JP4034433B2 - 管体接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は一対の管体を接続するための管体接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば水栓金具と配管とを接続するための接続構造として、従来、図7に示すような接続構造が一般に採用されている。
同図において200は配管側の管体で、先端部の内周側に雌ねじ部202(同図(A))又は外周側に雄ねじ部204(同図(B))を有している。
【0003】
206は水栓側の管体で、先端部の外周側に雄ねじ部208(同図(A))又は内周側に雌ねじ部210を有する袋ナット212(同図(B))をそれぞれ有している。
【0004】
この従来の接続構造の場合、同図(A)に示しているように管体200の雌ねじ部202に対して、管体206の雄ねじ部208をねじ込むことで接続するか、または同図(B)に示しているように管体200の雄ねじ部204に対して、管体206の袋ナット212をねじ合わせることで、一対の管体200,206の接続を行う。
【0005】
尚、一対の管体200,206間のシールは、同図(A)に示す雄ねじ部208にシールテープを巻いてねじ結合することにより行うか、或いは同図(B)に示しているように一対の管体200,206の間にパッキン214を挾み込むことによって行う。
【0006】
しかしながら図7の接続構造の場合、シールテープを巻いたり、ねじ部をねじ結合するに当って工具を用いて何回も回転操作することが必要であるなど施工が煩雑であるとともに、シールテープの巻き加減やねじの回し加減による施工のばらつきを生じるといった問題がある。
【0007】
これに対して、近年図8に示すような接続構造が用いられるようになってきている。
この接続構造は、クランプ部材を用いて一対の管体をワンタッチで接続可能となしたものである。
詳述すると、同図において216は管体200に設けられた、管軸方向に延びる平滑な円形の雄嵌合面でシール用のOリング218が装着されている。
【0008】
220は管体206に設けられた外挿筒部で、222,224はそれぞれ管体200,206に設けられた鍔状部としてのフランジ部、226はクランプ部材としての弾性クリップである。
【0009】
弾性クリップ226は、図10(C)に示しているように帯状の金属板ばね材を略リング状に回曲させた形態のもので、周方向の所定箇所に嵌込用開口228を有し、また幅方向中間部において周方向に延びる係入溝230を有している。
【0010】
この接続構造の場合、外挿筒部220を管体200の雄嵌合面216に外挿し、Oリング218を介して水密に嵌合させた上、弾性クリップ226を嵌込用開口228を通じて管体200,206にまたがるように弾性的に嵌め合わせ、そして互いに当接状態に合わせられた管体200,206の一対のフランジ部222,224を、弾性クリップ226の係入溝230内に係入させることで、一対の管体200,206を水密に接続する。
【0011】
この図8に示す接続構造は、ワンタッチで極めて簡単に管体200,206の接続作業を行うことができるものであり、近年この接続構造の採用例が多くなってきているものの、現状では未だ図7に示すねじ結合方式による接続構造と、図8に示す接続構造とが併存しているのが実状であり、従って例えば配管側の管体等一方の管体側の接続部としては、相手側(他方の管体側)が図7に示すねじによる接続方式である場合であっても、また図8に示す外挿筒部220の差込みによる接続方式であっても、何れにも対応できるものであることが望ましい。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願の発明の管体接続構造はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1の管体接続構造は、一対の管体を接続する管体接続構造であって、一方の管体側に、(イ)他方の管体側の雄ねじ部又は雌ねじ部とねじ結合する、該一方の管体の内周面に形成された雌ねじ部又は該一方の管体の外周面に形成された雄ねじ部と、(ロ)該他方の管体側の外挿筒部を外挿させた上、該外挿筒部の内周面に対しシール部材を介して水密に結合する、該一方の管体の外周面に形成された管軸方向に延びる平滑な雄嵌合面と、を具備させるとともに、一対の管体を該外挿筒部の内周面と該雄嵌合面とを嵌合させる状態に結合した状態において該一対の管体を管軸方向に抜止めする抜止手段を設け、且つ前記雄ねじ部は前記一方の管体の外周面の管端側に形成するとともに、該管端から見て奥側の位置に前記雄嵌合面を形成して、該雄嵌合面に前記シール部材を装着してあることを特徴とする。
