JP4033525B2 - 線状温度ヒューズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱機器などの異常温度を検知する線状温度ヒューズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱機器における異常温度検知は従来、素子状の温度ヒューズを用いて行われていたが、安全性の向上のために多数個の温度ヒューズを連結して用いることが多くなってきた。しかしながら、この方法では、温度ヒューズの使用量が増大して部品コストが上昇するばかりか、その連結加工にも多大な工数がかかるため作業コストも非常に高いものであった。このような問題に対しては、例えば、特開昭57−81695号公報や実開昭57−161713号公報などによって、線状の温度ヒューズが提案されたが、これらの線状温度ヒューズは検知の確実性や検知後の再結合の防止等の安全上の問題があり、実用化には至らなかった。
【0003】
そこで、当該出願人は、先に、これらの問題点を解決した線状の温度ヒューズを、特開平5−128950号公報、特開平6−181028号公報、特開平7−176251号公報、特開平9−129102号公報などで提案した。これらの提案によって線状温度ヒューズは、一部実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、従来の技術範囲で、検知の確実性や検知後の再結合の防止等の安全性を保ちつつ、許容電流値の増加、コストのさらなる低減などを実現しようとした場合には限界があった。つまり、例えば、当該出願人が特開平6−181028号公報で提案したような線状温度ヒューズにおいて、許容電流値を増加させようとすると、弾性芯上に多本数の線状導電体を引き揃えて横巻きしなければならず、製造装置の複雑化からコストが上昇してしまうととともに、要求される許容電流値によっては設計が不可能になってしまう場合があった。この際、線状導電体の径を太くしても許容電流値は増加するのであるが、この場合には、弾性芯上に線状絶縁体を横巻きする際、その巻付力が大きくなるため弾性芯が負けてしまい横巻きが不可能となってしまう。
【0005】
本発明はこのような従来の線状温度ヒューズが抱えていた問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安全性の保持、許容電流値の増加、コストのさらなる低減などを同時に達成することが可能な、例えば、熱機器などの異常温度検知に好適な線状温度ヒューズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明による線状温度ヒューズは、所定の温度で溶融する線状導電体と、所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体とが長さ方向に連続的に互いに絡み合った状態のヒューズコアを、絶縁体で連続的に被覆してなる線状温度ヒューズにおいて、前記線状絶縁体の所定の温度における長さ方向の収縮率が10%以上であり、且つ、前記線状導電体の長さ方向の軸と、前記線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角が10゜以上であることを特徴とするものである。
この際、所定の温度で溶融する線状導電体上に、所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を横巻きすることによってヒューズコアを形成することが考えられる。
又、所定の温度で溶融する線状導電体と所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を撚り合わせることによってヒューズコアを形成することが考えられる。
又、ヒューズコアと絶縁体との間に、溶融した線状導電体の流動を防止するための流動防止層を設けることが考えられる。
又、非溶融性繊維からなる250℃以下での最大収縮率が10%未満の線状絶縁体又はテープ状絶縁体を、ヒューズコア内に長手方向と略平行に配置するか、又は、ヒューズコアと絶縁体との間に長手方向と略平行に配置することが考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、所定の温度で溶融する線状導電体と所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を長さ方向に連続的に互いに絡み合った状態に形成してヒューズコアとしている。ここで、線状導電体と線状絶縁体を長さ方向に連続的に絡み合った状態に形成する手段としては、例えば、図1に示すように、線状導電体1上に線状絶縁体2を横巻きすることによる方法や、図2に示すように、線状導電体1と線状絶縁体2を撚り合わせることによる方法などが考えられる。尚、図1及び図2において、符号3は流動防止層、符号4は絶縁体をそれぞれ示しているが、これらについては後述するため、ここでの説明は省略する。
【0008】
