JP4032484B2 - 袋結束機の結束具圧着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、食品等の包装用樹脂袋を結束する袋結束機の結束具圧着装置に関するものであり、特に、動作の安定性を向上させた袋結束機の結束具圧着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、青果物やパン等の商品を収納した樹脂製袋の開口部を迅速確実に結束するために、本願出願人は樹脂板の結束具を袋の収束部へ自動的に締着する袋結束機(特願平8−267542号)を提案している。上記の袋結束機は結束具の送りから締着までの1サイクルを自動的に行うように構成され、フレームの一側面から中央部へ向けて形成した袋挿入用の案内溝へ袋の結束部位を挿入すると、トリガスイッチによりモータが起動する。そして、モータがギヤ及びカム機構を介して結束具キャリヤを待機位置から前方へ駆動し、門形の結束具を袋の収束部位に外嵌した後に結束具の両脚部を交差させ、交差部位を結束具圧着装置により圧着する。
【0003】
結束具圧着装置(以下、単に圧着装置という)は、下からベースプレートとリリースプレートとダイプレートとプレスプレートを順次重ね合わせてカム機構により開閉し、送り装置によりダイプレートとリリースプレートとの間に挿入された結束具の脚部をダイプレートとベースプレートが挟圧し、ベースプレートのパンチとダイプレートの穴とによって脚部にダボを絞り成形する。そして、上方のプレスプレートが下降してかしめピンによりダボをかしめて両脚部を圧着する。圧着後は各プレートが開き、結束具の下のリリースプレートが結束具を押し上げてパンチから抜取り、1サイクルの圧着動作を終了する。
【0004】
このように、リリースプレートとダイプレートとプレスプレートは、下降の後に上昇してそれぞれの待機位置に戻るのであるが、結束具がパンチから完全に引抜かれるようにリリースプレートの上昇ストロークを大きくすると、リリースプレートの待機位置が高くなり、その上方のダイプレートとの間隔が狭くなる。したがって、結束具が圧着装置へ送られる際に、脚部の先端がリリースプレートの端面に衝突して挿入できない事故が起こることがある。
【0005】
一方、結束具の挿入を確実にするためにリリースプレートの待機位置を下げると、リリースプレートの上昇ストロークが短くなり、結束具をパンチから完全に抜くことができないという不都合が生じる。
【0006】
そこで、圧着装置への結束具の導入並びに抜取りの安定性を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、合成樹脂製の門形平板である連結形結束具を袋の収束部位へ外嵌し、前記結束具の両脚部を閉鎖方向へ押圧して交差させ、パンチとダイにより両脚部の交差部位にダボを成形し、かしめピンによりダボをかしめて圧着する袋結束機における結束具圧着装置であって、
パンチを立設したベースプレート上に、リリースプレートとダイプレートとプレスプレートの3枚のプレートを重ねて上下回動自在に枢着し、下位のリリースプレートと中間のダイプレートとに前記パンチと対応する穴を設け、上位のプレスプレートにはダイプレートの穴に対応するかしめピンを下方へ向けて突設し、前後に往復駆動されるシフタと、前記3枚のプレートに形成した従動カム面とによってプレートの上下駆動機構を形成し、
前記カム面の形状は、前記シフタの前進行程においてダイプレート及びリリースプレートを下降して、ダイプレートとリリースプレートとの間にある結束具の脚部をベースプレートのパンチに圧接してダボを成形し、続いて上方のプレスプレートを下降してかしめピンによりダボをかしめ、
前記シフタの後退行程においてダイプレートとプレスプレートを待機位置へ上昇するとともに、リリースプレートはベースプレートのパンチよりも上方へ上昇した後に、リリースプレートの穴とベースプレートのパンチとが嵌合する位置まで下降して1サイクルの圧着動作を終了するように構成した袋結束機の結束具圧着装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って説明する。図1は袋結束機1を示し、向かって右側は結束具マガジン部2となっており、ベルト状に連結された結束具のロールが収容される。結束具マガジン部2から左へ突出するテーブル部3には、前面左右中間部から奥に向かった後に左へ屈折する平面L字形の案内溝4が形成されている。テーブル部3内には案内溝4の右に結束具の送り装置5が内蔵され、左には圧着装置6が内蔵されている。
【0009】
圧着装置6の後方にはカッター装置7が配置され、テーブル部3の上面に回動自在に枢着したアーム部7aを手前側へ回動して、前部の案内溝7bをテーブル部3の案内溝4と合致させれば、結束動作と連動してアーム部7a内を前後にスライドするカッター刃(図示せず)が結束した袋の上部余剰部分をカットする。
