JP4342443B2 - コード状温度ヒューズと面状温度ヒューズ - Google Patents

コード状温度ヒューズと面状温度ヒューズ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、異常な高温に一部分でも晒されることにより断線し、異常温度を検知することができるコード状温度ヒューズと面状温度ヒューズに係り、特に熟老化後においても良好な断線時間を得ることができ、優れた動作信頼性を有しているものに関し、その用途としては、例えば、冷蔵庫、エアコン室内外機、衣類乾燥機、ジャー炊飯器、ホットプレート、コーヒーメーカ、温水器、セラミックヒータ、石油ヒータ、自動販売機、温熱布団、床暖房パネルヒータ、複写機、ファクシミリ、食器洗浄機、フライヤ等が考えられる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平6−181028号公報には、弾性芯上に所定の温度で溶融する導電体を横巻きした中心材上に空間層及び絶縁被覆層を設け、両端に端子を使ってリード線を接続し、高温で導電体が溶融するとリード線間の導通が無くなることにより異常を検知するコード状の温度ヒューズが開示されている。
【0003】
又、特開平7−306750号公報にも同様の構成をなすコード状の温度ヒューズが開示されている。
【0004】
又、特開2000−231866号公報には、芯材上に所定の温度で溶融する金属線を一定の間隔で横巻きしたコア線を、ガラス編組スリーブ上へシリコーンゴムを押出被覆した保護チューブ内へ挿通した構造のコードの状温度ヒューズが開示されている。
【0005】
これらのコード状温度ヒューズにおいては、導電体又は金属線にフラックス加工を施すことにより、導電体又は金属線の流れ性を向上させて検知精度を向上させる手法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のコード状温度ヒューズにおいては、昨今の燃焼装置の高集積化により、長期使用時の熱環境が一層厳しくなっていることから、フラックスの熱老化が促進されたり、導電体の性質が熱の影響を受け、信頼性が低下する、すなわち、熱老化後において良好な断線時間を得ることができなくなってしまうことが予想される。
そして、今後、一層高信頼性の製品を求められているが、例えば、特開2000−231866号公報に開示されているコード状温度ヒューズでは、通常、機械的強度が低く、外装として補強手段を必要とするシリコーンゴム材料のみを解決手段としており、燃焼装置内の金属備品のエッジ等による裂け等によって、保護チューブが損傷を受け、水分の浸入による漏電や排気ガスの浸入によるフラックスの老化促進の懸念が一層高まっているものである。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、異常な高温に一部分でも晒されることにより断線して異常温度を確実に検知することができるとともに、特に熱老化後においても良好な断線時間を得ることが可能なコード状温度ヒューズと、同様な特徴を有する面状温度ヒューズを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるコード状温度ヒューズは、 長手方向に連続した絶縁性芯材上に所定の温度で溶融する導電体が巻装されてなるヒューズコアと、上記ヒューズコアの外周側に被覆される絶縁被覆と、を具備してなるコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁性芯材を所定の温度にて膨張させると共に上記絶縁被覆を上記所定の温度にて熱分解で収縮させることにより上記導電体を断線するようにする、又は、上記絶縁被覆を上記所定の温度にて熱分解で収縮させることにより上記導電体を断線するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2によるコード状温度ヒューズは、請求項1記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁性芯材は、その外面に長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上の突起を有していることを特徴とするものである。
又、請求項3によるコード状温度ヒューズは、請求項1又は請求項2記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁被覆は、その内面に長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上の突起を有していること特徴とするものである。
又、請求項4によるコード状温度ヒューズは、請求項1記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁被覆の内周側には別の線状又は編組状絶縁体が配置されていて、上記導電体は長手方向の少なくとも一部において上記絶縁性芯材と上記線状又は編組状絶縁体との間に挟まれた構成となっていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるコード状温度ヒューズは、請求項4記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記線状又は編組状絶縁体は、上記導電体の溶融温度付近で長手方向に収縮する性状を有していることを特徴とするものである。
又、請求項6によるコード状温度ヒューズは、請求項4記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記線状又は編組状絶縁体は、上記導電体の溶融温度付近で周方向に膨張する性状を有していることを特徴とするものである。
又、請求項7によるコード状温度ヒューズは、請求項1〜請求項6の何れかに記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁性芯材は、気体を包含した材料を構成要素としたものから構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるコード状温度ヒューズは、請求項7記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記絶縁性芯材は、中心の抗張力体の周上に、気体を包含した材料を被覆したものから構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による面状温度ヒューズは、平面上に蛇行状態に配設された請求項1〜請求項8の何れかに記載のコード状温度ヒューズと、上記コード状温度ヒューズの配設状態を固定する手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0009】
以上本発明によれば、圧縮力がかからないところでも、異常高温によって確実に断線し、しかも断線後にも溶融した導電体などによって再接触を起こさず、誤動作を招かないコード状温度ヒューズと、同様な特徴を有する面状温度ヒューズを得ることができる。
又、これらの温度ヒューズは、実使用状況でフラックス機能の失効による動作信頼性の防止だけではなく、導電体の熱酸化による表面酸化皮膜生成といったコード状温度ヒューズの老化後の動作信頼性も更に向上する。
しかも、従来の温度ヒューズ組立品と比べて構造的に大きな変化はないので、従来通りの価格で各種熱機器の安全装置として幅広く利用することができ、極めて有用なものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、第1図、第2図、第5図を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
