JP2020033907A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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真和 岩田
Masakazu Iwata
真和 岩田
浩樹 池辺
Hiroki Ikebe
浩樹 池辺
和彦 松川
Kazuhiko Matsukawa
和彦 松川
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Abstract

【課題】固定スクロール及び可動スクロール間の潤滑不良、特にオルダム継手の摺動部の潤滑不良を改善したスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】オルダム継手は、第1キー部39bを有し、旋回している可動スクロールの自転を抑制する。固定スクロールは、第1キー溝24gと、第1連通路24hとを有する。第1キー溝は、可動スクロールの旋回サイクル中に第1キー部が往復運動する空間である。第1連通路は、可動スクロールの旋回サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室40と、第1キー溝とを連通させる。第1キー溝は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間と連通する。第1キー部は、往復運動しているときに第1キー溝の内周面と摺動する第1摺動面39fを有する。第1連通路の第1キー溝側の開口は、第1摺動面によって開閉する。【選択図】図7

Description

スクロール圧縮機
従来、特許文献1(特開2001−214872号公報)に開示されているように、固定スクロールのスラスト摺動部に油溝が形成されているスクロール圧縮機が知られている。油溝は、固定スクロールと可動スクロールとの接触部分を潤滑するための油が供給される空間である。
固定スクロールの全周に亘って油溝を形成することは難しい。そのため、固定スクロールと可動スクロールとの接触部分には、油溝の油によって十分に潤滑されない箇所があるという課題がある。
第1観点のスクロール圧縮機は、固定スクロールと、可動スクロールと、駆動部と、オルダム継手とを備える。固定スクロールは、平板状の第1鏡板と、第1鏡板の主表面から突出する渦巻状の第1ラップとを有する。可動スクロールは、平板状の第2鏡板と、第2鏡板の主表面から突出する渦巻状の第2ラップとを有する。駆動部は、可動スクロールとクランクシャフトを介して連結され、可動スクロールを旋回させる。オルダム継手は、オルダムキーを有し、旋回している可動スクロールの自転を抑制する。固定スクロールと可動スクロールとは、第1鏡板の主表面と第2鏡板の主表面とが対向するように組み合わされることで、第1ラップと第2ラップとの間に圧縮室を形成する。固定スクロールは、キー溝と、第1連通路とを有する。キー溝は、可動スクロールの旋回サイクル中にオルダムキーが往復運動する空間である。第1連通路は、可動スクロールの旋回サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の圧縮室と、キー溝とを連通させる。キー溝は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間と連通する。オルダムキーは、往復運動しているときにキー溝の内周面と摺動するキー摺動面を有する。第1連通路のキー溝側の開口は、キー摺動面によって開閉する。
第2観点のスクロール圧縮機は、第1観点のスクロール圧縮機であって、第1連通路は、固定スクロールの内部に形成された孔である。
第3観点のスクロール圧縮機は、第1観点又は第2観点のスクロール圧縮機であって、オルダムキーは、キー溝と連通する第2連通路を有する。第1連通路は、可動スクロールの旋回サイクル中に圧縮室とキー溝とが連通している間、第2連通路を介してキー溝と連通する。
第4観点のスクロール圧縮機は、第3観点のスクロール圧縮機であって、第2連通路は、オルダムキーの内部に形成された孔である。
第5観点のスクロール圧縮機は、第3観点又は第4観点のスクロール圧縮機であって、第1連通路は、少なくとも、往復運動しているオルダムキーがキー溝内において折り返す時点において、第2連通路を介してキー溝と連通する。
第6観点のスクロール圧縮機は、第1観点から第5観点のいずれかのスクロール圧縮機であって、第1連通路は、第1副連通路と、第2副連通路とを有する。第1副連通路は、圧縮室と連通し、固定スクロールの径方向に延びている。第2副連通路は、キー溝及び第1副連通路と連通し、第1副連通路と交差する方向に延びている。
第7観点のスクロール圧縮機は、第1観点から第6観点のいずれかのスクロール圧縮機であって、オルダム継手は、複数のオルダムキーを有し、固定スクロールは、複数のキー溝を有する。第1連通路は、複数のキー溝のうち、第1連通路を最も短くすることができるキー溝と連通する。
第8観点のスクロール圧縮機は、第1観点から第7観点のいずれかのスクロール圧縮機であって、オルダムキーは、複数の外周面を有する。キー摺動面は、複数の外周面のうち、キー溝の内周面から受ける圧力が最も高い外周面である。
スクロール圧縮機101の縦断面図である。 固定スクロール24の下面図である。 可動スクロール26の上面図である。 可動スクロール26の第2ラップ26b、及び、圧縮室40が示された固定スクロール24の下面図である。 オルダム継手39の斜視図である。 オルダム継手39の上面図である。 第1連通路24hの開口24h2が形成されている第1キー溝24g近傍における図2の拡大図である。 変形例Aにおける、固定スクロール24の下面図である。 変形例Bにおける、固定スクロール24の下面図である。 第1連通路24hの開口24h2が形成されている第1キー溝24g近傍における図9の拡大図である。 変形例Cにおける、固定スクロール24の下面図である。 変形例Cにおける、固定スクロール24の下面図である。
(1)全体構成
スクロール圧縮機101は、冷媒を用いる蒸気圧縮式の冷凍サイクルを備える機器に用いられる。スクロール圧縮機101が用いられる機器は、例えば、空気調和装置及び冷凍装置である。スクロール圧縮機101は、冷凍サイクルを構成する冷媒回路を循環する冷媒を圧縮する。
