JP4032521B2 - センサの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、センサの製造方法に関し、特に半導体マイクロマシーニング技術を用いた半導体センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体マイクロマシーンニング技術を用いた半導体センサとして、赤外線センサや力学量センサ等が知られている。これらの半導体センサの例として赤外線センサについて説明する。従来の典型的な赤外線センサは、図22(a)の平面構成図に示すように、赤外線を熱に変換する受光部29、31と、受光部29、31を支持する接続部35、37と、接続部35、37を支持する基板130と、受光部29、31と基板130との温度差を検出する熱電対131とから構成されている。受光部29、31はそれぞれ接続部35、37を介して基板130と接触し、その他の熱的な接触はない。熱電対131はp型ポリシリコン抵抗配線132とn型ポリシリコン抵抗配線133とアルミ配線134とから構成されている。
【0003】
図22(b)は図22(a)のF−F方向での断面構成図である。単結晶シリコン基板130の上には、支持絶縁膜143が形成され、支持絶縁膜143の下には結晶面150が表出した空洞領域26が形成されている。支持絶縁膜143の上にはp型ポリシリコン抵抗配線132が配置され、p型ポリシリコン抵抗配線132の上には層間絶縁膜144が形成されている。層間絶縁膜144の上にはアルミ配線134が配置され、アルミ配線134の上には保護膜145が形成されている。さらにその上には、赤外線を熱に変換する赤外線吸収膜146、147がそれぞれ形成されている。空洞領域26の上に形成された各層(143〜145)には異方性エッチング孔141、142が選択的に形成されている。この異方性エッチング孔141、142と空洞領域26により、接続部35および受光部29、31は基板130から分離形成されている。
【0004】
赤外線吸収膜146、147に入射した赤外線は熱に変換され、この熱は赤外線吸収膜146、147の下に配置されている温接点148に伝わり、温接点148の温度が上昇する。したがって、温接点148と冷接点149の間に温度差が生じ、ゼーベック効果により熱起電力が生じる。
【0005】
この赤外線センサの製造方法について図23乃至図24を参照して説明する。各図において(b)図は(a)図のF−F方向に沿った断面構成図である。
【0006】
(イ)まず、図23に示すように基板130の上に支持絶縁膜143を全面に形成する。支持絶縁膜143の上に不純物を添加していないポリシリコン膜(ノンドープポリシリコン膜)を形成する。そしてp型不純物およびn型不純物を選択的にイオン注入し、これらの不純物が添加されたポリシリコン膜(ドープドポリシリコン膜)をパターンニングして、ポリシリコン抵抗配線132、133を形成する。ポリシリコン抵抗配線132、133の上に、層間絶縁膜144を全面に形成する。温接点148および冷接点149が形成される部分の層間絶縁膜144にコンタクトホールを形成し、層間絶縁膜144の上にアルミ配線134を形成する。アルミ配線134の上に保護膜145を全面に形成する。さらにその上に赤外線吸収膜146、147をそれぞれ選択的に形成する。
【0007】
(ロ)次に、図24に示すように基板130上に形成された各層(143〜145)について、異方性エッチング孔141、142を選択的に形成し、シリコン基板130を露出させる。
【0008】
(ハ)次に、図24に示した異方性エッチング孔141、142を介して、シリコンエッチング液を導入し、基板130の異方性エッチングを行う。その結果、図22に示すような空洞領域26が形成され、赤外線センサが完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
センサの感度を向上させるためには、受光部29、31と基板130の間の熱抵抗を高くする必要がある。熱抵抗を高くするには、接続部35、37を細くまたは薄くする必要がある。しかし、接続部35、37を細くまたは薄くすることにより接続部35、37の機械的な強度が低下し、基板130の異方性エッチングをはじめとする薬液によるエッチング処理、その後の水洗処理、またチップ分割等の時に加わる水圧や振動により、デバイスが破損し製造歩留まりの低下を引き起こす。一方、デバイスが破損しない程度に接続部35、37を太くまたは厚くした場合、センサの感度が低下する。
【0010】
これらの問題は同様な構造を有する力学量センサ等においても同様である。
【0011】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、製造工程中のデバイスの機械的強度が高く、製造工程中での破壊が防止できるセンサの製造方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、接続部の寸法(幅)を細く、接続部を構成している薄膜の厚さを薄くすることが可能となり、高感度センサを高い製造歩留まりで実現できるセンサの製造方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、製造歩留まりが高く、検出感度の高い赤外線センサの製造方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、製造歩留まりが高く、検出感度の高い力学量センサの製造方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、加工精度が高く、かつ製造工程数の少ないセンサの製造方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、センサに必要なメンブレン構造を簡単に実現でき、かつメンブレン構造が製造工程中に破損しない製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明の第1の特徴は、(イ)半導体基板の上に支持絶縁膜を形成する工程と、(ロ)支持絶縁膜の上に、保護膜を形成する工程と、(ハ)保護膜の一部を除去して支持絶縁膜の一部を露出し薄膜支持部を形成する工程と、(ニ)支持絶縁膜の下部の半導体基板の一部を除去し、支持絶縁膜の下部の一部を露出する工程と、(ホ)薄膜支持部をドライエッチングで除去して、分離溝を形成する工程とから少なくともなるセンサの製造方法であることである。ここで、(ロ)乃至(ニ)の工程は必ずしもこの順序になされる必要はない。例えば、(ニ)の工程は基板の裏面からのエッチングによっても可能であるため、(イ)の工程と(ロ)の工程の間、(ロ)の工程と(ハ)の工程の間に行ってもよい。
【0018】
薄膜支持部は最終的には(ホ)の工程で除去され、分離溝となる、いわば「ダミー」の部分である。上記(ニ)の工程により、支持絶縁膜の下部には空洞部が形成され、支持絶縁膜およびその上の積層構造はいわゆる「メンブレン」の状態となるが、このメンブレンは薄膜支持部で支持されている。薄膜支持部はセンサの最終構造とは無関係にその支持面積を選択できる自由度を有している。したがって、本発明の第1の特徴によれば、メンブレンを支持する機械的強度を大きくするのが容易であるので、センサは製造工程中の機械的衝撃に対して強くなる。「機械的衝撃」とは、ウェットエッチングまたはウェットエッチング後の水洗時にメンブレンに与えられる機械的な力をいう。そして最後に(ホ)の工程で薄膜支持部を除去して分離溝を形成するようにすれば、最終的に細い支持部でメンブレンを支持するような構造が実現できる。(ホ)の工程におけるドライエッチングにおいては水洗等が不要であり、この工程においては機械的衝撃が加わることはない。したがって、製造工程の途中でセンサが破損することが防止できる。
【0019】
本発明の第2の特徴は、保護膜を形成する工程の前に、支持絶縁膜の上に温度検出素子を形成する工程と、層間絶縁膜を形成する工程とをさらに有し、保護膜形成後に保護膜の上に赤外線吸収膜を形成する工程とをさらに有するセンサの製造方法であることである。
