JP4033688B2 - 製図用具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパスやデバイダのように針を有する製図用具において、例えばコンパスの不使用時において脚部下端から突出する中心針を覆い隠すことで、誤って手を刺す等の針刺し等の危険をなくして取扱い上の安全性を確保する針カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンパス等の製図用用具において、針による事故を防ぐ未然に防ぐ対策が種々行われている。例えば安全針カバーを備えたコンパスとしては実開平3−62897号公報等において知られている。
この実開平3−62897号公報において公表されているコンパスは、中心針を突出状に具備する針脚の該中心針の回りに同中心針の向きと平行に人為的な強制力で上下スライド自在に針カバーを具備し、この針カバーの内面と前記針脚の表面には針カバーの脱落を防ぐ外れ阻止機能と針カバーの中心針を被覆する下死点位置と中心針を露出する上死点位置との案内機能を果たす長溝と小突起とを夫々設けてなる。
つまり、不使用時には小突起が長溝の下端に係合する針カバーの下死点位置までスライドさせることで、中心針を被覆し、針刺し等の事故を防ぐようにしてある。そして、使用する時には小突起が長溝の上端に係合する針カバーの上死点位置までスライドさせることで、中心針が針カバー下端の出没口から外部に突出するようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上記した従来のコンパスは、中心針を被覆する下死点位置と中心針を突出する上死点位置に針カバーを夫々保持するその保持は針脚を抱持する横断面が略コの字状を呈する針カバー内面の針脚外面に対する摩擦抵抗によるものである。
従って、従来においては針脚に対する針カバーの面摩擦による摩擦抵抗を大きくすることが必須であることから、針カバーの動きが鈍い。そのために、針カバーをスライドさせる際には針カバーを挟み込むようにしっかり掴み、もう一方の手で針脚をしっかり掴まないと、針カバーをその下死点、上死点位置へとスライドさせることができない取扱い性の面で問題が発生したり、特に小学生等の子供(学童)にとっては針カバーを動かすことが困難になるばかりか、針カバーを動かすことだけに気が取られて突出する針が指や手の平に刺さる危険を伴う恐れがあった。
【0004】
又、従来のコンパスは、面摩擦による下死点、上死点位置における針カバーの保持に加えて、針を被覆したり、露出させる針カバーの操作が前述したように針の向きと平行とする上下方向のスライドのみであるが故に、針カバーの前端部(針先被覆部)には底面視が略U字状に開口する針を突出させたり、没入させる出没口が必須である。
従って、コンパスを誤って床等に落としてしまった際の衝撃により針カバーが動き、収容状態で被覆されていたはずの針が出没口から突出し、針が飛び出していることに気が付かずに拾うとした時に誤って刺す等の危険があり、取扱い上の安全対策が必要であった。
【0005】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、針を被覆する下死点位置と露出させる上死点位置に針カバーをスムーズに且つ片手で簡単に動かすことができ、しかも、下死点と上死点との両位置に針カバーをしっかり係止保持することができ、更には万が一床等に落下させた場合でも針が飛び出すことを確実に防止し得るように安全対策と取扱い性を改善したコンパスやデバイダ等の製図用具を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、コンパスやデバイダのように針を有する製図用具において、
前記針を有する針脚と、この針脚方向に揺動可能で且つ上下方向にスライド可能に具備される針カバーとの間に、前記針を被覆する針カバーの下死点位置と、前記針を露出させる針カバーの上死点位置との上下二点で交互に且つ係脱自在に係止させるための下死点用と上死点用の両係止部を設け、この下死点用と上死点用の両係止部は、互いに嵌め合い係止する凸部と凹部からなり、その一方を前記針カバーに、もう一方を前記針脚側に設けていることを特徴とする。
