JP4028877B2 - 竹材の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、造園、建築および工芸等に用いられる竹材の処理方法に関するものである。
従来より、造園、建築および工芸などの材料として竹材が広く利用されている。この場合、竹材は、切り出した後、時間経過に伴って退色や表面の劣化等が進行するため、切り出したものをそのまま用いるのは、美観を損ねたり、耐久性の上で問題が生じたりすることがあり好ましくない。このため、竹材を上記のような材料として用いるときには、竹材に対して「晒し処理」を施すのが一般的である。竹材に対してこの種の処理を施す方法として、特開2000−334708号公報に開示された竹の油抜き方法(以下、単に「油抜き方法」ともいう)が知られている。この油抜き方法では、塩基性化合物を0.01〜1重量%、界面活性剤を0.01〜1重量%それぞれ含有する塩基性水溶液を70〜100℃前後に加熱させ、この塩基性水溶液に竹材を所定時間侵漬させて竹材を処理する。この場合、この油抜き方法では、塩基性化合物として、水酸化ナトリウムが用いられているる。
特開2000−334708号公報(第3頁)
ところが、上記の油抜き方法には、以下の問題点がある。すなわち、この油抜き方法では、塩基性化合物として、pHが高い(pHの値が大きい)水酸化ナトリウムを用いている。このため、竹材を処理した後の塩基性水溶液(廃液)もそのpHが高いため、廃液の処理が困難であるという問題点が存在する。この場合、水酸化ナトリウムの含有量を減らしてpHを低く(pHの値を小さく)抑えたり、水酸化ナトリウムを加えていない(界面活性剤だけを含む)処理液を用いる処理方法も考えられるが、この処理方法では、上記の油抜き方法と同様の処理効果を得るためには、加熱時間(処理時間)を長くする必要があり、処理効率が低下する。したがって、この処理方法を採用するのは困難である。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、処理効率を低下させることなく廃液処理に関する不都合を解消し得る竹材の処理方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の竹材の処理方法は、炭酸水素ナトリウム、油脂および水を混合して所定温度に加熱した処理液に竹材を浸し、その状態を所定時間維持して前記竹材に対して晒し処理を行う。
請求項2記載の竹材の処理方法は、請求項1記載の竹材の処理方法において、前記炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内で、かつ前記油脂の含有率が前記炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように前記処理液を調整する。
請求項3記載の竹材の処理方法は、請求項1または2記載の竹材の処理方法において、前記所定温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定し、前記所定時間を15分以上45分以下の範囲内に規定する。
請求項4記載の竹材の処理方法は、請求項1から3のいずれかに記載の竹材の処理方法において、植物性油脂を前記油脂として用いる。
請求項1記載の竹材の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウム、油脂および水を混合して所定温度に加熱した処理液に竹材を浸し、その状態を所定時間維持して竹材に対して晒し処理を行うことにより、従来の処理方法で用いられている水酸化ナトリウムと比較して炭酸水素ナトリウムのpHが低いため、竹材を処理した後の処理液(廃液)を希釈や中和等の処理を行うことなく廃棄することができる。このため、処理液の廃棄に要する費用や時間を少なく抑えることができる。また、例えば、酸性の土壌にそのまま散布することで、土壌の改質剤として有効に利用することができる。また、例えば草木灰を用いた処理方法と比較して十分に短く、かつ水酸化ナトリウムを用いる従来の処理方法と同程度の処理時間で竹材を適度に晒し処理することができる。したがって、この竹材の処理方法によれば、処理効率を低下させることなく、廃液処理に関する不都合を確実に解消することができる。
また、請求項2記載の竹材の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内で、かつ油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように処理液を調整することにより、竹材に対する適度な晒し処理を十分に短い時間で行う機能を維持しつつ、使用後における処理液のpHを例えば土壌の改質剤としての使用に適したpHに維持することができる。
