JP4031199B2 - ヒト気道トリプシン様酵素遺伝子多型による疾病体質解析 - Google Patents
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Description
本発明はヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析により特定の疾患が発症しやすい体質や該疾患患者の治療方法に対する効果の予測、あるいは治療の予後を予測する方法に関する。
背景技術
近年、単一の遺伝子の欠損や変異による遺伝子疾患だけでなく、いくつかの遺伝子素因と環境要因とが絡み合って引き起こされる多因子疾患においても、関係する遺伝子の研究が進められてきた。その結果、それら多因子疾患に関わる遺伝子の欠損や点変異、およびアイソフォーム、さらには、実際に翻訳されるアミノ酸配列に影響しない遺伝子部分(イントロン、プロモーター)の変異が疾患のリスクファクターとして考えられるようになってきた。
従来技術としては、骨疾患分野においては骨密度とビタミンDレセプターのイントロンの遺伝子多型との相関が認められることが発表されている(Morrison,N.A.et al.,Nature,367:284−287,1994)。循環器分野においてはアシジオテンシン変換酵素のI型(挿入型)とD型(欠損型)の遺伝子多型が心筋梗塞の発症(Cambiem.F.et al.,Nature,359:641−644,1992)に関係するという報告やアンジオテンシノーゲンのM235Tのアミノ酸置換とG−6Aのプロモーター領域の多型が本態性高血圧発症と関連しているという報告(Inoue,I.et al.,J.Clin.Invest.,99:1786−1797,1997)がなされている。また、神経系の分野では、痴呆の発症とapoE蛋白のアイソフォームとの関連性が報告されている。さらに、癌関連では、グルタチオンSトランスフェラーゼの遺伝多型と癌の発症の関連性について多くの研究がなされている。呼吸器疾患分野としては喘息の発症や病態と、TNF(Moffatt,M.F.et al.,Hum.Mol.Genet.6(4):551−554,1997)やアンジオテンシン変換酵素(Benessiano,J.et al.,J.Allergy Clin.Immunol.99(1):53−57、1997)の遺伝子多型の関連性が報告されている。
また、疾患治療に用いられる薬剤の感受性が患者によって異なる原因の一つとして遺伝的な背景が注目されており、遺伝子多型診断により個々人の薬剤感受性に応じた治療方法が選択されるという方向性が医療現場からも望まれている。また、臨床治験において薬剤の効果の期待される患者群を遺伝子多型により選定して薬剤開発を行うのは有効であると考えられる(Kleyn K.W.et al.:Science,281: 1820−1821,1998)。薬剤感受性と遺伝子多型に関する従来の報告としては、アンジオテンシン変換酵素(ACE(Angiotensin Converting Enzyme))のイントロンの遺伝子多型とACE阻害剤の効果に関する報告(Yoshida,H.et al.,J.Clin.Invest.96:2162−2169,1995)やbeta2−adrenergic receptorの遺伝子多型とasthmaに対するbeta−agonistの効果に関するもの(Liggett,S.B.,Am.J.Respir.Crit.Care Med,156(4 Pt 2):S156−162,1997)などが挙げられる。
一方、本発明に関わるヒト気道トリプシン様酵素は、慢性気道疾患患者の喀痰中より精製され(特開平7−067640号公報およびYasuoka S.et al.,Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.,16:300−308,1997)、そのアミノ酸配列およびcDNA配列がすでに明らかとなっている(特開平8−89246号公報およびYamaoka K.et al.J.Biol.Chem.,273(19):11895−11901,1998)。この酵素のもつ活性についてはin vitroにおいていくつか検討がなされている。粘液繊毛運動に対する関与をはじめ、ヒト気管支上皮細胞株からのIL−8、GM−CSFなどのサイトカインの産生増強作用(寺尾紀子ら、1998年度日本呼吸器学会)を有することから気道炎症の病態への関与の可能性が考えられる。