JP4028103B2 - 円筒状ガラス内壁エッチング装置 - Google Patents
円筒状ガラス内壁エッチング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4028103B2 JP4028103B2 JP28834598A JP28834598A JP4028103B2 JP 4028103 B2 JP4028103 B2 JP 4028103B2 JP 28834598 A JP28834598 A JP 28834598A JP 28834598 A JP28834598 A JP 28834598A JP 4028103 B2 JP4028103 B2 JP 4028103B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- etching
- hole
- tray
- wall
- etchant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C15/00—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
- C03C25/66—Chemical treatment, e.g. leaching, acid or alkali treatment
- C03C25/68—Chemical treatment, e.g. leaching, acid or alkali treatment by etching
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Gyroscopes (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Lasers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗加工された円筒状ガラス内壁の仕上げ処理をするエッチング装置に関し、特にリングレーザジャイロ(RLG)ブロック内部の太管の内壁を透明化するのに適した円筒状ガラス内壁エッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス製品には、加熱し溶融したガラスを型に流し込み、冷却させて成型できるものも多い。しかし、RLGブロックは、ガラス成型品ではあるが、温度変化に伴う寸法の変動を小さく抑える必要があので、その材料には熱膨張率の極めて小さい特殊なガラスを用いている。このような特殊材料のガラスでなるRLGブロックは、溶融ガラスを型へ流し込む方法では成型できず、超音波ドリル加工により成型している。
【0003】
超音波ドリル加工では、ダイヤモンドの先端を持つドリルを超音波で振動させながらガラスを破砕することによりガラスを加工する。この加工法では、RLGブロックに必要な各種サイズの円筒形の穴を成型できる。しかし、超音波ドリル加工法はガラスを機械的に破砕する加工方法である。そこで、超音波ドリル加工法による仕上がり表面は、粗く、微小な凹凸やクラックがある曇りガラス状を呈し、透明な表面に比べ大きい表面積を有し、ひいてはガスを吸着し易く、RLGにとって好ましくない。
【0004】
そこで、この超音波ドリル加工法で加工した円筒状穴の内壁表面が透明になるまで該表面を滑らかに仕上げるための処理、すなわちガラス体の円筒状穴の内壁透明化処理が従来から行われている。RLGブロック等のガラス体における円筒状穴の従来の内壁透明化処理は砥粒研磨で行っていた。砥粒研磨では、砥粒で懸濁させた水(懸濁水)を被研磨円筒状穴へ連続的に流し込みながら、研磨パッドの巻き付けられたシャフト軸をその円筒状穴へ挿入し、そのシャフト軸を回転させる。研磨パッドの弾性と回転による遠心力とにより砥粒は被研磨面、すなわち円筒状穴の内壁、に押し付けられ、この押し付け圧力により砥粒は被研磨面を研磨する。研磨パッドは通常不織布でなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の砥粒研磨では、砥粒を被研磨面へ押し付けるために、研磨パッドは被研磨の円筒状穴の内壁に密着するように挿入される。このように状態で研磨を継続していると、研磨パッドの摩耗および弾性の低下並びに研磨による円筒状穴の径の増大により、砥粒を円筒状穴の内壁へ押し付ける圧力が次第に低下し、研磨効率が低下し、その研磨の途中に研磨パッドの交換を要することが多い。このようなこともあり、砥粒研磨によるRLGブロックの円筒状穴の研磨は、3〜4時間というかなり長い時間を要し、研磨効率が低い。
【0006】
また、シャフト軸へ研磨パッドを巻き付けるときの、研磨パッドの締付の程度、その他の研磨パッドの巻き付け状態により、研磨効率が著しく相違し、RLGブロックの円筒状穴の研磨時間が一定せず、研磨による円筒状穴の径の変化を研磨工程の途中で検査する必要を生ずることがある。
