JP4035805B2 - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源としてエンジンと電気モータとを併用するハイブリッド車両の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車の分野においては、駆動源としてエンジンと電気モータとを併用するハイブリッド車両の制御方法が提案されている。
【0003】
このようなハイブリッド車両の制御方法として、例えば特開平9−266605号には、エンジンを始動可能な発電機系(所謂ジェネレータ・モータ)に故障が発生したときにはモータ駆動系により車両の駆動すると共にバッテリへの充電を行い、モータ駆動系が故障したときには発電機系でバッテリへの充電を行うと共に車両の駆動を行う制御方法が提案されている。
【0004】
また、特開平10−073161号には、走行用のモータによる回生制動時に、そのモータに故障が発生したときには、エンジンブレーキが良く効くように、自動変速機を適宜制御する制御方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術によれば、発電機系の故障、或いは走行用のモータの故障によって発電できなくなること、そしてバッテリの蓄電量が少ないときにエンジンを始動できなくなることは防止することができる。しかしながら、上記の従来技術においては、バッテリに供給する電力を発生させることができなくなった場合を問題としているため、例えばジェネレータ・モータが発生させた3相交流電流の不均衡やバッテリの過充電等の異常が発生したことによってバッテリやシステムの制御系がダメージを受け、その結果として走行が困難になることを防止することはできない。
【0006】
そこで本発明は、ジェネレータ・モータに異常が発生したことによる走行困難な状態を回避可能なハイブリッド車両の駆動装置の提供を第1の目的とする。
【0007】
また、バッテリの過充電を回避可能なハイブリッド車両の駆動装置の提供を第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するため、本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、以下の構成を特徴とする。
【0009】
即ち、燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記走行モータのトルクを増大させてから前記クラッチを締結させることによって、前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる制御手段を備えることを特徴とする。
また、燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の減速時に前記走行モータによる前記バッテリへの電力回生を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出されたときには、それ以降の前記走行モータによる電力回生の度合を、該異常が検出される前と比較して大きくすることを特徴とする。
また、燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された後の前記エンジンの燃焼運転中に、前記走行モータによる電力回生を行うことを特徴とする。
【0012】
上記の第2の目的を達成するため、本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置は、以下の構成を特徴とする。
【0013】
即ち、燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させると共に、該バッテリに回生電力を供給する走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能と、そして該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるジェネレータ・モータとを備え、前記エンジン、前記走行モータ、並びに前記ジェネレータ・モータとがエンジンルーム内に配設されたハイブリッド車両の駆動装置であって、前記ジェネレータ・モータまたは前記走行モータの三相巻線のうち少なくとも2相の巻線の接続を遮断する遮断器と、走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数が略一致したときに前記クラッチを締結させることにより、前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記ジェネレータ・モータの発電量が第1の所定値より大きいときには前記遮断器を作動させる第1の制御手段、或いは前記走行モータの発電量が第2の所定値より大きいときには前記遮断器を作動させる第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、ジェネレータ・モータに異常が発生したことによる走行困難な状態を回避可能なハイブリッド車両の駆動装置の提供が実現する。また、バッテリの過充電を回避可能なハイブリッド車両の駆動装置の提供が実現する。
