JP4032697B2 - 圧縮機、圧縮機の加工方法 - Google Patents

圧縮機、圧縮機の加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機及び圧縮機の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機においてその圧縮室に連通する小径の孔を設けた構造については、特開2000-329075号公報などにより知られている。これらの従来のスクロール圧縮機の構造において、固定スクロールは台板部の一方の面例えば下面に板状渦巻歯が形成されるとともに固定スクロールの側面からは、冷凍サイクルに接続される吸入管が密閉容器を貫通して圧入されている。
【0003】
一方固定スクロールに対向する揺動スクロールは、台板部の上面に固定スクロールの板状渦巻歯と実質的に同一形状の板状渦巻歯が設けられており、この両方の渦巻歯がかみ合って幾何学的に圧縮室を形成している。揺動スクロールの板状渦巻歯と反対側の面すなわち下面の中心部には中空円筒のボス部が形成されており、クランクシャフト上端の揺動軸部と回転自在に係合されている。また同面にはコンプライアントフレームのスラスト軸受と圧接摺動可能なスラスト面が形成されている。揺動スクロール台板部には上面側の固定スクロールとの間に形成した圧縮室と仮面側のスラスト面とを貫通する抽気孔が設けられ、圧縮途中の冷媒ガスを抽出してスラスト軸受面に導く構造となっている。
【0004】
コンプライアントフレームは、その外周部に設けられた上下2つの円筒面に接触支持するガイドフレームの内周部により、半径方向に支持されており、その中心部にはモータにより回転駆動されるクランクシャフトを半径方向に支持する、主軸受や副主軸受が形成されている。またスラスト軸受面内からコンプライアントフレームを軸方向に貫通し、フレーム空間に連通する連絡通路が設けてあり、その揺動スクロール側開口部は揺動スクロール抽気孔に対面して配置されている。
【0005】
密封されたガイドフレームの内周面とコンプライアントフレームの外周面からなるフレーム空間は、コンプライアントフレームの連絡通路とのみ連通しており、揺動スクロール抽気孔より供給される圧縮途中の冷媒ガスを封入する構造となっている。
【0006】
次にこのスクロール圧縮機の基本動作について説明する。低圧の吸入冷媒は吸入管から固定スクロールおよび揺動スクロールの板状渦巻歯で形成される圧縮室に入る。モータに連結されたクランクシャフトにより駆動される揺動スクロールは偏心旋回運動を行うとともに圧縮室の容積を減少させる。この圧縮行程により吸入冷媒は高圧となり、固定スクロールの吐出ポートより吐出され、密閉容器内を高圧雰囲気で満たし、やがて吐出管から圧縮機外に放出される。なお、上記圧縮行程において圧縮途中の中間圧力の冷媒ガスは揺動スクロールの抽気孔よりコンプライアントフレームの連絡通路を経て、フレーム空間に導かれ、この空間の中間圧力雰囲気を維持する。
【0007】
さて、コンプライアントフレームには、圧縮作用により固定スクロールと揺動スクロールが軸方向に離れようとするスラストガス力等が下向きの力として作用する。一方、圧縮途中の冷媒ガスが導かれたフレーム空間の中間圧力がコンプライアントフレームに作用する力等が上向きの力として作用する。定常運転時においては前述した上向きの力が下向きの力を上回るように設定されており、このためコンプライアントフレームは上下2つの嵌合された円筒面にガイドされて上方に浮上する。揺動スクロールはコンプライアントフレームと密着摺動して同様に浮上し、その板状渦巻歯を固定スクロールに接触させて摺動する。これにより、揺動スクロール板状渦巻歯の歯先と固定スクロールの歯底との間の隙間からの圧縮ガスの洩れを大幅に縮減でき、圧縮機の高効率での運転を実現できる。反対側の、固定スクロール板状渦巻歯の歯先と揺動スクロールの歯底との間の隙間からの洩れについても、同様に縮減されるのは言うまでもない。
【0008】
また起動時や液圧縮時などにおいて、圧縮室内に通常運転時の何倍もの高い圧力が発生した場合には、前述したスラストガス力が大きくなり、揺動スクロールはスラスト軸受を介してコンプライアントフレームを下方へ強く押し下げる。よって、揺動スクロールの板状渦巻歯の歯先と固定スクロールの歯底の間には比較的大きな隙間が生じて、圧縮室内の異常な圧力上昇はリリーフされる。これにより、スクロール板状渦巻歯の破壊や、軸受の焼付等の不具合は回避され、圧縮機の高信頼性・高寿命を実現出来る。
【0009】
つまり、コンプライアントフレームとガイドフレームによって構成されるフレーム空間に圧縮途中の中間圧力ガスを導入するという本機構により、圧縮機の高い効率と信頼性とが両立されるものであり、本機構は中間圧力ガスを導入させる機能を担う抽気孔の存在により成り立っているものである。
【0010】
図12(a)、(b)は揺動スクロールに設けられた抽気孔を示したものである。前記のように、抽気孔19hの圧縮室側開口部19kは、揺動スクロール19の板状渦巻歯の比較的中心側に配置されている。反対に抽気孔19hのコンプライアントフレーム側開口部19iは、揺動スクロール19の下部に配置したコンプライアントフレームの連絡通路の揺動スクロール側開口部と連通させる必要があるために、揺動スクロール板状渦巻歯の比較的外側に配置されている。よって、図9(a)の様に抽気孔は、台板に鉛直な穴ではなく、すなわち台板に対して進入角を持った斜め穴となっている。具体的には50〜70度程度の進入角となっている。また、図9(b)に示すように、3本の穴と抽気孔栓19jによる構成となっている場合もある。
【0011】
次に、別の形態の従来の圧縮機について説明する。図13は従来のインジェクション機能を有するロータリ圧縮機の縦断面図である。これに示すように、密閉容器27内にモータ26およびこれにより駆動される圧縮機構部を内蔵し、底部には圧縮機構摺動部を潤滑およびシールするための冷凍機油32が貯留されている。圧縮機構部は、シリンダ34、シリンダの上下の端面を閉塞する上軸受35、下軸受36によって圧縮室が形成されており、上下軸部を上軸受、下軸受に支持されたクランクシャフト37の偏心部37aには、ローリングピストン38が回転自在に挿嵌されている。またローリングピストンの外周に接しながら往復運動するベーン(図示せず)によって、シリンダ内は冷媒吸入室と圧縮室に分割されている。上軸受にはインジェクション孔39が圧縮室に臨む位置に設けられており、接続管孔40に圧入された接続管41によって、インジェクション管42が接続されている。
【0012】
次にこのロータリ圧縮機の基本動作について説明する。低圧の冷媒ガスは吸入管24よりシリンダ34内へと導入される。そして回転子30と固定子31にて構成されるモータ26に直結されたクランクシャフト37の回転により、ローリングピストン38が偏心回転し吸入および圧縮室の容積が変化することにより、冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出が行われる。圧縮要素部より密閉容器27内へと吐出された高温高圧の冷媒ガスは、吐出管25から密閉容器外へ吐出される。また、インジェクション管42を通じて密閉容器外より導入された冷媒は、上軸受35のインジェクション孔39を通じて圧縮室内へと注入されて、冷凍能力を増大させたりあるいは圧縮ガスの冷却を行う。
