JP4030993B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
温水利用箇所に給湯する給湯流量を抑制すれば、給湯装置を省エネルギー運転することが可能となる。例えば特許文献1に記載された技術では、利用者が温水利用箇所で利用を予定する設定流量(あるいは、外部の通信装置が設定する設定流量)を記憶しておき、この設定流量と温水利用箇所で実際に給湯している流量を比較する。比較の結果、給湯流量が設定流量を超えたと判断した場合は、給湯経路を閉じる側に給湯流量制限弁を動かして、設定流量を超えないように給湯流量を抑制し、過剰出湯の発生を未然に防止する。この技術で利用する給湯流量制限弁は、温水利用箇所に設置されているいわゆる蛇口とは別のものであり、蛇口の開度が一定であっても、給湯流量制限弁が給湯経路の給湯流量を制限する(閉じる)ことによって、給湯流量が抑制される。
このため、給湯装置のリモコンに省エネルギー運転を選択するときに操作するスイッチを設けておき、そのスイッチが操作された場合は、給湯が開始されると給湯流量制限弁を動かして給湯経路を閉じ、給湯流量を所定率(例えば給湯流量の20%)だけ抑制する技術が開発されている。この技術では、給湯流量を抑制する下限が存在せず、一律に給湯流量を所定率だけ抑制することができる。
本発明で創作された給湯装置は、給湯経路を流れる給湯流量を検出する給湯流量検出手段と、給湯経路を流れる給湯流量を制限する給湯流量制限弁と、省エネルギー目標値を記憶している省エネルギー目標値記憶手段と、給湯流量検出手段が検出した給湯流量が所定時間継続して安定した時に、安定して検出された給湯流量と省エネルギー目標値から算出される省エネルギー目標給湯流量が得られるまで、給湯流量制限弁を経時的に閉じていく制御装置を備えている。その給湯装置においては、その省エネルギー目標値が、検出された給湯流量に対する制限比率もしくは検出された給湯流量から減少させる給湯流量を表現するものである。
給湯経路には温水が流れ、温水利用箇所(給湯栓やシャワー等)に給湯する。給湯流量検出手段は、その給湯流量を検出する。蛇口が開いて温水が流れ始めると検出される給湯流量がゼロでなくなくなる。蛇口を大きく開いてゆくにつれて検出される給湯流量は増大し、所望の給湯流量が得られて蛇口から手を離すと検出される給湯流量は安定する。
省エネルギー目標値記憶手段は、省エネルギー目標値を記憶している。省エネルギー目標値は検出される給湯流量に対する制限比率でもよいし、検出される給湯流量から減少させる給湯流量自体でもよい。例えば80%の省エネルギー目標値が記憶されていてもよいし、2(リットル/分)の省エネルギー目標値が記憶されていてもよい。
本発明では、利用者が所望の給湯流量に調整して蛇口から手を離すまでは、給湯流量を制限しない。利用者は省エネルギーを意識しないで所望の給湯流量に調整すればよい。制御装置は検出給湯流量をモニターしており、所定時間継続して安定した時、即ち、利用者が給湯流量の調整を終えて蛇口から手を離したために給湯流量が安定した時を監視している。制御装置は、検出給湯流量が安定するのを待って、給湯流量制限弁を経時的に閉じていき、安定して検出された給湯流量と省エネルギー目標値から算出される省エネルギー目標給湯流量が得られるまで給湯流量を抑制していく。
例えば、80%の省エネルギー目標値が記憶されていれば、給湯流量制限弁で制限し始める前の給湯流量(所定時間継続して安定していたときの給湯流量)の80%の給湯流量となるまで給湯流量制限弁を経時的に閉じていく。また例えば、2(リットル/分)の省エネルギー目標値が記憶されていれば、給湯流量制限弁で制限し始める前の給湯流量から2(リットル/分)の給湯流量を減じた給湯流量となるまで給湯流量制限弁を経時的に閉じていく。
利用者は、所望の給湯流量に調整した給湯流量が経時的に減少していく様を見ることができ、省エネルギーのために給湯装置が給湯流量を絞ってゆく過程を見ることができる。利用者は省エネルギーの意識に覚醒し、省エネルギーに協力する意識が喚起された状態で温水を利用する。普段から省エネルギーの意識を持っている必要がなく、蛇口を操作して給湯流量を調整する段階では省エネルギーの意識がなくても、その後の過程で省エネルギーの意識に覚醒し、覚醒した意識状態で温水を利用する。省エネルギーに協力する意識がある場合には、制限された給湯流量を受入れ、省エネルギー運転を継続する。本給湯装置によると、省エネルギー意識が喚起され、その状態で省エネルギー運転を継続するか否かを判断することから、給湯装置側で省エネルギー運転に誘導することができる。