【0007】
このように、砥粒研磨によるガラス体の円筒状穴の透明化処理には、研磨効率が低く、また不安定であるという欠点があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、RLGブロック等のガラス体における円筒状穴の内壁を効率よく、しかも安定に透明化する装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0010】
(1)ガラス体に形成された円筒状の穴の内壁をエッチング液で処理し、該穴の内壁を透明に仕上げる装置において、
前記穴の開口を下側に位置させ、該穴の軸を垂直に向けて該ガラス体を保持し、該ガラス体を該軸を中心に回転させるガラス体回転手段と、
エッチング液に侵されない材料でなる毛を柱状の軸体の外周に植えてなり、前記軸体の軸心を垂直に向けて該軸体の下部で保持され、上部から前記穴に同軸に挿入され、該軸体には前記エッチング液が下部から上端へ向けて流される流路が形成されており、該流路の上端がエッチング液噴出口をなすエッチングヘッドと、
前記エッチング液噴出口から噴出し前記穴の内壁及び前記エッチングヘッドを伝って垂れた前記エッチング液を受けて溜めるとともに、前記軸体の下部に連結されて該軸体を垂直に保持するトレイと、
前記トレイが載置され、該トレイに保持された前記軸体の軸心を前記穴の軸に一致させるように該トレイの水平面内位置を調整するとともに、前記軸体の軸心を前記穴の軸に一致するように前記トレイの水平面内位置が調整されたとき、前記トレイを上方へ移動することにより前記エッチングヘッドを前記開口から前記穴に挿入し、または前記エッチングヘッドが前記穴に挿入されているとき、前記トレイを下方に下げることにより該エッチングヘッドを該穴から離脱させるトレイ位置調整手段と、
前記流路に前記エッチング液を送り込むエッチング液供給手段と
を備えることを特徴とする円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0011】
▲2▼前記トレイ位置調整手段は、前記トレイの水平面内振動を吸収するバネで該トレイを水平面内で保持していることを特徴とする前記▲1▼に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0012】
▲3▼前記トレイ位置調整手段が前記エッチングヘッドを前記穴に同軸に挿入し、前記ガラス体回転手段が前記ガラス体を該穴の軸を中心に回転させるとき、前記毛の先端が該穴の内壁を擦る程度の長さを前記毛が有することを特徴とする前記▲1▼又は▲2▼に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0013】
▲4▼前記エッチング液供給手段は、エッチング液を送り出す定量送液ポンプなどの液体ポンプと、該液体ポンプのエッチング液吐出口を前記流路に繋ぐエッチング液供給パイプとを有してなり、
前記トレイは底から上方へ盛り上がった盛り上がり部を有し、該盛り上がり部の中央に垂直方向に貫通するパイプ挿入穴を有し、該パイプ挿入穴の下部は下方になるに従い大きい径となる円錐状またはラッパ状空間を形成しており、該パイプ挿入穴の上部には前記エッチング液供給パイプが挿入されており、
前記軸体は、前記流路の下端の中央を前記パイプ挿入穴の上端中央に一致させて、前記盛り上がり部に嵌合されている
ことを特徴とする前記▲1▼,▲2▼又は▲3▼に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0014】
▲5▼前記軸体に超音波振動を伝える超音波振動子が設けてあることを特徴とする前記▲1▼又は▲2▼に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0015】
▲6▼前記トレイは底から上方へ盛り上がった盛り上がり部を有し、
前記盛り上がり部の中央上端にはエッチング液送出口が有り、該該盛り上がり部の側壁にエッチング液取り入れ口があり、該エッチング液取り入れ口と該エッチング液送出口とを繋ぐ導液路が該盛り上がり部内に形成してあり、
前記エッチング液供給手段は、エッチング液を送り出す定量送液ポンプなどの液体ポンプと、該液体ポンプのエッチング液吐出口に一端を接続され前記エッチング液取り入れ口に他端を接続されたエッチング液供給パイプと、前記導液路とでなり、
前記軸体は、前記流路の下端を前記エッチング液送出口に合わせて、前記盛り上がり部に嵌合されており、
前記超音波振動子は前記盛り上がり部に固定してある
ことを特徴とする前記▲5▼に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