【0020】
本発明の第2の特徴によれば、支持絶縁膜の上に温度検出素子、層間絶縁膜、保護膜および赤外線吸収膜を形成し、支持絶縁膜の下部の半導体基板の一部を除去し、支持絶縁膜の下部に空洞部を有した状態であっても、これら積層構造からなるメンブレンを支持絶縁膜で強固に支持することができる。したがって、赤外線センサが製造工程中に破損することが防止でき、また、最終的に必要なメンブレンの支持部を細くできるので、赤外線センサの感度が向上する。
【0021】
本発明の第3の特徴は、保護膜を形成する工程の前に力学量測定センサ部を支持絶縁膜上に形成する工程をさらに有するセンサの製造方法であることである。
【0022】
本発明の第3の特徴によれば、支持絶縁膜の下部の半導体基板の一部を除去し、支持絶縁膜の下部に空洞部を有した状態であっても、この支持絶縁膜の上に力学量測定部および保護膜を形成し、これらの積層構造からなるメンブレンを支持絶縁膜で強固に支持することができる。したがって、力学量センサが製造工程中に破損することが防止でき、また、最終的な構造は細い構造部を有するようにしてもよいので、力学量センサの感度が向上する。
【0023】
本発明の第4の特徴は、支持絶縁膜は窒化珪素膜であり、保護膜は酸化珪素膜であるセンサの製造方法であることである。
【0024】
本発明の第4の特徴によれば、窒化珪素膜と酸化珪素膜のエッチング選択比が大きくなるようなエッチングのガスやエッチング液を選択することが容易である。したがって、第1の特徴における(ハ)の工程において、酸化珪素膜のエッチング速度が窒化珪素膜のエッチング速度よりも大きいようなエッチングガスやエッチング液を選べば、薄膜支持部を構成する窒化珪素膜をエッチングストッパー層として機能させることができる。すなわち、(ハ)の工程におけるエッチングのエンドポイントが自動的に決定できるので、高精度なエッチングができる。逆に、第1の特徴における(ホ)の工程におけるドライエッチングガスとして窒化珪素膜のエッチング速度が大きいエッチングガスを選択すれば、何らマスクを用いなくても自己整合的に窒化珪素膜のみを選択的にエッチングして、簡単に分離溝を開孔できる。したがって、本発明の第4の特徴によれば、第1の特徴で述べた点に加えて高精度かつ簡単な工程でのセンサの製造が可能となる。
【0025】
本発明の第5の特徴は、支持絶縁膜の一部に半導体基板をエッチングするための異方性エッチング孔を開孔後、保護膜を形成するセンサの製造方法であることである。
【0026】
本発明の第5の特徴によれば、異方性エッチング孔を介して支持絶縁膜の下部の半導体基板の一部を除去し、支持絶縁膜の下部の一部を露出するすることができる。また、異方性エッチングに必要な最小面積の異方性エッチング孔を開孔し、残余の部分を薄膜支持部とすることができる。そして、保護膜と支持絶縁膜とのエッチングの選択性を利用して支持絶縁膜を除去すればよいので、製造工程中での機械的衝撃に強い構造が簡単に実現できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、製造工程中のデバイスの機械的強度が高く、製造工程中での破壊が防止できるセンサの製造方法を提供できる。
【0028】
また本発明によれば、接続部の寸法(幅)を細く、接続部を構成している薄膜の厚さを薄くすることが可能となり、高感度センサを高い製造歩留まりで実現できるセンサの製造方法を提供できる。
【0029】
さらに本発明によれば、製造歩留まりが高く、検出感度の高い赤外線センサの製造方法が提供できる。
【0030】
さらに本発明によれば、製造歩留まりが高く、選出感度の高い力学量センサの製造方法が提供できる。
【0031】
さらに本発明によれば、加工精度が高く、かつ製造工程数の少ないセンサの製造方法が提供できる。
【0032】
さらに本発明によれば、センサに必要なメンブレン構造を簡単に実現でき、かつメンブレン構造が製造工程中に破損しない製造方法が簡単に実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの平面構成図である。図1(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサは、赤外線を熱に変換する受光部28、30と、受光部28、30を支持する接続部13と、接続部13を支持する基板7と、受光部28、30と基板7との温度差を検出する温度検出素子47〜49とから構成されている。受光部28、30は基板7に対して接続部13を介して接触し、その他の熱的な接触はない。温度検出素子47〜49は例えば熱電対、ボロメータ、焦電素子等が使用される。ここではゼーベック効果を用いた熱電対を使用した場合について説明する。なお、ボロメータを使用した場合については第2の実施の形態において説明する。熱電対は例えばp型ポリシリコン抵抗配線47とn型ポリシリコン抵抗配線48とアルミ配線49とから構成されている。ゼーベック効果が顕著であればポリシリコン抵抗配線47、48の代わりに他の金属を用いてもよいことはもちろんである。p型ポリシリコン抵抗配線47とn型ポリシリコン抵抗配線48はそれぞれ一端を受光部28、30内に配置し、接続部13を介して他端を基板7上に配置している。アルミ配線49はp型ポリシリコン抵抗配線47の端とn型ポリシリコン抵抗配線48の端を接続している。このポリシリコン抵抗配線47、48とアルミ配線49との接続点は受光部28、30内では温接点51、基板7上では冷接点52を形成している。
【0034】
図1(b)は図1(a)のA−A方向に沿った断面構成図である。図1(b)に示すように、(100)面の単結晶シリコン基板7上にシリコンのエッチング液に対して耐腐食性を有する支持絶縁膜53が形成されている。支持絶縁膜53は例えば窒化珪素膜(Si3 4 膜)が使用される。支持絶縁膜53の下には(110)面の結晶面65が表出した空洞領域22が形成されている。支持絶縁膜53の上には熱電対を形成するp型ポリシリコン抵抗配線47が配置されている。図1(b)には示さないが、n型ポリシリコン抵抗配線48についても同様に支持絶縁膜53の上に配置されている。ポリシリコン抵抗配線47、48の厚さは例えば350nmであり、支持絶縁膜53により電気的に基板7から絶縁されている。ポリシリコン抵抗配線47、48の上には厚さ300乃至600nmの層間絶縁膜54が形成されている。層間絶縁膜54は例えば酸化珪素膜(SiO2 膜)が使用される。層間絶縁膜54の上には熱電対を形成するアルミ配線49が配置されている。アルミ配線49は層間絶縁膜54によりポリシリコン抵抗配線47、48から電気的に絶縁されている。また、層間絶縁膜54にはp型ポリシリコン抵抗配線47とアルミ配線49を電気的に接続し、温接点51および冷接点52を形成するためのコンタクトホールが形成されている。なお、図1(b)には示さないが、n型ポリシリコン抵抗配線48についても同様なコンタクトホールが形成されている。アルミ配線49の上には例えば厚さ500nm程度の保護膜55が形成されている。保護膜55は例えば酸化珪素膜が使用される。保護膜55の上には選択的に赤外線を熱に変換する金黒(Au−Black)、Ni−Cr(ニッケルとクロムの合金)あるいはアモルファスシリコン等等の赤外線吸収膜61、62が形成され、それぞれ受光部28、30を形成している。そして、これら基板7上に形成された各層(53〜55)を貫通する異方性エッチング孔40および分離溝45が空洞領域22の上に選択的に形成されている。分離溝45の幅は例えば5〜10μm程度である。異方性エッチング孔40、分離溝45および空洞領域22により、第1および第2の受光部28、30と接続部13が基板13に対して分離形成されている。
【0035】
次にこのような構成を有する赤外線センサの動作について説明する。第1および第2の受光部28、30に入射した赤外線は赤外線吸収膜61、62に吸収されて熱に変換される。この変換された熱は赤外線吸収膜61、62の下に配置された温接点51に伝わり、温接点51の温度が上昇する。したがって、温接点51と冷接点52との間に温度差が生じ、ゼーベック効果により温接点51と冷接点52との間に熱起電力が生じる。この熱起電力は端子63、64からセンサ外部に取り出すことができる。