制御装置は、検出された給湯流量が省エネルギー目標給湯流量に一致した後に所定範囲を超えて変動した時に、給湯流量制限弁を開放することが好ましい。
例えば、省エネルギーのために給湯流量を制限したことによって使い勝手が悪化すれば、利用者は蛇口を開けて給湯流量を増加させようとする。このときに、検出される給湯流量が所定範囲を超えて変動する。あるいは、他の利用者が他の蛇口を開けたときにも検出給湯流量が所定範囲を超えて変動する。このように、利用者が蛇口に手を触れて給湯流量を調整しようとしている場合には、給湯流量制限弁を開放して給湯流量を制限しない状態に復帰する。この状態で利用者は給湯流量を調整する。
利用者が給湯流量に満足して蛇口から手を離せば検出給湯流量は安定する。すると給湯装置が省エネルギーために給湯流量を制限し始める。利用者は省エネルギーのために給湯装置側で給湯流量を制限する過程を見ることによって省エネルギーの意識が喚起され、省エネルギーの意識が喚起された状態で湯を利用する。省エネルギーの意識が喚起された状態で省エネルギーのための制限された給湯流量で満足するか否かを判断するために、給湯装置側で省エネルギー運転を誘導することができる。
制御装置は、単位時間あたりの給湯流量の変化量が所定値となるように、給湯流量制限弁を経時的に閉じていくことが好ましい。例えば、毎秒0.2(リットル/分)のペースで給湯流量を制限していくといったことが好ましい。あるいは、毎秒3%ずつ給湯流量を制限していくといったことが好ましい。
(その作用と効果)
この場合、利用者に与える違和感が少なく、しかも省エネルギー意識を喚起することができる。
省エネルギー目標値が、多段階に設定されている複数の目標値の中から選択可能であることが好ましい。例えば、70%、80%、90%といった多段階の目標値の中から、任意の目標値が選択可能となっていることが好ましい。
(その作用と効果)
使い勝手と省エネルギーが両立する運用が実現しやすい。
(形態1)給湯流量検出手段は、給湯経路の全体流量を検出する手段と、給湯流量を制限しない給湯経路の流量を検出する手段と、両検出手段の差を計算する手段で構成されている。この場合、両検出手段の差を計算する手段が計算した差の流量を、給湯流量とする。
(形態2)給湯流量検出手段は、給湯流量制限手段が給湯流量を制限する給湯経路に設けられている。この場合、給湯流量検出手段が検出した流量を、そのまま給湯流量とする。
(形態3)給湯流量制限手段は、単位時間当たりの給湯流量を制限することが省エネルギーにつながる給湯経路に設けられている。具体的には、給湯栓とシャワーへの給湯経路に設けられており、浴槽への湯張り経路の給湯流量を制限しない。
(形態4)給湯流量制限手段の下流では、複数の給湯経路に分岐している。
給湯装置10は、コントローラ21、入水経路51、バーナ熱交換器52,60、バーナ56,57、追焚き熱交換器58、補給水弁59、シスターン61等を備えている。
バーナ熱交換器52には、入水経路51から水が流入する。入水経路51には、給湯流量センサ47が設けられている。給湯流量センサ47が水量を検知すると、コントローラ21はバーナ56に点火の指示を出す。ガス燃焼式のバーナ56はバーナ熱交換器52を加熱する。バーナ56は、コントローラ21から点火の指示を受けると、プリパージ動作を行った後に燃焼を開始する。プリパージに要する時間は、燃焼用ファンのサイズや回転数、バーナ56の燃焼ガスがバーナ熱交換器52を通過して装置外へ排気される部分の容量等から設定され、予めコントローラ21に記憶されている。プリパージには通常数秒を要し、本実施例のバーナ56では、プリパージにかかる時間は1.5秒である。
バーナ熱交換器52の下流側と給湯栓64a,64bは給湯栓経路63によって接続されている。給湯栓64a,64bは、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では複数の給湯栓を64a,64bの2つで代表している)。給湯栓経路63からは、後記する湯張り経路25が分岐している。湯張り経路25の分岐点よりも下流の給湯栓経路63には給湯サーミスタ65が装着されている。給湯サーミスタ65はバーナ熱交換器52から流出する温水の温度を検出する。給湯サーミスタ65の検出信号はコントローラ21に出力される。コントローラ21は、給湯サーミスタ65が検出した温水温度に基づいて、バーナ56の動作を制御する。また、湯張り経路25の分岐点よりも下流の給湯栓経路63には、給湯流量制限弁49が設けられている。給湯流量制限弁49は、コントローラ21によって制御され、内蔵したステッピングモータに駆動されて開閉する。給湯流量制限弁49の開閉度によって、入水経路51からバーナ熱交換器52を経て給湯栓64a,64b等に供給される温水の給湯流量が制限される。