まず、絶縁性芯材としての弾性芯1があり、この弾性芯1は気体を包含した構成要素からなっているものであって、中心の抗張力体1aの外周上に気体を包含した弾性体1bが被覆された構造になっている。上記弾性芯1の外周には導電体3が巻装されている。又、上記導電体3の外周側にはガラス編組からなる空間層5が設けられているとともに、その外周側には絶縁被覆7が被覆されている。
尚、上記抗張力体1aは、実際には、第2図に示すように、複数本の繊維束を束ねた構成になっているが、第1図では模式的に円形として示しているものである。
【0011】
上記弾性芯1と導電体3とによってヒューズコア9を構成しているものである。又、上記弾性芯1の弾性体1bの内部には、第2図に示すように、複数個の密閉空間11が形成されていて、該密閉空間11内には気体13が封入されている。
【0012】
上記抗張力体1aは、コード状温度ヒューズの引張強度や屈曲性等を向上させる機能を備えており、具体的な材料としては、公知の繊維材料等を用いることが考えられる。
【0013】
上記弾性体1bは、一般的なエラストマー材料等から構成された弾性体の内部に定形若しくは不定形の密閉された空間11が、好ましくは少なくともその一部において形成された構造物となっており、例えば、独立気孔を有した発泡弾性体、部分的に発泡した弾性体、長手方向に連続した穴を有する弾性体に後加工で密閉空間11を形成したもの等が挙げられる。
【0014】
このような弾性体1bを形成する手段としては公知の方法を採用することができる。例えば、弾性体1bを構成するエラストマー材料中に有機発泡剤や無機発泡剤を配合し、これを加熱して発泡させることにより独立気孔を有した発泡弾性体を作る方法、エラストマー材料を押出成形する際に、ガスを注入して発泡した弾性体を作る方法、エラストマー材料中に熱老化によって昇華材料粉末等を添加することによって部分的に発泡した弾性体を作る方法、エラストマー材料を異形押出して長手方向に連続した穴を有する弾性体を作製しておき、後工程において、導電体3を巻装する際のテンションを利用して一定ピッチ毎に長手方向に連続した穴を閉じて密閉空間11を形成する方法等が考えられる。
【0015】
上記弾性芯1の断面形状は特に制限されないが、好ましくは、第2図に示すように、放射方向に複数個(この実施の形態の場合には6個)の突起15を有する断面形状が望ましい。これには通常の多角形の他、星型のような形状も含まれる。又、星型、多角形は、一般的にはっきりした角を持つ形状であるが、角が丸く潰れた形状であっても良い。これらは円形断面の場合に比べて導電体3が弾性芯1に食い込み易く、導電体3が溶融したときにより速やかに切れるため好ましい。断面形状を多角形とした場合には、導電体3の食い込み易さから6角形以下が好ましく選ばれる。
【0016】
上記導電体3としては、例えば、低融点合金及び半田からなる群より選ばれた金属細線や、金属微粉末、金属酸化物、カーボンブラックをオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂といった熱可塑性樹脂に高密度に充填して作製した導電樹脂から成形加工された線などを用いることができる。導電体3の線径としては、一般的な横巻機械によって弾性芯に巻回し可能な0.04mmφ以上0.8mmφ以下程度が好ましい。
【0017】
尚、導電体3として、フラックス加工を施したものを用いても良い。加工方法としては、導電体3の中央部にフラックスを入れる方法や、導電体3の表面にフラックスを塗布する方法などが挙げられる。フラックスは一般的に用いられているロジン樹脂系フラックスで良く、少量の活性剤を含有したものであっても良い。
【0018】
この導電体3を弾性芯1上に少なくとも導電体3がずれない程度のテンションで巻回して、ヒューズコア9とする。導電体3が巻回されるピッチは、好ましくは線径の1.5倍以上、更に好ましくは2倍以上15倍以下とする。又、何本かの導電体3を引き揃えるか、撚り合わせたものを巻回する集合横巻を行っても良い。
【0019】
このようにして得られたヒューズコア9に空間層5を介して絶縁被覆7を施すことによって本実施の形態によるコード状温度ヒューズが完成するものである。
【0020】
上記絶縁被覆7は、従来、各種の方法が公知となっているため、それらの中から、導電体3が溶融する温度よりも低い加工温度を実現できる方法を適宜に採用すれば良い。例えば、比較的低温で加工できるエチレン系共重合体などの熱可塑性ポリマーやエチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムイソプレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムなどを主体とした組成物を電子線架橋、シラン架橋などの低温でできる架橋法で架橋して形成する方法、常温付近で押出加工することができ、比較的低温で架橋できるシリコーンゴムを使用して形成する方法、各種の繊維材料で編組被覆した後、常温で乾燥する絶縁ワニスを塗布して形成する方法等が考えられる。特にシリコーンゴムを用いた場合には、絶縁被覆7の機械強度を高めるため、外装に編組を施しても良い。又、絶縁被覆7としては、上記したような押出加工によって設けるだけではなく、別途チューブ状の絶縁被覆7を成形しておき、そこにヒューズコア9に空間層5を設けたものを後から挿入するような構成でも良い。絶縁被覆7の厚さは、電気絶縁性、機械的強度等の必要特性が満たされるものであれば、薄肉の方が熱に対する感度が増して好ましい。
【0021】
尚、絶縁被覆7はヒューズコア9に密着させず、本実施の形態のように、空間層5を有した状態で被覆することが好ましい。これは、空間層5を設けることにより、異常温度検知後の導電体3の再結合をより効果的に防止することができるとともに、絶縁被覆7を施す際の熱から導電体3を保護することができるからである。
【0022】
上記空間層5を形成する手段としては、例えば、ヒューズコア9の周上にチュービング押出しの手法で絶縁被覆7を施す方法、ヒューズコア9の周上に内面に突起を備えた形状の絶縁被覆を押出被覆する方法、スペーサを設ける方法などが知られている。これらは、当該出願人の出願による特開平5−128950号、特開平6−181028号、特開平7−176251号、特開平9−129102号、特開平10−223105号などにも詳細に記載されているので、それらのいずれを採用しても良い。
【0023】
次に、この第1の実施の形態における幾つかの実施例を示す。
(実施例1)
まず、以下のようにして弾性芯1を製造した。外径約0.7mmのガラスコードにシリコーンワニス処理を施してなる抗張力体1aの周上に、シリコーンゴム100重量部、発泡剤(AIBN)1重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたシリコーンゴムを内接円1.6mm、外接円1.8mmの放射状6突起断面となるように押出被覆し、同時に熱空気架硫を施してシリコーンゴムを発泡させ、独立気孔を有した発泡弾性体1bを形成した。
【0024】
次に、この弾性芯1の角に、中央部にフラックスが封入された0.6mmφの共晶半田線(融点183℃)からなる導電体3を2本引き揃えてピッチ8.5mmで横巻きした。その後、繊維径約9μmの無アルカリガラスフィラメントを撚り合わせて約70番手とした繊維束を、16打の製紐機で編組密度約17/25mmで編組して空間層(ガラス編組)5を形成した。最後に、絶縁被覆7としてエチレン系共重合体混合物を肉厚0.5mm、押出温度150℃の条件で押出被覆し、その後、電子線を照射して架橋を施した。
