JP4035049B2 - エンジン作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッケージの側壁に形成された吸気口を外側から覆う吸気フードを備えたエンジン作業機の雨水侵入防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パッケージの側壁に形成された吸気口を吸気フードにより外側から覆うようにしたエンジン作業機が知られている。このエンジン作業機では、パッケージ内に収容されたファンの駆動により吸気フードの下部に形成された空気取込口から外気を取り込み、この取り込んだ外気を前記吸気口からパッケージ内に導くようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2739184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のエンジン作業機においては、次のような問題があった。即ち、パッケージの吸気口が吸気フードで覆われているにも関わらず、例えば吸気フードの空気取込口の外周縁から滴る雨水が空気(外気)と一緒にパッケージ内に吸い込まれることがあった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、雨水のパッケージ内への侵入を抑制することができるエンジン作業機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、パッケージの側壁に形成された吸気口を吸気フードにより外側から覆い、パッケージ内に収容されたファンの駆動により吸気フードの下部に形成された空気取込口から空気を取り込み、この取り込んだ空気を前記吸気口からパッケージ内に導くようにしたエンジン作業機において、前記空気取込口の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域の平均吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードを設け、パッケージ内において前記ファンを吸気口に対してパッケージ中央部寄りに配置し、発電機盤を吸気口に対してパッケージ端部寄りに配置して、当該発電機盤を前記ファンとはパッケージ長手方向においてずらして設けるようにしたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジン作業機において、少なくとも前記所定領域のいずれの箇所においても吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードを設けるようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のエンジン作業機において、前記吸気口の開口面積を空気取込口の開口面積以下としたことを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のエンジン作業機において、前記吸気フードの下部に形成された空気取込口は、空気取込口の開口領域と吸気口の開口領域とがパッケージ長手方向において少なくとも一部は重ならないようにずらして配置されていることを要旨とする。
【0010】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、空気取込口の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域の平均吸気流速が4m/sを超えることはない。このため、平均吸気流速が4m/sを超える場合と異なり、吸気フードの空気取込口の外周縁から滴る雨水のパッケージ内への侵入が抑制される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、少なくとも前記所定領域におけるいずれの箇所の吸気流速も4m/sを超えることはない。このため、雨水のパッケージ内への浸入がいっそう抑制される。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記吸気口の開口面積を空気取込口の開口面積以下とすることにより、騒音の外部への漏洩が抑制されると共に、雨も入りにくい。このため、騒音の漏洩抑制と雨水流入防止のバランスが図られる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、空気取込口から取り込まれた空気の流れ方向が曲げられることにより、雨水が吸気口に直接的に侵入することが抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を屋外に設置されるパッケージ型のエンジン作業機に具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0015】
(パッケージ)
図1に示すように、エンジン作業機11は直方体状のパッケージ12を備えており、このパッケージ12内は垂直方向に延びる隔壁13により左右2室に区画されている。この左右2室のうち右側の室は水平方向に延びる隔壁14により上下2室にさらに区画されている。この隔壁14により区画された上下2室のうち下側の室は機関室15とされており、上側の室は垂直方向に延びる隔壁16により空気導入室17と排気消音器室18とにさらに区画されている。排気消音器室18は隔壁13側に配置されている。