図1は、スクロール圧縮機101の縦断面図である。図1において、矢印Uは、鉛直方向上側を指している。スクロール圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、オルダム継手39と、モータ16と、下部軸受60と、クランクシャフト17と、吸入管19と、吐出管20とから構成される。次に、スクロール圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、円筒形状の胴部ケーシング部11と、椀形状の上壁部12と、椀形状の底壁部13とから構成される。上壁部12は、胴部ケーシング部11の上端部に気密的に溶接されている。底壁部13は、胴部ケーシング部11の下端部に気密的に溶接されている。
ケーシング10の内部には、主として、圧縮機構15と、ハウジング23と、オルダム継手39と、モータ16と、下部軸受60と、クランクシャフト17とが収容されている。ケーシング10には、吸入管19及び吐出管20が気密的に溶接されている。
ケーシング10の内部空間の底部には、潤滑油が貯留される空間である油溜まり部10aが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機101の運転中において、圧縮機構15及びクランクシャフト17等の潤滑性を良好に保つために使用される冷凍機油である。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮し、高温高圧の冷媒ガス(以下、「圧縮冷媒」と呼ぶ。)を吐出する。圧縮機構15は、主として、固定スクロール24と、可動スクロール26とから構成される。固定スクロール24は、ケーシング10に対して固定されている。可動スクロール26は、固定スクロール24に対して旋回する公転運動を行う。図2は、鉛直方向に沿って見た固定スクロール24の下面図である。図3は、鉛直方向に沿って見た可動スクロール26の上面図である。
(1−2−1)固定スクロール
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1ラップ24bとを有する。第1ラップ24bは、平板状の第1鏡板24aの下側の主表面から突出している。第1ラップ24bは、鉛直方向に沿って見た場合に、渦巻き形状を有している。第1鏡板24aの下側の主表面には、図2に示されるように、C字形状の油溝24eが形成されている。第1ラップ24bの外側において、第1鏡板24aの内部には、油連絡通路24fが形成されている。油連絡通路24fの一端は、第1鏡板24aの下側の主表面に開口し、他端は、油溝24eと連通している。
第1鏡板24aには、主吸入孔24cが形成されている。主吸入孔24cは、吸入管19と、後述する圧縮室40とを接続する空間である。主吸入孔24cは、低温低圧の冷媒ガスを吸入管19から圧縮室40に導入するための空間である。
図1に示されるように、第1鏡板24aの上側の主表面には、円柱形状の窪みである拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、カバー部材44によって覆われている。拡大凹部42の底面には、吐出孔41が形成されている。吐出孔41は、圧縮室40と連通する。
第1鏡板24aには、第1圧縮冷媒流路(図示せず)が形成されている。第1圧縮冷媒流路は、拡大凹部42と連通し、かつ、第1鏡板24aの下側の主表面に開口している。第1圧縮冷媒流路は、この開口を介して、後述する第2圧縮冷媒流路と連通している。
第1鏡板24aの下側の主表面には、4つの第1キー溝24gが形成されている。それぞれの第1キー溝24gには、後述するオルダム継手39の第1キー部39bが嵌め込まれる。また、第1鏡板24aの内部には、第1連通路24hが形成されている。第1連通路24hの詳細については後述する。
(1−2−2)可動スクロール
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2ラップ26bと、上端軸受26cとを有する。第2ラップ26bは、平板状の第2鏡板26aの上側の主表面から突出している。第2ラップ26bは、鉛直方向に沿って見た場合に、渦巻き形状を有している。上端軸受26cは、第2鏡板26aの下側の主表面の中央部から突出している。上端軸受26cは、円筒形状を有している。
固定スクロール24及び可動スクロール26は、第1鏡板24aの下側の主表面と第2鏡板26aの上側の主表面とが対向し、かつ、第1ラップ24bと第2ラップ26bとが噛み合うように組み合わされることにより、圧縮室40を形成する。圧縮室40は、第1鏡板24aと、第1ラップ24bと、第2鏡板26aと、第2ラップ26bとによって囲まれる空間である。圧縮室40の容積は、可動スクロール26の公転運動によって周期的に変化する。可動スクロール26の公転中に、固定スクロール24の第1鏡板24a及び第1ラップ24bの表面は、可動スクロール26の第2鏡板26a及び第2ラップ26bの表面と摺動する。以下、可動スクロール26と摺動する第1鏡板24aの表面を、スラスト摺動面24dと呼ぶ。
図4は、可動スクロール26の第2ラップ26b、及び、圧縮室40が示された固定スクロール24の下面図である。図4において、ハッチングされた領域は、スラスト摺動面24dを表す。図4に示されるように、固定スクロール24の油溝24eは、スラスト摺動面24dに納まるように第1鏡板24aの下側の主表面に形成されている。
第2鏡板26aの下側の主表面には、2つの第2キー溝26dが形成されている。それぞれの第2キー溝26dには、後述するオルダム継手39の第2キー部39cが嵌め込まれる。
(1−3)ハウジング
ハウジング23は、圧縮機構15の下方、かつ、モータ16の上方に配置されている。ハウジング23の外周面は、胴部ケーシング部11の内周面に気密的に接合されている。これにより、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の高圧空間71と、ハウジング23の上方かつ固定スクロール24の上方の低圧空間73と、背圧空間72とに区画されている。図1に示されるように、背圧空間72は、ハウジング23と固定スクロール24と可動スクロール26とによって区画されている空間である。背圧空間72は、固定スクロール24の第1キー溝24gと連通している。背圧空間72の圧力によって、可動スクロール26は、固定スクロール24に押し付けられている。油溜まり部10aは、高圧空間71の底部に位置している。
ハウジング23は、固定スクロール24を載置し、固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟み込んでいる。ハウジング23の外周部には、第2圧縮冷媒流路(図示せず)が形成されている。第2圧縮冷媒流路は、ハウジング23の外周部を鉛直方向に貫通する孔である。第2圧縮冷媒流路は、ハウジング23の上面において第1圧縮冷媒流路と連通し、ハウジング23の下面において高圧空間71と連通する。すなわち、圧縮機構15の吐出孔41は、拡大凹部42、第1圧縮冷媒流路及び第2圧縮冷媒流路を介して、高圧空間71と連通する。