また、fibrinogenの分解活性およびplasminogen activator(pro−urokinase)活性化作用などの酵素活性(吉永純子ら、1998年度病態と治療におけるプロテアーゼとインヒビター研究会(Conference on Proteases and Inhibitors in Pathophysiology and Therapeutics))を有していることから気道粘膜面におけるfibrin形成を介して抗炎症的に作用したり、慢性気道疾患ではその病態を修飾している可能性が想定され、さらに癌転移などに関与している可能性も考えられている。しかし、この酵素の生体内での生理的な機能や病態における関与についてはまだ充分に解明されておらず、遺伝子に関しても実際に翻訳されるアミノ酸配列に該当しない遺伝子部分(イントロン、プロモーター)については全く知られていなかった。さらに、このヒト気道トリプシン様酵素についての遺伝子多型の有無や遺伝子多型と疾患との関連性についてはこれまで調べられたことはない。
ところで、遺伝子解析により疾病関連体質を予測することは、特定疾患の発症の予測、治療予後の予測、適切な治療法や投与薬剤の選定などに多くの情報を与えることができる。そのため、多くの医者および患者から望まれており、さらにこれらのことは発病予防、早期治療を可能とするため、多額の医療費を削減することに結びつき、将来の医療には欠かせないものとなると考えられる。
しかし、疾患と関連する遺伝子を見つけだし、その解析方法を確立することは非常に困難であり、既に述べたように、疾患との関連性が認められている遺伝子解析方法の例は少ない。従って、さまざまな疾病関連体質を予測しうる遺伝子解析手法の開発は強く望まれている。
一方、ヒト気道トリプシン様酵素が何の疾患に関連するかは現在のところまだ解明されていない。
発明の開示
そこで本発明者は、かかる従来技術の課題を鑑みて鋭意研究した結果、ヒトの気道において特異的に発現しているヒト気道トリプシン様酵素のゲノム上のイントロン部分を遺伝子増幅するためのプライマーをデザインし、増幅された遺伝子断片の両端およびエキソン/イントロン境界部分のDNA配列を新規に決定し、増幅された遺伝子断片および新規に決定したDNA配列に遺伝子多型があることを見出した。さらに、その遺伝子多型解析によって、個々人のヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子型と疾患との関わりをはじめて見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析により、個々人の特定の疾患が発症しやすい体質、または患者に対する治療の効果、または治療の予後、を予測する方法を提供する。
また、本発明はヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析により粘液繊毛生体防御系の異状の診断をする方法であって、個々人の特定の疾患が発症しやすい体質、または患者に対する治療の効果、または治療の予後を予測する方法である。
さらに、本発明はヒト気道トリプシン様酵素のイントロンの塩基配列の一部もしくはすべてを含む遺伝子断片である。
発明を実施するための最良の形態
本発明によれば、個々人の体質と特定の疾病との関連を予測する方法、およびその遺伝子解析に用いる遺伝子断片あるいはDNA配列を提供する。
本発明の方法により発症しやすい体質が判別される特定の疾患、あるいはその治療の効果判定や治療の予後が予測される特定の疾患としては、呼吸器系の疾患、肺ガン、ことに慢性閉塞性肺疾患(COPD)に属する肺気腫(PE)、副鼻腔気管支症候群、びまん性汎細気管支炎(DPB)、気管支拡張症(BE)、または粘液繊毛生体防御系の異常が例示される。
本発明のヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析方法は、ひとつまたはそれ以上の塩基変異を検出することにより分類される遺伝子型の解析、ひとつまたはそれ以上の塩基変異を検出することにより分類されるハプロタイプの解析が例示される。