【0015】
即ち、請求項1の発明によれば、ジェネレータ・モータに異常が発生した場合であっても、所謂、押しがけによるエンジンの強制始動により、エンジンの燃焼運転が確保されるため、走行困難な状態を回避することができる。
【0016】
また、請求項2、請求項3の発明によれば、ジェネレータ・モータによるバッテリの充電が行えない場合に、走行モータによる回生電力によって当該バッテリを積極的に充電することができる。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、バッテリの過充電を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハイブリッド車両の駆動装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
はじめに、本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置を実施可能な、ハイブリッド車両の全体構成例について概説する。
【0020】
図1は、本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の機械的構成を例示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッド車両は、駆動力を発生するためのパワーユニットとして、車両前方のエンジンルーム内に、鉛蓄電池やNi−H2(ニッケル水素)電池、或いはパワーコンデンサが使用されるバッテリ3から供給される電力により駆動される走行モータ(トラクションモータ)2と、ガソリン等の液体燃料の爆発力により駆動されるエンジン1とを併用して走行し、後述する車両の走行状態に応じて、走行モータ2のみによる走行、エンジンのみによる走行、或いは走行モータ2及び/またはジェネレータ・モータ(G・M)4とエンジン1の双方による走行とが実現される。
【0022】
尚、本実施形態において、エンジン1、走行モータ2、並びにジェネレータ・モータ4は、エンジンルーム内にコンパクトに配置すべく、それら駆動源の前後方向軸が略並行になるように配設される。このため、走行モータ2、並びにジェネレータ・モータ4は、それらモータの外形形状の長さが長く、且つロータの直径が短い構造を有しており、そのロータの回転が高速で回転する程、発生させる回生電力、或いは発電量は多くなる。
【0023】
エンジン1は、トルクコンバータ5を介してクラッチ6の締結により自動変速機(AT)7に駆動力を伝達する。自動変速機7は、エンジン1から入力された駆動力を走行状態に応じて(或いは運転者の操作により)所定のトルク及び回転数に変換して、ギヤトレイン11及び差動機構8を介して駆動輪9、10に伝達する。また、エンジン1は、バッテリ3を充電するためにジェネレータ・モータ4を駆動する。尚、本実施形態では、エンジン1の燃焼を制御する際の空燃比を、所謂理論空燃比λ=1とする。
【0024】
走行モータ2は、バッテリ3から供給される電力により駆動され、ギアトレイン11を介して駆動輪9、10に駆動力を伝達する。
【0025】
ジェネレータ・モータ4は、通常時はエンジン1により駆動されてバッテリを充電するが、エンジン始動時にはバッテリ3からの供給電力によってエンジン1をクランキングさせたり、急加速時にエンジン1を介して車輪9、10に駆動力を伝達させることができる。
【0026】
エンジン1には、例えば、エンジンの燃焼室内に直接燃料を噴射する、所謂直噴式や、或いは、エンジン始動時のポンピングロスを低減可能な、所謂可変バルブタイミング式の低燃費ガソリンエンジンが搭載され、エンジン1の始動性を向上させている。
【0027】
走行モータ2、並びにジェネレータ・モータ4には、例えば三相同期電動機が使用される。
【0028】
電子制御ユニット(以下、ECU)100は、CPU、ROM、RAM、インターフェース回路及びインバータ回路等からなり、走行モータ2やエンジン1の出力トルクや回転数等の制御、後述する本実施形態における特徴的な動作制御等を行うと共に、それらの制御が実現するようにエンジン1を制御すべく、点火時期や燃料噴射量等の制御を行う。
【0029】
また、ECU100は、エンジン1の作動時にジェネレータ・モータ4にて発電された電力を、走行モータ2に供給したり、バッテリ3に充電させるように、ジェネレータ・モータ4に通電する電流の位相制御を行う。
【0030】
次に、下記図10を参照して主要な状態下におけるエンジン1、ジェネレータ・モータ4、走行モータ2及びバッテリ3の制御について説明する。尚、図10において「力行」とは駆動トルクを出力している状態を意味する。
【0031】
図10は、ハイブリッド車両の走行状態に応じたECUによるエンジン、ジェネレータ・モータ、走行モータ、並びにバッテリに対する制御を説明する図である。
【0032】
[停車時]
