JP4027859B2 - ポリウレタン分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、様々な工業製品等に含まれるポリウレタンを分解処理する際に適用されるポリウレタン分解方法及びポリウレタン分解剤、並びにポリウレタン含有廃棄物を分解処理する際に適用されるポリウレタン含有廃棄物処理方法及びポリウレタン含有廃棄物処理剤に関する。
ポリウレタンは、主鎖中にウレタン結合(-NHCOO-)を有する高分子物質の総称であり、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合により合成されるものである。ポリウレタンは、ポリオールの種類によってエステル型ポリウレタンとエーテル型ポリウレタンとに大別される。
また、ポリウレタンは、例えば、自動車等のシート、衣類の繊維、靴のクッション、接着剤及び塗料等の工業製品に広く使用されている。ポリウレタンを含む工業製品の製造過程、或いは、不要となった工業製品自体は、ポリウレタン含有廃棄物として何らかの処理を経なければならない。例えば、ポリウレタン含有廃棄物は、焼却処理、化学的分解処理或いは生分解処理等によって減容化され、最終的に廃棄される。
ポリウレタンの生分解処理としては、一般に、エステル型ポリウレタンがエーテル型ポリウレタンと比較して容易に分解されうることから、エステル型ポリウレタンを対象として所定の菌を用いて行っている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、細菌が生産する酵素(エステラーゼ)が、エステル型ポリウレタンのエステル結合を切断し、分解する技術(微生物、酵素)が開示されている。
なお、エーテル型ポリウレタンは、分子中にエーテル結合やウレタン結合といった自然界にはあまり存在していない結合を有しているため、難分解性であることが知られている。エーテル型ポリウレタンを分解処理するための有効な方法としては特に知られていないのが現状である。
一方、フェントン試薬は、過酸化水素と鉄(II)塩とを混合した酸化呈色試薬である。酸化機構は以下の反応により水酸化ラジカル・OHを発生するためと考えられている。
H2O2 + Fe2+ → Fe3+ + HO- + ・OH
この反応は、フェントン反応と呼ばれる。フェントン反応により発生した水酸化ラジカルは、迅速な有機化学物質の酸化分解に対して有用な活性酸素種である。例えば、フェントン試薬を用いて、固体中に含まれるダイオキシンを分解する方法(特許文献3)、有機性排水中に沈殿させた汚泥を酸化分解する方法(特許文献4)及び有機物含有廃水中の有機物を分解する方法(特許文献5)が開示されている。
特開平9-201192号公報 特開平9-224664号公報 特開2000-197867号公報 特開平3-106493号公報 特開平10-277568号公報
そこで、本発明は、上述したような実状に鑑み、ポリウレタンを効率よく分解できるポリウレタン分解方法及び分解剤、並びにポリウレタン含有廃棄物処理方法及び処理剤を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下においてポリウレタン分解が効率よく進行することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下で、ポリウレタンを分解することを特徴とするポリウレタン分解方法である。不飽和脂肪酸としては、例えばリノール酸を用いることができる。また、不飽和脂肪酸は、1mM〜40mMの濃度で存在させることが好ましい。
さらに、本発明は、更に光照射下で、ポリウレタンを分解することを特徴とする上記ポリウレタン分解方法である。
さらに、本発明は、分解対象のポリウレタンがエーテル型ポリウレタンを主成分とすることを特徴とする上記ポリウレタン分解方法である。
さらに、本発明は、フェントン試薬と不飽和脂肪酸とを主成分とするポリウレタン分解剤である。不飽和脂肪酸としては、例えばリノール酸を用いることができる。また、不飽和脂肪酸を1mM〜40mMの濃度で含むことが好ましい。
さらに、本発明は、フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下で処理することを特徴とするポリウレタン含有廃棄物処理方法である。不飽和脂肪酸としては、例えばリノール酸を用いることができる。また、不飽和脂肪酸は、1mM〜40mMの濃度で存在させることが好ましい。
さらに、本発明は、更に光照射下で処理することを特徴とする上記ポリウレタン含有廃棄物処理方法である。
さらに、本発明は、分解対象のポリウレタン含有廃棄物がエーテル型ポリウレタンを有することを特徴とする上記ポリウレタン含有廃棄物処理方法である。
さらに、本発明は、フェントン試薬と不飽和脂肪酸とを主成分とするポリウレタン含有廃棄物処理剤である。不飽和脂肪酸としては、例えばリノール酸を用いることができる。また、不飽和脂肪酸を1mM〜40mMの濃度で含むことが好ましい。
