JP4029967B2 - シリカガラス研削加工部材の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカガラス研削加工部材の洗浄方法に係わり、特に超音波洗浄を用いるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカガラスは高純度であることから、半導体製造分野において、半導体ウェーハあるいは半導体デバイス用製造部材、治具などとして多く用いられている。半導体デバイスには高純度が要求されることから、これらの製造部材あるいは治具の表面近傍の純度は、特に重要であり、シリカガラス材の研削加工等の後に加工汚染を除去するために、洗浄が行なわれている。
【0003】
一般に、シリカガラス研削加工部材の洗浄方法として、ふっ化水素酸の水溶液で長時間エッチングしクリーン化することが行なわれている。また、特に表面の形状や寸法精度の要求が高い製品については、界面活性剤などを含む洗浄液による洗浄やシリカガラスを浸食しない酸(塩酸,硝酸)などを使用した洗浄が行なわれているが、研削加工により形成されたマイクロクラック内部に入込んだ汚れやシリカガラス基材に突き刺さった切屑、加工時の摩擦熱によってシリカガラス中に拡散した不純物などを完全に除去することは困難である。
【0004】
これらの汚れ、切屑あるいは加工時の摩擦熱によってシリカガラス中に拡散した不純物を除去するために、ふっ化水素酸等を使用して長時間エッチングする方法が行なわれているが、この方法は、次のような問題を有する。▲1▼マイクロクラック部分がエッチングにより広がり、それによりシリカガラス表面に白い模様が浮き上がる。▲2▼エッチングにより寸法、表面形状が変化する。▲3▼洗浄時間が長時間である。▲4▼環境負荷が大きいなどである。
【0005】
一方、界面活性剤などの洗浄液やシリカガラスを浸食しない酸による洗浄では、表面形状を維持することは可能であるが、完全な加工汚染除去は困難であり、製造部材、治具等として使用する際金属不純物汚染やパーティクル汚染を引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、被洗浄表面の形状変化なしに、加工汚染を短時間で除去できるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法が要望されていた。
【0007】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、被洗浄表面の形状変化なしに、加工汚染を短時間で除去できるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、シリカガラス研削加工部材の被洗浄面の表面からサブミクロンオーダの層をフッ化水素酸の水溶液を用いてエッチングし、しかる後、水素水による超音波洗浄を行なうことを特徴とするシリカガラス研削加工部材の洗浄方法が提供される。これにより、被洗浄表面の形状変化なしに、加工汚染を短時間で除去できるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法が実現される。特に、極めて薄いエッチングであるので、エッチングにより寸法、表面形状が変化することがない。
【0009】
好適な一例では、フッ化水素酸の水溶液の濃度は、2.5%〜5.0%である。これにより、表層のエッチング量を増加させなくとも加工汚染の完全な除去が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法の実施形態について説明する。
【0011】
本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法は、シリカガラス研削加工部材の被洗浄表面の極表層をエッチングするエッチング洗浄工程と、その後行なう水素水または超純水による超音波洗浄を行なう超音波洗浄工程からなる。
【0012】
上記エッチング洗浄工程では、前研削工程において、内表面をダイヤモンド粒径が800〜3000メッシュ(#)の研削ツールを具備したマシニングセンターで研削されたシリカガラス片(18mm×18mm×2mm)を用意し、このシリカガラス片を、例えば、ふっ化水素酸濃度が0.5%と低濃度のふっ化水素酸などのシリカ質を浸食する洗浄液で被洗浄表面の極表層のみをエッチングする。これにより、加工時の摩擦熱によってシリカガラス中に拡散した不純物が存在する汚染層は除去され、さらに、シリカガラス基材に突き刺さった切屑などを浮き上がらせることができる。エッチングされる被洗浄表面の極表層とは、例えば、表面からサブミクロンオーダの極めて薄い層である。極めて薄いエッチングであるので、エッチングにより寸法、表面形状が変化することがない。また、ふっ化水素酸は低濃度であるため、環境に負荷をかけない。
【0013】
超音波洗浄工程では、高純度の水素水もしくは超純水、好ましくは、高純度の水素水を用いて、エッチングされたシリカガラス片を超音波洗浄する。ここで、超純水を用いても、表層のエッチング量を増やすことで加工汚染を完全に除去できるが、高純度な水素水を用いれば、表層のエッチング量を増さなくとも加工汚染を完全に除去でき、好ましい。これにより、短時間で洗浄が行なえる。
【0014】
なお、エッチング洗浄工程と超音波洗浄工程の2工程の順番も重要であり、順序が逆では、十分な洗浄効果が得られない。
【0015】