【0016】
一方、前記隔壁13により区画された左右2室のうち左側の室は垂直方向に延びる隔壁19により消音室20と冷却室21とにさらに区画されている。隔壁13と隔壁19との間の空間が消音室20とされている。そして、パッケージ12内には発電設備に必要とされる各種の機能要素が機関室15、空気導入室17、排気消音器室18、消音室20及び冷却室21内にそれぞれ振り分けられて収容されている。
【0017】
(空気導入室)
空気導入室17内において、当該空気導入室17と機関室15とを区画する隔壁14には空気導入口22が形成されており、この空気導入口22を覆うようにしてパッケージ換気ファン23が隔壁14に固定されている。また、パッケージ12の互いに対向する一対の側壁にはそれぞれ吸気口24が形成されており、この吸気口24を外側から覆うようにして下部が開口された吸気フードFが固定されている(図2参照)。この吸気フードFの構成については後に詳述する。
【0018】
パッケージ換気ファン23が駆動されると、吸気フードFの下部開口部及び吸気口24を介して空気導入室17内に空気(外気)が取り込まれ、この取り込まれた空気は機関室15内に導かれる。吸気口24はエンジン作業機11の設置先で要求される減音量と機関室15内で必要とされる換気量とに基づいてその開口面積が設定されている。
【0019】
(機関室)
機関室15内には発電機ユニット25及び発電機盤26等が配置されている。発電機ユニット25はエンジン27a及び発電機27bを備えている。発電機盤26はエンジン27a及び発電機盤26をそれぞれ制御する電子制御装置や発電機27b用の計器類(電圧計、電流計及び電圧調整器等)を備えている。エンジン27aの排気口には排気管28の一端が接続されており、同じく他端は隔壁14を貫通して後述する排気消音器31に接続されている。
【0020】
また、エンジン27aの冷却水入口及び冷却水出口にはそれぞれエンジン冷却水用の複数の配管29の一端が接続されており、同じく他端はそれぞれ隔壁13の下部に形成された開口部30を介して後述する消音室20内に導入されている。エンジン27aを駆動させて発電機27bを回転駆動させることにより電力を生成し、この生成された電力は負荷に供給される。
【0021】
(排気消音器室)
排気消音器室18内には例えば吸音膨張減衰式の排気消音器31が配置されており、この排気消音器31の排気入口には前記排気管28が接続されている。排気消音器31の排気出口には排出管32の一端が接続されており、同じく他端はパッケージ12の上壁を貫通して外部に導出されている。エンジン27aの駆動により発生した排気ガスは排気管28を介して排気消音器31内に導かれ、排出管32の排出口から外部に排出される。エンジン27aの排気音は排気消音器31を通過する際に所定の減衰量で減衰される。この結果、パッケージ12の外部に漏れるエンジン27aの排気音が低減される。
【0022】
(消音室)
消音室20は機関室15内で発生した騒音の外部への漏洩を抑制するためのものであり、機関室15と冷却室21との間に設けられている。消音室20と機関室15とは隔壁13の開口部30を介して相互に連通している。隔壁13の開口部30から導出されたエンジン冷却水用の複数の配管29は消音室20の底部及び隔壁19に沿うようにして配設され、当該隔壁19を貫通して後述するラジエータ34の冷却水入口及び冷却水出口にそれぞれ接続されている。
【0023】
(冷却室)
冷却室21には、冷却ユニット33が配置されている。この冷却ユニット33は一対のラジエータ34及び単一のラジエータファン35を備えている。パッケージ12の互いに対向する2つの長側壁において冷却室21に対応する部位にはそれぞれ図1に二点鎖線で示すラジエータ吸入口36(図1では一方のみ図示する。)が形成されており、このラジエータ吸入口36に対応するように両ラジエータ34はそれぞれパッケージ12の長側壁の内面に固定されている。パッケージ12内において、両ラジエータ34間の上方にはラジエータファン35が配置固定されている。
【0024】
ラジエータファン35が駆動されると、ラジエータ吸入口36を介して外気が冷却風として直接ラジエータ34に供給され、この冷却風は両ラジエータ34,34間に形成された空間及びラジエータファン35をそれぞれ通過してパッケージ12の上壁に形成された排風口37から外部に排出される。ラジエータ34はラジエータ吸入口36から取り込まれた冷却風により冷却される。また、エンジン27aの冷却水はラジエータ34内を通過する際に当該ラジエータ34の複数のフィン(図示略)を介して冷却風との間で熱交換することにより冷却され、エンジン27aに戻される。尚、本実施形態において、ラジエータ34は冷却器を構成する。
【0025】
(吸気フード)
次に、吸気フードFについて詳述する。
図2及び図3に示すように、吸気フードFはパッケージ12への取付側の面が開口された直方体状に形成されている。吸気フードFのパッケージ12への取付側の面における開口部の外周縁にはフランジ38が形成されており、このフランジ38を介して吸気フードFはパッケージ12の側壁外面に固定されている。