【0016】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態を挙げ、本発明を一層詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の一実施の形態の円筒状ガラス内壁エッチング装置を概念的に示す正面図、図2はその要部を示す断面図である。図1では、図2に詳しく示したエッチングヘッド3の構造や、トレイ9の中央盛り上がり部9aの構造は簡略化して図示してある。図において、1は定量送液ポンプ、2は送液パイプ、3はエッチングヘッド、3aはエッチング液流路、3bはエッチング液噴出口、3cはエッチングヘッド軸体、3dは植毛、4は再循環パイプ、5は上下可動台、6はX−Yステージ、7はトレイ保持枠、8はバネ、9はトレイ、9aは中央盛り上がり部、10はRLGブロック、11a,11b,11cは円筒状穴、12は保持具、13は回転軸、18は円錐状空間、19はエッチング液である。
【0018】
RLGブロック10には、止まり穴である円筒状穴11a,11b,11cが超音波ドリルにより開けられている。円筒状穴11a,11b,11cは、径が15mm,深さが20mmであり、内壁が曇りガラス状で不透明である。この実施の形態の円筒状ガラス内壁エッチング装置はこれら円筒状穴11a,11b,11cの内壁をエッチングし透明化するものである。
【0019】
図1では、RLGブロック10は、円筒状穴11aの内壁を透明化しようとするときの状態で保持具12に取り付けられている。このとき、円筒状穴11aの開口は下側に位置し、円筒状穴11aの軸は垂直を向いている。回転軸13は保持具12に固定されており、電動モーター(図示省略)により回転する。回転軸13の軸を円筒状穴11aの軸に一致させるような姿勢及び位置で、保持具12はRLGブロック10を保持している。
【0020】
エッチングヘッド3は、テフロン(登録商標)製のエッチングヘッド軸体3cにテフロン製の毛(植毛3d)を植えてなる。植毛3dは、エッチングヘッド軸体3cの側面に、該側面から外方に伸びる向きに植えられている。植毛3dの先端を連ねた包絡面は円筒状をなし、その包絡面の径は円筒状穴11aの径より10%大きく、16.5mmである。エッチングヘッド軸体3cの軸心にはエッチング液流路3aが形成されている。エッチング液流路3aの上端がエッチング液噴出口3bをなしており、エッチング液噴出口3bはエッチングヘッド軸体3cの上端面の中央にある。
【0021】
トレイ9はエッチング液の受け皿である。トレイ9の中央には、中央盛り上がり部9aがある。中央盛り上がり部9aには垂直方向に貫通して開けられたパイプ挿入穴がある。このパイプ挿入穴の下部の径は、下方に向かうに従い拡大し、円錐状空間18を形成している。中央盛り上がり部9aにおけるパイプ挿入穴の上部の径は送液パイプ2の外形と同じである。送液パイプ2は、パイプ挿入穴の上部に挿入され、パイプ挿入穴の上部の内壁に接着材で接着されている。
【0022】
中央盛り上がり部9aの上部の外径より僅かに大きい内径の嵌合穴がエッチングヘッド軸体3cの下部に設けてある。エッチングヘッド軸体3cは、その嵌合穴を中央盛り上がり部9aの上部に嵌めることにより、軸心を垂直にして、トレイ9に固定される。エッチングヘッド軸体3cのその嵌合穴には、図示しない突起が設けてあり、この突起が中央盛り上がり部9aの上部の外周に設けられている切り込み(図示を省略)に嵌まる。RLGブロック10が回転軸13の回転力により回転して、植毛3dを介してエッチングヘッド3が回転力を受けたときにも、その突起と切り込みの嵌合により、エッチングヘッド3はトレイ9と一体であり、エッチングヘッド3が回転することはない。
【0023】
トレイ保持枠7は、X−Yステージ6に固定されており、トレイ9を上面に載置しており、トレイ9の水平面内の位置をバネ8により保持している。X−Yステージ6は、水平面内でトレイ9の位置を調整し、エッチングヘッド軸体3cの軸心を円筒状穴11a穴の軸に合わせる。しかし、回転軸13、円筒状穴11a及びエッチングヘッド軸体3cの軸心を完全に一致させることは、実際上困難であり、RLGブロック10が回転軸13で回転させられるとき、エッチングヘッド3は振動する。バネ8はこの振動を吸収する。
【0024】
上下可動台5は、X−Yステージ6を上下に移動させる装置であり、X−Yステージ6でエッチングヘッド3の軸(即ちエッチングヘッド軸体3cの軸)と円筒状穴11aの軸とを一致させたとき、X−Yステージ6を上方に上げ、エッチングヘッド3を円筒状穴11aへ挿入し、円筒状穴11aの内壁のエッチングの準備をする。また、円筒状穴11aの内壁のエッチングが終了すると、上下可動台5は、X−Yステージ6を下へ移動し、エッチングヘッド3を円筒状穴11aから離脱させる。
【0025】