所定の温度で溶融する線状導電体としては、例えば、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、銀、インジュウム等の低融点金属及びそれらの合金を線状に加工したものや、上記の低融点金属及びそれらの合金からなる繊維或いは粉末を所定の温度で溶融する有機物中に分散してなる混合物を押出成形等によって線状に加工したものなどが挙げられる。好ましくは、低融点金属及びそれらの合金を線状に加工したものが用いられる。又、線状導電体としては、内部にフラックスを充填したものを使用することも考えられ、この場合には、本発明によって得られる線状温度ヒューズの感度をより一層高めることができ特に好ましい。これらは市販品も多数見られるのでそれらを使用しても良い。
【0009】
所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体は、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール等の結晶性重合体を少なくとも10%程度含む樹脂組成物を原料とし、これを線状に成形加工した後、延伸する方法などによって得ることができる。延伸は、成形加工に続けて連続で行っても良いし、別工程で行っても良い。又、成形加工した後、延伸する前に架橋を施しても良い。
【0010】
この線状絶縁体は、結晶性重合体の融点付近の温度で長さ方向に収縮するものでるため、使用する結晶性重合体の種類や組み合わせは、本発明によって得られる線状温度ヒューズの使用条件、例えば、検知温度などを考慮して適宜に設定する。好ましくは、上述した線状導電体の溶融温度よりも50℃低い温度から50℃高い温度の範囲内で10%以上収縮するように設定することが望ましい。50℃を超えて低い温度では、通常の使用時に線状絶縁体が収縮してしまい、線状温度ヒューズの寿命が短くなり好ましくない。一方、50℃を超えた高い温度では、線状導電体が溶融しても相当高い温度になるまで線状絶縁体が収縮せず、線状温度ヒューズの感度が低下してしまい好ましくない。
【0011】
又、この線状絶縁体の所定の温度における長さ方向の収縮率が10%未満では、線状導電体を切断する力が不足し、優れた感度や確実な切断が得られないので好ましくない。この収縮率が大きければ大きい程、本発明によって得られる線状温度ヒューズの感度や安全性が向上するのであるが、その理由は、以下の通りである。
【0012】
まず、線状温度ヒューズが異常な高温にさらされると、線状導電体は所定の温度以上に加熱されて軟化又は溶融し、一方、線状絶縁体は所定の温度以上に加熱されて、その長さを縮めて直線状になろうとする。この際、線状導電体と線状絶縁体は長さ方向に連続的に互いに絡み合った状態となっているため、線状絶縁体の収縮力は、線状導電体と線状絶縁体が絡んでいる角度の方向に働いて線状導電体に加わることになり、その収縮力によって線状導電体が切断される。従って、線状絶縁体の収縮率が大きければ大きい程、線状導電体は切断され易くなり、線状温度ヒューズの感度や安全性が向上する。
【0013】
本発明においては、既に述べたように、所定の温度で溶融する線状導電体と所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を長さ方向に連続的に互いに絡み合った状態に形成してヒューズコアとしているのであるが、この際、例えば、図1及び図2に示すように、線状導電体の長さ方向の軸1aと、線状絶縁体の長さ方向の軸2aとがおりなす鋭角θが、好ましくは10゜以上、更に好ましくは20゜以上となるように設定することが望ましい。角度θが10゜よりも小さいと、ヒューズコアが所定の温度以上に加熱されて線状導電体が断線した時、線状絶縁体の収縮力が線状導電体の長さ方向で断線部分の向きにかかる割合が大きいため、断線部方向に線状導電体が引き寄せられる場合があり、この引き寄せられた線状導電体が重なり易く、導通してしまう可能性が高くなってしまう。
【0014】
このようにして得られたヒューズコアを、絶縁体で連続的に被覆することによって本発明の線状温度ヒューズが完成する。絶縁体の被覆は、従来より各種の方法が公知となっているので、それらの中から線状導電体が溶融する温度よりも低い加工温度を実現でき、製品となってからは溶融する温度でも絶縁性が失われない方法を適宜に採用すれば良い。好ましくは、線状導電体が溶融する温度及び線状絶縁体が収縮する温度よりも低い加工温度を実現できる方法を採用する。実例としては、線状導電体が溶融する温度及び線状絶縁体が収縮する温度によっても異なるが、例えば、120℃以下の加工温度を実現できる方法としては、ポリエチレンを融点程度の低い温度で押出被覆した後、電子線照射により架橋する方法や、各種の繊維材料で編組被覆した後、常温で乾燥する絶縁ワニスを塗布する方法などが考えられる。
【0015】
絶縁体は、ヒューズコアに完全に密着させず空間層を有した状態で被覆することが好ましい。空間層が無いと、検知の確実性が低下することがあり好ましくない。空間層を形成する手段としては、例えば、当業者間で公知のいわゆるチュービング押し出しによる方法、内面に突起を備えた形状の絶縁体を被覆する方法、多孔質テープや繊維層等のスペーサを中間層として設ける方法などが知られており、それらのいずれも適用可能である。