【0026】
吸気フードFの下面には空気取込口39が当該吸気フードFの長手方向における一方向(図2及び図3における左方向)に片寄るように形成されている。換言すれば、吸気フードFをパッケージ12の側壁外面における所定の取付位置に取付けた状態において、空気取込口39及び吸気口24の一部がパッケージ12の長手方向において互いにオーバーラップするように空気取込口39は配置形成されている。
【0027】
また、前記パッケージ換気ファン23が駆動されたとき、空気取込口39の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域T(図3中、クロスハッチングで示す範囲。)の平均吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードFは設けられている。即ち、少なくとも所定領域Tの平均吸気流速が4m/sを超えないように空気取込口39の開口面積及び吸気フードFの容積等が設定されている。
【0028】
所定領域Tは空気取込口39の内周縁から所定距離wまでの領域であり、所定距離wは例えば10〜15cmの範囲において設定可能とされている。本実施形態では、所定距離w=10cmとされている。空気取込口39の開口面積は吸気口24の開口面積以上となるように設定されている。尚、吸気フードFはパッケージ12内への雨水の浸入を抑制する雨水侵入防止装置を構成する。
【0029】
(吸気流速の決定)
空気取込口39における少なくとも所定領域Tの吸気流速を決定するために、日本工業規格(JIS)C4620に規定された防水試験に基づいて雨天を想定した散水試験を装置モデルを使用して行った。具体的には、所定の試験条件(水圧、散水時間、散水角度及び散水距離等)で装置モデルに散水し、吸気フードF、空気導入室17及び機関室15の内部にそれぞれ雨水が浸入しているか否かを目視により判断した。
【0030】
雨水侵入の判定基準は、次のように設定した。即ち、次に示す1)〜4)の条件を全て満たしていればパッケージ12内への雨水の浸入は「無し」と判定し、1つでも満たさない条件があればパッケージ12内への雨水の侵入は「有り」と判定するようにした。
【0031】
1)機関室15内において水滴の付着が無いこと。
2)発電機コイルに水滴の付着が無いこと。
3)発電機盤26内に水滴の付着が無いこと。
【0032】
4)吸気フードF内に付着している水滴が単位面積当り所定滴以下であること。本実施形態では、3滴以下/単位面積当たり(例えば;200mm×200mm)であれば雨水侵入の判定基準をクリアする。
【0033】
本実施形態では、空気取込口39の平均吸気流速をそれぞれ6m/s、5m/s、4m/s、3m/s、2m/sとした場合について前述した散水試験を行った。その結果を表1に示す。ちなみに、空気取込口39の平均吸気流速は、次のようにして求められている。即ち、空気取込口39を格子状に複数の領域に区分し、各領域毎の吸気流速を流速センサ(図示略)により計測する。この流速センサにより計測された各領域の吸気流速に基づいて空気取込口39の平均流速が求められている。
【0034】
【表1】
Figure 0004035049
表1から空気取込口39の吸気流速が4m/s以下であればパッケージ12内への雨水の浸入は無いことが分かる。そして、少なくとも空気取込口39の内周縁に沿う所定領域Tの吸気流速が4m/s以下であればパッケージ12の内部に雨水が侵入することはない。これは、吸気フードFの空気取込口39の外周縁から滴る雨水が吸い込まれやすいのであって、空気取込口39の中央部の吸気流速が多少速くても、空気取込口39の外周縁から滴る雨水が当該空気取込口39の中央部から吸い込まれることはないからである。
【0035】
(吸気流速の計測結果)
次に、本発明に係るエンジン作業機11において、パッケージ換気ファン23を駆動させたときの空気取込口39における各領域の吸気流速を計測した結果を示す。
【0036】
図4に空気取込口39を27個(長手方向9個×短手方向3個)の領域に区分した場合の吸気流速の分布を示す。この場合、一対の吸気フードFにおける所定領域Tの平均吸気流速はそれぞれ2.1m/s及び1.8m/sとなっており、空気取込口39の全領域の平均吸気流速はそれぞれ2.8m/s及び2.6m/sとなっている。
【0037】
また、図5には、図4に示す空気取込口39よりも開口面積を小さくした空気取込口39を21個(長手方向7個×短手方向3個)の領域に区分した場合における吸気流速の分布を示す。この場合、一対の吸気フードFにおける所定領域Tの平均吸気流速はそれぞれ3.7m/s及び3.6m/sとなっており、空気取込口39の全領域の平均吸気流速はそれぞれ4.2m/s及び4.2m/sとなっている。
【0038】
(エンジン作業機の作用)
次に、前述のように構成したエンジン作業機の運転時の作用について説明する。
【0039】
(換気)