【0010】
送り装置5と圧着装置6とカッター装置7は、減速ギヤ機構及びカム及びリンク機構を介して一台のモータ(図示せず)により駆動される。案内溝4の左側にはトリガレバー8が枢着されていて、トリガレバー8の先端部は右側に延びて案内溝4を横断しており、袋の開口部を収束して案内溝4の奥へ挿入すると、トリガレバー8が袋に押されて回動し、テーブル部3内のトリガスイッチ(図示せず)がオンしてモータが起動する。
【0011】
図2に示すように、結束具9はほぼ門形の樹脂製平板であり、左右の脚部10の内側基部には内歯ギヤ状に抜け止め爪部11が設けられている。両脚部10には、後述する送り装置5のアームのピンを係合させるための穴12が形成され、先端部位には外側面から内側前方へ向かう溝13が設けられてフック部14が形成されている。そして、多数の結束具9をベルト状に一列に連結した一体成形品をロール状に巻回したものを袋結束機1の結束具マガジン部2に装填する。
【0012】
図3は送り装置5と圧着装置6の配置を示し、同図に示すように、袋結束機1のベースに設けたキャリヤガイド15にキャリヤ16が前後スライド自在に係合し、キャリヤ16が圧着装置6に向かって前進しつつ結束具9を袋に外嵌し、袋に装着された結束具9を圧着装置6が締結する。
【0013】
送り装置5のキャリヤ16上に前後スライド自在に装着された結束具ガイド17は、上ケースと下ケースとからなり、上ケースと下ケースとの間隙は中高(断面への字形)の結束具通路となっている。結束具ガイド17の前部(図において左)は結束具9と相似形の結束具テーブル18が形成され、結束具通路を通じて前方へ供給される結束具9が結束具テーブル18上に露出する。
【0014】
結束具テーブル18の後方には左右一対のC形結束アーム19が同軸に枢着され、結束アーム19の後方の前後スライド自在なアームシフタ20と結束アーム19とがリンク21によって連結されている。結束アーム19の先端部には垂直方向のピン22が突設され、ピン22は図2に示した結束具9の両側の穴12に係合する。また、アームシフタ20に設けた溝20aには結束具ガイド17に固定したピン17aが係合している。
【0015】
キャリヤ16の下方には大径の主ギヤ23が配置され、主ギヤ23の外縁近傍に設けたクランクローラ24がキャリヤ16の後部に形成したカム溝16aに係合し、主ギヤ23は複数段の減速ギヤ(図示せず)を介してモータに結合されている。
【0016】
図示は省略するが、キャリヤ16と結束具ガイド17とには揺動する爪を利用した公知の送り爪機構(図示せず)が介装され、結束具ガイド17に枢着した送り爪がキャリヤ16に係合し、結束具ガイド17はキャリヤ16に押されてキャリヤ16とともに前進する。そして、一定距離進んだときに結束具ガイド17がストッパに当接して停止するとともに送り爪がキャリヤ16から離脱し、キャリヤ16並びにアームシフタ20が更に前進し、左右一対の結束アーム19がアームシフタ20に押されて閉鎖方向へ回動する。
【0017】
主ギヤ23の軸には、切欠き25aを設けた円板25を嵌着し、フレーム(図示せず)に固定したフォトインタラプタ26の発光部と受光部とが円板25の外縁部を挟んで上下で対向している。フォトインタラプタ26はモータ制御部(図示せず)に接続され、モータ制御部がフォトインタラプタ26の出力に基づいてキャリヤ16の停止位置を制御する。
【0018】
圧着装置6は、圧着装置フレーム6aの下部にベースプレート27を固定し、その上方に架設した固定軸6bに下位のリリースプレート28と中間のダイプレート29と上位のプレスプレート30を枢着している。4枚のプレート27,28,29,30の先端部は平面ほぼ山形に形成され、図4(a)に示すように、ベースプレート27の先端部には上方へ向けてパンチ27aが突設されている。ダイプレート29はパンチ27aに対応した穴29aを有し、リリースプレート28の先端にはパンチ27aと干渉しないように溝28aを成形し、プレスプレート30の先端部には下方へ向けてかしめピン30aが設けられている。
【0019】
プレスプレート30の上方のシフタ31は、左右(図4において紙面の前後)の側板に前後方向の長穴31aを設け、長穴31aの前後にシフタ軸32,33が架設されている。圧着装置フレーム(図4においては図示せず)には、固定軸6bの前後に前後方向のガイド溝が形成され、固定軸6bがシフタ31の長穴31aを貫通し、シフタ31の前後のシフト軸32,33はそれぞれ圧着装置フレームのガイド溝に係合していて、シフタ31は前後スライド自在となっている。シフタ31は、レバー及びリンク(図示せず)を介して駆動機構のクランク機構に連結され、前進と後退の1サイクル動作を行う。
