JP4027107B2 - 土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法 - Google Patents
土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路脇の則面(傾斜面)や河川の堤防(土手)等のような土砂内に敷設された光ファイバセンサの各位置の温度(土砂内の水分量の増加に対応して低下する指標)及び歪み量(土砂の移動量の増加に対応して増加する指標)を計測することにより、土砂異常(土砂災害の前兆とみなすことができる現象)を検出する土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路脇の則面の崩落や河川の堤防の決壊のような土砂災害の発生及び発生位置を十分に早い時期に高い精度で予測できれば、被害を最小限に食い止めることができる。現在の土砂災害の予測は、監視員による対象区域の目視、監視カメラによる対象区域の観察、市民からの土砂異常(例えば、異常音の発生、落石の発生、ひび割れの発生、水の流れの発生等)の通報が主である。また、近年、土砂内に敷設された光ファイバ歪みセンサを用いて土砂の移動の監視に用いる提案がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の光ファイバ歪みセンサを用いたシステムでは、実際に土砂の移動(又は土砂表面の膨張)が生じて光ファイバ歪みセンサに歪みを生じさせなければ何も検出できず、土砂の移動が生じる前の土砂異常(例えば、土砂災害を誘発する要因となる土中水分の移動又は増加)は検出できない。このため、土砂災害が発生するよりも十分に早い時期に土砂災害の発生を予測できないおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、土砂移動が発生する前の土砂異常を検出できるようにすることによって、土砂災害が発生する可能性の高い箇所を早い時期に且つ高い精度で検出することができる土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る土砂異常検出装置は、
土砂内に敷設された光ファイバセンサに入力する第1のパルス光を発生する第1のパルス光発生手段と、
前記光ファイバセンサに第1のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出する第1の光検出手段と、
土砂内に敷設された光ファイバセンサに入力する第2のパルス光を発生する第2のパルス光発生手段と、
前記光ファイバセンサに第2のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出する第2の光検出手段と、
前記第1の光検出手段からの出力信号に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における温度を算出し、前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサが敷設される土砂内の温度に関する基準温度データを用いて前記算出された各位置の温度を修正し、前記修正された温度を予め決められた第1の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂温度の異常の有無を判定し、また、前記第2の光検出手段からの出力信号に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における歪み量を算出し、前記算出された各位置の歪み量を予め決められた第2の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂移動の異常の有無を判定する中央処理手段と、
前記中央処理手段の判定結果に基づく情報を出力する情報出力手段と
を有することを特徴としている。
【0006】
また、前記土砂内の温度に関する基準温度データが、土砂内の位置別及び季節別の温度データ、土砂内の位置別及び月別の温度データ、及び、土砂内の位置別及び日別の温度データのうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0007】
また、前記土砂内の温度に関する基準温度データは、土砂異常検出装置が起動した後に外部から供給されるデータとすることができ、又は、予め保持していたデータテーブルのデータとすることもできる。
【0008】
また、前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサを共通の光ファイバセンサとし、前記光ファイバセンサに、前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段を接続するか、又は、前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を接続するかの切替えを行う切替手段を備えてもよい。
【0009】
また、前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサを、土砂内のほぼ同じ位置に敷設された別個の光ファイバセンサとすることもできる。
【0010】
また、前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサが共通の光ファイバセンサとし、前記光ファイバセンサの一方の端部に前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段を接続し、前記光ファイバセンサの他方の端部に前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を接続してもよい。
【0011】
また、前記光ファイバセンサを異なる位置に複数本敷設し、前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段、又は、前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を、前記複数本の光ファイバセンサのいずれかに選択的に接続する選択手段を備えてもよい。
【0012】
また、前記第1の閾値を、土砂内の位置別に決め、前記第2の閾値を、土砂内の位置別に決めてもよい。
【0013】
また、前記第1の閾値及び前記第2の閾値を、土砂異常検出装置起動の後に外部から供給するようにしてもよく、又は、予め保持していたデータテーブルのデータに基づく値としてもよい。
【0014】
また、温度の計測及び歪みの計測のそれぞれを所定の周期で繰り返し実行するように構成することが好ましい。
【0015】
また、計測された温度の下降率を算出し、この温度の下降率を予め決められた第3の閾値と比較した結果に基づいて土砂温度下降率の異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0016】
また、計測された歪みの上昇率を算出し、この歪みの上昇率を予め決められた第4の閾値と比較した結果に基づいて土砂歪み上昇率の異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0017】
また、前記中央処理手段による温度判定、歪み判定、温度下降率判定、及び歪み上昇率判定のいずれかにおいて異常有りと判定された場合に、異常有りと判定された位置に関して、温度及び歪みの計測の周期を短縮するようにしてもよい。
【0018】
また、前記第1の光検出手段及び前記第2の光検出手段のいずれかの出力に基づいて前記光ファイバセンサの切断発生及び切断の位置を検出し、前記光ファイバセンサの切断が検出されたときに土砂災害の発生及び発生位置に関する情報を出力するように構成することが好ましい。
【0019】
本発明に係る土砂異常検出システムは、光ファイバセンサと、前記土砂異常検出装置と、前記土砂異常検出装置から出力された情報を受け取る土砂異常監視装置とを有することを特徴としている。ここで、前記土砂異常監視装置は、前記土砂内の温度に関する基準温度データを保持する第1のデータテーブルと、前記第1の閾値に関するデータを保持する第2のデータテーブルと、前記第2の閾値に関するデータを保持する第3のデータテーブルとを有することができる。
【0020】
本発明に係る土砂異常検出方法は、
土砂内に敷設された光ファイバセンサに第1のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出することによって、前記光ファイバセンサの各位置における温度を算出する工程と、
前記光ファイバセンサに第2のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出することによって、前記光ファイバセンサの各位置における歪み量を算出する工程と、
光ファイバセンサが敷設される土砂内の温度に関する基準温度データを用いて前記算出された各位置の温度を修正し、前記修正された温度を予め決められた第1の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂温度の異常の有無を判定する工程と、
計測された各位置の歪み量を予め決められた第2の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂移動の異常の有無を判定する工程と、
前記判定結果に基づく情報を出力する工程と
を有することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る土砂異常検出システム(第1の実施形態に係る土砂異常検出装置を含むシステムであり、第1の実施形態に係る土砂異常検出方法を実施するシステムである。)の構成を概略的に示すブロック図である。
【0022】
図1に示されるように、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムは、光ファイバセンサ1と、光ファイバセンサ1に接続された光ファイバ温度・歪み計測器(土砂異常検出装置)2と、光ファイバ温度・歪み計測器2に通信回線等を介して接続された土砂異常監視装置3とを有している。
【0023】
光ファイバセンサ1は、土砂内の決められた位置に敷設される。光ファイバセンサ1は、例えば、土手の長手方向に延びるように土中に埋設される。ただし、光ファイバセンサ1の敷設形態は、上記した例に限定されず、土砂の形状、土砂を構成する土の成分、土砂表面の崩壊防止設備、平均降雨量等の気象条件、土砂周辺の環境、土砂崩壊に伴う災害の規模等の各種要因に基づいて決定すればよい。光ファイバセンサ1は、光ファイバ温度センサ及び光ファイバ歪みセンサとして使用される。第1の実施形態における光ファイバセンサ1は、シングルエンド型の光ファイバケーブルである。また、第1の実施形態における光ファイバセンサ1の敷設本数は1本である。ただし、光ファイバセンサ1は、ループ型であってもよく、敷設本数も1本に限定されない。なお、「土砂」とは、例えば、道路脇の則面(傾斜面)、河川の堤防(土手又は盛土)、トンネルの天井・壁等の崩落の可能性のある構造物である。「土砂」には、水分の侵入のおそれ、及び、崩壊・移動等のおそれある全ての箇所を含む。「土砂」には、山の斜面(土、砂、石、岩等からなる)のような自然の堆積構造、及び、土やコンクリート等からなる人工的な構造物の両方を含む。
【0024】
光ファイバ温度・歪み計測器2は、光ファイバセンサ1の各位置における温度及び光ファイバセンサ1の各位置における歪みを計測する。温度の計測位置及び歪みの計測位置は、光ファイバセンサ1の任意の位置に設定できる。温度の計測位置及び歪みの計測位置は、光ファイバセンサ1の同じ位置に設定することも異なる位置にも設定できるが、通常は、同じ位置に設定する。