【0016】
本発明においては、線状導電体が断線した後の再結合をより一層効果的に防止するために、ヒューズコアと絶縁体との間に流動防止層を更に設けても良い。流動防止層としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維等の無機繊維や、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、フッ素系繊維等の有機繊維などの化学繊維材料を横巻及び/又は編組したものや、上記の化学繊維材料を集合させてテープ状に成形した、例えば、織布、不織布、縦添え集合体などを挙げることができる。これらの内のいずれの材料を使用して流動防止層としても良いが、生産性に優れ、安価な材料としては紙が好ましく、又、引張強度や耐熱性などを重視した場合には、ガラス繊維等の非溶融性繊維が好ましい。
【0017】
流動防止層を化学繊維材料の横巻き及び/又は編組によって構成した場合、横巻き及び/又は編組は粗いものであることが好ましい。目安としては、1インチ当たりのターン数又は編組目が5から15程度である。これらが密であると、上述した絶縁体と何ら変わらず、流動防止層としての特有の効果が発現しにくくなってしまう。
【0018】
流動防止層を、紙テープや、化学繊維材料を集合させてテープ状に成形したものなどによって構成した場合、これらのテープ状成形体は縦添えしたり、横巻きしたりすることによってヒューズコア上に形成されるのであるが、縦添えによった方がテープ状成形体の形成と同時に絶縁体を被覆することができるため、生産性が大幅に向上して好ましい。
【0019】
本発明においては、得られる線状温度ヒューズの引張強度を高めるために、ヒューズコア内、又は、ヒューズコアと絶縁体との間に、非溶融性繊維からなる250℃以下での最大収縮率が10%未満の線状絶縁体又はテープ状絶縁体を更に設けても良い。このような条件を備えた絶縁体を設けることにより、引張強度を10kgf以上まで高めることができる。非溶融性繊維としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維などが挙げられる。
【0020】
この線状絶縁体又はテープ状絶縁体をヒューズコア内に配置する手段としては、例えば、所定の温度で溶融する線状導電体と、上記の非溶融性繊維からなる線状絶縁体を引き揃え、それらの上に、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体を横巻きする方法、所定の温度で溶融する線状導電体、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体及び上記の非溶融性繊維からなる線状絶縁体を撚り合わせる方法、図3に示すように、上記の非溶融性繊維からなる線状絶縁体5を芯材とし、そこに、所定の温度で溶融する線状導電体1と所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2を撚り合わせる方法などが考えられる。
【0021】
又、この線状絶縁体又はテープ状絶縁体をヒューズコアと絶縁体との間に配置する手段としては、例えば、所定の温度で溶融する線状導電体上に、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体が横巻きされて形成されたヒューズコアに、上記の非溶融性繊維からなる線状絶縁体又はテープ状絶縁体を縦添え又は横巻きする方法が考えられる。図4は、所定の温度で溶融する線状導電体1上に、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2が横巻きされて形成されたヒューズコアに、上記の非溶融性繊維からなる線状絶縁体5を縦添えする方法の一例を示している。
【0022】
このようにして得られる本発明の線状温度ヒューズの使用方法は、各種用途において任意であるが、例えば、線状温度ヒューズを所定の長さに切断し、端末の絶縁体をストリップ加工して線状導電体を外部回路と接続するための端子と溶接などの方法で接続し、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体と絶縁体を一括してかしめることによって外部回路と接続し、任意の熱発生機器などに組み込むことなどが考えられる。
【0023】
この際、本発明の線状温度ヒューズが図3及び図4に示したように、非溶融性繊維からなる線状絶縁体を備えた構成のものである場合には、例えば、以下に示すような端末加工例1乃至端末加工例3が考えられる。それぞれ、図5乃至図7を参照して説明する。
【0024】
端末加工例1
図5に示すように、線状温度ヒューズを所定の長さに切断し、端末の絶縁体4をストリップ加工して非溶融性繊維からなる線状絶縁体5、線状導電体1、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2を絶縁体4の外周に沿って折り曲げ、一括して端子50の第1かしめ部51にてかしめ、リード線11の先端部より露出させた芯線12を第2かしめ部52にてかしめ、リード線11の絶縁体13を第3かしめ部53にてかしめる。
【0025】
このような端末加工例の場合には、次のような効果を得ることができる。つまり、非溶融性繊維からなる線状絶縁体5、線状導電体1及び所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2が絶縁体4の外周に沿って折り曲げられ、その状態でかしめられていることから、リード線11との接続部における引張強度を高めることができる。
【0026】
端末加工例2
図6に示すように、線状温度ヒューズを所定の長さに切断し、端末の絶縁体4をストリップ加工して非溶融性繊維からなる線状絶縁体5と所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2を絶縁体4の外周に沿って折り曲げ、一括して端子60の第1かしめ部61にてかしめ、線状導電体1とリード線11の先端部より露出させた芯線12を重ねて第2かしめ部62にてかしめ、リード線11の絶縁体13を第3かしめ部63にてかしめる。
【0027】
このような端末加工例の場合には、次のような効果を得ることができる。つまり、非溶融性繊維からなる線状絶縁体5と所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2が絶縁体4の外周に沿って折り曲げられ、その状態でかしめられていることから、リード線11との接続部における引張強度を高めることができる。更に、線状導電体1とリード線11の芯線12は、重合配置された状態でかしめられていることから、より確実な電気的接続状態を得ることができる。
【0028】
端末加工例3
図7に示すように、線状温度ヒューズを所定の長さに切断し、端末の絶縁体4をストリップ加工して非溶融性繊維からなる線状絶縁体5と所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2を絶縁体4の外周に沿って折り曲げ、線状導電体1は端子70に合わせて切断し、リード線11の先端部より露出させた芯線12を絶縁体4の内部に挿入し、非溶融性繊維からなる線状絶縁体5、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2、絶縁体4、線状導電体1、リード線11の芯線12を一括して端子70の第1かしめ部71にてかしめ、リード線11の絶縁体13を第2かしめ部72にてかしめる。
【0029】
このような端末加工例の場合には、次のような効果を得ることができる。つまり、非溶融性繊維からなる線状絶縁体5と所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体2が絶縁体4の外周に沿って折り曲げられ、その状態でかしめられていることから、リード線11との接続部における引張強度を高めることができる。更に、線状導電体1とリード線11の芯線12は、線状温度ヒューズの絶縁体4の内部で電気的に接続された状態となっており、導電部の露出が少ないことから、接続部における絶縁性能が向上する。
【0030】
尚、これらの端末加工例はあくまで一例であり、これ以外の方法によっても何ら問題はなく、又、使用する端子の形状も図示したものに限定されない。更に、この接続部には、絶縁性能の向上や機械的な保護を目的として、編組チューブ、プラスチックチューブ、ゴムチューブ等を被覆しても良い。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明の内容を更に詳細に説明する。
【0032】
実施例1
まず、錫63%、鉛37%を含有する外径1.2mmの半田線(融点184℃)からなる線状導電体上に、市販のポリアミド6の糸からなり、長さ方向の収縮率が30%である外径0.4mmの線状絶縁体をピッチ5mmで連続的に横巻きしてヒューズコアを形成した。この際、線状導電体の長さ方向の軸と線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角は37゜となった。次に、ヒューズコアの周上に、絶縁体として、市販の難燃性ポリエチレンコンパウンドを内径2.2mm、外径3.2mmとなるように連続的に押出被覆した後、80kGyの電子線を照射して架橋させた。
【0033】
実施例2
線状導電体として、錫63%、鉛37%を含有する外径1.2mmのフラックス入り半田線(フラックス径0.5mm、融点184℃)を使用した他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。
【0034】
実施例3
実施例2と同様のヒューズコアを使用し、その直上に約100番手のガラス繊維を用いて、16打ち、密度8目/インチ編組仕様の流動防止層を設けた他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。尚、絶縁体は、内径2.4mm、外径3.5mmとなるように押出被覆した。
【0035】
実施例4
