JP7175657B2 - ローリングシリンダ式容積型圧縮機 - Google Patents

ローリングシリンダ式容積型圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、ローリングシリンダ式容積型圧縮機に関する。
ローリングシリンダ式容積型圧縮機は、幾何学的に独特の軌跡(ハイポサイクロイド)を利用する装置である。この装置を用いて冷媒等の作動流体を圧縮する場合、作動室が移動する。このため、運転圧力比に見合う容積比となる時点での作動室の位置に吐出口を設けることで、吐出弁を設置することなく、作動流体を吐出させることができる。すなわち、固有容積比を有する容積型圧縮機(以下「固有容積比圧縮機」という。)が構成可能となる。このため、固有容積比圧縮機は、吐出弁抵抗がなく、圧縮機効率は向上する。
しかし、その反面、固有容積比に対応する圧力比(以下「固有圧力比」という。)よりも小さい圧力比の運転では過圧縮が発生し、圧縮機効率が低下する。また、液圧縮の場合には、作動室内の圧力が非常に大きくなるため、各部に大きな荷重がかかり、信頼性低下という問題がある。
特許文献1には、静止シリンダの偏心シリンダ穴の底面にバイパス弁を設けて、過圧縮を抑制するローリングシリンダ式容積型圧縮機が開示されている。特許文献1に記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機は、作動室が吸込室の場合からバイパス弁を開口させる位置に設けているため、液圧縮を抑制できる。
国際公開第2016/067355号
特許文献1に記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機においては、バイパス弁の開口面積が小さいため、過圧縮が残り、圧縮機効率が低下するという点で改善の余地が残っている。また、同様に、液圧縮も完全に回避できず、信頼性に影響を及ぼすおそれがある点で改善の余地が残っている。
本発明は、ローリングシリンダ式容積型圧縮機において、圧縮機効率及び信頼性を向上し、かつ、製造コストを低減することを目的とする。
本発明は、シリンダ溝を有するローリングシリンダと、スライド溝を有する旋回ピストンと、ピン機構を有する静止シリンダと、を備えたローリングシリンダ式容積型圧縮機であって、ローリングシリンダ、旋回ピストン及び静止シリンダは、圧縮部を構成し、旋回ピストンは、シリンダ溝にて相対的に往復運動をするものであり、圧縮部には、往復運動により、吸込室、圧縮室及び吐出室が形成され、ローリングシリンダは、分割された構成要素である、1個のローリング主体及び2個のローリング端体を含み、これらの構成要素に取り囲まれた領域がシリンダ溝である。
本発明によれば、ローリングシリンダ式容積型圧縮機において、圧縮機効率及び信頼性を向上し、かつ、製造コストを低減することができる。
実施例1に係るRC圧縮機を示す縦断面図である。 実施例1に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す斜視図である。 実施例1に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す分解斜視図である。 実施例1に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す平面図である。 実施例1に係るRC圧縮機の旋回ピストンを示す斜視図である。 実施例2に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す斜視図である。 実施例2に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す分解斜視図である。 実施例3に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す平面図である。 実施例4に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す平面図である。 実施例4に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す斜視図である。 実施例4に係るRC圧縮機のローリングシリンダを示す分解斜視図である。 実施例4に係るRC圧縮機の旋回ピストンを示す斜視図である。 RC圧縮機の一般的な圧縮動作を示すフロー図である。
本発明は、旋回する旋回ピストンと、これに連動して回転するローリングシリンダと、これらを組込む静止シリンダと、を3つの主な圧縮要素とする形式を代表的な構成とする圧縮機であって、これらの圧縮要素により作動流体である気体の圧縮を行うローリングシリンダ式容積型圧縮機(以下「RC圧縮機」ともいう。)に関する。
特に、本発明のローリングシリンダ式容積型圧縮機は、旋回ピストンの自転軸であるピストン自転軸とローリングシリンダの回転軸であるシリンダ回転軸が重なるタイミングにおいて極めて高い頻度で生じる機構停止を回避し、圧縮動作を滑らかに継続させるため、旋回ピストン及びローリングシリンダの自転速度を同期させる回転同期手段と、旋回ピストンの自転速度を旋回速度の半分に規定する自転半減手段による旋回ピストンの姿勢規制手段と、を備えたローリングシリンダ式容積型圧縮機に関する。
これらの手段により、旋回ピストンが如何なる旋回位相下であろうとも、常時、旋回ピストンのピストンカット面の中心軸であるカット軸がシリンダ回転軸を通るように、旋回ピストンの姿勢が制御される。よって、旋回ピストンは、旋回ピストンが嵌合されるシリンダ溝を直径部に有するローリングシリンダの受動的な回転を阻害することが無くなり、圧縮動作を停止させることがなくなる。
次に、本発明のローリングシリンダ式容積型圧縮機の大枠の仕様について述べる。
本発明のローリングシリンダ式容積型圧縮機は、旋回ピストンと、ローリングシリンダと、ピストン旋回駆動源と、駆動伝達手段と、ローリングシリンダ回転支持部と、回転同期手段と、自転半減手段と、静止シリンダと、ケーシングと、を備えている。
旋回ピストンは、ピストン自転軸を中心に自転運動し、ピストン自転軸と平行なピストン旋回軸を中心に旋回半径Eで旋回運動する。
ローリングシリンダは、シリンダ回転軸を中心に回転運動する円柱的な形状を有し、シリンダ回転軸と直交するシリンダ溝軸(シリンダ溝の中心軸線)を中心軸としシリンダ回転軸に平行な一定幅のシリンダ溝を有し、シリンダ溝の両側面がシリンダ溝軸に対して平行となる。
ピストン旋回駆動源は、旋回ピストンの旋回運動の駆動源である。
駆動伝達手段は、旋回ピストンとピストン旋回駆動源を繋ぐ。
ローリングシリンダ回転支持部は、シリンダ回転軸をピストン自転軸の旋回軌跡であるピストン旋回軌跡円上に固定配置するべく、シリンダ回転軸をピストン旋回軸に平行としかつピストン旋回軸に対する偏心量であるシリンダ偏心量を旋回半径と等しいEとして配置させる。
回転同期手段は、旋回ピストンの自転角量であるピストン自転量をローリングシリンダの回転角量と同期させる。
自転半減手段は、ピストン自転量を旋回ピストンの旋回角量であるピストン旋回量の半分に制御する。