気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析方法は、例えば制限酵素切断による制限酵素切断断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism:RFLP)による解析方法によりなされる。本発明における遺伝子多型解析方法はヒト気道トリプシン様酵素のcDNA配列を用いてサザンハイブリダイゼーションによって検出できる遺伝子多型解析方法も含んでいる。つまり、本発明で開示されている遺伝子多型を検出しうる制限酵素でゲノムDNAを切断した後、ゲル電気泳動を行い、ニトロセルロース膜などに転写した後、ヒト気道トリプシン様酵素cDNAをプローブとしてヒト気道トリプシン様酵素ゲノムの切断されたパターンをサザンハイブリダイゼーションにより解析するという方法である。また、遺伝子多型部位を含むようにDNA断片をPCRで増幅し、その後一本鎖にして電気泳動の移動度の違いにより解析する方法(PCR−SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)法)などでも解析可能である。多型部位を検出できる方法として他にもミスマッチPCR法、アリル特異的なオリゴヌクレオチドを用いるPCR−ASO(Allele Specific Oligo)法、オリゴプローブをもちいてアニーリングを行い判定する方法、直接遺伝子多型部位の塩基配列を決定するピンポイントシーケンシング法など多数挙げられ、DNAチップなどを用いた遺伝子診断にも応用できる。
遺伝子多型解析の部位としては、イントロンでもよく、具体的遺伝子多型解析の部位としては、次の遺伝子断片が例示される。
(a)配列番号7と配列番号8に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(b)配列番号9と配列番号10に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(c)配列番号11と配列番号12に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(d)配列番号13と配列番号14に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(e)配列番号15と配列番号16に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(f)配列番号11と配列番号12に示されたプライマーを用いて増幅されうる、イントロンCを含む遺伝子断片
(g)配列番号7と配列番号8に示されたプライマーを用いて増幅されうる、イントロンAを含む遺伝子断片
ここで、遺伝子多型解析の部位としては、イントロンCにおいては制限酵素BstUI、MboI、MseI、またはFbaIによって認識される配列部分を含む遺伝予断片、イントロンAにおいては制限酵素MboI、TaqI、またはAfaIによって認識される配列部分を含む部分、配列番号17に示される遺伝子多型部位の1つあるいはそれ以上の組合せが例示される。これらの部位の解析により、遺伝子型もしくはハプロタイプ分類が判定される。
さらに、本発明はヒト気道トリプシン様酵素のイントロンの塩基配列の一部もしくはすべてを含む遺伝子断片であるが、特に次の遺伝子断片が例示される。
(a)配列番号7と配列番号8に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(b)配列番号9と配列番号10に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝予断片
(c)配列番号11と配列番号12に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝予断片
(d)配列番号13と配列番号14に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(e)配列番号15と配列番号16に示されたプライマーを用いて増幅されうるイントロン領域を含む遺伝子断片
(f)配列番号1ないし配列番号6のいずれかに示された塩基配列からなるヒト気道トリプシン様酵素のイントロンの遺伝子断片、またはそれらの塩基配列によって挟まれたイントロン領域を含む遺伝子断片。
(g)配列番号17に示された塩基配列からなるヒト気道トリプシン様酵素イントロンCの遺伝子断片
実施例
以下、実施例によって詳細に説明するが、本ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析による疾患関連体質予測法は、これに限定されるものではない。
【標準的操作法】
