JP4030927B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、熱膨張により磁気ギャップ層周辺を記録媒体側に突出させ、浮上量を制御する薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
記録用薄膜磁気ヘッドは、記録媒体との対向面側で下部コア層(下部磁極層)と上部コア層(上部磁極層)の間に磁気ギャップ層を介在させた構造を有している。下部コア層と上部コア層は、記録媒体との対向面からデプス方向奥側に進んだ位置で磁気的に接続されており、下部コア層と上部コア層の間を埋める非磁性絶縁層内には、上記磁気接続部を中心として形成したコイル層が存在する。このコイル層を通電すると、下部コア層と上部コア層との間に記録磁界が誘導され、記録媒体との対向面で磁気ギャップ層から漏れた磁界によって記録媒体への磁気記録がなされる。
【0003】
このような記録用薄膜磁気ヘッドでは、書込特性を向上させるため、記録媒体と磁気ギャップ層の距離を小さく制御することが望ましい。従来では、通電により発熱する発熱体を設け、熱膨張により磁気ギャップ層付近を記録媒体側に突出させるものが提案されている。上記発熱体は、例えば、非磁性絶縁層内(下部コア層と上部コア層の間)に配置されたり、下部コア層及び上部コア層の下層又は上層に配置されたりしている。
【0004】
しかしながら、発熱体を非磁性絶縁層内に配置する構成では、非磁性絶縁層内にコイル層が存在しているため、発熱体の配置位置や形状、大きさ等が制限されて設計自由度が低くなっており、また、発熱体とコイル層との間隔が狭いために発熱体からの熱がコイル層に悪影響を与えてしまう虞もあった。一方、発熱体を下部コア層及び上部コア層の下層又は上層に配置する構成では、磁気ギャップ層付近以外の部分も熱膨張してしまい、磁気ギャップ層付近で最も突出するように突出量を制御することが難しい。
【0005】
【特許文献】
特開平5−20635号公報
特開平10−261248号公報
米国特許第5991113号
米国特許第5959801号
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点に鑑み、設計自由度が高く、且つ、磁気ギャップ層周辺を効率良く突出させることができる薄膜磁気ヘッドを得ることを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、磁気ギャップ層周辺に集中的に熱が加われば、磁気ギャップ層周辺を効率良く記録媒体側に突出させることができること、及び下部コア層と上部コア層からなる閉空間外に発熱体を設ければ、発熱体を設計する際の制限が緩和されることに着目してなされたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、基板上に下部コア層、上部コア層、及び記録媒体との対向面側の端部で下部コア層と上部コア層の間に介在する磁気ギャップ層を有する記録用ヘッド素子と;通電により発熱し、該発熱により記磁気ギャップ層周辺を膨張させて記録媒体側に突出させる発熱体と;を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、発熱体を通電するための配線を、記録用ヘッド素子及び該発熱体よりもギャップデプス方向奥側に設けたこと、及び、発熱体は、基板側から順に断熱層と発熱層を積層して形成され、かつ、記録用ヘッド素子のギャップデプス方向奥側に配置されていて該ギャップデプス方向奥側から記録媒体との対向面側に向かって通電されることを特徴としている。
【0010】
発熱体は、磁気ギャップ層と同一平面上、又は上部コア層と同一平面上に形成されていることが好ましい。磁気ギャップ層と発熱体が同一平面上にあれば、磁気ギャップ層に集中的に熱を与えることができ、磁気ギャップ層周辺の突出量を増大させることができる。また上部コア層と発熱体が同一平面上にあれば、上部コア層を介して磁気ギャップ層に集中的に熱を与えることができ、磁気ギャップ層周辺の突出量を増大させることができる。
【0012】
本発明は、記録用ヘッド素子のみを備えた記録専用薄膜磁気ヘッドだけに限らず、記録用ヘッド素子と再生用ヘッド素子を備えた複合型薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。本発明を複合型薄膜磁気ヘッドに適用した場合、記録用ヘッド素子は、下部シールド層、下部ギャップ層、磁気抵抗効果素子及び上部ギャップ層を少なくとも有する再生用ヘッド素子の上に積層される。この複合型薄膜磁気ヘッドにおいて、発熱体は、磁気ギャップ層と同一平面上、上部コア層と同一平面上、及び下部ギャップ層と同一平面上のいずれかの位置に形成することができる。いずれの位置に発熱体が形成されていても、磁気ギャップ層周辺を効率良く記録媒体側に突出させることができる。
【0014】
発熱体は、通電時により多くの熱量を得られるように、1μm以上の膜厚で形成することが好ましい。具体的には、例えばフレームメッキ法を用いて、1μm〜10μm程度の厚い膜厚で形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
【0016】
図1〜図9に示される各実施形態の薄膜磁気ヘッドは、再生用ヘッド素子Rと記録用ヘッド素子Wが積層形成された、いわゆる複合型薄膜磁気ヘッドである。各図において、X方向はトラック幅方向、Y方向はデプス方向、Z方向は記録媒体の移動方向である。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態による薄膜磁気ヘッド100の積層構造を示す部分断面図である。
【0018】
図1に示されるように基板1上には、積層方向に沿って順に、アルミナアンダーコート膜2、下部シールド層3、下部ギャップ層4および磁気抵抗効果素子Mが備えられている。基板1は、例えばアルミナチタンカーバイドなどのセラミック材料により形成されている。下部シールド層3は、例えばパーマロイなどの軟磁性材料により形成され、下部ギャップ層4は、例えばアルミナなどの非磁性非導電材料により形成されている。
【0019】
磁気抵抗効果素子Mは、記録媒体との対向面(ABS面)に露出していて、トラック幅方向の両側に接続された電極層5を介して電流が与えられた状態では記録媒体からの漏れ磁界に応じて抵抗値が変化する。薄膜磁気ヘッド100は、磁気抵抗効果素子Mの抵抗値変化に基づき、記録媒体に記録された磁気信号を再生する。磁気抵抗効果素子Mには、GMR(giant magnetoresistive)素子やAMR(anisotropic magnetoresistive)素子を用いることができる。
【0020】
電極層5は、図2に示されるように、トラック幅方向の両側で磁気抵抗効果素子Mに接し、ABS面からデプス方向に向かって長く延びていて、基板端面部1aで電極パッド層E1、E2に電気的に接続されている。電極層5及び電極パッド層E1、E2は、電気抵抗の小さいCuやAu等の導電材料により形成されている。
【0021】
磁気抵抗効果素子M及び電極層5上には、上部ギャップ層6を介して、上部シールド層7が形成されている。上部シールド層7は例えばパーマロイなどの軟磁性材料により形成され、上部ギャップ層6は例えばアルミナなどの非磁性材料により形成されている。不図示であるが、上部シールド層7の周囲には絶縁層が形成されている。
【0022】
上述した下部シールド層3から上部シールド層7までの構造が再生用ヘッド素子Rである。本薄膜磁気ヘッド100では、再生用ヘッド素子Rの上部シールド層7が記録用ヘッド素子Wの下部コア層を兼ねている(マージド型)。
【0023】
下部コア層7上には、ABS面に露出する磁気ギャップ層8が備えられていて、この磁気ギャップ層8のデプス方向の寸法により、薄膜磁気ヘッド100のギャップデプスGpが規定される。磁気ギャップ層8は、非磁性材料により形成されている。
【0024】
また下部コア層7上には、磁気ギャップ層8よりもデプス方向奥側に位置させて、下部コア層7と上部コア層9を磁気的に接続する磁気接続部10と、この磁気接続部10を囲んで螺旋状に巻かれた第1コイル層11と、第1コイル層11の各導体部のピッチ間を埋めると共に第1コイル層11の上面を覆う第1非磁性絶縁層12とが形成されている。磁気接続部10及び第1非磁性絶縁層12の上面は、上記磁気ギャップ層8の上面と同一面を構成している。
【0025】
第1非磁性絶縁層12の上には、第1コイル層11の巻き方向とは逆向きで螺旋状に巻かれた第2コイル層13と、この第2コイル層13の各導体部のピッチ間を埋めると共に第2コイル層13の上面を覆う第2非磁性絶縁層14とが形成されている。第1コイル層11と第2コイル層13は、第1非磁性絶縁層12を貫通するコンタクト部15を介して導通接続されており、また図2に示されるように、第1コイルリード層16及び第2コイルリード層17を介して、基板端面部1aに位置する電極パッド層E3、E4にそれぞれ電気的に接続されている。第1コイルリード層16及び第2コイルリード層17は、第1コイル層11と同じ形成面に、第1コイル層11のメッキ形成工程時に同時にメッキにより形成されている。第2コイルリード層17は、第1非磁性絶縁層12を貫通する不図示のコンタクト部を介して第2コイル層13に導通接続されている。
【0026】
磁気接続部10は、例えばパーマロイ等の軟磁性材料により形成され、第1非磁性絶縁層12および第2非磁性絶縁層14は、例えばアルミナにより形成されている。第1コイル層11、第2コイル層13、コンタクト部15、第1コイルリード層16、第2コイルリード層17及び電極パッド層E3、E4は、電気抵抗の小さいCuなどの導電材料により形成されている。
【0027】
第2非磁性絶縁層15の上には、ABS面に露出する先端部9aで磁気ギャップ層8に接し、ABS面よりもデプス方向奥側の基端部9bで磁気接続部10に接続する上部コア層9が形成されている。不図示であるが、上部コア層9の先端部9aは、記録媒体のトラック幅に合わせて幅狭になっている。上部コア層9は、例えばパーマロイ等の軟磁性材料により形成されている。
【0028】
上述した下部コア層7から上部コア層9までの構造が記録用ヘッド素子Wである。上部コア層9及び第2非磁性絶縁層14の上面は、絶縁性保護層18によって覆われている。
【0029】
以上の薄膜磁気ヘッド100は、さらに、記録用ヘッド素子Wのデプス方向奥側に位置させて、発熱体H(H1)を備えている。発熱体H1は、上述した磁気ギャップ層8と同一平面上(下部コア層7上)にデプス方向に長く延びて形成されており、図2に示される電極パッド層E5、E6及び発熱体用リード層19を介して通電されたときに発熱する。発熱体用リード層19は、発熱体H1及び記録用ヘッド素子Wよりデプス方向奥側に設けられており、発熱体H1をデプス方向奥側から通電する。この電極パッド層E5、E6及び発熱体用リード層19は、電気抵抗の小さいCu等の導電材料により形成されている。
【0030】
発熱体H1から発生された熱は、その大部分が該発熱体H1から記録用ヘッド素子W及びABS面に向かって伝わり、記録媒体側に突出させたい磁気ギャップ層8とその周辺(下部コア層7及び上部コア層9)を集中的に温める。この結果、絶縁性保護層18よりも熱膨張係数の大きい下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9が熱膨張する。すなわち、図3に点線で示されるように、磁気ギャップ層8付近(下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9)が記録媒体側に突出する。このように磁気ギャップ層8が記録媒体側に突出すれば、磁気ギャップ層8と記録媒体との距離が小さくなり、書込み時の出力を向上させることができる。
【0031】
本実施形態では、薄膜磁気ヘッド100の浮上量が例えば20nm程度に設定されており、発熱体H1を通電したときに得られる磁気ギャップ層8の突出量は最大で10nm程度であるから、発熱体H1の通電時には、磁気ギャップ層8と記録媒体との距離を非通電時よりも約半分に小さくすることができる。磁気ギャップ層8の突出量は、発熱体H1の発熱温度、すなわち発熱体100に流す電流の大きさや時間により制御することが可能である。
【0032】
発熱体H1は、例えばNiFe、CuNi、CuMnのいずれかにより、上述の第1コイル層11と同一工程で形成されている。本実施形態では、発熱体H1の形成にフレームメッキ法を用いることにより、発熱体H1を1μm〜10μm程度の厚い膜厚で形成し、発熱体H1から得られる発熱量を増大させている。この発熱体H1の平面形状は、例えば図4に示されるようなミアンダーパターン形状とすることができる。
【0033】
図5及び図6は、第2実施形態による薄膜磁気ヘッド200を示す断面図である。図5及び図6では、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素に図1と同一符号を付してある。
【0034】
第2実施形態による薄膜磁気ヘッド200には、第1実施形態の発熱体H1の替わりに、上部コア層9と同一平面上(第1非磁性絶縁層12上)に、デプス方向に長く延びて形成された発熱体H(H2)が備えられている。発熱体H2の形成材料及び膜厚は、第1実施形態と同様である。
【0035】
発熱体H2は、第1非磁性絶縁層12を貫通する導電性のコンタクト部201を介して図2に示される発熱体用リード層19に電気的に接続され、この発熱体用リード層19及び電極パッド層E5、E6を介して通電されたときに発熱する。発熱体用リード層19は、第1実施形態と同様に、発熱体H2及び記録用ヘッド素子Wよりデプス方向奥側に設けられており、発熱体H2をデプス方向奥側から通電する。発熱体H2が発熱すると、発生された熱の大部分が発熱体H2から記録用ヘッド素子W及びABS面側に向かって伝わり、該発熱体H2と同一平面上に位置する上部コア層9とその周辺(磁気ギャップ層8及び下部コア層7)を集中的に温める。この結果、絶縁性保護層18よりも熱膨張係数の大きい上部コア層9、磁気ギャップ層8及び下部コア層7が熱膨張する。すなわち、図6に点線で示されるように、上部コア9付近(下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9)が記録媒体側に突出する。このように第2実施形態によっても、磁気ギャップ層8と記録媒体との距離が小さくなり、書込み時の出力を向上させることができる。
【0036】
上記発熱体H2は、第2コイル層13と同一工程で例えばフレームメッキ法により形成され、上記コンタクト部201は、第1コイル層11と第2コイル層13を導通接続するコンタクト部15と同一工程で例えばフレームメッキ法により形成されている。発熱体H2の平面形状は、第1実施形態と同様に、図4に示されるようなミアンダーパターン形状とすることができる。
【0041】
図7及び図8は、第3実施形態による薄膜磁気ヘッド400を示す断面図である。図7及び図8では、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素に図1と同一符号を付してある。
【0042】
第3実施形態による薄膜磁気ヘッド400は、第1実施形態の発熱体H1の替わりに、再生用ヘッド素子Rの下部ギャップ層4と同一平面上(下部シールド層3上)に、デプス方向に長く延びて形成された発熱体H(H4)を備えている。発熱体H4の形成材料及び膜厚は、第1実施形態と同様である。
【0043】
発熱体H4は、コンタクト部401及び発熱体用リード層19を介して通電されたときに発熱する。発熱体用リード層19は、第1実施形態と同様に、発熱体H4及び記録用ヘッド素子Wよりデプス方向奥側に設けられており、発熱体H4をデプス方向奥側から通電する。発熱体H4から発生された熱は、再生用ヘッド素子R及び記録用ヘッド素子Wのデプス方向奥側からABS面側に向かって伝わると共に基板1側に逃げていくため、図8に点線で示されるように、下部コア層7付近(下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9)が記録媒体側に突出する。このように第3実施形態によっても磁気ギャップ層8と記録媒体との距離が小さくなり、書込み時の出力を向上させることができる。
【0044】
図9は、第4実施形態による薄膜磁気ヘッド500の積層構造を示す断面図である。図9では、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素に図1と同一符号を付してある。
【0045】
第4実施形態による薄膜磁気ヘッド500には、第1実施形態の発熱体H1の替わりに、断熱層501と発熱層502とが積層された発熱体H(H5)が備えられている。発熱体H5は、第1実施形態と同様、磁気ギャップ層8と同一平面上(下部コア層7上)にデプス方向に長く延びて形成されていて、図2に示される電極パッドE5、E6及び発熱体用リード層19を介して通電されると発熱層502が発熱する。発熱体用リード層19は、第1実施形態と同様に、発熱体H5及び記録用ヘッド素子Wよりデプス方向奥側に設けられており、発熱体H5をデプス方向奥側から通電する。本実施形態では発熱体H5に断熱層501が備えられているので、発熱層502から発生された熱を基板1側に逃がすことなく、より大きな熱量を磁気ギャップ層8、下部コア層7及び上部コア層9に与えることができる。これにより、磁気ギャップ層8、下部コア層7及び上部コア層9の突出量を増大させることができる。
【0046】
発熱層502は、第1実施形態の発熱体H1と同様、例えばNiFe、CuNi、CuMnのいずれかを用いて、フレームメッキ法により1μm〜10μm程度の厚い膜厚で形成されている。断熱層501は、例えば有機レジスト材料により、0.5〜5μm程度の膜厚で形成されている。
【0047】
以上の各実施形態では、記録用ヘッド素子Wよりもデプス方向奥側に発熱体H(H1、H2、H4、H5)及びその配線が備えられている。よって、発熱体Hから発生された熱は該発熱体HからABS面側に向かって伝わり、最も突出させたい磁気ギャップ層8の周辺(下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9)が集中的に温められる。この結果、磁気ギャップ層8の周辺が効率良く記録媒体側に突出し、磁気ギャップ層と記録媒体の距離が小さくなって書込み時の出力が向上する。
【0048】
本発明では、上述した第1〜第3実施形態のように発熱体Hを、磁気ギャップ層8と同一平面上(下部コア層7上)、上部コア層9と同一平面上(第1非磁性絶縁層12上)、下部ギャップ層4と同一平面上(下部シールド層3上)のいずれに配置しても、磁気ギャップ層8の周辺を効率良く記録媒体側に突出させることができる。すなわち、下部コア層7と上部コア層9の間に発熱体を設ける場合よりも、設計自由度が高まり、発熱体を形成する際の制限が少なくなる。また、第1実施形態によれば発熱体H1を第1コイル層11と同一工程で形成でき、同様に第2実施形態によれば発熱体H2を第2コイル層13と同一工程で形成できるので、形成工程が簡略化される。
【0049】
また第4実施形態によれば、発熱体H5が断熱層501と発熱層502を積層して形成されているので、発熱層502から発生された熱が基板1側へ逃げることを防止できる。これにより、磁気ギャップ層8の周辺(下部コア層7、磁気ギャップ層8及び上部コア層9)がより膨張し、記録媒体側への突出量を増大させることができる。第4実施形態では、発熱体H5が磁気ギャップ層8と同一平面上(下部コア層7上)に配置されているが、発熱体H5は、磁気ギャップ層8と同一平面上(下部コア層7上)、上部コア層9と同一平面上(第1非磁性絶縁層12上)、絶縁性保護層18の表面18a上、下部ギャップ層4と同一平面上(下部シールド層3上)のいずれに配置されていてもよい。
【0050】
以上では、再生用ヘッド素子Rの上部シールド層7と記録用ヘッド素子Wの下部コア層7とが兼用されているマージドタイプの薄膜磁気ヘッドに本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明は、上部シールド層と下部コア層とが別々に備えられたピギーバックタイプの薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。また、再生用ヘッド素子Rと記録用ヘッド素子Wの両方を備えた複合型薄膜磁気ヘッドだけでなく、記録用ヘッド素子のみを備えた記録用薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、記録用ヘッド素子よりもデプス方向奥側に発熱体及びその配線が備えられているので、発熱体からABS面側に向かって放熱され、最も突出させたい磁気ギャップ層の周辺を集中的に温めることができる。これにより、磁気ギャップ層の周辺を効率良く記録媒体側に突出させることでき、磁気ギャップ層と記録媒体との距離を縮めて書込み時の出力を向上させることができる。また本発明によれば、発熱体が、磁気ギャップ層と同一平面上、上部コア層と同一平面上、及び下部ギャップ層と同一平面上のいずれに配置されていても、磁気ギャップ層の周辺を効率良く記録媒体側に突出させることできるので、下部コア層と上部コア層の間に発熱体を配置する場合よりも設計自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による薄膜磁気ヘッドの積層構造を示す断面図である。
【図2】 図1の薄膜磁気ヘッドを基板端面から見て示す部分透視図である。
【図3】 図1の薄膜磁気ヘッドの発熱体を通電したときに記録媒体側に突出する磁気ギャップ層を示す部分断面図である。
【図4】 図1の薄膜磁気ヘッドに備えられた発熱体の形状パターンの一例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態による薄膜磁気ヘッドの積層構造を示す断面図である。
【図6】 図5の薄膜磁気ヘッドの発熱体を通電したとき記録媒体側に突出する磁気ギャップ層を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態による薄膜磁気ヘッドの積層構造を示す断面図である。
【図8】 図7の薄膜磁気ヘッドの発熱体を通電したとき記録媒体側に突出する磁気ギャップ層を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の第4実施形態による薄膜磁気ヘッドの積層構造を示す断面図である。
Claims (5)
- 基板上に下部コア層、上部コア層、及び記録媒体との対向面側の端部で下部コア層と上部コア層の間に介在する磁気ギャップ層を有する記録用ヘッド素子と;通電により発熱し、該発熱により前記磁気ギャップ層周辺を膨張させて記録媒体側に突出させる発熱体と;を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記発熱体を通電するための配線を、前記記録用ヘッド素子及び該発熱体よりもギャップデプス方向奥側に設けたこと、及び、
前記発熱体は、基板側から順に断熱層と発熱層を積層して形成され、かつ、前記記録用ヘッド素子のギャップデプス方向奥側に配置されていて該ギャップデプス方向奥側から前記記録媒体との対向面側に向かって通電されること、
を特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記発熱体は、前記磁気ギャップ層と同一平面上に形成されている薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記発熱体は、前記上部コア層と同一平面上に形成されている薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記記録用ヘッド素子は、下部シールド層、下部ギャップ層、磁気抵抗効果素子及び上部ギャップ層を少なくとも有する再生用ヘッド素子の上に積層されていて、前記発熱体は、前記下部ギャップ層と同一平面上に形成されている薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記発熱体は、1μm以上の膜厚を有している薄膜磁気ヘッド。
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