【0013】
インジェクション管の取付は、圧縮機の構造上、圧縮要素部を密閉容器内に挿入した後に行われている。インジェクション管と、その先端に取り付けられた接続管41は、密閉容器内へ挿入され、上軸受のインジェクション孔へとつながる接続管孔40へ圧入固定される。接続管孔と接続管を圧入、インジェクション管と密閉容器を溶接とすることで、冷媒の洩れを防止している。図13に示すように、上軸受のインジェクション孔は前記の圧入・溶接を容易にするため、上軸受のつば部分外周部に、水平な横孔として形成されている。また冷媒を圧縮室へと導くため、前記の水平な横孔と圧縮室とを結ぶ、縦孔が形成されている。
【0014】
インジェクション孔から圧縮室への冷媒の注入は、ローリングピストンの回転によって生じるインジェクション孔の圧縮室への開閉によって行われる。インジェクション孔の圧縮室側開口部の位置は、インジェクション孔から注入された冷媒の吸入管への逆流防止や、圧縮ガスのインジェクション孔への逆流防止、インジェクション孔の圧縮室への開閉時間、を考慮して設計される。すなわち、圧縮室の吸入口が閉じた後に開口し、圧縮ガスの圧力が高くなり過ぎない内に閉口する位置となる。よって、シリンダ外周より内側の圧縮室の中間付近に設けらるので、インジェクション孔は自ずと深穴となる。また、冷媒ガスの注入量を最適化するために、インジェクション孔の孔径は小さく設定されており、直径0.5〜2.0mm程度の細孔となっている。従来、インジェクション孔の加工は、エンドミル・ドリル等の切削加工により行われていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明した従来のコンプライアントフレームが軸方向に可動である前記のスクロール圧縮機は、揺動スクロールの抽気孔を加工する際に以下のような問題があった。図12(b)に示すように3本の穴と抽気孔栓19jにて構成される場合、加工する孔の数が多く、かつ孔の径や加工する方向も異なり、またネジ穴加工を要するので、加工時間の増加、加工時の工具・治具の交換等の手間が掛かっていた。また抽気孔栓という別部品が必要で、かつその組み付けの手間もかかり、生産性が非常に悪かった。
【0016】
また図12(a)に示すように斜め穴にて抽気孔を形成する場合には、以下のような問題があった。前述のように抽気孔は揺動スクロール台板に対して50〜70度程度の進入角を持った斜め穴となっている。よってドリルのみによる加工は困難で、まずエンドミルにより案内となる穴を浅く加工した後にドリルによる孔明け加工を行うという、2工程による加工の必要があった。
【0017】
また、前述のように抽気孔は直径0.5〜1.5mm程度の細孔であり、深さは直径の5〜40倍にもなる深孔であるため、多大な加工時間を要していた。エンドミル・ドリルともに小径であるために、折損を避けるためには刃具の回転数・送り速度を極めて遅くし、突き出し長さの異なる刃具による数工程に分けた段階的な加工や、切り屑を排除するために刃具を孔から戻して出し入れするステップ加工、等を行う必要があった。よって、一つの孔を加工するのに、刃具の交換に要する時間も含めると10〜20分もの時間が掛かっていた。加えて、刃具の折損・曲がりが生じてしまうので刃具寿命が短く、5〜10回の加工で刃具交換の必要があった。
【0018】
また、前述のように抽気孔の板状渦巻歯側開口部19kは、板状渦巻歯に極めて接近した位置、例えば開口部円周と板状渦巻歯の最短部分の距離で0〜0.5mmに設置されている。しかし刃具が小径であり、かつ斜め孔加工は反対側の台板側から行わざるを得ないので、加工終了側となる板状渦巻歯側に到達した孔の開口部の位置精度は当然悪く、バラツキも大きいため不良率が高かった。また、不良と至らない場合であっても孔の位置精度が大きくバラツキも大きいため、抽気孔が圧縮室に開口するタイミングにズレが生じて、フレーム空間への中間圧の供給に不具合を生じ、圧縮機の安定した性能・起動性が得られなかった。
【0019】
本抽気孔の加工は孔の位置精度が重要であるため、台板や板状渦巻歯渦巻歯などの精密仕上加工の完了後に行う必要がある。スクロール渦巻の加工には、その幾何学的な形状から専用の工作機械により非常に大きなコストと時間を必要としており、よって最終工程である抽気孔の孔明けでの刃具の折損や位置精度不良による製品の脱落は、多大な生産性の浪費となるもので、大きな損失となっていた。
【0020】
また、孔の開口部の両側には加工でバリが生じるため、それを取り除く必要があった。特に板状渦巻歯側開口部に生じたバリは、開口部が渦巻歯に極めて接近しているためバリを取り除くのは非常に難しく、熟練作業者による顕微鏡を覗きながらの除去作業を行う必要があった。また万一バリが残ったままであると、板状渦巻歯の歯先にバリを噛み込んで圧縮機が運転されてしまい、ロック・摩耗・焼付等の不具合を発生させる恐れがあった
【0021】
次に従来のインジェクション機能を有するロータリ圧縮機は、上軸受のインジェクション孔を加工する際に図13に示すように、インジェクション孔が上軸受のつば部分外周部の水平な横孔と圧縮室へと結ぶ縦孔で形成されている場合、加工する孔の数が多く、かつ孔の径や加工する方向も異なるので、加工時間の増加、加工時の工具・治具の交換等の手間が掛かっていた。また、インジェクション孔は直径0.5〜2.0mm程度の細孔であり、深さは直径の5〜40倍にもなる深孔であるため、多大な加工時間を要していた。エンドミル・ドリルともに小径であるために折損を避けるためには、刃具の回転数・送り速度を極めて遅くし、突き出し長さの異なる刃具による数工程に分けた段階的な加工や、切り屑を排除するために刃具を孔から戻して出し入れするステップ加工、等を行う必要があった。よって、一つの孔を加工するのに、刃具の交換に要する時間も含めると10〜20分もの時間が掛かっていた。加えて、刃具の折損・曲がりが生じてしまうので刃具寿命が短く、5〜10回の加工で刃具交換の必要があった。
【0022】
また、孔の開口部の両側には加工でバリが生じるため、それを取り除く必要があった。万一バリが残ったままであると、ローリングピストンの端面や圧縮室内にバリを噛み込んで圧縮機が運転されてしまい、ロック・摩耗・焼付等の不具合を発生させる恐れがあった。
【0023】
この発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、圧縮機の圧縮室に通じる細孔、すなわち抽気孔、インジェクション孔等の加工精度を向上し、生産性、信頼性に優れた圧縮機及び圧縮機の加工方法を提供することを目的とする。この発明は精度を要求される圧縮要素部品を簡単に短時間に加工するものである。この発明は信頼性の高い圧縮機の構造を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明の圧縮機は、吸入した給気を圧縮する圧縮室を形成する圧縮要素部品と、圧縮室の内外を連通可能に、圧縮要素部品の加工面に対して直角で無い進入角を有し小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたものである。