これにより、針を被覆する下死点位置と針を露出させる上死点位置とに針カバーを、凸部と凹部との係脱自在な嵌め合いによる係止ロック状態でしっかり保持し得るようにしたことである。
【0007】
また、本発明は、コンパスやデバイダのように針を有する製図用具において、
前記針を有する針脚と、該針を被覆する横断面が略コの字状を呈する針カバーとの間に、該針カバーを上下方向にスライド可能で且つ針脚方向に揺動可能に保持させるための保持部を設け、
さらに前記針脚と前記針カバーとの間に、前記針を被覆する下死点位置に前記針カバーをスライド前進させて該針カバーにおける揺動中心の前半部側を押圧揺動させたときに前記針カバーを係脱自在に係止させるための下死点用係止部と、前記揺動中心の後半部側を押圧揺動させて前記針を露出させる上死点位置に前記針カバーをスライド後退させたときに、該針カバーを係脱自在に係止させるための上死点用係止部とを設け、この下死点用と上死点用の両係止部は、互いに嵌め合い係止する凸部と凹部からなり、その一方を前記針カバーに、もう一方を前記針脚側に設けていることを特徴とする。
これにより、針を被覆する下死点位置と針を露出する上死点位置とに針カバーを、凸部と凹部との係脱自在な嵌め合いによる係止ロック状態でしっかり保持し得るようにしたことである。
【0008】
また、本発明では、前記針カバーは、弾性と適宜の剛性を有する材料から横断面が略コの字状に形成され、その揺動中心の前半部側における両側辺部に、下死点用の前記係止部を構成する前記凸部と上死点用の前記係止部を構成する前記凸部とをそれぞれを備え、且つ、前半部側におけるその下端から前記両側辺部を左右に分割するためのスリットを設けていることを特徴とする。
これにより、下死点用と上死点用との両係止部をそれぞれ構成するそれぞれの凸部と凹部との嵌め合い係止力の確実性と長期に亘る安定性(耐久性の向上)を確保するようにしたことである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明針を有する製図用具の一例としてコンパスを示し、針1を有する針脚2、筆記脚3、この両脚2,3の開閉枢着部4、この枢着部4の上面中央に備えられる摘み5とを備える周知の構成を成し、針1が突出する針脚2の下端側に針カバー6を揺動可能で且つ上下スライド可能に装着してある。
因みに、コンパスとして例えば図示したように筆記脚3にシャープ3-1を備えるシャープタイプ、鉛筆を取り付ける鉛筆ホルダーを備える鉛筆タイプ、そして鉛筆の芯を取り付ける芯ホルダーを備える芯タイプ等が挙げられる。
【0011】
そして、針1が突出する下端から針カバー6の上下スライド範囲における針脚2の下端側の横断面形状を図2に示すように、幅広部2-1と幅狭部2-2とから略凸状に形成し、その幅広部2-1の上方部位両側面に針カバー6を上下スライド可能で且つ針脚2方向に揺動可能に保持する保持部7を設けると共に、幅狭部2-2の下端両側面には針カバー6のスライド下死点用と上死点用の係止部8,9を設ける。
【0012】
針カバー6は、針脚2方向の揺動と上下方向のスライドとの双方操作により、針1を被覆したり、針1を露出させるものであり(図4(a)、(c)参照)、優れた弾性(復元力)と適宜の剛性(耐磨耗性と弾性力を維持する耐久強度)を有する合成樹脂材料等の成形材料、例えばポリプロピレンやポリカーボネート等の熱可塑性樹脂材料を用いて前端(下端)に、閉鎖する針先被覆部6-1を有する所定の長さの横断面略コの字状に形成してある。
又、針先被覆部6-1が連設する針カバー6の前半部側における両側辺部6-2の肉厚を内方に向けて厚く形成することで、該前端側内部に針脚2の幅狭部2-2の幅に相当する内寸法で該幅狭部2-2に嵌り合ってスライドする幅狭溝部10を設け、この幅狭溝部10の溝両内面の上下2箇所には下死点用と上死点用の係止部8,9を設ける。