定量送液ポンプ1は、エッチング液をエッチング液吐出口から送出し、送液パイプ2及びエッチングヘッド3のエッチング液流路3aを介して、エッチング液をエッチング液噴出口3bから噴出させる。定量送液ポンプ1の単位時間当たりエッチング液送出量は一定である。定量送液ポンプ1は、再循環パイプ4を介して、トレイ9に溜ったエッチング液を吸い戻し、ろ過し、エッチング残渣を除去し、再びエッチング液として送出する。
【0026】
エッチング液はふっ酸、塩酸、水を2:4:4の体積比で混合してなり、有毒である。エッチング液の再利用により、環境への悪影響を除いている。
【0027】
送液パイプ2は、X−Yステージ6の内部を通り、トレイ保持枠7の中央の円形穴7aを抜け、円錐状空間18を経て、中央盛り上がり部9aの上部のパイプ挿入穴に挿入され、該パイプ挿入穴の内壁に接着されている。トレイ9が水平面内で振動したときに、送液パイプ2が受ける曲げ応力を軽減するために円錐状空間18が設けてある。
【0028】
図1の実施の形態の円筒状ガラス内壁エッチング装置において、円筒状穴11aの内壁を透明化するには、X−Yステージ6及び上下可動台5を操作し、エッチングヘッド3を円筒状穴11aへ挿入し、定量送液ポンプ1でエッチング液をエッチング液噴出口3bから噴出し、エッチング液を円筒状穴11a内に流しながら、回転軸13をモーターで回転する。この円筒状ガラス内壁エッチング装置による透明化処理は、エッチング液による処理であるから砥粒研磨による透明化処理より本来短時間になされるが、単なるエッチング液によるガラス体の溶解処理だけではない。
【0029】
エッチングヘッド3と円筒状穴11aの内壁との相対運動により、その内壁はエッチングヘッド3の植毛3dで擦られ、エッチング液による内壁ガラスの溶解作用は促進され、透明化処理は砥粒研磨によるよりも格段に短時間になされる。例えば、砥粒研磨で4時間を要した円筒状穴11aの透明化が図1の装置によれば30分で行える。
【0030】
また、円筒状穴11aの内壁面に凹凸があれば、エッチングヘッド3はその内壁面の凸部により強く機械的に接触し、エッチング液の化学作用を凸部に対しより多く及ぼし、ひいては内壁面の凹凸を軽減する方向にエッチング液を作用させ、円筒状穴11aの円筒形を一層完全に近づける。
【0031】
単にエッチング液を加工面に作用させるだけでは、エッチングによる残渣が加工面に付着し、エッチング作用を阻害するが、図1の実施の形態では、エッチングヘッド3が円筒状穴11aの内壁(加工面)を連続的に擦るから、残渣が加工面に付着することなく、加工面はムラなく、迅速に透明化される。
【0032】
さらに、図1の円筒状ガラス内壁エッチング装置では、植毛3dの長さで定まるエッチングヘッド3の径と円筒状穴11aの内径との関係、定量送液ポンプ1でおくるエッチング液の流量、エッチング液の種類等のエッチング条件を一定にすれば、透明化処理ごとの所要時間はほぼ一定であり、透明化効率は安定である。したがって、図1の実施の形態によれば、円筒状穴11aの内壁を所要の径に透明化加工するのが容易であり、透明化処理の途中で円筒状穴11aの径を検査する必要は通常はない。
【0033】
図3は本発明の第2の実施の形態である円筒状ガラス内壁エッチング装置を概念的に示す正面図、図4はその要部を示す断面図である。図3では、図4に詳しく示したエッチングヘッド3の構造や、トレイ9の中央盛り上がり部9bの構造は簡略化して図示してある。図3及び図4では、図1及び図2の円筒状ガラス内壁エッチング装置と同様の部材には図1及び図2におけるものと同じ符号を付してある。
【0034】
この図3、図4に示した円筒状ガラス内壁エッチング装置では、超音波振動子20を中央盛上り部9b内に備え、超音波振動子20で超音波を発生し、その超音波をエッチングヘッド軸体3cに伝達する構造を採用している。超音波振動子20を設けたことが、第2の実施の形態における最大の特徴である。図1、図2の構造と同様に、図3、図4の円筒状ガラス内壁エッチング装置においてもトレイ9には中央盛上り部9bが形成してあり、この中央盛上り部9bの上部の凸部にエッチングヘッド軸体3c下部の凹部が嵌合され、両者は接着剤で固着されている。
【0035】
このように、図3、図4の円筒状ガラス内壁エッチング装置では、中央盛上り部9bの中央部に超音波振動子20を設けたことから、エッチング液供給手段が図1,図2の円筒状ガラス内壁エッチング装置とは相違している。盛り上がり部9bの中央上端にはエッチング液送出口が有る。このエッチング液送出口はエッチングヘッド軸体3cのエッチング液流路3aの下端開口と合わさっている。
【0036】
中央盛上り部9bの側壁部には結合端部9dが形成してある。この結合端部9dの先端にエッチング液取り入れ口が有る。このエッチング液取り入れ口と該エッチング液送出口との間の盛り上がり部9bにエッチング液流路9c(前述の導液路に相当)が形成してある。結合端部9dは、送液パイプ2の端2cに差し込んである。定量送液ポンプ4から送液パイプ2に送出されたエッチング液は、結合端部9dの先端の開口(エッチング液取り入れ口)、エッチング液流路9c、エッチング液送出口及びエッチング液流路3aを経て、エッチング液噴出口3bから円筒状穴11a内へ噴出される。