【0020】
リリースプレート28とダイプレート29とプレスプレート30の3枚のプレートの左右側板の上縁部は、各プレートを昇降させるためのカム面が成形されていて、シフタ31のシフタ軸32,33がカム面を摺動することにより、それぞれカム面の形状に応じた昇降動作を行う。
【0021】
プレスプレート30のカム面は、水平面とその前部の上昇傾斜面30bによって構成され、ダイプレート29のカム面は、水平面とその前後の上昇傾斜面29b,29cとからなる谷形となっている。リリースプレート28のカム面は、水平面の後部に山形傾斜面28bが形成されている。
【0022】
次に、袋結束機1の動作を説明する。青果物等を投入した樹脂袋の上端開口部を手で束ねつつ図1に示す案内溝4へ挿入すると、トリガレバー8が袋に押されて回動し、トリガレバー8がテーブル部3内のトリガスイッチをオンしてモータが起動する。
【0023】
モータによって主ギヤ23が回転すると、図3に示すクランクローラ24に押されてキャリヤ16並びに結束具ガイド17が前方に移動する。連結形結束具9の先頭の結束具は、結束アーム19のピン22に係合しているので、結束具ガイド17とともに前進して袋の収束部位に外嵌される。なお、このとき、図示は省略するが、従来形の袋結束機と同様に結束具ガイド17の上面に装着したカッターが先頭の結束具と次列の結束具との連結部を切断する。
【0024】
そして、圧着装置6のプレート前部が結束具9の両脚部間に入り込んだ位置で、結束具ガイド17の送り爪がキャリヤ16から外れて結束具ガイド17は停止し、キャリヤ16並びにアームシフタ20は更に前進する。これにより、結束具ガイド17に枢着されている左右一対の結束アーム19が閉鎖方向へ回動して先頭の結束具9の両脚部を交差させ、図5に示すように、結束具9は漏斗状に弾性変形する。このとき、図4(a)に示すように、結束具9の両脚部は圧着装置6のダイプレート29とリリースプレート28との間にある。
【0025】
そして、シフタ31が前進を開始すると、図4(b)に示すように、後部シフタ軸33がリリースプレート28の後部の山形傾斜面28bに乗り上げてリリースプレート28の前部が上昇し、リリースプレート28とダイプレート29とによって結束具9を挟む。
【0026】
続いて、図5(c)に示すように、前部シフタ軸32がダイプレートとプレスプレートの前部傾斜面29b,30bに乗り上げて3枚のプレートの前部が下降し、先ずダイプレート29が結束具9をベースプレート27のパンチ27aに圧接してパンチ27aと穴29aとにより結束具9にダボを成形する。
【0027】
次に、ダイプレート29よりもやや遅れて下降するプレスプレート30が、図5(d)に示すように、かしめピン30aを結束具9のダボに圧接してダボをかしめる。図9(a)はパンチ27aと穴29aにより成形されたダボDの形状を示し、同図(b)はかしめピン30aによりダボDにかしめ加工Cを行った形状を示す。
【0028】
続いて、シフタ31が後退行程に入り、図6(e)及び(f)に示すように、後部シフト軸33がダイプレート29の後部の斜面29cとリリースプレート28の山形傾斜面28bに乗り上げて3枚のプレート28,29,30の前部を上昇させる。このとき、リリースプレート28の前部はベースプレート27のパンチ27aよりも高く上昇して結束具9の脚部をパンチ27aから抜取る。そして、図7(g)に示すように、後部シフト軸33がリリースプレート28の山形傾斜面28bを乗り越えて、リリースプレート28の前部が下降し、ベースプレート27のパンチ27aと係合する待機位置に戻り、ダイプレート29とリリースプレート28とが離れ、作業者が袋(図示せず)を下に引くことにより、袋とともに結束具9が袋結束機1のテーブル部3の下方へ引抜かれる。図10は袋Bへ結束具9が締着された状態を示している。
【0029】
送り装置は、図5(d)のかしめ行程後に復帰行程に入り、キャリア16が一定距離後退した後に、結束具ガイド17のガイド送り爪がキャリア15に係合して結束具ガイド17がキャリア16と一体に後退し、円板25とフォトインタラプタ26とにより待機位置に達したことを検出されて図3に示す待機位置で停止する。
【0030】
尚、本発明は上記一実施例に限定するものではなく、本発明の技術的範囲内において種々の改変ができ、本発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の袋結束機の結束具圧着装置は、圧着した結束具をパンチから引抜くためのリリースプレートが、引抜き行程において一旦パンチよりも高く上昇するので、結束具がパンチから完全に引抜かれる。そして、その後にパンチの高さ迄下降して停止し、待機位置におけるリリースプレートとダイプレートとの間隔を十分広くとるように構成したので、結束具をリリースプレートとダイプレートとの間へ確実に導入でき、結束具の導入並びに抜取りの安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、袋結束機の斜視図。