ハウジング23の上面には、クランク室23aと呼ばれる窪みが形成されている。ハウジング23には、ハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング貫通孔31は、クランク室23aの底面の中央部から、ハウジング23の下面の中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通する孔である。以下、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔31の周囲の部分を、上部軸受32と呼ぶ。クランク室23aの底面の外周部には、環状溝23gが形成されている。
ハウジング23には、クランク室23aと高圧空間71とを連通する油排出通路23bが形成されている。クランク室23aにおいて、油排出通路23bの開口は、クランク室23aの底面付近に形成されている。
ハウジング23には、圧縮機構15に潤滑油を供給するためのハウジング給油路23cが形成されている。ハウジング給油路23cの一端は、環状溝23gに開口している。ハウジング給油路23cの他端は、ハウジング23の上面の外周部に開口し、固定スクロール24の油連絡通路24fと連通している。クランク室23aの潤滑油は、環状溝23g、ハウジング給油路23c及び油連絡通路24fを経由して油溝24eに流入し、スラスト摺動面24dを介して圧縮室40に供給される。なお、ハウジング給油路23cの内部には、ハウジング給油路23cを流れる潤滑油を減圧する絞り機構(図示せず)が挿入されている。
(1−4)オルダム継手
オルダム継手39は、旋回している可動スクロール26の自転を抑制するための部材である。オルダム継手39は、背圧空間72において、可動スクロール26とハウジング23との間に配置されている。図5は、オルダム継手39の斜視図である。図6は、オルダム継手39の上面図である。
オルダム継手39は、主として、環状本体部39aと、4つの第1キー部39bと、2つの第2キー部39cとを有する略環状部材である。
環状本体部39aは、互いに対向する第1水平面39d1および第2水平面39d2を有する。第1水平面39d1および第2水平面39d2は、水平面に平行な面である。第1水平面39d1は、第2水平面39d2よりも上方に位置している。図5及び図6において、第2水平面39d2は、第1水平面39d1の裏側の面である。第1水平面39d1には、複数の摺動凸部39eが形成されている。摺動凸部39eの上面は、第1水平面39d1と平行である。
第1キー部39bは、第1水平面39d1から上方に向かって突出する凸部である。第1キー部39bは、固定スクロール24の第1キー溝24gに嵌め込まれる。
第2キー部39cは、第1水平面39d1から上方に向かって突出する凸部である。第2キー部39cは、可動スクロール26の第2キー溝26dに嵌め込まれる。
図6には、水平面に平行な第1軸A1および第2軸A2が示されている。第1軸A1および第2軸A2は、オルダム継手39の重心Oを通り、かつ、互いに直交する。4つの第1キー部39bは、第1軸A1および第2軸A2によって区画される4つの領域のそれぞれに、1つずつ形成されている。2つの第2キー部は、第2軸A2によって区画される2つの領域のそれぞれに、1つずつ形成されている。以下、必要に応じて、図5及び図6に示されるように、4つの第1キー部39bを、第1キー部39b1の対と、第1キー部39b2の対とに区別して説明する。
1対の第1キー部39b1は、第1軸A1を挟んで対称となる位置に形成されている。1対の第1キー部39b2は、第1軸A1を挟んで対称となる位置に形成されている。第1キー部39b1の対、および、第1キー部39b2の対は、第2軸A2を挟んで対称となる位置に形成されている。
1対の第2キー部39cは、第2軸A2を挟んで対称となる位置に形成されている。各第2キー部39cは、第1軸A1の上において、第1軸A1に対して対称となる位置に形成されている。
第1キー部39bは、第2軸A2に平行な側面である第1摺動面39fを有する。第1摺動面39fは、第2軸A2に平行な第1キー部39bの2つの側面のうち、オルダム継手39の重心Oに近い方の面である。第1摺動面39fは、第2軸A2に沿って第1キー溝24gの内周面と摺動する面である。第1摺動面39fは、固定スクロール24から面圧を受ける面である。
第2キー部39cは、第1軸A1に平行な側面である第2摺動面39gを有する。第2摺動面39gは、第1軸A1に平行な第2キー部39cの2つの側面である。第2摺動面39gは、第1軸A1に沿って第2キー溝26dの内周面と摺動する面である。第2摺動面39gは、可動スクロール26から面圧を受ける面である。
オルダム継手39は、第1軸A1に沿って可動スクロール26に対して相対的に移動可能であり、かつ、第2軸A2に沿って固定スクロール24に対して相対的に移動可能である。これにより、可動スクロール26が公転している間におけるオルダム継手39の自転が抑制される。
オルダム継手39が可動スクロール26に対して相対的に移動している間、オルダム継手39の摺動凸部39eの上面は、可動スクロール26の第2鏡板26aの下側の主表面と摺動する。
(1−5)モータ
モータ16は、ハウジング23の下方に配置されるモータである。モータ16は、主として、ステータ51と、ロータ52とを有する。
ステータ51は、主として、ステータコア51aと、複数のコイル51bとから構成される。ステータコア51aは、ケーシング10の内周面に固定される円筒形状の部材である。ステータコア51aは、複数のティース(図示せず)を有する。ティースに巻線が巻かれることで、コイル51bが形成される。
ステータコア51aの外周面には、複数のコアカットが形成されている。コアカットは、ステータコア51aの上端面から下端面に亘って鉛直方向に形成される溝である。
ロータ52は、ステータコア51aの内側に配置される円柱形状の部材である。ステータコア51aの内周面と、ロータ52の外周面との間には、エアギャップが形成されている。ロータ52は、クランクシャフト17に連結されている。ロータ52は、クランクシャフト17を介して、圧縮機構15に接続されている。ロータ52は、回転軸16aの周りにクランクシャフト17を回転させる。回転軸16aは、ロータ52の中心軸を通る。
モータ16は、可動スクロール26を旋回させて、圧縮室40内のガス冷媒を圧縮する。
(1−6)下部軸受