パッケージ換気ファン23が駆動されると、パッケージ12の吸気口24を介して空気(外気)が空気導入室17内に取り込まれ、この取り込まれた空気は空気導入口22を介して機関室15内に導入される。このとき、空気取込口39の少なくとも所定領域Tにおける平均吸気流速は4m/sを超えることはない(図4及び図5参照)。このため、例えば吸気フードFの空気取込口39の外周縁から滴る雨水が空気と一緒に当該吸気フードF、空気導入室17及び機関室15の内部にそれぞれ浸入することはない。
【0040】
また、空気取込口39及び吸気口24の一部が互いにオーバーラップするように吸気フードFは設けられているので、当該吸気フードF内に取り込まれた外気が吸気口24内に直接的に入り込むことが抑制される。即ち、空気取込口39に取り込まれた空気の一部は吸気フードF内に露出するパッケージ12の外壁表面を迂回するように、又は吸気フードFの底壁における空気取込口39が形成されていない部分に沿うようにして吸気口24内に導かれる。このように、吸気フードF内に取り込まれた空気はその流れ方向が曲げられ、吸気口24内に直接的に流入しにくくなる。ひいては、雨水のパッケージ12内への侵入がいっそう抑制される。
【0041】
機関室15内に導かれた空気の一部はエアクリーナ(図示略)及びエンジン吸気管(図示略)を介してエンジン27a内に供給される。また、機関室15内に導かれた空気は当該機関室15内を循環してエンジン27a及び発電機27bをそれぞれ冷却した後、隔壁13下部の開口部30を介して消音室20内に流入する。
【0042】
エンジン27a及び発電機27bからの廃熱により温められた状態で消音室20内に流れ込んだ空気は、両隔壁13,19にガイドされながら当該消音室20の上方へ流れ、冷却室21内に流れ込むことなく排風口37から外部へ排出される。これにより、エンジン27a及び発電機27bの駆動により機関室15内で発生する熱は外部に放出され、当該機関室15内は適当な温度に保持される。
【0043】
(消音)
一方、エンジン27a及び発電機27bの駆動により発生した騒音は、隔壁13下部の開口部30から消音室20内に漏れる。この消音室20内に漏出した騒音は当該消音室20内を伝搬する過程でその容積の効果により減衰される(膨張作用)。この結果、パッケージ12の排風口37から外部に漏れる騒音レベルが低減する。また、機関室15内で発生した騒音が冷却室21内に漏れることはないので、当該騒音がラジエータ吸入口36から外部に漏れることもない。このため、冷却ユニット33(特にラジエータ34)を機関室15内に設けるようにした場合と異なり、エンジン作業機11の低騒音化が図られる。
【0044】
エンジン27a及び発電機27bの駆動により発生した騒音は、空気導入口22を介して空気導入室17内にも漏出する。しかしながら、この空気導入室17内に漏れた騒音は当該空気導入室17を伝搬する過程でその容積の効果により減衰される。また、吸気口24の開口面積は機関室15内への換気量が十分に確保できる範囲内において出来るだけ小さくなるように設定されている。これにより、吸気口24からの騒音の漏れ量の低減が図られる。
【0045】
さらに、吸気口24を覆うようにして吸気フードFが設けられているので、当該吸気口24から吸気フードF内に漏洩した騒音は吸気フードFの内面に反射する際に減衰する(干渉作用)。また、空気取込口39及び吸気口24の一部が互いにオーバーラップするように吸気フードFは設けられているので、吸気口24から吸気フードF内を伝搬する騒音の干渉作用が高められる。このため、騒音はいっそう減衰する。従って、パッケージ12の吸気口24から外部に漏れる騒音レベルが低減され、ひいてはエンジン作業機11の低騒音化が図られる。
【0046】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)吸気フードFの空気取込口39の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域Tの平均吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードFを設けた。このため、雨水がパッケージ12内へ侵入することを抑制することができる。尚、少なくとも所定領域Tの吸気流速がいずれの箇所においても4m/sを超えないように吸気フードFを設けるようにした場合には、より確実に雨水のパッケージ12内への侵入を抑制することができる。
【0047】
(2)吸気口24の開口面積を空気取込口39の開口面積以下とした。このため、空気取込口39における吸気流速は吸気口24における吸気流速よりも遅くなる。ちなみに、吸気口24の開口面積は機関室15内の換気及び発電機ユニット25の冷却にそれぞれ必要とされる換気流量(例えば6〜10m/s)が得られる範囲内において出来るだけ小さくなるように設定した。空気取込口39の開口面積は当該空気取込口39の少なくとも所定領域Tにおける平均吸気流速が所定値(4m/s)以下となるように設定した。従って、吸気口24から漏出する騒音レベルを低減すると共に、空気取込口39の吸気流速が所定値(4m/s)以下となる。従って、騒音対策と雨滴流入防止対策とのバランスが図られる。
【0048】