静止シリンダは、旋回ピストンをシリンダ溝へ隙間嵌合させてシリンダ溝を仕切ることにより隔成される2つの空間を概略密閉して2つの作動室を形成する圧縮部とするべく、旋回ピストンとローリングシリンダを内包する。
ケーシングは、圧縮部とともに貯油部を内蔵する。
静止シリンダには、吸込流路と吐出流路が接続している。
吸込流路は、2つの作動室のうち、旋回ピストンの旋回運動で容積が増大する一方の作動室を吸込系と繋いで吸込室とする。
吐出流路は、旋回ピストンの旋回運動で容積が減少するもう一方の作動室を吐出系と繋いで吐出室とする。
吸込流路及び吐出流路は、容積が増大を終了し減少を開始する直前まで吸込室であった作動室を、吐出室へ移行するまで、吸込系にも吐出系にも繋がらない期間を設けて圧縮室とすべく配置されている。
回転同期手段は、シリンダ溝の2側面と摺接する旋回ピストンの側面に、ピストン自転軸と直交するカット軸を中心軸としピストン自転軸に平行な一定間隔の二平面であるピストンカット面を設けることにより実現する。
自転半減手段は、旋回ピストンの側面のうちでピストン自転軸と直交する二つのピストン側端面の一つにピストン自転軸と直交するスライド軸を中心軸としピストン自転軸に平行な一定幅のスライド溝と、ピストン旋回軌跡円上に配置されてピストン旋回軸と平行なピン軸がスライド軸と常に直交するべく、ピン軸を中心軸としてスライド溝へ挿入するローリングシリンダ回転支持部に配されるピン機構からなるピンスライド機構で構成されている。そして、ピン軸を、ピストン旋回軌跡円上に配置するシリンダ回転軸に対して、ピストン旋回軸を中心として180度対向する位置からピン軸調整角δ度だけ回転したピストン旋回軌跡円上の位置に配置するとともに、スライド軸を、ピストン自転軸を中心として、カット軸の法線方向からピン軸調整角と同一回転方向にピン軸調整角の半分であるδ/2度だけ回転させて設置することにより実現する。なお、このピン軸調整角に関する説明は、先行技術文献に記されている。その説明から、ピン軸調整角δはピン軸機構の配置に不具合が起こらない限り、通常0度とするが、今回の実施例は、ピン軸機構の配置に不具合は無いため、ピン軸調整角δを0度とする。
以下、本発明のローリングシリンダ式容積型圧縮機について複数の実施例を用い、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施例において共通する部分には同一の図を用いて説明する。また、各実施例の図における同一符号は、同一物または相当物を示し、重複した説明を省略する。なお、模式的図示と記載される以外の箇所においては、図示する各要素の寸法比率は一実施形態を示している。よって、図示される形状における各寸法の大小関係や角度も一実施形態を示す。また、図中で括弧付の番号を付けた部分は、実際には無いが説明のために極細線で図示した部分、または、追加したり除去したりして、変形した実施例を示す。後者の場合、追加か除去は、本文中で述べる。また、具体的な寸法値についても、特に限定されるものではないが、ローリングシリンダ式容積型圧縮機の外径が10mmから2000mmまでの範囲であることが望ましい。
以下、本発明の実施形態に係るローリングシリンダ式容積型圧縮機について説明する。
前記ローリングシリンダ式容積型圧縮機は、シリンダ溝を有するローリングシリンダと、シリンダ溝に挿入される旋回ピストンと、ローリングシリンダを挿入する偏心穴を有する静止シリンダと、旋回ピストンの旋回運動とローリングシリンダの回転運動によって生じるシリンダ溝内の旋回ピストンの往復運動により、作動流体を吐出圧まで昇圧する圧縮室を形成する。シリンダ溝の両端部には、ローリングシリンダの外周に沿った形状のシリンダ溝端部壁と、ローリングシリンダのシリンダ溝を有するローリング円筒部の外周を吐出圧とするローリング外周吐出圧化手段を設け、少なくともシリンダ溝端部壁の全域を、別体であるローリング端体として、残りのローリング主体から分離し、ローリング端体をローリング外周吐出圧化手段による吐出圧でローリング本体へ付勢する。
ローリング端体は、ローリング主体と、旋回ピストンと摺動するシリンダ溝側面とシリンダ溝端部壁の内面であるシリンダ溝端面との境界線である側端境界線を通り、かつ、シリンダ溝の中心軸線であるシリンダ溝軸と直交する、側端境界通過平面で分割されることが望ましい。
ローリング端体は、側端境界通過平面に加えて、ローリングシリンダでシリンダ溝の底面であるシリンダ溝底面より反シリンダ溝側のローリング端板部内に設定するシリンダ溝底面と平行なシリンダ底平行平面により、ローリング主体と分割することが望ましい。
ローリング端体は、シリンダ溝底面の一部であるローリング端体底面を備えるローリング端体底部を有することが望ましい。
ローリング端体底面は、ローリング主体のシリンダ溝底面以上の深さとすることが望ましい。
旋回ピストンの下面であるピストン下面の少なくとも一部は、ローリング端体底面に対向していることが望ましい。
シリンダ溝端面は、側端境界通過側平面と同一平面上にするべく、シリンダ溝平坦端面とすることが望ましい。
ローリング端体は、焼結で製作することが望ましい。
ローリング端体は、ローリング主体への付勢面の少なくとも一部を、焼結製造後に仕上げ機械加工を施すことが望ましい。
図1は、実施例1のRC圧縮機の全体構成を示したものである。なお、本図の説明においては、特許文献1に記載されている構成については簡略なものとしている。
本図に示すように、RC圧縮機は、大きく分けると、圧縮部と、駆動源であるモータ7と、貯油部125と、で構成されている。
以下、図1乃至図5及び図13を用いて説明する。
図1は、RC圧縮機の縦断面図である。図2は、ローリングシリンダの斜視図、図3は、ローリングシリンダの分解斜視図、図4は、ローリングシリンダの平面図である。但し、括弧付の番号である1n、1r、1r1、1r3は採用しない。また、図5は、旋回ピストンの斜視図である。そして、図13は、旋回ピストンのスライダ溝を横切る高さの水平断面を用いて模式的に一般的な圧縮動作を示したものである。ここで、図13中には、断面よりも手前の偏心シリンダ穴2bの底面に設ける吸込穴2s1、吸込溝2s2、吐出穴2d1、吐出溝2d2、そして、2個のバイパス穴2eを点線で示す。
まず、RC圧縮機の全体構成を説明する。ここで詳細な説明を要する圧縮部に関しては、後半にまとめて説明する。次に、RC圧縮機内の作動流体の流れと油の流れを説明しつつ、発明の作用効果を解説する。
このRC圧縮機は、ケーシング円筒部8a、ケーシング上フタ8b及びケーシング下フタ8cで構成されているケーシング内の上部から、圧縮部、圧縮部の駆動源となるモータ7及び貯油部125が順に配置されている。両者を繋ぐ駆動伝達部の役割を担うクランクシャフト6が垂直方向に配置される。
圧縮部は、上部を静止シリンダ2、下部をフレーム4で覆った構成である。フレーム4には、上主軸受24aと下主軸受24bとからなる主軸受24が設けられている。この主軸受24により、クランクシャフト6が回転可能な状態で支持されている。フレーム4は、つば受面4cでクランクシャフト6のシャフトつば部6cを支持する。クランクシャフト6は、下方へ突き出ている。なお、静止シリンダ2は、シリンダボルト90によりフレーム4に固定されている。