下部軸受60は、モータ16の下方に配置される。下部軸受60の外周面は、ケーシング10の内周面に接合されている。下部軸受60は、クランクシャフト17を回転可能に支持する。
(1−7)クランクシャフト
クランクシャフト17は、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランクシャフト17の上端部の軸心は、上端部を除く部分の軸心に対して偏心している。クランクシャフト17は、バランスウェイト18を有する。バランスウェイト18は、ハウジング23の下方かつモータ16の上方の高さ位置において、クランクシャフト17に密着して固定されている。
クランクシャフト17は、ロータ52の回転中心部を鉛直方向に貫通して、ロータ52に連結されている。クランクシャフト17の上端部は、可動スクロール26の上端軸受26cに嵌め込まれている。これにより、クランクシャフト17は、可動スクロール26に接続されている。クランクシャフト17は、上部軸受32及び下部軸受60によって回転可能に支持されている。
クランクシャフト17の内部には、主給油路61が形成されている。主給油路61は、クランクシャフト17の軸方向(鉛直方向)に沿って延びている。主給油路61の上端は、クランクシャフト17の上端面と第2鏡板26aの下側の主表面との間の空間である油室83と連通している。主給油路61の下端は、油溜まり部10aに連通している。
クランクシャフト17は、主給油路61から分岐する第1副給油路61a、第2副給油路61b及び第3副給油路61cを有している。第1副給油路61a、第2副給油路61b及び第3副給油路61cは、水平方向に延びている。第1副給油路61aは、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動部に開口している。第2副給油路61bは、クランクシャフト17とハウジング23の上部軸受32との摺動部に開口している。第3副給油路61cは、クランクシャフト17と下部軸受60との摺動部に開口している。
(1−8)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の外部から圧縮機構15へ、冷媒回路の冷媒を導入するための管である。吸入管19は、ケーシング10の上壁部12を貫通する。ケーシング10の内部において、吸入管19の端部は、固定スクロール24の主吸入孔24cに嵌め込まれている。
(1−9)吐出管
吐出管20は、高圧空間71からケーシング10の外部へ、圧縮冷媒を吐出するための管である。吐出管20は、ケーシング10の胴部ケーシング部11を貫通する。
(2)詳細構成
次に、第1鏡板24aの内部に形成される第1連通路24hについて説明する。
可動スクロール26は、モータ16によって駆動されるクランクシャフト17の回転によって旋回する公転運動を行う。オルダム継手39の第1キー部39bは、可動スクロール26の旋回サイクル中に、固定スクロール24の第1キー溝24g内で往復運動する。第1キー部39bの往復運動の方向は、図6の第2軸A2に沿った方向である。第1キー部39bが往復運動しているとき、第1キー部39bの第1摺動面39fは、第1キー溝24gの内周面と摺動する。第1摺動面39fは、第1キー部39bの複数の外周面のうち、第1キー溝24gの内周面から受ける圧力が最も高い外周面である。
第1連通路24hは、固定スクロール24の内部に形成され、圧縮室40と第1キー溝24gとを連通する孔である。第1連通路24hの圧縮室40側の開口24h1は、図4に示されるように、周縁側に位置する中間圧の圧縮室40の側面に形成されている。中間圧とは、圧縮機構15に吸入される低圧のガス冷媒の圧力と、圧縮機構15から吐出される高圧のガス冷媒の圧力との中間の圧力を意味する。第1連通路24hの第1キー溝24g側の開口24h2は、図4に示されるように、中間圧の圧縮室40に最も近い第1キー溝24gの内周面に形成されている。ここで、中間圧の圧縮室40に最も近い第1キー溝24gとは、固定スクロール24の4つの第1キー溝24gのうち、第1連通路24hを最も短くすることができる第1キー溝24gを意味する。具体的には、図4に示されるように、中間圧の圧縮室40に最も近い第1キー溝24gは、主吸入孔24cに近い側の2つの第1キー溝24gのうちの1つである。
図2及び図4に示されるように、第1連通路24hは、第1副連通路24iと、第2副連通路24jとから構成される。第1副連通路24iは、中間圧の圧縮室40と連通し、固定スクロール24の径方向に延びている通路である。固定スクロール24の径方向とは、固定スクロール24を鉛直方向に沿って見た場合に、略円形状の第1鏡板24aの径方向に平行な方向を意味する。固定スクロール24の径方向は、図6の第2軸A2に沿った方向であり、かつ、第1キー部39bの第1摺動面39fに沿った方向である。第2副連通路24jは、第1キー溝24g及び第1副連通路24iと連通し、第1副連通路24iと交差する方向に延びている通路である。図2及び図4に示されるように、第1副連通路24i及び第2副連通路24jは、互いに直交していてもよい。
第1連通路24hは、可動スクロール26の旋回サイクル中の少なくとも一定期間、中間圧の圧縮室40と、第1キー溝24gとを連通させる。旋回サイクル中の少なくとも一定期間とは、可動スクロール26が1回公転する間の期間における、少なくとも一部の期間を意味する。すなわち、第1連通路24hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを常時連通させているのではなく、可動スクロール26が公転している間、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを周期的に連通させたり連通させなかったりする。
第1連通路24hの第1キー溝24g側の開口24h2は、第1キー部39bが往復運動しているときに、第1キー部39bの第1摺動面39fによって周期的に開閉される。第1キー部39bは、可動スクロール26の公転運動と同期して、第1キー溝24g内で往復運動する。これにより、第1連通路24hは、可動スクロール26が公転している間、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを周期的に連通させる。