【0013】
請求項2の管体接続構造は、請求項1において、前記一方の管体側には、雄ねじ部と雌ねじ部との両方を具備させたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の管体接続構造は、請求項1,2の何れかにおいて、前記抜止手段が前記一方の管体と他方の管体とに設けられ、直接又は他部材を介して係合する係合部を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項4の管体接続構造は、請求項3において、前記係合部が管軸と直角方向外向きに突出する鍔状部から成っていて、前記抜止手段が該係合部を管軸方向にクランプするクランプ部材を含んでいることを特徴とする。
【0016】
請求項5の管体接続構造は、請求項4において、前記クランプ部材は、帯状の板ばね材を略リング状に回曲させた形態を成していて、周方向の所定箇所に嵌込用開口を有し、且つ幅方向中間部において前記一方の管体側の鍔状部と他方の管体側の相手鍔状部とを合わせた状態で係入可能な、周方向に沿って延びる係入溝を備えたものであることを特徴とする。
【0017】
【作用及び発明の効果】
上記のように請求項1の接続構造は、一方の管体側に相手側、つまり他方の管体側の雄ねじ部又は雌ねじ部とねじ結合する雌ねじ部又は雄ねじ部と、他方の管体側の外挿筒部を外挿させた上、その外挿筒部の内周面に対しシール部材を介して水密に結合する雄嵌合面とを具備させ、そして一対の管体を抜止手段にて抜止めするようになしたもので、この接続構造の場合相手側、つまり他方の管体側がねじ接続方式或いは外挿筒部の差込接続方式の何れの場合においても、共通の接続部によって対応することができ、汎用性を高めることができる。
【0018】
この請求項1では、一方の管体の外周面の管端側に前記雄ねじ部を、またその奥側の位置に前記雄嵌合面を形成して、雄嵌合面にシール部材を装着しておく。
【0019】
請求項2の接続構造は、上記一方の管体側に雄ねじ部と雌ねじ部との両方を具備させたもので、この接続構造によれば、他方の管体側が雄ねじ部を備えている場合、その雄ねじ部を一方の管体側の雌ねじ部にねじ結合することで、一対の管体を接続することができる。
或いはまた、他方の管体側が袋ナットを備えている場合、その袋ナットの内周面の雌ねじ部を一方の管体側の雄ねじ部にねじ結合することで、一対の管体を接続することができる。
【0020】
請求項3の接続構造は、上記一方の管体と他方の管体とに直接又は他部材を介して管軸方向に係合する係合部を設けて、それら係合部を含むように上記抜止手段を構成したもので、この接続構造によれば、一対の管体を良好に抜止めすることができる。
【0021】
請求項4の接続構造は、上記係合部を管軸と直角方向外向きに突出する鍔状部により構成し、そしてそれら鍔状部をクランプ部材で管軸方向にクランプするようになしたもので、この接続構造の場合、一対の管体の抜止めを確実に行うことができる。
ここでその鍔状部から成る係合部は周方向に連続したフランジ部にて構成することができる。
【0022】
請求項5の接続構造は、所定形態のクランプ部材、即ち帯状の板ばね材を略リング状に回曲させて周方向所定箇所に嵌込用開口を形成し、且つ幅方向中間部に周方向に沿って延びる係入溝を備えたクランプ部材を用いて一対の管体の接続を行うもので、この接続構造の場合、鍔状部を利用してワンタッチで極めて簡単に一対の管体の接続を行うことができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明の実施例を参考例とともに図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において(図1,図2は参考例を示す)、10は例えば配管側の管体、12は例えば水栓側の管体で、一方の管体10は比較的軟らかい樹脂管等からなる主管14に接続されている。
また他方の管体12は、比較的軟らかい樹脂管等からなる主管18に接続されている。
【0024】
本例において、上記一対の管体10,12は併せて接続金具をなすものである。
【0025】
一方の管体10には、先端(管端)部から管軸方向中間部までの外周面に雄嵌合面26が形成されている。ここで雄嵌合面26は横断面形状が円形で管軸方向に延びる平滑な面をなしている。
この雄嵌合面26にはOリング溝32が形成されていて、そこに弾性を有するシール部材としてのOリング34が装着されている。
【0026】