また、請求項3記載の竹材の処理方法によれば、処理液を加熱する所定温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定し、その処理液に竹材を浸した状態で維持する所定時間を15分以上45分以下の範囲内に規定することにより、晒し処理の不足によって竹材の表面に色むらが生じたり、過剰な晒し処理によって竹材の表面が劣化する事態を確実に防止することができる。
また、請求項4記載の竹材の処理方法によれば、植物性油脂を用いることにより、例えば、食品の加工等に使用した使用済みの植物性油脂や、食用としての消費期限が経過した植物性油脂を用いることで、費用を安く抑えることができ、しかも資源の有効利用を図ることができる。
以下、本発明に係る竹材の処理方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、処理装置1の構成について説明する。
図1に示す処理装置1は、本発明に係る竹材の処理方法(以下、単に「処理方法」ともいう)に従って竹材100に対して晒し処理を行う際に用いられる。ここで、晒し処理とは、竹材100に含まれている油分の一部を抜き取ったり表面に滲出させることにより、竹材100の表面に光沢を与えて美観を向上させたり、竹材100の耐久性を向上させたりする処理をいう。処理装置1は、同図および図2に示すように、処理容器2および加熱器3を備えて構成されている。処理容器2は、長さが180cm程度で直径が60cm程度の半円筒状の本体部11と、本体部11の胴部(使用時においては、この胴部が底部となる)に取り付けられた脚部12とを備えて構成されている。この場合、本体部11は、一例として、鉄板やステンレス板等の外部からの加熱に耐え得る材料を用いて、後述する処理液10を内部に貯留可能に構成されている。加熱器3は、例えばガスバーナーで構成されて、処理容器2の底部に対して加熱可能な位置に取り付けられる。
次に、本発明に係る処理方法に従い、処理装置1を用いて竹材100に対して晒し処理50を行う手順について、図3を参照して説明する。
まず、処理装置1の処理容器2に150〜200リットル程度の水を注入する(ステップ51)。次いで、加熱器3に着火して、処理容器2内の水を温度測定しつつ加熱する(ステップ52)。この場合、処理容器2内の水が均一に加熱されるように、例えば撹拌機4(図1参照)を用いて処理容器2内の水を適宜撹拌するのが好ましい。次いで、水の温度が所定温度(一例として80℃程度)に達した時点で、所定量の水に炭酸水素ナトリウム(NaHCO)を溶解させた水溶液と、所定量の油脂とを処理容器2内に投入して水と混合することにより(ステップ53)、晒し処理用の処理液10を作製する。この場合、処理液10における炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内となるように炭酸水素ナトリウムの量を調整するのが好ましい。また、処理液10における油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように油脂の量を調整するのが好ましい。さらに、炭酸水素ナトリウム水溶液および油脂を投入する際の水の温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定するのが好ましい。
ここで、処理液10の作製に用いる油脂としては、各種の植物性油脂を用いることができ、比較的安価かつ容易に入手可能な点で食用の植物性油脂が好ましい。また、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸の含有量が他の植物性油脂と比較して多い点で、大豆油がより好ましい。また、これらの油脂は、食品の加工等に使用した使用済みの油脂であってもよいし、食用としての消費期限を経過した油脂(以下、これらの油脂を「廃油」ともいう)であってもよく、廃油を用いることで、費用を安く抑えることができ、しかも資源の有効利用を図ることができる。次いで、処理容器2内に処理対象の竹材100を投入して処理液10に浸す(ステップ54)。この場合、竹材100の種類は特に限定されず、真竹、孟宗竹および篠竹等の各種の竹を処理対象とすることができる。ここで、近年では、人手不足等の理由から、利用されないまま放置されている竹林が数多く存在する。このため、これらの竹林の所有者から比較的容易に竹材100の伐採許可を得ることができ、竹材100を比較的容易に入手することができる。また、竹材100の伐採によって放置されている竹林が整備されることで、環境の保全に寄与することもできる。