【0025】
この発明の圧縮機は、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、揺動スクロールを駆動するクランクシャフトと、固定スクロール及びクランクシャフトを少なくとも半径方向に支持する支持体と、固定スクロールまたは揺動スクロールの台板に設けられ圧縮室と圧縮室の外部で支持体側の空間とを連通する小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたものである。
【0026】
この発明の圧縮機は、モーターにて駆動されたクランクシャフトの回転によりローリングピストンが偏心回転し給気を圧縮するシリンダー内に設けられた圧縮室と、圧縮室を形成するシリンダの周囲を閉塞しシリンダーに固定された圧縮要素部品と、圧縮要素部品を貫通し圧縮室内に外部より冷媒ガスもしくは液を注入する小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたものである。
【0027】
この発明の圧縮機の連通孔は、孔の径が2ミリメートル以下の小径であって、孔の長さが孔の径の5倍以上というものである。
【0028】
この発明の圧縮機の加工方法は、放電加工用電極を一定方向に移動可能にセットするステップと、圧縮機の圧縮室を形成する圧縮要素部品の加工面を前記一定方向とは直角ではなく所定の侵入角で放電加工用電極を侵入可能なように位置決めするステップと、圧縮要素部品に放電加工用電極を放電加工しながら侵入させて小径でこの径より大幅に長い連通孔を加工するステップと、を備えたものである。
【0029】
この発明の圧縮機の加工方法は、放電加工用電極の放電加工時の送り量をほぼ孔明け完了時に停止する量にあらかじめセットするステップと、を備えたものである。またこの発明の圧縮機の加工方法は、連通孔を放電加工時に連通穴の両側に加工液を供給するステップと、を備えたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明のスクロール圧縮機の縦断面図である。図において、18は固定スクロールであり、外周部はガイドフレーム22にボルト(図示せず)によって締結されている。台板部18aの一方の面(図において下側)には板状渦巻歯18bが形成されると同時に、外周部にはオルダム案内溝18cがほぼ一直線上に2ケ形成されている。このオルダム案内溝18cにはオルダムリング23の爪23aが往復摺動自在に係合されている。さらに固定スクロールの側面からは、吸入管24が密閉容器27を貫通して圧入されている。
【0031】
19は揺動スクロールであり、台板部19aの上面には固定スクロール18の板状渦巻歯18bと実質的に同一形状の板状渦巻歯19bが設けられており、幾何学的に圧縮室18dを形成している。板状渦巻歯19bと反対側の面の中心部には中空円筒のボス部19fが形成されており、クランクシャフト21上端の揺動軸部21aと回転自在に係合されている。また同面にはコンプライアントフレーム20のスラスト軸受20aと圧接摺動可能なスラスト面19dが形成されている。揺動スクロール台板の外周部には、前記固定スクロールのオルダム案内溝18cと90度の位相差をもつ、オルダム案内溝19eがほぼ一直線上に2ケ形成されており、このオルダム案内溝19eにはオルダムリング23の爪23bが往復摺動自在に係合されている。また台板部19aには圧縮室18dとスラスト面19dを貫通する抽気孔19hが設けられ、圧縮途中の冷媒ガスを抽出してスラスト面に導く構造となっている。
【0032】
20はコンプライアントフレームで、その外周部に設けられた上下2つの円筒面20c、20dを、ガイドフレーム22の内周部に設けた円筒面22a、22bにより、半径方向に支持されており、その中心部にはモータ26により回転駆動されるクランクシャフト21を半径方向に支持する主軸受20bおよび副主軸受20fが形成されている。またスラスト軸受20a面内からコンプライアントフレーム20を軸方向に貫通し、フレーム空間22cに連通する連絡通路20gが設けてあり、その揺動スクロール側開口部20eは揺動スクロール抽気孔19hに対面して配置されている。
【0033】
22はガイドフレームで外周面22dは焼嵌め、もしくは溶接などによって密閉容器27に固着されている。またガイドフレーム22の内周面には、コンプライアントフレーム20の外周面に形成された上下円筒面20c、20dと係合する円筒面22a、22bおよびシール材を収納するシール溝が2ケ所設けられており、それぞれシール材28a、28bが設置されている。これら2つのシール材を用いて密封されたガイドフレーム22の内周面とコンプライアントフレーム20の外周面からなるフレーム空間22cは、コンプライアントフレームの連絡通路20gとのみ連通しており、揺動スクロール抽気孔19hより供給される圧縮途中の冷媒ガスを封入する構造となっている。
【0034】
21はクランクシャフトであり、その上端部は揺動スクロール19の揺動軸受19cと回転自在に係合する揺動軸21aが形成されており、その下側にはクランクシャフトバランサ21dが焼嵌められている。さらにその下にはコンプライアントフレームの主軸受20bおよび副主軸受20fと回転自在に係合する主軸部21bが形成されている。またクランクシャフトの下側はサブフレーム29の副軸受29aと回転自在に係合する副軸部21cが形成され、この副軸部と前述した主軸部の間にはロータ30が焼嵌められている。さらにクランクシャフトの下端にはオイルパイプ21eが圧入されており、密閉容器27底部に貯留されている冷凍機油32を吸い上げる構造となっている。密閉容器にはステータ31が焼嵌められており、また側面にはガラス端子33が設置されており、ステータからのリード線が接合されている。
【0035】
次にこのスクロール圧縮機の基本動作について説明する。低圧の吸入冷媒は吸入管24から固定スクロール18および揺動スクロール19の板状渦巻歯で形成される圧縮室18dに入る。モータ26に連結されたクランクシャフト21により駆動される揺動スクロール19は偏心旋回運動を行うとともに圧縮室18dの容積を減少させる。この圧縮行程により吸入冷媒は高圧となり、固定スクロール18の吐出ポート18eより吐出され、密閉容器27内を高圧雰囲気で満たし、やがて吐出管25から圧縮機外に放出される。なお、上記圧縮行程において圧縮途中の中間圧力の冷媒ガスは揺動スクロール19の抽気孔19hよりコンプライアントフレーム20の連絡通路20gを経て、フレーム空間22cに導かれ、この空間の中間圧力雰囲気を維持する。
【0036】