図10に示すように、停車時においては、エンジン1、ジェネレータ・モータ4、走行モータ2は停止される。但し、エンジン1は、冷間時とバッテリ蓄電量低下時に運転され、ジェネレータ・モータ4は、エンジン運転中にはそのエンジンの回転トルクを利用する発電機として機能し、そのときジェネレータ・モータ4によって発電された電力はバッテリ3に充電される。
【0033】
[緩発進時]
アクセルが緩く踏み込まれた緩発進時においては、図10に示すように、エンジン1、ジェネレータ・モータ4は停止され、走行モータ2が駆動トルクを出力する。
【0034】
[急発進時]
急発進時においては、図10に示すように、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とが駆動トルクを出力し、エンジン1は始動後高出力で運転される。このとき、バッテリ3は、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とに放電する。
【0035】
[エンジン始動時]
エンジン始動時においては、図10に示すように、ジェネレータ・モータ4がエンジン1をクランキングするために駆動トルクを出力してエンジン1が起動される。このとき、バッテリ3は、ジェネレータ・モータ4に放電する。
【0036】
[定常低負荷走行時]
アクセルの開度量(踏み込み量)が比較的小さい定常低負荷走行時においては、図10に示すように、エンジン1、ジェネレータ・モータ4は停止され、走行モータ2が駆動トルクを出力する。このとき、バッテリ3は、走行モータ2に放電する。但し、エンジン1は、冷間時とバッテリ蓄電量低下時とに運転され、ジェネレータ・モータ4は、エンジン運転中にはそのエンジンの回転トルクを利用する発電機として機能し、そのときジェネレータ・モータ4によって発電された電力はバッテリ3に充電される。
【0037】
[定常中負荷走行時]
アクセルの開度量が上記の「定常低負荷走行時」と比較してやや大きい定常中負荷走行時においては、図10に示すように、走行モータ2は無出力とされ、エンジン1は高効率領域で運転される。このとき、バッテリ3は、走行モータ2には放電せず、ジェネレータ・モータ4は、高効率領域で運転中のエンジン1の回転トルクを利用する発電機として機能し、そのときジェネレータ・モータ4によって発電された電力はバッテリ3に充電される。
【0038】
[定常高負荷走行時]
アクセルの開度量が上記の「定常中負荷走行時」と比較して大きい定常高負荷走行時においては、図10に示すように、エンジン1は高出力運転され、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とが車輪駆動軸に対して回転トルクを出力する。このとき、バッテリ3は、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とに放電する。但し、ジェネレータ・モータ4は、バッテリ蓄電量低下時はバッテリ3を充電する。
【0039】
[急加速時]
車両走行中においてアクセルが急激に踏み込まれた急加速時においては、図10に示すように、エンジン1は高出力運転され、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とが走行のために回転トルクを出力する。このとき、バッテリ3は、ジェネレータ・モータ4と走行モータ2とに放電する。
【0040】
[減速時(回生制動時)]
車両走行中においてアクセルの開度量が全閉状態となった減速時においては、図10に示すように、エンジン1及びジェネレータ・モータ4は停止され、走行モータ2は、車両が惰性走行することにより車輪駆動軸を回転させるトルクによって発電する発電機として機能し、これにより発生した回生電力は、バッテリ3を充電する。
【0041】
次に、図2乃至図7に示す動作説明図を参照して、本実施形態にて適用可能なハイブリッド車両の走行状態に応じた駆動力の伝達形態について説明する。
【0042】
[発進&低速走行時]
図2に示すように、発進及び低速走行時には、ECU100は走行モータ2のみを駆動させ、この走行モータ2による駆動力をギアトレイン11を介して駆動輪9、10に伝達する。また、発進後の低速走行時においても走行モータ2による走行となる。
【0043】
[加速時]
図3に示すように、加速時において、ECU100は、上記の走行モータ2による低速走行状態からエンジン1を始動させた後でクラッチ6を締結させ、エンジン1の出力軸の回転トルクを、ギアトレイン11を介して駆動輪9、10に駆動力を伝達させる、或いは、急加速が要求されているときには、クラッチ6を締結させた後も引き続き走行モータ2を駆動することにより、エンジン1と走行モータ2とによる駆動力を併せて駆動輪9、10に伝達する。
【0044】
[定常走行時]
図4に示すように、定常走行時には、ECU100は、エンジン1のみを駆動させ、エンジン1からギアトレイン11を介して駆動輪9、10に駆動力を伝達する。定常走行とは、エンジン回転数が2000〜3000rpm程度の最も高効率となる領域を使用する走行形態である。
【0045】
[減速時]
図5に示すように、減速時には、クラッチ6を解放して、駆動輪9、10の駆動力がギアトレイン11を介して走行モータ2に伝達され、これにより走行モータ2が回生した電力がバッテリ3が充電される。
【0046】
