このような特徴を有する本発明の複合機では、原稿検出手段で検出された原稿が取り込まれると、原稿の画像が読取手段で読み取られる。一方、複写指示手段による複写動作の指示があると、読取手段で読み取った原稿の画像を画像形成手段によって記憶媒体上にトナー画像として形成する複写動作が開始される。このとき、記憶媒体に形成されたトナー画像を加熱するための定着手段は、省エネルギーなどの観点から、記憶媒体に形成されたトナー画像の加熱が可能な温度よりも低い温度に維持されていることがある。従って、記憶媒体に形成されたトナー画像の加熱を実行するためには、記憶媒体に形成されたトナー画像の加熱が可能な温度にまで定着手段の温度を上昇させなければならない場合がある。
この点、本発明の複合機では、定着手段の温度上昇の開始タイミングについて、定着制御手段により、原稿検出手段による原稿の検出に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第1制御処理と、複写指示手段による複写動作の指示に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第2制御処理とが用意されており、さらに、制御処理設定手段により、定着手段の温度上昇の開始タイミングとして第1制御処理又は第2制御処理を設定することができる。
尚、第1制御処理は、原稿検出手段による原稿の検出に基づいて定着手段の温度上昇を開始させるので、第2制御処理と比べれば、ファーストコピー待機時間が短くなるが、省エネルギーには適していないものである。一方、第2制御処理は、複写指示手段による複写動作の指示に基づいて定着手段の温度上昇を開始させるので、第1制御処理と比べれば、省エネルギーには適しているが、ファーストコピー待機時間が長くなるものである。
すなわち、本発明の複合機では、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングを、定着制御手段により、原稿検出手段による原稿の検出に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第1制御処理、又は、複写指示手段による複写動作の指示に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第2制御処理で実行することができ、さらに、制御処理設定手段により、第1制御処理又は第2制御処理のいずれかで、定着手段の温度上昇の開始タイミングを設定することができるので、ユーザーの意思又はユーザーの使用環境を反映させて変更することができる。
例えば、本発明の複合機において、送信手段は、読取手段が読み取ったイメージデータをファクシミリデータとして送信するファクシミリ手段を有し、接続状態検出手段は、ファクシミリ手段が公衆回線網に接続されているか否かを検出するものがある。
このように、本発明の複合機において、制御処理設定手段が、マニュアル操作による手動設定モードと自動設定モードとを有しており、自動設定モードにより定着制御手段の制御処理を設定するときは、定着制御手段にて実行された制御処理の履歴、または複写動作や送信手段の実行実績などに基づいて定着制御手段の制御処理が設定されるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着温度の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの使用環境を確実に反映させて変更することができる。
一方、手動設定モードにより定着制御手段の制御処理を設定するときは、ユーザーのマニュアル操作により定着制御手段の制御処理を設定できるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの意思を確実に反映させて変更することができる。
このような特徴を有する本発明の複合機において、自動設定モード及び手動設定モードにおける定着制御手段の制御処理の設定状態に拘わらず、制御処理設定手段に第1制御処理を設定させるマニュアル操作可能な制御処理指示手段を設けたことにより、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングの変更について、ユーザーの意思の一時的な変化又はユーザーの使用環境の一時的な変化についても反映させることができる。
以下に本発明の実施の形態について、図面とともに説明する。
図4は、本発明が適用されたファクシミリ装置1の使用形態を表す説明図であり、図5は、ファクシミリ装置1の外部構成を表す概略斜視図、図6は、ファクシミリ装置1の内部構成を表す説明図である。
図4に示すように、ファクシミリ装置1は、回線制御部3と、通信モジュール5とを備えている。回線制御部3は、外部接続ポート4(図7参照)を備えており、この外部接続ポート4には、建造物内(家庭内、オフィス内等)に設置されたスプリッタ8の電話機用の接続ポートに繋がるアナログ線L1(2芯線、4芯線からなる所謂電話線)が接続されている。
一方、通信モジュール5は、図7に示すように、WAN側接続ポート6及びLAN側接続ポート7(図6参照)を備えており、WAN側接続ポート6は、LANケーブルL3を介してADSLモデム9に接続され、LAN側接続ポート7は、ハブ(HUB)11に接続されている。また、ADSLモデム9は、LANケーブルL2を介してスプリッタ8のADSLモデム用の接続ポートに接続されている。
また、ハブ11には、双方向通信可能な複数のPC13、14や、プリンタ16(ネットワーク接続可能なインクジェットプリンタ、レーザプリンタなど)、IP(インターネット・プロトコル)方式で音声信号を送受信可能なIP電話機15、インターネット接続可能なインターネットファクシミリ装置17などの各LAN端末13〜17が接続されている。即ち、ハブ11は、上記各LAN端末13〜17から構成される建造物内のローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている。
一方、上記スプリッタ8は、ADSLを利用する際に使用される周知のスプリッタであり、基地局側に設定されたスプリッタ19から送信されてくる概ね4kHz以下の第一信号とそれより高周波のADSL用の第二信号とが重畳された伝送信号を、その第一信号と、第二信号に分離し、第一信号を、電話機用の上記接続ポートに出力すると共に第二信号をADSLモデム用の上記接続ポートに出力する一方で、各接続ポートから入力されてきた信号を重畳して、基地局側のスプリッタ19に送信するように構成されている。
