JP4032710B2 - バルク包装用セパレートシートの洗浄殺菌方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パレット上に、セパレートシートを介して、容器を複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルム等で被って包装するバルク包装に使用されるセパレートシートの洗浄殺菌方法及びその装置並びにバルク包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パレット上に、セパレートシートを介して、食品や医療品を充填包装するカップ状容器を複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルム等で被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートとして、紙基材からなるシートを使用していたが、衛生管理が不十分で容器を汚染する原因となっていた。
この紙製シートからなるセパレートシートは、洗浄水を使用する殺菌処理は不可能であり、セパレートシートによる容器の汚染防止の方法としては、ブラシによる埃除去や紫外線殺菌などの方法が採用されていた。しかしながら、包装材料の殺菌方法として紫外線照射がよく知られているが、紫外線照射による殺菌は表面殺菌であり、非照射部分は殺菌されず、また、紫外線エネルギーが低い場合、障害物があるか又は菌の層が厚いときは紫外線が透過せず、十分な殺菌効果が得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、パレット上に、セパレートシートを介して容器を複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルム等で被って包装するバルク包装に使用されるセパレートシートの洗浄殺菌に関し、セパレートシートの十分な殺菌効果を達成できる洗浄殺菌方法及び安定に洗浄と同時に殺菌することができる装置並びにその殺菌処理を施されたセパレートシートを用いた、内容物充填までの間容器の汚染防止を可能としたバルク包装体を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1に係る発明は、パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートにおいて、
前記セパレートシートを、アルカリ洗浄剤で洗浄殺菌する工程、第1のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける工程、第1の水洗工程、第2の水洗工程、第2のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける工程、乾燥工程を順次通した後、さらに殺菌工程で紫外線殺菌もしくはパルス殺菌を行い、前記容器の汚染防止を可能としたことを特徴とするセパレートシートの洗浄殺菌方法である。
【0005】
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載のセパレートシートの洗浄殺菌方法において、前記セパレートシートが、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS)又はポリプロピレン樹脂(PP)からなるプラスチックシートであることを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に係る発明は、パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートを洗浄殺菌する装置であって、アルカリ洗浄剤で洗浄殺菌する手段と、第1のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける手段と、第1の水洗手段と、第2の水洗手段と、第2のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける手段と、乾燥手段と、紫外線殺菌もしくはパルス殺菌処理をする手段とを備えたことを特徴とするセパレートシートの洗浄殺菌装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において洗浄殺菌処理されるセパレートシートは、パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルム等で被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートであって、このセパレートシートとしては、各種プラスチックシートが挙げられるが、本発明は、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS)又はポリプロピレン樹脂(PP)からなるプラスチックシートを使用した場合に特に有効である。
【0009】
また、本発明に係るバルク包装において用いられる容器としては、少なくとも内容物充填用開口部が設けれたカートカン等の筒状容器が好ましく用いられる。
【0010】
さらに、本発明に係るバルク包装において用いられる外側から被う外装シート又はフィルムとしては、特に限定されるものではないがストレッチフィルムが例示できる。
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るバルク包装用セパレートシートの洗浄殺菌方法に用いた一実施形態としての洗浄殺菌装置の主要部分を示した模式側面断面図である。この洗浄殺菌装置1は、駆動ローラ13と従動ローラ14との間に掛け渡された搬送ベルト15の上側走行部は駆動ローラ13から従動ローラ14へ向かって図の左側から右側へ移動し、一方、搬送ベルト15の下側走行部は従動ローラ14から駆動ローラ13へ向かって図の右側から左側へ移動する。本実施形態では、その搬送ベルト15の上側走行部が被処理物であるバルク包装用セパレートシートの搬送路に相当する。
【0012】
本実施形態の洗浄殺菌装置は、被処理物であるセパレートシート供給ステージ2と、洗浄ステージ3と、第1のエアーナイフにより圧縮エアーを吹きつけるステージ4と、第1の水洗淨ステージ5と、第2の水洗淨ステージ6と、第2のエアーナイフにより圧縮エアーを吹きつけるステージ7と、乾燥ステージ8と、紫外線殺菌もしくはパルス殺菌ステージ9と、処理を施されたセパレートシート取出しステージ10とによって構成される。
【0013】
段ばらし装置11により、段積みになっている使用済みのセパレートシート12を1枚ずつ搬送ベルト15にセットされ、搬送ベルト15により、順次洗浄殺菌装置ステージ3に搬送される。
【0014】
被処理物であるセパレートシート12が洗浄殺菌ステージ3に搬送されてくると、上下2列のアルカリ洗浄剤噴霧ノズル16,16′,17,17′によってセパレートシート12の表裏にアルカリ洗浄剤を高速で噴射・吹き付けすることによって洗浄殺菌処理が行われる。ここで、洗浄剤は薬剤含有液体であって、例えば60℃に加温された次亜塩素酸溶液などが用いられ、セパレートシート12に付着した耐熱性の低いカビ、酵母が殺菌される。なお、洗浄液はフィルター(図示せず)を介して循環使用される。
【0015】
次いで、セパレートシート12は、第1のエアーナイフにより圧縮エアーを吹き付けるステージ4に搬送され、第1の上下一対のエアーナイフ18,18′より圧縮エアーを吹き付ける。セパレートシート12に噴霧された洗浄液を圧縮エアーを吹き付けることで、セパレートシート12に散布付着された洗浄液をある程度除去する。ここで、次工程への洗浄液の持ち出しを減少することができる。
【0016】
その後、第1の水洗ステージ5に搬送されたセパレートシート12を上下一対の噴霧ノズル19,19′から噴霧される市水による洗浄を行い、次いで、第2の水洗ステージ6で上下一対の噴霧ノズル20,20′から水道水を直噴して最終洗浄する。第1の水洗ステージ5で使用する洗浄液は循環使用し、次工程の最終洗浄で使用した水をタンク(図示せず)に落とし再利用することにより、洗浄水の浄化を計り、オーバーフロー分を排水する。
【0017】
次いで、洗浄を行った後、セパレートシート12は第2の圧縮エアーを吹き付けるステージ7に搬送され、上下一対のエアーナイフ21,21′より圧縮エアーを吹き付け、セパレートシート12に付着した水分を圧縮エアーを吹き付けてある程度除去する。ここで、次工程での乾燥時間を短縮することができる。
【0018】
その後、セパレートシート12が乾燥ステージ8内に入ると、上下一対のエアーノズル22,22′によって高温の乾燥空気を吹き付けてセパレートシートに付着した水分を熱風乾燥する。
【0019】
セパレートシート12を完全に乾燥した後、搬送ベルト15によって搬送されて殺菌ステージ9の紫外線殺菌もしくはパルス殺菌処理手段を備えた殺菌室へ送られる。ここで、紫外線殺菌もしくはパルス殺菌処理が行われ、耐熱性の高い細菌が殺菌される。
【0020】
紫外線照射殺菌の場合は、紫外線の発生手段は高圧水銀ランプ等例示でき、その紫外線波長254nm程度の殺菌力の強い紫外線を発生するものであれば特に限定されるものではない。
【0021】
また、パルス殺菌を行う場合は、例えば、キセノンランプからの高出力パルスを用いることができる。キセノンランプとしては、その分光特性が紫外線域から赤外線域、特に遠紫外線域(200〜300nm)、近紫外線域(300〜380nm)、可視光線域(380〜780nm)、赤外線域(780〜1100nm)に至るまでの広範囲の波長の連続スペクトルを有するものが好ましい。この殺菌方法によると、1回の発光エネルギーを上げていくと少ない発光回数でも同様な殺菌効果が得られる。また、係るキセノンランプによる殺菌効果は、ランプに入力する電気エネルギー(電圧)、コンデンサー容量、パルス幅、照射距離、照射回数等により影響され、電気エネルギー(電圧)と照射回数は大きくするほど、パルス幅と照射距離は小さくするほど殺菌効果が増すことから、適宜条件を設定すれば良く、特に限定されるものではない。
【0022】
上記に述べた洗浄殺菌処理を施されたセパレートシート24は、その後、取り出しステージ10へ搬送され、駆動ローラ25と従動ローラ26との間に掛け渡された搬送ベルト27の上側走行部は駆動ローラ25から従動ローラ26へ向かって図の左側から右側へ移動し、一方、搬送ベルト27の下側走行部は従動ローラ26から駆動ローラ25へ向かって図の右側から左側へ移動する搬送ベルトとガイドロール28を介して装置出口からシート段積み部に洗浄殺菌処理を施されたセパレートシート24段積みされる。
【0023】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。例えば、筒状容器に限られず、角筒形状容器等その他の形状の容器を用いることができる。
また、本発明に係るセパレートシートの洗浄殺菌方法を適用できる洗浄殺菌装置は、図1に示した構造の装置に限られものではなく、セパレートシートを搬送するための搬送装置を有すると共に、セパレートシートの搬送路に沿って洗浄殺菌ステージなどの各種ステージが順を追って順次設置される構造の洗浄殺菌装置で有りさえすれば具体的な構造は任意である
【0024】
図2は、本発明に係るセパレートシートを用いたバルク包装体の一実施形態を示す斜視図である。
上述した洗浄殺菌方法により殺菌処理を施されたバルク包装用セパレートシートを用いて、図2に示すようにパレット33上に、容器32をそのセパレートシート31を介して複数段に積み重ね、外装シート又はフィルム34、例えばストレッチフィルム等を用いて外側から被って包装したバルク包装体30が得られる。
このバルク包装体は、本発明の洗浄殺菌方法により殺菌処理を施されたセパレートシートを用いることで、包装された容器は内容物充填までの間、汚染されることなく一時的に容器状態で段積み保管することができる。
ここで用いられる容器としては、少なくとも内容物充填用開口部が設けれたカートカン等の筒状容器が好ましく用いられる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被ってバルク包装に用いられるセパレートシートとしてプラスチックシートを使用して、洗浄殺菌と紫外線もしくはパルス殺菌とを組み合わせてセパレートシートを殺菌するようにしたので、確実に殺菌効果を発揮できる洗浄殺菌方法及びこの洗浄殺菌方法に適用できる洗浄殺菌装置が提供できる。
【0026】
また、本発明のバルク包装体において、パレット上に、本発明の洗浄殺菌方法によって殺菌処理を施されたセパレートシートを介して容器を複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被ってバルク包装された容器は内容物充填までの間、汚染されることなく一時的に容器状態で段積み保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセパレートシートの洗浄殺菌方法及び装置に適用した洗浄殺菌装置の一実施形態を示す模式側面断面図である。
【図2】本発明に係るセパレートシートを用いたバルク包装体の一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・洗浄殺菌装置
2・・・シート供給ステージ
3・・・洗浄殺菌ステージ
4・・・第1の圧縮エアー吹き付けるステージ
5・・・第1の水洗浄ステージ
6・・・第2の水洗浄ステージ
7・・・第2の圧縮エアー吹き付けるステージ
8・・・乾燥ステージ
9・・・殺菌ステージ
10・・・シート取り出しステージ
11・・・段ばらし装置
12・・・使用済みセパレートシート
13、25・・・駆動ローラ
14、26・・・従動ローラ
15、27・・・搬送ベルト
16、16′、17、17′・・・洗浄剤噴射ノズル
18、18′・・・第1のエアーナイフ
19、19′、20、20′・・・水噴射ノズル
21、21′・・・第2のエアーナイフ
22、22′・・・熱風噴射ノズル
23、23′・・・紫外線もしくはパルス照射装置
24・・・殺菌処理を施されたセパレートシート
28・・・ ガイドローラ
30・・・バルク包装体
31・・・セパレートシート
32・・・容器
33・・・パレット
34・・・外装シート又はフィルム

Claims (3)

  1. パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートにおいて、前記セパレートシートを、アルカリ洗浄剤で洗浄殺菌する工程、第1のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける工程、第1の水洗工程、第2の水洗工程、第2のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける工程、乾燥工程を順次通した後、さらに殺菌工程で紫外線殺菌もしくはパルス殺菌を行い、前記容器の汚染防止を可能としたことを特徴とするセパレートシートの洗浄殺菌方法。
  2. 前記セパレートシートが、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS)又はポリプロピレン樹脂(PP)からなるプラスチックシートであることを特徴とする請求項1記載のセパレートシートの洗浄殺菌方法。
  3. パレット上に、容器をセパレートシートを介して複数段に積み重ねて、外側から外装シート又はフィルムで被って包装するバルク包装に用いられるセパレートシートを洗浄殺菌する装置であって、アルカリ洗浄剤で洗浄殺菌する手段と、第1のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける手段と、第1の水洗手段と、第2の水洗手段と、第2のエアーナイフより圧縮エアーを吹き付ける手段と、乾燥手段と、紫外線殺菌もしくはパルス殺菌処理手段とを備えたことを特徴とするセパレートシートの洗浄殺菌装置。
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