圧縮部においては、ローリングシリンダ1と、クランクシャフト6によって駆動される旋回ピストン3と、静止シリンダ2と、で作動室が形成される。作動室は、吸込室95、圧縮室100又は吐出室105となる。旋回ピストン3及びローリングシリンダ1は、可動部を構成する。
静止シリンダ2には、シリンダ回転軸を中心軸とする円形の偏心シリンダ穴2bが設けられている。また、静止シリンダ2は、その外周側面にシリンダ外周溝2mを有する。静止シリンダ2の上面からは、偏心シリンダ穴2bへ貫通するバイパス穴2eが設けられている。偏心シリンダ穴2bの底面には、ピン機構5が設けられている。静止シリンダ2の上面側にはバイパス弁22が設けられている。
なお、静止シリンダ2の上部には、吐出カバー230が固定配置されている。吐出カバー230は、吐出カバー板230bを有する。作動流体は、静止シリンダ2の上面と吐出カバー板230bとの間の空間である吐出カバー室130を通過し、吐出カバー口230aから旋回流となって旋回室140へ噴き出るように構成されている。
旋回ピストン3のスライド溝3bには、ピン機構5が挿入されている。偏心シリンダ穴2bの底面には、固定ピン5sが固定配置されている。固定ピン5sには、スライダ5aが回転自在に設置されている。固定ピン5sの下端には、スライダ5aを軸方向に支持するスライダフランジ5bが付設されている。
旋回ピストン3に設けた旋回軸受穴3a(図2)には、旋回軸受23が圧入されている。旋回軸受23には、クランクシャフト6の偏心シャフト6aが挿入されている。偏心シャフト6aは、偏心シャフト挿入穴1d(図3)を介して旋回ピストン3に接続されている。クランクシャフト6の上部には、大径部であるシャフトつば部6cが設けられている。シャフトつば部6cより上部には、偏心シャフト6aと、偏心シャフト6aよりも小径のシャフトネック6dとからなる偏心部が設けられている。
モータ7は、ケーシング円筒部8aに固定配置されるステータ7bと、クランクシャフト6に固定配置されるロータ7aと、で構成されている。ステータ7bには、ステータ巻線7b2が設けられている。モータ7は、ピストン旋回駆動源であり、また、シャフト回転駆動源でもある。ロータ7aには、上部に主バランス80、下部にカウンタバランス82が固定されている。これらは、圧縮動作で旋回運動する圧縮要素(旋回ピストン3)の不釣り合いを動的にバランスさせる役目を担う。
なお、圧縮動作を担う部材はいずれも、往復動をするものはなく、全ての部材が回転運動を行う。よって、完全に動バランスをとることができるため、振動騒音を低減できるという効果がある。
クランクシャフト6の下部は、副軸受25により回転可能に支持されている。
副軸受25は、ボール25aと、そのボール25aを全方位で回転可能に支持するボールホルダ25bと、で構成されている。クランクシャフト6の下部は、ボール25aに挿入され、ボール25aは、ボールホルダ25bに装着されている。ボールホルダ25bは、副フレーム35に固定されている。副フレーム35は、ケーシング円筒部8aに溶接されている。
貯油部125は、ケーシング円筒部8a、ケーシング下フタ8c及び副フレーム35で囲まれた領域である。
圧縮部は、ケーシング円筒部8aへ溶接等によって固定配置されている。
クランクシャフト6の下端には、昇圧能力を有する給油ポンプ200が設けられている。クランクシャフト6には、中心軸方向に中央を貫通する給油縦穴6b(給油路)が設けられている。さらに、クランクシャフト6には、副軸受25や下主軸受24bや上主軸受24aへ繋がる給油横穴(給油副横穴6g、給油下主軸受穴6f、給油上主軸受穴6e)が設けられている。上主軸受24aは、給油上主軸受穴6e及び給油主軸溝6kにより給油されるようになっている。
給油ポンプ200から吐出される油の一部は、ポンプ連結管6zの周囲の隙間を通って、副軸受25に供給されるようになっている。
クランクシャフト6と旋回軸受23と旋回ピストン3とで囲まれた領域は、シャフト偏心端部空間115である。旋回軸受23は、シャフト偏心端部空間115及び給油偏心溝6hから給油されるようになっている。
旋回軸受23等を通過した油は、背面室110等に流入し、フレーム底流路4xからフレーム4の下方に排出されるようになっている。
圧縮部の外周には、シリンダ外周溝2mやフレーム外周溝4mがあり、これらが吐出圧の作動流体の流路となる。
吸込パイプ50は、ケーシング8の内部に設けられている圧縮部へ外部から作動流体を導入するものである。吐出パイプ55は、圧縮部で昇圧された作動流体を外部へ吐出するものである。吸込パイプ50及び吐出パイプ55は、ケーシング上フタ8bに設けられている。このほか、ケーシング上フタ8bには、ハーメチック端子220が設けられている。このハーメチック端子220にモータ線7b3が接続され、外部の電源(図示せず)からモータ7のステータ巻線7b2に電力を供給できるようになっている。
吸込パイプ50から導入された作動流体は、圧縮部で昇圧され、吐出パイプ55から外部に吐出されるようになっている。
ここで、作動流体の流れについて説明する。ここでは、後述する図8も参照して説明する。
吸込パイプ50から導入された作動流体は、圧縮部において圧縮され、吐出穴2d1やバイパス穴2e等から上方へ吹き出す。そして、作動流体は、一旦、吐出カバー230に衝突する。このとき、作動流体に含まれる油は、吐出カバー230に付着し、分離される。油の量が少なくなった作動流体は、吐出カバー口230aから吹き出し、ケーシング円筒部8aの内壁に衝突する。これにより、油が更に分離される。その後、作動流体は、ケーシング上部室120へ入り、ケーシング上フタ8bに設けられた吐出パイプ55から圧縮機の外部に吐出される。なお、ケーシング上部室120においては、作動流体の流速が低下するため、わずかに残った油ミストが沈降しやすくなり、作動流体に含まれる油の量はきわめて少なくなる。
一方、圧縮部の下方には、作動流体の主流は無いが、圧縮部の外周溝であるシリンダ外周溝2mやフレーム外周溝4mを通って、吐出圧の作動流体が流入するようになっている。これにより、圧縮部の下方を含むケーシング空間全域が吐出圧となる。すなわち、高圧チャンバ方式を実現する。
つぎに、圧縮部の下方に流れる一部の油の流れについて説明する。
フレーム底流路4xからフレーム4の下方へ流出する油は、ロータ7aの周囲を覆ってフレーム4の下面に密着固定されているロータカップ210の外側に出る。そして、ロータカップ210の外周を伝って、ステータ7bへ落下し、さらにステータ巻線7b2が通る穴や外周のステータカット面7b1を通って、モータ7の下の空間へ至る。その後、少量が副フレーム中央穴35bを通って副軸受25のボール25aの内外周に給油する以外は、副フレーム周囲穴35aを通って、貯油部125へ戻る。
なお、RC圧縮機は、円筒形状のケーシングの中心軸を水平方向(横)に向けて設置することもできる。この場合に、円筒の中心軸が斜めになっていても問題はない。ただし、この場合は、貯油部125の仕切りである副フレーム35の副フレーム周囲穴35a及び副フレーム中央穴35bの配置を調整して、適量の潤滑油が貯油部125の滞留するようにする必要がある。