【0013】
又、針カバー6の両側辺部6-2の開放端縁部の側面視形状を、針先被覆部6-1に連設する前端側から長さ方向後端側に向けて略ヘの字状に形成した後、上辺部6-3の後端に向けて略湾曲状に連設させてなり、針カバー6の前後長さ方向中央部位より後方に位置する前記湾曲縁6-21部とヘの字状縁部6-20との連設コーナー部位における両側辺部6-2の内面に、針カバー6を上下方向にスライド可能で且つ針脚2方向に揺動可能に保持する保持部7を設ける。
【0014】
図中11は、図示したように針カバー6の針先被覆部6-1を有するその前端から上辺部6-3の幅中央に沿って前半部側に設けたスリットであり、このスリット11を設けることにより、針カバー6の下死点用と上死点用の係止部8,9の後述する凹部8-1,9-1と凸部8-2,9-2との係脱自在な係止力の確実性と長期に亘る安定性(耐久性の向上)を確保するものである。
又、図中12は、針カバー6の上辺部6-3に設けた滑り止めであり、この滑り止め11に親指の指先(腹部)を沿えて揺動中心Pを支点とする針カバー6における前半部側と後半部側とを針脚2方向に押圧揺動させたり、上下方向にスライド移動させる針カバー6の操作をスムーズに行い得るようにしてある(図4参照)。
【0015】
保持部7は、針カバー6を針脚2に対して脱落不能な状態で上下方向にスライド可能に且つ針脚2方向に揺動可能に保持する役目を成すものである。
この保持部7は、針脚2の幅広部2-1の後方部位に針カバー6の上下スライド範囲にて設けた長溝7-1と、この長溝7-1の溝幅と深さに相当する外径と高さにて針カバー6の前半部と後半部との間における両側辺部6-2の前述した内面に突設した突起部7-2とで構成され、該突起部7-2を揺動中心として針カバーの前半部側と後半部側が針脚2方向に押圧揺動し得るようにしてある。
つまり、長溝7-1の下端に突起部7-2が係止される下死点位置まで針カバー6をスライド前進させた後、突起部7-2を揺動中心Pとする針カバー6の前半部側を押圧揺動させることで、針脚2の下端から突出する針1を被覆し得るように、そして、この状態で針カバー6における前記揺動中心Pの後半部側を押圧揺動させることで、針1を露出させ且つ針を完全に露出させる上死点位置へと針カバー6がスライド後退し得るようにしてある。
【0016】
下死点用係止部8は、針1を被覆する下死点位置に針カバー6をスライド前進させた後、針カバー6における前記揺動中心Pの前半部側を押圧揺動させたときに互いに嵌り合い係止せしめて針を被覆する針カバーをしっかりとロック保持する役目を成すものである。
この係止部8は、針脚2の幅狭部2-2の前端両側面に設けた凹部8-1と、針カバー6の幅狭溝部10の後端両内面に設けた凸部8-2とで構成され、針カバーを上死点位置からスライド前進させた後、針カバー6における揺動中心P(突起7-2)の前半部側(上辺部6-3前端側)を針脚方向に押圧揺動させることで、互いに嵌り合い係止せしめて針1を被覆する針カバー6をロック保持するようにしてある(図4(c)の状態)。
そして、針脚から浮き上がり離間状態にある針カバーの後半部側(上辺部603後端側)を針脚方向に押圧揺動せしめることで、その係止状態が解除されるようにしてある(図4(b)の状態)。
【0017】
上死点用係止部9は、前記揺動中心Pの後半部側を押圧揺動させて下死点用の係止部による針カバーの係止ロック状態を解除させた後に、針1が完全に露出する上死点位置に針カバーをスライド後退させたときに互いに嵌り合い係止せしめて針カバー6をその上死点位置にしっかりとロック保持する役目を成すものである。
この係止部9は、針脚2の幅狭部2-2の前端両側面に設けた前述した凹部9-1と、針カバー6の幅狭溝部10の前端両内面に設けた凸部9-2とで構成され、針カバーを下死点位置からスライド後退させることで、互いに嵌り合い係止せしめて針カバーをその上死点位置にロック保持するようにしてある(図4(a)の状態)。
そして、針カバー6の上死点位置から下死点位置へとスライド前進させることで、その係止状態が解除されるようにしてある(図4(a)の実線から二点鎖線の状態)。
【0018】
次に、以上の如く構成した本実施例詳述のコンパスの使用例を簡単に説明すると、使用後において針脚2を人差し指、中指、薬指で掴み、親指に指先(腹部)を針カバー6の上辺部6-3の滑り止め12に沿える(図4(a)の実線から二点鎖線の状態)。この状態で針カバー6を下死点位置までスライド前進させ(図4(b)の実線の状態)、その後揺動中心P(突起部7-2)を支点に針カバー6の前半部側を針脚2方向に押圧揺動させる(図4(b)の二点鎖線の状態)。
すると、針カバー6の下死点用係止部8の凸部8-2が、針脚2の下死点用係止部8の凹部8-1に嵌まり込み係止する。これにより、針1を被覆する針カバー2は凹部8-1に対する凸部8-2の係止ロックによりしっかりと保持される。
【0019】
一方、使用する際には前述と同じく針脚2を掴み、親指の指先を針脚2から浮き上がり離間する針カバー6の上辺部6-3の後半部側に沿えて、揺動中心P(突起部7-2)を支点に針カバー6の後半部側を針脚2方向に押圧揺動させる(図4(c)の状態から(b)の状態)。
すると、針カバー6の下死点用係止部8の凸部8-2が、針脚2の下死点用係止部8の凹部8-1から外れてその係止状態が解除される(図4(b)の二点鎖線の態から実線の状態)。
次に、親指を針カバー6の上辺部6-3に沿えた状態で上死点位置へと針カバー6をスライド後退させる(図4(b)の状態から(a)の状態)。
すると、針カバー6の上死点用係止部9の凸部9-1が、針脚2の上死点用係止部9の凹部9-1に嵌まり込み係止する。これにより、針カバー6は凹部9-1に対する凸部9-2の係止ロックによりしっかりと保持され、針1を露出させた使用状態に保たれる。
【0020】
又、本発明においては図5に示したように、針カバー6前端の針先被覆部6-1に略逆U字状の窓13を設けることも任意であり、この場合、針1を露出する上死点位置に針カバー6をスライド後退させた際、窓13が針脚2の幅狭部2-2に針カバー6の幅狭溝部10と同じく嵌り合うように、該幅狭部2-2を針1が突出する針脚2の下端と面一になるように形成することが好ましい。
【0021】
図6は、前述実施例詳述のコンパスに変えて、デバイスを示した本発明製図用具の他の実施例を示す。基本的な構成においては前述した実施例詳述と同じことから、同じ構成部分に同じ符号を用いることでその詳細については省略する。
【0022】
【発明の効果】
本発明の針を有するコンパスやデバイスのような製図用具は叙上の如く構成してなることから下記の作用効果を奏する。
本発明は針脚の下端から突出する針を被覆したり、露出させる針カバーの操作が、揺動中心Pを支点とする針脚方向への揺動と、上下方向へのスライドとの二段構えで行いえるように構成してなることで、従来のように、針を突出させたり、没入させるための出没口を針カバー前端部の針先被覆部に必ずしも設ける必要がなくなる。
従って、誤って床等に落としてしまった際の衝撃により針カバーに後退する等の動きが生じても針が外部に飛び出す危険はない。
【0023】
又、針を被覆する針カバーの下死点位置と、針を露出させる上死点位置とにおける針カバーの針脚に対する保持が、その下死点位置と上死点位置において互いに嵌り合うように針脚と針カバーとの間に設けた下死点用係止部と上死点用係止部との係止ロックにより行われるように構成したことで、針カバーの針脚に対する抱持状態はラフで良い。
即ち、従来のように、摩擦抵抗によって針カバーをその下死点位置と上死点位置に保持すると言った上下方向のスライドを鈍くする面摩擦構造を採用せずに針カバーを針脚に組み込み具備することができることで、強い力を必要とせずに、しかも片手操作で針カバーを、針を被覆する下死点位置と、針を露出させる上死点位置にスライドさせることができる。
【0024】
従って、本発明によれば、大人は勿論、小学生等の子供(学童)にとっても簡単且つスムーズに針カバーをスライドさせて針を被覆したり、針を露出させることができる操作性に優れ、しかも万が一床等に落下させた場合でも針が飛び出すことを確実に防止し得る安全対策と取扱い性を更に向上させたコンパスやデバイスのように針を有する製図用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製図用具の実施形態の一例であるコンパスを示す正面図であり、(a)は針を露出させた使用状態を示し、(b)は、針を被覆せしめた不使用状態を示す。
【図2】要部の拡大横断面図で、(a)は図1の(a)−(a)線断面図であり、(b)は図1の(b)−(b)線断面図である。
【図3】針カバー単体を示す底面図である。
【図4】針カバーの動きを示す要部の拡大縦断面図で、(a)は針を露出させた針カバーの上死点位置からスライド前進させる状態を示し、(b)は針を被覆する針カバーの下死点位置へスライド前進させた針カバーを、揺動中心を支点に下半部側を針脚方向に押圧揺動させる状態を示し、(c)は針を被覆した状態を示す
【図5】針カバーの針先被覆部に窓を設けた他の実施例を示し、(a)は針を露出させた針カバーの上死点位置からスライド前進させる状態を示し、(b)は(a)の(b)−(b)線拡大横断面図であり、(c)は針を被覆する針カバーの下死点位置へスライド前進させた後に、揺動中心を支点に下半部側を針脚方向に押圧揺動させて針を被覆した状態を示す
【図6】コンパスに変えてデバイスを示す本発明製図用具の他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1:針 2:針脚
3:筆記脚 4:開閉枢着部
5:摘み 6:針カバー
6-1:針先被覆部 6-2:両側辺部
6-3:上辺部 7:保持部
7-1:長溝 7-2:突起部(揺動中心P)
8:下死点用の係止部 8-1:凹部
8-2:凸部 9:上死点用の係止部
9-1:凹部 9-1:凸部
11 :スリット

Claims (3)

  1. コンパスやデバイダのように針を有する製図用具において、
    前記針を有する針脚と、この針脚方向に揺動可能で且つ上下方向にスライド可能に具備される針カバーとの間に、前記針を被覆する前記針カバーの下死点位置と、前記針を露出させる前記針カバーの上死点位置との上下二点で交互に且つ係脱自在に係止させるための下死点用と上死点用の両係止部を設け
    この下死点用と上死点用の両係止部は、互いに嵌め合い係止する凸部と凹部からなり、その一方を前記針カバーに、もう一方を前記針脚側に設けていることを特徴とする製図用具。
  2. コンパスやデバイダのように針を有する製図用具において、
    前記針を有する針脚と、該針を被覆する横断面が略コの字状を呈する針カバーとの間に、該針カバーを上下方向にスライド可能で且つ前記針脚方向に揺動可能に保持させるための保持部を設け、
    さらに前記針脚と前記針カバーとの間に、前記針を被覆する下死点位置に前記針カバーをスライド前進させて該針カバーにおける揺動中心の前半部側を前記針脚方向に押圧揺動させたときに、前記針カバーを係脱自在に係止させるための下死点用係止部と、前記揺動中心の後半部側を前記針脚方向に押圧揺動させて前記針を露出させる上死点位置に前記針カバーをスライド後退させたときに、該針カバーを係脱自在に係止させるための上死点用係止部とを設け、
    下死点用と上死点用の前記両係止部は、互いに嵌め合い係止する凸部と凹部からなり、その一方を前記針カバー側に、もう一方を前記針脚側に設けていることを特徴とする製図用具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の前記針カバーは、弾性と適宜の剛性を有する材料から横断面が略コの字状に形成され、その揺動中心の前半部側における両側辺部に、下死点用の前記係止部の前記凸部と上死点用の前記係止部の前記凸部とをそれぞれを備え、且つ、前半部側におけるその下端から前記両側辺部を左右に分割するためのスリットを設けていることを特徴とする製図用具。
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