JP4028919B2 - 発光素子駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子駆動回路に関し、より特定的には、デジタル変調方式の光通信に用いられる発光素子の駆動回路に関し、さらに特定的には、温度変動等がある場合に光出力を安定化する駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信に用いられる発光素子としては、一般的には、レーザダイオードやLEDが挙げられる。これらの素子を利用して、注入する電流量に応じた光出力を取り出す直接変調方式は、比較的低コストで簡易に実現できるため、広く利用されている。
【0003】
ただし、これらの発光素子は、温度変動に対して光出力が変動する性質を有している。特に、レーザダイオードでは、そのしきい値電流とスロープ効率(発光効率)の両方が、一般に温度変動特性を持つ。そのため、温度変動がある場合に光出力を一定にする目的で、光出力を安定化する方式が一般に採用されている。例えば、Semiconductor Devices for optical communication(Springer−Verlag出版) p184に記載されたレーザダイオード駆動回路や、特開平9−64441号公報に記載されたレーザダイオード駆動回路は、光出力を一定に保つため、レーザダイオードの背面に光出力をモニタするためのフォトダイオードを備え、そのフォトダイオードの出力電流を基に、常時光出力が一定になるようにフィードバック制御を行っている。すなわち、これらの駆動回路では、モニタ用のフォトダイオードの出力の平均値に基づいて、レーザダイオードのバイアス電流がフィードバック制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、光通信の方式として、バースト信号を扱うケースが増えている。しかしながら、バースト信号は、そのマーク率(同一論理が出現する平均的な割合)が一定でないため、モニタ用フォトダイオードの出力の平均値によってバイアス電流を制御する方式では、光出力を一定に保つことができなくなる。そこで、モニタ用フォトダイオードの出力のピーク値を検出する必要がでてくるが、ピーク値を検出するためには、比較的高速なフォトダイオードを必要とする。高速なフォトダイオードは、その受光面積が比較的小さいため、レーザダイオードの背面にモジュールとして組み込む工程では、一般には光軸合わせが必要になる。そのため、モジュールのコストがかさみ、また、モジュールの小型化にも限界があるという問題点がある。
【0005】
また、バースト信号を扱う場合、無信号期間には、駆動回路にて消費される電流を最小限にすることが望ましい。これを実現するため、例えば特開平7−154016号公報に記載された高速APC回路がある。この高速APC回路では、エミッタ結合型回路を利用してレーザダイオードに注入される電流を切り替える方式を採っている。すなわち、この高速APC回路は、エミッタ結合型回路に接続される電流源に利用されるトランジスタのベースにアナログスイッチを用い、信号の存在する期間はモニタ用フォトダイオードからの電流信号を基に電流源を制御するが、バーストの無信号期間にはアナログスイッチを切り替えて電流源に利用するトランジスタのベースエミッタ間電圧を0に設定することで、消費電流を極力減らすように構成されている。
【0006】
ただし、一般にはアナログスイッチは応答速度が限られ、高速で動作させることは困難である。そのため、上記高速APC回路のような構成では、切り替えた直後のバースト信号の1ビット目から正確に動作することが困難である。
【0007】
本発明の目的は、モニタ用フォトダイオードを用いることなく、温度変動による発光素子の光出力の変動を安定化させるこができる発光素子駆動回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、デジタル変調された電気信号に応答してスイッチング動作する発光素子を安定的に駆動するための発光素子駆動回路であって、
発光素子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、
電圧検出部の出力のピーク値を検出するピーク検出部と、
基準電圧を発生する基準電圧発生部と基準電圧発生部が発生する基準電圧とピーク検出部の出力との間の誤差を検出する誤差検出部とを含み、誤差検出部の出力信号に応じて、発光素子の駆動電流を制御する電流制御部とを備え
基準電圧発生部は、発光素子の光出力が一定に保たれている条件下で、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する
【0009】
上記第1の発明によれば、モニタ用フォトダイオードを用いずに光出力を安定化することができるため、低コストで信頼性の高い発光素子駆動回路が得られる。また、電流制御部は基準電圧発生部と誤差検出部とに分離されるので、異なる種類の発光素子を利用する場合に、基準電圧発生部のみを変更するだけで対応できるという利点が得られる。また、基準電圧発生部は、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従するような基準電圧を発生するため、広い温度範囲で一定の光出力が得られる。
【0014】
の発明は、第の発明において、
基準電圧発生部は、それぞれが固有の温度範囲において温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する複数の基準電圧発生源を含み、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力することを特徴とする。
【0015】
上記第の発明によれば、基準電圧発生部は、基準電圧発生源を複数備え、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力するようにしているので、一定の光出力を得るための端子間電圧特性が、温度範囲によって傾向が異なっていても柔軟に対応することができる。
【0016】
の発明は、第の発明において、
電流制御部は、発光素子の駆動電流の一部をバイパスさせることによって駆動電流を減少させる電流バイパス部をさらに含んでいる。
【0017】
上記第の発明によれば、電流制御部に電流バイパス部を設けることにより、消費電力の低減化が図れる。
【0018】
の発明は、第の発明において、
デジタル変調された電気信号は、バースト信号の形態で入力され、
バースト信号の有無を知らせる制御信号が準備され、
電流バイパス部は、制御信号によってバースト信号の無いことが通知されたときに、駆動電流のバイパスを行い、発光素子の駆動電流を減少させることを特徴とする。
【0019】
上記第の発明によれば、電流バイパス部は、バースト信号の有無を知らせる制御信号に応答して動作するため、バースト信号の無信号期間にのみ消費電力を低減させることが可能となる。
【0020】
の発明は、第1の発明において、
デジタル変調された電気信号は、バースト信号の形態で入力され、
ピーク検出部の充電時定数は、バースト信号の先頭における数ビット期間内に設定されていることを特徴とする。
【0021】
上記第の発明によれば、ピーク検出部の充電時定数がプリアンブル信号のビット数程度に設定されるので、長い休止後の通信の開始時における光出力の安定化がプリアンブル期間中に行われる。
【0022】
の発明は、第の発明において、
ピーク検出部の放電時定数は、バースト信号の無信号期間よりも十分に大きい値に設定されていることを特徴とする。
【0023】
上記第の発明によれば、ピーク検出部の放電時定数がバースト信号の周期に比較して十分に大きく設定されるので、一旦通信が開始されてバースト信号が一定周期で送信される場合には、2周期目以降のバースト信号では先頭ビットから安定した光出力が得られる。
【0024】
の発明は、デジタル変調された電気信号に応答してスイッチング動作する発光素子を安定的に駆動するための発光素子駆動回路であって、
発光素子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、
電圧検出部の出力の平均値を検出する平均値検出部と、
基準電圧を発生する基準電圧発生部と基準電圧発生部が発生する基準電圧と平均値検出部の出力との間の誤差を検出する誤差検出部とを含み、誤差検出部の出力信号に応じて、発光素子の駆動電流を制御する電流制御部とを備え
基準電圧発生部は、発光素子の光出力が一定に保たれている条件下で、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する
【0025】
上記第の発明によれば、モニタ用フォトダイオードを用いずに光出力を安定化することができるため、低コストで信頼性の高い発光素子駆動回路が得られる。また、電流制御部は基準電圧発生部と誤差検出部とに分離されるので、異なる種類の発光素子を利用する場合に、基準電圧発生部のみを変更するだけで対応できるという利点が得られる。また、基準電圧発生部は、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従するような基準電圧を発生するため、広い温度範囲で一定の光出力が得られる。
【0030】
の発明は、第の発明において、
基準電圧発生部は、それぞれが固有の温度範囲において温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する複数の基準電圧発生源を含み、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力することを特徴とする。
【0031】
上記第の発明によれば、基準電圧発生部は、基準電圧発生源を複数備え、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力するようにしているので、一定の光出力を得るための端子間電圧特性が、温度範囲によって傾向が異なっていても柔軟に対応することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。図1において、差動入力端子10aおよび10bには、デジタル変調され、かつ相互に極性が反転した電気信号が入力される。すなわち、差動入力端子10aには正極性の電気信号が、差動入力端子10bには負極性の電気信号が入力される。差動入力端子10aおよび10bに入力される電気信号は、それぞれ、スイッチング用トランジスタ13および12のベースに与えられる。これらスイッチング用トランジスタ12および13のエミッタは、共通接続されて制御端子付きの可変電流源18を介して接地される。スイッチング用トランジスタ12のコレクタは、電源線に直接接続される。スイッチング用トランジスタ13のコレクタは、発光素子の一例のレーザダイオード11を介して電源線に接続される。なお、レーザダイオード11は、アノード側が電源線に、カソード側がスイッチング用トランジスタ13のコレクタに接続されている。
【0033】
また、レーザダイオード11のカソードは、レーザダイオード11の端子間電圧を検出する電圧検出部14に接続されている。電圧検出部14の出力は、ピーク検出部15に与えられ、そのピーク値が検出される。ピーク検出部15の出力は、誤差検出部16bの一方入力端に与えられる。誤差検出部16bの他方入力端には、基準電圧発生部16aが発生する基準電圧が与えられる。誤差検出部16bは、ピーク検出部15の出力と基準電圧発生部16aの出力との間の誤差を検出し、出力する。誤差検出部16bの出力は、可変電流源18の制御端子に与えられる。すなわち、基準電圧発生部16aおよび誤差検出部16bは、ピーク検出部15の出力を基に可変電流源18の設定電流を制御する電流制御部16を構成している。
【0034】
図2は、図1に示す電圧検出部14の内部構成の一例を示した回路図である。図2において、電圧検出部14は、レーザダイオード11のカソードが接続される入力端子20と、この入力端子20が接続されるエミッタフォロワ21と、エミッタフォロワ21の出力を受ける差動アンプ22と、差動アンプ22の出力を受けるエミッタフォロワ23と、エミッタフォロワ23の出力を受ける出力端子24とを備えている。
【0035】
図3は、図1に示すピーク検出部15の内部構成の一例を示した回路図である。図3において、ピーク検出部15は、入力端子30と、オペアンプ31と、ダイオード32と、コンデンサ33と、電界効果トランジスタ34と、出力端子35と、定電流源36とを備えている。入力端子30には、電圧検出部14の出力が与えられる。入力端子30からの入力は、オペアンプ31の正側入力端に与えられる。オペアンプ31の出力は、順方向接続されたダイオード32を介して、コンデンサ33の一方電極に与えられると共に、電界効果トランジスタ34のゲートに与えられる。コンデンサ33は、その他方電極が接地され、ピーク値保持回路を構成している。電界効果トランジスタ34は、定電流源36と協働して、ソースフォロワを構成している。このソースフォロワの出力は、オペアンプ31の負側入力端に与えられると共に、出力端子35に与えられる。
【0036】
図4は、図1に示す誤差検出部16bの内部構成の一例を示した回路図である。図4において、入力端子40には、基準電圧発生部16aの出力が与えられ、入力端子41には、ピーク検出部15の出力が与えられる。入力端子40からの入力は、抵抗45を介してオペアンプ42の正側入力端に与えられ、入力端子41からの入力は、抵抗46を介してオペアンプ42の負側入力端に与えられる。また、オペアンプ42の正側入力端には、抵抗48を介して電圧源43からオフセット電圧が印加されている。オペアンプ42の出力は、出力端子44に与えられると共に、帰還抵抗47を介してオペアンプ42の負側入力端にフィードバックされている。
【0037】
図5は、図1に示す可変電流源18の内部構成の一例を示した回路図である。図5において、可変電流源18は、制御入力端子50と、トランジスタ51と、負荷抵抗52と、定電流源54とを備えている。制御入力端子50には、誤差検出部16bの出力が制御電圧として与えられる。この制御入力端子50は、トランジスタ51のベースに接続される。トランジスタ51のエミッタは、負荷抵抗52を介して接地されている。トランジスタ51のコレクタは、スイッチング用トランジスタ12および13の各エミッタの共通接続点に接続される。また、トランジスタ51のコレクタには、定電流源54が接続される。このような構成において、トランジスタ51は、そのベースに印加された制御電圧に比例した電流を取り出す変動電流源を構成している。定電流源54にこのような変動電流源を並列に接続することによって、スイッチング用トランジスタ13かつ従ってレーザダイオード11に流れる電流量は、制御電圧に応じて制御されることになる。
【0038】
図6は、レーザダイオード11の光出力を一定にした場合の、周囲温度に対するレーザダイオード11のカソード−アノード端子間電圧を実測してプロットした図である。図6において、特性曲線61a,61b,61c,61dは、それぞれ、光ファイバで取り出したレーザダイオード11の出力が、1mW,2mW,3mW,4mWと一定時における、温度変化に対する端子間電圧の特性を示している。ここで、レーザダイオード11の端子間電圧をVLD、電流をILDとした場合、次式(1)の関係が成立する。
【数1】
Figure 0004028919
上式(1)において、Egはバンドギャップエネルギー、Rsは順方向の内部抵抗値、eは電荷量である。
【0039】
温度変化がある場合、レーザダイオード11の内部のバンドギャップエネルギーは、低温になるほど大きくなる。そのため、図6に示すように、低温域でのレーザダイオード11の端子間電圧は、若干上昇する傾向にある。一方、高温領域では、光出力を一定にするために必要となる電流量が増大するため、レーザダイオード11の内部抵抗Rsによる電位降下分が増大する。これによって、レーザダイオード11の端子間電圧が上昇する傾向が見られる。これらの効果により、全温度範囲にわたっては、図6に示すような傾向が生じる。
【0040】
図7は、図1に示す基準電圧発生部16aの構成の一例を示すブロック図である。図7において、基準電圧発生部16aは、低温域用電圧源70と、常温用電圧源71と、高温域用電圧源72と、アナログスイッチ73と、温度検出部74とを備えている。アナログスイッチ73は、低温域用電圧源70、常温用電圧源71、高温域用電圧源72が発生する基準電圧を選択的に切り替えて出力する。温度検出部74は、周囲温度を検出する。アナログスイッチ73は、温度検出部74の検出した温度範囲に応じて、低温域用電圧源70、常温用電圧源71、高温域用電圧源72の出力を選択的に切り替える。
【0041】
図8は、図7に示す低温域用電圧源70の構成の一例を示す回路図である。図8において、低温域用電圧源70は、サーミスタ81および抵抗82を直列接続した分圧回路によって構成されている。
【0042】
図9は、図8に示す低温域用電圧源70の出力電圧特性を示している。図9において、特性曲線91は、低温域における温度変化に対する低温域用電圧源70の出力電圧特性を示している。なお、図9では、制御対象とするレーザダイオード11の光出力が一定の場合における低温域での端子間電圧の特性61(図6参照)を併せて示している。
【0043】
図10は、図7に示す常温用電圧源71の構成の一例を示す回路図である。図10において、常温用電圧源71は、抵抗101および抵抗102を直列接続した分圧回路によって構成されている。
【0044】
図11は、図10に示す常温用電圧源71の出力電圧特性を示している。図11において、特性曲線111は、常温における温度変化に対する常温用電圧源71の出力電圧特性を示している。なお、図11では、制御対象とするレーザダイオード11の光出力が一定の場合における常温域での端子間電圧の特性61(図6参照)を併せて示している。
【0045】
図12は、図7に示す高温域用電圧源72の構成の一例を示す回路図である。図12において、高温域用電圧源72は、正特性サーミスタ121および抵抗122を直列接続した分圧回路によって構成されている。
【0046】
図13は、図12に示す高温域用電圧源72の出力電圧特性を示している。図13において、特性曲線131は、高温域における温度変化に対する高温域用電圧源72の出力電圧特性を示している。なお、図13では、制御対象とするレーザダイオード11の光出力が一定の場合における高温域での端子間電圧の特性61(図6参照)を併せて示している。
【0047】
図14は、図1に示す発光素子駆動回路の各部の電圧波形を示す図である。図14において、波形141および142は、それぞれ、差動入力端子10aおよび10bの入力電圧波形を示している。また、波形143は、レーザダイオード11のカソード端子における電位変化を示している。また、波形144は、電圧検出部14内の差動アンプ22(図2参照)の出力波形を示している。また、波形145は、ピーク検出部15の出力を示している。
【0048】
図15は、誤差検出部16bから出力される誤差電圧に対する可変電流源18の設定電流値の変化特性を示すグラフである。図15において、特性線151が、可変電流源18で設定される電流値の変化特性を示している。この特性線151では、誤差電圧がVrである場合に、設定される電流値はIrであるとしている。なお、このグラフにおいて、横軸に設定される誤差電圧は、入力端子40に印加される基準電圧発生部16aの出力電圧をV40とし、入力端子41に印加されるピーク検出部15の出力電圧をV41とし、誤差検出部16b内部のオフセット電圧をVrとした場合、次式(2)で示される。
(V40−V41)+Vr …(2)
【0049】
図16は、レーザダイオード11の注入電流に対する端子間電圧の変化特性を示すグラフである。図16において、特性線161が、レーザダイオード11の端子間電圧の変化特性を示している。この特性線161では、注入電流をIrとした場合に、端子間電圧V1が発生するとしている。
【0050】
以下に、第1の実施形態における動作を説明する。
まず、間欠的に発生するバースト信号が差動入力端子10a,10bへ入力されている状態で、ピーク検出部15の出力電圧(波形145)と基準電圧発生部16aの出力電圧とが等しくなるように、基準電圧発生部16aの出力が調整されている場合を考える。この場合、特性線151で示される誤差電圧に対する設定電流値の変化特性により、可変電流源18には、電流値Irで示される電流が流れる。この場合、差動入力端子10aに印加される信号が差動入力端子10bに印加される信号に対してハイレベル時には、スイッチング用トランジスタ12がオフ状態、スイッチング用トランジスタ13がオン状態になる。そのため、レーザダイオード11には、可変電流源18で設定される電流が流れ、レーザダイオード11は発光する。一方、差動入力端子10aに印加される信号が差動入力端子10bに対してローレベル時には、スイッチング用トランジスタ12がオン状態、スイッチング用トランジスタ13がオフ状態になる。そのため、レーザダイオード11には電流が流れなくなり、レーザダイオード11は消光する。
【0051】
レーザダイオード11に電流値Irの電流が流れる場合、レーザダイオード11の端子間には、特性線161で示すように、端子間電圧V1が発生する。電源電圧レベルをVccとすると、レーザダイオード11のカソード端子の電圧は、波形143で示すように(Vcc−V1)となる。この電圧は、エミッタフォロワ21により次段の差動アンプ22に伝えられる。差動アンプ22の出力波形は、波形144で示すように、位相を逆転させたパルス波形となる。ピーク検出部15の出力は、波形145で示すように、差動アンプ22の出力の最大値を検出し保持する。
【0052】
次に、例えば電源電圧の変動に起因して、レーザダイオード11の駆動電流が減少した場合を考える。この場合、特性線161で示されるレーザダイオード11の電流電圧特性から判るように、レーザダイオード11の駆動電流が電流値Irから減少すると、その端子間電圧も電圧値V1から減少する。応じて、差動アンプ22の出力のピーク値が小さくなる。その結果、ピーク検出部15の出力が、当初よりも低い電圧値となる。この場合、基準電圧発生部16aの出力に対してピーク検出部15の出力が下回ることになり、誤差検出部16bの出力は、電圧値Vrから増大することとなる。その結果、特性線151で示す特性より、レーザダイオード11への注入電流は増大することになる。
【0053】
また、逆に、レーザダイオード11の駆動電流が、定常状態の電流値Irから増大した場合は、その端子間電圧もV1から増大する。これにより、ピーク検出部15の出力は、当初よりも高い電圧値となる。その結果、誤差検出部16bの出力は、電圧値Vrよりも低い電圧値となり、レーザダイオード11への注入電流が減少することとなる。
【0054】
このように、第1の実施形態による回路構成では、レーザダイオード11の端子間電圧が、常に基準電圧発生部16aの出力に追従するように制御され、レーザダイオード11の駆動電流量がそれに従って決定されることが判る。
【0055】
従って、光出力が一定の場合のレーザダイオード11の端子間電圧を基に決定されるピーク検出部15の出力に、基準電圧発生部16aの出力を等しく設定することで、レーザダイオード11の光出力を一定にすることができる。
【0056】
基準電圧発生部16aは、図7に示すように、3つの電圧源70〜72を備えており、温度検出部74が検出する周囲温度の範囲に応じて、これら3つの電圧源70〜72を切り替えて使用するように構成されている。
【0057】
まず、低温域では、アナログスイッチ73によって低温域用電圧源70が選択されて用いられる。図6に示すように、光出力を一定とした場合の、温度変化に対するレーザダイオード11の端子間電圧は、低温になるほど上昇する。図8に示すように、低温域用電圧源70は、温度が低くなるほど抵抗値が上昇するサーミスタ81を用いて構成される。従って、低温域用電圧源70の出力電圧特性は、図9に特性曲線91として示すように、低温域でのレーザダイオード11の光出力一定時の端子間電圧特性61に近似することになる。この場合は、低温域での光出力をほぼ一定とすることのできる発光素子駆動回路を得ることができる。
【0058】
次に、常温域では、アナログスイッチ73によって常温用電圧源71が選択されて用いられる。図6に示すように、光出力を一定とした場合の、温度変化に対するレーザダイオード11の端子間電圧は、常温域では、ほぼフラットな状態となっている。図10に示すように、常温用電圧源71は、固定抵抗101および102を用いた定電圧源として構成される。従って、常温用電圧源71の出力電圧特性は、図11に特性曲線111として示すように、常温域でのレーザダイオード11の光出力一定時の端子間電圧特性61に近似することになる。この場合は、常温域での光出力をほぼ一定とすることのできる発光素子駆動回路を得ることができる。
【0059】
次に、高温域では、アナログスイッチ73によって高温域用電圧源72が選択されて用いられる。図6に示すように、光出力を一定とした場合の、温度変化に対するレーザダイオード11の端子間電圧は、高温になるほど上昇する。図12に示すように、高温域用電圧源72は、温度が高くなるほど抵抗値が上昇する正特性サーミスタ121を用いて構成される。従って、高温域用電圧源72の出力電圧特性は、図13に特性曲線131として示すように、高温域でのレーザダイオード11の光出力一定時の端子間電圧特性61に近似することになる。この場合は、高温域での光出力をほぼ一定とすることのできる発光素子駆動回路を得ることができる。
【0060】
上記のように、第1の実施形態によれば、低温域から高温域まで、広い温度範囲にわたって光出力をほぼ一定にする発光素子駆動回路を実現することができる。なお、光出力を一定とした場合の、温度変化に対するレーザダイオード11の端子間電圧の特性は、レーザダイオード11の内部構成、組成毎に異なるものである。従って、制御対象となるレーザダイオード11の種類毎に測定を行い、その特性を調べることが好ましい。また、上記第1の実施形態における基準電圧発生部16aは、低温域用電圧源70,常温用電圧源71,高温域用電圧源72が発生する基準電圧を切り替えて出力するようにしているが、レーザダイオード11を比較的安定した温度環境で使用する場合は、いずれか1つの電圧源のみを用いるようにしても良い。
【0061】
次に、ピーク検出部15における電圧保持用コンデンサ33の充放電時定数の好ましい設定例について説明する。
図17は、バースト信号伝送時におけるレーザダイオード11の光出力および端子間電圧と、ピーク検出部15の出力との関係を示す波形図である。図17において、波形171はレーザダイオード11の光出力を示し、波形172はレーザダイオード11の端子間電圧を示し、波形173は電圧検出部14によって位相反転された端子間電圧を示し、波形174はピーク検出部15の出力を示している。
【0062】
通信が開始されるまでに、相当長い期間にわたって無信号状態が継続した場合、ピーク検出部15の電圧保持用コンデンサ33に蓄積された電荷は、全て放電された状態となる。この状態では、ピーク検出部15は、本来出力する範囲の最小値を出力する。誤差検出部16bは、基準電圧発生部16aの出力とピーク検出部15の出力とを比較して可変電流源18への制御信号を決定するが、ピーク検出部15の出力が最小値であるため、誤差検出部16bは、レーザダイオード11の駆動電流を最大にするように動作する。そのため、バースト信号の先頭ビットにおいては、波形171に示すように、レーザダイオード11の光出力が、設定すべき出力レベルに対して大きくなる。この光出力に応じて、レーザダイオード11の端子間電圧(波形172)は、その振幅が大きくなる。また、電圧検出部14の出力も、波形173に示すように、先頭ビットにおいて、その振幅が大きくなる。ここで、ピーク検出部15における電圧保持用コンデンサ33の充電時定数は、バースト信号の先頭に用意される数ビットのプリアンブル期間程度に設定されている。すなわち、ピーク検出部15は、バースト信号の先頭の数ビット期間では、充電を継続して行う。そして、この図の例では、8ビット後にピーク検出部15から安定した出力が得られることになる。このピーク検出部15での充電に応じて、光出力(波形171)も8ビット後に安定した出力が得られることとなる。
【0063】
次に、通信が開始された場合には、周期的にバースト信号の伝送が行われることになる。この周期に比較して、ピーク検出部15における電圧保持用コンデンサ33の放電時定数は、十分大きくなるように設定されている。放電時定数をこのように大きく設定した場合、電圧保持用コンデンサ33に一旦保持された電圧は、引き続いて現れるバースト信号の区間においてもその値が保持されている。そのため、周期的に現れるバースト信号の先頭部においても、1ビット目から安定な光出力が得られることとなる。
【0064】
以上のように、第1の実施形態によれば、モニタ用フォトダイオードを用いることなく、光出力を広い温度範囲にわたって一定に保つことができるため、光モジュールのコスト削減と、小型化が図れる。また、制御対象となるレーザダイオード11の特性、すなわち、光出力を一定にした場合の温度変化に対する端子間電圧の特性に応じて、基準電圧発生部16aを構成するようにしているので、レーザダイオード11の種類が異なり、その特性が異なる場合にも、それぞれに応じた基準電圧を発生することができ、汎用的に対応可能な発光素子駆動回路を実現することができる。
【0065】
(第2の実施形態)
図18は、本発明の第2の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示した回路ブロック図である。図18において、本実施形態の発光素子駆動回路は、以下の点を除いて、図1の発光素子駆動回路と同様の構成であり、相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。本実施形態が図1の発光素子駆動回路と異なる点は、バースト制御入力端子180および電流バイパス部181を新たに加えた点と、図1の可変電流源18に代えて、可変電流源182を設けた点とである。
【0066】
電流バイパス部181は、バースト信号の無入力期間中に、レーザダイオード11に印加される電流を減らすように、可変電流源182を制御する。可変電流源182は、電流バイパス部181と協働して、バースト信号の有無により駆動電流値を変化させる。
【0067】
図19は、図18に示す電流バイパス部181および可変電流源182の内部構造の一例を示した回路図である。図19において、電流バイパス部181は、トランジスタ1811と、抵抗1812とを備えている。トランジスタ1811のベースには、バースト制御入力端子180が接続される。トランジスタ1811のエミッタは、抵抗1812を介して接地される。可変電流源182は、トランジスタ51と、負荷抵抗52と、定電流源54と、第1および第2のカレントミラー回路1821および1822とを備えている。制御入力端子50には、誤差検出部16の出力が制御電圧として与えられる。この制御入力端子50は、トランジスタ51のベースに接続される。トランジスタ51のエミッタは、負荷抵抗52を介して接地されている。トランジスタ51のコレクタには、定電流源54が接続される。また、トランジスタ51のコレクタは、第1のカレントミラー回路1821の入力端に接続される。第1のカレントミラー回路1821の出力端は、第2のカレントミラー回路1822の入力端に接続される。第2のカレントミラー回路1822の出力端は、スイッチング用トランジスタ12および13の各エミッタに接続される。なお、第2のカレントミラー回路1822は、レーザダイオード駆動側のトランジスタがn個並列に接続されて構成されている。
【0068】
図20は、+側の差動入力端子10aへの入力信号201と、バースト制御入力端子180に印加される信号202とを示している。バースト制御入力端子180に印加される信号202は、バースト信号が入力されている場合にはローレベルとなり、バースト信号が入力されていない場合にはハイレベルとなる信号である。
【0069】
以下には、第2の実施形態の動作を説明する。可変電流源182の制御入力端子50には、第1の実施形態で説明した動作原理により決定される制御信号が与えられる。この入力により、第1のカレントミラー回路1821には、電流i3が流れる。
【0070】
間欠的に発生するバースト信号が入力されている場合、バースト制御入力端子180に印加される信号202は、ローレベルとなる。この場合、電流バイパス部181では、トランジスタ1811がオフ状態となり、電流は流れない。すなわち、電流バイパス部181を流れる電流量i1は、0となる。第2のカレントミラー回路1822に流れ込む電流i2は、第1のカレントミラー回路1821から流れ出す電流i3から電流バイパス部181によってバイパスされる電流i1を差し引いた値となるが、この場合は、i1=0であるため、電流i2とi3は同じ値となる。そして、第2のカレントミラー回路1822により、i2のn倍の電流i4がレーザダイオード11に流れる。
【0071】
すなわち、可変電流源182の制御入力端子50に与えられる制御信号で決定される電流値i3に対して、レーザダイオード11に流れる電流i4は、次式(3)の関係を満たす。
i4=n・i3 …(3)
【0072】
次に、バースト信号が入力されていない場合、バースト制御入力端子180には、ハイレベルの信号202が印加される。この場合、電流バイパス部181の内部のトランジスタ1811のベース端子にハイレベル信号が印加されることにより、電流バイパス部181には、電流i1が流れる。第1のカレントミラー回路1821から流れ出る電流i3は一定であるため、i3からi1を引いた値の電流がi2となる。レーザダイオード11に流れる電流i4は、電流i2のn倍の値になるため、電流i4は、次式(4)で示す値となる。
i4=n・(i3−i1) …(4)
ここで、電流i1と電流i3とを、ほぼ同じ電流値になるように設定すると、電流i4の値がほぼ0となり、発光素子の駆動回路として、電流量の削減が可能となる。なお、バースト信号の1ビット目からの高速応答を可能とするためには、電流i4として微少な電流量は流しておくことが望ましい。そのため、電流i3を電流i1に対してわずかに大きくなるように設定することが好ましい。
【0073】
また、上記のnを大きくすることにより、レーザダイオード11の駆動電流として大電流を必要とする場合にも対応が可能となる。
なお、バースト信号が入力されていない場合に、誤差検出部16bからの制御信号が変動することが無いように、ピーク検出部15の放電時定数は、充分に大きく設定する必要がある。
【0074】
以上のように、第2の実施形態によれば、バースト信号が入力されている期間にのみレーザダイオード11に駆動電流を印加し、バースト信号の無入力期間には、電流バイパスを行うことで、その消費電力を削減することが可能となる。また、切り替えにアナログスイッチを使うことなく、電流値を削減可能であるため、バースト信号の先頭からの高速な応答を可能とする。
【0075】
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示す回路ブロック図ある。図21において、本実施形態の構成は、以下の点を除いて、図1に示す第1の実施形態と同様の構成であり、相当する部分には、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図1の電圧検出部14およびピーク検出部15に代えて、電圧検出部211および平均値検出部212を設けたことである。電圧検出部211は、オペアンプにより構成される。平均値検出部212は、ローパスフィルタにより構成される。電圧検出部211は、その入力端がレーザダイオード11のカソードに接続され、レーザダイオード11のカソード端子の電圧を検出する。平均値検出部212は、その入力端が電圧検出部211の出力端に接続され、電圧検出部211の出力の平均値を出力する。平均値検出部212を構成するローパスフィルタのカットオフ周波数は、伝送するビット列の持つ周波数成分に比較して十分に低く設定されているものとする。平均値検出部212の出力端は、誤差検出部16bの一方入力端に接続される。
【0076】
図22は、デジタル変調された電流信号をレーザダイオード11に注入して、レーザダイオード11の光出力を一定に設定した場合に、発光時のレーザダイオード11の端子間電圧221と、オフ時のレーザダイオード11の端子間電圧222との平均値223を、温度をパラメータとして記述したグラフである。
【0077】
図23は、デジタル変調された電流信号をレーザダイオード11に注入した場合の、レーザダイオード11の入出力波形を示す図である。なお、図23(a)は、レーザダイオード11への注入電流を示し、図23(b)は、レーザダイオード11の端子間電圧を示し、図23(c)は、レーザダイオード11の光出力を示している。
【0078】
次に、第3の実施形態の動作を説明する。なお、本実施形態が扱うデジタル変調された電気信号は、第1の実施形態と異なり、バースト信号の形態ではなく、連続的に入力されるものとする。レーザダイオード11に図23(a)に示すようなデジタル変調された電流を注入する場合、その光出力は、図23(c)に示す通りとなる。この場合、レーザダイオード11の端子間電圧としては、発光時にはハイレベルとなり、消光時にはローレベルとなる(ただし、残留キャリアの影響で、ある程度の電圧が発生している)、図23(b)に示すような波形が得られる。
【0079】
図23(c)に示す光出力を一定に保った場合の、図23(b)に示す電圧波形のハイレベルとローレベルの電圧の温度変動特性を示したグラフが、図22の発光時端子間電圧221と消光時端子間電圧222である。そして、この2つの特性の平均値の値として平均値223が規定される。すなわち、平均値223に示される電圧特性に、レーザダイオード11の端子間電圧の平均値を合わせることができれば、温度変動がある場合にも光出力は一定にできることが判る。
【0080】
図21に示す発光素子駆動回路において、エミッタが共通に接続されたスイッチング用トランジスタ12,13により、差動入力信号の値に従い電流が切り替えられ、レーザダイオード11にデジタル変調された電流が注入される。これにより、レーザダイオード11のアノード−カソード間に電圧が発生する。アノードは、電源線に接続され、固定の電圧が印加されるので、カソード側に端子間電圧が現れることとなる。
【0081】
レーザダイオード11のカソードには、オペアンプで構成される電圧検出部211が接続される。電圧検出部211の出力は、ローパスフィルタで構成される平均値検出部212に与えられる。ここで、電圧検出部211を構成するオペアンプは、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いという性質を有している。すなわち、電圧検出部211は、レーザダイオード11の端子間電圧を検出して平均値検出212に伝達すると共に、バッファとしての役目も果たしている。これによって、レーザダイオード11のカソード電位は、電圧検出部211の後段の回路要素からの影響を受けない。そのため、電圧検出部211の後段の回路要素がレーザダイオード11の高速スイッチングを阻害することがなくなる。平均値検出部212からは、レーザダイオード11の端子間電圧の平均値が出力される。
【0082】
基準電圧発生部16aの出力として、図22の平均値223に示す電圧に相当する電圧を発生させる。平均値検出部212の出力と、基準電圧発生部16aの出力との間の誤差を誤差検出部16bにて検出し、その結果を可変電流源18の制御入力に与えることで、可変電流源18の設定電流を制御する。すなわち、平均値検出部212の出力電圧が、基準電圧発生部16aが生成する電圧に比較して低い場合は、可変電流源18の設定電流を増大させるように制御し、逆に、平均値検出部212の出力電圧が、基準電圧発生部16aが生成する電圧に比較して高い場合には、可変電流源18の設定電流を減少さるように制御する。このようにすることで、温度変動がある場合にも、常にレーザダイオード11からの光出力を一定に保つことが可能となる。
【0083】
なお、以上説明した第1〜第3の実施形態では、発光素子としてレーザダイオードを用いたが、これに代えて他の発光素子を用いても良い。他の発光素子として、例えばLEDを用いた場合、レーザダイオードに比べてスイッチング速度は落ちるが、装置コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示す電圧検出部の内部構成の一例を示した回路図である。
【図3】図1に示すピーク検出部の内部構成の一例を示した回路図である。
【図4】図1に示す誤差検出部の内部構成の一例を示した回路図である。
【図5】図1に示す可変電流源の内部構成の一例を示した回路図である。
【図6】レーザダイオードの光出力を一定にした場合の、周囲温度に対するレーザダイオードのカソード−アノード端子間電圧を実測してプロットした図である。
【図7】図1に示す基準電圧発生部の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】図7に示す低温域用電圧源の構成の一例を示す回路図である。
【図9】図8に示す低温域用電圧源の出力電圧特性を示している。
【図10】図7に示す常温用電圧源の構成の一例を示す回路図である。
【図11】図10に示す常温用電圧源の出力電圧特性を示している。
【図12】図7に示す高温域用電圧源の構成の一例を示す回路図である。
【図13】図12に示す高温域用電圧源の出力電圧特性を示している。
【図14】図1に示す発光素子駆動回路の各部の電圧波形を示す図である。
【図15】誤差検出部から出力される誤差電圧に対する可変電流源の設定電流値の変化特性を示すグラフである。
【図16】レーザダイオードの注入電流に対する端子間電圧の変化特性を示すグラフである。
【図17】バースト信号伝送時におけるレーザダイオードの光出力および端子間電圧と、ピーク検出部の出力との関係を示す波形図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示した回路ブロック図である。
【図19】図18に示す電流バイパス部および可変電流源の内部構造の一例を示した回路図である。
【図20】+側の差動入力端子への入力信号と、バースト制御入力端子に印加される信号との波形を示す波形図である。
【図21】本発明の第3の実施形態に係る発光素子駆動回路の構成を示す回路ブロック図ある。
【図22】デジタル変調された電流信号をレーザダイオードに注入して、レーザダイオードの光出力を一定に設定した場合に、発光時のレーザダイオードの端子間電圧と、オフ時のレーザダイオードの端子間電圧との平均値を、温度をパラメータとして記述したグラフである。
【図23】デジタル変調された電流信号をレーザダイオードに注入した場合の、レーザダイオードの入出力波形を示す図である。
【符号の説明】
11…レーザダイオード
12,13…スイッチング用トランジスタ
14…電圧検出部
15…ピーク検出部
16a…基準電圧発生部
16b…誤差検出部
16…電流制御部
18…可変電流源
21,23…エミッタフォロワ
22…差動アンプ
70…低温域用電圧源
71…常温用電圧源
72…高温域用電圧源
73…アナログスイッチ
74…温度検出部
181…電流バイパス部
182…可変電流源
211…電圧検出部
212…平均値検出部

Claims (8)

  1. デジタル変調された電気信号に応答してスイッチング動作する発光素子を安定的に駆動するための発光素子駆動回路であって、
    前記発光素子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部の出力のピーク値を検出するピーク検出部と、
    基準電圧を発生する基準電圧発生部と前記基準電圧発生部が発生する基準電圧と前記ピーク検出部の出力との間の誤差を検出する誤差検出部とを含み、前記誤差検出部の出力信号に応じて、前記発光素子の駆動電流を制御する電流制御部とを備え
    前記基準電圧発生部は、前記発光素子の光出力が一定に保たれている条件下で、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生することを特徴とする、発光素子駆動回路。
  2. 前記基準電圧発生部は、それぞれが固有の温度範囲において温度変化に対する前記発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する複数の基準電圧発生源を含み、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力することを特徴とする、請求項に記載の発光素子駆動回路。
  3. 前記電流制御部は、前記発光素子の駆動電流の一部をバイパスさせることによって駆動電流を減少させる電流バイパス部をさらに含む、請求項に記載の発光素子駆動回路。
  4. 前記デジタル変調された電気信号は、バースト信号の形態で入力され、
    前記バースト信号の有無を知らせる制御信号が準備され、
    前記電流バイパス部は、前記制御信号によって前記バースト信号の無いことが通知されたときに、駆動電流のバイパスを行い、前記発光素子の駆動電流を減少させることを特徴とする、請求項に記載の発光素子駆動回路。
  5. 前記デジタル変調された電気信号は、バースト信号の形態で入力され、
    前記ピーク検出部の充電時定数は、前記バースト信号の先頭における数ビット期間内に設定されている、請求項1に記載の発光素子駆動回路。
  6. 前記ピーク検出部の放電時定数は、前記バースト信号の無信号期間よりも十分に大きい値に設定されている、請求項に記載の発光素子駆動回路。
  7. デジタル変調された電気信号に応答してスイッチング動作する発光素子を安定的に駆動するための発光素子駆動回路であって、
    前記発光素子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部の出力の平均値を検出する平均値検出部と、
    基準電圧を発生する基準電圧発生部と前記基準電圧発生部が発生する基準電圧と前記平均値検出部の出力との間の誤差を検出する誤差検出部とを含み、前記誤差検出部の出力信号に応じて、前記発光素子の駆動電流を制御する電流制御部とを備え
    前記基準電圧発生部は、前記発光素子の光出力が一定に保たれている条件下で、温度変化に対する発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生することを特徴とする、発光素子駆動回路。
  8. 前記基準電圧発生部は、それぞれが固有の温度範囲において温度変化に対する前記発光素子の端子間電圧の変化に追従する基準電圧を発生する複数の基準電圧発生源を含み、周囲温度の変化に応じて、各基準電圧発生源が発生する基準電圧を切り替えて出力することを特徴とする、請求項に記載の発光素子駆動回路。
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