本発明に係るポリウレタン分解方法及び分解剤によれば、ポリウレタンを効率よく分解することができる。また、本発明に係るポリウレタン含有廃棄物処理方法及び処理剤によれば、ポリウレタンを含む廃棄物を効率よく処理することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るポリウレタン分解方法(以下、単にポリウレタン分解方法と呼ぶ)は、フェントン試薬及び不飽和脂肪酸の存在下で、ポリウレタンを含有する対象物を処理する方法である。
フェントン試薬とは、過酸化水素と鉄(II)塩とを混合した酸化呈色試薬である。
フェントン試薬の酸化機構は、以下の反応により水酸化ラジカル・OHを発生するためと考えられている。
H2O2 + Fe2+ → Fe3+ + HO- + ・OH
この反応は、フェントン反応と呼ばれる。フェントン反応により発生した水酸化ラジカルは、迅速な有機化学物質の酸化分解に対して有用な活性酸素種である。
ポリウレタン分解方法においては、フェントン試薬として、過酸化水素(以下、H2O2と呼ぶ)と鉄(II)塩との混合物を使用することができる。鉄(II)塩としては、硫酸鉄(II)(以下、FeSO4と呼ぶ)、フマル酸第一鉄、シュウ酸第一鉄、塩化第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、オロチン酸第一鉄及び酢酸第一鉄を使用することができる。
ポリウレタンの分解方法において、フェントン試薬の構成要素としての鉄(II)塩の濃度は、例えば0.1〜50mM、好ましくは0.5〜10mM、より好ましくは、1〜5mMとすることが好ましい。また、フェントン試薬の構成要素としてH2O2の濃度は、例えば5〜100mM、好ましくは10〜50mM、より好ましくは、15〜25mMとすることが好ましい。
一方、ポリウレタン分解方法においては、不飽和脂肪酸として、リノール酸を使用することができる。リノール酸以外の不飽和脂肪酸としては、例えば、リノレン酸、アラキドン酸及びオレイン酸を使用することができる。
ポリウレタンの分解方法において、例えば不飽和脂肪酸の濃度を1〜40mM、好ましくは3〜30mM、より好ましくは、5〜20mMとすることが好ましい。
さらに、ポリウレタン分解方法においては、光照射下でポリウレタンを含有する対象物を処理することができる。光照射により、フェントン反応が促進する。従って、光照射下で処理することによって、ポリウレタンの分解を促進させることができる。
光照射は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、白熱電球及びLEDランプを光源として行うことができる。波長範囲としては、400nm〜800nmが挙げられる。
一方、ポリウレタン分解方法では、ポリウレタンを含むものであれば如何なるものも対象物とすることができる。具体的に対象物としては、ポリウレタンを用いて製造された各種工業製品又はその廃棄物、或いは、当該工業製品及び廃棄物を前処理した処理物を挙げることができる。工業製品としては、例えば、自動車等のシート、衣類の繊維、靴のクッション、接着剤及び塗料等を挙げることができる。前処理としては、具体的に、工業製品等の対象物をシュレッダー等により粉砕する処理、加熱処理及び加熱・加湿処理等を挙げることができる。
ポリウレタン分解方法では、対象物を、上述したフェントン試薬及び不飽和脂肪酸を含む反応系に接触させることで、当該対象物に含まれるポリウレタンを分解することができる。ここで、ポリウレタン分解方法においては、ポリウレタンとして如何なるモノマー成分を有するポリウレタンをも分解することができるが、特に、分子中にエーテル結合を有するエーテル型ポリウレタンを効率よく分解することができる。
反応系は、例えば、フェントン試薬及び不飽和脂肪酸並びにその他の成分を、適当な緩衝液等に混合することによって調製することができる。調製した反応系に対象物を接触させる際には、反応系に対象物を浸漬するだけでもよいし、反応系に対象物が浸漬した状態で攪拌してもよい。さらに通気しながら反応系に対象物を接触させてもよい。
このとき、反応系の温度は、15〜80℃、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃の範囲に維持することが好ましい。また、反応系のpHは、3〜9、好ましくは4〜8、より好ましくは4.5〜7の範囲に維持することが好ましい。さらに、反応系に含まれる対象物の割合は、5〜50g/L、好ましくは5〜10g/Lに維持することが好ましい。また、反応時間は、72〜120時間、好ましくは72時間程度で各成分の追加又は新しい反応液に移す等の処理をすることが好ましい。
以上のようなポリウレタン分解方法によれば、対象物に含まれるポリウレタンを効率よく分解することができる。特に、ポリウレタン分解方法によれば、エーテル型ポリウレタンを効率よく分解することができる。また、反応系に光照射した場合には、対象物に含まれるポリウレタンの分解を促進させることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