即ち、本実施の形態のファクシミリ装置1は、回線制御部3を用いて、公衆回線網(即ち、公衆交換電話綱:PSTN)内の加入者電話機に接続可能な構成になっており、更に、通信モジュール5及びADSLモデム9を介して広域ネットワーク(WAN)としてのインターネットに接続可能な構成になっている。
更に、このファクシミリ装置1は、通信モジュール5の後述するルータ制御部101の動作により、インターネット内の通信装置(WWWサーバ21等)とLAN内の各LAN端末13〜17との間で送受信されるデータ(IPパケット)をルーティングするルータとして機能するように構成されている。
また、本実施の形態のファクシミリ装置1は、原稿から光学的に画像を読み取り、その画像を表すイメージデータをファクシミリデータとして、上記アナログ線L1を介して公衆回線網に接続された外部のファクシミリ装置23に送信すると共に、外部のファクシミリ装置23から公衆回線網及びアナログ線L1を介して送信されてきたファクシミリデータを受信して、記録紙にそのファクシミリデータに基づく画像を形成する通常の機能(ファクシミリ機能)の他、プリンタ機能、コピー機能を有している。
このプリンタ機能とは、PC13、14やワードプロセッサ等から送信されてきたコードデータに基づく画像を記録紙に形成する機能のことを意味し、当該ファクシミリ装置1は、PCインタフェース(PC I/F)24を介して外部のPCからコードデータを受信したり、通信モジュール5を介してLAN内のPC13,14等からコードデータを受信すると、そのデータに基づく画像を記録紙に形成するように構成されている。また、コピー機能とは、後述するスキャナ部35及び記録部37を用いて、原稿から画像を読み取り、そのイメージデータに基づいて、記録紙に画像を形成する複写機能を意味する。
このような機能を有するファクシミリ装置1には、図5に示すように、その本体ケース25の側部に、ハンドセット(H/S)26が取り付けられ、上面の前部に、操作パネル27が設けられている。尚、この操作パネル27には、相手側の電話番号(FAX番号)を入力するための数字キー271や、スタートキー272、選択キー273などの各種操作キー270と、各種機能に関連する情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)274とが備えられている。
この他、本体の上部後部には、装置内に供給する記録紙を収容するための第一給紙トレイ29が設けられ、その上には記録紙を載置するためのものであって利用者による手差しで記録紙を供給するための第二給紙トレイ31が設けられている。更に、その上には、読取用の原稿用紙を載置するための原稿用給紙トレイ33が設けられている。
また、本体には、図6に示すように、原稿から画像を読み取るためのスキャナ部35、記録紙に多色カラーの画像を形成するための記録部37、及び、これらの各部の駆動を制御するCPU39(図7参照)を搭載する基板(図示せず)、などが内蔵されている。
スキャナ部35では、原稿用給紙トレイ33に載置された原稿が、原稿センサ(図3参照)により検出され、図6の矢印Aにて示すように、給紙ローラ41及び分離パッド43等からなる給紙機能によって一枚ずつ取り込まれ、この後に、搬送ローラ45により読取装置47まで搬送される。そして、読取装置47では、原稿上に形成されている画像が読み取られる。また、読取装置47による画像読取後の原稿は、排紙ローラ49を介して前方に設けられた第一排紙トレイ51に排出される。
尚、このスキャナ部35には、上記原稿センサの他に、原稿の先頭を検出する接触式の原稿フロントセンサ53と、原稿の後端を検出する接触式の原稿リアセンサ55とが設けられており、CPU39は、これらのセンサからの検出結果に基づき、スキャナ部35内の各部を制御して紙送りを調整し、上記スキャナ部35の動作を実現する。
一方、記録部37では、第一給紙トレイ29あるいは第二給紙トレイ31に載置された記録紙が、図6の矢印Bにて示すように、給紙ローラ57及び分離パッド59等からなる給紙機構によって一枚ずつ取り込まれる。そして、記録紙は、搬送ローラ61を介して画像形成装置63に送られる。画像形成装置63では、記録紙上に複数色(本実施の形態ではシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のトナーの組合せによる多色カラーの画像が形成される。また、画像形成装置63を通過後の記録紙は、下流側の定着装置65に送られる。そして、この定着装置65では、トナーによる画像が記録紙上に定着される。更に定着装置65を通過後の記録紙は、排紙ローラ67を介して、本体の前面に設けられた第二排紙トレイ69に排出される。
尚、定着装置65は、画像形成装置63の側方であって、記録紙の搬送方向下流側に設けられており、加熱ローラ311と、押圧ローラ312と、排紙ローラ67とを備えている。加熱ローラ311は、金属製の素管内にヒータ313としてハロゲンランプを備えている。押圧ローラ312は、加熱ローラ311の上方に対向配置され、その加熱ローラ311を上方から押圧するように設けられている。また、排紙ローラ67は、加熱ローラ311および押圧ローラ312に対して、記録紙の搬送方向下流側に設けられている。記録紙に転写されたトナーは、加熱ローラ311と押圧ローラ312との間を通る間に、熱によって溶融し、記録紙に固着する。記録紙は、排紙ローラ67によって、本体の前面に設けられた第二排紙トレイ69に排出される。
また、上記画像形成装置63は、レーザ光走査装置71を動作させて感光ドラムにレーザ光を照射し、その表面に静電潜像を形成する構成になっている。このレーザ光走査装置71は、CPU39からの指令に従って、イメージデータに基づくレーザ光を発射するレーザ発光部77と、レーザ光反射用のレンズ78、及びレンズ78に反射されたレーザ光を感光ドラムに導く反射ミラー79等を備えている。この他、画像形成装置63は、トナーを貯留するトナータンク73を備えており、静電潜像形成後の感光ドラムにトナータンク73から供給されたトナーを付着させ、転写ローラ75により、記録紙に電荷を付与して感光ドラムに付着したトナーを記録紙に転写する構成になっている。