図5は、本実施例のRC圧縮機の旋回ピストンを示す斜視図である。
本図において、旋回ピストン3は、中央の旋回軸受穴3aに旋回軸受23を固定した構成を有する。RC圧縮機を組み立てる際、旋回軸受23にクランクシャフト6の偏心シャフト6aを挿入する(図1)。また、旋回ピストン3の側面には、互いに平行な2つのピストンカット面3c(平面部)と、ピストン先端面3e(曲面部)が設けられている。さらに、旋回ピストン3の上下面には、ピストン上面3dとピストン下面3fとが設けられている。そして、ピストン上面3dには、スライド溝3bが設けられている。このスライド溝3bは、旋回軸受穴3aと通じる深さに設定してある。これにより、旋回軸受23への給油に併せてスライド溝3bに給油することができるようになっている。
さらに、スライド溝3bは、ピストンカット面3cまで達している。また、ピストンカット面3cへの給油路とする。これにより、ピストンカット面3cと対向する後述のシリンダ溝側面1c2との間のシール性が向上し、漏れが抑制されて圧縮機効率が向上するという効果がある。
ここで、旋回軸受23は、旋回軸受穴3aの奥から離して、スライド溝3bにかからない位置に配置してある。これにより、スライド溝3bの加工時に旋回軸受23が割れることが無くなり、製造上の課題が無くなる。また、通常、旋回軸受23は、旋回軸受穴3aへ固定配置後、内周面を仕上げ加工するが、その際に研磨機を使用することが可能となる。なぜならば、砥石の端部は形状が安定しないために、研磨の際砥石を旋回軸受23よりも奥まで入れる逃げが必要となるためである。
次に、図2乃至図4に示すローリングシリンダ1を説明する。
図2に示すように、ローリングシリンダ1は、全体としては外形が円柱形状であってシリンダ溝1cを有する部材である。
図3に示すように、ローリングシリンダ1は、1個のローリング主体1αと、2個の底付アーチ状ローリング端体1βと、に分割されている。なお、底付アーチ状ローリング端体1βは、単に「ローリング端体」とも呼ぶ。
図4においては、シリンダ溝1cの内部構造、及びローリング主体1αと底付アーチ状ローリング端体1βとの接触面の位置が明瞭に示されている。すなわち、当該接触面は、側端境界通過平面と重なる部分を有する。
図3に示すように、ローリング主体1αは、2つのシリンダ溝側面1c2と、1つのシリンダ溝底面1c3と、を有する。シリンダ溝側面1c2には、ローリング外周穴1fが設けられている。シリンダ溝底面1c3には、偏心シャフト挿入穴1dが設けられている。
底付アーチ状ローリング端体1βは、アーチ状シリンダ溝外周壁1wと、アーチ端体底面1βzと、を有する。アーチ状シリンダ溝外周壁1wの内面は、シリンダ溝端面1c1である。シリンダ溝端面1c1は、外周に沿いつつ内面が窪んだ曲面である。
図2及び図4に示すように、シリンダ溝1cは、2つのシリンダ溝端面1c1と、2つのシリンダ溝側面1c2と、1つのシリンダ溝底面1c3と、アーチ端体底面1βzと、で囲まれた領域として形成されている。すなわち、底付アーチ状ローリング端体1β(ローリング端体)は、シリンダ溝1cの底面の一部を構成する。
図2に示すように、シリンダ溝端面1c1とシリンダ溝側面1c2との交差部に直線の側端境界線が形成される。側端境界線は、旋回ピストン3(図5)が摺動するシリンダ溝側面1c2とシリンダ溝1cの端部壁の内面であるシリンダ溝端面1c1との境界線である。側端境界線は2本あり、側端境界通過平面は、2本の側端境界線を通る平面である。
全体として、シリンダ溝1cを囲む外周が円周面であるローリング外周面1sとなるローリング円柱1bと、中央に偏心シャフト挿入穴1dを設けたシリンダ溝底面1c3を含むローリング底端板1aと、が形成される。ローリング外周穴1fは、ローリング外周面1sとシリンダ溝側面1c2とを繋ぐものである。
図3は、側端境界線(図2)を含みつつシリンダ溝軸と直交する側端境界通過平面によって、アーチ状シリンダ溝外周壁1w全体を含む2個の底付アーチ状ローリング端体1β(ローリング端体)と、シリンダ溝側面1c2全体を含む残りの部分である1個のローリング主体1αと、に分割した状態を示したものである。この分割によって、ローリング端体にはシリンダ溝底面1c3の一部であるアーチ端体底面1βzが付随することになる。言い換えると、ローリングシリンダ1は、分割された構成要素である、1個のローリング主体1α及び2個のローリング端体を含み、これらの構成要素に取り囲まれた領域がシリンダ溝1cとなっている。
以上のように、ローリングシリンダ1を底付アーチ状ローリング端体とローリング主体1αとに分割したことにより、シリンダ溝1cを端部が解放された状態で加工できるため、従来は、掘り込み穴として加工して形成していたシリンダ溝1cの形状の精度を高めることができる。
掘り込み穴を形成する際には、一端エンドミルをワーク(ローリングシリンダ1に加工する素材)に垂直に挿入してから溝加工を行う必要があったため、溝深さの精度を上げることが困難であった。これに対して、本実施例のように、端部が解放された溝である場合、エンドミルをワークの側面から入れることができるため、溝深さの精度を容易に向上できる。これにより、圧縮機効率に大きな影響を与えるシリンダ溝1cの加工精度を容易に向上することができ、製造コストが低減できるという効果がある。また、製造コストを同一とすれば、加工精度を一段上げることが可能となり、圧縮機効率を一段向上させることができるという効果がある。
この側端境界通過平面での分割により、図3に示すように、アーチ端体垂直分離面1βv及び主体垂直分離面1αvが形成される。
ここで、図13を用いて、RC圧縮機の圧縮動作について説明する。
図13に示すように、一般に、偏心シリンダ穴2b(図1)の底面に設けた吸込溝2s2と、静止シリンダ2の上面から吸込溝2s2に繋がる吸込穴2s1とにより、吸込路2sが構成されている。さらに、偏心シリンダ穴2bの底面に設けた吐出溝2d2と、静止シリンダ2の上面から偏心シリンダ穴2bの底面及び側面並びに吐出溝2d2に繋がる吐出穴2d1とにより、吐出路2dが設けられている。また、静止シリンダ2の上面から偏心シリンダ穴2bへ貫通する2個のバイパス穴2eが設けられている。そして、各バイパス穴2eの上面側には、バイパス弁22が設けられている。
これらのバイパス穴2eのうちの1個(図13の各段階における右側のバイパス穴)は、作動室が吸込室95となる時から圧縮室100を経て吐出室105に至るまで、常時開口する位置に設ける。そして、他の1個(図13の各段階における左側のバイパス穴)は、主として、吐出路2dの流路抵抗を低減するために、圧縮行程の後半から作動室へ開口し、吐出行程時に大きく開口する位置に設ける。これにより、吐出抵抗を低減し、圧縮機効率を向上させるという効果がある。
図13から分かるように、ローリング外周穴1fのシリンダ溝1c側開口位置は、シリンダ溝1cに挿入される旋回ピストン3のスライド溝3bだけに臨む位置となっている。前記のとおり、スライド溝3b内には油が供給されている。また、後述するが、その油は、吐出圧となっているため、ローリング外周穴1fの他方の開口端であるローリング外周面1sへ吐出圧の流体が供給される。さらに、ローリングシリンダ1背面の背面室110は、後述するように、吐出圧となる。