【0036】
次に本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの製造方法について図2乃至図4を参照して説明する。各図において(a)は平面構成図、(b)は(a)のA−A方向に沿った断面構成図である。
【0037】
(イ)まず、図2に示すようにCVD法により主表面の面方位を(100)面とする基板7の上に支持絶縁膜53としての窒化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により異方性エッチング孔40が形成される部分に窓を有するフォトレジスト等のマスクを支持絶縁膜53上に形成する。このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより支持絶縁膜53を選択的に除去し、図2に示すように異方性エッチング孔40を開孔する。
【0038】
(ロ)次に、CVD法により支持絶縁膜53の上にノンドープポリシリコン膜を全面に形成する。フォトレジスト等イオン注入用のマスクをフォトリソグラフィ法を用いて形成し、このマスクを用いてボロン(11+ )等のp型不純物イオンをノンドープポリシリコン膜中に選択的にイオン注入する。なお、図3(b)には示さないがn型ポリシリコン抵抗配線48が形成される領域についても同様にして燐(31+ )等のn型不純物イオンを選択的にイオン注入する。熱処理により注入された不純物イオンを活性化して不純物添加ポリシリコン膜(ドープドポリシリコン膜)を形成する。フォトリソグラフィ法を用いてエッチング用のマスクを形成する。このエッチング用マスクを用いてRIE法等のエッチングによりポリシリコン抵抗配線47、48を図3に示すようにパターンニングする。なお、先にパターンニングを行いその後イオン注入してもよい。次にCVD法によりポリシリコン抵抗配線47、48の上に層間絶縁膜54を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により温接点51および冷接点52を形成する部分に窓を有するマスクを層間絶縁膜54の上に形成する。このマスクを用いてRIE法により選択的に層間絶縁膜54を選択的に除去してコンタクトホールを開孔し、この部分のポリシリコン抵抗配線47、48を露出する。スパッタ法や真空蒸着法等により層間絶縁膜54の上にアルミニウム膜を全面に形成する。この時、コンタクトホールはアルミニウム膜で満たされる。そして、フォトリソグラフィ法によりエッチングマスクをアルミニウム膜の上に形成し、このエッチングマスクを用いてRIE法等のエッチングにより図3(a)に示すような平面形状にアルミ配線49をパターンニングする。その後、CVD法によりアルミ配線49の上に保護膜55としての酸化珪素膜を全面に形成する。さらにその上に、第1および第2の受光部が形成される領域に選択的に赤外線吸収膜61、62を形成する。この選択的な形成はリフトオフ法を用いればよい。なお、まず全面に膜を形成してその後パターンニングしてもよいことはもちろんである。
【0039】
(ハ)次にフォトリソグラフィ法により図3に示した積層構造の上にエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクを用いてRIE法等のエッチングにより層間絶縁膜54および保護膜55を選択的に除去する。例えばエッチングガスとしてCHF3 /COを用いたRIE法を行なえば、層間絶縁膜54および保護膜55としての酸化珪素膜と、支持絶縁膜53としての窒化珪素膜との選択比が15以上取れるので、支持絶縁膜53はエッチングストッパーとして働く。あるいは、フッ化アンモニウム(NH4 F)とフッ酸(HF)との混合液等の酸化膜エッチング液を用いて層間絶縁膜54と保護膜55をエッチングしてもよい。酸化膜エッチング液はほとんど窒化珪素膜をエッチングしないので、エッチングの選択比をほとんど無限大と見なすことができる。したがって、先に異方性エッチング孔40を開孔した部分はシリコン基板7が露出するが、その他の部分は窒化珪素膜(支持絶縁膜)53が露出する。この露出した窒化珪素膜の部分は薄膜支持部43となる。
【0040】
(ニ)次に、異方性エッチング孔40により露出した基板7に対して、KOHまたはヒドラジン等のエッチング液を導入し、基板7の異方性エッチングを行う。この時、支持絶縁膜53はエッチング液に対して耐腐食性を有しているので、シリコン基板7のみをエッチングすることができる。この結果、シリコン基板の主表面の面方位((100)面)とは異なる結晶面((110)面)65が表出した空洞領域22が形成される。空洞領域22の上部の積層構造がいわゆる「メンブレン」となる。図4に示した状態では、受光部28、30は接続部13と薄膜支持部43の支持絶縁膜53により支持されている。異方性エッチングの後は十分に洗浄する。特に空洞部22内部は小さな異方性エッチング孔40を開して水が出入りするので、念入りに行う。また、(ロ)の工程で行う赤外線吸収膜61、62のリフトオフ法による選択的な形成を、この空洞領域22の形成を行った後に実施してもよい。
【0041】
(ホ)次に、ドライエッチングを行い、薄膜支持部43の支持絶縁膜53を選択的に除去し、図1に示すような分離溝45を開孔する。この時、分離溝45となる支持絶縁膜53を選択的にエッチングを行うためのマスクを使用しなくてもCF4 等をエッチングガスとしたドライエッチングを行うことにより、デバイスの他の部分に影響を与えず、自己整合的に薄膜支持部43の窒化珪素膜(支持絶縁膜)53のみ除去することができる。すなわち、最上層の赤外線吸収膜61、62および酸化珪素膜(層間絶縁膜および保護膜)54、55に対する窒化珪素膜53のエッチング選択比が大きいので、マスクを用いなくても窒化珪素膜53のみを選択的に除去できる。例えば、赤外線吸収膜61、62としての金黒と、窒化珪素膜53のエッチング速度の比(選択比)はほぼ無限大であり、保護膜55としての酸化珪素膜と窒化珪素膜53との選択比は5程度である。また、パターンを形成する処理ではなく単純な除去処理であるからエッチング精度も低くてもよい。以上の工程を経て図1に示す赤外線センサが完成する。
【0042】
上記において、各フォトレジストの除去工程の説明を省略しているが、各フォトレジストは酸素プラズマ処理、硫酸(H2 SO4 )処理あるいはレジスト剥離液等を用いて除去され、さらにその後水洗される。
【0043】
以上説明したように第1の実施の形態では、受光部28、30は接続部13と薄膜支持部43の支持絶縁膜53で強固に支持された状態でシリコン基板7の異方性エッチングをはじめとする薬液によるエッチング処理や薬液によるフォトレジスト除去処理、およびこれらの処理の後の水洗処理等のデバイスの破損の危険性の高い工程を行っている、そしてほぼ最終工程において、受光部28、30を支持していた薄膜支持部43の支持絶縁膜53を機械的衝撃の少ないドライエッチングで除去し、分離溝45を開孔している。また、分離溝を形成するドライエッチングにおいてはフォトレジスト等のマスクが不要である。このためフォトレジスト除去に必要な薬液による処理やその後の水洗工程も不要であり、この分離溝工程には機械的衝撃力は発生しない。このように、空洞領域22形成後の受光部28、30はほぼ最終工程直前まで接続部13と薄膜支持部43によって支持されているため、センサを製造する一連の工程中にメンブレン部に加わる水圧、振動等に対して、充分な機械的強度を得ることができる。また、薄膜支持部43のエッチング除去は精度を要求しないので、チップ切断を実施した後に行っても良い。このようにすれば、チップ切断時の切削水によるデバイスの破損を防止することもできる。さらに、接続部13の機械的強度は製造工程における破損を考慮する必要がなくなるので、接続部13の形状や寸法を通常の使用環境において破損しない程度まで、細くまたは薄くすることができる。例えば、層間絶縁膜54の厚さが300乃至600nmと記載したが、この厚さをより薄い厚さに選択することが可能となる。したがって、接続部13の熱抵抗が高くなり、赤外線の検出感度が向上する。