上記のように本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法によれば、エッチング量を極微量とすることで、表面形状の変化を抑制しつつ、シリカガラス研削加工部材の被洗浄表面の形状変化なしに、加工汚染を短時間で完全に除去できる。
【0016】
【実施例】
(1)試験1
本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法を用いて、表1に示すような洗浄条件により、シリカガラス片の洗浄を行ない、洗浄後のFe不純物濃度を調べた。
【0017】
【表1】
【0018】
結果:図1に示す。
【0019】
図1からもわかるように、実施例1では、深さ約25μmにおけるFe濃度は約200ppbと極めて低い値であり、ふっ化水素酸洗浄後に水素水+超音波洗浄を行なうことによりふっ化水素酸が非常に低い濃度でも加工汚染を除去できることがわかった。また、実施例2では、深さ約25μmにおけるFe濃度は約450ppbと低い値であることがわかった。これに対して、比較例1は、深さ約30μmでもFe濃度は約1900ppbと極めて大きい値であることがわかった。
【0020】
(2)試験2
比較のため、表2に示すように本発明の範囲外の洗浄条件により、洗浄を行ない洗浄後のFe不純物濃度を調べた。
【0021】
【表2】
【0022】
結果:図2に示す。
【0023】
図2からもわかるように、水素水+超音波のみを行ない、エッチング洗浄を行なわない比較例2では、深さ約30μmで、Fe濃度は約13000ppbと著しく大きい値であることがわかった。また、これとは逆にふっ化水素酸(0.5%)洗浄のみを行ない、超音波洗浄を行なわない比較例3では、深さ約30μmで、Fe濃度は約2000ppbと極めて大きい値であることがわかった。さらに、両洗浄工程の順序を逆にした比較例4では、深さ約30μmで、Fe濃度は約2000ppbと極めて大きい値であることがわかった。これら比較例2〜4は、いずれも、試験1における実施例1の結果に比べて、Fe濃度が極めて大きいことがわかった。
【0024】
(3)試験3
試験1における実施例1と同様の洗浄工程を用い、ふっ化水素酸洗浄工程におけるふっ化水素酸濃度を変化させFe濃度を調べた。
【0025】
結果:図3に示す。
【0026】
図3からもわかるように、試験1におけるふっ化水素酸が0.5%の実施例1は、深さ約25μmにおけるFe濃度は約200ppbと極めて低い値であるが、ふっ化水素酸が2.5%および5%の実施例4および実施例5は、それぞれ約100ppb、約120ppbとさらに低いFe濃度であることがわかった。ふっ化水素酸濃度が1%である実施例3は、約240ppbで実施例1よりも高いFe濃度であることがわかった。
【0027】
(4)試験4
比較のため、試験1における比較例1と同様の洗浄工程を用い、ふっ化水素酸洗浄工程におけるふっ化水素酸濃度を変化させFe濃度を調べた。但し、ふっ化水素酸は、試験3に比べて10倍の濃度のものを使用した。
【0028】
結果:図4に示す。
【0029】
図4からもわかるように、ふっ化水素酸洗浄後、超音波洗浄を用いず、超純水のみの洗浄では、ふっ化水素酸濃度を大きくするに従ってFe濃度が小さくなることがわかった。比較例7、8はFe濃度を小さくすることができるが、高ふっ化水素酸濃度であり、環境に負荷がかかり好ましくない。
【0030】
(5)図5は、実施例1の走査電子顕微鏡2次電子像写真であるが、その被洗浄面は、図6に示す洗浄前の表面に比べて平坦であることがわかり、また、図7に示し極度にエッチングされた比較例7の被洗浄面に比べて、エッチング量が少なく平坦であることがわかる。このように、本発明の洗浄方法によれば、表面形状の変化を抑制しつつ、加工汚染の除去が可能であることが確認できた。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法によれば、被洗浄表面の形状変化なしに、加工汚染を短時間で除去できるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図2】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図3】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図4】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図5】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図6】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
【図7】本発明に係わるシリカガラス研削加工部材の洗浄方法における実施例の試験結果図。
Claims (2)
- シリカガラス研削加工部材の被洗浄面の表面からサブミクロンオーダの層をフッ化水素酸の水溶液を用いてエッチングし、しかる後、水素水による超音波洗浄を行なうことを特徴とするシリカガラス研削加工部材の洗浄方法。
- 請求項1に記載のシリカガラス研削加工部材の洗浄方法において、フッ化水素酸の水溶液の濃度は、2.5%〜5.0%であることを特徴とするシリカガラス研削加工部材の洗浄方法。
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