さて、コンプライアントフレーム20には、圧縮作用により固定スクロール18と揺動スクロール19が軸方向に離れようとするスラストガス力と、ボス部空間19gの中間圧力によりコンプライアントフレーム20と揺動スクロール19が離れようとする力の合計が、図中下向きの力として作用する。一方、圧縮途中の冷媒ガスが導かれたフレーム空間22cの中間圧力がコンプライアントフレームに作用する力と、密閉容器27内の高圧がコンプライアントフレーム下部のボス部端面に作用する力の合計が、図中上向きの力として作用する。定常運転時においては前述した上向きの力が下向きの力を上回るように設定されており、このためコンプライアントフレーム20は上下2つの嵌合された円筒面20c、20dにガイドされて上方に浮上する。揺動スクロール19はコンプライアントフレームと密着摺動して同様に浮上し、その板状渦巻歯19bを固定スクロール18に接触させて摺動する。これにより、揺動スクロール板状渦巻歯の歯先と固定スクロールの歯底との間の隙間からの圧縮ガスの洩れを大幅に縮減でき、圧縮機の高効率での運転を実現できる。反対側の、固定スクロール板状渦巻歯18bの歯先と揺動スクロールの歯底との間の隙間からの洩れについても、同様に縮減されるのは言うまでもない。
【0037】
また起動時や液圧縮時などにおいて、圧縮室内に通常運転時の何倍もの高い圧力が発生した場合には、前述したスラストガス力が大きくなり、揺動スクロール19はスラスト軸受20aを介してコンプライアントフレーム20を下方へ強く押し下げる。よって、揺動スクロールの板状渦巻歯の歯先と固定スクロールの歯底の間が離れる方向に力が加わり比較的大きな隙間が生じて、圧縮室内の異常な圧力上昇はリリーフされる。これにより、スクロール板状渦巻歯の破壊や、軸受の焼付等の不具合は回避され、圧縮機の高信頼性・高寿命を実現出来る。
【0038】
つまり、コンプライアントフレーム20とガイドフレーム22によって構成されるフレーム空間22cに圧縮途中の中間圧力ガスを導入するという機構により、圧縮機の高い効率と信頼性とが両立されるものであり、本機構は中間圧力ガスを導入させる機能を担う抽気孔19hの存在により成り立っているものである。
【0039】
ここでコンプライアントフレームおよび揺動スクロールの浮上力を発生させる、抽気孔19hと、フレーム空間22cの中間圧力について補足説明する。フレーム空間には、圧縮室18dにおいて圧縮途中の冷媒ガスが、揺動スクロール抽気孔とコンプライアントフレーム連絡通路20eを経て供給される。また、前記のように通常運転時においては、揺動スクロールとコンプライアントフレームの密着摺動により、中間圧力雰囲気のフレーム空間から吸入圧力雰囲気空間18fへの洩れはない構造となっている。
【0040】
図2は、揺動スクロール19に設けられた抽気孔19hの圧縮室側開口部19kが臨む三日月形の圧縮室と、クランク角の説明図で(a)は開口部19kが揺動スクロール板状渦巻歯に近い位置にある場合、(b)は開口部19kが揺動スクロール板状渦巻歯から離れた位置にある場合である。図中に記載した角度であるクランク角は渦巻歯外周側に初めて三日月形の圧縮室が形成された時点を0度とし、クランク角が90、180、270度になるにつれて、揺動スクロールの偏心旋回運動により圧縮室容積が減少することで、冷媒ガスの圧縮行程をなす。抽気孔の圧縮室側開口部19kは、揺動スクロール板状渦巻歯の渦巻いている比較的中心側に配置されているので、固定および揺動スクロールの板状渦巻歯により幾何学的に構成される三日月形の圧縮室に、常時臨む位置となる。これにより、フレーム空間の中間圧力が、連絡通路と抽気孔を経て吸入圧力雰囲気空間に逆流することはない。よって、圧縮機の性能を損なうことなく運転される。具体的には、抽気孔の圧縮室側開口部は、揺動スクロール板状渦巻歯の巻き終わり(外側)位置から、最低でも一回り以上内側の台板に設ける必要がある。図2(a)では、板状渦巻歯の巻き終わり位置からちょうど一回り内側である。なおこれらの歯の厚みは圧縮機の大きさにもよるが4.5ミリメートルのように数ミリである。
【0041】
従来例で示した図12(a)、(b)は揺動スクロールに設けられた抽気孔を示したもので、前述のように、抽気孔の圧縮室側開口部19kは、揺動スクロール板状渦巻歯の渦の比較的中心側に配置されている。反対に抽気孔のコンプライアントフレーム側開口部19iは、コンプライアントフレームの連絡通路の揺動スクロール側開口部20eと連通させる必要があるために、揺動スクロール板状渦巻歯の比較的外側に配置されている。よって、図12(a)の様に抽気孔は、台板に鉛直な穴ではなく、すなわち台板に対して進入角を持った斜め穴となっている。具体的には50〜70度程度の進入角となっている。また、図12(b)に示すように、3本の穴と抽気孔栓19jによる構成となっている場合もある。
【0042】
図3は図2で説明したクランク角位置すなわち揺動回転による、圧縮室内圧力、および抽気孔の圧縮室側開口部の圧力、およびフレーム空間の圧力、の推移を示したものである。実線は圧縮室18d内部の圧力の変化、1点鎖線は抽出孔の圧縮室側開口部19kの圧力の変化、フレーム空間22c内の圧力の変化を示す。なおクランク角は、固定および揺動スクロールの板状渦巻歯のなす三日月形の圧縮室が、渦巻歯外周側に初めて形成された時点を0度とし、抽気孔の圧縮室側開口部はクランク角で0〜360度の区間で圧縮室に臨む位置に設定した。図3より圧縮室内圧力は、クランク角とともに上昇して約1.25回転(360+90度)で吐出圧力(Pd)に達し、吐出ポートから吐き出される。一方、抽気孔の圧縮室側開口部圧力は、クランク角0〜360度まで一つの圧縮室圧力に開口しているが360度を境に一つ外側の圧縮室に移り開口するので、圧力は不連続な形で急激に低下する(吸入圧力Ps)。またフレーム空間は、抽気孔と連絡通路を介して圧縮室に常時臨んでいるので、その圧力は圧縮室の内圧変動につられて若干緩和された圧力脈動を取りながら推移する。フレーム空間の中間圧力の平均値はこの積算平均となる。
【0043】
図2(a)と図2(b)は抽気孔の圧縮室側開口部の位置の違いによる、開口部と圧縮室との連通区間の変化を示したものである。図2(a)のように開口部が板状渦巻歯に近い位置にある場合は、クランク角で0〜360度の区間で圧縮室に臨む事になる。一方、図2(b)のように、開口部が板状渦巻歯より離れた位置にある場合は、噛み合わされた固定スクロールの板状渦巻歯の歯先面により、開口部が塞がれてしまう区間が生じるため、例えばクランク角で90〜270度の区間でのみ圧縮室に臨む事になる。この連通区間の短期化は、圧縮機の起動時においてフレーム空間に中間圧力を供給する時間を短くさせるため、安定運転を行うまでに要する時間が長くなり起動性を損なうことになる。よって、抽気孔の圧縮室側開口部は、板状渦巻歯に極めて接近した位置、例えば開口部円周と板状渦巻歯の最短部分の距離で0〜0.5mmに設置されている。
【0044】
図4は抽気孔の孔径と、フレーム空間に伝播する圧力変動の関係を示したものである。孔径によって図中の線の種類を変えている。図より、孔径が大きくなるほど絞りによる圧力変動の減衰効果は小さくなり、フレーム空間22cの圧力変動が大きくなる。反対に孔径を小さくするほど圧力変動の減衰効果は大きくなり、安定したフレーム空間22cの中間圧力を維持できる。フレーム空間の中間圧力の変動が大きいと、抽気孔19hを通じて冷媒ガスが差圧により行き来することによる呼吸損失が生じて、圧縮機の効率が低下する。よって、これを防ぐために抽気孔の孔径は小さく設定されており、直径0.5〜1.5mm程度の細孔となっている。また、抽気孔は揺動スクロールの台板19aを貫通するものであるが、台板には圧縮ガスの圧力および液圧縮時のパンピングによる異常高圧に耐えうる強度が必要なため、その厚さは十分確保されなければならない。よって、抽気孔は自ずと深孔となり、例えば抽気孔の台板に対する進入角が60度、台板の厚さが10mmであれば、深さは20mmにもなる。