(3)吸気口24及び空気取込口39の一部が互いにオーバーラップするように吸気フードFを設けるようにした。このため、空気取込口39から吸気口24までの吸気経路において、空気導入室17内に取り込まれた空気のうち一部の空気の流れ方向が曲げられる。このため、雨水のパッケージ12内への侵入をいっそう抑制することができる。また、騒音の漏洩経路の一部も曲げられることになる。このため、騒音の干渉作用が高められ、騒音の外部への漏洩をいっそう抑制することができる。
【0049】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・少なくとも所定領域Tの吸気流速がいずれの箇所においても4m/sを超えないように吸気フードFを設けるようにしてもよい。また、吸気流速が空気取込口39のいずれの箇所においても所定値(4m/s)を超えないように吸気フードFを構成するようにしてもよい。このようにすれば、より確実にパッケージ12内への雨水の浸入を抑制することができる。
【0050】
・図3にクロスハッチングで示す所定領域Tを例えば板部材により下方から覆うようにしてもよい。このようにしても、吸気フードFの空気取込口39の外周縁から滴る雨水が空気(外気)と一緒にパッケージ内に吸い込まれることを抑制することができる。
【0051】
・空気取込口39に例えば複数の斜状の板部材を空気取込口39の長手方向において所定間隔毎に設けるようにしてもよい。このようにすれば、各板部材により雨水の侵入をいっそう抑制することができる。
【0052】
・吸気フードFの内面に吸音材(グラスウール及びウレタン等)を貼り付けるようにしてもよい。このようにすれば、空気取込口39からの騒音の漏洩をいっそう抑制することができる。
【0053】
(付記)
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)パッケージの側壁に形成された吸気口を吸気フードにより外側から覆い、パッケージ内に収容されたファンの駆動により吸気フードの下部に形成された空気取込口から空気を取り込み、この取り込んだ空気を前記吸気口からパッケージ内に導くようにしたエンジン作業機において、前記空気取込口の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域の平均吸気流速が4m/sを超えないようにしたエンジン作業機の雨水侵入防止方法。
【0054】
(ロ)少なくとも前記所定領域のいずれの箇所においても吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードFを設けるようにした前記(イ)項に記載のエンジン作業機の雨水侵入防止方法。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、空気取込口の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域の平均吸気流速が4m/sを超えることはないので、雨水のパッケージ内への侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるエンジン作業機の正断面図。
【図2】 本実施形態におけるエンジン作業機の概略斜視図。
【図3】 本実施形態における吸気フードの下面図。
【図4】 本実施形態の空気取込口における吸気流速の分布を示すエンジン作業機の概略下面図。
【図5】 本実施形態の空気取込口における吸気流速の分布を示すエンジン作業機の概略下面図。
【符号の説明】
11…エンジン作業機、12…パッケージ、
23…パッケージ換気ファン(ファン)、24…吸気口、39…空気取込口、
F…吸気フード、T…所定領域。

Claims (4)

  1. パッケージの側壁に形成された吸気口を吸気フードにより外側から覆い、パッケージ内に収容されたファンの駆動により吸気フードの下部に形成された空気取込口から空気を取り込み、この取り込んだ空気を前記吸気口からパッケージ内に導くようにしたエンジン作業機において、
    前記空気取込口の内周縁内方における少なくとも当該内周縁に沿う所定領域の平均吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードを設け、パッケージ内において前記ファンを吸気口に対してパッケージ中央部寄りに配置し、発電機盤を吸気口に対してパッケージ端部寄りに配置して、当該発電機盤を前記ファンとはパッケージ長手方向においてずらして設けるようにしたエンジン作業機。
  2. 少なくとも前記所定領域のいずれの箇所においても吸気流速が4m/sを超えないように吸気フードを設けるようにした請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 前記吸気口の開口面積を空気取込口の開口面積以下とした請求項1又は請求項2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記吸気フードの下部に形成された空気取込口は、空気取込口の開口領域と吸気口の開口領域とがパッケージ長手方向において少なくとも一部は重ならないようにずらして配置されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のエンジン作業機。
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