シスターン61内には水位電極66が装着されている。水位電極66は、棒状のハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bを有している。ハイレベルスイッチ66aの下端はシスターン61のハイレベル水位に位置している。ローレベルスイッチ66bの下端はシスターン61のローレベル水位に位置している。ハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bは、水に触れていると検出信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、水位電極66からの検出信号によって、シスターン61の水位がハイレベル水位を超えているか、ハイレベル水位とローレベル水位の間にあるか、ローレベル水位よりも低いかを判別する。シスターン61として適正なのは、水位がハイレベルとローレベルの間に位置している状態である。コントローラ21は、水位電極66からの水位検出信号に基づいて補給水弁59を開閉制御し、シスターン61の水位を適正範囲に維持する。
ガス燃焼式のバーナ57はバーナ熱交換器60を加熱する。バーナ熱交換器60の下流とシスターン61は高温水経路73によって接続されている。高温水経路73には、上流側から順に、暖房高温サーミスタ74、暖房端末熱動弁75、暖房端末機76が装着されている。
暖房高温サーミスタ74は、高温水経路73を流れる温水の温度を検出する。暖房高温サーミスタ74の検出信号はコントローラ21に出力される。
暖房端末熱動弁75は、膨張エレメントと、膨張エレメントと機械的に連結された開閉弁を内蔵している。暖房端末機76の操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75の膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは高温になって膨張する。膨張した膨張エレメントは開閉弁を駆動し、これによって暖房端末熱動弁75が開かれる。また、操作スイッチ76aがオンにされると、コントローラ21は、暖房ポンプ69を作動させる。このように、操作スイッチ76aがオンにされたことによって、暖房端末熱動弁75が開かれるとともに、暖房ポンプ69が作動すると、シスターン61から温水が吸出される。コントローラ21は、暖房低温サーミスタ72と暖房高温サーミスタ74が検出した温水温度に基づいて、バーナ57を制御し、バーナ熱交換器60から流出する温水の温度を所定範囲に維持する。暖房端末機76の電動ファンは、操作スイッチ76aがオンにされると回転し、熱交換器76bに空気を吹付ける。熱交換器76bに吹付けられた空気は、熱交換器76bを介して温水と熱交換を行って暖められる。暖められた空気は暖房端末機76から吹出し、部屋を暖房する。熱交換器76bで空気と熱交換を行なうことによって、温水の温度は低下する。温度が低下した温水は高温水経路73を流れてシスターン61に戻る。
浴槽79には吸出口79aと供給口79bが設けられている。吸出口79aと供給口79bは風呂循環経路80によって接続されている。風呂循環経路80は追焚き熱交換器58を通過している。上述したように、追焚き経路77も追焚き熱交換器58を通過している。このため、追焚き熱交換器58では、風呂循環経路80と追焚き経路77との間で熱交換が行われる。風呂循環経路80の追焚き熱交換器58の上流側には、風呂水位センサ81、風呂循環ポンプ82、風呂水流スイッチ84が装着されている。風呂水位センサ81は水圧を検出する。コントローラ21は、風呂水位センサ81が検出した水圧から、浴槽79に張られている湯の水位を推定する。風呂水流スイッチ84は風呂循環経路80を水が流れるとオンになる。風呂水位センサ81、風呂水流スイッチ84は、コントローラ21に検出信号を出力する。風呂循環ポンプ82はコントローラ21によって制御される。風呂循環経路80の風呂水位センサ81の上流側には、浴槽79から吸出された温水の温度を検出する風呂サーミスタ85が装着されている。風呂サーミスタ85の検出信号はコントローラ21に出力される。