【0037】
超音波振動子20は、中央盛上り部9bの下部にある超音波振動子収納室に納められ、該収納室の壁面へネジで固定されている。該超音波振動子収納室には、超音波振動子20を出し入れするための蓋が有る。該蓋は超音波振動子収納室の下面側にある。その蓋は図4には表されていない。超音波振動子20は、励起した超音波を効率よくエッチングヘッド軸体3cに伝達できるように、中央盛上り部9bに固定してある。
【0038】
超音波振動子20には、超音波発振機から超音波領域の振動数の交流電力が電力線を介して供給される。超音波振動子20の振動周波数は30kHz程度である。超音波振動子20の振動周波数としては、経済性、取り扱いの容易さ等から20kHz〜50kHzの範囲が採用し易い。
【0039】
超音波振動子20の振動は、中央盛上り部9bを介してエッチングヘッド軸体3cに伝達され、更に植毛3dに伝達される。振動する植毛3dは、円筒状穴11aの壁面を振動しながら擦る。すると、エッチング液噴出口から円筒状穴11aに供給されたエッチング液は、円筒状穴11aの壁面の微少な凹凸にも拘わらず該壁面に万遍なく行き渡り、該壁面を均一にエッチングする。また、エッチングにより生成される物質であって、エッチング液に溶解せず、壁面に付着し易いいわゆる残渣は、植毛3dの振動により効率的に除去される。この残渣除去効率の向上は、エッチングの均一性及びエッチングの効率を向上する。また、エッチングの効率向上は毒劇物であるエッチング液の消費量の削減に寄与する。
【0040】
上述のように、図3、図4に示した第2の実施の形態の円筒状ガラス内壁エッチング装置は、図1、図2に示した第1の実施の形態の円筒状ガラス内壁エッチング装置における特徴を一層促進し、強調する効果を上げることが出来る。
【0041】
なお、以上に実施の形態を挙げ本発明を具体的に説明したが、本発明はこの実施の形態に限られず、請求項に記載した範囲で各種の形態で実施できる。たとえば、植毛3dの長さは、エッチングヘッド3の径が円筒状穴11aの径より10%大きくなるようにするとしたが、植毛3dは、エッチングヘッド3の径が円筒状穴11aの径よりやや大きくなる長さであれば本発明は実現できる。また、円錐状空間18は前記パイプ挿入穴の径を、パイプ挿入穴における位置が下方になるに従って比例して拡大させてなるが、円錐状空間18に代えて、下方になるに従って放物線状に拡大したラッパ状空間にしても差し支えない。
【0042】
また、図3、図4の実施の形態では、超音波振動子20は中央盛上り部9b内部の収納室の壁面に固着したが、超音波振動子20を中央盛上り部9bに固定する構造には各種のものが考えられ、図4の構造に限定されるものではない。超音波振動子20は、エッチングヘッド軸体3cへ直接に固着してもよいことは勿論である。
【0043】
さらに、超音波振動子20の振動数は20kHz〜50kHzが扱い易く、好ましいと述べたが、植毛3dを振動させてエッチング反応を促進し、エッチングの進行を均一化する作用は、この範囲外の周波数でも広い範囲に渡ってあるので、本発明を適用して有効な超音波振動子20の振動数は20kHz〜50kHzより相当に広い範囲である。
【0044】
【発明の効果】
以上に実施の形態を挙げ、詳しく説明したように、本発明によりば、RLGブロック等のガラス体における円筒状穴の内壁を効率よく、しかも安定に、均一に透明化する装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である円筒状ガラス内壁エッチング装置を概念的に示す正面図である。
【図2】図1の実施の形態の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である円筒状ガラス内壁エッチング装置を概念的に示す正面図である。
【図4】図3の実施の形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・定量送液ポンプ
2・・・・・送液パイプ
3・・・・・エッチングヘッド
3a・・・・・エッチング液流路
3b・・・・・エッチング液噴出口
3c・・・・・エッチングヘッド軸体
3d・・・・・植毛
4・・・・・再循環パイプ
5・・・・・上下可動台
6・・・・・X−Yステージ
7・・・・・トレイ保持枠
8・・・・・バネ
9・・・・・トレイ
9a,9b・・・・・中央盛り上がり部
9c・・・・・エッチング液流路
10・・・・・RLGブロック
11a,11b,11c・・・・・円筒状穴
12・・・・・保持具
13・・・・・回転軸
18・・・・・円錐状空間