以下、本発明において用いることができる標準的なDNA抽出操作、遺伝子増幅操作、制限酵素切断操作および電気泳動操作について説明する。
(a)標準的なDNA抽出操作
本発明の遺伝子増幅に用いる生体試料には特に限定はないが、血球成分が検体を採取しやすく、また、DNAを抽出しやすいので好適である。
1.全血0.5ml(2Na−EDTA抗凝固剤使用)を1.5ml容のマイクロ遠心管に入れる。
2.溶解液を0.5ml加えて、チューブを数回軽く、逆さにして液を混ぜる。
(下記の混合操作はこれに従う)
溶解液例:1×SSC
これは1リットル中にNaCl 175.3g、クエン酸ナトリウム
88.2gを含む10N NaOHでpH7.0に調整した20×SSCを10倍に希釈したものである。
3.遠心(10,000g、20秒、4℃)した後、黒っぽいペレットが流出しないように上清を除く。
4.溶解液を1ml加えて攪拌する。
5.遠心(10,000g、20秒、4℃)した後、上清を除く。
6.ステップ4〜5をさらにもう1回繰り返す。
7.酵素反応液200μlとタンパク分解酵素10μlを加えて混合する。
酵素反応液例:0.04M DTT(ジチオスレイトール)、
0.2M NaOAc(酢酸ナトリウム)および0.4%SDSの混合液タンパク分解酵素液例:10mg/mlプロティナーゼ(Proteinase K)
8.37℃で1時間保温する。(途中2〜3回軽く振り混ぜる)
9.ヨウ化ナトリウム溶液を300μl加えて混合する。
10.イソプロピルアルコールを0.5ml加えて、白い線状のDNAが完全に見えてくるまで、混合する。
11.遠心(10,000g、10分、室温)した後、上清をゆっくり除く。容器を濾紙の上に逆さに置く等の方法で、器壁に残った溶液を十分に除く。
12.洗浄液(A)を1ml加えて混合する。沈殿が器壁から剥がれる程度に十分混合する。
洗浄液(A)例:70%EtOH
13.遠心(10,000g、5分、室温)した後上清を除く。
14.洗浄液(B)を1ml加えて混合する。沈殿が器壁から剥がれる程度に十分混合する。
洗浄液(B)例:80%EtOH
15.遠心(10,000g、5分、室温)した後上清を除く。
16.DNA沈殿を軽く減圧乾燥する。(乾燥しすぎると、DNAが溶けにくいので、乾燥時間は3分以内にする。)
(b)標準的な遺伝子増幅操作
遺伝子増幅法については、いくつかの原理が知られているが、ここではポリメレース・チェイン・リアクション法(PCR法)を標準的なものとして記載する。
反応液組成:50mM KCl、10mM Tris−HCl(pH 9.0、25℃)、0.1% TritonX−100、1.5mM MgC12、2mM dNTPs、15μMフォワードプライマー(Forward Primer)、15μMリバースプライマー(Riverse Primer)、1mg/リットル ゲノムDNA、1ユニットTaqDNAポリメラーゼ、全容積50μl
反応サイクル:94℃、1分;64℃、1分;72℃、1分を1サイクルとし、40サイクル実施。
用いるプライマーは、下記C1(35塩基)とC2(35塩基)を用いる。
C1:5’−GGAGC CATCT TGTCT GGAAT GCTGT GTGCT GGAGT−3’
C2:5’−CACAA TAAAC CAAAG CCGCC GTGAG TCTTC TTGTA−3’
(c)標準的な制限酵素切断操作
MboI用反応液組成:10mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、100mM NaCl、10mM KCl、
1mM DTT、100μg/ml BSA(ウシ血清アルブミン)
Mbolを10ユニット/20μl反応液の濃度で加え、37℃、3時間インキュベートする。
(d)標準的な電気泳動操作
電気泳動用緩衝液は、0.5×TBEである。但し、5×TBEは1リットル中Trisベース54g、ホウ酸27.5gおよびEDTA 1mMを含有し、pH8.0に調整してある。上記緩衝液を用いて、1%もしくは3%アガロースゲル[Seakem GTA Agarose(FMC Bio Products)使用](0.5μg/mlのエチジウムブロマイド含有)を使用して、電圧100Vで30分間泳動する。その後UVランプでDNAのバンドを観察する。
[実施例1] ヒト気道トリプシン様酵素ゲノム上のイントロンを含むDNA断片の遺伝子増幅による取得およびその塩基配列の解析