【0025】
ここで、このようにして製造されたコード状温度ヒューズを全長約20cmに切断し、その両端約1cm部分の絶縁被覆7と空間層(ガラス編組)5を除去し、公称断積0.5mmのリード線100mmを圧着端子を介して接続してコード状温度ヒューズ組立品を作製した。
【0026】
このようにして得られたコード状温度ヒューズに関して、次の試験1、試験2を夫々実施した。
【0027】
試験1 初期動作温度
試験方法
まず、製造したコード状温度ヒューズ組立品のコード状温度ヒューズ部分が中央部に来るように、内径4.0mm、長さ約15cmのガラス繊維編組チューブに挿入した。次いで、リード線の両端に100V交流電源から白熱電球を用いた外部負荷で、0.1A程度の電流を流した。そして、常温から昇温速度10℃/minで中央部分を加熱し、導電体3が断線するときの温度を測定した。
【0028】
試験2 フラックス失効後の動作温度
試験方法
まず、製造したコード状温度ヒューズ組立品を、158℃の熱風循環式恒温槽に384時間投入して、促進熱老化を行い、フラックスを熱分解・除去した。次に、熱処理したコード状温度ヒューズ組立品のコード状温度ヒューズ部分が中央部に来るように内径4.0mm、長さ約15cmのガラス繊維編組チューブに挿入し、リード線の両端に100V交流電源から白熱電球を用いた外部負荷で、0.1A程度の電流を流した。そして、初期温度約250℃、昇温速度10℃/minで中央部分を加熱し、導電体3が断線するときの温度を測定した。
【0029】
そして、これら試験1、試験2の結果を第5図に示す。
(実施例2)
発泡剤(AIBN)の添加量を2重量部としたシリコーンゴムを用いて独立気孔を有した発泡弾性体1bを形成した。その他は前記実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。そして、実施例1と同様に試験を行い、その結果を第5図に併記した。
【0030】
(実施例3)
導電体3として、フラックス加工を施していない0.6mmφの共晶半田線を用いた。その他は前記実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様に試験を行い、その結果を第5図に併記した。
【0031】
(実施例4)
外径約0.7mmのガラスコードにシリコーンワニス処理を施してなる抗張力体1aの周上に、シリコーンゴム100重量部、ポリアセタールホモポリマー粉末(100メッシュ篩通過粒度品)3重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたシリコーンゴムを内接円1.6mm、外接円1.8mmの放射状6突起断面となるように押出被覆し、同時に熱空気架硫を施して弾性体1bを形成した。それ以降は、前記実施例1と同様の方法でコード状温度ヒューズを製造した。この段階で、弾性芯1は、ポリアセタールホモポリマー粉末を分散含有したシリコーンゴム弾性芯であり、内部に気孔を有していない。
尚、前記の試験1については、この状態のコード状温度ヒューズで実施をした。
【0032】
引き続き、前記実施例1と同様にコード状温度ヒューズ組立品を作製した。次に、コード状温度ヒューズ組立品を、158℃の熱風循環式恒温槽に384時間投入して促進熱老化を行い、老化後の状況を再現した。ここで、弾性芯は、ポリアセタールホモポリマー粉末が熱によって昇華して独立気孔を有した発泡弾性体1bを形成する。
尚、本実施例については、この状態のコード状温度ヒューズについて、300℃から10℃/minずつ昇温加熱し、断線する温度を試験2の結果とした。試験1、試験2の結果を第5図に併記した。
【0033】
(実施例5)
絶縁被覆として、エチレン系共重合体混合物に代えてエチレンプロピレンゴム混合物を使用し、押出温度130℃の条件で押出被覆した。その他は、前記実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様に試験を行い、結果を第5図に併記した。
【0034】
(比較例1)
発泡剤を全く添加しないシリコーンゴムを用いて弾性芯を形成するとともに、導電体としてフラックス加工を施していない0.6mmφの共晶半田線を用いた。その他は前記実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。そして、前記実施例1と同様な試験を行い、その結果を第5図に併記した。
【0035】
(比較例2)
発泡剤を全く添加しないシリコーンゴムを用いて弾性芯を形成するとともに、導電体として中央部にフラックスを封入した0.6mmφの共晶半田線を用いた。その他は前記実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。そして、前記実施例1と同様な試験を行い、その結果を第5図に併記した。
第5図の試験結果によれば、初期動作温度は、何れも導電体3の融点(183℃)であることが判る。
【0036】
又、フラックス失効後の動作温度を見ると、抗張力体1aとその周上に被覆された気体を包含した弾性体1bを弾性芯1の構成要素とした本実施例のコード状温度ヒューズは、従来のコード状温度ヒューズ(比較例2)と比べて、動作温度が低下していることが判る。又、実施例2及び実施例4のように独立気孔をより多くしたものは、実施例1及び実施例5より、動作温度が低下していることが判る。
【0037】
尚、フラックス加工を施していない導電体3を用いた実施例3のコード状温度ヒューズは、フラックス加工を施した導電体3を用いた実施例1、実施例2、実施例4及び実施例5のコード状温度ヒューズと比較して動作温度が上昇しているが、これは、導電体3に占める導電体部分がフラックス加工を施していないものよりも多いからであると思われる。同様に比較例1と比較例2のコード状温度ヒューズと比較して動作温度が上昇していることが判る。
【0038】
次に、第3図を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態における空間層(ガラス編組)5を除去した構成をなすものである。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0039】
又、この第2の実施の形態における実施例についても、実施例6として実施例1と同様の試験1、試験2を行い、その結果を第5図に併記する。
第5図の試験結果によれば、初期動作温度は、導電体3の融点(183℃)であることが判る。
【0040】
又、フラックス失効後の動作温度を見ると、抗張力体1aとその周上に被覆された気体を包含した弾性体1bを弾性芯1の構成要素とした本実施例のコード状温度ヒューズは、従来のコード状温度ヒューズ(前記、比較例2)と比べて、動作温度が低下していることが判る。
【0041】
次に、第4図を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。第4図に示すように、前記第1の実施の形態におけるコード状温度ヒューズを蛇行状態に配設して、例えば、特公昭62−44394号公報に示された方法によって、面状温度ヒューズを製造したものである。図中の符号21は、片面に離形紙23を有する両面粘着紙であり、符号25は前記両面粘着紙21の上面に蛇行状態に配設されたコード状温度ヒューズである。更に、符号27は前記コード状温度ヒューズ25の全体を覆う金属箔であり、この金属箔27は前記両面粘着紙21と接着固定されている。
【0042】
又、両面粘着紙21としてアクリル系粘着紙を用い、金属箔27としては、厚さ100μmのアルミニウム箔を用いた。