【0044】
(第1の変形例)
第1の変形例では、第1の実施の形態に係わる赤外線センサの製造方法において、支持絶縁膜53と単結晶シリコン基板7との間に多結晶シリコン膜72を形成する工程を有する場合の赤外線センサの製造方法について説明する。なお、完成した赤外線センサの構造は実質的に図1に示した構造と類似な構造である。また動作も基本的には図1に示した構造のセンサの動作と違いはない。以下、第1の変形例に係わる赤外線センサの製造方法について図5乃至図8を参照して説明する。各図において(b)は(a)のB−Bに沿った断面構成図である。
【0045】
(イ)図5に示すように単結晶シリコン基板7の上にCVD法により厚さ100乃至350nm程度の多結晶シリコン膜72を全面に形成する。フォトリソグラフィ法によりフォトレジスト等の所定のマスクを形成する。このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより方形状の多結晶シリコン膜72を形成する。CVD法により多結晶シリコン膜72の上に支持絶縁膜53としての窒化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のマスクを形成し、図5(a)に示すようにこのマスクを用いてRIE法等のエッチングにより方形状の多結晶シリコン膜72の4つの角の部分の上部の窒化珪素膜53を選択的に除去し、例えば30乃至40μm□程度の異方性エッチング孔40を形成する。異方性エッチング孔40には多結晶シリコン膜が露出されている。
【0046】
(ロ)次に、図6に示すように第1の実施の形態と同様にして、支持絶縁膜53の上にポリシリコン抵抗配線47、48、層間絶縁膜54としての酸化珪素膜、アルミ配線49、保護膜55としての酸化珪素膜、そして赤外線吸収膜を順次配置・形成する。図6(b)には赤外線吸収膜、熱電対が有する温接点および冷接点が示されていないが、第1の実施の形態と同様に形成されているのはもちろんである。また、第1の実施の形態では受光部が2つに別れていたがここでは方形状に一体で構成される。したがって赤外線吸収膜も一体で形成する。さらに、受光部9は多結晶シリコン膜72の内側に形成され、かつ受光部9の外周に異方性エッチング孔40が配置するように形成されている。以上の工程が終了した状態を図6に示す。
【0047】
(ハ)次に、フォトリソグラフィ法により図7に示した積層構造の上にエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクを用いてRIE法等のエッチングにより、層間絶縁膜54および保護膜55を選択的に除去する。したがって、先に異方性エッチング孔40を開孔した部分はシリコン基板7が露出するが、その他の部分は窒化珪素膜(支持絶縁膜)53が露出する。この露出した窒化珪素膜の部分は薄膜支持部43となる。異方性エッチング孔40により露出した多結晶シリコン膜72に対してシリコンエッチング液を導入する。この時、使用するシリコンエッチング液に対するエッチング速度が多結晶シリコンの方が単結晶シリコンよりも速いため、まず多結晶シリコン膜がエッチング除去され、その後単結晶シリコン基板7がエッチングされる。したがって、多結晶シリコン膜72が形成された領域に平板状の空洞部が形成され、この平板上の空洞部領域の全体から単結晶シリコン基板7の異方性エッチングが開始されることになる。この結果、第1の実施の形態と同様な所定の結晶面65を表出した空洞領域22が形成される。また、受光部9は接続部13と薄膜支持部43の支持絶縁膜53により支持されている。
【0048】
(ニ)次に、CF4 等のエッチングガスを用いたドライエッチングを行い、薄膜支持部43の支持絶縁膜53を選択的に除去し、分離溝45を形成する。以上の工程が完了して図8に示す赤外線センサが完成する。
【0049】
第1の変形例に係わる赤外線センサの製造方法において、シリコンエッチング液がまず先に多結晶シリコン膜72をエッチング除去し薄い平板状の空洞部を形成し、この薄い平板状の空洞部を介して、単結晶シリコン基板7の異方性エッチングを行うことができる。つまり異方性エッチング孔40は単結晶シリコン7よりもエッチングの容易な多結晶シリコン膜72をエッチングするために必要な場所、大きさおよび形状にすれば良く、単結晶シリコン基板7をエッチングすることを考慮しなくても良い。すなわち、図4のように、異方性エッチング孔40から直ちに単結晶シリコン基板7の異方性エッチングを開始する場合には、四角い空洞を形成するためには基板7の面方位を考慮する必要がある。つまり、基板7の異方性エッチング時に結晶面(111)面でエッチングをストップさせる必要がある。このため、図1に示すように受光部28の斜辺と受光部30の斜辺に挟まれた左上がりの長い帯状の領域に異方性エッチング孔40が必要であった。しかし、第1の変形例では、多結晶シリコン膜72をエッチングするのに必要なエッチング孔40を形成すればよく、図1のような長い帯状の領域は必要ではない。すなわち、第1の変形例では異方性エッチング孔の場所、大きさ、および形状を自由に選ぶことができる。ここでは、空洞領域22の4つの角の部分に異方性エッチング孔を形成する場合を示した。つまり、図1に示したような広い面積の異方性エッチング孔40を形成する必要がないので、受光部9の面積を広くとることができる。
【0050】
(第2の変形例)
第2の変形例では、空洞領域22を形成するために行う基板7の異方性エッチングを基板7の裏面から行う場合について図9乃至図11を参照して説明する。図1に示したセンサと同様に、完成した赤外線センサの構造は実質的に類似な構造を有し、動作についても基本的に同じである。各図において、(b)は(a)のC−C方向に沿った階段断面図である。(a)の階段部分は(b)のc−cで示す。
【0051】
(イ)図9に示すように、基板3の上に支持絶縁膜53としての窒化珪素膜、ポリシリコン抵抗配線47、48、層間絶縁膜54としての酸化珪素膜、アルミ配線49、保護膜55としての酸化珪素膜、そして赤外線吸収膜56を配置・形成する。ただし、支持絶縁膜53に異方性エッチング孔は開孔しない。CVD法により基板7の裏面に裏面エッチング防止膜73を全面に形成する。裏面エッチング防止膜73は例えばシリコンエッチング液に対して耐腐食性を有する酸化珪素膜(SiO2 膜)が使用される。フォトリソグラフィ法により所定のマスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより裏面エッチング防止膜73に異方性エッチング孔44を開孔する。
【0052】
(ロ)図10に示すようにフォトリソグラフィ法を用いて図9に示した積層構造の上にエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクを用いてRIE法等のエッチングにより層間絶縁膜45および保護膜55を選択的に除去する。したがって、窒化珪素膜(支持絶縁膜)53が表出した薄膜支持部43を形成することができる。基板7の裏面からエッチング防止膜73をマスクとして基板7の裏面に対してシリコンエッチング液を導入する。その結果、受光部9および接続部13の下のシリコン基板7が除去され、空洞領域23が形成される。この時、受光部9は接続部13と支持絶縁膜53によってその全周で支持されている。
【0053】
(ハ)CF4 等のエッチングガスを用いてドライエッチングを行い、薄膜支持部43の支持絶縁膜53を自己整合的に除去する。以上の工程が完了して図11に示す赤外線センサが完成する。
【0054】
第2の変形例では、基板7の異方性エッチングを裏面から行うため、異方性エッチング孔を基板の表面に形成する必要がない。したがって、空洞領域23形成後の受光部9の外周全体を接続部13および支持絶縁膜53で支持することができる。受光部9の外周全体を支持することができるので、製造工程中のデバイスの機械的な強度が増す。なお、上記の空洞領域23を形成する工程は支持絶縁膜53形成直後や、保護膜55の形成の前等に行ってもよい。
【0055】