これにより、ローリング外周面1s全域を吐出圧とすることができる。つまり、スライド溝3bに吐出圧の油を供給する手段とローリング外周穴1fと背面室110を吐出圧にする手段とによって、ローリング外周吐出圧化手段を構成する。また、ローリング外周穴1fによって、ローリング外周面1sに供給される油は、ローリングシリンダ1を挿入する静止シリンダ2の偏心シリンダ穴2bとの潤滑を改善し、摩擦損失を低減して、圧縮機効率を向上させるという効果がある。
以上より、図3に示す2個の底付アーチ状ローリング端体1βと1個のローリング主体1αとは、前記のローリング外周吐出圧化手段によってローリング外周面1sに付加される吐出圧により、分割面(主体垂直分離面1αv及びアーチ端体垂直分離面1βv)が互いに付勢される。このようにして、ローリングシリンダ1は一体化する。
また、本実施例においては、図3に示すように、底付アーチ状ローリング端体1βの底面であるアーチ端体底面1βzの深さHβをローリング主体1αのシリンダ溝底面1c3の深さHα以上の深さとする。つまり、Hβ≧Hαとする。すなわち、底付アーチ状ローリング端体1βにより構成されるシリンダ溝1cの底面の深さ(Hβ)は、ローリング主体1αにより構成されるシリンダ溝1cの底面の深さ(Hα)以上である。
これにより、シリンダ溝1c側にアーチ端体垂直分離面1βvは臨まなくなる。よって、シリンダ溝底面1c3と常時摺動しながらシリンダ溝1c内を往復運動する旋回ピストン3が、アーチ端体底面1βzに差し掛かり始めても、両者は衝突することがない。よって、圧縮動作が滑らかに行われるため、振動騒音が低減するという効果がある。さらに、衝突が回避されるために、摩耗の危険性も低減し、信頼性を向上できるという効果がある。さらに、モータ7の効率が向上して圧縮機効率が向上するという効果もある。
次に、静止シリンダ2及びこれに固定配置されるピン機構5について、図1及び図13を用いて説明する。
静止シリンダ2は、外周側面にシリンダ外周溝2m、そして下面にシリンダ回転軸を中心軸とする円形の偏心シリンダ穴2bを開ける。ここで、シリンダ外周溝2mは、フレーム4を静止シリンダ2へ取り付ける際に、フレーム外周溝4mと連通する位置に設ける。そして、偏心シリンダ穴2bの底面にピン軸を中心軸とする固定ピン5sを固定配置し、それを中心として回転自由な形態でスライダ5aを設置する。固定ピン5sの下端には、スライダフランジ5bを設けて、スライダ5aを軸方向に支持する。また、このスライダ5aの側面に設ける2つの平面部は、旋回ピストン3のスライド溝3bに挿入され、前記したピンスライド機構を構成する。
スライダ5aは、スライダフランジ5bと摺動する面を限定し、摩擦損失を抑制する効果がある。また、スライダ5aの上部は、静止シリンダ2の偏心シリンダ穴2b底面との間に隙間を設定する。これにより、摺動を回避して摩擦損失を低減させるという効果がある。
次に、上記した圧縮部の構成要素の組立てや圧縮動作に伴う作動流体や油の流れを説明し、本発明の作用効果を解説する。
ローリングシリンダ1の偏心シャフト挿入穴1dへ偏心シャフト6aを挿入させるようにしてローリングシリンダ1を組み込み、ピストンカット面3cをシリンダ溝1cの側面へ隙間嵌合させつつ旋回軸受23へ偏心シャフト6aを挿入させる。
次に、そのアセンブリの上部から、静止シリンダ2を、スライダ5aがスライド溝3bへ挿入させられ、ローリングシリンダ1が偏心シリンダ穴2bへ挿入させられるように、被せる。そして、ローリングシリンダ1とフレーム4の位置決めを、両者に設ける位置決めのためのノックピン穴へのノックピン挿入や組立治具の使用により行う。そして、クランクシャフト6の回転が滑らかに行われることを確認しながら、静止シリンダ2をシリンダボルト90でフレーム4へ取付ける。
これにより、クランクシャフト6がモータ7によって回されると、旋回ピストン3が旋回運動し、図13で示すような圧縮動作が生じる。
次に、作動流体の流れを説明する。
作動流体は、RC圧縮機外部の吸込系から吸込パイプ50と吸込路2sからなる吸込流路を通って圧縮部へ入り、図13で示す圧縮動作によって昇圧する。このように昇圧した作動流体は、吐出路2dから静止シリンダ2の上部へ噴き出る。ここで、静止シリンダ2の上部には吐出カバー230が固定配置されているため、その内部空間である吐出カバー室130に噴き出たことになる。その後、作動流体は、吐出カバー板230bに衝突し、作動流体内に含まれる油の多くを分離した後、径方向からずれて吐出カバー室130の内壁に概略沿った角度で設ける吐出カバー口230aから旋回流となって旋回室140へ噴き出る。そこでは、作動流体中に残る油が遠心力でケーシング円筒部8aの内壁に付着して分離される。
ここで、運転圧力比がRC圧縮機の固有容積比に対応した圧力比よりも低い過圧縮条件では、圧縮室100が吐出路2dへ至る前に、圧縮室100内の作動流体は、吐出圧に達してしまう。この時点で、吐出路2dの開口よりも前にバイパス弁22が開口し、バイパス穴2eから吐出を開始できるため、過圧縮が抑制され、圧縮機効率が向上するという効果がある。
さらに、本実施例では、図3で明示する通り、作動室が吐出圧となる側の底付アーチ状ローリング端体1βとローリング主体1αの間に作用する付勢力が無くなる。これは、前記したローリング外周吐出圧化手段によって吐出圧となっている底付アーチ状ローリング端体1βの外側圧力が内側圧力以下となるためである。これにより、両者(底付アーチ状ローリング端体1βとローリング主体1α)は離間する。この結果、アーチ端体垂直分離面1βvと主体垂直分離面1αvとの隙間によって、圧縮室100と背面室110を繋ぐ流路が形成され、これを通って作動流体が圧縮室100から背面室110へ吐出する。
つまり、本実施例では、ローリングシリンダ1をローリング主体1αと底付アーチ状ローリング端体1βとに分割し、それらをローリング外周吐出圧化手段によって付勢させることで、過圧縮が一層抑制される。これにより、圧縮機効率が向上するという効果がある。
背面室110へ吐出した作動流体は、フレーム底流路4x、フレーム外周溝4m、シリンダ外周溝2mを通って、旋回室140へ入り、作動流体の主流と合流する。
最後に、吐出カバー板230bの外周隙間からケーシング上フタ8bの下端面で流れを変えられながらケーシング上部室120へ入り、それまでに分離しきれなかった油を沈降作用によって分離する。そして、その後、作動流体は、吐出パイプ55からRC圧縮機外部の吐出系へ出る。
これにより、圧縮部の下部に流れ込む作動流体の主流は無いが、シリンダ外周溝2mやフレーム外周溝4mがあるために、吐出圧の作動流体が流入するため、圧縮部の下部も含むケーシング空間全域が吐出圧となる。
