に支持するアンカー用突起と、前記可動部材の下面での前記アンカー用突起を除いた範囲に全面に形成された可動電極と、前記固定部材の上面に、絶縁膜を介して、前記可動電極と対向し、かつ、前記V字型溝を中心として所定角度毎に複数配置され、固定部材の表面に平行な方向に加わる加速度を検出するための固定電極と、前記固定部材から、前記アンカー用突起の表面において可動電極形成時に形成される膜を経由して可動電極に至る電圧印加経路にて前記可動電極と固定電極との間に電圧を印加して前記アンカー用突起を中心としてその周囲に均等に静電気力を作用させて加速度が加わっていないときにおいて固定電極と可動電極との間の距離を一定に保った状態を保持するための電源と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
よって、固定部材の上にアンカー用突起により可動部材が揺動可能に支持され、固定部材の表面に平行な方向に加速度が加わると、可動部材が揺動する。この揺動が、アンカー用突起を中心とした所定角度毎の固定電極を用いて検出される。
【0007】
このとき、加速度検出方向が固定部材の表面に平行な方向、即ち、水平方向であり、可動部材が自重方向(上下方向)に移動する構造となっているので、可動部材の自重方向への垂れが防止される。つまり、特開平9−145740号公報に示されたセンサ構造では可動電極75等が自重にて垂下しやすい構造となっていたが、本発明では元々、可動部材が自重方向(上下方向)に移動する構造であるので、可動部材の自重方向への垂れが防止される。
【0008】
ここで、請求項2に記載のように、加速度の印加に伴う前記可動部材の揺動にて前記複数の固定電極のうちのいずれかが前記可動電極と接触することにより加速度を検出するものとすると、実用上好ましいものとなる。
【0009】
また、請求項3に記載のように、加速度の印加に伴う前記可動部材の揺動にて前記複数の固定電極と可動電極間の間隔が変化することによる容量変化により加速度を検出するものとすると、実用上好ましいものとなる。
【0010】
また、請求項に記載のように、前記可動部材は円形をなすものとすると、実用上好ましいものとなる。
全方位型半導体加速度センサの製造方法として、請求項に記載のように、第1の半導体基板の上面にエッチングによりV字型溝を形成するとともに、第2の半導体基板の上面にエッチングにより突起を形成し、第1の半導体基板のV字型溝に前記突起を配置する。
【0011】
その結果、請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサを製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
本実施形態においては、自動車のエアバッグシステムに適用している。詳しくは、衝突を感知する衝突センサに具体化している。
図1には、エアバッグシステムの全体構成を示す。エアバッグシステムはバッグ本体1とインフレータ2と点火回路3と処理回路4と全方位型Gセンサ5とセーフィングセンサ6を備えている。インフレータ2にはバッグ本体1が接続され、点火装置7を駆動(通電)することによりガス発生剤8からガスが発生しそのガスがバッグ本体1に供給され、バッグ本体1が膨らむようになっている。ここで、バッグ本体1とインフレータ2は前面衝突用エアバッグであるが、さらに同様のバッグ本体1とインフレータ2が側面衝突用エアバッグとして用意されており、点火回路3にて側面衝突の際に展開してドアと乗員との衝突を緩和するようになっている。
【0014】
また、Gセンサ5には処理回路4が接続され、処理回路4はマイクロコンピュータよりなり、全方位型Gセンサ5からの信号により衝突の有無および衝突方向の判定を行い、点火回路3を介して前面衝突用または側面衝突用の点火装置7を駆動制御する。なお、点火回路3に接続されたセーフィングセンサ6は設定レベルを越える衝撃を受けた時のみ点火装置7を駆動可能な状態とする安全センサの役目を果たす。
【0015】
図2には、全方位型Gセンサ5の斜視図を示す。図3には、全方位型Gセンサ5の平面図を示す。図4には図3のA−A断面図を示す。この図4に示すように、加速度の検出方向は固定部材11の表面に平行なX方向である。
【0016】
図2に示すように、全方位型Gセンサ5は、固定部材11と、その上に配置される可動部材12を備えている。固定部材11および可動部材12はシリコン基板(半導体基板)よりなる。また、固定部材11は四角形状をなし、可動部材12は円形をなし、かつ、固定部材11より面積が小さい。
【0017】
図2,4に示すように、可動部材12の下面における可動部材12の重心位置には、円錐形のアンカー用突起13が形成されている。また、図4に示すように、固定部材11の中央部には凹部14が形成されるとともに、その凹部14の底面14aの中央部には円錐形に窪んだV字型溝15が形成されている。このV字型溝15の表面にはAu(金)の薄膜16が形成されている。そして、V字型溝15にアンカー用突起13が挿入され、この状態で固定部材11の上に可動部材12が揺動可能に支持されている。
【0018】
一方、図4に示すように、固定部材11の上面にはフィールド酸化膜(絶縁膜)17が形成され、その上には固定電極18が配置されている。固定電極18はAu(金)の薄膜よりなる。より詳しくは、図3での可動部材12を取り外した状態を示す図5において、固定部材11の上面にはV字型溝15(アンカー用突起13)を中心として22.5°毎に固定電極20〜35が放射状に配置されている。さらに、図5において、固定部材11の上面には固定電極20〜35から延びるパッド40〜55が配置され、パッド40〜55からボンディングワイヤにて外部機器である処理回路4(図1参照)と電気的に接続されている。この固定電極20〜35への電源ラインは接地電位にされる。
【0019】
また、図4に示すように、可動部材12の下面には可動電極19が全面に形成されている。可動電極19はAu(金)の薄膜よりなる。可動電極19は、固定部材11の上面での固定電極18(固定電極20〜35)と距離d1をおいて対向している。このように、可動部材12の下面と固定部材11の上面に対向する対向電極が図3で符号SW1〜SW16で示すようにアンカー用突起13を中心として22.5°毎に配置されている。
【0020】
本実施形態においては、固定電極20〜35は接点用の電極であり、可動部材12の揺動にて複数の対向電極(18,19)のうちのいずれかが接触するようになっている。このようにして、可動電極19と各固定電極20〜35により図3のスイッチSW1〜SW16が構成されている。
【0021】
図4において、可動電極19はアンカー用突起13により固定部材(シリコン基板)11と電気的に接続されている。また、図5において、固定部材11の上面におけるフィールド酸化膜(絶縁膜)17の無い領域に基板用パッド56〜59が配置され、同パッド56〜59は固定部材(シリコン基板)11と電気的に接続されている。基板用パッド56〜59からボンディングワイヤにて電源9(図1参照)と電気的に接続されている。電源9としては、例えば5ボルト電源が使用される。よって、基板用パッド56〜59および固定部材(シリコン基板)11を通して可動電極19には電源電圧(例えば5ボルト)が印加される。この可動電極19に対向する各固定電極20〜35の電位が図1の処理回路4に取り込まれる。
【0022】
このように、本実施形態における全方位型Gセンサ5は、図4の可動電極19と各固定電極20〜35により、図1に示すように、複数のスイッチSW1〜SWn(n=16)が構成され、各スイッチSW1〜SWnの出力信号により、固定部材11の表面に平行な面において、図3のごとくV字型溝15(アンカー用突起13)を中心として22.5°(=360°/16)毎の加速度方向が検出できるようになっている。
【0023】
次に、この全方位型Gセンサ5の製造方法を説明する。
まず、固定部材の作成のために、図6に示すように、表面が(100)のシリコン基板11を用意し、シリコン基板11の表面にホトパターニングしたマスク60を所定領域に配置する。マスク材として、SiO2 又はSiN膜を用いる。そして、シリコン基板11に対しKOH等の異方性エッチングを行い、V字型溝15を形成する。この溝15はその側面が(111)面であり、(100)のシリコン基板11の表面とでなす角度は54.7°である。その後、マスク60を除去する。
【0024】
引き続き、図7に示すように、シリコン基板11の表面の所定領域にマスク61を配置する。そして、シリコン基板11に対しKOH等の異方性エッチングを行い凹部14を形成する。この凹部14はその側面が(111)面であり、(100)のシリコン基板11の表面とでなす角度は54.7°である。さらに、シリコン基板11を等方性エッチングして溝15および凹部14の角部を丸くして溝15を円錐形の窪みにする。その後、マスク61を除去する。
【0025】
さらに、図8に示すように、シリコン基板11の上面おける所定領域にフィールド酸化膜17を形成するとともに、V字型溝15内および固定電極形成領域に金スパッタによりAu(金)の薄膜16,18を形成する。
【0026】
一方、可動部材の作成のために、図9に示すように、表面が(100)のシリコン基板12を用意する。そして、シリコン基板12の表面にホトパターニングしたマスク62を所定領域に配置する。マスク材として、SiO2 又はSiN膜を用いる。そして、シリコン基板12に対しKOH等の異方性エッチングを行い、凹部63を形成する。この凹部63はその側面が(111)面であり、(100)のシリコン基板12の表面とでなす角度は54.7°である。これにより、シリコン基板12の中央部にアンカー用突起13が形成される。さらに、シリコン基板12を等方性エッチングして突起13の角部を丸くして突起13を円錐形にする。その後、マスク62を除去する。
【0027】
引き続き、図10に示すように、シリコン基板12の上面に、金スパッタによりAu(金)の薄膜を形成し、可動電極19とする。
そして、図8のシリコン基板11の上に図10のシリコン基板12を逆向きして配置するとともに、V字型溝15にアンカー用突起13を挿入する。その結果、図4に示す全方位型Gセンサ5が組み立てられる。
【0028】
次に、この全方位型Gセンサ5の作用を説明する。
図4に示す状態においては、固定部材11の上にアンカー用突起13により可動部材12が揺動可能に支持されている。また、可動電極19と各固定電極18(20〜35)との間には、電源9により、所定の電圧(例えば、5ボルト)が印加されており、固定部材11と可動部材12との間には、アンカー用突起13を中心としてその周囲に均等に静電気力が作用し、図4の状態を保持している。
【0029】
この状態から、固定部材11の表面に平行なX方向(水平方向)に加速度が加わると、図11に示すように、可動部材12が揺動、つまり、可動部材12が自重方向(上下方向)に移動を開始する。すると、当該部位における固定および可動電極間において静電気力により吸引され、固定電極18と可動電極19とが接触する。この接触した可動電極19に対応するスイッチSW1〜SWnの出力が変化する。
【0030】
図1の処理回路4は、この全方位型Gセンサ5のスイッチSW1〜SWnの出力信号の変化にて衝突を検知し、その衝突方向に応じて点火回路3を介して前面衝突用または側面衝突用の点火装置7を駆動して必要なエアバックの展開を行わせる。
【0031】
また、この構造においては、元々、可動部材12が自重方向(上下方向)に移動する構造であるので、可動部材12の自重方向への垂れが防止される。
つまり、加速度検出方向が固定部材11の表面に平行な方向、即ち、水平方向であり、可動部材12が自重方向(上下方向)に移動する構造であるので、可動部材12の自重方向への垂れが防止される。特開平9−145740号公報に示されたセンサ構造では可動電極71が自重にて垂下しやすい構造となっていたが、本実施形態では元々、可動部材12が自重方向(上下方向)に移動する構造であるので、可動部材12の自重方向への垂れが防止される。
【0032】
このように、本実施形態は、下記の特徴を有する。
(イ)シリコン基板よりなる可動部材12の下面での重心位置にアンカー用突起13を設け、シリコン基板よりなる固定部材11の上に可動部材12を、可動部材12の重心位置にて揺動可能に支持し、さらに、可動部材12の下面と固定部材11の上面の間に対向電極19,20〜35を、固定部材11の表面においてアンカー用突起13を中心として22.5°毎に配置しスイッチSW1〜SWnを構成し、固定部材11の表面に平行な方向に加わる加速度を検出する。即ち、固定部材11の表面に平行なX方向に加速度が加わると、可動部材12が揺動し、この揺動により対向電極18,19を用いて(スイッチSW1〜SWnがスイッチング作動して)加速度の加わった方向を検出する。
【0033】
この構造を採用することにより、特開平9−145740号公報に示された梁による可動部材の支持構造とは異なり、可動電極19を具備した可動部材12が自重により垂下するのを防止することができる。
(ロ)また、可動部材12の揺動にて複数の対向電極18,19のうちのいずれかが接触するスイッチ式としたので、実用上好ましいものとなる。
(ハ)可動部材12を円形としたので、全方向に対して均等に揺動可能な状態で支持でき、実用上好ましいものとなる。
(ニ)全方位型半導体加速度センサの製造方法として、第1のシリコン基板11の上面にエッチングによりV字型溝15を形成するとともに、第2のシリコン基板12の上面にエッチングにより突起13を形成し、第1のシリコン基板11のV字型溝15に突起13を配置して第1のシリコン基板11の上に第2のシリコン基板12を揺動可能に支持したので、上記(イ)のセンサを容易に製造することができる。
【0034】
対向電極に関する応用例として、次のようにしてもよい。図2〜図4においては、固定部材11の上面に多数の固定電極20〜35を可動部材12の重心を中心として放射状に配置するとともに可動部材12の下面に共通の可動電極19を全面に配置したが、これに代わり、可動部材12の下面に多数の可動電極を可動部材12の重心を中心として放射状に配置するとともに固定部材11の上面に共通の固定電極を全面に配置してもよい。あるいは、固定部材11の上面に多数の固定電極を可動部材12の重心を中心として放射状に配置するとともに、この各固定電極と対向するように、可動部材12の下面に多数の可動電極を可動部材12の重心を中心として放射状に配置してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0035】
図12には、図1に代わる本実施形態におけるエアバッグシステムの全体構成を示す。全方位型Gセンサ5の機械的構成は図2〜図4と同じであるが、図12に示すように、本実施形態における全方位型Gセンサ5には電源供給回路65が備えられている。
【0036】
スイッチSW1〜SWnにおいては、固定部材11の上面に多数の固定電極を可動部材12の重心を中心として放射状に配置するとともに、可動部材12の下面に多数の可動電極を可動部材12の重心を中心として放射状に配置した構成となっている。各固定(あるいは可動)電極が処理回路4にそれぞれ接続されるとともに、各可動(あるいは固定)電極が電源供給回路65にそれぞれ接続されている。また、スイッチSW1〜SWnにおける処理回路4側の電源ラインは負の電位が印加される。
【0037】
電源供給回路65はマイクロコンピュータを中心に構成され、正電位の電源と負電位の電源を具備し、この正負の電源をスイッチSW1〜SWnの各可動(あるいは固定)電極に印加できるようになっている。また、マイクロコンピュータよりなる処理回路4から電源供給回路65に衝突判定・衝突方向判定信号が送られるようになっている。
【0038】
次に、作用を説明する。
通常状態においては、電源供給回路65はスイッチSW1〜SWnの各可動(あるいは固定)電極に正電位を印加している。そして、可動部材12が加速度の印加に伴う揺動にて図11に示すように対向電極18,19が接触していずれかのスイッチSW1〜SWnがオンすると、電源供給回路65は処理回路4からその旨の信号を入力する。すると、電源供給回路65は、直ちに、オンしたスイッチでの(接触箇所の)固定電極18と可動電極19を離間させるために、オンしたスイッチの対向電極(図11における電極18aと電極19)の電位を同一にするとともに、オンしたスイッチ(接触箇所)からアンカー用突起13を中心とした反対側のスイッチの対向電極(図11における電極18bと電極19)に相反する電位を印加する。つまり、オンしたスイッチにおいては固定電極と可動電極を共に負の電位とするとともに、オンしたスイッチに対しアンカー用突起13を中心とした反対側のスイッチにおいては固定電極と可動電極を正と負の電位にし静電気力にて引き寄せる。これにより、可動部材12が図4に示すように、速やかに元位置に復帰する。
【0039】
このように本システムは、図12の処理回路4からの信号を電源供給回路60にフィードバックしつつ、早期に、可動部材12を元位置に復帰することができるようになっている。
【0040】
このように、本実施形態は、下記の特徴を有する。
(イ)可動部材12の揺動にて対向電極が接触すると、接触箇所の固定電極18と可動電極19を離すために、接触箇所の対向電極の電位を同一とするとともに、接触箇所からアンカー用突起13を中心とした反対側の対向電極に相反する電位を印加して、可動部材12を元位置に復帰させるようにしたので、早期復帰が可能となり、実用上好ましいものになる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0041】
図13には、図1に代わる本実施形態におけるエアバッグシステムの全体構成を示す。全方位型Gセンサ5の機械的構成は図2〜図4と同じであるが、図13に示すように、本実施形態における全方位型Gセンサ5においては、図4の可動電極19と各固定電極20〜35によりエアギャップ式のコンデンサC1,C2,・・・,Cnを構成し、コンデンサC1,C2,・・・,Cnの容量変化を測定することにより加速度の大きさおよび加速度の加わった方向を検出している。
【0042】
より詳しくは、図13のように、コンデンサC1,C2,・・・,Cnにおいて共通の可動電極19には電源9が接続され、各固定電極20〜35が処理回路4にそれぞれ接続され、処理回路4は固定電極20〜35の電位測定にて容量を検知している。つまり、加速度が加わると、可動部材12が揺動してコンデンサC1,C2,・・・,Cnにおける対向電極での空隙の間隔d1(図4参照)が変化する。この対向電極での空隙の間隔d1が変化することによりコンデンサ容量が変化する。処理回路4はこのコンデンサ容量の変化をモニタしており、いずれのコンデンサC1,C2,・・・,Cnの容量が変化したかにより加速度の印加方向を検知する。