[定常走行時&充電時]
図6に示すように、定常走行&充電時には、クラッチ6を締結して、エンジン1からギアトレイン11を介して駆動輪9、10に駆動力が伝達されると共に、エンジン1はジェネレータ・モータ4を駆動してバッテリ3を充電する。
【0047】
[充電時]
図7に示すように、充電時には、クラッチ6を解放してエンジン1から自動変速機7に駆動力が伝達されないようにし、エンジン1はジェネレータ・モータ4を駆動してバッテリ3を充電する。
【0048】
[通常時]
図8に示すように、通常時、即ちバッテリ3がジェネレータ・モータ4を駆動するのに十分な蓄電量を有するときには、ECU100はバッテリ3からジェネレータ・モータ4へ電力を供給し、ジェネレータ・モータ4はエンジン1をクランキングさせる。
【0049】
尚、上述した本実施形態に係るハイブリッド車両においては、クラッチ6を用いて制御したが、この方式に限られるものではなく、自動変速機7のN(ニュートラル)レンジと、D(ドライブ)レンジとの遷移を制御することによって同様のクラッチ機能を実現しても良い。
【0050】
[ハイブリッド車両の電気的構成]
図9は、本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の電気的構成を示すブロック図である。
【0051】
図9に示すように、ECU100には、車速Vを検出する車速センサ101からの信号、エンジン1の出力軸回転数Neを検出するエンジン回転数センサ102からの信号、エンジン1に供給される電圧を検出する電圧センサ103からの信号、ドライバによるアクセルペダルの開度(踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ104からの信号、ガソリン残量センサ105からの信号、バッテリ3の蓄電残量を検出する蓄電残量センサ106からの信号、セレクトレバーによるシフトレンジを検出するシフトレンジセンサ107からの信号、エンジン1を冷却水の温度を検出する水温センサ108からの信号、エンジンのクランク角度を検出するクランク角度センサ109からの信号が入力され、更にその他センサとして自動変速機4の作動油温度を検出する油温センサからの信号等が入力される。
【0052】
また、ECU100には、ジェネレータ・モータ4に設けられた温度センサ201からの信号、ジェネレータ・モータ4とインバータ20とを接続する3相の配線に流れる電流を検出する電流センサ202からの信号が入力される。
【0053】
そして、入力された上記の複数種類の検出信号に基づいて、ECU100は、車両の運転状態に関するデータ、車速、エンジン回転数、電圧、ガソリン残量、バッテリの蓄電残量、シフトレンジ、電力供給系統等をLCD等の表示部13に表示させる。
【0054】
また、ECU100は、上記の各種センサ信号に基づいて、エンジン1のスロットルバルブ110、インジェクタ111、ディストリビュータ112及びEGRバルブ113に対して制御信号を出力することにより、図10、並びに図2乃至図7を参照して上述した各走行動作に応じて、エンジン1の点火時期や燃料噴射量の制御等を行うと共に、走行モータ2への供給電力量やジェネレータ・モータ4への供給電力量や発電量の制御等を行う。
【0055】
更に、ECU100は、バッテリ3の電池電圧の異常を検出したとき、ジェネレータ・モータ4とインバータ20との間に配設された遮断器21を動作させてバッテリ3の過充電を防止し、遮断器21の故障を検出したときには車速Vを自動的に抑制することによってバッテリ3の過充電を防止する。また、ECU100は、ジェネレータ・モータ4の異常を検出したときには、少なくともエンジン1による走行が可能な状態を確保すると共に、走行モータ2による回生電力によってバッテリ3の充電を可能とすべく、エンジン1が停止しているときには緊急時の制御処理を行って燃焼運転を開始させる(詳細は後述する)。
【0056】
以上、本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の全体構成について説明したが、本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動装置は、バッテリ3に異常が発生したとき、ジェネレータ・モータ4に異常が発生したとき、或いは遮断器21に異常が発生したときの制御方法に特徴を有する。このため、上述した各走行動作を実現するためにECU100の不図示のCPUが実行する制御処理については、一般的な制御ロジックを採用するものとし、本実施形態における詳細な説明は省略し、以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な動作制御処理について説明する。
【0057】
図11は、本実施形態におけるハイブリッド車両の駆動装置における駆動系を示す模式図である。
【0058】
同図において、インバータ20は、バッテリ3からの供給電力を用いて、3相同期電動機である走行モータ2及びジェネレータ・モータ4の動作を制御する。また、インバータ20は、ECU100の制御により、走行モータ2及びジェネレータ・モータ4に3相交流電圧を印加するに際して、その交流電圧の位相をジェネレータ・モータに発生する逆起電力の位相に対して連続的に変更することができ、その交流電圧の位相を当該逆起電力の位相に対して進めたときに、それらのモータを電動機として動作させ、遅らせたときにはバッテリ3に蓄電する発電機として動作させる。
【0059】
ジェネレータ・モータ4とインバータ20との間に配設された遮断器21は、ECU100から出力される制御電圧により、図11に示すように、ジェネレータ・モータ4とインバータ20とを接続する3相の配線のうち少なくとも2相の巻線をオン・オフすることができる。採用する遮断器21の構造としては、コイルに所定電圧を印加するのに応じて接点が開閉する電磁式の継電器(リレー)であっても、スイッチング素子を用いた半導体リレーであっても良いが、フェールセーフの観点から、ECU100が停止しているとき、或いは制御電圧(制御信号)が入力されていないときには当該少なくとも2相の巻線がオフ(遮断)状態となる仕様が良い。
【0060】
本実施形態では、バッテリ3の電池電圧の異常が検出されたときには、遮断器21を動作させてバッテリ3の過充電を防止する。また、遮断器21の故障が検出されたときには、車速Vを自動的に抑制することによってバッテリ3の過充電を防止する。更に、ジェネレータ・モータ4の異常が検出されたときには、少なくともエンジン1による走行が可能な状態を確保すると共に、走行モータ2による回生電力によってバッテリ3の充電を可能とすべく、エンジン1が停止しているときには、回転している車輪駆動軸に停止中のエンジン1の出力軸を締結させることによって燃焼運転を開始させる、所謂押しがけにより、強制的にエンジン1の燃焼運転を開始させる
尚、以下に説明する制御処理においては、図11に示すように遮断器21がジェネレータ・モータ4とインバータ20との間に配設され、且つ電流センサ202がジェネレータ・モータ4に流れる電流を検出する場合を例に説明するが、この構成に限られるものではなく、遮断器21が走行モータ2とインバータ20との間に配設され、且つ電流センサ202が走行モータ2に流れる電流を検出する構成としても良い。
【0061】
以下、上記の制御を実現すべくECU100のCPU(不図示)が行う特徴的な制御処理について説明する。
【0062】
図12は、本実施形態における制御処理を示すフローチャートであり、例えば当該ハイブリッド車両のイグニッションキースイッチがオンに操作されることにより開始される。
【0063】
同図において、ステップS1:図9を参照して説明した各種センサの検出信号を入手する。
【0064】
ステップS2〜ステップS4:ドライバによる所望のアクセル(スロットル)操作等に応じて、当該ハイブリッド車両を走行させる要求トルクTrを設定し(ステップS2)、その設定された要求トルクTrに応じて上述した何れかの運転モード(走行動作)を設定する(ステップS3)と共に、その設定された運転モードに応じたエンジン目標(要求)トルクEb、走行モータ目標(要求)トルクMb、並びにジェネレータ・モータ目標(要求)トルクGbを設定する(ステップS4)。ここで、エンジン目標トルクEbは、エンジン1の出力軸が出力すべき回転トルクである。走行モータ目標トルクMbは、走行モータ2の出力軸が出力すべき回転トルクである。そして、ジェネレータ・モータ目標トルクGbは、ジェネレータ・モータ4の出力軸が出力すべき回転トルクである。
【0065】
尚、要求トルクTr、並びにエンジン目標トルクEb、走行モータ目標トルクMb、並びにジェネレータ・モータ目標トルクGbの設定処理については、一般的な方法を採用するものとし、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0066】
ステップS5:ジェネレータ・モータ4に異常が発生したか否かを判断し、NO(異常なし)のときにはステップS6に進み、YES(異常あり)のときにはステップS13に進む。
【0067】
ここで、本ステップにて検出すべきジェネレータ・モータ4の異常状態としては、ステップS1にて入手した温度センサ201の検出信号び/または電流センサ202の検出信号に基づいて、ジェネレータ・モータ4の定格を越える異常な温度上昇及び/または3相交流電流の不均衡状態がある。
【0068】
ステップS6:遮断器21に故障が発生したか否かを判断し、NO(故障なし)のときにはステップS9に進み、YES(故障あり)のときにはステップS7に進む。
【0069】
ここで、本ステップにおける遮断器21の故障検出方法としては、ECU100が出力している制御信号に対して本来予定されている動作状態を検出できるか否かによって検出すれば良い。具体的には、例えば、ECU100が制御電圧(制御信号)を遮断器21に印加しているにも関らず、そのときECU100がインバータ20に出力している指令値(トルク目標値Eb)に応じた3相交流電圧を走行モータ2にて検出できないとき、或いは車速Vが増加(減少)しないときには、遮断器21に故障が発生したと判断すれば良い。或いは、遮断器21自体がフェイル信号を出力可能であればその信号をECU100に入力する構成とし、その入力される信号に従って検出しても良い。
【0070】
ステップS7,ステップS8:ステップS6にて遮断器21の故障が検出されたため、ECU100は、遮断器21の接点をオフ(遮断)することができないが、この状態においても、エンジン1の燃焼運転に応じてジェネレータ・モータ4が回転することにより、ジェネレータ・モータ4はバッテリ3の充電を継続し、且つ、走行モータ2は回生電力をバッテリ3に供給する。従って、このときバッテリ3の劣化等による蓄電可能容量の減少等の状態が発生したとき、或いは、バッテリ3の蓄電量が適正な充電状態(State Of Charge :SOC)を越えても、バッテリ3の過充電を防止することができない。特に、この状態は車速Vが大きなときほど顕著になる。
【0071】
そこで、ステップS7及びステップS8では、ステップS1にて検出した現在の車速Vが所定値Vuより大きいか否かを判断し(ステップS7)、YES(V>Vu)のときには、エンジン目標トルクEb、走行モータ目標トルクMb、ジェネレータ・モータ目標トルクGbの値を、アクセル開度に応じてステップS4で設定された値より小さな値に低減することによって車速Vの増加を強制的に抑制し、これにより、ジェネレータ・モータ4及び/または走行モータ2が発電する電力量を抑制する。
【0072】
ステップS9:ステップS5及びステップS6にてジェネレータ・モータ4の異常、並びに遮断器21の故障が検出されなかったため、本ステップでは、バッテリ3の電池電圧Vbattが所定値Vbvより大きいか否かを判断し、YES(Vbatt>Vbv)のときにはステップS10に進み、NO(Vbatt≦Vbv)のときにはステップS19に進む。
【0073】
ステップS10:ステップS9にて電池電圧Vbattが所定値Vbvより大きいと判断されたため、遮断器21への制御電圧の印加を停止することにより、遮断器21の接点をオフにする。これにより、ジェネレータ・モータ4のロータは、エンジン1に対するイナーシャ(慣性系)となる。
【0074】
ここで、本ステップにてジェネレータ・モータ4をインバータ20から電気的に切り離す理由を説明すれば、当該ハイブリッド車両がエンジン1の駆動力によって高速走行しているときには、ジェネレータ・モータ4もエンジン1の回転に応じて高速で回転することになるが、この状態においてインバータ20が故障したときには、発電機としてのジェネレータ・モータ4の位相制御が行えなくなり、高速回転しているジェネレータ・モータ4が、その高速回転に応じてバッテリ3に対して異常な高電圧を印加することも予想され、バッテリ3の安全上好ましくない。また、この場合には、バッテリ3に印加された異常な高電圧の影響により、ECU100に供給される所定の直流電圧も変動を起こし、正常な動作を行えなくなる、或いは電気的に破壊されることも予想される。そこで、本実施形態では、このような状況を回避すべく、遮断器21によってジェネレータ・モータ4の少なくとも2相の巻線を遮断する。
【0075】
ステップS11:ステップS9と同様に、バッテリ3の電池電圧Vbattが所定値Vbvより大きいか否かを再び判断し、YES(Vbatt>Vbv)のときにはステップS12に進み、NO(Vbatt≦Vbv)のときにはステップS19に進む。
【0076】
ステップS12:ステップS11にて電池電圧Vbattを再び検出しても所定値Vbvより大きいときには、遮断器21が故障を起こしていているために、接点をオフにすることができない状態であると判断して表示部13等を用いて警報を発報し、ステップS19に進む。
【0077】
ステップS13:ステップS5にてジェネレータ・モータ4の異常が検出されたため、本ステップでは、エンジン1が燃焼運転を行っているか否かを判断し、YES(エンジン運転中)のときにはステップS14に進み、NO(エンジン停止中)のときにはステップS17に進む。
【0078】
ステップS14,ステップS15:バッテリ3のSOCが所定値SOC1より大きいか否かを判断し(ステップS14)、YES(SOC>SOC1)のときにはステップS16に進み、NO(SOC≦SOC1)のときには、バッテリ3の蓄電量が少ないと判断できるため、走行モータ2に発電(電力回生)を行わせるべく、走行モータ2のトルク指令値Mtに、所定の発電トルク指令値Mtgを代入する。
【0079】
ステップS16:エンジン目標トルクEbに所定値Ebfを代入する。ここで、本ステップにてエンジン目標トルクEbに所定値Ebfを代入する理由を説明すれば、本ステップの前段の処理においては、ステップS5にてジェネレータ・モータ5の異常が検出されており、且つステップS13にてエンジン1が燃焼運転を行っていることが判っているが、この状態において、走行状態が変化することによってエンジン目標トルクEbが0となり、ECU100が自動的にエンジン1を停止させたときには、ジェネレータ・モータ4は駆動できないため、エンジン1を再び始動させることができない。そこで、本実施形態では、ジェネレータ・モータ5が異常であってエンジン1が燃焼運転を行っているときには、少なくともイグニッションキースイッチがオン状態の間、即ち本実施形態に係る図12及び図13に示す制御処理が実行されている間はエンジン1が停止することを回避すべく、エンジン目標トルクEbにある一定の値を設定する。