続いて、処理液10の温度測定を行いつつ加熱器3の火力を調整して、処理液10の温度(この場合80℃程度)をほぼ一定に保ちつつ、その状態を所定時間(一例として30分間程度)維持する(ステップ55)。この際に、上記したように、撹拌機4を用いて処理容器2内の処理液10を適宜撹拌するのが好ましい。また、処理液10の温度をほぼ一定に保つ時間(竹材100を浸している時間)を15分以上45分以下の範囲内に規定するのが好ましい。続いて、30分が経過した時点で処理液10から竹材100を取り出す(ステップ56)。なお、処理液10の温度を80℃程度に維持する時間(竹材100を処理液10に浸す時間)は、上記の30分に限定されず、竹材100の表面の色の変化を観察して、その色の変化に応じて30分よりも短縮または延長するのが好ましい。次いで、処理液10から取り出した竹材100を水洗いした後に、竹材100に付着した水分を拭き取り(ステップ57)、その後乾燥する。以上により、竹材100に対する晒し処理が終了する。
ここで、この処理方法では、炭酸水素ナトリウムを含んだ処理液10を用いている。この場合、従来の処理方法で用いられている水酸化ナトリウムと比較して炭酸水素ナトリウムのpHが低いため、処理液10もそのpHが低い結果、竹材100を処理した後の処理液10(廃液)を希釈や中和等の処理を行うことなく廃棄することが可能となる。また、この処理方法では、後述するように、水酸化ナトリウムを用いる従来の処理方法と同程度の処理時間で竹材100を適度に晒し処理することが可能となる。したがって、この竹材の処理方法によれば、処理効率を低下させることなく、廃液処理に関する不都合を確実に解消することが可能となる。
なお、本発明に係る処理方法による効果を検証するために発明者は、次のような実験を行った。まず、上記した本発明に係る処理方法に従って竹材100を晒し処理する第1の実験を行った。この場合、第1の実験では、5リットルの水に420gの炭酸水素ナトリウムを溶解させた水溶液と、油脂1250gと、150リットルの水とを混合して処理液10とした。また、第1の実験では、混合する油脂として、消費期限が経過した大豆油を用いた。また、第1の実験、および後述する第2〜第4の実験では、1.8m程度の長さに切断した真竹を処理対象の竹材100とし、竹材100を投入する際の処理液10(第2〜第4の実験においては、後述する処理液20〜40)の温度を80℃に規定した。また、第1〜第4の実験では、処理液10〜40に竹材100を投入した時点からの竹材100の表面における色の変化を目視で観察した。この場合、色の変化が目視可能な最小限の状態を0.3とし、色の変化が表面全体に亘って均一ではなく色むらが生じている状態を0.7とし、色の変化が表面全体に亘って均一(またはほぼ均一)の状態を1として、色の変化を数値化して(以下、数値化した色の変化を「晒し達成度」ともいう)記録した。さらに、第1〜第4の実験では、使用後における処理液10〜40(廃液)のpHを測定した。
次いで、第1の実験に対する比較例として、処理液10に代えて、水酸化ナトリウムを含む処理液20を用いて竹材100を晒し処理する第2の実験を行った。この場合、100リットルの水と100gの水酸化ナトリウムとを混合して(溶解させて)処理液20とした。続いて、第1の実験に対する他の比較例として、処理液10に代えて、石鹸を含む処理液30を用いて竹材100を晒し処理する第3の実験を行った。この場合、150リットルの水と300gのアルカリ石鹸(一例としてナトリウム石鹸)とを混合して処理液30とし、竹材100の投入後17分を経過した時点で300gのアルカリ石鹸をさらに追加して混合した。続いて、第1の実験に対するさらに他の比較例として、処理液10に代えて、草木灰を含む処理液40を用いて竹材100を晒し処理する第4の実験を行った。この場合、150リットルの水と500gの草木灰とを混合して処理液とし、竹材100の投入後10分を経過した時点、および20分を経過した時点でそれぞれ500gの草木灰をさらに追加して混合した。
以上の第1〜第4の実験の結果を図3,4に示す。この場合、図3に示すように、第1の実験では、竹材100を処理液10に投入した時点から晒し達成度が1に達するまでに要した時間が、35分であった。一方、同図に示すように、第2〜第4の実験では、竹材100を処理液20,30,40に投入した時点から晒し達成度が1に達するまでに要した時間が、それぞれ30分、25分および80分であった。また、図4に示すように、第1の実験では、使用後(処理後)における処理液10のpHが7.7であった。一方、同図に示すように、第2〜第4の実験では、使用後における処理液20〜40のpHは、それぞれ14.0、9.0および9.3であった。
この結果から、第1の実験で行った処理方法、つまり炭酸水素ナトリウム、油脂および水を混合した処理液10を所定温度に加熱して竹材100を浸し、その状態を所定時間維持して竹材100に対して晒し処理を行う処理方法では、第2の実験で行った処理方法、つまり水酸化ナトリウムを含む処理液20を用いる従来の処理方法や、第3の実験で行った処理方法、つまり石鹸を含む処理液30を用いる処理方法と同程度の時間で、かつ第4の実験で行った処理方法、つまり草木灰を含む処理液40を用いる処理方法と比較して十分に短い処理時間で竹材100を適度に晒し処理できるのが明らかである。また、使用後における処理液10のpHが、使用後における処理液20〜40のpHと比較して十分に低いのが明らかである。