図7は、第1連通路24hの開口24h2が形成されている第1キー溝24g近傍における図2の拡大図である。図7は、第1キー部39bの往復運動によって第1連通路24hの開口24h2が開閉する遷移状態を示す3つの図を含む。図7において、第1キー部39bは、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(b)、図7(a)の順番で往復運動する。図7(a)及び図7(b)では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられている。そのため、第1連通路24hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させていない。一方、図7(c)では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられていない。そのため、第1連通路24hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させている。
図7(a)及び図7(c)は、第1キー部39bが往復運動の移動範囲の両端に位置している状態を示す。すなわち、図7(a)及び図7(c)では、往復運動している第1キー部39bが第1キー溝24g内で折り返す時点の状態を表し、このときの第1キー部39bの速度はゼロである。図7(c)に示される状態では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられていない。しかし、図7(c)の前後の状態である図7(a)及び図7(b)の状態では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられる。すなわち、第1キー部39bが往復運動しているとき、第1連通路24hは、少なくとも図7(c)に示される状態になっている間、中間圧の圧縮室40と、第1キー溝24gとを連通させる。従って、可動スクロール26の旋回サイクル中、第1連通路24hは、周期的に、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させる。
(3)スクロール圧縮機の動作
最初に、スクロール圧縮機101内部における冷媒の流れについて説明する。次に、スクロール圧縮機101内部における潤滑油の流れについて説明する。
(3−1)冷媒の流れ
圧縮される前の低温低圧の冷媒は、吸入管19から主吸入孔24cを経由して、圧縮機構15の圧縮室40に供給される。圧縮室40において、冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41から拡大凹部42に吐出された後、高圧空間71へ供給されて、吐出管20からスクロール圧縮機101の外部に吐出される。
(3−2)潤滑油の流れ
圧縮機構15が冷媒を圧縮し、高圧空間71に圧縮冷媒が供給されると、高圧空間71の圧力が上昇する。高圧空間71は、主給油路61、ハウジング給油路23c及び油連絡通路24f等を介して、固定スクロール24の油溝24eと連通し、かつ、油溝24eはスラスト摺動面24dを介して背圧空間72に連通している。背圧空間72は、高圧空間71よりも低圧の空間である。そのため、高圧空間71と背圧空間72との間には、圧力差が発生している。その結果、この圧力差によって、高圧空間71の油溜まり部10aに貯留されている潤滑油は、主給油路61を上昇して背圧空間72に向かって吸引される。
主給油路61を上昇する潤滑油は、各摺動部に供給される。ここで、摺動部とは、クランクシャフト17と下部軸受60との間の摺動部、ハウジング23の上部軸受32との間の摺動部、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの間の摺動部、及び、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの間の摺動部である。各摺動部を潤滑した潤滑油の一部は、高圧空間71に流入して油溜まり部10aに戻り、残りは、クランク室23aに流入する。クランク室23aに流入した潤滑油の一部は、油排出通路23bを経由して高圧空間71に流入し、油溜まり部10aに戻る。クランク室23aに流入した潤滑油の大部分は、環状溝23g、ハウジング給油路23c及び油連絡通路24fを通過して、油溝24eに供給される。油溝24eに供給された潤滑油の一部は、スラスト摺動面24dをシールしながら、背圧空間72及び圧縮室40に流入する。圧縮室40に流入した潤滑油は、微小な油滴の状態で圧縮冷媒に混入され、圧縮冷媒と共に高圧空間71に流入し、油溜まり部10aに戻る。
(4)特徴
(4−1)
スクロール圧縮機101では、図7に示されるように、可動スクロール26の旋回サイクル中、第1キー部39bは第1キー溝24g内を往復運動する。これにより、第1連通路24hは、周期的に、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させる。第1キー溝24gは、背圧空間72と連通している。そのため、第1連通路24h及び第1キー溝24gによって、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが連通すると、背圧空間72の圧力は、中間圧の圧縮室40の圧力と同じになる。
従来のスクロール圧縮機では、背圧空間の圧力を中間圧の圧縮室の圧力と同じにするために、例えば、固定スクロールのスラスト摺動面に、中間圧の圧縮室と背圧空間とを連通させるための溝が形成される場合があった。しかし、この溝の存在によって、固定スクロールの油溝の範囲が制限され、その結果、固定スクロールと可動スクロールとの接触部分に、油溝から油が十分に供給されない箇所が生じることがあった。
しかし、スクロール圧縮機101では、背圧空間72の圧力を中間圧の圧縮室40の圧力と同じにするため、固定スクロール24のスラスト摺動面24dに溝が形成される代わりに、固定スクロール24に第1連通路24hが形成されている。第1連通路24hは、固定スクロール24の第1鏡板24aの内部に形成される孔である。そのため、図2に示されるように、固定スクロール24を鉛直方向に沿って見た場合に、油溝24eと第1連通路24hとは互いに重なっていてもよい。すなわち、第1連通路24hの存在によって油溝24eの範囲が制限されないので、従来よりも油溝24eの範囲を大きくすることが容易になる。具体的には、図2に示されるように、固定スクロール24の第1ラップ24bの巻き終わりの近傍まで、油溝24eの端部を延ばすことができる。その結果、固定スクロール24のスラスト摺動面24d全体に、油溝24eの潤滑油が供給されやすくなり、スラスト摺動面24dにおける焼き付き等の不具合の発生が抑えられる。
従って、スクロール圧縮機101は、固定スクロール24及び可動スクロール26間の潤滑不良による信頼性低下を抑制することができる。
(4−2)