尚、特公昭62−44394号公報に準じて行ったので、金属箔27及び両面粘着紙21を用いたが、この公報に準じない方法で製造しても良く、又この公報の製造方法において、他の材料、例えば金属箔の代わりにプラスチックフィルムを使用しても良い。
【0043】
このようにして製造された面状温度ヒューズを厚さ0.5mmの鉄製のパネルに張り付け、パネルを垂直に立てた。パネルの裏側には市販の壁紙を張り付けた。この状態で、面状温度ヒューズに0.5Aの電流を流しながらバーナーの外炎が触れる程度まで近づけ、温度ヒューズの導電体が断線するまでこの状態を保った。その後、面状温度ヒューズは熱を検知し断線した。断線後にパネルの裏側の壁紙には、炭化等の変化も見られず、温度ヒューズが有効に機能したことが判った。
【0044】
次に、第6図及び第7図を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この実施の形態において使用される絶縁性芯材101は、中心の抗張力体101aの周上に、気体を包含した高分子弾性材101bが被覆された構造になっている。上記絶縁性芯材101の外周には導電体103が巻装されている。絶縁性芯材101と導電体103とによってヒューズコア105を構成している。又、上記ヒューズコア105の外周には絶縁被覆107が被覆されている。上記絶縁被覆107は内面の長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上(この実施の形態の場合には6個)の突起109を有している。
【0045】
上記絶縁性芯材101としては、導電体103の溶融度付近で非溶融であり、且つ、周方向に膨張する性状を有した材料を構成要素としたものから構成されていて、例えば、導体の上に熱可塑性高分子、熱硬化性高分子などを押出成形した電線のように各種の金属線に絶縁処理を施したものや、合成繊維、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子などを塑性押出成形した各種高分子材料からなる線状体や、セラミック繊維、ガラス繊維など各種無機材料からなる線状体などが挙げられる。これらは、単独で用いても良いが、複数を引き揃えたり、撚り合わせたり、異なるものを組み合わせて複合的に用いても良い。
【0046】
これらの中でも、本実施の形態の場合には、上記したように、中心の抗張力体101aの周上に、気体を包含した高分子弾性材101bが被覆された構造になっていて、機械的強度を高めることが適切にでき、且つ、気体を包含した高分子弾性材101bの膨張度合いを任意に制御できる構成になっている。
【0047】
上記抗張力体101aは、本実施の形態によって得られるコード状温度ヒューズの引張強度や屈曲性などを向上させる目的で使用することができる。抗張力体101aとしては、従来公知の繊維材料を用いれば良い。
【0048】
気体を包含した上記高分子弾性材101bとは、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、各種熱可塑性エラストマー(TPE)などの一般的なエラストマー材料などから構成された弾性材の内部に定形若しくは不定形の密閉された空間が、好ましくは少なくともその一部において形成された構造物のことである。例えば、独立気孔を有した発泡弾性材、部分的に発泡した弾性材、長手方向に連続した穴を有する弾性材に後加工で密閉空間を形成したものなどが挙げられる。
【0049】
このような高分子弾性材101bを形成する手段としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、弾性材を構成するエラストマー材料中に有機発泡剤や無機発泡剤を配合し、これを加熱して発泡させることにより独立気孔を有した発泡弾性材を形成する方法、エラストマー材料を押出成形する際に、ガスを注入して発泡した弾性材を作る方法、エラストマー材料中に熱老化によって昇華してしまう材料粉末などを配合することによって、部分的に発泡した弾性材を形成する方法、エラストマー材料を異形押出成形して長手方向に連続した穴を有する弾性材を作製し、後工程において、後述する導電体を巻装する際のテンションを利用して長手方向に連続して空いた穴を閉じて密閉空間を形成する方法などが挙げられる。
【0050】
上記導電体103としては、例えば、低融点合金及び半田からなる群より選ばれた金属細線や、金属微粉末、金属酸化物、カーボンブラックをオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂といった熱可塑性樹脂に高密度に充填して作製した導電樹脂から成形加工された線などを用いることができる。又、導電体103の線径としては、一般的な横巻機械によって弾性材に巻回可能な0.04mmφ以上2.0mmφ以下程度が好ましい。
【0051】
上記導電体103を絶縁性芯材101に少なくとも導電体103がずれない程度のテンションで巻回して、ヒューズコア105とする。絶縁性芯材101に気体を包含した高分子弾性材101bを選択した場合には、導電体103を、十分に絶縁性芯材101に食い込ませることができるので、より好ましい。導電体103が巻回されるピッチとしては、線径の1.5倍以上が好ましく、更に好ましくは2倍以上15倍以下が望ましい。又、何本かの導電体細線を引き揃えるか、又は撚り合わせたものを巻回する集合横巻を行っても良い。
【0052】
このようにしてして得られたヒューズコア105に絶縁被覆107を施すことによって、本実施の形態によるコード状温度ヒューズが完成する。本実施の形態では、既に説明したように、絶縁被覆107として、内面の長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上(この実施の形態の場合には6個)の突起109を有したものを使用する。このような突起109を設けるのは以下の理由による。
【0053】
つまり、絶縁性芯材101が何らかの異常で加熱され周方向に膨張した際、絶縁性芯材101に巻装された導電体103が絶縁被覆107の内面に設けられた突起109との間で挟まれ、溶融又は溶融間際の導電体103をその押圧力によって、より確実に断線されるからである。
尚、突起109を成形することによって、以下のような副次的な効果も得られる。つまり、ヒューズコア105と絶縁被覆107の間に所定の空隙を形成することができるため、異常温度を検知して導電体103が溶融断線した後に、再加熱され導電体103が再結合するのを効果的に防止することができる。
【0054】
この絶縁被覆107は、従来、各種の方法が公知となっているため、それらの中から、導電体103が溶融する温度よりも低い温度で加工できる方法を採用すれば良い。例えば、比較的低温で加工できるエチレン系共重合体などの熱可塑性ポリマーや、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴムといった合成ゴムなどを電子線架橋などの低温できる架橋法で架橋して形成するか、常温付近で押出加工でき、比較的低温で架橋できるシリコーンゴムを使用して形成する。特にシリコーンゴムを用いた場合は、絶縁被覆107の機械的強度を高めるため、外装に編組を施しても良い。又、絶縁被覆107としては、上記したような押出加工によって設けるだけではなく、別途チューブ状の絶縁被覆107を成形しておき、そこにヒューズコア105を後から挿入するような構成でも良い。上記絶縁被覆107の厚さは、電気絶縁性、機械的強度等の必要特性が満たされるものであれば、薄肉の方が熱に対する感度が増して好ましく、又、周方向に対する突起109の大きさは、再結合を防止する必要特性が満たされるものであれば、小さい方が熱に対する感度が増して好ましい。
【0055】