【図2】結束具の正面図。
【図3】袋結束機の送り装置と圧着装置を示す平面図である。
【図4】(a)(b)は圧着行程を示す解説図である。
【図5】(c)(d)は、図4に続く圧着行程を示す解説図である。
【図6】(e)(f)は、図5に続く圧着行程を示す解説図である。
【図7】(g)は、図6に続く圧着行程を示す解説図である。
【図8】送り装置による結束具の撓み形状を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図9】(a)は絞り工程で成形されたダボの形状を示す断面図であり、(b)は(a)の次のかしめ工程でダボをかしめた形状を示す断面図である。
【図10】袋の結束状態を示す正面図。
【符号の説明】
1 袋結束機
2 結束具マガジン部
3 テーブル部
4 案内溝
5 送り装置
6 圧着装置
7 カッター装置
8 トリガレバー
9 結束具
10 脚部
11 爪部
12 穴
14 フック部
16 キャリヤ
17 結束具ガイド
18 結束具テーブル
19 結束アーム
20 アームシフタ
21 リンク
22 ピン
23 主ギヤ
27 ベースプレート
27a パンチ
28 リリースプレート
28b 山形傾斜面
29 ダイプレート
29a 穴
29b,29c 傾斜面
30 プレスプレート
30a かしめピン
30b 傾斜面
31 シフタ
32,33 シフト軸
Claims (1)
- 合成樹脂製の門形平板である結束具を袋の収束部位へ外嵌し、前記結束具の両脚部を閉鎖方向へ押圧して交差させ、パンチとダイにより両脚部の交差部位にダボを成形し、かしめピンによりダボをかしめて圧着する袋結束機における結束具圧着装置であって、
パンチを立設したベースプレート上に、リリースプレートとダイプレートとプレスプレートの3枚のプレートを重ねて上下回動自在に枢着し、下位のリリースプレートと中間のダイプレートとに前記パンチと対応する穴を設け、上位のプレスプレートにはダイプレートの穴に対応するかしめピンを下方へ向けて突設し、前後に往復駆動されるシフタと、前記3枚のプレートに形成した従動カム面とによってプレートの上下駆動機構を形成し、
前記カム面の形状は、前記シフタの前進行程においてダイプレート及びリリースプレートを下降して、ダイプレートとリリースプレートとの間にある結束具の脚部をベースプレートのパンチに圧接してダボを成形し、続いて上方のプレスプレートを下降してかしめピンによりダボをかしめ、
前記シフタの後退行程においてダイプレートとプレスプレートを待機位置へ上昇するとともに、リリースプレートはベースプレートのパンチよりも上方へ上昇した後に、リリースプレートの穴とベースプレートのパンチとが嵌合する位置まで下降して1サイクルの圧着動作を終了するように構成した袋結束機の結束具圧着装置。
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---|---|---|---|
JP04824698A JP4032484B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 袋結束機の結束具圧着装置 |
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JP04824698A JP4032484B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 袋結束機の結束具圧着装置 |
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JPH11240511A JPH11240511A (ja) | 1999-09-07 |
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CN110104267B (zh) * | 2019-05-30 | 2021-02-09 | 西安微电子技术研究所 | 一种单次按压式套袋器 |
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- 1998-02-27 JP JP04824698A patent/JP4032484B2/ja not_active Expired - Fee Related
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