線状導電体として、錫43%、鉛43%、ビスマス14%を含有する外径1.2mmのフラックス入り半田線(フラックス径0.4mm、融点163℃)を使用するとともに、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体として、長さ方向の収縮率が62%である外径0.4mmの市販のポリプロピレン糸を使用した他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。
【0036】
実施例5
実施例4と同様のヒューズコアの直上に、幅7.0mm、厚さ0.05mmの紙テープを縦添成形して流動防止層を設けた他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。尚、絶縁体は、内径2.2mm、外径3.4mmとなるように押出被覆した。
【0037】
実施例6
錫51.2%、鉛30.6%、カドミウム18.2%を含有する外径1.0mmのフラックス入り半田線(フラックス径0.4mm、融点145℃)からなる線状導電体と、市販の塩化ビニリデンの糸からなり、長さ方向の収縮率が58%である外径0.7mmの線状絶縁体を撚り合わせることによってヒューズコアを形成した他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。この際、線状導電体の長さ方向の軸と線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角は20゜となった。
【0038】
実施例7
所定の温度で溶融する線状絶縁体として、未架橋のポリアミド12を使用した他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。線状絶縁体は、以下に示す方法で得たものである。まず、ポリアミド12(融点176℃)を外径0.6mmの紐状に押出成形し、次いで、200℃の熱風炉に通して加熱し充分に軟化させた後、即座に外径0.4mmになるまで張力をかけて長手方向に引き延ばし、その状態で直ちに冷却した。このようにして得られた線状絶縁体の長さ方向の収縮率は50%であった。
【0039】
実施例8
実施例1と同様のヒューズコアを使用し、絶縁体を押出被覆する際、同時に、非溶融性繊維からなる線状絶縁体として、外径1.0mmのガラス芯を縦添えした。次に、ヒューズコアの周上に、絶縁体として市販の難燃性ポリエチレンコンパウンドを内径3.2mm、外径4.3mmとなるように連続的に押出被覆した後、120kGyの電子線を照射して架橋させた。
【0040】
比較例1
錫63%、鉛37%を含有する外径1.2mmの半田線(融点184℃)からなる線状導電体1に、市販のポリアミド6糸からなる外径0.4mm、長さ方向の収縮率30%の線状絶縁体2をピッチ26mmで連続的に横巻きしてヒューズコアを形成した。この際、線状導電体の長さ方向の軸と線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角は8゜となった。次に、ヒューズコアの周上に、絶縁体として、市販の難燃性ポリエチレンコンパウンドを内径2.2mm、外径3.2mmとなるように連続的に押出被覆した後、80kGyの電子線を照射して架橋させた。
【0041】
比較例2
所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体として、長さ方向の収縮率が7%である外径0.4mmの市販のポリエチレン糸を使用した他は、実施例1と同様にして線状温度ヒューズを製造した。
【0042】
ここで、このようにして製造された10種類の線状温度ヒューズの特性を評価するために、感度、再結合性、高温保存性、引張強度及び許容電流値について、それぞれ試験を実施した。結果は表1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0004033525
【0044】
試験方法は以下の通りである。
感度
線状温度ヒューズに250℃の熱風を当てて、線状導電体が断線するまでの時間を測定した。
再結合性
線状導電体が断線した線状温度ヒューズに電球を直列に接続し、これを250℃の熱風を当てた状態で上下左右に振って電球のチャタリングの有無(再結合の有無)を観察した。
高温保存性
線状温度ヒューズを110℃に保持された恒温槽中に700時間放置した後取り出し、250℃の熱風を当てて、線状導電体が断線するまでの時間を測定した。
許容電流値
断熱状態の線状温度ヒューズに所定電流を流し、温度上昇が5degになった電流値を測定し、許容電流値とした。尚、許容電流値は、従来の線状温度ヒューズ(特開平6−181028号公報に開示されたもので、線状導電体として外径0.6mmのフラックス入り半田線を2本使用したもの)の許容電流値(1.0A程度)と比較することによって評価した。
引張強度
線状温度ヒューズの両端を固定し、導通を確認しながら300mm/minの速度で長手方向に引っ張り、断線したときの強度を測定した。
【0045】