成熟ヒト気道トリプシン様酵素のゲノム上のイントロン部位を探索するため、いくつかのトリプターゼ類縁酵素のゲノムのエキソン、イントロンの構成を参考にしてプライマーを作成し、ヒトゲノムDNAを増幅したところ、プライマーA1(配列番号7)とA2(配列番号8)によって約6KbのDNAフラグメント(遺伝子断片)、プライマーB1(配列番号9)とB2(配列番号10)によって約1.5Kb、プライマーC1(配列番号11)とC2(配列番号12)によって約3.4KbのDNAフラグメントが増幅された(図1)。
これらのDNAフラグメントをゲルから切り出して精製し、TAクローニングベクター(インビトロジェン社製)にそれぞれのフラグメントを挿入した。そのいくつかのクローンについてインサートDNAの両サイド(5’末端、3’末端)の塩基配列を決定したところ、プライマーの配列に続いてヒト気道トリプシン様酵素のcDNAの配列が存在し、それに続き5’末端、3’末端共に、両サイドにエキソン−イントロンの境界領域における共通配列が認められ、増幅したDNA断片がヒト気道トリプシン様酵素のイントロン領域を含んだDNA断片であることが判明した。
本発明で明らかになったヒト気道トリプシン様酵素の成熟タンパクをコードする遺伝子領域のイントロンの配列は、5’側からそれぞれイントロンA、イントロンBおよびイントロンCと呼ぶこととする(図3)。明らかになったそれぞれのイントロンの5’末端、3’末端の塩基配列は、配列番号1、2、3、4、5、6で示されるとおりである。さらに、イントロンCに関しては、全塩基配列を配列番号17に示す。
一方、ヒト気道トリプシン様酵素のプロペプチドをコードする領域に関しては、いくつかのプライマーを作成し、遺伝子増幅を行ったところ、プライマーD1(配列番号13)とD2(配列番号14)によって約5.5KbのDNAフラグメント、プライマーE1(配列番号15)とE2(配列番号16)によって約5KbのDNAフラグメントが増幅されることが明らかになった(図2)。これらの遺伝子断片にはイントロンが含まれていると考えられる。
[実施例2] ヒト気道トリプシン様酵素のイントロンにおける遺伝子多型の解析
イントロンA、B、Cにおいて遺伝子多型が存在するか否かを調べるために、健常人23名のゲノムDNAを全血より抽出し(標準操作法)、これをそれぞれイントロンA増幅用プライマーA1、A2、イントロンB増幅用プライマーB1、B2、イントロンC増幅用プライマーC1、C2にてPCR増幅し、各種制限酵素による切断パターンを比較した。その結果、イントロンAにおいては、制限酵素MboI、TaqI、AfaIによって遺伝子多型が観察されることを見出した。
逆に、制限酵素Tsp509I、AluI、NlaIII、MspI、BstUI、BfaI、HinPI、HaeIII、HindIII、SspI、PstI、EcoRI、SalI、EcoRVによっては遺伝子多型は観察されなかった。
イントロンBにおいては、制限酵素Tsp509I、AluI、NlaIII、MspI、BstUI、BfaI、HinPI、HaeIII、MboI、AfaI、TaqI、MseI、ClaI、NsiI、EcoT14I、NdeI、PmlI、ApaLI、AatII、ApaI、KpnI、BsmI、HindIII、SspI、EcoRVによって遺伝子多型は観察されなかった。
イントロンCにおいては制限酵素MboI、BstUI、MseI、FbaIによって遺伝子多型が観察されることを見出した。逆に、制限酵素AluI、NlaIII、MspI、BfaI、HinPI、HaeIII、AfaI、TaqI、HindIII、SspI、BglII、EcoT14I、PvuII、PvuI、EcoRI、BamHI、EcoRV、KpnIによっては遺伝子多型は観察されなかった。
C1−C2のプライマーの組み合わせを用いて増幅したイントロンCを含むDNAフラグメントをMboIまたはBstUIにより切断した場合、MboIによる切断についての実験では、電気泳動により1.3Kbにバンドが現れる場合を遺伝子型MM、1.05Kbにバンドが現れる場合を遺伝子型mm、1.3Kbと1.05Kbのバントが2本一緒に現れる場合を遺伝子型Mmと判定でき、一方BstUIの場合、BBは3.4Kb、bbは2.45Kbと0.95Kbであり、Bbは3本一緒に現れる。