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では赤外線センサを構成する温度検出素子として熱電対を使用したが、その他にもボロメータや焦電素子を使用した赤外線センサにおいても同様に適用できる。本発明の第2の実施の形態では、温度検出素子としてボロメータを使用した場合について説明する。
【0056】
第2の実施の形態に係わる赤外線センサは、図12(a)に示すように赤外線を熱に変換する受光部10と受光部10を支持する接続部36、38と接続部36、38を支持する基板7と受光部10の温度変化を電気信号としてセンサ外部に出力するためのチタン配線91、92とから構成されている。受光部10と接続部36、38は異方性エッチング孔41、42および分離溝98によって基板7から分離形成されている。また、受光部10は接続部36、38を介してのみ基板7と接触し、他の熱的な接触はない。図12(a)には示さないが、受光部10は入射した赤外線を熱に変換する赤外線吸収膜とボロメータ材料膜を有する。チタン配線はチタン配線91、92で構成され、それぞれ一端をボロメータ材料膜に接続し接続部の上を介してセンサ外部まで延ばされている。
【0057】
図12(b)は図12(a)のD−Dでの断面構成図である。図12(b)に示すように単結晶のシリコン基板7の上にはシリコンエッチング液に対して耐腐食性を有する支持絶縁膜53が形成されている。支持絶縁膜53には例えば窒化珪素膜(Si3 4 膜)が使用される。支持絶縁膜53の下の基板7には基板7表面とは異なる結晶面が表出した空洞領域24が形成されている。支持絶縁膜53の上にはチタン配線91、92が配置されている。チタン配線91、92は支持絶縁膜53により基板7から電気的に絶縁されている。チタン配線91、92の上には層間絶縁膜54としての酸化珪素膜が形成されている。層間絶縁膜54の上には受光部10が形成される領域にボロメータ材料膜60が形成されている。ボロメータ材料膜60は層間絶縁膜54によりチタン配線91、92から電気的に絶縁されている。また、層間絶縁膜54にはボロメータ材料膜60とチタン配線91、92とを電気的に接続するためのコンタクトホールが選択的に形成されている。ボロメータ材料膜60は例えば酸化バナジウム、多結晶シリコン、白金等が使用される。ボロメータ材料膜60の上には保護膜55としての酸化珪素膜が形成されている。保護膜55の上には受光部10が形成される領域に赤外線吸収膜57が形成されている。そして、空洞領域24上に形成された各層(53〜55)を貫通する異方性エッチング孔41、42および分離溝98が選択的に形成されている。異方性エッチング孔41、42および分離溝98および空洞領域24により受光部10と接続部36、38は基板7に対して分離形成されている。
【0058】
赤外線吸収膜57に入射した赤外線はこの膜に吸収され熱に変換される。この変換された熱は赤外線吸収膜57の下に配置されているボロメータ材料膜60に伝わり、ボロメータ材料膜60の温度が上昇する。このボロメータ材料膜60はこの温度上昇により抵抗値が変化する。この抵抗値の変化をチタン配線91、92を用いてボロメータ材料膜60に電流を流すことで検出する。
【0059】
次に第2の実施の形態に係わる赤外線センサの製造方法について図13乃至図16を参照して説明する。ここで、各図において(b)は(a)のD−D方向での断面構成図である。
【0060】
(イ)まず、図13に示すようにCVD法により単結晶シリコン基板7の上に多結晶シリコン膜75を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定の形状を有するマスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより方形状の多結晶シリコン膜75をパターンニングする。CVD法により多結晶シリコン膜75の上に支持絶縁膜53としての窒化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のエッチング用マスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより窒化珪素膜53を除去し、異方性エッチング孔41、42を選択的に形成する。この結果、異方性エッチング孔41、42には多結晶シリコン膜が露出している。
【0061】
(ロ)支持絶縁膜53の上にスパッタ法または真空蒸着法等によりチタン(Ti)膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のマスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングを行い、図14に示すようにチタン配線91、92をパターンニングする。チタン配線91、92の上にCVD法により層間絶縁膜54としての酸化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のマスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングを行い、受光部10を構成する矩型領域の辺87、89上に配置されたチタン配線91、92上の層間絶縁膜54を選択的に除去しコンタクトホールを形成する。この結果、コンタクトホール内にチタン配線91、92が表出する。層間絶縁膜54の上にボロメータ材料膜60を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のエッチング用マスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングを行い、受光部10内に配置されるボロメータ材料膜60をパターンニングする。こうして形成されたボロメータ材料膜60はコンタクトホールを介してチタン配線91、92と電気的に接触している。CVD法によりボロメータ材料膜60の上に保護膜55としての酸化珪素膜を全面に形成する。さらに保護膜55の上の受光部10の領域に赤外線吸収膜57を選択的に形成する。この選択的な形成はリフトオフ法を用いればよい。また、赤外線吸収膜を全面に形成してからフォトリソグラフィ法およびRIE法によりパターンニングしてもよい。
【0062】
(ハ)次に、図15に示すようにフォトリソグラフィ法により所定のエッチング用マスクを形成し、このマスクを用いて所定の領域の層間絶縁膜54および保護膜55としての酸化珪素膜のみを選択的にエッチングし除去する。例えば窒化珪素膜とのエッチング選択比がほぼ無限大となるNH4 F/HF混合溶液で酸化珪素膜54、55を選択的に除去すればよい。あるいはエッチングガスとしてCHF3 /COを用いたRIE法を行えば、層間絶縁膜54および保護膜55としての酸化珪素膜と、支持絶縁膜53としての窒化珪素膜との選択比が15以上取れるので、支持絶縁膜53はエッチングストッパーとして働く。したがって、先に異方性エッチング孔41、42を開孔した部分は多結晶シリコン膜75が露出するが、その他の部分は窒化珪素膜(支持絶縁膜)53が露出する。この露出した窒化珪素膜の部分が薄膜支持部93となる。
【0063】
(ニ)次に、異方性エッチング孔41、42の部分の露出した多結晶シリコン膜75に対して異方性のシリコンエッチング液を導入する。第1の実施の形態の第1の変形例の場合と同様にシリコンエッチング液はまず多結晶シリコン膜75をエッチングし、その後単結晶シリコン基板7をエッチングする。したがって、基板7の異方性エッチングは多結晶シリコン膜75が形成された領域全体から開始される。この結果、基板7表面とは異なる結晶面65を表出した空洞領域24が形成される。図16に示した状態では、接続部36、38と薄膜支持部93の支持絶縁膜53が受光部10を支持している。
【0064】