【0045】
図13は既に説明したようにインジェクション機能を有するロータリ圧縮機の縦断面図である。これに示すように、シリンダ内は冷媒吸入室と圧縮室に分割されている。上軸受にはインジェクション孔39が圧縮室に臨む位置に設けられており、接続管孔40に圧入された接続管41によって、インジェクション管42が接続されている。インジェクション管42を通じて密閉容器外より導入された冷媒は、上軸受35のインジェクション孔39を通じて圧縮室内へと注入されて、冷凍能力を増大させたりあるいは圧縮ガスの冷却を行う。図5は上軸受構造の説明図であって、インジェクション管42が接続される接続管孔40にインジェクション孔39が連通している状態を示す。
【0046】
インジェクション管42の取付は、圧縮機の構造上、圧縮要素部を密閉容器27内に挿入した後に行われている。インジェクション管42と、その先端に取り付けられた接続管41は、密閉容器内へ挿入され、上軸受のインジェクション孔へとつながる接続管孔40へ圧入固定される。接続管孔と接続管を圧入、インジェクション管と密閉容器を溶接とすることで、冷媒の洩れを防止している。図5に示すように、上軸受の端面に対して斜め孔が形成されている。
【0047】
インジェクション孔39から圧縮室への冷媒の注入は、ローリングピストン38の回転によって生じるインジェクション孔39の圧縮室への開閉によって行われる。インジェクション孔39の圧縮室側開口部の位置は、インジェクション孔から注入された冷媒の吸入管への逆流防止や、圧縮ガスのインジェクション孔への逆流防止、インジェクション孔の圧縮室への開閉時間、を考慮して、圧縮室の吸入口が閉じた後に開口し、圧縮ガスの圧力が高くなり過ぎない内に閉口する位置となる。よって、シリンダ外周より内側の圧縮室の中間付近に設けらるので、インジェクション孔は必要な位置まで斜め穴となり自ずと深穴となる。また、冷媒ガスの注入量を最適化するために、インジェクション孔の孔径は小さく設定されており、直径0.5〜2.0mm程度の細孔となっている。従来の複数の孔が1つのインジェクション孔となり加工の手間と時間を省略することが出来る。このようなインジェクション孔39は図13からも分かるようにロータリー圧縮機の下軸受36でも良く、更に、スクロール圧縮機やレシプロ圧縮機などにもインジェクション孔を設け、冷媒を圧縮室へ注入して冷凍能力を増大させたり、圧縮ガスの冷却を行うことが出来る。スクロール圧縮機のインジェクション孔は固定された固定スクロールの台板18aに小径の深穴を同様にもうけることになるし、レシプロの場合も圧縮を行うピストンと圧縮室の配置の関係からインジェクション孔39の圧縮室側開口部の位置は、インジェクション孔から注入された冷媒の吸入管への逆流防止や、圧縮ガスのインジェクション孔への逆流防止、インジェクション孔の圧縮室への開閉時間、を考慮して、圧縮室の吸入口が閉じた後に開口し、圧縮ガスの圧力が高くなり過ぎない内に閉口する位置となる。
【0048】
図6は本発明のスクロール圧縮機の、揺動スクロール抽気孔の放電加工例を示したものである。図6は放電加工機の構成を表しており、4は揺動スクロール19のスラスト軸受面を上にして渦巻歯の面を下に設置した状態である。7はコラム、すなわちベッド1に固定され加工ヘッド8を支える支柱である。ベッド1上にテーブル2を有し、その上面に揺動スクロールの抽気孔加工用治具3とワーク4(揺動スクロール)を固定してある。テーブル2はスライド機構5によってX軸(図において紙面に対して垂直方向)及びY軸方向(図において左右方向)に移動可能に設置されており、テーブル2及び抽気孔加工用治具3、ワーク4は加工槽6に包囲されている。テーブル2の後方には、ベッド1の上面からコラム7が設置されており、更にコラム7前面には加工ヘッド8が取り付けられている。加工ヘッド8には、主軸部9がZ軸方向(図において垂直方向)に移動可能に設置されていて、主軸部9の下端部には電極チャック10が取り付けられている。電極チャック10には中心孔を有する中空状の細孔加工用の電極11が保持される。また、電極11をZ軸方向へ正確に案内するために、電極ガイド12が取り付けられている。また、図示されていないが、加工液を供給する加工液供給装置、加工槽からの加工液を受け、加工屑を除去した後に再び加工液タンクへ供給する、加工液循環装置が設けられている。
【0049】
図7は揺動スクロールの抽気孔加工用治具3に揺動スクロールであるワーク4をセットした状態を示す図である。前述のように抽気孔は揺動スクロール台板に対して50〜70度程度の進入角を持った斜め穴となっているが、図のように本治具は、抽気孔の加工面に対する進入角αに合わせてワーク加工面のセット角βを設定してある。また、ワークの角度位相決め用のピン14を備えており、ワークである揺動スクロール19のオルダム溝19eこのピンを挿入することで容易に位相決めすることができる。これら2つの機構により、ワークを治具にセットすると抽気孔19hの加工中心軸が垂直に保たれることとなり、放電加工機の主軸部9の送り方向であるZ軸と同一方向となる。また本治具のワーク台板部の受け面15は、ワークのガタツキが無いよう精密な嵌め合いに仕上げられており、ワーク押さえ爪16によって固定されている。治具本体についてももちろん、放電加工機テーブル上に正確に位置決めされて固定されている。よって、X・Y軸方向についてもワークを治具にセットした段階で、抽気孔の加工点の位置決めが正確になされることになる。
【0050】
これにより、加工面に対して90度でない進入角を持つ斜め孔に対して、図12(b)のように3本の穴と抽気孔栓2iによる構成としなくても、1本の孔で済むので加工時間、刃具・治具の交換等の手間の削減が可能となる。また抽気孔栓という別部品が不要になり、かつネジ穴加工、組み付けの手間もなくなるため、生産性が向上する。更に揺動スクロール渦巻歯に接する位置に精度良く孔を明けることが出来、連通孔から中間圧を持つ圧縮ガスをフレーム空間22cへ良好な状態で導き目標とする性能を確実に得る構造とすることが出来る。
【0051】
主軸部のZ軸方向への移動により下方へ送られた電極11は、電極ガイド12により正確に案内されワーク4に接近し、放電加工を開始する。この際、別途設けられた加工液供給装置から電極の中心孔へ送られた加工液は、電極先端の放電加工面へ供給されて、加工屑を電極とワークの隙間を通じて外部へ排除する。加工液は油もしくは水溶性加工液を用い、加工時は図6のように加工槽6を用いて加工液中にワークを浸すか、もしくは外部から加工部位へかけてもよい。外部より供給する場合には、孔の加工開始側はもちろん、反対側の加工終了側へも加工液を供給することで、バリの発生しない良好な加工面を得られる。放電加工でのバリは放電により溶解した金属が付着して出来る突起物であり、加工液を供給することで冷却と洗浄が行われバリの付着を防ぐことが出来る。