特に、次の油の流れの説明に記載するように、ローリングシリンダ1の背面の背面室110も吐出圧となることから、ローリングシリンダ1は旋回ピストン3を挟み込みながら静止シリンダ2へ付勢し、作動室のシール部を形成する軸方向隙間を縮小させる。この軸方向隙間としては、ピストン上面3dと偏心シリンダ穴2bの底面との隙間、ピストン下面3fとシリンダ溝底面1c3との隙間、さらに、ローリングシリンダ1の上面と偏心シリンダ穴2bの底面との隙間がある。
これにより、シール性が向上し、圧縮機効率が向上するという効果がある。さらに、これらの面上に、馴染み性の被膜を設けると、隙間が一層狭まり、シール性が一層向上し、圧縮機効率が一層向上する。そのような皮膜としては、例えば、材質が鋳鉄の場合、リン酸マンガン化合物がある。
つぎに、油の流れを説明する。
貯油部125の油は、給油ポンプ200によって、ポンプ連結管6zを介して給油縦穴6bへ送り込まれる。そして、その油は、前記した通り、3か所の給油横穴を介して各軸受部(副軸受25、下主軸受24b、上主軸受24a)へ供給される。これらのうち上主軸受24aは、給油上主軸受穴6eから直接供給される流路と一旦給油主軸溝6kに入ってから供給される流路があるため、給油量は多くなる。その後は、下主軸受24bへ供給された油とともに、給油主軸溝6kのシャフトつば部6cの下面箇所を通って、背面室110へ入る。
また、給油縦穴6bの最上部の開口部から、クランクシャフト6と旋回軸受23と旋回ピストン3で囲まれたシャフト偏心端部空間115へ油が流入し、そこから、給油偏心溝6hによって旋回軸受23へ供給されるとともに、スライド溝3bへ供給される。また、旋回軸受23に入った油は、旋回軸受23を潤滑した後、旋回軸受23の下端から背面室110へ流入する。一方、スライド溝3bへ入った油は、その後、スライド溝内に構成されるピンスライド機構を潤滑するとともに、ごく一部は、互いに付勢されるピストン上面3dと偏心シリンダ穴2b底面の隙間に供給される。さらに、スライド溝3bがピストンカット面3cまで突き抜けているため、シリンダ溝1c側面とピストンカット面3cの隙間へも一部が給油される、さらに、前記した通り、ローリング外周穴1fによってローリング外周面1sに給油し、背面室110へ流れ出る。
このようなシャフト偏心端部空間115からの給油路により、互いに付勢しているピストン上面3dやローリングシリンダ1上面と偏心シリンダ穴2b底面における隙間及びピストン下面3fとシリンダ溝底面1c3における隙間の更なるシール性向上と摩擦損失低減を実現する。また、シリンダ溝側面1c2とピストンカット面3cにおける隙間のシール性向上と旋回ピストン3がローリングシリンダ1を回すためのトルクを発生させるピストンカット面3cの端線部の摩擦損失低減も実現できる。また、上主軸受24a、下主軸受24b、旋回軸受23及びピンスライド機構を潤滑するため、摩擦損失の低減を実現する。
ところで、前記した各シール隙間へ入った油は、再び作動室へ入り、作動流体と混ざる。そして、作動流体と混ざり合った油は、作動室から低圧の作動室へ漏れ出る際(吐出室105から圧縮室100や吸込室95へ漏れ出る場合や圧縮室100から吸込室95へ漏れ出る場合)に、隙間を埋めてシール性を向上させるという効果がある。
以上より、RC圧縮機の圧縮機効率の向上を実現できる。
背面室110へ入った油は、その後、フレーム底流路4xによって、フレーム4の下面側から圧縮部の下部空間にあるステータ7bの上面へ排出される。この結果、前記の通り、背面室110の圧力である背圧は吐出圧となる。これにより、ローリングシリンダ1と旋回ピストン3からなる可動部は、背面全域(ローリング底端板1aの反作動室側全域及びピストン下面3fの偏心シャフト挿入穴1dからの露出部)が吐出圧となる。一方、可動部の上面側には、吐出圧以下の領域である吸込室95や圧縮室100が常に形成されるため、平均圧力は吐出圧よりも低くなる。よって、前記の通り、可動部は常に静止シリンダ2へ付勢される。この結果、前記した通り、旋回ピストン3のピストン上面3dとピストン下面3f及びローリングシリンダ1の上面の軸方向隙間が縮小し、シール性が向上して、圧縮機効率向上が実現する。
一方、いろいろなシール隙間を経由して作動室へ流入した油は、作動室内の作動流体と混ざり、吸込や圧縮や吐出行程中に作動流体が漏れ流路に入ったときに、漏れ流路内に油膜を形成し、内部漏れを抑制する。さらに、大多数の漏れ流路は圧縮要素間の相対運動箇所であるため、流入した油は摩擦を低減して潤滑性を向上させる。このようにして、圧縮機効率を向上させるという効果がある。
このように作動流体に混ざった油は、作動室での内部循環を伴いながら、作動流体の流れの説明で記したとおり、最終的に、吐出カバー室130へ作動流体とともに噴き出し、段階的に作動流体から分離する。このようにして分離した油は、圧縮部の外周にあるシリンダ外周溝2m及びフレーム外周溝4mを通って、圧縮部の下部空間にあるステータ7bの上面へ排出される。
この結果、給油縦穴6bを通って圧縮部へ上がった油は、全て、ステータ7bの上面に集まる。その後、外周のステータカット面7b1やステータ巻線7b2が通る穴を通って、モータ7の下の空間へ至る。その後、少量が副フレーム中央穴35bを通って副軸受25のボール25aの内外周に給油する以外は、副フレーム周囲穴35aを通って、貯油部125へ戻る。
また、ローリング端体である底付アーチ状ローリング端体1βを焼結で製造することが考えられる。すなわち、ローリング端体を焼結成形体をとする。
一般に、焼結による成形は、機械加工と比較して寸法精度が低くなるため、高精度が要求される部分には不向きである。ローリングシリンダ1は、高い寸法精度が要求される要素であるが、高精度要求箇所は限定されている。具体的には、相対的に往復運動する旋回ピストン3との摺動面であるシリンダ溝側面1c2及びシリンダ溝底面1c3、並びにシリンダ溝1cの回転中心を規定するローリング外周面1sである。これらは、一部の箇所を除いて大部分がローリング主体1αにあるため、ローリング主体1αの形状精度を保つために、これまでと同様に機械加工を行う。そして、一部の箇所を除いて形状精度を高くする必要が無い箇所が多いローリング端体である底付アーチ状ローリング端体1βを、中レベルの形状精度であるが、製造コストが非常に低い焼結で製作するものである。
これにより、必要な高い形状精度を確保しつつ、製造コストを低減できるため、圧縮機効率が高い圧縮機を低コストで実現できるという効果がある。
ところで、底付アーチ状ローリング端体1βには、シリンダ溝底面1c3の一部であるアーチ端体底面1βzがあるが、Hβ≧Hα(図3参照)として、アーチ端体底面1βzがピストン下面3fと接触しないようにする。また、底付アーチ状ローリング端体1βには、ローリング外周面1sの一部があるが、対向面である偏心シリンダ穴2bの内周面と接触しないように、アーチ端体垂直分離面1βvが主体垂直分離面1αvに付勢されたとき、ローリング主体1α側のローリング外周面1sよりも内側となるようにする。すなわち、偏心シリンダ穴2bの内周面との隙間がローリング主体1αの箇所よりも拡大させる。
これにより、過圧縮や液圧縮時に底付アーチ状ローリング端体1βがローリング主体1αから離間した際、アーチ端体垂直分離面1βvと主体垂直分離面1αvとの間隔が増大するため、そこを作動流体が流れる際の流路抵抗が低下する。このため、より一層過圧縮を抑制し、圧縮機効率をより一層向上できるという効果がある。また、液圧縮もより一層抑制できるため、圧縮機の信頼性をより一層向上できるという効果がある。