(ホ)次に、ドライエッチングを行い、薄膜支持部93の支持絶縁膜53を選択的に除去し、図12に示すような分離溝98を開孔する。この時、CF4 等をエッチングガスとしたドライエッチングを行うことにより、デバイスの他の部分に影響を与えず、自己整合的に薄膜支持部98の支持絶縁膜53のみ除去することができる。すなわち、CF4 をエッチングガスとして用いれば、最上層の赤外線吸収膜57および酸化珪素膜(層間絶縁膜および保護膜)54、55に対する窒化珪素膜53のエッチング選択比はそれぞれほぼ無限大および5程度に大きくできるので、マスクを用いなくても窒化珪素膜53のみを選択的に除去できる。また、パターンを形成する処理ではなく単純な除去処理であるからエッチング精度も低くても良い。以上の工程が完了して図12に示す赤外線センサが完成する。
【0065】
以上説明したように、ボロメータ材料を用いた赤外線センサにおいても、受光部10を接続部36、38と薄膜支持部93で支持した状態で、基板の異方性エッチング、その後の洗浄、チップ分割等のデバイスの破損の危険性のある工程を行い、その後に薄膜支持部98を除去する工程を行うことで、製造工程中におけるデバイスの機械的な強度を高く保持することができる。また、薄膜支持部98を除去する工程において、CF4 等のエッチングガスを用いたドライエッチングを行うことで、機械的な衝撃を与えることなく、薄膜支持部93を選択的に除去することができる。また、分離溝98を形成するドライエッチングにおいてはフォトレジスト等のマスクが不要である。このため、フォトレジスト除去に伴う薬液による処理や、その後の水洗工程も不要であり、この分離溝工程には機械的衝撃力は発生しない。従来接続部36、38は製造工程における破損を考慮し、この破損に絶えられる程度の機械的強度を持った、つまり太くまたは厚いものにしなければならなかった。本発明の第2の実施の形態によれば、製造工程の途中での破損の心配を考慮する必要がなく、接続部36、38は使用環境において破損しない程度の機械的な強度を有していればよい。したがって、接続部36、38の形状は従来よりも細く、薄い形状にすることができる。このため、接続部36、38の熱抵抗が高くなり、ボロメータ材料を用いた赤外線センサの感度が向上する。
【0066】
(第3の実施の形態)
第1および第2の実施の形態では、赤外線センサについて述べたが、本発明に係わるセンサの製造方法は赤外線センサ以外にも、流量センサ、加速度センサあるいは角速度センサ等の力学量センサの製造方法においても同様に適用できる。第3の実施の形態では、種々の力学量センサの代表として流量センサの製造方法について説明する。
【0067】
第3の実施の形態に係わる流量センサは、図17(a)に示すように発熱体部94、95と、測温抵抗部96、97と発熱体部94、95と測温抵抗部96、97を支持する基板7と、流体を加熱する発熱体配線100と、流体の温度を計測する測温抵抗配線98、99とから構成されている。発熱体配線100と測温抵抗配線98、99は例えば白金(Pt)が使用される。
【0068】
図17(b)は図17(a)のE−E方向に沿った断面構成図である。図17(b)に示すように、単結晶のシリコン基板7の上にはシリコンのエッチング液に対して耐腐食性を有する支持絶縁膜53が形成されている。支持絶縁膜53は例えば窒化珪素膜(Si3 4 膜)が使用される。支持絶縁膜53の下には基板7表面とは異なる結晶面が表出した空洞領域25が形成されている。支持絶縁膜53の上には発熱体配線100および測温抵抗配線98、99が形成されている。さらにその上には保護膜55が形成されている。保護膜55は例えば酸化珪素膜(SiO2 膜)が使用される。そして、基板7上に形成された支持絶縁膜53および保護膜55を貫通する異方性エッチング孔101、102および分離溝111が空洞領域25の上に選択的に形成されている。空洞領域25、異方性エッチング孔101、102、および分離溝111により発熱対部94、95および測温抵抗部96、97はそれぞれ基板7から分離形成されている。
【0069】
次に、発熱体配線100に所定の電流を流し、発熱体部94、95をある一定の高い温度で制御すると、発熱体部94、95の一定の熱が測温抵抗部94、95に伝わり、測温抵抗部96、97の温度は発熱体部94、95よりも低い温度に制御される。この状態で、測温抵抗部96から測温抵抗部97に向けて流体が移動すると、上流側の測温抵抗部96は流体により冷やされ温度が下がる。一方、下流側の測温抵抗部97は流体の流れを媒体として発熱体部94、95からの熱伝導が促進され温度が上昇する。したがって、測温抵抗部96と測温抵抗部97との間に温度差が生じる。この温度差を有する測温抵抗部96、97をホイーストンブリッジ回路に組み込むことにより、温度差を電圧に変換でき、流体の流量に応じた電圧の出力を得ることができる。
【0070】
次に、第3の実施の形態に係わる流量センサの製造方法について図18乃至図20を参照して説明する。なお、各図において(b)は(a)のE−E方向に沿った断面構成図である。
【0071】
(イ)まず、図18に示すようにCVD法により単結晶シリコン基板7の上に支持絶縁膜53としての窒化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定のエッチング用マスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングを行い、異方性エッチング孔101、102を選択的に形成する。異方性エッチング孔101、102の部分には基板7が露出されている。スパッタ法や真空蒸着法により支持絶縁膜53の上に白金の膜を形成する。フォトリソグラフィ法により所定のマスクを形成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングを行い、発熱体配線100および測温抵抗配線98、99をパターンニングする。
【0072】
(ロ)次に、図19に示すようにCVD法により発熱体配線100および測温抵抗配線98、99の上に保護膜55としての酸化珪素膜を全面に形成する。フォトリソグラフィ法により所定の領域に窓を有するエッチング用のマスクを作成し、このマスクを用いてRIE法等のエッチングにより保護膜55を選択的に除去する。すると、先に異方性エッチング孔101、102を開孔した部分はシリコン基板7が露出するが、その他の部分は窒化珪素膜(支持絶縁膜)53が露出する。この露出した窒化珪素膜の部分は薄膜支持部110となる。
【0073】
(ハ)次に、異方性エッチング孔101、102の露出したシリコン基板7に対して、KOHまたはヒドラジン等のエッチング液を導入し、シリコン基板7の異方性エッチングを行う。この結果、基板7表面とは異なる結晶面を表出した空洞領域25が形成される。この時、支持絶縁膜53はエッチング液に対して耐腐食性を有するのでエッチングされない。したがって発熱対部94、95と測温抵抗部96、97は互いに薄膜支持部110の支持絶縁膜53により接続されている。
【0074】
(ニ)次に、ドライエッチングを行い、薄膜支持部110の支持絶縁膜53を選択的に除去し、図17に示すような分離溝111を開孔する。この時、選択的にエッチングを行うためのマスクを使用しなくてもCF4 等をエッチングガスとしたドライエッチングを行うことにより、デバイスの他の部分に影響を与えずに選択的に薄膜支持部110の支持絶縁膜53を除去することができる。すなわち、CF4 を用いれば保護膜55としての酸化珪素膜に対する窒化珪素膜53のエッチング選択比は大きな値を得ることができるので、マスクを用いなくても窒化珪素膜53のみを選択的に除去できる。また、パターンを形成する処理ではなく、単純な膜の除去処理であるからエッチング精度も低くてもよい。以上の工程を経て図17に示す流量センサが完成する。
【0075】