スクロール圧縮機101では、図7に示されるように、第1連通路24hは、第1キー溝24gを介して、周期的に、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とを連通させる。これにより、背圧空間72の圧力を所望の圧力に制御することが可能となる。所望の圧力とは、中間圧の圧縮室40の圧力である。
スクロール圧縮機101では、背圧空間72の圧力を所望の圧力にするために、適切なタイミングで中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとが連通するように、第1連通路24hの位置及び断面積等を設定することができる。例えば、第1連通路24hの第1キー溝24g側の開口24h2の位置を、図2に示される位置よりも第1鏡板24aの外周側に近付けると、図7(c)に示される状態において第1キー部39bと開口24h2との間の距離が増加する。その結果、可動スクロール26の旋回サイクル中に、第1キー部39bの第1摺動面39fによって開口24h2が閉じられていない時間が長くなる。すなわち、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが互いに連通している時間が長くなる。また、第1連通路24hの断面積を大きくすることでも、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが互いに連通している時間が長くなる。
従って、スクロール圧縮機101では、第1連通路24hの位置及び断面積等を変更することで、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが互いに連通している時間及びタイミングを比較的容易に調節することができる。そのため、スクロール圧縮機101は、背圧空間72の圧力を所望の圧力に容易に制御することができる。
(4−3)
スクロール圧縮機101では、図2に示されるように、第1連通路24hは、第1副連通路24iと、第2副連通路24jとから構成される。第1副連通路24i及び第2副連通路24jは、第1鏡板24aの内部に形成される直線状の孔である。そのため、第1副連通路24i及び第2副連通路24jを形成する加工作業は比較的容易であるので、加工コストを低減することができる。また、第1副連通路24i及び第2副連通路24jをドリル等で形成する場合、第1副連通路24i及び第2副連通路24jの位置及び断面積を容易に変更できる。そのため、上述したように、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが互いに連通している時間及びタイミングを比較的容易に調節することができる。
(4−4)
スクロール圧縮機101では、可動スクロール26の旋回サイクル中、第1連通路24hの第1キー溝24g側の開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって開閉される。第1摺動面39fは、第1キー部39bの複数の側面のうち、第1キー溝24gの内周面から受ける圧力が最も高い側面である。すなわち、第1摺動面39fは、旋回している可動スクロール26の自転を規制する面である。そのため、開口24h2が第1摺動面39fによって閉じられている間、第1摺動面39fは開口24h2に押し付けられているので、第1連通路24hから第1キー溝24gに冷媒が漏れ出ることが抑制される。従って、中間圧の圧縮室40の冷媒が背圧空間72に流入することに起因する、圧縮機構15の圧縮効率の低下を抑えることができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
スクロール圧縮機101では、第1連通路24hは、固定スクロール24の第1鏡板24aの内部に形成される孔である。しかし、第1連通路24hは、可動スクロール26の旋回サイクル中に中間圧の圧縮室40と背圧空間72とを周期的に連通させることができれば、第1鏡板24a内部の孔でなくてもよい。
例えば、第1連通路24hは、固定スクロール24のスラスト摺動面24dに形成される溝であってもよい。図8は、スラスト摺動面24dに形成された溝である第1連通路124hを有する固定スクロール24の下面図である。図8において、第1連通路124hは、固定スクロール24を鉛直方向に沿って見た場合に、図2に示される第1連通路24hと同じ位置に形成されている。具体的には、第1連通路124hは、第1副連通路124iと、第2副連通路124jとから構成される。第1副連通路124iは、中間圧の圧縮室40と連通し、固定スクロール24の径方向に延びている溝である。第2副連通路124jは、第1キー溝24g及び第1副連通路124iと連通し、第1副連通路124iと交差する方向に延びている溝である。
図8に示されるように第1連通路124hが孔ではなく溝である場合でも、中間圧の圧縮室と背圧空間とを連通させるためにスラスト摺動面に形成された従来の溝と比べて、スラスト摺動面24dに占める面積を抑えることができる。第1連通路124hの第1副連通路124iは、固定スクロール24の径方向に延びているので、固定スクロール24の周方向に占める範囲が狭い。そのため、第1連通路124hの存在によって油溝24eの範囲は大きく制限されにくいので、従来よりも油溝24eの範囲を広げることが容易になる。具体的には、図8に示されるように、固定スクロール24の第1ラップ24bの巻き終わり近傍まで、油溝24eの端部を延ばすことができる。その結果、固定スクロール24のスラスト摺動面24d全体に、油溝24eの潤滑油が供給されやすくなり、スラスト摺動面24dにおける焼き付き等の不具合の発生が抑えられる。
(5−2)変形例B
スクロール圧縮機101では、第1連通路24hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通する孔である。第1キー部39bが往復運動している間、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とは、第1連通路24h及び第1キー溝24gを介して、周期的に連通する。
しかし、スクロール圧縮機101では、図9に示されるように、第1キー部39bは、往復運動している間に第1連通路24hと周期的に連通する第2連通路39hを有してもよい。この場合、第1キー部39bが往復運動している間、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とは、第1連通路24h、第2連通路39h及び第1キー溝24gを介して、周期的に連通する。