イントロンAのTaqIおよびイントロンCのMboI、BstUIによって検出される遺伝子多型の電気泳動パターンを図3に示す。さらにイントロンCについては一例のbbmm型の健常人のゲノムよりPCRにより得られたDNAフラグメントよbm型ハプロタイプの全塩基配列を決定した(配列番号17)。イントロンCの塩基配列の中で、BstUIおよびMboIによって検出される遺伝子多型部位を白抜きの矢印で示した。
BBmm型のBEの患者のゲノムを一例、塩基配列決定をしたところ、BmハプロタイプのBstUI遺伝子多型部位の塩基配列はCGCGがACCGになっているためBstUIによって切断されないことがわかった。
[実施例3] ヒト気道トリプシン様酵素のイントロン遺伝子多型解析による疾患関連体質の解析
統計学的解析に関しては、統計解析ソフトStat View4.02(Abacus Concepts社)を使用してカイ二乗検定により解析を行った。
実施例3−1遺伝子型分類による疾患関連体質の解析
実施例2に開示されている遺伝子多型のうち、イントロンCにおけるMboI、BstUIによって検出される遺伝子多型について、ヒト気道トリプシン様酵素の関連する疾患を分類することが可能か否かを検討した。対象として選んだ疾患は、呼吸器疾患のびまん性汎細気管支炎(DPB)、気管支拡張症(BE)、肺気腫(PE)、気管支喘息(BA)である。
健常人106人、びまん性汎細気管支炎(DPB)29人、気管支拡張症(BE)38人、肺気腫(PE)22人、気管支喘息(BA)32人を選び、標準的操作法に従い各人の遺伝子型を判定した。制限酵素は、MboIおよびBstUIを用いた。
各遺伝子型の出現人数および出現頻度、各allele型の出現数および出現頻度は表1および表2のとおりであった。
表1、表2より、上記遺伝子型での判定で、DPB、BE、PEにおいてBB型の出現頻度が高い傾向を示していることがわかる。すなわち、この遺伝子型をもつ個々人がDPB、BE、PEになりやすい体質であると判定しうることを示す。さらにDPB、BE、PEを慢性閉塞性疾患(COPD)という分類で呼吸器3疾患患者群としてまとめると、BB型の出現頻度が健常人と比較して統計学的に有意に高いという結果を得た(カイ二乗p値=0.04、カイ二乗値=4.2)。
実施例3−2 ハプロタイプ分類による疾患関連体質の解析
ハプロタイプの出現頻度
健常人106人、びまん性汎細気管支炎(DPB)29人、気管支拡張症(BE)38人、肺気腫(PE)22人、気管支喘息(BA)32人におけるBstUI、MboI遺伝子多型の両者の組み合わせによるハプロタイプの出現人数および出現頻度を表に示す。238人調べた結果、Bb−MM、bb−MM、bb−Mmの遺伝子型は一人も存在しなかったことから、日本人にはbMハプロタイプはほとんど存在しないということを示唆している。
以下の解析に関しては、日本人のヒト気道トリプシン様酵素遺伝子ハプロタイプがBM、Bm、bmの3種であることを前提に呼吸器疾患との関連を統計学的手法(カイ二乗法)を用いて解析を進めた。(以下のp値は、出現数が5以上の場合はカイ2乗p値、出現数が4以下のフレームを含む2×2表の場合はFisherの直接法p値を示した。)
allele分類(1)
日本人の3種のハプロタイプについて各alleleの出現頻度を調べたところ、COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)と健常人の間の出現頻度に関して、統計学的有意差をもって分布に偏りがあった(P=0.027)。特に、Bm alleleは健常人に比べてCOPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)における出現頻度が高かった。
疾患ごとにみても、BE、DPB、PEにおけるBm alleleの出現率が高かった。
逆にBAに関してはBm alleleの出現頻度が低かった。
allele分類(2)
上記よりBm alleleが疾患と関わりが強いと思われるので、特にこの型に注目してBm型のalleleの数とBm以外のalleleの数とで疾患との関連を解析した。
COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)でみると、健常人と呼吸器3疾患患者群とを比べた場合、呼吸器3疾患患者群におけるBm alleleの出現頻度は明らかに高く、分布の偏りに関して統計学的有意差が認められた(P=0.0002)。こうした比較によりBm型のalleleとCOPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)の発症との関わりが示された。