20・・・・・超音波振動子
Claims (6)
- ガラス体に形成された円筒状の穴の内壁をエッチング液で処理し、該穴の内壁を透明に仕上げる装置において、
前記穴の開口を下側に位置させ、該穴の軸を垂直に向けて該ガラス体を保持し、該ガラス体を該軸を中心に回転させるガラス体回転手段と、
エッチング液に侵されない材料でなる毛を柱状の軸体の外周に植えてなり、前記軸体の軸心を垂直に向けて該軸体の下部で保持され、上部から前記穴に同軸に挿入され、該軸体には前記エッチング液が下部から上端へ向けて流される流路が形成されており、該流路の上端がエッチング液噴出口をなすエッチングヘッドと、
前記エッチング液噴出口から噴出し前記穴の内壁及び前記エッチングヘッドを伝って垂れた前記エッチング液を受けて溜めるとともに、前記軸体の下部に連結されて該軸体を垂直に保持するトレイと、
前記トレイが載置され、該トレイに保持された前記軸体の軸心を前記穴の軸に一致させるように該トレイの水平面内位置を調整するとともに、前記軸体の軸心を前記穴の軸に一致するように前記トレイの水平面内位置が調整されたとき、前記トレイを上方へ移動することにより前記エッチングヘッドを前記開口から前記穴に挿入し、または前記エッチングヘッドが前記穴に挿入されているとき、前記トレイを下方に下げることにより該エッチングヘッドを該穴から離脱させるトレイ位置調整手段と、
前記流路に前記エッチング液を送り込むエッチング液供給手段と
を備えることを特徴とする円筒状ガラス内壁エッチング装置。 - 前記トレイ位置調整手段は、前記トレイの水平面内振動を吸収するバネで該トレイを水平面内で保持していることを特徴とする請求項1に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
- 前記トレイ位置調整手段が前記エッチングヘッドを前記穴に同軸に挿入し、前記ガラス体回転手段が前記ガラス体を該穴の軸を中心に回転させるとき、前記毛の先端が該穴の内壁を擦る程度の長さを前記毛が有することを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
- 前記エッチング液供給手段は、エッチング液を送り出す液体ポンプと、該液体ポンプのエッチング液吐出口を前記流路に繋ぐエッチング液供給パイプとを有してなり、
前記トレイは底から上方へ盛り上がった盛り上がり部を有し、該盛り上がり部の中央に垂直方向に貫通するパイプ挿入穴を有し、該パイプ挿入穴の下部は下方になるに従い大きい径となる円錐状またはラッパ状空間を形成しており、該パイプ挿入穴の上部には前記エッチング液供給パイプが挿入されており、
前記軸体は、前記流路の下端の中央を前記パイプ挿入穴の上端中央に一致させて、前記盛り上がり部に嵌合されている
ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。 - 前記軸体に超音波振動を伝える超音波振動子が設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
- 前記トレイは底から上方へ盛り上がった盛り上がり部を有し、
前記盛り上がり部の中央上端にはエッチング液送出口が有り、該該盛り上がり部の側壁にエッチング液取り入れ口があり、該エッチング液取り入れ口と該エッチング液送出口とを繋ぐ導液路が該盛り上がり部内に形成してあり、
前記エッチング液供給手段は、エッチング液を送り出す液体ポンプと、該液体ポンプのエッチング液吐出口に一端を接続され前記エッチング液取り入れ口に他端を接続されたエッチング液供給パイプと、前記導液路とでなり、
前記軸体は、前記流路の下端を前記エッチング液送出口に合わせて、前記盛り上がり部に嵌合されており、
前記超音波振動子は前記盛り上がり部に固定してある
ことを特徴とする請求項5に記載の円筒状ガラス内壁エッチング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28834598A JP4028103B2 (ja) | 1997-10-09 | 1998-10-09 | 円筒状ガラス内壁エッチング装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-277685 | 1997-10-09 | ||
JP27768597 | 1997-10-09 | ||
JP28834598A JP4028103B2 (ja) | 1997-10-09 | 1998-10-09 | 円筒状ガラス内壁エッチング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11199275A JPH11199275A (ja) | 1999-07-27 |
JP4028103B2 true JP4028103B2 (ja) | 2007-12-26 |