先ず、以下の組成の反応液を調製した。反応液の組成は、10mM酒石酸ナトリウムバッファー(pH4.5)、1mM FeSO4、20mM H2O2、リノール酸を添加する時は0.9、9若しくは45mMのリノール酸とした。
次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。
反応を10日間行い、1日目、4日目、6日目、8日目及び10日目における重量を測定した。重量測定は、ポリウレタンテストピースを取り出し、よく洗浄し、80℃で8時間乾燥させた後に実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図1に示す。なお、図1において、「H2O2/Fe(II)/x1/10LA」は反応液中にH2O2、鉄(II)(以下、Fe(II)と呼ぶ)及び0.9mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/LA」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び9mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/x5LA」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び45mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)」はH2O2及びFe(II)を含むが、リノール酸を含まないサンプルを用いた結果であり、「H2O2」はH2O2を含むが、Fe(II)もリノール酸も含まないサンプルを用いた結果である。また、図1において縦軸は重量変化率を示している。
図1から判るように、フェントン試薬に9mMリノール酸を添加した時のみに、ポリウレタンテストピースの重量減少が示された。すなわち、フェントン試薬に9mMリノール酸を添加した時のみに、ポリウレタン分解反応が進行した。一方、他の濃度のリノール酸を添加してもポリウレタン分解反応は進行しなかった。
〔比較例1〕
比較例1では、反応液の組成において、FeSO4の代わりにFe2(SO4)3、すなわちFe(II)の代わりに鉄(III)(以下、Fe(III)と呼ぶ)を用いた場合のポリウレタン分解反応を検討した。
先ず、1mM FeSO4の代わりに1mM Fe2(SO4)3を用いたこと以外は実施例1と同様に反応液を調製した。
次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。
反応を10日間行い、1日目、2日目、4日目、6日目、8日目及び10日目における重量を測定した。重量測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図2に示す。なお、図2において、「H2O2/Fe(III)/x1/10LA」は反応液中にH2O2、Fe(III)及び0.9mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(III)/LA」は反応液中にH2O2、Fe(III)及び9mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(III)/x5LA」は反応液中にH2O2、Fe(III)及び45mMリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(III)」はH2O2及びFe(II)を含むが、リノール酸を含まないサンプルを用いた結果であり、「対照」はバッファーのみでFe2(SO4)3、リノール酸及びH2O2を共に含まないサンプルを用いた結果である。また、図2において縦軸は重量変化率を示している。
図2から判るように、いずれのサンプルにおいても重量減少が認められなかった。従って、Fe(II)の代わりにFe(III)を用いた場合には、ポリウレタン分解反応は進行しなかった。
〔実施例2〕
実施例2では、経時的に新たな反応液中に、洗浄せずにポリウレタンテストピースを移した場合のポリウレタン分解反応を検討した。
先ず、実施例1と同様に反応液を調製した。次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。このとき、5日毎に、テストピースを取り出し、洗浄せずに、新たな上記反応液10mlを含む50ml容チューブに移し、引き続き30℃で浸盪しながら反応させた。
反応を41日間行い、1日目、3日目、6日目、9日目、11日目、15日目、20日目、24日目、30日目、及び41日目における重量を測定した。重量測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図3に示す。なお、図3におけるサンプル名は、図1と同じである。また、図3において縦軸は重量変化率を示している。
図3から判るように、9mMリノール酸を含む反応液にポリウレタンテストピースを添加した場合だけ、重量減少が開始直後から観察された。30日目には、ポリウレタンテストピースの原型は崩れ、90%以上の重量減少が示された。