疾患ごとにみても、COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)はいずれも正常人に比しBm型の出現頻度が高かった。(BE;p=0.012、DPB;p=0.0025、PE;P=0.0052)
一方、BAにおいてはBm型の出現頻度が健常人と比べ有意に低かった。(p=0.049)
個体分類(1)
allele分類の解析結果から、3ハプロタイプのうちとくにBm型が呼吸器疾患との関連が深いと考えられるので、以下とくにこの型に注目して、これをもたない個体、1個もつ個体(ヘテロ)、2個もつ個体(ホモ)とを分類し解析した。
COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)でみると、健常人と呼吸器3疾患患者群とを比べた場合、Bmに基づくハプロタイプ分類Bm−0、1、2の出現頻度に関して、分布に有為差がみられた(p=0.0093)。
疾患別にみると、DPBおよびPEを発症した患者で分布の偏りに有為差がみられ(DPB:p=0.0024、PE:p=0.0069)、BEでもその傾向があった(p=0.089)。
個体分類(2)
Bmハプロタイプを保有しているか否かで分析した(Bm−0 vs Bm−1、2)。
COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)でみると、健常人と比べた場合、呼吸器3疾患患者群におけるBmを保有している個体の出現頻度が高く、分布の偏りに関して有意差が認められた(p=0.039)。一方、BAにおいては逆にBmハプロタイプをもたない個体が多く、健常人群と比較して分布に有為な偏りが見られた(p=0.037)。
個体分類(3)
さらにBmハプロタイプをホモでもつ個体(BBmm;Bm−2)とそうでない個体(Bm−0、1)で出現頻度を比較した(Bm−0、1 Vs Bm−2)。COPDに属する呼吸器3疾患群(DPB、BE、PE)でみると、健常人と比べた場合、Bmハプロタイプをホモでもつ個体(BBmm)とそうでない個体は出現頻度に関して、分布の偏りに統計学的有意差がみられ(p=0.021)、Bmホモ型(Bm−2)の6人は皆、COPDに属する呼吸器3疾患(DPB、BE、PE)のいずれかに罹患しており、3人はDPB、2人はPE、1人はBEであった。健常人106人中およびBA32人中にBmホモ型(Bm−2)は1人もいなかった。
疾患別にみると、DPBおよびPEを発症した患者で分布の偏りに統計学的有意差がみられた(DPB:p=0.0082、PE:p=0.029)。
以上、ヒト気道トリプシン様酵素のイントロン遺伝子多型解析により、Bm型のハプロタイプ何らかのメカニズムで呼吸器疾患における慢性気道炎症に関連していることが示された。さらにヒト気道トリプシン様酵素の疾患に対する関与が慢性閉塞性疾患(COPD)に属するDPB、BE、PEの3疾患とBAでは異なることも示された。
ただし、ある遺伝子多型をもつ個体すべてがある疾患を発症するということではないので、ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型はいわゆる遺伝病のような決定的な発症因子ではなく、易病症性因子とでもいえるものである。すなわち、Bmハプロタイプ保有する個体にさらに環境因子などが加わったときBE、PE、DPBなどの呼吸器疾患を発症しやすくなるである。
これらの結果より、ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型を用いることにより、ヒト気道トリプシン様酵素関連疾患の分類をすることができることが示された。また、このヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析方法は、個々人におけるヒト気道トリプシン様酵素関連疾患の発病体質の予測や、該疾患の治療に対する効果や、その予後の再発可能性の予測などに応用できる手段である。
産業上の利用可能性
本発明は、ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析法により、個々人の疾患関連体質を判定する方法を提供する。従ってこの解析によりヒト気道トリプシン様酵素と関連する疾患が同定できれば、そのヒト気道トリプシン様酵素のある遺伝子型を有する個人がある疾患にかかりやすいことが推定できる。