図9は、固定スクロール24の下面図である。図9では、固定スクロール24の4つの第1キー溝24gのうちの1つに嵌め込まれている第1キー部39bが示されている。図9に示される第1キー部39bは、第1連通路24hと連通する第1キー溝24gに嵌め込まれる第1キー部39bであり、第2連通路39hを有している。第2連通路39hは、第1キー部39bの内部に形成される孔である。
図10は、第2連通路39hが形成された第1キー部39bが嵌め込まれた第1キー溝24g近傍における図9の拡大図である。図10は、第1キー部39bの往復運動によって第1連通路24hの開口24h2が開閉する遷移状態を示す3つの図を含む。
第1連通路24hは、図2に示されるものと同様に、第1副連通路24iと、第2副連通路24jとから構成される。
第2連通路39hは、第3副連通路39iと、第4副連通路39jとから構成される。第3副連通路39iは、第1キー部39bが往復運動している間、第1連通路24hの第2副連通路24jと周期的に連通する。第3副連通路39iは、第2副連通路24jと同じ方向に延びている通路である。第4副連通路39jは、第1キー溝24g及び第3副連通路39iと連通し、第3副連通路39iと交差する方向に延びている通路である。第4副連通路39jは、第1副連通路24iと同じ方向に延びている。図9に示されるように、第3副連通路39i及び第4副連通路39jは、互いに直交していてもよい。
第2連通路39hは、可動スクロール26の旋回サイクル中の少なくとも一定期間、第1連通路24hと、第1キー溝24gとを連通させる。すなわち、第2連通路39hは、第1連通路24hと第1キー溝24gとを常時連通させているのではなく、可動スクロール26が公転している間、第1連通路24hと第1キー溝24gとを周期的に連通させたり連通させなかったりする。言い換えると、第1連通路24hは、可動スクロール26の旋回サイクル中に中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとが連通している間、第2連通路39hを介して第1キー溝24gと連通する。
第1連通路24hの第1キー溝24g側の開口24h2は、第1キー部39bが往復運動しているときに、第1キー部39bの第1摺動面39fによって周期的に開閉される。第1キー部39bは、可動スクロール26の公転運動を同期して、第1キー溝24g内で往復運動する。これにより、第1連通路24h及び第2連通路39hは、可動スクロール26が公転している間、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを周期的に連通させる。
図10において、第1キー部39bは、図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(b)、図10(a)の順番で往復運動する。図10(a)及び図10(b)では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられ、かつ、第1連通路24hは第2連通路39hと連通していない。そのため、第1連通路24h及び第2連通路39hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させていない。一方、図10(c)では、第1連通路24hの開口24h2は、第1キー部39bの第1摺動面39fによって閉じられ、かつ、第1連通路24hは第2連通路39hと連通している。そのため、第1連通路24h及び第2連通路39hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させている。
図10(a)及び図10(c)は、第1キー部39bが往復運動の移動範囲の両端に位置している状態を示す。すなわち、図10(a)及び図10(c)では、往復運動している第1キー部39bが第1キー溝24g内で折り返す時点の状態を表し、このときの第1キー部39bの速度はゼロである。図10(c)に示される状態では、第1連通路24hは、第2連通路39hと連通している。しかし、図10(c)の前後の状態である図10(a)及び図10(b)の状態では、第1連通路24hは、第2連通路39hと連通していない。すなわち、第1キー部39bが往復運動しているとき、第1連通路24h及び第2連通路39hは、少なくとも図10(c)に示される状態になっている間、中間圧の圧縮室40と、第1キー溝24gとを連通させる。従って、可動スクロール26の旋回サイクル中、第1連通路24h及び第2連通路39hは、周期的に、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させる。
図9及び図10に示される固定スクロール24を備えるスクロール圧縮機101は、図2及び図7に示される固定スクロール24を備えるスクロール圧縮機101と同じ効果を有する。具体的には、図9に示されるように、固定スクロール24の第1ラップ24bの巻き終わり近傍まで、油溝24eの端部を延ばすことができる。その結果、固定スクロール24のスラスト摺動面24d全体に、油溝24eの潤滑油が供給されやすくなり、スラスト摺動面24dにおける焼き付き等の不具合の発生が抑えられる。
また、このスクロール圧縮機101では、第1連通路24h及び第2連通路39hの位置及び断面積等を変更することで、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とが互いに連通している時間及びタイミングを比較的容易に調節することができる。そのため、スクロール圧縮機101は、背圧空間72の圧力を所望の圧力に容易に制御することができる。
また、第2連通路39hを構成する第3副連通路39i及び第4副連通路39jは、第1キー部39bの内部に形成される直線状の孔である。そのため、第3副連通路39i及び第4副連通路39jを形成する加工作業は比較的容易であるので、加工コストを低減することができる。
なお、第2連通路39hは、変形例Aに記載の第1連通路124hのように、孔ではなく溝であってもよい。この場合、第2連通路39hは、第1キー部39bの下側の端面に形成される溝である。溝である第2連通路39hは、第1キー部39bを鉛直方向に沿って見た場合に、図9及び図10に示される孔である第2連通路39hと同じ位置に形成される。第2連通路39hが溝である場合、第1連通路24hも溝である。
(5−3)変形例C
スクロール圧縮機101では、第1連通路24hは、第1副連通路24iと、第2副連通路24jとから構成される。第1副連通路24i及び第2副連通路24jは、互いに交差する直線状の孔である。すなわち、第1連通路24hは、2本の直線状の孔から構成される。しかし、第1連通路24hは、1本の直線状の孔から構成されてもよい。図11は、第1連通路224hを有する固定スクロール24の下面図である。図11において、第1連通路224hは、図2に示される第1連通路24hと同様に、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通する孔である。第1連通路224hは、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを直線状に連通する1本の孔から構成される。そのため、第1連通路224hは、図2に示される第1副連通路24i又は第2副連通路24jと平行ではない方向に沿って延びている。
図11に示される第1連通路224hは、図2に示される第1連通路24hよりも短い。そのため、第1連通路224hの容積は、第1連通路24hの容積よりも小さい。従って、圧縮機構15内部の死容積を低減することができるので、中間圧の圧縮室40と背圧空間72とを連通する通路に起因する圧縮機構15の圧縮効率の低下を抑制することができる。
なお、変形例Aにおいて、固定スクロール24のスラスト摺動面24dに形成される溝である第1連通路124hは、固定スクロール24を鉛直方向に沿って見た場合に、図11に示される第1連通路224hと同様の形状を有してもよい。
なお、変形例Bにおいて、第1キー部39bに形成される第2連通路39hは、第3副連通路39iと、第4副連通路39jとから構成される。しかし、第2連通路39hは、図11に示される第1連通路224hと同様に、1本の直線状の孔から構成されてもよい。図12は、第2連通路239hを有する固定スクロール24の下面図である。第2連通路239hは、第1キー部39bに形成される孔であって、1本の直線状の孔から構成される。第2連通路239hは、図9に示される第2連通路39hと同様の効果を有する。すなわち、可動スクロール26の旋回サイクル中、第1連通路224h及び第2連通路239hは、周期的に、中間圧の圧縮室40と第1キー溝24gとを連通させる。
(6)むすび
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
スクロール圧縮機は、固定スクロール及び可動スクロール間の潤滑不良による信頼性低下を抑制する。
16 モータ(駆動部)
17 クランクシャフト
24 固定スクロール
24a 第1鏡板
24b 第1ラップ
24g 第1キー溝(キー溝)
24h 第1連通路
24h2 第1キー溝側の開口(開口)
24i 第1副連通路
24j 第2副連通路
26 可動スクロール
26a 第2鏡板
26b 第2ラップ
39 オルダム継手
39b 第1キー部(オルダムキー)
39f 第1摺動面(キー摺動面)
39h 第2連通路
40 圧縮室
72 背圧空間
101 スクロール圧縮機
特開2001−214872号公報

Claims (8)

  1. 平板状の第1鏡板(24a)と、前記第1鏡板の主表面から突出する渦巻状の第1ラップ(24b)とを有する固定スクロール(24)と、
    平板状の第2鏡板(26a)と、前記第2鏡板の主表面から突出する渦巻状の第2ラップ(26b)とを有する可動スクロール(26)と、
    前記可動スクロールとクランクシャフト(17)を介して連結され、前記可動スクロールを旋回させる駆動部(16)と、
    オルダムキー(39b)を有し、旋回している前記可動スクロールの自転を抑制するオルダム継手(39)と、
    を備え、
    前記固定スクロールと前記可動スクロールとは、前記第1鏡板の前記主表面と前記第2鏡板の前記主表面とが対向するように組み合わされることで、前記第1ラップと前記第2ラップとの間に圧縮室(40)を形成し、
    前記固定スクロールは、
    前記可動スクロールの旋回サイクル中に前記オルダムキーが往復運動する空間であるキー溝(24g)と、
    前記可動スクロールの前記旋回サイクル中の少なくとも一定期間、周縁側の前記圧縮室と、前記キー溝とを連通させる第1連通路(24h)と、
    を有し、
    前記キー溝は、前記可動スクロールを前記固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間(72)と連通し、
    前記オルダムキーは、往復運動しているときに前記キー溝の内周面と摺動するキー摺動面(39f)を有し、
    前記第1連通路の前記キー溝側の開口(24h2)は、前記キー摺動面によって開閉する、
    スクロール圧縮機(101)。
  2. 前記第1連通路は、前記固定スクロールの内部に形成された孔である、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記オルダムキーは、前記キー溝と連通する第2連通路(39h)を有し、
    前記第1連通路は、前記可動スクロールの前記旋回サイクル中に前記圧縮室と前記キー溝とが連通している間、前記第2連通路を介して前記キー溝と連通する、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記第2連通路は、前記オルダムキーの内部に形成された孔である、
    請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記第1連通路は、少なくとも、往復運動している前記オルダムキーが前記キー溝内において折り返す時点において、前記第2連通路を介して前記キー溝と連通する、
    請求項3又は4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記第1連通路は、
    前記圧縮室と連通し、前記固定スクロールの径方向に延びている第1副連通路(24i)と、
    前記キー溝及び前記第1副連通路と連通し、前記第1副連通路と交差する方向に延びている第2副連通路(24j)と、
    を有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記オルダム継手は、複数の前記オルダムキーを有し、
    前記固定スクロールは、複数の前記キー溝を有し、
    前記第1連通路は、複数の前記キー溝のうち、前記第1連通路を最も短くすることができる前記キー溝と連通する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記オルダムキーは、複数の外周面を有し、
    前記キー摺動面は、複数の前記外周面のうち、前記キー溝の内周面から受ける圧力が最も高い前記外周面である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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