次に、ファクシミリ装置1の電気的構成について説明する。尚、図7は、本実施の形態のファクシミリ装置1の電気的構成を表すフロック図である。また、図8は、RAM83のデータ構成を表す説明図(図8(a))、ROM81内のデータ構成を表す説明図(図8(b))及び、後述する宛先情報記憶部83c内のデータ構成を表す説明図(図8(c))である。
ファクシミリ装置1は、主に、CPU39、ROM81、RAM83、スキャナ部35、符号器85、記録部37、復号器87、操作キー270、LCD274、モデム89、回線制御部3、PCインタフェース(PC I/F)24、メール制御部91、機能拡張用インタフエース(I/F)93を備えており、夫々はバス95を介して接続されている。また、この機能拡張用インタフェース93には、通信モジュール5が接続されている。
CPU39は、本装置の制御の中枢を担っており、装置全体を統括制御するように構成されている。つまり例えば、CPU39は、ROM81内に予め記録された制御処理用のプログラムを読み出し、そのプログラムに従って、ファクシミリデータの送受信や、宛先登録等の処理を実行する。
尚、ROM81内には、当該装置をファクシミリ装置として動作させるために必要なファクシミリ機能用プログラム群81a(図8(b)参照)が記憶されている。具体的には、例えば、回線制御部3が外部のファクシミリ装置23から受信したファクシミリデータに基づく画像を記録部37に形成させるための受信用プログラム等が上記ファクシミリ機能用プログラムとしてROM81に納められている。
また、ROM81内には、当該装置をPC等から送信されてきたデータを印刷するプリンタとして動作させるために必要なプリンタ機能用プログラム群81bが記憶されている。具体的には、例えば、通信モジュール5がLAN内のPC13,14から受信したデータに基づく画像を記録部37に形成させるためのPC印刷用プログラムが上記プリンタ機能用プログラムとしてROM81に納められている。
この他、ROM81内には、上記プログラム等で呼び出される記録部制御用プログラム81cや、その他の図示しない各種プログラム、そのプログラム実行時に必要な各種データが予め記憶されている。
一方、RAM83は、各種制御を行う際に必要なワークメモリ83a(図8(a)参照)や、ファクシミリデータ等を記憶する送受信データ記憶部83b、ファクシミリデータの送信先に閑する宛先情報を記憶する宛先情報記録部83cとして機能するように構成されている。
また、宛先情報記憶部83cは、図8(c)に示すように、ファクシミリデータの送信先に関する宛先情報として電話番号を記録可能な構成になっており、更に、この電話番号に関連づけて、メールアドレスを記憶可能な構成になっている。即ち、当該ファクシミリ装置1は、相手先装置(外部のファクシミリ装置23)が公衆回線網経由のファクシミリデータの送受信の他に、インターネット経由の電子メールの送受信を行うことが可能な構成になっている場合に備えて、一つの宛名に対して、電話番号とメールアドレスの両方を併記した形で宛先情報を登録できるように構成されている。
スキャナ部35は、ファクシミリデータの送信やコピー(原稿の複写)等の際に、原稿を読み取るためのものである。本実施の形態のスキャナ部35は、上述したように、原稿を原稿用給紙トレイ33から取得し、読取装置47にて画像を読み取り、読取結果としてのイメージデータを符号器85などに出力するように構成されている。
また、符号器85は、スキャナ部35によって読み取られたイメージデータをファックスフォーマットであるG3圧縮形式のイメージデータにするために、符号化処理を実行し、その処理後のイメージデータを出力するように構成されている。
一方、復号器87は、ファックスフォーマットのイメージデータを復号化して、記録部37にて処理可能なイメージデータに変換するように構成されている。
また、記録部37は、上述したように、カラー画像を形成可能な所謂カラーレーザプリンタとして機能するように構成されており、記録部制御用プログラム81cを実行するCPU39からの指令に従い、復号器87によって復号化されたイメージデータに基づくカラー画像を、画像形成装置63を用いて記録紙に印刷し、印刷後の記録紙を出力するように構成されている。
尚、本実施の形態の記録部37は、通常印刷モードの他に、通常より静かな音で画像を形成することが可能な静音印刷モードを備えており、これらの印刷モードをCPU39からの指令に従って切り換えて動作するように構成されている。また、記録部37は、単色印刷も可能な構成になっており、CPU39からの指令にしたがって、指定色のトナーのみを用いて画像を形成することが可能である。
この他、操作キー270は、上述したように操作パネル27上に設けられており、利用者の操作に従って、宛先情報の登録、宛先の指定、メモ情報の入力や選択等といった各種処理操作を行うための指令信号を装置内(CPU39など)に入力するように構成されている。
同じく操作パネル27に設けられたLCD274は、利用者に操作手順を案内するメッセージやエラーメッセージ等の各種メッセージ等を表示するための表示手段として設けられている。また、本実施の形態のLCD274は、タッチパネルとしての機能を備えており、ファクシミリデータの宛先指定や宛先情報の登録の際に、ワンタッチキーの表示を行うと共に、利用者の操件情報を取得し装置内に入力するように構成されている。
モデム89は、回線制御部3を介してスプリッタ8経由で公衆回線網に接続された外部のファクシミリ装置23との間でファクシミリデータの送受信を行うためのものである。回線制御部3は、公衆回線網に対するダイヤル信号の送出や、公衆回線網からの呼出信号に対する応答等の動作を行うものであり、例えば、公衆回線網を介して自身を外部のファクシミリ装置23に通信可能に接続する。
一方、PCインタフェース24は、PCと当該ファクシミリ装置1とをパラレルインタフェース等を介して接続するときに用いられるものであり、PC13,14からのコードデータ等を受信したりする。
また、メール制御部91は、インターネットに接続された外部の通信装置との間で電子メールの送受信を行うことによって、電子メールによるファクシミリデータの送受信を実現するものである。