また、発明者は、炭酸水素ナトリウムの含有率、および油脂の含有率の好ましい範囲を明らかにするために、処理液10における炭酸水素ナトリウムおよび油脂の含有率を変化させて晒し処理を行い、その際の竹材100の状態を観察した。その結果、処理液10における炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%未満のときには、適度な晒し処理を行うのに必要な時間が長くなり、炭酸水素ナトリウムの含有率が0.4重量%を超えるときには、晒し処理(脱脂)が急速に進行し過ぎて竹材100の表面に色むらが生じたり表面が劣化したりすることが明らかとなった。また、油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍未満のときには、竹材100に対する晒し処理が不十分となり、油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の4倍を超えるときには、油脂が過剰となって竹材100に付着することが明らかとなった。さらに、処理液10における炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内で、かつ油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内のときには、水酸化ナトリウムを含む処理液20を用いる処理方法と同程度の時間で適度な晒し処理が完了し、かつ使用後における処理液10のpHが7.2以上〜8.2以下の範囲内となることが明らかとなった。
また、発明者は、竹材100を投入する際の処理液10の温度およびその温度を維持する時間(晒し処理の時間)の好ましい範囲を明らかにするために、処理液10の温度およびその温度を維持する時間を変化させて晒し処理を行い、その際の竹材100の状態を観察した。その結果、処理液10の温度が70℃未満のときには、適度な晒し処理を行うのに必要な時間が長くなり、処理液10の温度が90℃を超えるときには、晒し処理が過剰となって表面が劣化することが明らかとなった。また、晒し処理の時間が15分未満のときには、晒し処理の不足によって竹材100の表面に色むらが生じ、晒し処理の時間が45分を超えるときには、晒し処理が過剰となって竹材100の表面が劣化することが明らかとなった。さらに、処理液10の温度が70℃以上90℃以下の範囲内で、その温度を維持する時間(晒し処理の時間)が15分以上45分以下の範囲内のときには、竹材100の表面に劣化の無い状態で表面全体に亘ってほぼ均一に色が変化することが明らかとなった。
この場合、pHが8.7を超えるようなpHの高い液体をそのまま廃棄するのは好ましくないため、第2の実験で用いた処理液20、第3の実験で用いた処理液30、および第4の実験で用いた処理液40を廃棄する際には、これらの処理液20〜40に対して希釈や中和等の処理を行うことが必要となる。一方、第1の実験、つまり本発明に係る処理方法で用いた処理液10は、そのpHが低いため、そのまま廃棄することが可能であることに加えて、酸性の土壌に散布することで、土壌の改質剤として有効に利用することができる。ここで、pHの低い炭酸水素ナトリウムを用いても竹材100を短時間で適度に晒し処理できるのは、次のような理由によるもの考えられる。すなわち、炭酸水素ナトリウムと油脂とを混合して加熱することで両者が反応(?化)して石鹸成分が生成され、この石鹸成分の界面活性作用によって竹材100に含まれている油分が水中に分散し、これによって竹材100中の油分が抜かれて晒し処理が行われるものと考えられる。また、不飽和脂肪酸の含有量が多い大豆油を用いているため、炭酸水素ナトリウムと大豆油とが?化する際に、水分子との親和性が高い石鹸成分が生成される結果、晒し処理が効率的に行われるものと考えられる。
このように、この竹材の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウム、油脂および水を混合して所定温度に加熱した処理液10に竹材100を浸し、その状態を所定時間維持して竹材100に対して晒し処理を行うことにより、従来の処理方法で用いられている水酸化ナトリウムと比較して炭酸水素ナトリウムのpHが低いため、竹材100を処理した後の処理液10(廃液)を希釈や中和等の処理を行うことなく廃棄することができる。このため、処理液10の廃棄に要する費用や時間を少なく抑えることができる。また、例えば、酸性の土壌にそのまま散布することで、土壌の改質剤として有効に利用することができる。また、草木灰を用いた処理方法と比較して十分に短く、かつ水酸化ナトリウムを用いる従来の処理方法と同程度の処理時間で竹材100を適度に晒し処理することができる。したがって、この竹材の処理方法によれば、処理効率を低下させることなく、廃液処理に関する不都合を確実に解消することができる。