【0052】
電極は、ワークの材質・加工条件等に応じて、銅、黄銅、グラファイト、カーバイド等の材質のものを使用し、また加工する孔径に対して、やや小さめの径の電極を使用することで所要の孔径が得られる。例えば、ネズミ鋳鉄材のワークにおいてφ1.0の孔加工においては、φ0.9の外径をもつ銅材の電極を用いることで、良好な孔径・時間と低い電極の消耗費用を実現できる。加工を行うとともに電極が消耗するので、電極の送り量は加工する孔の深さよりも大きく設定する必要がある。本発明の揺動スクロールの抽気孔の加工においては、前述のように孔の加工終了部となる抽気孔圧縮室側開口部は、板状渦巻歯に極めて接近した位置にあるため、電極を送りすぎると渦巻状である板状渦巻歯にまで孔を明けてしまうことになる。よって本例では、予め孔加工で消耗する電極の長さを見越して電極の送り量を設定してある。電極の消耗量は加工実験により条件が決定できデータの積み上げで送り量の設定も容易である。これにより、ほぼ孔明け完了とともに電極の送りを停止し加工を終了させることができ、不良品を発生させることなく加工することができる。この、電極の消費量は、放電、ワークと電極の材質、孔の径・深さ、等の条件により変化するので、その都度適正に設定することは言うまでもない。例えば、ネズミ鋳鉄材のワークにおいてφ1.0、深さ15mmの孔加工においては、ある放電パルス条件の時、電極の送り量を26mmと設定することで適正な加工完了位置を得られている。これらの条件の設定や電極の送り制御は別途設けられている放電加工機の操作パネルに設けられたスイッチ類やマイコンなどで行う。
【0053】
図8は孔の深さと直径の比(l/d)と孔明けに要する加工時間の関係を示したものである。前述のように揺動スクロール抽気孔は直径0.5〜1.5mm程度の細孔であり、深さは直径の5〜40倍にもなる深孔であるが、ドリル加工では(l/d)の値が大きくなるにつれて、加工時間が大幅に伸びている。(l/d)の値が大きくなると刃具の突き出し長さが大きくなり、刃具のねじりや曲げに対する強度が低下することになる。また、(l/d)の値が5を越える当たりでドリルのリード長より孔の深さが深くなるため切り屑が排出されにくくなり、ある深さに達すると切り屑が排出されなくなり加工不能になる。よって上記の理由により、刃具の折損・摩耗や精度維持の点で加工速度を遅くしたり、突き出し長さの異なる刃具による数工程に分けた段階的な加工や、切り屑を排除するために刃具を孔から戻して出し入れするステップ加工、等をせざるを得ないためである。また、(l/d)の値が5〜10を越える場合には、通常ガンドリルと呼ばれる加工液供給孔を持った深孔加工用の刃具が用いられるが、孔径φ1.5以下の小径用のものは製作が困難で、一般の市場では存在せず使用できない。
【0054】
一方放電加工では、(l/d)の増加に対して加工時間の伸びは、ドリル加工のそれと比べてかなり小さい。これは加工液を電極の中心孔へ供給することにより加工屑を積極的に排出することで、ドリル加工のような加工屑詰まりの影響を受けにくいためである。本実施例では、ある条件にて、孔径1.0mm、深さ15mmの孔加工にドリル加工では約180秒要するのに対し、放電加工では40秒で済み、大幅な加工時間の短縮を図ることができる。また、ドリル加工の様な刃具の交換やステップ加工は必要なく、ワークを治具にセットして電極を送るだけで、一度に位置決め及び加工が完了できる。これにより生産性に優れた圧縮機を提供でき、安価かつ大量に早く生産することが可能となる。
【0055】
図9は揺動スクロール抽気孔加工時における、抽気孔圧縮室側開口部の位置精度を示したものである。前述のように抽気孔の板状渦巻歯側開口部2mは、板状渦巻歯に極めて接近した位置、例えば開口部円周と板状渦巻歯の最短部分の距離で0〜0.5mmに設置されている。すなわち孔が歯に接する位置に設けられる。エンドミル+ドリル加工では小径かつ長い刃具のねじりや曲げに対する強度が弱いため加工終了側開口部の位置精度は、悪く、刃具の曲がり等も発生するためバラツキも大きい。しかし放電加工では、電極自体には加工による負荷がほとんど働かないため精度・バラツキともに良好に加工することが出来る。これにより加工不良を低減し、高いコストと時間のかかるスクロール渦巻加工部品の脱落損失を回避し、生産性を高めることができる。また、抽気孔圧縮室側開口部の精度アップにより安定かつ最適な中間圧力を維持できるため、起動時・通常運転時ともに歯先からの洩れが少ない高効率な圧縮機を、安定した品質で提供することができる。
【0056】
図10は揺動スクロール抽気孔加工時における、抽気孔圧縮室側開口部のバリの様子を示したものである。ドリル加工時にはバリの発生は避けられないが、本実施例の抽気孔の放電加工では、放電パルスの電流・電圧・ON時間・OFF時間、電極送り速度、加工液の供給法、等の各種条件を適性化することにより、孔の開口部の両側にバリを発生させずに加工することができる。例えば、ネズミ鋳鉄材のワークにおいてφ1.0、深さ15mmの孔加工においては、ある放電電流・電圧の時、パルスON・OFF時間ともに5μsec、電極の中心孔への加工液供給圧力を5MPa、外部からの孔の両側への加工液の供給を実施することで、バリの発生のない良好な加工面を得られている。これにより、板状渦巻歯と極めて近いため作業が困難である、抽気孔の圧縮室側開口部のバリ除去にともなう時間・手間を削減でき、生産性を高められる。また万一のバリの取り残しが発生しないため、バリに起因する圧縮機のロック・摩耗・焼付等の不具合が回避され、圧縮機の信頼性を損なわない。
【0057】
以上のように本発明の圧縮機は、揺動スクロールに設けた圧縮室から圧縮途中のガスを抽出する抽気孔を備えたスクロール圧縮機において、抽気孔を放電加工により形成したものである。これにより、高い位置精度が要求される、小径深孔の、加工面に対して進入角をもった斜め孔を、刃具・治具の交換無く、ステップ加工で無く一度の加工で、短時間に、バリの発生も無く、加工出来るものである。これにより、洩れが少なく、起動性が良く、圧縮室の異常圧力上昇を回避できるという、抽気孔によってもたらされる高い付加価値の機能が実現されることとなり、高効率・高信頼性の圧縮機を、安価に、早く、大量に、高い生産性にて製造出来るものである。なお、揺動スクロールの抽気孔に限らず、固定スクロールに設ける抽気孔や、固定スクロールに設ける圧縮室へのガスや液のインジェクション用のインシェクション孔加工時に、放電加工を適用しても同様の効果を奏する。
【0058】
以下、本発明の別の例を図11にて説明する。図11は本発明のロータリ圧縮機の、上軸受インジェクション孔の放電加工例を示したものであり、上軸受のインジェクション加工用治具17にワーク4すなわち上軸受を圧縮室側の面を上にしてをセットした状態を示す図である。放電加工機については、前述1と同様であるので詳細の説明は省略する。図のように本治具は、インジェクション孔の加工面に対する90度ではない進入角αに合わせてワーク加工面のセット角βを設定してある。また、ワークの角度位相決め用のピン14を備えており、ワークのシリンダ締結用ボルト孔にこのピンを挿入することで容易に位相決めすることができる。これら2つの機構により、ワークを治具にセットするとインジェクション孔の加工中心軸が垂直に保たれることとなり、放電加工機の主軸部の送り方向であるZ軸と同一方向となる。また本治具のワーク台板部の受け面15は、ワークのガタツキが無いよう精密な嵌め合いに仕上げられており、ワーク押さえ爪16によって固定されている。治具本体についてももちろん、放電加工機テーブル上に正確に位置決めされて固定されている。よって、X・Y軸方向についてもワークを治具にセットした段階で、インジェクション孔の加工点の位置決めが正確になされることになる。放電加工方法については、実施の形態1と同様であるので詳細の説明は省略する。
【0059】
本発明では、ロータリ圧縮機のインジェクション孔を放電加工により形成した。これにより、加工面に対して進入角を持つ斜め孔に対して、図5のように2本の穴による構成としなくても、1本の孔で済むので加工時間、工具・治具の交換等の手間の削減が可能となる。また、ドリル加工に比べて大幅な加工時間の短縮を図ることができる。また、ドリル加工の様な刃具の交換やステップ加工は必要なく、ワークを治具にセットして電極を送るだけで、一度に位置決めと加工が終了する。これにより生産性に優れた圧縮機を提供でき、安価かつ大量に早く生産することが可能となる。また、精度・バラツキともに良好に加工することが出来る。これにより加工不良を低減し、生産性を高めることができる。また、インジェクション孔の圧縮室への開口タイミングの精度アップにより安定かつ最適なインジェクション量を維持できるため、高効率な圧縮機を、安定した品質で提供することができる。また、バリの発生がないためバリ除去にともなう時間・手間を削減でき、生産性を高められる。また万一のバリの取り残しが発生しないため、バリに起因する圧縮機のロック・摩耗・焼付等の不具合が回避され、圧縮機の信頼性を損なわない。以上のようにロータリー圧縮機でインジェクション穴の加工を説明したが、スクロール圧縮機では固定された状態のスクロールに同様な目的でインジェクション孔を同様な構造の細孔で深孔の加工を放電加工で行うことが出来同様な効果が得られる。またレシプロ圧縮機でも圧縮室の内と外を連通するインジェクション孔を同様に加工でき同様な効果が得られる。すなわち本発明の圧縮機はどのような圧縮機であろうと、圧縮要素部を構成する部品に、加工面に対して進入角を有する小径深孔を備えたもので、この孔を放電加工により形成したものである。
【0060】
更に本発明の圧縮機は、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロールを駆動するクランクシャフトと、このクランクシャフトを半径方向に支持するフレームとを備え、前記揺動スクロールの台板に前記圧縮室から圧縮途中のガスを抽出する抽気孔を設けたスクロール圧縮機において、該抽気孔を放電加工により形成したものである。
【0061】
本発明の圧縮機は、圧縮室を形成するシリンダと、このシリンダの両面を閉塞する上軸受および下軸受と、これら軸受に支持されたクランクシャフトと、クランクシャフトの偏心部に回転自在に装着され前記圧縮室で偏心回転するローリングピストンと、前記圧縮室を高圧側と低圧側に仕切るベーンと、によって構成される圧縮要素部を有し、前記圧縮室内に冷媒ガスもしくは液を注入するインジェクション孔を備えたロータリ圧縮機において、該インジェクション孔を放電加工により形成したものである。
【0062】
以上のように、本発明の圧縮機は、加工面に対して進入角を持つ斜め孔に対して、複数の穴による構成としなくても、1本の孔で済むので加工時間、刃具・治具の交換等の手間の削減が可能となる。
【0063】
また、加工面に対して進入角を持つ斜め孔に対して、一度に位置決め及び加工が完了できるので、安価かつ大量に早く生産することが可能となる。
【0064】
また、高い位置精度が要求される小径深孔の加工に対して、大幅な加工時間の短縮を図ることができるので、安価かつ大量に早く生産することが可能となる。
【0065】
また、高い位置精度が要求される小径深孔の加工に対して、位置精度・バラツキともに良好に加工することが出来るので、高いコストと時間のかかる部品の加工不良を低減し、生産性を高めることができる。
【0066】
また、スクロール圧縮機の揺動スクロール抽気孔の高い位置精度が要求される小径深孔の加工に対して、位置精度・バラツキともに良好に加工することが出来るので、安定かつ最適な中間圧力を維持できるため、起動時・通常運転時ともに歯先からの洩れが少ない高効率な圧縮機を、安定した品質で提供することができる。
【0067】
また、孔の加工において、孔の両側にバリを発生させないため、バリ除去にともなう時間・手間を削減できる。また万一のバリの取り残しが発生しないため、バリに起因する圧縮機のロック・摩耗・焼付等の不具合が回避できる。
【0068】
また、スクロール圧縮機において、洩れが少なく、起動性が良く、圧縮室の異常圧力上昇を回避できるという、抽気孔によってもたらされる高い付加価値の機能が実現されることとなり、高効率・高信頼性の圧縮機を、安価に、早く、大量に、高い生産性にて製造出来る。
【0069】
また、ロータリ圧縮機のインジェクション孔の高い位置精度が要求される小径深孔の加工に対して、位置精度・バラツキともに良好に加工することが出来るので、圧縮室への安定かつ最適なインジェクション量を維持できるため、高効率な圧縮機を、安定した品質で提供することができる。
【0070】
【発明の効果】
この発明の圧縮機は、吸入した給気を圧縮する圧縮室を形成する圧縮要素部品と、圧縮室の内外を連通可能に、圧縮要素部品の加工面に対して直角で無い進入角を有し小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたので、精度が良く信頼性の高い製品が得られる。
【0071】
この発明の圧縮機は、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、揺動スクロールを駆動するクランクシャフトと、固定スクロール及びクランクシャフトを少なくとも半径方向に支持する支持体と、固定スクロールまたは揺動スクロールの台板に設けられ圧縮室と圧縮室の外部で支持体側の空間とを連通する小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたので、高い生産性で高効率、高信頼性の製品が得られる。
【0072】
この発明の圧縮機は、モーターにて駆動されたクランクシャフトの回転によりローリングピストンが偏心回転し給気を圧縮するシリンダー内に設けられた圧縮室と、圧縮室を形成するシリンダの周囲を閉塞しシリンダーに固定された圧縮要素部品と、圧縮要素部品を貫通し圧縮室内に外部より冷媒ガスもしくは液を注入する小径でこの径より大幅に長い連通孔と、を備え、連通孔は放電加工により形成されたので、圧縮室へのインジェクション量を設定どおり維持でき高高率な圧縮機が得られる。
【0073】
この発明の圧縮機の連通孔は、孔の径が2ミリメートル以下の小径であって、孔の長さが孔の径の5倍以上というので、安く且つ大量生産により目標である性能を確実に維持できる製品が得られる。
【0074】
この発明の圧縮機の加工方法は、放電加工用電極を一定方向に移動可能にセットするステップと、圧縮機の圧縮室を形成する圧縮要素部品の加工面を前記一定方向とは直角ではなく所定の侵入角で放電加工用電極を侵入可能なように位置決めするステップと、圧縮要素部品に放電加工用電極を放電加工しながら侵入させて小径でこの径より大幅に長い連通孔を加工するステップと、を備えたので、精度維持が難しい加工を短時間に精度良く行える。
【0075】
この発明の圧縮機の加工方法は、放電加工用電極の放電加工時の送り量をほぼ孔明け完了時に停止する量にあらかじめセットするステップと、を備えたので、確実な品質の加工方法が得られる。
【0076】
またこの発明の加工方法は、連通孔を放電加工時に連通穴の両側に加工液を供給するステップと、を備えたので、バリの発生を防ぎ精度の良い、且つ手間の掛からない加工方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の縦断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の、揺動スクロールに設けられた抽気孔の圧縮室側開口部が臨む三日月形の圧縮室とクランク角の説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態1のスクロール圧縮機のクランク角に対する、圧縮室内圧力および抽気孔の圧縮室側開口部の圧力およびフレーム空間の圧力の推移を示した説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の抽気孔の孔径と、フレーム空間に伝播する圧力変動の関係を示した説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1のインジェクション機能を有するロータリ圧縮機の上軸受のインジェクション孔の説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の圧縮機の放電加工例の説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の圧縮機の放電加工用治具とワークの図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の孔の深さと直径の比(l/d)と孔明けに要する加工時間の関係を示した説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態1の圧縮機の揺動スクロール抽気孔加工時における、抽気孔圧縮室側開口部の位置精度を示した説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態1の圧縮機の揺動スクロール抽気孔加工時における、抽気孔圧縮室側開口部のバリの様子を示した説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態1の別の圧縮機の放電加工用治具とワークの図である。
【図12】 従来のスクロール圧縮機の揺動スクロールに設けられた抽気孔の構造図である。
【図13】 従来のインジェクション機能を有するロータリ圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ベッド、 2 テーブル、 3 抽気孔加工用治具、 4 ワーク、 5スライド機構、 6 加工槽、 7 コラム、 8 加工ヘッド、 9 主軸部、 10 電極チャック、 11 電極、 12 電極ガイド、 13 抽気孔加工中心軸、 14 位相決め用のピン、 15 ワーク受け面、 16 ワーク押さえ爪、 17 インジェクション孔加工用治具、 18 固定スクロール、 18a 固定スクロール台板、 18b 固定スクロール板状渦巻歯、 18c 固定スクロールオルダム案内溝、 18d 圧縮室、 18e 吐出ポート、 18f 吸入圧力雰囲気空間、 19 揺動スクロール、 19a 揺動スクロール台板、 19b 揺動スクロール板状渦巻歯、 19c 揺動軸受、 19d 揺動スクロールスラスト面、 19e 揺動スクロールオルダム案内溝、 19f 揺動スクロールボス部、 19g ボス部空間、 19h 抽気孔、 19i 抽気孔コンプライアントフレーム側開口部、 19j 抽気孔栓、 19k 抽気孔圧縮室側開口部、 20 コンプライアントフレーム、 20a コンプライアントフレームスラスト軸受、 20b コンプライアントフレーム主軸受、 20c・20d コンプライアントフレーム円筒面、 20e 連絡通路揺動スクロール側開口部、 20f コンプライアントフレーム副主軸受、 20g 連絡通路、 21 クランクシャフト、 21a クランクシャフト揺動軸部、 21b クランクシャフト主軸部、 21c クランクシャフト副軸部、 21d クランクシャフトバランサ、 21e オイルパイプ、 22 ガイドフレーム、 22a・22b ガイドフレーム円筒面、 22c フレーム空間、 22d ガイドフレーム外周面、 23 オルダムリング、 23a・23b オルダムリング爪、 24 吸入管、 25 吐出管、 26 モータ、 27 密閉容器、 28 シール材、 29 サブフレーム、30 ロータ、 31 ステータ、 32 冷凍機油、 33 ガラス端子、34 シリンダ、 35 上軸受、 36 下軸受、 37 クランクシャフト、 38 ローリングピストン、 39 インジェクション孔、 40 接続管孔、 41 接続管、 42 インジェクション管。

Claims (4)

  1. 吸入した給気を圧縮する圧縮室を形成する圧縮要素部品と、前記圧縮室の内外を連通可能に設けられ開口0.5乃至2mm程度で放電加工により形成された連通穴と、前記連通穴の両端の冷媒圧力差を保持し前記開口の5乃至40倍程度の前記連通穴長さを有する連通穴台板と、を備え、前記連通穴台板の加工面を斜めに保持し、且つ、放電加工の電極が加工面に50乃至70度程度の進入角を持って形成した斜め穴である前記連通穴を有することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記連通穴は前記圧縮室側の前記開口の端とスクロール渦巻歯の最短部分の距離が0乃至0.5mmに設定可能な様にしたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記連通穴は軸受けの前記圧縮室側端面からインジェクション接続管穴へ連通させることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機を加工する圧縮機の加工方法であって、前記連通穴を加工する前記放電加工の電極を垂直に送るとともに、前記連通穴台板を斜めに保持する加工用治具にて位置決めすることを特徴とする圧縮機の加工方法。
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