〔実施例3〕
実施例3では、反応液中に経時的にH2O2、Fe(II)及びリノール酸のいずれか又は組み合わせを追添加した場合のポリウレタン分解反応を検討した。
先ず、以下の反応液を調製した。反応液の組成は、10mM酒石酸ナトリウムバッファー(pH4.5)、1mM FeSO4、20mM H2O2及び9mMリノール酸であった。
次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。このとき、5日毎に、20mM H2O2、1mM FeSO4及び9mMリノール酸のいずれか又は組み合わせを追添加し、引き続き30℃で浸盪しながら反応させた。
反応を47日間行い、1日目、4日目、6日目、8日目、11日目、18日目、22日目、27日目、32日目、36日目、41日目、及び47日目における重量を測定した。重量測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図4に示す。なお、図4において、「H2O2/Fe(II)/LA」はH2O2、FeSO4及びリノール酸の全てを追添加したサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)」はH2O2及びFeSO4を追添加したサンプルを用いた結果であり、「H2O2/LA」はH2O2及びリノール酸を追添加したサンプルを用いた結果であり、「Fe(II)/LA」はFeSO4及びリノール酸を追添加したサンプルを用いた結果であり、「H2O2」、「Fe(II)」及び「LA」は、H2O2、FeSO4及びリノール酸をそれぞれ単独で追添加したサンプルを用いた結果である。また、図4において縦軸は重量変化率を示している。
図4から判るように、H2O2、FeSO4及びリノール酸の全てを追添加したサンプルとFeSO4及びリノール酸を追添加したサンプルとにおいて同等の重量減少が経時的に観察された。H2O2、FeSO4及びリノール酸の全てを追添加したサンプルにおいて32日目には、FeSO4及びリノール酸を追添加したサンプルにおいて36日目には、ポリウレタンテストピースの原型は崩れ、90%以上の重量減少が示された。さらにリノール酸を追添加した全てのサンプルでは良好にポリウレタン分解反応が進行した。
〔実施例4〕
実施例4では、リノール酸以外の不飽和脂肪酸の種類について検討した。
先ず、以下の組成の反応液を調製した。反応液の組成は、10mM酒石酸ナトリウムバッファー(pH4.5)、1mM FeSO4、20mM H2O2、各種不飽和脂肪酸を添加する時は9mMの不飽和脂肪酸とした。
次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。反応を11日間行い、1日目、4日目、6日目、8日目及び11日目における重量を測定した。重量測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図5に示す。なお、図5において、「H2O2/Fe(II)/リノレン酸」は反応液中にH2O2、Fe(II)及びリノレン酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/オレイン酸」は反応液中にH2O2、Fe(II)及びオレイン酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/アラキドン酸」は反応液中にH2O2、Fe(II)及びアラキドン酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/LA」は反応液中にH2O2、Fe(II)及びリノール酸を含むサンプルを用いた結果であり、「H2O2/Fe(II)/アラキジン酸」は反応液中にH2O2、Fe(II)及びアラキジン酸を含むサンプルを用いた結果である。また、図5において縦軸は重量変化率を示している。
図5から判るように、リノール酸又はリノレン酸を含むサンプルにおいて、有意なポリウレタンテストピースの重量減少が示された。従って、H2O2及びFe(II)と共存してポリウレタンを分解する不飽和脂肪酸は、リノール酸以外にはリノレン酸が考えられた。
〔実施例5〕
実施例5では、ポリウレタン分解反応における光の影響を検討した。
先ず、以下の組成の反応液を調製した。反応液の組成は、10mM酒石酸ナトリウムバッファー(pH4.5)、1mM FeSO4、20mM H2O2、リノール酸を添加する時は9mM若しくは45mMのリノール酸とした。
次に、50ml容チューブに反応液10mlを満たし、ポリウレタンテストピース(1cm角)を約50mg添加した。そして、30℃で浸盪しながら反応させた。このとき、5日毎に、テストピースを取り出し、洗浄せずに新たな上記反応液10mlを含む50ml容チューブに移し、引き続き30℃で浸盪しながら反応させた。なお反応を暗条件で行う場合には、チューブをアルミホイルで遮光した。
反応を20日間行い、1日目、3日目、6日目、8日目、10日目、及び20日目における重量を測定した。重量測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