ここで、アーチ端体垂直分離面1βvを焼結製造後に仕上げ機械加工してもよい。この結果、アーチ端体垂直分離面1βvと主体垂直分離面1αvが付勢する際のシール性が向上するため、作動室が吸込室95や圧縮室100となる時に、背面室110から吐出圧の作動流体が漏れ込むことを抑制できる。これにより、圧縮機効率が向上するという効果が生じる。
次に、本実施例の変形例として、図2及び図3において符号1nで示すローリング外周環状溝を追加した構成について説明する。
ローリング外周環状溝1nは、ローリング外周穴1fにかかる位置に設けるため、ローリング外周穴1fから流入する油で満たされる。よって、ローリング外周面1sと対向する偏心シリンダ穴2bの内周面との間の潤滑性が向上するとともに、摺動面積が低減するため、摩擦損失が低減し、圧縮機効率が向上するという効果がある。
また、ローリング外周環状溝1nに加え、摺動する外周面に、上段外周面給油カット面1r1及び下段外周面給油カット面1r3で構成される外周面給油カット面1r(図4参照)を追加してもよい(別の変形例)。
これにより、摺動面に油を容易に流入できるため、摩擦損失が低減し、更に圧縮機効率が向上するという効果がある。
また、外周面給油カット面1rは、ローリングシリンダ1が偏心シリンダ穴2bの内周に押し付けられるアーチ状シリンダ溝外周壁1wよりも回転で先行する位置に設けるため、油を負荷面の直前で入れることができる。よって、低温のために粘度が高い油を負荷面に入れることができ、油膜切れによる固体接触が起こらない。したがって、摩擦損失が一層低減し、圧縮機効率が一層向上するという効果がある。
さらに、下段外周面給油カット面1r3の設置によって、ローリング外周環状溝1nの油を、常時、背面室110へ大量に流し出すことができるようになるため、ローリング外周環状溝1nに至る油給油経路内に滞留する油が少なくなる。この結果、各部へ供給する油の温度上昇を抑制できるため、それらの油を供給する各摺動部における油膜切れを抑制でき、それら各部の摩擦損失が低減するため、圧縮機効率を一層向上できるという効果がある。
図6は、実施例2のローリングシリンダを示す斜視図である。
図7は、本実施例のローリングシリンダを分解した状態を示したものである。
本実施例のローリングシリンダは、実施例1と同様の部分も多いため、実施例1及びその複数の変形例と同様の構成に関する説明は省略する。
図6及び7において実施例1及びその複数の変形例と異なる部分は、次のとおりである。
図7には、ローリング主体1αと底付アーチ状ローリング端体1βとを分離した状態が明瞭に示されている。図7に示すローリング主体1αは、主体水平分離面1αhを有する。一方、底付アーチ状ローリング端体1βは、アーチ端体水平分離面1βhを有する。
ローリング主体1αは、主体水平分離面1αh及び主体垂直分離面1αvで構成された折れ曲がった分離面を有する。一方、底付アーチ状ローリング端体1βは、アーチ端体水平分離面1βh及びアーチ端体垂直分離面1βvで構成された折れ曲がった分離面を有する。すなわち、主体水平分離面1αhは、底付アーチ状ローリング端体1βの底面(アーチ端体水平分離面1βh)と接触する。
なお、図6に示すローリング底端板1aは、主体水平分離面1αhを含む部位及びアーチ端体水平分離面1βhを含む部位で構成されている。
このような構成により、起動時に、背面室110(図1)の圧力が十分に上昇しない場合でも、主体水平分離面1αhによって、スムースに、底付アーチ状ローリング端体1βを偏心シリンダ穴2bの底面へ付勢することができる。よって、起動不良を防止し、確実な圧縮運転ができるという効果がある。
さらに、分離面間の極めて微小な隙間による漏れ流路が、途中で折れ曲がっている上に、一般に長くなるため、流路抵抗が増大する。よって、作動室のシール性が向上するため、圧縮機効率が向上するという効果もある。
図8は、実施例3のローリングシリンダを平面図で示したものである。
本実施例は、次の点以外は、実施例1及びその複数の変形例や実施例2と同様である。
本実施例において実施例1等と異なる点は、シリンダ溝の形状をシリンダ溝出っ張り端面1c1’に変更し、それに対応する旋回ピストン3(図1)の形状をピストン出っ張り先端面3e’(図8で二点鎖線で表示)とした点である。他の部分については、説明を省略する。
本実施例の場合、図8に示すように、旋回ピストン3がシリンダ溝1cの端に寄った状態で、ピストン出っ張り先端面3e’(二点鎖線で描画)の一部(クロスハッチングで示す部分)が側端境界通過平面より右方に出っ張るため、旋回ピストン3がアーチ端体底面1βzから完全に外れることが無くなる。アーチ端体底面1βzの深さ(図3や図7に示すHβ)がローリング主体1αのシリンダ溝底面1c3の深さ(図3や図7に示すHα)に極めて近い値である場合、デッドボリュームが小さくなり、高い圧縮機効率を実現できる。
なお、ローリング主体1αが底付アーチ状ローリング端体1βよりも偏心シリンダ穴2bの底面への付勢が不完全になると、状況によっては、アーチ端体底面1βzの方がローリング主体1αのシリンダ溝底面1c3よりも高くなる傾向が生じる。このような場合であっても、本実施例のように、ピストン出っ張り先端面3e’によって出っ張ったピストン下面3fが、シリンダ溝底面1c3よりもアーチ端体底面1βzが浮上することを常時阻止する。言い換えると、旋回ピストン3は、往復運動において底付アーチ状ローリング端体1βにより構成されるシリンダ溝1cの底面(アーチ端体底面1βz)に常に重なる出っ張り部分を有する。このため、旋回ピストン3が分離面であるアーチ端体垂直分離面1βvに衝突して、騒音や振動が発生したりすることを回避できる。
また、極端な場合には、旋回ピストン3の停止による圧縮機の停止が生じる可能性もあるが、それも回避できるため、安定した圧縮運転を行うことができるという点で、信頼性を向上できるという効果がある。
本実施例は、図9~12を用いて説明する。
図9は、実施例4のRC圧縮機のローリングシリンダを示す平面図である。
図10は、図9のローリングシリンダの斜視図である。
図11は、図10のローリングシリンダを分解した状態を示したものである。
図12は、本実施例の旋回ピストンを示したものである。
本実施例の基本的な構造は、実施例2と同様である。よって、同様な箇所に関する説明は省略する。
本実施例においては、図9に示すように、シリンダ溝1cの上面形状を長方形とし、シリンダ溝1cの端面を側端境界通過平面と同一平面にしている。ローリング端体としては、ローリング端体平面が無いカット円柱状ローリング端体1γを用いている。カット円柱状ローリング端体1γは、シリンダ溝平坦端面1c4を有する。
旋回ピストン3の外形は、図12に示すように、直方体形状としている。旋回ピストン3の先端面は、シリンダ溝平坦端面1c4に対応して、平坦なピストン先端平坦面3hとしている。