以上説明したように、流量センサにおいても、発熱体部94、95と測温抵抗部96、97を互いに薄膜支持部110の支持絶縁膜53で接続した状態で、基板の異方性エッチング、その後の洗浄、チップ分割等のデバイスの破損の危険性のある工程を行い、その後に薄膜支持部110の支持絶縁膜53をドライエッチングで選択的に除去する製造方法を使用することで、第1および第2の実施の形態と同様な効果が得られる。つまり、製造工程中における発熱体部94、95および測温抵抗部96、97の機械的な強度を高く保持することができる。また、薄膜支持部110の支持絶縁膜53を選択的に除去する工程において、CF4 等のエッチングガスを用いたドライエッチングを行うことで、発熱体部94、95および測温抵抗部96、97は機械的衝撃を受けることなく、薄膜支持部93の支持絶縁膜53を選択的に除去することができる。また、分離溝111を形成するドライエッチングにおいてはフォトレジスト等のマスクが不要である。このため、フォトレジスト除去に伴う薬液による処理やその後の水洗工程も不要であり、この分離溝工程には機械的衝撃力は発生しない。従来、発熱体部94、95および測温抵抗部96、97は製造工程における破損を考慮し、この破損に絶えられる程度の機械的強度が必要であり、その寸法は太くまたは厚いものにしなければならなかった。上述した本発明の第3の実施の形態に係わる製造方法を使用することで製造工程での破損を考慮する必要がなくなり、使用環境において破損しない程度の機械的な強度を有していればよいことになる。つまり、従来よりも細く、薄い発熱体部94、95および測温抵抗部96、97を形成することができる。細く、薄く形成できれば発熱体部94、95および測温抵抗部96、97の熱抵抗が高くなる。熱抵抗が高くなれば、流量センサの感度が高くなる。
【0076】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0077】
例えば、以上説明した第1乃至第3の実施の形態において、薄膜支持部として窒化桂素膜を使用し、層間絶縁および膜保護膜として酸化桂素膜を使用したが、窒化桂素膜と酸化桂素膜とを入れ替えて使用しても、さらに、同一材料を使用しても構わない。同一材料を使用した場合、保護膜の膜厚を薄膜支持部の膜厚よりも厚くすれば、ドライエッチングにより保護膜の厚さも減少するが、最終的には薄膜支持部の支持絶縁膜だけを除去することができる。また、支持絶縁膜としては窒化珪素膜(Si3 4 )以外にもアルミナ(Al2 3 )等の他の絶縁膜を用いてもよい。さらに、保護膜としては、BSG膜、PSG膜、BPSG膜、ポリイミド膜等の種々の絶縁膜を採用できる。
【0078】
また、薄膜支持部の除去を、異方性エッチングではなく等方性エッチングで行うことで、接続部の下の窒化桂素膜も除去することが可能となり、接続部をより薄くすることができる。接続部を薄く形成することができれば、接続部の熱抵抗を高くすることができる。
【0079】
さらに、半導体基板はシリコン基板に限られない。Geでもよく、またGaAs等の化合物半導体でも構わない。
【0080】
さらに、単一のセンサを製造する方法について示したが、同一のシリコン基板内に複数のセンサをマトリックス状に形成することや、センサの出力に対するスイッチ回路及び増幅回路等を同時に形成しても構わない。複数の赤外線センサを形成しこれらの赤外線センサからの出力に対するスイッチ回路を同時に形成する場合について図21を参照して説明する。
【0081】
出力の端子63、64を有する赤外線センサがマトリックス状に配置されている。すべての赤外線センサの端子63は第2の出力124にそれぞれ接続されている。また、すべての赤外線センサの端子64はXゲートトランジスタおよびYゲートトランジスタを介して第1の出力125にそれぞれ接続されている。X1 列に配置された赤外線センサに接続するXゲートトランジスタのゲート電極はX1 座標入力126に接続されている。すなわち、Xn 列に配置された赤外線センサに接続するXゲートトランジスタのゲート電極はXn 座標入力に接続されている。同様にして、Y1 行に配置された赤外線センサに接続するYゲートトランジスタのゲート電極はY1 座標入力128に接続されている。すなわち、Ym 行に配置された赤外線センサに接続するYゲートトランジスタのゲート電極はYm 座標入力に接続されている。
【0082】
座標(n,m)に配置された赤外線センサの信号を出力したい場合、Xn座標入力をハイレベル(“H”)にする。次にYm座標入力をハイレベル(“H”)にする。すると、座標(n,m)に配置された赤外線センサに接続されたXゲートトランジスタ116、118、120、122およびYゲートトランジスタ117、119、121、123がONして、座標(n,m)に配置された赤外線センサの端子64が第1の出力125とつながる。したがって、座標の入力を変えることで、出力したい赤外線センサにランダムアクセスすることができる。
【0083】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの平面構成図で、図1(b)は図1(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図2】図2(a)は本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図2(b)は図2(a)のA−Aに沿った断面構成図である(その1)。
【図3】図3(a)は本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図3(b)は図3(a)のA−Aに沿った断面構成図である(その2)。
【図4】図4(a)は本発明の第1の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図4(b)は図4(a)のA−Aに沿った断面構成図である(その3)。
【図5】図5(a)は本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図5(b)は図5(a)のB−Bに沿った断面構成図である(その1)。
【図6】図6(a)は本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図6(b)は図6(a)のB−Bに沿った断面構成図である(その2)。
【図7】図7(a)は本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図7(b)は図7(a)のB−Bに沿った断面構成図である(その3)。
【図8】図8(a)は本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図8(b)は図8(a)のB−Bに沿った断面構成図である(その4)。
【図9】図9(a)は本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図9(b)は図9(a)のC−Cに沿った断面構成図である(その1)。
【図10】図10(a)は本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図10(b)は図10(a)のC−Cに沿った断面構成図である(その2)。
【図11】図11(a)は本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図11(b)は図11(a)のC−Cに沿った断面構成図である(その3)。
【図12】図12(a)は本発明の第2の実施の形態に係わる赤外線センサの平面構成図で、図12(b)は図12(a)のD−Dに沿った断面構成図である。
【図13】図13(a)は本発明の第2の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図13(b)は図13(a)のD−Dに沿った断面構成図である(その1)。
【図14】図14(a)は本発明の第2の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図14(b)は図14(a)のD−Dに沿った断面構成図である(その2)。
【図15】図15(a)は本発明の第2の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図15(b)は図15(a)のD−Dに沿った断面構成図である(その3)。
【図16】図16(a)は本発明の第2の実施の形態に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図16(b)は図16(a)のD−Dに沿った断面構成図である(その4)。
【図17】図17(a)は本発明の第3の実施の形態に係わる流量センサの平面構成図で、図17(b)は図17(a)のE−Eに沿った断面構成図である。