重量測定の結果から算出される重量変化率の経時的推移を図6に示す。なお、図6において、「H2O2/Fe(II)/LA」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び9mMリノール酸を含むサンプルを用いて、明条件下で反応を行った結果であり、「H2O2/Fe(II)/x5LA」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び45mMリノール酸を含むサンプルを用いて、明条件下で反応を行った結果であり、「H2O2/Fe(II)」は反応液中にH2O2及びFe(II)を含み、リノール酸を含まないサンプルを用いて、明条件下で反応を行った結果である。さらに、「H2O2/Fe(II)/LA-暗」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び9mMリノール酸を含むサンプルを用いて、暗条件下で反応を行った結果であり、「H2O2/Fe(II)/x5LA-暗」は反応液中にH2O2、Fe(II)及び45mMリノール酸を含むサンプルを用いて、暗条件下で反応を行った結果であり、「H2O2/Fe(II)-暗」は反応液中にH2O2及びFe(II)を含み、リノール酸を含まないサンプルを用いて、暗条件下で反応を行った結果である。また、図6において縦軸は重量変化率を示している。
図6から判るように、明条件及び暗条件のいずれにおいても、H2O2、Fe(II)及び9mMリノール酸を含むサンプルのみにおいてポリウレタンテストピースの重量減少が示された。さらに、H2O2、Fe(II)及び9mMリノール酸を含むサンプルを明条件及び暗条件で比較すると、明条件下におけるサンプルは、暗条件下におけるサンプルよりも約2倍のポリウレタン分解促進が示された。従って、ポリウレタン分解反応は、明条件下で促進されることが示された。
ポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。 反応液の組成において、FeSO4の代わりにFe2(SO4)3を用いてポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。 経時的に新たな反応液中に、洗浄せずにポリウレタンテストピースを移して、ポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。 反応液中に経時的にH2O2、Fe(II)及びリノール酸のいずれか又は組み合わせを追添加してポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。 各種不飽和脂肪酸を用いてポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。 明条件及び暗条件下でポリウレタン分解反応を行った際の反応日数と重量変化率との関係を示す特性図である。

Claims (12)

  1. フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下で、ポリウレタンを分解することを特徴とするポリウレタン分解方法。
  2. 上記不飽和脂肪酸が1mM〜40mMの濃度のリノール酸又はリノレン酸であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン分解方法。
  3. 更に光照射下で、ポリウレタンを分解することを特徴とする請求項1記載のポリウレタン分解方法。
  4. 分解対象のポリウレタンがエーテル型ポリウレタンを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン分解方法。
  5. フェントン試薬と不飽和脂肪酸とを主成分とするポリウレタン分解剤。
  6. 上記不飽和脂肪酸が1mM〜40mMの濃度のリノール酸又はリノレン酸であることを特徴とする請求項記載のポリウレタン分解剤。
  7. フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下で処理することを特徴とするポリウレタン含有廃棄物処理方法。
  8. 上記不飽和脂肪酸が1mM〜40mMの濃度のリノール酸又はリノレン酸であることを特徴とする請求項記載のポリウレタン含有廃棄物処理方法。
  9. 更に光照射下で処理することを特徴とする請求項記載のポリウレタン含有廃棄物処理方法。
  10. 分解対象のポリウレタン含有廃棄物がエーテル型ポリウレタンを有することを特徴とする請求項記載のポリウレタン含有廃棄物処理方法。
  11. フェントン試薬と不飽和脂肪酸とを主成分とするポリウレタン含有廃棄物処理剤。
  12. 上記不飽和脂肪酸が1mM〜40mMの濃度のリノール酸又はリノレン酸であることを特徴とする請求項11記載のポリウレタン含有廃棄物処理剤。
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