更に一方の管体10の外周面には、雄嵌合面26に続いて管軸と直角方向外向きに突出する鍔状部としてのフランジ部(係合部)22が全周に亘って形成されている。
また一方の管体10の内周面には、開口に続いて雌ねじ部24が形成されている。
【0027】
他方の管体12には、図1及び図2の(A)においては内部中空且つ横断面形状が円形の外挿筒部30が突出形成されており、その先端部外周には、上記フランジ部22と同様の形態のフランジ部(係合部)28が形成されている。
【0028】
36はクランプ部材としての弾性クリップであって、この弾性クリップ36は、帯状の板ばね材を略リング状に回曲変形させた形態をなしている。
【0029】
この弾性クリップ36は、周方向所定箇所に嵌込用開口38を有しており、また幅方向中間部に係入溝40が周方向に沿って形成されている。また嵌込用開口38と反対側には、上記フランジ部22,28との干渉を回避するための逃げ部42が形成されており、更に嵌込用開口38に続く部分にはハの字状に開いたガイド部44が形成されている。
【0030】
尚、図1において46及び48は主管14又は18内部への挿入結合部である。
また図1(B)に示している他方の管体12には、フランジ部28に続いて雄ねじ部50が形成されている。
【0031】
本例の接続構造においては、図1及び図2の(A)に示すように、他方の管体12が中空の外挿筒部30を有するものである場合、先ず一対の管体10,12のフランジ部22,28同士が当接するまで一方の管体10に他方の管体12の外挿筒部30を外挿する。このとき外挿筒部30の内周面と雄嵌合面26との間にはOリング34が介されるため、それらは水密に嵌合される。
【0032】
そして上記嵌合状態下で弾性クリップ36を嵌込用開口38を通じて一対の管体10,12にまたがるように弾性的に嵌め合わせ、当接する一対のフランジ部22,28を弾性クリップ36の係入溝40に係入させることで一対の管体10,12を接続することができる。
【0033】
一方、図1及び図2の(B)に示すように他方の管体12が雄ねじ部50を有するものである場合、この雄ねじ部50を一方の管体10の雌ねじ部24にねじ込むことで、一対の管体10,12を接続することができる。
【0034】
本例の接続構造では、一方の管体10が、その内周側に雌ねじ部24と外周側にOリング34を装着した雄嵌合面26とを備えており、従って本例によれば、他方の管体12が外挿筒部30の差込接続方式、或いは雄ねじ部50によるねじ接続方式の何れの方式の場合のものであっても、一方の管体10は共通のもので対応することができ、汎用性を高めることができる。
【0035】
また本例の接続構造では、一方の管体10がフランジ部22を備えているため、このフランジ部22と他方の管体12のフランジ部28とを共に弾性クリップ36の係入溝40に係入するだけで、一対の管体10,12を弾性クリップ36にてワンタッチで極めて簡単に接続することができる。
【0036】
図3、図4は本発明の実施例を示している。
この例における一方の管体10には、その先端(管端)側において雌ねじ部24及び雄ねじ部64が内周面及び外周面に設けられており、また外周面には雄ねじ部64に続いて管軸方向に延びる平滑な雄嵌合面26が形成されている。
【0037】
またこの例においても、一方の管体10にはその外周面に雄嵌合面26に続いて管軸と直角方向外向きに突出するフランジ部(係合部)22が全周に亘って形成されていると共に、雄嵌合面26にはOリング溝32が形成されていて、そこに弾性を有するシール部材としてのOリング34が装着されている。
【0038】
一方、図3(B)に示している他方の管体12は、内周面に雌ねじ部72を有する袋ナット70を備えている。
尚、図中58はシール用のリング状パッキンである。
【0039】
本例の接続構造においても、図3及び図4の(A)に示すように他方の管体12が外挿筒部30を有する差込接続方式のものである場合、他方の管体12の外挿筒部30を一方の管体10に外挿し、外挿筒部30の内周面を雄嵌合面26にOリング34を介して水密に嵌合する。
【0040】
併せて弾性クリップ36を、一方の管体10におけるフランジ部22と他方の管体12におけるフランジ部28とを利用して管体10,12にまたがるように弾性的に嵌め合わせ、一対の管体10,12を接続する。
【0041】
一方、図3及び図4の(B)に示すように他方の管体12が雌ねじ部72を有するねじ接続方式のものである場合、雄ねじ部64に対して雌ねじ部72、詳しくは袋ナット70の内周面の雌ねじ部72をパッキン58を介してねじ込み、以て一対の管体10,12の接続を行う。
【0042】
他方、図3及び図4の(C)に示すように他方の管体12が雄ねじ部50を有するねじ接続方式のものである場合、一方の管体10における雌ねじ部24に他方の管体12の雄ねじ部50をシールテープを介してねじ込み、以て一対の管体10,12を接続する。
【0043】
この例の接続構造においても、他方の管体12が外挿筒部30の差込接続方式、或いは雄ねじ部50によるねじ接続方式、或いはまた雌ねじ部72によるねじ接続方式の何れの方式のものであっても、共通の管体10で対応することができる。
【0044】
図5及び図6は、他の参考例を示したものである。
前記図1から図4の実施例においては、一方の管体10における雄嵌合面26にOリング34を装着しているが、これら図5及び図6の例では外挿筒部30を有する他方の管体12において、その外挿筒部30の内周面にOリング溝32を形成してそこにシール部材としてのOリング34を装着するようにしている。
尚他の点については図1〜図4の実施例と同様である
【0045】
以上本発明の実施例を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、例えば一対の管体をクランプするクランプ部材としては、上例における弾性クリップ36以外の形態のものを用いることも可能である。
また場合によっては上記の主管14にて一方の管体を構成し、一方の管体側に備えるべき雄ねじ部,雌ねじ部,フランジ部,嵌合面等を主管14に一体に形成することも可能である。
【0046】
更に本発明においては、一対の管体を所定の摩擦力で弾性的に嵌合させ、それら一対の管体間の摩擦力で抜け止めすること、即ちそれら一対の管体間に生ずる摩擦力を抜止手段として構成することも可能であるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例である管体接続構造における一対の管体及びクランプ部材を示す図である。
【図2】 図1における一対の管体を接続した状態で示す図である。
【図3】 本発明の実施例を示す図である。
【図4】 図3における一対の管体を接続した状態で示す図である。
【図5】 更に他の参考例を示す図である。
【図6】 更に他の参考例を示す図である。
【図7】 従来の管体接続構造を示す図である。
【図8】 図7とは別の従来の管体接続構造を示す図である。
【符号の説明】
10 一方の管体
12 他方の管体
22 フランジ部(係合部)
24 雌ねじ部
26 嵌合面
28 フランジ部(係合部)
30 外挿筒部
34 Oリング(シール部材)
36 弾性クリップ(クランプ部材)
50 雄ねじ部
64 雄ねじ部
72 雌ねじ部
Claims (5)
- 一対の管体を接続する管体接続構造であって、一方の管体側に、(イ)他方の管体側の雄ねじ部又は雌ねじ部とねじ結合する、該一方の管体の内周面に形成された雌ねじ部又は該一方の管体の外周面に形成された雄ねじ部と、(ロ)該他方の管体側の外挿筒部を外挿させた上、該外挿筒部の内周面に対しシール部材を介して水密に結合する、該一方の管体の外周面に形成された管軸方向に延びる平滑な雄嵌合面と、を具備させるとともに、一対の管体を該外挿筒部の内周面と該雄嵌合面とを嵌合させる状態に結合した状態において該一対の管体を管軸方向に抜止めする抜止手段を設け、
且つ前記雄ねじ部は前記一方の管体の外周面の管端側に形成するとともに、該管端から見て奥側の位置に前記雄嵌合面を形成して、該雄嵌合面に前記シール部材を装着してあることを特徴とする管体接続構造。 - 請求項1において、前記一方の管体側には、雄ねじ部と雌ねじ部との両方を具備させたことを特徴とする管体接続構造。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記抜止手段が前記一方の管体と他方の管体とに設けられ、直接又は他部材を介して係合する係合部を有していることを特徴とする管体接続構造。
- 請求項3において、前記係合部が管軸と直角方向外向きに突出する鍔状部から成っていて、前記抜止手段が該係合部を管軸方向にクランプするクランプ部材を含んでいることを特徴とする管体接続構造。
- 請求項4において、前記クランプ部材は、帯状の板ばね材を略リング状に回曲させた形態を成していて、周方向の所定箇所に嵌込用開口を有し、且つ幅方向中間部において前記一方の管体側の鍔状部と他方の管体側の相手鍔状部とを合わせた状態で係入可能な、周方向に沿って延びる係入溝を備えたものであることを特徴とする管体接続構造。
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