浴槽79に湯を張るときには、注湯弁27が開かれる。注湯弁27が開かれると、温水が給湯栓経路63から湯張り経路25を経て風呂循環経路80に流入する。風呂循環経路80に流入した温水は、吸出口79aと供給口79bから浴槽79に供給され、浴槽79に湯張りされる。このときには、風呂循環ポンプ82は駆動されず、湯張り経路25に加わっている水圧によって浴槽79への湯張り運転が行われる。
給湯流量センサ47が検出する流量と、湯張り流量センサ83が検出する流量の差は、給湯栓64a,64bに流れる給湯流量に等しい。コントローラ21は、給湯流量センサ47が検出する流量と、湯張り流量センサ83が検出する流量の差を演算することによって、給湯栓64a,64bに流れる給湯流量を検出する。あるいは、湯張り経路25よりも下流の給湯栓経路63に別の給湯流量センサをさらに設け、この給湯流量センサによって給湯栓64a,64bに流れる給湯流量を直接検出してもよい。
高温水経路73の暖房端末熱動弁75の上流側と、床暖房機91の下流側の温水戻り経路87は、バイパス経路92によって接続されている。温水戻り経路87は、高温水経路73の暖房端末機76の下流側に接続されている。高温水経路73の高温水が、暖房端末熱動弁75の上流側からバイパス経路92を経て温水戻り経路87に流入し、高温水経路73の暖房端末機76の下流側を流れてシスターン61に供給される。
床暖房を行なう場合には、床暖房熱動弁95,96が開かれ、温水がシスターン61から低温水経路70を経て床暖房機91に導かれる。導かれた温水は、床暖房機91を暖める。床暖房を行なわない場合には、床暖房熱動弁95,96が閉じられる。
低温水経路70から床暖房機91に導かれた温水は、温水戻り経路87を経て高温水経路73の暖房端末機76の下流側からシスターン61に戻る。シスターン61に戻った温水は、再びシスターン出水経路68に吸込まれる。
レベル1(軽度の省エネルギー):給湯流量を90%に制限する
レベル2(中度の省エネルギー):給湯流量を80%に制限する
レベル3(重度の省エネルギー):給湯流量を70%に制限する
利用者は使い勝手と省エルルギーが両立し得るレベルを選択して設定する。
最初に利用者がリモコン23で給湯運転スイッチを押すと、液晶表示器に温水温度の設定画面が表示される。利用者は、要求する温水温度を設定してボタン入力する(ステップS102)。例えば「40(℃)」を入力する。
また、この画面では、省エネルギー運転を選択することができる。省エネルギー運転を選択してボタン入力した場合は、省エネルギーレベルの設定画面が表示される。省エネルギーレベルの詳細は、以下の通りである。
レベル1:給湯流量を90%に制限する
レベル2:給湯流量を80%に制限する(以下では一般化してα%ということがある)
レベル3:給湯流量を70%に制限する(以下では一般化してβ%ということがある)
利用者は、希望する省エネルギーレベルを選択して入力する(ステップS104)。例えば、レベル2を選択して入力する。これにより、以下に説明する給湯運転では、給湯流量が80%に制限される省エネルギーモードで行われる。
コントローラ21は、給湯栓64aの開放を開始した時刻t0秒から、図2のステップS110の処理を継続的に実行している。この処理では、例えば、「5秒以上継続して、検出給湯流量が、時刻t1秒での検出給湯流量(リットル/分)のプラスマイナス5%以内」であれば、給湯流量が安定状態にあると判定する。図3(1)において、時刻t1での検出給湯流量A(リットル/分)に対して、それから5秒以内に検出される検出給湯流量の全部が、0.95×A(リットル/分)以上であり、1.05×A(リットル/分)以下であれば、図2のステップS110でYESと判定する。
この場合は、ステップS112に移行し、コントローラ21が、省エネルギー目標給湯流量を算出する。省エネルギー目標給湯流量は、次の式によって算出することができる。
省エネルギー目標給湯流量(リットル/分)
=省エネルギー目標値×安定給湯流量(リットル/分);
例えば、検出された給湯流量が0.95×A(リットル/分)以上で1.05×A(リットル/分)以下である範囲に安定しており、80%の省エネルギー目標値が選択されていれば、省エネルギー目標給湯流量は0.8×A(リットル/分)とされる。