つまり、メール制御部91は、符号器85にて符号化されたファクスフォーマットのバイナリイメージデータを、テキストコードのイメージデータに変換すると共に、送信先のメールアドレス等を含むヘッダ情報をそのデータに付加することにより、ファックスフォーマットのイメージデータを、電子メールとして送信可能な電子メールフォーマットのイメージデータにフォーマット変換したり、逆にインターネット経由で通信モジュール5を介して受信した電子メールフォーマットのイメージデータを、ファックスフォーマットのイメージデータに逆フォーマット変換する処理を行う。尚、このメール制御部91によってファックスフォーマットのイメージデータに逆フォーマット変換されたデータは、復号器87によって記録部37で出力可能なイメージデータに復号化されてから記録紙に印刷される。
機能拡張用インタフェース(I/F)93は、別体で構成されたルータ制御部101を備える通信モジュール5を着脱自在に接続することができるように構成されたAIO(アナログ入出力)やRS232C等のシリアルインタフェースである。尚、図6に示すように、通信モジュール5は、装置の本体ケース25内に収容される。
また、通信モジュール5は、ルータ制御部101、ハブ(HUB)103、IP電話部105、無線処理部107、ウェブプリント部110や、ルータ制御部101に繋がるインタフェース接続端子109などを備えている。尚、通信モジュール5は、このインタフェース接続端子109を介してインタフェース93に接続される。
ルータ制御部101は、ADSLモデム9を介してインターネット内の通信装置との間でIPパケットの送受信を行うためのものであり、周知のIPマスカレード機能やルーティング機能を備えるブロードバンドルータとして機能する。
即ち、このルータ制御部101は、IPマスカレード機能により、LAN内で用いられるプライベートIPアドレスと、WAN(本実施の形態ではインターネット内)で用いられるグローバルIPアドレスとを相互変換し、ルーティング機能により、LAN側の端末と、WAN側の通信装置(WWWサーバ21)とを双方向通信可能に接続する。
例えば、ルータ制御部101は、ハブ103を介してLAN側接続ポート7に接続されるLAN内のLAN端末13〜17との間で通信を行うことにより、LAN内のLAN端末13〜17をインターネットに双方向通信可能に接続する。つまり、例えば、ルータ制御部101は、経路制御して、インターネット内のWWWサーバ21から受信したデータを、宛先のLAN端末13〜17に送信する。
この他、ルータ制御部101は、装置本体側のCPU39とインタフェース93を介して通信を行うことができるように構成されている。即ち、LAN端末13〜17やIP電話部105、無線処理部107、ウェブプリント部110は、ルータ制御部101及びインタフェース93を介して装置本体側のCPU39と双方向通信を行うことができ、例えば、当該ファクシミリ装置1のCPU39は、ルータ制御部101を介してLAN内のPC13,14から印刷用のコードデータを取得すると、CPU39にて、プリンタ機能用プログラムを実行し、そのプログラム内で記録部制御用プログラム81cを呼び出して記録部37を制御し、そのデータに基づく画像を形成する。
一方、このルータ制御部101にハブ103を介して接続されたIP電話部105は、音声信号をIPパケットに格納し、インターネット経由で、外部のIP電話機と、音声通信(通話)を行うことが可能なように構成されている。
また、無線処理部107は、外部の無線通信装置と該当ファクシミリ装置1との間で無線通信を行うためのものであり、ブルートゥース規格(近距離無線通信の規格)やIrDA規格(赤外線通信の規格)による無線接続方式にて、外部の無線通信装置をファクシミリ装置1内の各部に双方向通信可能に接続するように構成されている。即ち、当該ファクシミリ装置1においては、ハブ103に接続された接続ポート7を用いることにより、有線接続方式にて各LAN端末13〜17をファクシミリ装置1に接続することができる他、この無線処理部107を用いることにより、無線接続方式にてLAN端末13〜17をファクシミリ装置1に接続することができる。
この他、ウェブプリント部110は、CPU111、ROM113、RAM115、ネットワークインタフェース117などを備えており、ネットワークインタフェース117を介してルータ制御部101との間で通信を行うことにより、自身をインターネットに接続したり、装置本体側のCPU39と通信を行う構成にされている。
ここで、図9は、ウェブプリント部110のRAM115内のデータ構成を表す説明図(図9(a))、ROM113内のデータ構成を表す説明図(図9(b))である。
このウェブプリント部110におけるRAM115は、図9(a)に示すように、ワークメモリ115aや、WWWサーバ21から取得したダウンロードデータ等を記憶する送受信データ記憶部115b、WWWサーバ21のアドレス(URL:Uniform Resource Locator)情報を記憶するURL情報記憶部115c、後述する転送機能を使用する際のデータ転送先に関する転送先情報を記憶する転送先情報記憶部115d、アクセス禁止データベース115e、キーワードデータベース115f、履歴情報記憶部115g、ログ記憶部115hなどとして機能するように構成されている。
URL情報記憶部115cは、図9(c)に示すように、データ取得先を表すURLに関連付けて、メモ情報、スケジューラ用設定データを複数個記録可能な構成になっている。
即ち、通信モジュール5は、利用者による操作パネル27の操作等によって外部入力されたメモ情報を、対応するURLに対して関連付けてURL情報記憶部115cに登録できるように構成されている。尚、周知のようにURLは、サーバアドレス、ディレクトリ情報、ファイル名などから構成されるアドレス情報である。