すなわち疾患発病体質(個人がある疾患に罹患しやすい体質を持っていること)を予測することにより、上記個人の治療法に対する情報を早期に与えることが可能となり、早期診断、早期治療に結びつく。また、治療後においてもその疾患は再発する可能性を推定することができる。すなわち治療の予後(患者の治療後の治癒の経過や再発の危険性)を予測することで、医師は患者に対して十分な注意を払うことができ、また適切な指導を行うことができる。
さらにヒト気道トリプシン様酵素が関与する病態において、ヒト気道トリプシン様酵素の遺伝子多型解析が投与する薬剤の効果判定や薬剤開発における投与薬剤の有効な患者群を絞り込む手段となる可能性がある。
以上、述べたように早期診断、早期治療および適切な予防法の指導、適切な投薬、治療後の適切なアフターフォローにより、現在問題となっている多額の医療費を削減することにつながる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1 遺伝子増幅により得られたヒト気道トリプシン様酵素の成熟タンパクをコードする遺伝子のイントロン領域を含むDNA断片のアガロースゲル電気泳動パターンを示す。レーン1、5はマーカー(上から10Kb、7Kb、5Kb、4Kb、3Kb、2.5Kb、2Kb、1.5Kb、1Kb)、レーン2はプライマーA1(配列番号7)とA2(配列番号8)によって増幅された約6KbのDNAフラグメント、レーン3はプライマーB1(配列番号9)とB2(配列番号10)によって増幅された約1.5KbのDNAフラグメント、レーン4はプライマーC1(配列番号11)とC2(配列番号12)によって増幅された約3.4KbのDNAフラグメントが観察される。
図2 遺伝子増幅により得られたヒト気道トリプシン様酵素のプロペプチドをコードする遺伝子のイントロン領域を含むDNA断片のアガロースゲル電気泳動パターンを示す。レーン1、4はマーカー(上から10Kb、7Kb、5Kb、4Kb、3Kb、2.5Kb、2Kb、1.5Kb、1Kb)、レーン2はプライマーD1(配列番号13)とD2(配列番号14)によって増幅された約5.5KbのDNAフラグメント、レーン3はプライマーE1(配列番号15)とE2(配列番号16)によって増幅された約5KbのDNAフラグメントが観察される。
図3 ヒト気道トリプシン様酵素ゲノム上のイントロンA、B、Cの相対的な位置、イントロンAのTaqIおよびイントロンCのMboI、BstUIによって検出される遺伝子多型(RFLP)のアガロースゲル電気泳動パターンを示す。
Claims (4)
- 配列番号17に示された塩基配列からなるDNA断片。
- 配列番号11に記載のDNA断片および配列番号12に記載のDNA断片からなる一対のPCR用プライマー。
- ヒト気道トリプシン様酵素イントロンCの遺伝子多型を検出する方法であって、
5’末端に配列番号5に示された塩基配列からなるDNA断片を有し、かつ3’末端に配列番号6に示された塩基配列からなるDNA断片を有する、3.4kbのヒト気道トリプシン様酵素イントロンCのDNAフラグメントを、請求項2記載のPCR用プライマーを用いて増幅する工程、
増幅されたDNAフラグメントを制限酵素BstUIで切断する工程、ならびに
制限酵素処理により、3.4kbの未消化DNAフラグメントから遺伝子型BBであることを、2.45kbおよび0.95kbのDNAフラグメントの生成から遺伝子型bbであることを、3.4kb、2.45kbおよび0.95kbのDNAフラグメントの生成から遺伝子型Bbであることを、決定する工程
を含む検出する方法。 - ヒト気道トリプシン様酵素イントロンCの遺伝子多型を検出する方法であって、
5’末端に配列番号5に示された塩基配列からなるDNA断片を有し、かつ3’末端に配列番号6に示された塩基配列からなるDNA断片を有する、3.4kbのヒト気道トリプシン様酵素イントロンCのDNAフラグメントを、請求項2記載のPCR用プライマーを用いて増幅する工程、
増幅されたDNAフラグメントを制限酵素MboIで切断する工程、ならびに
制限酵素処理により、1.3kbのDNAフラグメントの生成から遺伝子型MMであることを、1.05kbのDNAフラグメントの生成から遺伝子型mmであることを、1.3kbおよび1.05kbのDNAフラグメントの生成から遺伝子型Mmであることを、決定する工程
を含む検出する方法。
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