シリンダ溝1cの外周壁は、カット円柱状シリンダ溝外周壁1xである。さらに、垂直分離面は、シリンダ溝平坦端面1c4と同一面の円柱端体垂直分離面1γvであり、水平分離面は、カット円柱状シリンダ溝外周壁1xの水平断面と同じ形状の円柱端体水平分離面1γhである。
以上のように、ローリング端体であるカット円柱状ローリング端体1γは、円柱をカットしてできる極めて単純な形状となるため、加工コストを大幅に低減できるという効果がある。また、焼結によって製造した場合、製造法の容易さによる一層の加工コスト低減を図ることができる。さらに、形状の単純さのため、焼結で製造してさえも形状精度の向上が容易に実現できるため、圧縮機効率が向上するという効果もある。
本実施例においては、水平な分離面(円柱端体水平分離面1γh)がある場合のみを示したが、それが無い場合ももちろん考えられる。この場合には、ローリング端体の高さの管理は不要となり、更に製造コストを低減できるという効果がある。
最後に、本発明の効果をまとめて示す。
(1)過圧縮の抑制により、圧縮機効率を向上することができる。
(2)液圧縮の抑制により、信頼性を向上することができる。
(3)加工精度の向上により、シール部の隙間を小さくし、漏れを抑制することにより、圧縮機効率を向上することができる。
(4)部品の加工を容易にすることにより、製造コストを低減することができる。
1:ローリングシリンダ、1a:ローリング底端板、1b:ローリング円柱、1c:シリンダ溝、1c1:シリンダ溝端面、1c1’:シリンダ溝出っ張り端面、1c2:シリンダ溝側面、1c3:シリンダ溝底面、1c4:シリンダ溝平坦端面、1d:偏心シャフト挿入穴、1f:ローリング外周穴、1n:ローリング外周環状溝、1r:外周面給油カット面、1r1:上段外周面給油カット面、1r3:下段外周面給油カット面、1s:ローリング外周面、1w:アーチ状シリンダ溝外周壁、1x:カット円柱状シリンダ溝外周壁、1α:ローリング主体、1αh:主体水平分離面、1αv:主体垂直分離面、1β:底付アーチ状ローリング端体、1βh:アーチ端体水平分離面、1βv:アーチ端体垂直分離面、1βz:アーチ端体底面、1γ:カット円柱状ローリング端体、1γh:円柱端体水平分離面、1γv:円柱端体垂直分離面、2:静止シリンダ、2b:偏心シリンダ穴、2d:吐出路、2d1:吐出穴、2d2:吐出溝、2e:バイパス穴、2m:シリンダ外周溝、2s:吸込路、2s1:吸込穴、2s2:吸込溝、3:旋回ピストン、3a:旋回軸受穴、3b:スライド溝、3c:ピストンカット面、3d:ピストン上面、3e:ピストン先端面、3e’:ピストン出っ張り先端面、3f:ピストン下面、3h:ピストン先端平坦面、4:フレーム、4c:つば受面、4m:フレーム外周溝、4x:フレーム底流路、5:ピン機構、5a:スライダ、5b:スライダフランジ、5s:固定ピン、6:クランクシャフト、6a:偏心シャフト、6b:給油縦穴、6c:シャフトつば部、6d:シャフトネック、6e:給油上主軸受穴、6f:給油下主軸受穴、6g:給油副横穴、6h:給油偏心溝、6k:給油主軸溝、6z:ポンプ連結管、7:モータ、7a:ロータ、7b:ステータ、7b1:ステータカット面、7b3:モータ線、8a:ケーシング円筒部、8b:ケーシング上フタ、8c:ケーシング下フタ、22:バイパス弁、23:旋回軸受、24:主軸受、24a:上主軸受、24b:下主軸受、25:副軸受、25a:ボール、25b:ボールホルダ、35:副フレーム、35a:副フレーム周囲穴、35b:副フレーム中央穴、50:吸込パイプ、55:吐出パイプ、80:主バランス、82:カウンタバランス、90:シリンダボルト、95:吸込室、100:圧縮室、105:吐出室、110:背面室、115:シャフト偏心端部空間、120:ケーシング上部室、125:貯油部、130:吐出カバー室、140:旋回室、200:給油ポンプ、220:ハーメチック端子、230:吐出カバー、230a:吐出カバー口、230b:吐出カバー板。

Claims (9)

  1. シリンダ溝を有するローリングシリンダと、
    スライド溝を有する旋回ピストンと、
    ピン機構を有する静止シリンダと、を備え、
    前記ローリングシリンダ、前記旋回ピストン及び前記静止シリンダは、圧縮部を構成し、
    前記旋回ピストンは、前記シリンダ溝にて相対的に往復運動をするものであり、
    前記圧縮部には、前記往復運動により、吸込室、圧縮室及び吐出室が形成され、
    前記ローリングシリンダは、分割された構成要素である、1個のローリング主体及び2個のローリング端体を含み、これらの構成要素に取り囲まれた領域が前記シリンダ溝であ
    前記ローリング主体と前記ローリング端体との接触面は、側端境界通過平面と重なる部分を有し、
    前記側端境界通過平面は、前記旋回ピストンが摺動するシリンダ溝側面と、前記シリンダ溝の端部壁の内面であるシリンダ溝端面との境界線である2本の側端境界線を通る平面である、ローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  2. 前記ローリング主体は、主体水平分離面を有し、
    前記主体水平分離面は、前記ローリング端体の底面と接触する、請求項記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  3. 前記ローリング端体は、前記シリンダ溝の底面の一部を構成する、請求項又はに記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  4. 前記ローリング端体により構成される前記シリンダ溝の前記底面の深さは、前記ローリング主体により構成される前記シリンダ溝の前記底面の深さ以上である、請求項記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  5. 前記旋回ピストンの下面の少なくとも一部は、前記ローリング端体により構成される前記シリンダ溝の前記底面に対向する、請求項記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  6. 前記シリンダ溝端面は、前記側端境界通過平面と重なるように、平面であるシリンダ溝平坦端面で構成されている、請求項又はに記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  7. 前記ローリング端体は、焼結成形体である、請求項1乃至のいずれか一項に記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  8. 前記ローリング端体の前記ローリング主体に接触する面の少なくとも一部は、仕上げ機械加工が施されたものである、請求項記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
  9. 前記旋回ピストンは、前記往復運動において前記ローリング端体により構成される前記シリンダ溝の前記底面に常に重なる出っ張り部分を有する、請求項記載のローリングシリンダ式容積型圧縮機。
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