Family
ID=26552516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28834598A Expired - Fee Related JP4028103B2 (ja) | 1997-10-09 | 1998-10-09 | 円筒状ガラス内壁エッチング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4028103B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100425357B1 (ko) * | 2001-07-23 | 2004-03-30 | 명재철 | 테프론계 수지의 부식처리방법 및 장치 |
US20100258527A1 (en) * | 2009-04-08 | 2010-10-14 | Honeywell International Inc. | Methods of protecting surfaces from polishing residue |
US8526000B1 (en) * | 2012-05-29 | 2013-09-03 | Honeywell International Inc. | Atomic sensor physics package with integrated transmissive and reflective portions along light paths |
KR102344677B1 (ko) * | 2020-05-15 | 2021-12-29 | 주식회사 조은텍 | 링 레이저 자이로스코프의 레이저 블록 에칭 장치 |
-
1998
- 1998-10-09 JP JP28834598A patent/JP4028103B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11199275A (ja) | 1999-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10329007A (ja) | 化学的機械研磨装置 | |
JPH1187284A (ja) | 半導体ウェハ研磨装置及び研磨方法 | |
TW201501869A (zh) | 使用激化流體以清潔化學機械平整化硏磨墊的方法和裝置 | |
JP4028103B2 (ja) | 円筒状ガラス内壁エッチング装置 | |
US5062933A (en) | Ultrasonic machining method | |
JP2875513B2 (ja) | 半導体材料加工方法及び装置 | |
JP2628915B2 (ja) | 研磨布のドレッシング装置 | |
JP6489973B2 (ja) | 研削装置 | |
JP4280557B2 (ja) | 洗浄装置および研磨装置 | |
JP5651744B1 (ja) | 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 | |
JP4171539B2 (ja) | 直圧式連続研磨材供給・噴射方法及び装置 | |
JP2005329501A (ja) | 超音波研磨工具及びそれを備えた研磨装置 | |
JP2001038594A (ja) | 光学素子研磨方法及び光学素子研磨装置 | |
JPH11244795A (ja) | 基板洗浄装置 | |
CN113210594A (zh) | 一种铁水罐保温覆盖剂撒布装置 | |
JP4164159B2 (ja) | 直圧式連続研磨材供給・噴射方法及び装置 | |
JP2005085978A (ja) | 枚葉式洗浄方法及び洗浄装置 | |
JPS62176767A (ja) | 研磨機 | |
JPH04283069A (ja) | セラミック基板の研磨方法及びセラミック基板用研磨装置 | |
JPH03231427A (ja) | 板状体の洗浄方法 | |
JP2000108033A (ja) | 研磨装置 | |
JP3140517B2 (ja) | 歯科用バーの製造方法 | |
JPH09283486A (ja) | 研磨装置の洗浄方法と洗浄装置 | |
JP3980115B2 (ja) | 電子部品接着用ボンドの塗布装置 | |
JP2002346931A (ja) | サンドブラスト加工における研磨材供給方法および装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050414 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071011 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |