JP4035368B2 - 木質材料の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材料中に防腐剤、防虫剤、防蟻剤等の薬剤あるいは混合薬剤を浸透させる、木質材料の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、二酸化炭素に薬剤あるいは混合薬剤を混合、分散、懸濁あるいは溶解した処理剤を、二酸化炭素が液状又は超臨界状態を保持した状態下で木質材料に浸透させることにより、木質材料に悪影響を与えることなく、短時間で木質材料を処理できるようにした方法である。
【0002】
【従来の技術】
木材を材料として利用する場合の欠点として、腐朽することや、昆虫などに食害されること即ち生物劣化を受けることが挙げられる。従来より、生物劣化を防ぎ、木材を長持ちさせるために防腐剤、防虫剤等の種々の薬剤が開発され、木材処理に用いられている。
木材の防腐、防虫処理方法としては、塗布法、浸漬法、温冷浴法、拡散法、木口加圧注入法、加圧注入法等がそれぞれ目的・用途に応じて選択されており、これらの処理法のうち最も一般的なものは加圧注入法である。
この加圧注入法は、加圧タンク内に木材を入れ、予め減圧した後、防腐剤水溶液をタンク内に注入し、その後加圧して木材中に防腐剤を浸透させ、これらの操作を繰り返すことにより所定の量の薬剤を浸透させるものである。この加圧注入法は、防腐剤の浸透に優れ、大量処理に適していることから、防腐土台等の処理に広く利用されている。
ところが、これらの処理法はいずれも、防腐剤の木材への浸透に時間がかかり、ややもすると浸透量が不足し、防腐・防虫効果が不十分となったり、さらには処理後の防腐剤水溶液の廃液処理が必要であるなどの問題があった。また、防腐剤の溶媒として水を使用しているので、処理後の木材を乾燥させる必要があり、このとき木材に反りが生じてしまうという問題点がある。
【0003】
特公平3−57841号公報では、液状または超臨界状態の二酸化炭素に防腐剤を溶解して加圧下で木材に浸透させる防腐処理法を開示している。溶媒として二酸化炭素を用いるこのような加圧注入法は、塗布法に比べて、木材表層だけでなく木材の深部にまで薬剤が浸透しやすいというメリットがある。また、溶媒として水を用いる加圧注入法と比較すると、浸透に要する時間が短いほかに、溶媒に用いた二酸化炭素が容易に気化するので木材を乾燥する手間が省け、乾燥操作による木材の反りが生じにくい、処理時間が短時間で済む等のメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平3−57841号公報記載の加圧注入法は、通常、木材を投入した耐圧容器内に、防腐剤を溶解した二酸化炭素を約80kgf/cm2(7.8MPa)程度の圧力で注入させるという高圧条件下で行われるものであるので、木材表面と内部との間に生じる圧力差により、木材に圧壊(「落ち込み」とも言う)を生じたり、ひび割れが生じる等の不都合があった。このため、この方法を用いる場合、木材に急激に大きな外圧がかからないように、長時間をかけてゆっくりと処理する必要があるなど、実用性の点で問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、木質材料に、十分量の薬剤あるいは混合薬剤を、悪影響を与えることなく、短時間で浸透させることができる処理方法を提供することを目的とする。本発明はまた、処理過程で使用した二酸化炭素や薬剤あるいは混合薬剤を容易に再利用することができる処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記不都合を解決すべく種々考究した結果、木材そのものではなく木質材料を用いた場合に、二酸化炭素の圧力によって生じる木質材料内外の圧力差を短時間で解消する加圧注入法を実現できること、更には、木質材料に防腐剤、防虫剤、防蟻剤等を注入させる際、それらを複数混合して用いると、防腐剤、防虫剤、防蟻剤等を単独で用いる場合よりも防腐効果が高まることを知見し、本発明を完成させた。
【0007】
前記課題を解決する本発明は、二酸化炭素に薬剤あるいは混合薬剤を混合、分散、懸濁あるいは溶解した処理剤を、処理タンク内で、二酸化炭素が液状又は超臨界状態を保持した状態下で木質材料に接触させ、接触後、処理剤を、処理タンクから回収タンクへ移送することにより、二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤を分離・回収し、さらに、薬剤あるいは混合薬剤と木質材料からの抽出成分とを分離し、回収した二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤は、各々二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤を追加補充されて、木質材料の処理に再利用されることを特徴とする木質材料の処理方法である
【0008】
本発明の好ましい態様では、前記薬剤が、防腐剤(防黴剤を含む)、防虫剤及び防蟻剤から選択される1種、もしくはそれに有機溶媒を加えたものであり、前記混合薬剤が、防腐剤、防虫剤及び防蟻剤から選択される2種以上、もしくはそれに有機溶媒を加えたものであり、また、前記木質材料は合板、単板積層材、パーティクルボード、ファイバーボード又は配向性ストランドボードである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、木質材料とは、微細化あるい薄板状にした木材(構成要素)を、接着剤等を用いて再構成した複合材料であり、例えば、合板、単板積層材、パーティクルボード、ファイバーボード、配向性ストランドボード等の材料を挙げることができる。
ここで、合板とは、木材の単板を接着剤等で貼り合わせたものである。また、木材を解繊して微細な繊維状とし、これを接着し成形したものがファイバーボードであり、木材削片を接着し成形したものがパーティクルボードや配向性ストランドボードである。
【0010】
次に、本発明で使用する二酸化炭素の性質について説明する。図2は、温度及び圧力に応じた二酸化炭素の状態(液体、固体、気体及び超臨界状態)を示す圧力−温度線図(PTダイヤグラム)である。図中、TPは三重点で、液体、固体及び気体の三つの状態が共存する温度及び圧力を示す。また、温度及び圧力の値が臨界点(CP)よりも高い状態を超臨界状態と呼び、この状態では、気体と液体との中間的な物性を備えている。臨界点の温度及び圧力をそれぞれ臨界温度及び臨界圧力という。二酸化炭素の臨界温度は31.1℃(304.2K)であり、臨界圧力は75.2kgf/cm2(7.38MPa)である。
【0011】
本発明において、薬剤あるいは混合薬剤、もしくはそれに有機溶媒を加えたものを混合、分散、懸濁あるいは溶解させる二酸化炭素は、図2中に斜線で示した範囲内の状態すなわち液状又は超臨界状態を保持した状態で用いられる。
【0012】
液状又は超臨界状態の二酸化炭素の粘度は、一般的に用いられる溶媒である水と比較して非常に低く、1/10〜1/30程度である。
したがって、二酸化炭素をこのような状態に保持した処理剤の粘度も、水を用いた場合に比べて低くなるので、木質材料中への薬剤あるいは混合薬剤の浸透能が大きく、木質材料内の接着剤層をも通過することができる。また、木質材料中への薬剤あるいは混合薬剤の浸透速度がきわめて大きくなり、処理時間を格段に短縮することができる。さらに、薬剤あるいは混合薬剤の浸透量も増加し、薬剤の効果(防腐効果、防蟻効果等)も高くなる。特に、超臨界状態での粘度は気体に近く、拡散係数は液体と気体の中間であることから、木質材料への浸透性は液体よりも高いと考えられる。
【0013】
また、液状又は超臨界状態の二酸化炭素を用いることにより、処理の終わった木質材料を大気中に放置するだけで、二酸化炭素が速やかに気化するので、特に乾燥工程を設けることなく、簡単に乾燥させることができる。
さらに、液状又は超臨界状態の二酸化炭素は、脱脂作用や殺虫・殺菌作用を有しているので、木質材料中に含まれる樹脂分の抽出除去や、木材の殺虫・殺菌を行うこともできる。また、二酸化炭素は不燃性であり、処理中の爆発や火災の心配がない。
【0014】
本発明で使用可能な薬剤としては、防腐剤、防虫剤、防蟻剤等を挙げることができ、好ましくはそれらの複数を混合した混合薬剤を用いる。
防腐剤としては、有機ヨード系、トリアゾール系、キノリン系、トリハロアリル系化合物等の、通常知られている任意のものを使用することができる。
防虫剤・防蟻剤としては、ピレスロイド系、有機リン系、クロルニコチル系、新ピロール系、フェニルピラゾール系化合物等の、通常知られている任意のものを使用することができる。
また、防腐剤、防虫剤、防蟻剤等を組み合わせて使用する場合は、混合したときに有害な化学反応が生じないものであれば任意に組み合わせてよい。
混合する割合については、各薬剤の効力に対応して、防腐剤に対して防虫剤・防蟻剤を1〜10質量%とすることが望ましい。1質量%未満の場合、防腐効果は、単独で用いる場合とあまり変わらず、防腐剤と防虫剤・防蟻剤との組み合わせによる相乗的な効果は得にくい。また、防虫剤・防蟻剤を10質量%より多くすると、防腐剤の相対量が減少することにより、むしろ防腐効果が減少してしまう。
【0015】
薬剤あるいは混合薬剤としては、有機溶剤を加えたものを使用してもよい。使用可能な有機溶剤としては、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、ベンゼン、トルエン等を挙げることができ、使用する薬剤あるいは混合薬剤の種類に応じて任意のものを選択することができる。
【0016】
二酸化炭素に混合、分散、懸濁あるいは溶解させる薬剤あるいは混合薬剤の量は、使用する薬剤あるいは混合薬剤の種類や、処理する木質材料の用途等を考慮して設定することが望ましい。
【0017】
次に、図1を用いて本発明の木質材料の処理方法をさらに詳細に説明する。
処理される木質材料1は台車2ごと耐圧構造の処理タンク3内に収められる。なお、処理タンク3には加熱制御装置が装備されている。
二酸化炭素貯槽4から液状の二酸化炭素(LCO2)を、ポンプ5によって弁6を経て処理タンク3に送り、処理タンク3内の空気を弁7からパージし、弁7を閉じた後、さらにLCO2をポンプ5によって弁6を経て処理タンク3に送り加圧しながら、処理タンク3に装備されている加熱制御装置により加熱して液状又は超臨界状態の二酸化炭素を形成した後、弁6を閉じて所定の圧力と温度を保持する。
【0018】
そして、弁8を開いて、薬剤タンク9から、所定量の薬剤あるいは混合薬剤をポンプ10によって処理タンク3に送る。これによって液状又は超臨界状態の二酸化炭素に薬剤あるいは混合薬剤を混合、分散、懸濁あるいは溶解させ、処理剤を調製することができる。そして、処理剤を木質材料1に所定時間接触させ、薬剤あるいは混合薬剤を木質材料1中に浸透させる。
【0019】
本処理において、液状又は超臨界状態の二酸化炭素に薬剤あるいは混合薬剤を混合、分散、懸濁あるいは溶解させるために、処理タンク3内を機械的に攪拌したり、処理タンク3の薬剤注入口に多孔体の分散板を設けたり、あるいは処理タンク3内の二酸化炭素と薬剤の混合物を、外部ポンプを用いて強制循環させると、さらに効果的である。
なお、薬剤タンク9には、予め防腐剤、防虫剤、防蟻剤等の薬剤、あるいはそれらの複数の混合薬剤、もしくはそれらに有機溶媒を加えて調合されたものが貯蔵されている。
【0020】
このとき、薬剤あるいは混合薬剤は、処理時間が短くても木質材料内部に浸透する。
例えば、木質材料として、複数の薄板を接着剤で貼り合わせた合板を用いた場合、30分間程度の短い処理時間であっても、薬剤あるいは混合薬剤は、接着剤層を透過して合板の深部にまで浸透する。
また、短時間で処理しても落ち込みやひび割れは生じない。これは、合板を構成する薄板の厚さが薄いので、加圧時に、各薄板において、内外圧の差によるひずみ(変形)が生じにくく、また、接着剤層が介在することによって圧力が緩和され、圧力が特定の部位に偏ることなく木質材料全体に均質に分散するためであると考えられる。単板積層材、パーティクルボードや、ファイバーボード、配向性ストランドボード等においても同様である。
【0021】
所定時間処理した後、弁13を開き、二酸化炭素と残余の薬剤あるいは混合薬剤を処理タンク3から回収タンク12に回収する。次いで、弁11を開けて、処理タンク3内に残存する二酸化炭素を放出し、処理タンク3内を大気圧に戻し、空気で置換させ、処理済みの木質材料1を処理タンク3から取り出す。
【0022】
回収タンク12に回収された二酸化炭素は、次の処理に供するためにポンプ16によって弁17を経て処理タンク3へ導入される。また回収タンク12に回収された薬剤あるいは混合薬剤は、弁14を経て薬剤タンク9へ戻され再利用される。
【0023】
なお、回収タンク12内には、回収されたLCO2ならびに薬剤あるいは混合薬剤、ガス状の二酸化炭素(GCO2)、処理タンク3内で抽出された木質材料中に含まれる精油成分、抗菌成分、香料、樹脂等の抽出成分が含まれ、大方の場合、図に示したように相分離する。
なお、抽出成分は、別の目的に再利用することができる。
【0024】
上述のように、この方法では、木質材料の構成要素が微細あるいは薄板状であるので、加圧時にかかる外圧による変形が生じにくく、また、接着剤層が介在することによって圧力が緩和され、圧力が特定の部位に偏ることなく木質材料全体に均質に分散するために、圧壊やひび割れを生じることなく、短時間で処理することができる。
また、回収した二酸化炭素を再利用することによって低コスト化が達成できる。
【0025】
以下、具体例を示すが、これらは本発明を限定するものではない。
参考例1
試料として、厚み約2.5mmの単板5枚をフェノール系接着剤で貼り合わせた、巾30mm、長さ210mm、厚み約12mmの合板を用いた。この合板の側面をエポキシ樹脂で被覆して、内容積2リットルの耐圧容器内に置いた。次いで、IPBC(3−iodo−2−propynyl butylcarbamate)10gをエチルアルコール200mLに溶解させて処理剤を調製し、調製した処理剤100mLを、(A)25℃−80kgf/cm(約7.8MPa)、(B)45℃−120kgf/cm(約11.7MPa)、(C)80℃−300kgf/cm(約29.4MPa)の各条件で30分間、試料に接触させた。また、比較対象として、スギ辺・心材を本試料と同一の大きさにして、同様の処理を行った。なお、合板の側面をエポキシ樹脂で被覆したのは側面から処理剤が入り込まないようにするためであり、これによって、試料には表面及び裏面からのみ処理剤が浸透することになり、実際の建築で用いる大型の材料を模した処理条件となる。
【0026】
結果:合板試料は、上記(A)、(B)、(C)のいずれの条件でも圧壊やひび割れが生じることはなかった。これに対し、スギ辺・心材では表面に凹みが生じると同時に、繊維に沿って亀裂が生じていた。
また、スギ辺・心材の場合、20時間以上かけて徐々に加圧したところ、(A)及び(B)の条件では問題なく処理剤を浸透させることができたが、(C)の条件下では、48時間をかけて加圧しても少々の亀裂が残ってしまった。
【0027】
以上の結果から、合板を用いることにより、短時間の加圧注入で、圧壊やひび割れを生じることなく薬剤を浸透させることができることが明らかである。なお、上記実施例は合板の例であったが、他の木質材料、例えば単板積層材、パーティクルボードやファイバーボードでも同様の結果を得た。
【0028】
参考例2
上記参考例1の同様の条件で実験を行い、(A)〜(C)の条件による処理終了後、合板中の薬剤吸収量を、抽出操作後に重量測定した。この結果、薬剤吸収量は、条件(A)では1.5kg/m、条件(B)では2.6kg/m、条件(C)では2.2kg/mであった。このような吸収量であれば十分に防腐効果を発揮することができる。
【0029】
実施例1
防腐剤のみを用いた場合と、防腐剤と防蟻剤を混合した場合とを比較するために、図1の装置を用いて処理を行った。防腐剤としては有機ヨード系化合物のIPBC(3−iodo−2−propynyl butylcarbamate)を用い、防蟻剤としてはピレスロイド系化合物のビフェントリンを用いた。温度及び圧力条件は前記(B)とした。防腐剤と防蟻剤との混合薬剤として、(L)防腐剤に対する防蟻剤の割合が1質量%のもの、(M)防腐剤に対する防蟻剤の割合が5質量%のもの、及び(N)防腐剤に対する防蟻剤の割合が10質量%のものを用いた。
【0030】
参考例1で用いたものと同じ試料を処理タンク3内に収めた。二酸化炭素貯槽4内の液状の二酸化炭素を処理タンク3に送り、次いで、薬剤タンク9に、10gの薬剤(防腐剤単独又は上記混合物((L)、(M)又は(N))をエチルアルコール200mLに溶解させて混合薬剤を調製した。該混合薬剤100mLを、前記(B)の条件にした処理タンク3に送り、試料に接触させた。30分間処理した後、二酸化炭素と残余の混合薬剤を回収タンク12に回収した。ついで、処理タンク3内を大気圧に戻し、空気で置換させて、処理した試料を処理タンク3から取り出した。
【0031】
処理後の材料を分析し、薬剤として防腐剤のみを用いた場合の防腐性能と、防腐剤と防蟻剤の混合薬剤を用いた場合の防腐性能を比較した。
その結果、防腐剤のみの場合の防腐性を100とすると、上記(L)、(M)及び(N)の防腐性能はそれぞれ101、106及び109であった。すなわち、防蟻剤を1%の場合、防腐剤だけの場合と顕著な差はなかった。また、防蟻剤の混合割合を5%又は10%に増加させると、防腐剤自体の量が減少していたにもかかわらず防腐性能が上昇した。また、防蟻剤5%と10%との間には顕著な差はなかった。なお、当然のことながら、防腐剤と防蟻剤の混合薬剤を注入した材料では、シロアリに対する防蟻性能は十分だった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の木質材料の処理方法により、防腐剤、防虫剤、防蟻剤等の薬剤、あるいはそれらの複数の混合薬剤の十分量を、当該木質材料に悪影響を与えることなく、短時間で木質材料中に浸透させることができる。また、処理過程で使用した二酸化炭素や薬剤あるいは混合薬剤を容易に再利用することができる。回収した二酸化炭素を再利用することにより、コストの削減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質材料の処理方法の実施に適した装置の一例を示す概略図である。
【図2】 二酸化炭素の圧力−温度線図(PTダイヤグラム)である。
【符号の説明】
1…木質材料、3…処理タンク、12…回収タンク

Claims (3)

  1. 二酸化炭素に薬剤あるいは混合薬剤を混合、分散、懸濁あるいは溶解した処理剤を、処理タンク内で、二酸化炭素が液状又は超臨界状態を保持した状態下で木質材料に接触させ、接触後、処理剤を、処理タンクから回収タンクへ移送することにより、二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤を分離・回収し、さらに、薬剤あるいは混合薬剤と木質材料からの抽出成分とを分離し、回収した二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤は、各々二酸化炭素ならびに薬剤あるいは混合薬剤を追加補充されて、木質材料の処理に再利用されることを特徴とする木質材料の処理方法。
  2. 前記薬剤が、防腐剤、防虫剤及び防蟻剤から選択される1種、もしくはそれに有機溶媒を加えたものであり、前記混合薬剤が、防腐剤、防虫剤及び防蟻剤から選択される2種以上、もしくはそれに有機溶媒を加えたものであることを特徴とする請求項1記載の木質材料の処理方法。
  3. 前記木質材料が合板、単板積層材、パーティクルボード、ファイバーボード又は配向性ストランドボードであることを特徴とする請求項1または2に記載の木質材料の処理方法。
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