給湯流量を制限する前の段階(あるいは省エネルギー運転でない通常運転)では、給湯流量制限弁49の開度は100%とされる。このときにグラフx1のように給湯栓64aの開度を「小」にすれば、給湯流量はA(リットル/分)となる。利用者がA(リットル/分)の給湯流量で満足すれば給湯栓64aの開度は「小」に維持される。同様に、グラフx2のように給湯栓64aの開度を「中」にすれば、給湯流量はB(リットル/分)となる。利用者がB(リットル/分)の給湯流量で満足すれば給湯栓64aの開度は「中」に維持される。グラフx3のように給湯栓64aの開度を「大」にすれば、給湯流量はC(リットル/分)となる。利用者がC(リットル/分)の給湯流量で満足すれば給湯栓64aの開度は「大」に維持される。
グラフx1のように給湯栓64aの開度が「小」であれば、省エネルギー目標値がα%である場合、給湯流量A(リットル/分)から毎秒0.2(リットル/分)ずつ減少させて省エネルギー目標給湯流量α×A(リットル/分)に制限する。この場合、給湯流量制限弁49の開度を100%からα%まで絞ることになるが、給湯流量を毎秒0.2(リットル/分)ずつ減少させるには、給湯流量制限弁49の開度を毎秒d1%ずつ絞る必要がある。
同様に、グラフx2のように給湯栓64aの開度が「中」であれば、給湯流量B(リットル/分)から毎秒0.2(リットル/分)ずつ減少させて省エネルギー目標給湯流量α×B(リットル/分)に制限する。この場合、給湯流量制限弁49の開度を毎秒d2%ずつ絞る必要がある。
一方、グラフx3のように給湯栓64aの開度が「大」であれば、給湯流量C(リットル/分)から毎秒0.2(リットル/分)ずつ減少させて省エネルギー目標給湯流量α×C(リットル/分)に制限する。この場合、最初は給湯流量制限弁49の開度を絞っても給湯流量が僅かしか減少しない。そこで、この間の給湯流量制限弁49の開度の絞り率として、e3%を記憶しておく。これにより最初の1秒間に0.2(リットル/分)だけ減少させることができる。その後は、毎秒d3%ずつ絞っていく。このようにして最終的に給湯流量制限弁49の開度をα’%に絞ることによって、省エネルギー目標給湯流量α×C(リットル/分)を実現することができる。
なおここでは最初の給湯流量がA,B,C(リットル/分)の三通りの場合(グラフx1,x2,x3)のみを例示しているが、コントローラ21には、より細かく分類された給湯流量毎に、給湯流量制限弁49の開度の絞り率が、マップ化されて記憶されている。
時刻t3秒になると、給湯流量制限弁49の開度が80%となる。このときの給湯流量は、図3(1)に示すように、A(リットル/分)から目標給湯流量である0.8×A(リットル/分)となっている。これにより、省エネルギーモードでの給湯運転が実行されることとなる(ステップS116でYES)。
ステップS120では、給湯流量制限弁49を全開にして、省エネルギーモードを一旦解除する。図3(2)では、時刻t4秒において給湯流量制限弁49の開度が100%とされている。
そして図2のステップS122では、コントローラ21が、給湯流量が2.7(リットル/分)以上であるか否か(すなわち、給湯栓64aが閉められたか否か)を判定する。図3(1)の時刻t4秒では給湯栓64aは閉められておらず、YESと判定し、ステップS110に戻る。
ステップS114では、時刻t5秒での検出給湯流量B(リットル/分)から毎秒0.2(リットル/分)ずつ給湯流量が減少するように、給湯流量制限弁49の開度を毎秒d2%ずつ小さくしていく。図3(1)では、時刻t6秒を起点としてBリットルから給湯流量を減少させている。図3(2)では、時刻t2秒から、毎秒0.2(リットル/分)ずつ給湯流量が減少するように、給湯流量制限弁49の開度が毎秒d2%ずつ徐々に小さくなっている。
時刻t7秒になると、給湯流量制限弁49の開度が80%となる。このときの給湯流量は、図3(1)に示すように、省エネルギー目標給湯流量の0.8×B(リットル/分)となっている。これにより、省エネルギーモードでの給湯運転が再実行されることとなる。
ステップS120では、給湯流量制限弁49を全開にし、省エネルギーモードを一旦解除する。図3(2)では、時刻t8秒において給湯流量制限弁49の開度が100%とされている。
ステップS122では、時刻t8秒での給湯流量が2.7(リットル/分)以上を維持しているためYESと判定される。
ここで図4では、給湯栓64aの開度が「大」の状態では、始めの1秒目はe3%、その後は毎秒d3%ずつ給湯流量制限弁49の開度を絞るようにしている。これにより、省エネルギー目標給湯流量の0.8×C(リットル/分)を実現させる。
図3(2)では、時刻t10秒から、始めの1秒目はe3%、その後は毎秒d3%ずつ給湯流量制限弁49の開度が絞られたことが示されている。
時刻t11秒では、図2のステップS116でYESと判定され、時刻t12秒まで省エネルギーモードが維持される。
ステップS120では、給湯流量制限弁を全開にし、省エネルギーモードを一旦解除する。図3(2)では、時刻t12秒において給湯流量制限弁49の開度が100%とされている。
ステップS122では、時刻t12秒での給湯流量が2.7(リットル/分)を下回るようになるためNOと判定され、給湯栓64aが閉められたことを確認して給湯運転を終了する。
また、給湯流量が所定値以上になったとき(本実施例ではC(リットル/分)に到達したとき)は、給湯流量制限弁の絞り率を大きくする。これにより、迅速に省エネルギー目標給湯流量を達成することができ、省エネルギー効果が減退することを防止することができる。
図5(1)に示すように、利用者が時刻t20秒において給湯栓64aのみを開放すると、時刻t21秒まで給湯流量が増大する。時刻t21秒で希望の給湯流量D(リットル/分)に到達すると、給湯流量が安定し始める(図2のステップS110でYES)。
この安定給湯流量D(リットル/分)から算出される省エネルギー目標給湯流量は0.8×D(リットル/分)となる(図2のステップS112)。図5(1)で時刻t22秒から給湯流量を毎秒所定率ずつ減少し始め(図2のステップS114)、時刻t23秒で省エネルギー目標給湯流量に到達する(図2のステップS116でYES)。
時刻t25秒で給湯栓64bの給湯流量が希望量に到達すると、給湯栓64aと給湯栓64bの合計給湯流量E(リットル/分)で安定し始める(図2のステップS110でYES)。
この安定給湯流量E(リットル/分)から算出される目標給湯流量は0.8×E(リットル/分)となる(図2のステップS112)。図5(1)で時刻t26秒から給湯流量を毎秒所定率ずつ減少し始め(図2のステップS114)、t27(秒)で目標給湯流量に到達する(図2のステップS116でYES)。
時刻t29秒で給湯栓64bが全閉されると、給湯栓64aのみの希望の給湯流量D(リットル/分)に到達し、再び給湯流量が安定し始める(図2のステップS110でYES)。時刻t30秒から給湯流量を毎秒所定率ずつ減少し始め(図2のステップS114)、時刻t31秒で目標給湯流量0.8×D(リットル/分)に到達する(図2のステップS116でYES)。
さらに、時刻t32秒で利用者が給湯栓64bを閉め始めると、給湯流量が減少し始める(図2のステップS118でYES)。このとき、図5(2)に示すように、給湯流量制限弁49の開度は100(%)に戻され、省エネルギーモードが解除される(図2のステップS120)。最終的に時刻t33秒で給湯栓64aが全閉され、給湯運転を終了する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
21:コントローラ
22:給湯器、
23:リモコン
47:給湯流量センサ、
49:給湯流量制限弁、
52:バーナ熱交換器、
56:給湯バーナ、
57:暖房バーナ、
60:バーナ熱交換器、
61:シスターン、
63:給湯栓経路、
64a,64b:給湯栓、
65:給湯サーミスタ、
79:浴槽
Claims (4)
- 給湯経路を流れる給湯流量を検出する給湯流量検出手段と、
給湯経路を流れる給湯流量を制限する給湯流量制限弁と、
省エネルギー目標値を記憶している省エネルギー目標値記憶手段と、
給湯流量検出手段が検出した給湯流量が所定時間継続して安定した時に、安定して検出された給湯流量と省エネルギー目標値から算出される省エネルギー目標給湯流量が得られるまで、給湯流量制限弁を経時的に閉じていく制御装置を備えており、
前記省エネルギー目標値が、検出された給湯流量に対する制限比率もしくは検出された給湯流量から減少させる給湯流量を表現するものである、給湯装置。 - 前記制御装置は、検出された給湯流量が省エネルギー目標給湯流量に一致した後に所定範囲を超えて変動した時に、給湯流量制限弁を開放することを特徴とする請求項1の給湯装置。
- 前記制御装置は、単位時間あたりの給湯流量の変化量が所定値となるように、給湯流量制限弁を経時的に閉じていくことを特徴とする請求項1または2の給湯装置。
- 省エネルギー目標値が、多段階に設定されている複数の省エネルギー目標値の中から選択可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかの給湯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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