表1の結果によれば、本実施例による線状温度ヒューズは、いずれも、優れた感度を示しており、高温雰囲気に長時間さらされた後も、その感度を維持していいる。その中で、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体のみが異なる構造となっている実施例1と実施例7を比較すると、収縮率が20%高い線状絶縁体を使用している実施例7の方が優れた感度を示している。又、本実施例による線状温度ヒューズは、断線した後も、溶融した線状導電体によって再結合を起こしていないとともに、許容電流値についても、従来の線状温度ヒューズと比べて2倍程度高くなっている。更に、ヒューズコアと絶縁体との間に非溶融性繊維からなる線状絶縁体(ガラス芯)を配置した実施例8は、引張強度が15.2kgfと極めて高い値を示している。
【0046】
一方、線状導電体の長さ方向の軸と線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角θが本発明の範囲(10゜以上)を満足していない比較例1は、断線した線状導電体が再結合を起こしている。又、線状絶縁体の収縮率が本発明の範囲(10%以上)を満足していない比較例2は、線状導電体が断線しなかった。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明にれば、従来品に比べて単純な構造でありながら、許容電流値の高い線状温度ヒューズを得ることができる。また、検知の確実性については、所定の温度で溶融する線状絶縁体の収縮力によって線状導電体を機械的に切断する動作機構を備えているために十分に確保されている。従って、これからの各種熱機器の安全性の向上や安全設計の単純化などに著しい効果があるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、線状導電体上に所定の温度で溶融する線状絶縁体を横巻きすることによってヒューズコアを形成した線状温度ヒューズの一部切欠斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で、線状導電体と、所定の温度で溶融する線状絶縁体を撚り合わせることによってヒューズコアを形成した線状温度ヒューズの一部切欠斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で、非溶融性繊維からなる線状絶縁体をヒューズコア内に配置した線状温度ヒューズの一部切欠斜視図である。
【図4】本発明の一実施例を示す図で、非溶融性繊維からなる線状絶縁体をヒューズコアと絶縁体との間に配置した線状温度ヒューズの一部切欠斜視図である。
【図5】本発明の線状温度ヒューズの端末加工例1を示す斜視図である。
【図6】本発明の線状温度ヒューズの端末加工例2を示す斜視図である。
【図7】本発明の線状温度ヒューズの端末加工例3を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…所定の温度で溶融する線状導電体
1a…所定の温度で溶融する線状導電体の長さ方向の軸
2…所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体
2a…所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体の長さ方向の軸
3…流動防止層
4…絶縁体
5…非溶融性繊維からなる線状絶縁体
θ…所定の温度で溶融する線状導電体の長さ方向の軸と、所定の温度で長さ方向に収縮する線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角

Claims (5)

  1. 所定の温度で溶融する線状導電体と、所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体とが長さ方向に連続的に互いに絡み合った状態のヒューズコアを、絶縁体で連続的に被覆してなる線状温度ヒューズにおいて、前記線状絶縁体の所定の温度における長さ方向の収縮率が10%以上であり、且つ、前記線状導電体の長さ方向の軸と、前記線状絶縁体の長さ方向の軸とがおりなす鋭角が10゜以上であることを特徴とする線状温度ヒューズ。
  2. 所定の温度で溶融する線状導電体上に、所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を横巻きすることによってヒューズコアを形成したことを特徴とする請求項1記載の線状温度ヒューズ。
  3. 所定の温度で溶融する線状導電体と所定の温度で長さ方同に収縮する線状絶縁体を撚り合わせることによってヒューズコアを形成したことを特徴とする請求項1記載の線状温度ヒューズ。
  4. ヒューズコアと絶縁体との間に、溶融した線状導電体の流動を防止するための流動防止層を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の線状温度ヒューズ。
  5. 非溶融性繊維からなる250℃以下での最大収縮率が10%未満の線状絶縁体又はテープ状絶縁体を、ヒューズコア内に長手方向と略平行に配置するか、又は、ヒューズコアと絶縁体との間に長手方向と略平行に配置したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の線状温度ヒューズ。
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