ここで、URL・メモ情報登録処理について図10を参照しつつ説明する。図10は、ウェブプリント部110のCPU111が実行するURL・メモ情報登録処理を表すフロ一チャートである。処理を実行すると、CPU111は、S101にてURL及びメモ情報の入力を求める入力指示メッセージをインタフェース93を介して装置本体側に送信することにより、装置本体側のLCD274にその入力指示メッセージを表示させる。この後、CPU111は、S103にて、URL及びメモ情報の登録指令が操作パネル27からインタフェース93を介して送信されてくるまで待機し、登録指令を受信すると、S105にて、その操作パネル27から入力されたURL及びメモ情報を装置本体側から取得し、更にS107にて、そのURL及びメモ情報を互いに関連付けてURL情報記憶部115cに記録させる。尚、メモ情報は、現状においてURLがローマ字で標記され、その表示だけではどのホームページヘアクセスするかがわかりにくく、更には、LCD274の表示領域も限られているため、目的のURLを探すのが容易ではないことから、利用者が瞬時にそのURLを判別できるようにするために設けたものである。
この他、転送先情報記憶部115dは、後述するプリンタ転送用のアドレス情報と、PC転送用のアドレス情報とを記憶するように構成されている。尚、この転送先情報記憶部115dは、プリンタ転送用及びPC転送用のアドレス情報として、LAN内のプライベートIPアドレスに加え、ポート番号を記憶するように構成されている。
一方、ウェブプリント部110におけるROM113内には、図9(b)に示すように、WWWサーバ21からデータを取得したり、当該装置の記録部37にWWWサーバ21から取得したダウンロードデータを印刷させるための後述する各処理を表すウェブプリント機能用プログラム群113aや、ウェブプリント機能動作時における動作条件を表すフラグ情報113bなどが記憶されている。
詳述すると、このウェブプリント部110は、ルータ制御部101経由でWWWサーバ21から取得したダウンロードデータに基づく画像を記録部37に印刷させる印刷機能、RAM115内にデータを一時保存する保存機能、ダウンロードデータをLAN側接続ポート7を介してLANに接続された転送先のプリンタ(転送先情報記憶部115dに記憶されているプリンタ転送先のアドレス情報で特定されるプリンタ)16に転送するプリンタ転送機能、ダウンロードデータをLAN側接続ポート7を介してLANに接続されたPC13,14に転送するPC転送機能、ダウンロードデータに基づく画像を記録部37に単色で印刷させる単色印刷機能、印刷時の機械音が抑えられた上記静音印刷モードで記録部37を動作させてダウンロードデータに基づく画像を印刷させる静音印刷機能、ウェブプリント部110で実行した各処理に関するログ情報を保存するログ保存機能、エラーメッセージをLCD274に表示させるエラー情報表示機能等を備えており、これらの機能をROM113内が記憶するウェブプリント機能用プログラム群113aで実現するように構成され、図11に示すフラグ情報113bに基づいて、各機能を動作させるかどうか(即ち、機能のON/OFF)を切り換えるように構成されている。
尚、図11は、フラグ情報113bとしてROM113内に記憶されているデータの構成を表す説明図である。
ウェブプリント部110は、所定条件で、図11に示す『正常』動作モード、『URLアクセス不許可』動作モード、『印刷キャンセル』動作モード・『パスワードエラー』動作モード、『キーワードエラー』動作モード、『同一コンテンツ検出』動作モード、『夜間印刷』動作モード、『留守番』動作モード、『大量モノクロ印刷』動作モード、『紙なしエラー』動作モード、『トナーなしエラー』動作モードのいずれかを選択し、各機能の値(以下、「フラグ値」と表現する。)をフラグセット情報としてRAM115内に書き込むことによってフラグをセットするようにされている。また、ウェブプリント部110は、フラグ値”1”以上で、その機能を動作(ON)させ、フラグ値”0”で、その機能
の動作を禁止(OFF)するように構成されている。また、図11において表す記号*は、その動作モードが選択される前にフラグセット情報として記憶されているフラグ値を書き換えないようすることを示している。
次に、本実施の形態の複合機について説明する。図3は、本実施の形態の複合機301のブロック図である。本実施の形態の複合機301は、図4のファクシミリ装置1に相当するものであり、上述した図4のファクシミリ装置1の特徴に加えて、以下の特徴をも有している。すなわち、図3に示すように、本実施の形態の複合機301は、CPU302と、NCU303、RAM304、原稿センサ305、ヒータ制御部306、ヒータ307、コピーキー321などから構成されている。
この点、CPU302は、後述するフローチャートを実行するものであって、図4のCPU39に相当するものである。また、NCU303は、図4の回線制御部3に相当するものであって、回線電圧検知部308及びコネクタ接続検知部309などを備えることにより、公衆回線網などの回線L4と物理的に接続されているか否かを検知することができるものである。RAM304は、後述するフローチャートを実行する際に使用するものであって、図4のRAM83に相当するものである。また、原稿センサ305は、図6の原稿用給紙トレイ33に載置された原稿を検出するものに相当するものである。また、ヒータ制御部306は、ヒータ307の温度を制御するものである。また、ヒータ307は、図6のヒータ313に相当するものであり、図6の定着装置65の加熱ローラ311に備えられるものである。また、コピーキー321は、押下されると、コピー機能の動作を開始させるものである。
ここで、ヒータ制御部306について説明すると、ヒータ制御部306は、コピー機能が動作していない時間が継続して一定時間に到達すると、省エネルギーの観点から、ヒータ307の温度を、コピー機能を動作させるために必要な温度(図6の定着装置65が動作可能な温度)よりも低い温度にまで下降させるものであり、また、図1及び図2に示されたフローチャートの実行結果に基づいて、ヒータ307の温度を、コピー機能を動作させるために必要な温度(図6の定着装置65が動作可能な温度)よりも低い温度から、コピー機能を動作させるために必要な温度(図6の定着装置65が動作可能な温度)にまで上昇させるものである。
図1に示されたフローチャートは、ヒータ制御部306が、ヒータ307の温度を、コピー機能を動作させるために必要な温度(図6の定着装置65が動作可能な温度)よりも低い温度から、コピー機能を動作させるために必要な温度(図6の定着装置65が動作可能な温度)にまで上昇させる際の、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを設定するものである。このフローチャートは、ユーザが、操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を操作することにより、ヒータ307の温度上昇の開始タイミングとして「Aモード」「Bモード」のいずれかの設定を要求する際に行われる。