また、この竹材の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内で、かつ油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように処理液10を調整することにより、竹材100に対する適度な晒し処理を十分に短い時間で行う機能を維持しつつ、使用後における処理液10(廃液)のpHを例えば土壌の改質剤としての使用に適したpHに維持することができる。
また、この竹材の処理方法によれば、加熱後維持する処理液10の温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定し、その処理液10に竹材100を浸した状態で維持する時間を15分以上45分以下の範囲内に規定することにより、晒し処理の不足によって竹材100の表面に色むらが生じたり、過剰な晒し処理によって竹材100の表面が劣化する事態を確実に防止することができる。
また、この竹材の処理方法によれば、植物性油脂を用いることにより、例えば、食品の加工等に使用した使用済みの植物性油脂、および食用としての消費期限が経過した植物性油脂を用いることで、費用を安く抑えることができ、しかも資源の有効利用を図ることができる。
なお、本発明は、上記した内容に限定されない。例えば、晒し処理に用いる装置の構成は上記の処理装置1に限定されず、竹材100の長さや、一度に処理する竹材100の量に応じて、筒状の容器や鍋状の容器などを処理容器2に代えて用いることができる。また、加熱器3に代えて、薪や炭などを用いてこれらの容器(処理液10)を加熱する構成を採用することもできる。また、加熱した水に炭酸水素ナトリウムの水溶液および油脂を投入して混合する例について上記したが、加熱前(常温)の水に炭酸水素ナトリウムおよび油脂を投入して混合して処理液10を作製し、その処理液10を処理容器2に注入して加熱する方法を採用することもできる。この場合、加熱前の処理液10に竹材100を浸して、その後に処理液10を加熱する方法を採用することもできる。
また、上記の処理方法では、処理液10における炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内となるように炭酸水素ナトリウムの量を調整すると共に、処理液10における油脂の含有率が炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように油脂の量を調整しているが、竹材100に含まれている油分の量、および竹材100の太さや厚み、つまり竹材100の種類に応じて炭酸水素ナトリウムの量や油脂の量を上記以外の量に調製することで、適度な晒し処理を短時間で行うことができる。さらに、上記の処理方法では、晒し処理における処理液10の温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定し、晒し処理の時間を15分以上45分以下の範囲内に規定しているが、この温度および晒し処理の時間についても、竹材100の種類や一度に処理する竹材100の量に応じて適宜調整することで、晒し処理の不足によって竹材100の表面に色むらが生じたり、過剰な晒し処理によって表面が劣化する事態を確実に防止することができる。また、植物性油脂を用いる例について上記したが、動物性油脂を用いることもでき、植物性油脂および動物性油脂の双方を用いることもできる。
処理装置1の正面図である。 処理装置1の側面図である。 晒し処理50のフローチャートである。 第1〜第4の実験における晒し達成度と時間との関係を示す関係図である。 第1〜第4の実験における使用済みの処理液10〜40のpH測定結果を示す測定結果図である。
符号の説明
1 処理装置
2 処理容器
3 加熱器
10 処理液
100 竹材

Claims (4)

  1. 炭酸水素ナトリウム、油脂および水を混合して所定温度に加熱した処理液に竹材を浸し、その状態を所定時間維持して前記竹材に対して晒し処理を行う竹材の処理方法。
  2. 前記炭酸水素ナトリウムの含有率が0.1重量%以上0.4重量%以下の範囲内で、かつ前記油脂の含有率が前記炭酸水素ナトリウムの含有率の2倍以上4倍以下の範囲内となるように前記処理液を調整する請求項1記載の竹材の処理方法。
  3. 前記所定温度を70℃以上90℃以下の範囲内に規定し、前記所定時間を15分以上45分以下の範囲内に規定する請求項1または2記載の竹材の処理方法。
  4. 植物性油脂を前記油脂として用いる請求項1から3のいずれかに記載の竹材の処理方法。
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