【図18】図18(a)は本発明の第3の実施の形態に係わる流量センサの製造工程を示す平面構成図で、図18(b)は図18(a)のE−Eに沿った断面構成図である(その1)。
【図19】図19(a)は本発明の第3の実施の形態に係わる流量センサの製造工程を示す平面構成図で、図19(b)は図19(a)のE−Eに沿った断面構成図である(その2)。
【図20】図20(a)は本発明の第3の実施の形態に係わる流量センサの製造工程を示す平面構成図で、図20(b)は図20(a)のE−Eに沿った断面構成図である(その3)。
【図21】本発明の他の実施の形態に係わるアレイ化された赤外線センサとスイッチ回路を示す回路図である。
【図22】図22(a)は従来技術に係わる赤外線センサの平面構成図で、図22(b)は図22(a)のF−Fに沿った断面構成図である。
【図23】図23(a)は従来技術に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図23(b)は図23(a)のF−Fに沿った断面構成図である(その1)。
【図24】図24(a)は従来技術に係わる赤外線センサの製造工程を示す平面構成図で、図24(b)は図24(a)のF−Fに沿った断面構成図である(その2)。
【符号の説明】
7、130 基板
9、10 受光部
13 接続部
22〜24 空洞領域
28、30 受光部
35〜38 接続部
41、42、101、102、141、142 異方性エッチング孔
43、93,110 薄膜支持部
45、98、111 分離溝
47、132 p型ポリシリコン抵抗配線
48、133 n型ポリシリコン抵抗配線
49、134 アルミ配線
51、148 温接点
52、149 冷接点
53、143 支持絶縁膜
54、144 層間絶縁膜
55、145 保護膜
56〜58 赤外線吸収膜
60 ボロメータ材料膜
61、62、146、147 赤外線吸収膜
63、64 端子
65、150 結晶面
72、75 多結晶シリコン膜
73 裏面エッチング防止膜
90 異方性エッチング孔
91、92 チタン配線
94,95 発熱体部
96,97 測温抵抗体部
98,99 測温抵抗配線
100 発熱体配線
112 第1の赤外線センサ
113 第2の赤外線センサ
114 第3の赤外線センサ
115 第4の赤外線センサ
116、118、120、122 Xゲートトランジスタ
117、119、121、123 Yゲートトランジスタ
124 第2の出力
125 第1の出力
126 X1 座標入力
127 X2 座標入力
128 Y1 座標入力
129 Y2 座標入力

Claims (7)

  1. 半導体基板の上に支持絶縁膜を形成する工程と、
    該支持絶縁膜の上に、第1のエッチングでは該支持絶縁膜よりエッチング速度が速く、第2のエッチングでは該支持絶縁膜よりエッチング速度が遅い保護膜を形成する工程と、
    該保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記支持絶縁膜をエッチングストッパーとして利用し、前記第1のエッチングで前記保護膜の一部を除去して前記支持絶縁膜の一部を露出し、前記保護膜中に窓部を形成し、該窓部の底部に前記支持絶縁膜からなる薄膜支持部を形成する工程と、
    該薄膜支持部を形成後、前記支持絶縁膜の下部の前記半導体基板の一部を第3のエッチングで除去し、前記薄膜支持部の下部を含むように前記支持絶縁膜の下部の一部を露出して空洞領域を形成する工程と、
    前記支持絶縁膜の下部の一部を露出後、前記保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記窓部の底部に露出した前記薄膜支持部を前記保護膜をマスクとして、前記第2のエッチングとしてのドライエッチングで、フォトレジストを用いずに自己整合的に除去して、前記支持絶縁膜の上面から前記空洞領域に達する分離溝を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするセンサの製造方法。
  2. 半導体基板の上に支持絶縁膜を形成する工程と、
    該支持絶縁膜の上に、第1のエッチングでは該支持絶縁膜よりエッチング速度が速く、第2のエッチングでは該支持絶縁膜よりエッチング速度が遅い保護膜を形成する工程と、
    該保護膜を形成後、前記支持絶縁膜の下部の前記半導体基板の一部を第3のエッチングで除去し、前記支持絶縁膜の下部の一部を露出して空洞領域を形成する工程と、
    前記支持絶縁膜の下部の一部を露出後、前記保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記支持絶縁膜をエッチングストッパーとして利用し、前記第1のエッチングで前記空洞領域の上方に位置する前記保護膜の一部を除去して前記支持絶縁膜の一部を露出し、前記保護膜中に窓部を形成し、該窓部の底部に前記支持絶縁膜からなる薄膜支持部を形成する工程と、
    前記保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記窓部の底部に露出した前記薄膜支持部を前記保護膜をマスクとして、前記第2のエッチングとしてのドライエッチングで自己整合的に除去して、フォトレジストを用いずに前記支持絶縁膜の上面から前記空洞領域に達する分離溝を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするセンサの製造方法。
  3. 前記保護膜を形成する工程の前に、
    前記支持絶縁膜の上に温度検出素子を形成する工程と、
    該温度検出素子の上を含めて前記支持絶縁膜の上に層間絶縁膜を形成する工程とをさらに有し、
    前記保護膜形成後に、前記保護膜の上に赤外線吸収膜を形成する工程と、
    をさらに有する請求項1又は2に記載のセンサの製造方法。
  4. 前記保護膜を形成する工程の前に、
    力学量測定部を前記支持絶縁膜上に形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサの製造方法。
  5. 半導体基板の上に支持絶縁膜を形成する工程と、
    該支持絶縁膜の下部の前記半導体基板の一部を第3のエッチングで除去し、前記支持絶縁膜の下部の一部を露出して空洞領域を形成する工程と、
    前記支持絶縁膜の下部の一部を露出後、前記支持絶縁膜の上に、第1のエッチングでは前記支持絶縁膜よりエッチング速度が速く、第2のエッチングでは前記支持絶縁膜よりエッチング速度が遅い保護膜を形成する工程と、
    該保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記支持絶縁膜をエッチングストッパーとして利用し、前記第1のエッチングで前記空洞領域の上方に位置する前記保護膜の一部を除去して前記支持絶縁膜の一部を露出し、前記保護膜中に窓部を形成し、該窓部の底部に前記支持絶縁膜からなる薄膜支持部を形成する工程と、
    前記保護膜と前記支持絶縁膜とのエッチングの選択比を利用して、前記窓部の底部に露出した前記薄膜支持部を前記保護膜をマスクとして、前記第2のエッチングとしてのドライエッチングでフォトレジストを用いずに自己整合的に除去して、前記支持絶縁膜の上面から前記空洞領域に達する分離溝を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするセンサの製造方法。
  6. 前記支持絶縁膜は窒化珪素膜であり、前記保護膜は酸化珪素膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセンサの製造方法。
  7. 前記支持絶縁膜の一部に前記半導体基板をエッチングするための異方性エッチング孔を開孔後、前記保護膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサの製造方法。
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