そして、本実施の形態によれば、絶縁性芯材101が温度上昇によって周方向に膨張して導電体103を絶縁被覆107の内面の突起109に押し付けるような動作をするため、この動作によって溶融時又は溶融間際の導電体103はより容易に確実に断線することになる。従って、熱老化等によって、フラックスが本来有する機能(検知精度を向上させる機能)が低下してしまった場合においても良好な断線時間を得ることができる。更に、長期の使用によって、導電体103の表面に酸化物の生成等による変質が起こり溶融断線し難くなった場合にも有効である。又、部品構造は、従来と変わりなく、複雑な構造ではないので、コストパフォーマンスの良い製品が実現できる。
【0056】
次に、本実施の形態における幾つかの実施例について説明する。
(実施例7)
まず、外径約0.7mmのガラスコードにシリコーンワニス処理を施してなる抗張力体101aの周囲に、弾性材101bとしてシリコーンゴム100重量部、発泡剤AIBN1重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたシリコーンゴムを外径1.8mmφとなるように押出被覆し、同時に熱空気架硫を施してシリコーンゴムを発泡させた絶縁性芯材101を製造した。
【0057】
次に、この絶縁性芯材101に、中央部にフラックスを入れた0.5mmφの鉛レス半田線(錫・銅系合金、融点217℃)からなる導電体103を2本引き揃えて充分食い込ませ、5回/10mm(線径の4倍のピッチ)で横巻した。最後に、絶縁被覆107としてエチレン共重合体混合物を、突起幅0.6mm、突起高さ0.3mmの突起109を内面に6個有し、肉厚0.3mmとなるように、150℃で押出し、その後、電子線を照射して架橋を施した。
【0058】
このようにして製造されたコード状温度ヒューズを全長約20cmに切断し、その両端約1cm部分の絶縁被覆107を除去し、公称断積0.5mmのリード線100mmを圧着端子で介して接続して、コード状温度ヒューズ組立品を作製した。
【0059】
次に、このようにして得られたコード状温度ヒューズ組立品に対して、実施例1と同様の試験1、試験2を実施した。その結果を第7図に示す。
(実施例8)
絶縁性芯材101の外径を1.8mmφから2.2mmφに変更した他は実施例7と同様にコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様の試験1、試験2を行い、結果を第7図に併記した。
【0060】
(実施例9)
絶縁性芯材101の外径を1.8mmφから2.2mmφに変更するとともに、突起109の高さを0.3mmから0.5mmに変更した他は、実施例7と同様にコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様の試験1、試験2を行い、結果を第7図に併記した。
【0061】
(実施例10)
絶縁被覆107の内面に突起109を設けない他は、実施例7と同様にコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様の試験1、試験2を行い、結果を第7図に併記した。
第7図の試験結果によれば、初期動作温度は、何れも導電体の融点(217℃)であることが判る。
【0062】
又、フラックス失効後の動作温度を見ると、実施例7〜9のコード状温度ヒューズは、周方向に膨張する性状を有した材料を構成要素とした絶縁性芯材101に、内面に突起109を有した絶縁被覆107を組み合わせることによって、動作温度が低くなっていることが確認された。特に、絶縁性芯材101の外径を大きくした実施例8は、最も動作温度が低くなっていた。これは、絶縁性芯材101と突起109との間隔が狭くなるとともに、絶縁性芯材101が膨張する量も増加し、導電体103への押圧力が増加するためである。又、突起109の高さを高くした実施例9は、優れた動作温度の数値を残していたものの、実施例7及び実施例8と比べてやや動作温度が高くなっていた。これは、突起109が大きくなった分だけ外部の熱が導電体103に伝わり難くなり、熱に対する感度が減ったためである。これらに対して、絶縁被覆107の内面に突起109のないコード状温度ヒューズである実施例10は、比較的動作温度が高くなっていた。これは、突起109がないために、絶縁性芯材101の膨張による導電体103への押圧力が加わり難いためである。
【0063】
次に、第8図及び第9図を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。まず、絶縁性芯材201があり、この絶縁性芯材201は、抗張力体201aと被覆材201bにより構成されている。抗張力体201aとしては、外径約0.7mmのガラスコードにシリコーンワニス処理を施してなるものを使用した。被覆材201bとしては、シリコーンゴム100重量部、発泡剤AIBN1重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたものを使用した。そして、上記抗張力体201aの周囲に、被覆材201bを外径1.8mmφとなるように押出被覆し、同時に熱空気架橋を施してシリコーンゴムを発泡させ、絶縁性芯材201とした。
【0064】
この絶縁性芯材201の外周には、導電体203が横巻により巻回されている。導電体203としては、中央部にフラックスを入れた0.5mmφの鉛レス半田線(錫・銅系合金、融点217℃)を使用した。そして、この導電体203を2本引き揃えて、絶縁性芯材201に充分食い込ませながら、5回/10mm(線径の4倍のピッチ)で横巻した。
【0065】
この導電体203の外周に、線状絶縁体205が横巻により巻回されることによって、ヒューズコア207が構成されている。上記線状絶縁体205としては、0.4mmφのポリフェニレンサルファイドのモノフィラメントを使用した。そして、この線状絶縁体205を10回/32mm(線径の8倍のピッチ)で、上記導電体203と逆方向に横巻した。
【0066】
上記のようにして得られたヒューズコア207の外周には、チューブ状の絶縁被覆209が被覆されている。絶縁被覆209としては、エチレン共重合体混合物を肉厚0.3mm、外径4.2mmとなるように、150℃でチューブ状に押出し、その後、電子線を照射して架橋を施したものを使用した。以上がこの実施の形態によるコード状温度ヒューズの構成である。
【0067】
上記絶縁性芯材201としては、導電体203の溶融温度付近で非溶融であり、且つ、周方向に膨張する性状を有した材料を構成要素としたものから構成されていれば良い。例えば、導体の上に熱可塑性高分子、熱硬化性高分子などを押出成形した電線のように各種の金属線に絶縁処理を施したものや、合成繊維、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子などを塑性押出成形した各種高分子材料からなる線状体や、セラミック繊維、ガラス繊維など各種無機材料からなる線状体などが挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を引き揃えたり、撚り合わせたり、異なるものを組み合わせて複合的に用いても良い。
【0068】
これらの中でも、例えば、本実施の形態で用いたような、中心の抗張力体201aの周上に、被覆材201bとして、気体を包含した高分子材料が被覆された構造などは、引張強度や屈曲性などを向上させることができ、且つ、被覆材201bの膨張度合いを任意に制御できるため特に好ましい。
【0069】
ここで、抗張力体201aとしては、従来公知の繊維材料を用いれば良い。又、被覆材201bとして好ましく用いられる、気体を包含した高分子材料としては、エラストマーなどから構成された高分子材料の内部に、定形若しくは不定形の密閉された空間が、少なくともその一部において形成された構造物を用いれば良い。例えば、高分子材料中に有機発泡剤や無機発泡剤を配合し、これを加熱して発泡させることによって独立気孔を有したもの、高分子材料を押出成形する際にガスを注入して発泡したもの、高分子材料中に熱老化によって昇華してしまう材料粉末などを配合することによって部分的に発泡したもの、長手方向に連続した穴を有する高分子材料に後加工で密閉空間を形成したものなどが挙げられる。上記高分子材料としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、各種熱可塑性エラストマー(TPE)などの一般的なエラストマー材料が挙げられる。
【0070】
導電体203としては、例えば、低融点合金及び半田からなる群より選ばれた金属細線や、金属微粉末、金属酸化物、カーボンブラックをオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂といった熱可塑性樹脂に高密度に充填して作製した導電樹脂から成形加工された線などを用いることができる。導電体203の線径としては、一般的な横巻機械によって絶縁性芯材201に巻回可能な0.4mmφ以上2.0mmφ以下程度が好ましい。又、導電体203は、一本で用いても良いし、何本かの細線を引き揃えるか、又は撚り合わせたものを用いても良い。
【0071】
線状絶縁体205としては、導電体203の融点温度で溶融しないものであれば良い。例えば、脂肪族ポリアミド、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル、ノボロイドといった合成繊維、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子などを塑性押出成形した各種高分子材料からなる線状体や、セラミック繊維、ガラス繊維など各種無機材料からなる線状体などが挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を引き揃えたり、撚り合わせたり、異なるものを組み合わせて複合的に用いても良い。
【0072】
又、線状絶縁体205を導電体203の融点温度付近で長手方向に収縮する性状を有しているものとすることも考えられる。このようにすれば、導電体203を線状絶縁体205によって締め付ける効果を呈することができるため、導電体203の断線をより確実なものとすることができ好ましい。長手方向に収縮する性状を有している線状絶縁体205の材料としては、例えば、脂肪族ポリアミド、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートといった合成繊維や更にそれら合成繊維を高延伸加工した繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、プロピレンフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体など熱可塑性樹脂を線状体に押出成形した後に延伸加工して作製したもの、ポリアセタールなど収縮率が比較的大きい合成樹脂を除冷作製した線状体などが考えられる。
【0073】
又、線状絶縁体205を導電体203の融点温度付近で周方向に膨張する性状を有しているものとすることも考えられる。このようにすれば、絶縁性芯材201が周方向に膨張して導電体203を線状絶縁体205に押付けるような動作をするとともに、線状絶縁体205が膨張して導電体203を絶縁性芯材201に押付けるような動作をすることになるため、導電体203の断線をより確実なものとすることができ好ましい。周方向に膨張する性状を有している線状絶縁体205の材料としては、例えば、発泡した架橋ゴム、ADCAや膨張黒鉛、低沸点液体をマイクロカプセル化したものなど発泡する材料を含有した架橋ゴム、比較的低沸点の有機溶剤をゴムに練り込み、押出成形した後に、加熱処理して、内含する有機溶剤を気化させ成形した架橋ゴムや、合成樹脂を押出成形する際に、高圧縮ガスを共に吹き込み発泡成形したもの、エラストマー材料中に熱によって昇華する材料粉末等を添加し加熱処理して添加材料を昇華させ成形した架橋ゴム、エラストマー材料を異形押出して長手方向に連続した穴を有する弾性体を作製しておき、後工程において後述する導電体を巻装する際のテンションを利用して一定ピッチ毎に長手方向に連続した穴を閉じて密閉空間を形成した架橋ゴムといった正の膨張係数が大きい材料などが考えられる。
【0074】
絶縁被覆209としては、従来より、各種の材料や製造方法が公知となっているため、それらの中から、導電体203が溶融する温度よりも低い温度で加工できる材料や製造方法を採用すれば良い。例えば、比較的低温で加工できるエチレン系共重合体などの熱可塑性ポリマーや、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴムといった合成ゴムなどを電子線架橋などの低温でできる架橋法で架橋して形成することや、常温付近で押出加工でき、比較的低温で架橋できるシリコーンゴムを使用して形成することが挙げられる。特にシリコーンゴムを用いた場合は、絶縁被覆209の機械的強度を高めるため、外装に編組を施しても良い。尚、絶縁被覆209の厚さは、電気絶縁性、機械的強度等の必要特性が満たされるものであれば、薄肉の方が熱に対する感度が増して好ましい。
【0075】
又、記載された材料や各種数値はあくまで一例であって、使用用途や目的、使用環境等に応じて適宜設定すれば良い。
【0076】
次に、第10図を参照して本発明の第6の実施の形態を説明する。まず、前記第5の実施の形態で使用したものと同様の導電体303があり、この導電体303に、前記第5の実施の形態で使用したものと同様の線状絶縁体305を10回/16mm(線径の4倍のピッチ)で横巻した。
【0077】
次に、この線状絶縁体305を横巻した導電体303を、前記第5の実施の形態で使用したものと同様の絶縁性芯材301に、10回/85mm(線径の6.5倍のピッチ)で横巻し、ヒューズコア307とした。上記のようにして得られたヒューズコア307の外周には、チューブ状の絶縁被覆309が被覆される。絶縁被覆309としては、前記第5の実施の形態と同様のものを使用した。以上がこの実施の形態によるコード状温度ヒューズの構成である。
【0078】
次に、第11図を参照して本発明の第7の実施の形態を説明する。まず、絶縁性芯材401があり、この絶縁性芯材401の材料としては、シリコーンゴム100重量部、発泡剤AIBN1重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたものを用いた。そして、この絶縁性芯材401の材料を外径1.2mmφとなるように押出し、同時に熱空気架橋を施してシリコーンゴムを発泡させ、絶縁性芯材401とした。
【0079】
次に、この絶縁性芯材401と、前記第5の実施の形態で使用したものと同様の導電体403及び線状絶縁体405とをピッチ3.0mmで撚り合せ、ヒューズコア407とした。
【0080】
上記のようにして得られたヒューズコア407の外周には、チューブ状の絶縁被覆409が被覆される。絶縁被覆409としては、前記第5の実施の形態と同様のものを使用した。以上が実施の形態によるコード状温度ヒューズの構成である。
【0081】
次に、第12図を参照して本発明の第8の実施の形態を説明する。この第8の実施の形態の場合には、前記第5の実施の形態における線状絶縁体を編組505として構成したものである。その他の構成は前記第5の実施の形態の場合と同じであり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0082】
以上、第5の実施の形態〜第8の実施の形態によると、次のような効果を奏することができる。まず、絶縁性芯材201、301、401が温度上昇によって周方向に膨張して導電体203、303、403を線状絶縁体205、305、405又は編組505に押付けるような動作をするため、この動作によって溶融時又は溶融間際の導電体203、303、403はより容易に確実に断線することになる。従って、熱老化等によって、フラックスが本来有する機能(検知精度を向上させる機能)が低下してしまった場合においても良好な断線時間を得ることができる。更にこの効果は、長期の使用によって、導電体203、303、403の表面に酸化物の生成等による変質が起こり溶融断線し難くなった場合にも有効であるため、コード状温度ヒューズの老化後の動作信頼性を更に向上させることができる。
【0083】
又、チューブ状の絶縁被覆209、309、409を被覆していることから、導電体203、303、403の周囲には、導電体203、303、403が変形することができるだけの空間を有することになる。これにより、溶融した導電体203、303、403を複数に分離した状態とすることができるため、導電体203、303、403の断線が阻害されることはない。
【0084】
尚、前記第5の実施の形態では、絶縁性芯材201に導電体203を横巻し、更に一本の線状絶縁体205を導電体203と逆方向に横巻した例を説明したが、例えば、線状絶縁体205を複数本使用しても良い。又、線状絶縁体205のピッチと導電体203のピッチが異なっていれば、線状絶縁体205を導電体203と同方向に横巻しても良い。又、線状絶縁体205を縦添えしても良い。
【0085】
又、導電体203についても、例えば、絶縁性芯材201に導電体203を縦添えしても良い。
【0086】
次に、前記第6の実施の形態では、導電体303に一本の線状絶縁体305を横巻し、これを絶縁性芯材301に横巻した例を説明したが、例えば、線状絶縁体305を複数本使用したり編組としても良いし、導電体303と線状絶縁体305を撚り合せても良い。又、線状絶縁体305に導電体303を横巻しても良い。又、導電体303に線状絶縁体305を横巻し、これを絶縁性芯材301に縦添えしても良い。
【0087】
更に、前記第5の実施の形態及び第6の実施の形態では、絶縁性芯材201、301に導電体203、303や線状絶縁体205、305を横巻する例を、第6の実施の形態では、絶縁性芯材401と導電体403と線状絶縁体405を撚り合せる例を説明したが、例えば、導電体203に絶縁性芯材205を横巻しても良いし、絶縁性芯材201と導電体203とを予め撚り合せても良い。
【0088】
このように、様々な形態が考えられるが、要は、ヒューズコア207(307、407)の長手方向の少なくとも一部で、第9図に示すように、導電体203(303、403)が絶縁性芯材201(301、401)と線状絶縁体205(305、405、又は、編組505)との間に挟まれた構成となっていれば良いのである。
【0089】
次に、上記第5の実施の形態に対応した実施例11、第6の実施の形態に対応した実施例12、第7の実施の形態に対応した実施例13、及び、実施例14に関して、特性評価試験を行っているので説明する。
尚、前記第5の実施の形態において、線状絶縁体205を使用していないものを実施例14としているものである。
【0090】
まず、前記実施例11〜14によるコード状温度ヒューズを全長約20cmに切断し、その両端約1cm部分の絶縁被覆を除去し、公称断積0.5mmのリード線100mmを圧着端子で介して接続して、コード状温度ヒューズ組立品を作製した。
【0091】
次に、このようにして得られたコード状温度ヒューズ組立品に対して、実施例1と同様の試験1、試験2を実施した。その結果を第13図に示す。
第13図の試験結果によれば、実施例11〜13によるコード状温度ヒューズは、周方向に膨張する性状を有した材料を構成要素とした絶縁性芯材と、線状絶縁体を組み合わせることによって、線状絶縁体を使用していない実施例14と比較して動作温度が低くなっていることが確認された。
【0092】
次に、第14図を参照して本発明の第9の実施の形態を説明する。この第9の実施の形態の場合には、絶縁性芯材の膨張と相俟って絶縁被覆を収縮させ、それによって、導電体を断線しようとするものである。以下、詳細に説明する。
【0093】
まず、弾性芯601があり、この弾性芯601は気体を包含した構成要素からなっているものであり、中心の抗張力体601aの外周上に気体を包含した弾性体601bが被覆された構造になっている。上記弾性芯601の外周には導電体603が巻装されている。又、上記導電体603の外周側には絶縁被覆607が被覆されている。又、上記弾性芯601と導電体603とによってヒューズコア609を構成している。又、上記絶縁被覆607の内周面には、内面の長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上(この実施の形態の場合には6個)の突起611が設けられている。
【0094】
上記絶縁被覆607であるが、これは所定の温度で内周方向に収縮する特性を備えているものである。又、その材質は、熱分解をする高分子材料ならば、特に限定はなく、複数種を混合しても良い。例えば、ポリエステル系樹脂・ポリアミド系樹脂・ポリオレフィン系樹脂(エチレン系共重合体)・フッ素系樹脂等の樹脂材料、ニトリルゴム・エチレンプロピレンゴム・クロロプレンゴム・アクリルゴム・シリコーンゴム・フッ素ゴム等のエラストマー材料などが使用可能である。この実施の形態の場合には、エチレンプロピレンゴムとポリオレフィン系樹脂(エチレン系共重合体)を1:1に混合した混合物に、難燃剤、老化防止剤、潤滑剤、架橋助剤等の添加剤を混合したものを使用している。
【0095】
ここで、絶縁被覆607が収縮する速度は、材料の熱分解温度によって調整することができる。熱分解温度が高いもの(熱分解温度が高いものを多く混合したもの)は、収縮する速度が遅く、熱分解温度が低いもの(熱分解温度が低いものを多く混合したもの)は、収縮する速度が速いので、使用状況によって適宜設定すれば良い。
【0096】
その他の構成に関しては、前記第4の実施の形態で説明したものと同じであるので、その詳細な説明はこれを省略する。
【0097】
次に、第15図を参照して本発明の第10の実施の形態を説明する。この第10の実施の形態の場合には、前記第9の実施の形態において、導電体603の外周側にガラス編組からなる空間層605が設けられた構成をなしているものであり、その他の構成は前記第9の実施の形態の場合と同じであるので、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0098】
次に、前記第9の実施の形態に対応した実施例14、及び、実施例15、16、第10の実施の形態に対応した実施例17に関して、特性評価試験を行っているので説明する。ここで、実施例14における絶縁被覆607以外の具体的構成については、前記第4の実施の形態に対応した実施例7と同様のものである。
尚、前記実施例14において、発泡剤(AIBN)が混練されていない弾性体601bを使用し、絶縁被覆607の収縮のみによって、導電体603を断線するようにしたものを実施例15としているものである。
【0099】
又、前記実施例14において、導電体603として0.6mmφの共晶半田線(融点183℃)を使用したものを実施例16としているものである。
まず、前記実施例14〜17によるコード状温度ヒューズを全長約20cmに切断し、その両端約1cm部分の絶縁被覆を除去し、公称断積0.5mmのリード線100mmを圧着端子で介して接続して、コード状温度ヒューズ組立品を作製した。