【0080】
ステップS17,ステップS18:ステップS5の判断においてジェネレータ・モータ4の異常が検出され、且つステップS13にてエンジン1が停止していることが検出されたときには、通常のジェネレータ・モータ4を用いたエンジン1の始動を行うことができない。そこで、ステップS17及びステップS18では、回転している車輪駆動軸に停止中のエンジン1の出力軸を締結させることによって燃焼運転を開始させる、所謂押しがけによってエンジン1を強制的に始動させる。即ち、少なくとも押しがけが可能な程度の車速Vを確保すべく、現在設定されている走行モータ2のトルク指令値Mtに所定値Mtsを加算した値を、新たなトルク指令値Mtに設定し(ステップS17)、その後でクラッチ6を締結させる(ステップS18)。これにより、エンジン1を強制的に始動させることができる
ステップS19:エンジン目標トルクEbが0か否かを判断し、YES(Eb=0)のときにはステップS20に進み、NO(Eb≠0)のときにはステップS21に進む。
【0081】
ステップS20:ステップS19にてEb=0であり、エンジン1の燃焼運転は要求されていないため、エンジン1を停止させる。
【0082】
ステップS21:ステップS19にてEb≠0であり、エンジン1の燃焼運転が要求されているため、本ステップでは、クラッチ6が締結されているか否かを判断し、YESのときにはステップS22に進み、NOのときにはステップS25に進む。
【0083】
ステップS22:ステップS21にてクラッチ締結中と判断されたため、現時点においてエンジン1は燃焼運転中であり、且つエンジン1が出力する回転トルクによって当該ハイブリッド車両は走行中(停車を含む)である。このため、ドライバの所望のアクセル操作に応じて、一般的な手法により、スロットル開度指令値TVt、燃料量Pt、並びに点火時期θを設定すると共に、それら設定された制御パラメータに応じてエンジン1の燃焼運転を実行(継続)する。
【0084】
ステップS23:現在の走行モータ目標トルクMbを、走行モータ2のトルク指令値Mtに代入すると共に、現在のジェネレータ・モータ目標トルクGbを、ジェネレータ・モータ4のトルク指令値Gtに代入する。
【0085】
ステップS24:ステップS23にて設定されたトルク指令値Mt及びトルク指令値Gtに応じて、走行モータ2及びジェネレータ・モータ4の駆動を実行し、リターンする。
【0086】
ステップS25:ステップS19にてエンジン目標トルクEb≠0であり、且つステップS21にてクラッチ締結中ではないと判断されたため、現時点においてエンジン1は停止中である。そこで、本ステップでは、ジェネレータ・モータ4を駆動してエンジン1の燃焼を開始させ、リターンする。
【0087】
このような本実施形態によれば、ジェネレータ・モータ4の異常が検出されたときに、エンジン1が停止している場合であっても、強制的にエンジン1の燃焼運転を開始させることができ、少なくともエンジン1による走行が可能な状態を確保できると共に、走行モータ2による回生電力によってバッテリ3の充電を行うことができる。
【0088】
また、バッテリ3の電池電圧Vbattの異常が検出されたときには、遮断器21を動作させることによってバッテリ3の過充電を防止することができると共に、遮断器21の故障が検出されたときには、車速Vを自動的に抑制することによってバッテリ3の過充電を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の機械的構成を例示すブロック図である。
【図2】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の発進&低速走行時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図3】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の加速時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図4】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の定常走行時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図5】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の減速時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図6】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の定常走行&充電時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図7】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の充電時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図8】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両のエンジン始動時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図9】本実施形態に適用可能なハイブリッド車両の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】ハイブリッド車両の走行状態に応じたECUによるエンジン、ジェネレータ・モータ、走行モータ、並びにバッテリに対する制御を説明する図である。
【図11】本実施形態におけるハイブリッド車両の駆動装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図12】本実施形態における制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態における制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:エンジン,
2:走行モータ,
3:バッテリ,
4:ジェネレータ・モータ,
5:トルクコンバータ,
6:クラッチ,
7:自動変速機,
8:差動機構,
9,10:車輪,
11:ギヤトレイン,
20:インバータ,
21:遮断器,
100:ECU,
Claims (4)
- 燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、
走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記走行モータのトルクを増大させてから前記クラッチを締結させることによって、前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる制御手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、
走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる制御手段を備え、
前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の減速時に前記走行モータによる前記バッテリへの電力回生を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出されたときには、それ以降の前記走行モータによる電力回生の度合を、該異常が検出される前と比較して大きくすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させる走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記ジェネレータ・モータ及び/または前記バッテリの異常を、検出及び/または推定する異常検出手段と、
走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数とが略一致したときに前記クラッチを締結させることによって前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された場合に、前記エンジンが停止しているときには前記エンジンを強制的に始動させ、前記エンジンが燃焼運転しているときにはその燃焼運転を強制的に継続させる 制御手段を備え、
前記制御手段は、前記異常検出手段によって前記ジェネレータ・モータの異常が検出された後の前記エンジンの燃焼運転中に、前記走行モータによる電力回生を行うことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。 - 燃料の燃焼によって車輪の駆動軸を回転させるエンジンと、バッテリからの供給電力によって該駆動軸を回転させると共に、該バッテリに回生電力を供給する走行モータと、該エンジンの駆動力を用いて発電し、その発電した電力を該バッテリに供給するジェネレータ機能及びそのバッテリからの供給電力によって該エンジンの燃焼運転を始動させるモータ機能を備えるジェネレータ・モータと、該エンジンの出力軸を該駆動軸に対して締結・開放可能なクラッチとを備え、前記エンジン、前記走行モータ、並びに前記ジェネレータ・モータとがエンジンルーム内に配設されたハイブリッド車両の駆動装置であって、
前記ジェネレータ・モータまたは前記走行モータの三相巻線のうち少なくとも2相の巻線の接続を遮断する遮断器と、
走行状態に応じて前記エンジンを始動させ、前記エンジンの出力軸の回転数と前記駆動軸の回転数が略一致したときに前記クラッチを締結させることにより、前記エンジンの駆動力による走行を行うと共に、前記ジェネレータ・モータの発電量が第1の所定値より大きいときには前記遮断器を作動させる第1の制御手段、或いは前記走行モータの発電量が第2の所定値より大きいときには前記遮断器を作動させる第2の制御手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
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