ユーザが操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を操作して開始タイミングの設定を行うためのモード設定要求を行うと、先ず、S11において、公衆回線網などの回線L4と物理的に接続されているか否かをNCU303を介して判断する。
ここで、公衆回線網などの回線L4と物理的に接続されていないと判断する場合には(S11:No)、S14に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に設定する。一方、公衆回線網などの回線L4と物理的に接続されていると判断する場合には(S11:Yes)、S12に進んで、ユーザー切替又は自動切替のいずれの切替モードにするかを、図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介してユーザーに選択させる。
S12で、ユーザー切替の切替モードを選択した場合には、S13に進んで、ヒータ制御モードにするか否かを、図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介してユーザーに選択させる。ここで、ヒータ制御モードにすることを選択した場合には(S13:Yes)、S14に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に設定する。一方、ヒータ制御モードにしないことを選択した場合には(S13:No)、S16に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」に設定する。
また、S12で、自動切替の切替モードを選択した場合には、S17に進んで、RAM304などに記憶された過去の履歴(コピー機能並びにファクシミリ機能の動作状況)をチェックする。そして、S18に進み、前回から所定回数遡った一連の過去動作についてコピー機能の動作が多いかファクシミリ機能の動作が多いかを、過去の履歴から判断する。ここで、前回から所定回数遡った一連の過去動作についてコピー機能の動作が多いと判断した場合には、S14に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に設定する。一方、前回から所定回数遡った一連の過去動作についてファクシミリ機能の動作が多いと判断した場合には、S16に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」に設定する。
また、図2のフローチャートは、原稿センサ305が原稿を検出したことをトリガにして実行されるものである。すなわち、原稿センサ305が原稿を検出すると、先ず、S21において、図1のフローチャートにより、「Aモード」又は「Bモード」のいずれに設定されているかを判断する。ここで、「Aモード」に設定されていると判断した場合には、S23に進んで、ヒータ制御部306によりヒータ307の温度上昇を開始させた後、終了する。
一方、S21で「Bモード」に設定されていると判断した場合には、まず、原稿センサ305による原稿検出以前に一時解除設定が行われているか否かを判断する(S24)。ここで、一時解除設定は、図5に示す操作キー270と液晶ディスプレイ(LCD)274を通じてユーザにより設定される。原稿センサ305による原稿検出以前に一時解除設定が行われていると判断された場合には(S24:Yes)、S23に進んで、ヒータ制御部306によりヒータ307の温度上昇を開始させた後、終了する。一方、原稿センサ305による原稿検出以前に一時解除設定が行われていないと判断された場合には(S24:No)、キー入力があるまで待機する(S25)。キー入力があると(S25:Yes)、そのキー入力が一時解除設定であるか否かが判断さされる(S26)。一時解除設定が行われたと判断された際には(S26:Yes)、S23に進んで、ヒータ制御部306によりヒータ307の温度上昇を開始させた後、終了する。キー入力が一時解除設定でないと判断された場合には(S26:No)、S27に進んで、コピーキー321が押下されたか否かを判断する。ここで、コピーキー321が押下されたと判断した場合には(S27:Yes)、S23に進んで、ヒータ制御部306によりヒータ307の温度上昇を開始させた後、終了する。一方、コピーキー321以外のキーが押下されたと判断した場合には(S27:No)、そのキー入力がFAX送信開始操作に関するものであるか否かが判断される(S28)。S28において、キー入力がFAX送信開始操作に関するものであると判断された場合(S28:Yes)、ヒータ307をONする必要はないため、終了する。また、S28においてキー入力がFAX操作送信開始に関するものでないと判断された場合(S28:No)、キー入力に従う処理を行い(S29)、S25以前の状態に戻る。そしてS25以降の処理が再び行われる。
従って、図1及び図2に示されたフローチャートが実行されると、ヒータ307の温度
上昇の開始のタイミングが、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」又は、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」のいずれかになる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の複合機301では、図4のファクシミリ装置1の特徴をも有するものであるから、原稿センサ305で検出された原稿が取り込まれると、原稿のイメージデータがスキャナ部35で読み取まれる。一方、コピーキー321が押下されると、スキャナ部35で読み取ったイメージデータを記録紙に形成する、画像形成装置63及び定着装置65などのコピー機能の実行が開始される。このとき、記録紙に転写されたトナーを熱溶融させるためのヒータ307(定着装置65に備えられているヒータ313に相当するもの)は、省エネルギーなどの観点から、コピー機能が動作していない時間が継続して一定時間に到達すると、ヒータ制御部306により、コピー機能の実行が可能な温度よりも低い温度にまで降下される。従って、コピー機能を実行するためには、コピー機能の実行が可能な温度にまでヒータ307の温度を上昇させなければならない。
この点、本実施の形態の複合機301では、図1のフローチャートにより、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングについて、原稿センサ305が原稿を検出した直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Aモード」と、コピーキー321が押下された直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Bモード」とが用意されており、図2のフローチャートを実行することにより、「Aモード」又は「Bモード」のいずれかのタイミングで、ヒータ307の温度上昇を開始させることができる。
尚、「Aモード」は、原稿センサ305が原稿を検出した直後にヒータ307の温度上昇を開始させるので、「Bモード」と比べれば、ファーストコピー待機時間が短くなるが、省エネルギーには適していないものである。一方、「Bモード」は、コピーキー321が押下された直後にヒータ307の温度上昇を開始させるので、「Aモード」と比べれば、省エネルギーには適しているが、ファーストコピー待機時間が長くなるものである。
本実施の形態の複合機301では、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定されたヒータ307の温度上昇の開始タイミングを、図2のフローチャートを実行することにより、原稿センサ305が原稿を検出した直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Aモード」又は、コピーキー321が押下された直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Bモード」のいずれかで実行することができ、さらに、図1のフローチャートを実行することにより、原稿センサ305が原稿を検出した直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Aモード」又は、コピーキー321が押下された直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Bモード」のいずれかで、ヒータ307の温度上昇の開始タイミングを設定することができるので、ユーザーの意思又はユーザーの使用環境を反映させて変更することができる。
また、本実施の形態の複合機301は、図4のファクシミリ装置1の特徴をも有するものであるから、スキャナ部35で読み取ったイメージデータをファクシミリデータとして送信するファクシミリ機能を備えたものである。そして、図1に示すように、ファクシミリ機能を備えた本実施の形態の複合機301が公衆回線網などの回線L4と物理的に接続されていないと判断する場合には(S11:No)、本実施の形態の複合機301のファクシミリ機能が実行不可能でコピー機能が実行可能な状態にあることから、S14に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に設定している。従って、実行可能なコピー機能に対して、常に、ファーストコピー待機時間を短くすることができるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定されたヒータ307の温度上昇の開始タイミングを、ユーザーの使用環境を反映させて変更することができる。
また、本実施の形態の複合機301では、図1に示すように、S12で、自動切替の切替モードを選択した場合には、S18において、前回から所定回数遡った一連の過去動作についてコピー機能の動作が多いと判断したときは、次回の動作がコピー機能である蓋然性が大きいことから、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に自動的に設定する一方、S18において、前回から所定回数遡った一連の過去動作についてファクシミリ機能の動作が多いと判断した場合には、次回の動作がファクシミリ機能である蓋然性が大きいことから、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」に自動的に設定するので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定されたヒータ307の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの使用環境を確実に反映させて変更することができる。
また、本実施の形態の複合機301では、図1に示すように、S12で、ユーザー切替の切替モードを選択した場合には、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、原稿センサ305が原稿を検出した直後とする「Aモード」に設定することも(S13:Yes)、コピーキー321が押下された直後にヒータ307の温度上昇を開始させる「Bモード」に設定することも(S13:No)、 図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介したユーザーのマニュアル操作で行うことができるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定されたヒータ307の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの意思を確実に反映させて変更することができる。
また、本実施の形態の複合機301において、図2に示すように、S24およびS26において、一時解除設定をするか否かを、図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介してユーザーが選択できるようになっている。一時解除設定をすることを選択した場合には(S24:YesまたはS26:Yes)、S23に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」の設定を一時的に解除し、ヒータ307がONされる。一方、一時解除設定をしないことを選択した場合には(S24:NoおよびS26:No)、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、コピーキー321が押下された直後とする「Bモード」の設定が保たれる。このように、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定されたヒータ307の温度上昇の開始タイミングの変更について、ユーザーの意思の一時的な変化又はユーザーの使用環境の一時的な変化についても反映させることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施例では、S12においてユーザー切替又は自動切替のいずれかの切替モードにするか、また、S13においてヒータ制御モードにするか否かを、図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介してユーザーに選択させている。しかしながら、ユーザー切替又は自動切替のいずれかの切替モードにするか、ユーザー切替モードを選択した場合にはヒータ制御モードにするか否か、を図1のフローチャートが実行される以前に図5の各種操作キー270や液晶ディスプレイ(LCD)274を介してユーザーに選択させても良い。この場合には、図1のフローチャートのスタート、S12、S13での処理が以下のように実行され、それ以外のステップでの処理は上記と同様に実行される。図1のフローチャートは電源ON時または、定期的に開始(スタート)される。S12では、図1のフローチャート実行前にユーザーがユーザー切替又は自動切替のいずれの切替モードを選択したかを判断し、ユーザー切替を選択していたと判断した場合にはS13に進み、自動切替を選択していたと判断した場合にはS17に進む。また、S13では、図1のフローチャート実行前にユーザーがヒータ制御モードにするか否かのいずれを選択したかを判断し、ヒータ制御モードにすることを選択していたと判断した場合にはS14に進み、ヒータ制御モードにしないことを選択していたと判断した場合にはS16に進む。このようにしても、ヒータ307の温度上昇の開始タイミングの変更について、ユーザーの意思、ユーザーの使用環境を反映させることができる。
また、本実施の形態の複合機301では、図1に示すように、S12において、ユーザー切替又は自動切替の切替モードを選択する必要があるが、ユーザー切替又は自動切替の切替モードのいずれかのみを有するものであってもよい。
また、本実施の形態の複合機301では、図1に示すように、S12で、自動切替の切替モードを選択した場合には、S17に進んで、RAM304などに記憶された過去の履歴(コピー機能並びにファクシミリ機能の動作状況)をチェックするが、この点、過去の履歴として、前回のヒータ307の温度上昇の開始のタイミングが「Aモード」であるか、それとも、「Bモード」であるかをチェックしてもよい。この場合には、S18において、前回のヒータ307の温度上昇の開始のタイミングが「Aモード」であるか「Bモード」であるかを判断し、「Aモード」であると判断するときは、S14に進んで、ヒータ307の温度上昇の開始のタイミングを、引き続き、「Aモード」に設定する。一方、「Bモード」であると判断するときは、S16に進んで、引き続き、「Bモード」に設定する。
本発明の複合機では、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングを、定着制御手段により、原稿検出手段による原稿の検出に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第1制御処理又は、複写指示手段による複写動作の指示に基づいて定着手段の温度上昇を開始させる第2制御処理で実行することができ、さらに、制御処理設定手段により、第1制御処理又は第2制御処理のいずれかで、定着手段の温度上昇の開始タイミングを設定することができるので、ユーザーの意思又はユーザーの使用環境を反映させて変更することができる。
さらに、本発明の複合機において、読取手段により読み取られたデータを外部へ送信する送信手段が外部装置と接続されているか否かを検出する接続状態検出手段をも備える場合に、その接続状態検出手段にて外部装置と接続されていないことが検出されたときは、送信手段が実行不可能で複写動作が実行可能な状態にあることから、制御処理設定手段により、定着制御手段の制御処理を第1制御処理に設定させれば、実行可能な複写動作に対して、常に、ファーストコピー待機時間を短くすることができるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着温度の温度上昇の開始タイミングを、ユーザーの使用環境を反映させて変更することができる。
さらに、本発明の複合機において、制御処理設定手段が、マニュアル操作による手動設定モードと自動設定モードとを有しており、設定された設定モードにより定着制御手段の制御処理を設定できる場合には、制御処理設定手段の自動設定モードにより定着制御手段の制御処理を設定するときは、複写動作や送信手段の実行実績などに基づいて定着制御手段の制御処理を設定できるようになるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着温度の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの使用環境を確実に反映させて変更することができる。
一方、制御処理設定手段の手動設定モードにより定着制御手段の制御処理を設定するときは、ユーザーのマニュアル操作により定着制御手段の制御処理を設定できるようになるので、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングについて、ユーザーの意思を確実に反映させて変更することができる。
さらに、本発明の複合機において、自動設定モード及び手動設定モードにおける定着制御手段の制御処理の設定状態に拘わらず、制御処理設定手段に第1制御処理を設定させるマニュアル操作可能な制御処理指示手段を設けた場合には、ファーストコピー待機時間の短縮又は省エネルギーの観点から決定された定着手段の温度上昇の開始タイミングの変更について、ユーザーの意思の一時的な変化又はユーザーの使用環境の一時的な変化についても反映させることができる。