【0100】
次に、このようにして得られたコード状温度ヒューズ組立品に対して、実施例1と同様の試験1、試験2を実施した。併せて、次に示す試験3を夫々実施した。それらの結果を第16図に示す。
試験3 フラックス失効後の恒温加熱
試験方法
製造したコード状温度ヒューズ組立品について、試験2と同様にフラックスを分解・除去する。その後、260℃、280℃、300℃の各温度で一定に保ち、断線するまでの時間を測定した。
【0101】
第16図の試験結果によれば、本実施の形態によるコード状温度ヒューズは、弾性芯601が動作する温度以下の温度(260℃〜300℃)で長期間保持されることで、絶縁被覆607が収縮するため、導電体603が断線されることが確認された。260℃〜300℃といった弾性芯601が動作する温度以下の比較的高温で弾性芯601が長期間保持されると、弾性芯601が膨張する作用が低減して導電体603が断線しにくくなる可能性があるため、絶縁被覆607が収縮する作用が非常に効果的であることが認められる。
尚、第9の実施の形態、第10の実施の形態においては、絶縁被覆607の内周に突起を設けた構成のものであったが、突起を設けない構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明の第1の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図2】 第2図は、本発明の第1の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズを構成する弾性芯の断面図である。
【図3】 第3図は、本発明の第2の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図4】 第4図は、本発明の第3の実施の形態を示す図で、面状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図5】 第5図は、本発明の第1及び第2の実施の形態を示す図で、実施例1〜実施例6と比較例1、比較例2に関する各種試験の結果を示す図である。
【図6】 第6図は、本発明の第4の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】 第7図は、本発明の第4の実施の形態を示す図で、実施例7〜実施例10に関する各種試験の結果を示す図である。
【図8】 第8図は、本発明の第5の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図9】 第9図は、本発明の第5の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの断面図である。
【図10】 第10図は、本発明の第6の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図11】 第11図は、本発明の第7の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図12】 第12図は、本発明の第8の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図13】 第13図は、本発明の第5、第6、第7の実施の形態を示す図で、実施例11〜実施例14に関する各種試験の結果を示す図である。
【図14】 第14図は、本発明の第9の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図15】 第15図は、本発明の第10の実施の形態を示す図で、コード状温度ヒューズの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図16】 第16図は、本発明の第9、第10の実施の形態を示す図で、実施例15〜実施例18に関する各種試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 弾性芯
1a 抗張力体
1b 弾性体
3 導電体
5 空間層
7 絶縁被覆
9 ヒューズコア
11 密閉空間
13 気体
15 突起

Claims (9)

  1. 長手方向に連続した絶縁性芯材上に所定の温度で溶融する導電体が巻装されてなるヒューズコアと、
    上記ヒューズコアの外周側に被覆される絶縁被覆と、
    を具備してなるコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁性芯材を所定の温度にて膨張させると共に上記絶縁被覆を上記所定の温度にて熱分解で収縮させることにより上記導電体を断線するようにする、又は、上記絶縁被覆を上記所定の温度にて熱分解で収縮させることにより上記導電体を断線するようにしたことを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  2. 請求項1記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁性芯材は、その外面に長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上の突起を有していること特徴とするコード状温度ヒューズ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁被覆は、その内面に長手方向に連続的又は断続的に形成された少なくとも1個以上の突起を有していること特徴とするコード状温度ヒューズ。
  4. 請求項1記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁被覆の内周側には別の線状又は編組状絶縁体が配置されていて、
    上記導電体は長手方向の少なくとも一部において上記絶縁性芯材と上記線状又は編組状絶縁体との間に挟まれた構成となっていることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  5. 請求項4記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記線状又は編組状絶縁体は、上記導電体の溶融温度付近で長手方向に収縮する性状を有していることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  6. 請求項4記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記線状又は編組状絶縁体は、上記導電体の溶融温度付近で周方向に膨張する性状を有していることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁性芯材は、気体を包含した材料を構成要素としたものから構成されていることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  8. 請求項7記載のコード状温度ヒューズにおいて、
    上記絶縁性芯材は、中心の抗張力体の周上に、気体を包含した材料を被覆したものから構成されていることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  9. 平面上に蛇行状態に配設された請求項1〜請求項8の何れかに記載のコード状温度ヒューズと、
    上記コード状温度ヒューズの配設状態を固定する手段と、
    を具備したことを特徴とする面状温度ヒューズ。
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