【0043】
このように、本実施形態は、下記の特徴を有する。
(イ)複数の対向電極にてコンデンサC1,C2,・・・,Cnを構成し、可動部材12の揺動にて各対向電極の空隙の間隔が変化することにより容量変化が起こる容量式としたので、実用上好ましいものとなる。
【0044】
これまで説明してきたものの他にも下記のように実施してもよい。
図4のように可動部材12の下面にアンカー用突起13を設け、可動部材12の重心位置にて可動部材12を揺動可能に支持したが、可動部材12の下面には突起13を設けず平坦面とし、固定部材11の上面にアンカー用突起を設けてもよい。あるいは、可動部材12の下面と固定部材11の上面の両方にアンカー用突起をそれぞれ設け、両方の突起の先端部を接触させることにより、可動部材12の重心位置にて可動部材12を揺動可能に支持してもよい。
【0045】
また、可動部材12は円形であったが、これに限ることなく多角形等でもよい。
また、エアバック用Gセンサに適用したが、これに限ることはなく、例えば地震等の振動を感知する感振器に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態におけるエアバッグシステムの全体構成図。
【図2】 全方位型Gセンサの斜視図。
【図3】 全方位型Gセンサの平面図。
【図4】 図3のA−A断面図。
【図5】 固定部材の平面図。
【図6】 全方位型Gセンサの製造工程を説明するための断面図。
【図7】 全方位型Gセンサの製造工程を説明するための断面図。
【図8】 全方位型Gセンサの製造工程を説明するための断面図。
【図9】 全方位型Gセンサの製造工程を説明するための断面図。
【図10】 全方位型Gセンサの製造工程を説明するための断面図。
【図11】 全方位型Gセンサの作用を説明するための断面図。
【図12】 第2の実施の形態におけるエアバッグシステムの全体構成図。
【図13】 第3の実施の形態におけるエアバッグシステムの全体構成図。
【図14】 従来の全方位型Gセンサの平面図。
【図15】 図14のB−B断面図。
【符号の説明】
11…固定部材、12…可動部材、13…アンカー用突起、15…V字型溝、18…固定電極、19…可動電極。

Claims (5)

  1. 半導体基板よりなる固定部材と、
    半導体基板よりなり、前記固定部材の上に配置される可動部材と、
    前記固定部材の上面に形成されたV字型溝と、
    前記可動部材の下面に形成され、前記V字型溝に配置され、前記固定部材の上に前記可動部材を可動部材の重心位置にて揺動可能に支持するアンカー用突起と、
    前記可動部材の下面での前記アンカー用突起を除いた範囲に全面に形成された可動電極と、
    前記固定部材の上面に、絶縁膜を介して、前記可動電極と対向し、かつ、前記V字型溝を中心として所定角度毎に複数配置され、固定部材の表面に平行な方向に加わる加速度を検出するための固定電極と、
    前記固定部材から、前記アンカー用突起の表面において可動電極形成時に形成される膜を経由して可動電極に至る電圧印加経路にて前記可動電極と固定電極との間に電圧を印加して前記アンカー用突起を中心としてその周囲に均等に静電気力を作用させて加速度が加わっていないときにおいて固定電極と可動電極との間の距離を一定に保った状態を保持するための電源と、
    を備えたことを特徴とする全方位型半導体加速度センサ。
  2. 加速度の印加に伴う前記可動部材の揺動にて前記複数の固定電極のうちのいずれかが前記可動電極と接触することにより加速度を検出する請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサ。
  3. 加速度の印加に伴う前記可動部材の揺動にて前記複数の固定電極と可動電極間の間隔が変化することによる容量変化により加速度を検出する請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサ。
  4. 前記可動部材は円形をなすものである請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサ。
  5. 請求項1に記載の全方位型半導体加速度センサの製造方法であって、 第1の半導体基板の上面にエッチングによりV字型溝を形成するとともに、第2の半導体基板の上面にエッチングにより突起を形成し、前記第1の半導体基板のV字型溝に前記突起を配置したことを特徴とする全方位型半導体加速度センサの製造方法。
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