【0025】
光ファイバ温度・歪み計測器2は、季節別位置別の基準温度から計測温度を差し引いた値を温度判定用閾値と比較することによって、光ファイバセンサ1の各位置(即ち、光ファイバセンサ1の各位置の周辺の土砂)における温度の異常な低下(土砂内の水分量の異常な増加を示す現象であり、計測温度が0℃に近ければ土砂内の氷塊部の発生を示す現象である。)の有無を判定する。また、光ファイバ温度・歪み計測器2は、計測された歪み量を歪み判定用閾値と比較することによって、光ファイバセンサ1の各位置における歪みの異常な増加(土砂の移動量(又は土砂表面の膨張量)の異常な増加を示す現象)の有無を判定する。また、光ファイバ温度・歪み計測器2は、光ファイバセンサ1の各位置の温度下降率が異常に大きくなる状態(土砂内の水分量の急激な増加を示す現象)及び光ファイバセンサ1の各位置の歪み上昇率が異常に大きくなる状態(土砂の速い移動を示す現象)を判定できるように構成することもできる。また、光ファイバ温度・歪み計測器2は、光ファイバセンサ1の切断の発生及び発生位置(土砂災害が発生したことを示す現象)を検出できる。
【0026】
光ファイバ温度・歪み計測器2は、例えば、光ファイバセンサ1が敷設された地域に近い場所(河川堤防近くの観測小屋内等)に設置される。土砂異常監視装置3は、例えば、光ファイバ温度・歪み計測器2の設置場所から離れた監視員が常駐する観測施設等に設置される。この場合、光ファイバ温度・歪み計測器2(複数台の場合もある)と土砂異常監視装置3とは、通信回線等により接続される。ただし、光ファイバ温度・歪み計測器2及び土砂異常監視装置3の設置場所は、上記した例に限定されない。また、光ファイバ温度・歪み計測器2及び土砂異常監視装置3を同じ場所に設置する場合には、光ファイバ温度・歪み計測器2及び土砂異常監視装置3を一体的な構成の装置としてもよい。
【0027】
図1に示されるように、土砂異常監視装置3は、季節別位置別基準温度テーブル31と、温度判定用閾値テーブル32と、歪み判定用閾値テーブル33と、表示部34とを有する。季節別位置別基準温度テーブル31が保持する基準温度データは、土砂内の位置別及び季節別(時期別)の温度(実測値)に基づく基準温度データである。基準温度データは、季節(四季)別ではなく、月(1月〜12月)別の温度データ、及び、日(1月1日〜12月31日)別の温度データとしてもよい。温度判定用閾値テーブル32及び歪み判定用閾値テーブル33はそれぞれ、位置別の温度閾値及び歪み閾値を格納する。また、温度判定用閾値テーブル32及び歪み判定用閾値テーブル33が格納する位置別の温度閾値及び歪み閾値を、さらに季節別、月別、又は日別に異なる値に設定してもよい。また、土砂異常監視装置3は、位置別(又は、季節別位置別)に設定された温度下降率判定用閾値を格納する温度下降率判定用閾値テーブル(図示せず)と、位置別(又は、季節別位置別)に設定された歪み上昇率判定用閾値を格納する歪み上昇率判定用閾値テーブル(図示せず)とを有するように構成してもよい。
【0028】
また、図1に示されるように、光ファイバ温度・歪み計測器2は、温度計測用パルス光発生部11と、温度計測用光検出部12と、歪み計測用パルス光発生部13と、歪み計測用光検出部14と、光スイッチ15と、中央処理部16と、管理情報記憶部17と、計測情報記憶部18と、受信処理部19と、送信処理部20とを有する。
【0029】
温度計測用パルス光発生部11は、光ファイバセンサ1に入力する第1のパルス光(レーザパルス光)を発生する。温度計測用光検出部12は、温度計測用パルス光発生部11で発生した第1のパルス光を光ファイバセンサ1に入力したときに光ファイバセンサ1から出力される戻り光(例えば、ブリルアン散乱光又はラマン散乱光)を検出する。また、温度計測用パルス光発生部11からの第1のパルス光を光スイッチ15に導き、光ファイバセンサ1からの戻り光を温度計測用光検出部12に導く素子としては、光サーキュレータ(図示せず)を用いることができる。
【0030】
歪み計測用パルス光発生部13は、光ファイバセンサ1に入力する第2のパルス光(レーザパルス光)を発生する。歪み計測用光検出部14は、歪み計測用パルス光発生部13で発生した第2のパルス光を光ファイバセンサ1に入力したときに光ファイバセンサ1から出力される戻り光(例えば、ブリルアン散乱光)を検出する。また、歪み計測用パルス光発生部13からの第2のパルス光を光スイッチ15に導き、光ファイバセンサ1からの戻り光を歪み計測用光検出部14に導く素子としては、光サーキュレータ(図示せず)を用いることができる。
【0031】
光スイッチ15は、光ファイバセンサ1に、温度測定用パルス光発生部11及び温度計測用光検出部12、又は、歪み計測用パルス光発生部13及び歪み計測用光検出部14のいずれかを接続するための切替えを行う。
【0032】
中央処理部16は、温度計測用光検出部12からの出力信号に基づいて、光ファイバセンサ1の各位置における温度及びその温度が計測された位置を計測する。光ファイバセンサ1の各位置の温度は、例えば、後方散乱光であるブリルアン散乱光の強度に基づいて計測される。また、光ファイバセンサ1の各位置(温度計測用パルス光発生部11から温度計測箇所までの距離)は、後方散乱光の戻り時間(第1のパルス光を出力してから当該第1のパルス光の後方散乱光を検出するまでの時間)及び光ファイバセンサ1中の光速から算出される。光ファイバセンサ1の各位置における温度は、土砂内の水分量の増加に対応して低下する指標として土砂異常の判定に用いることができる。
【0033】
また、中央処理部16は、光ファイバセンサ1の各位置についての温度下降率を算出することもできる。温度下降率の算出は、複数回の温度計測値及び温度の検出時刻(検出時間の間隔)を用いて行われる。光ファイバセンサ1の各位置における温度下降率は、土砂内の水分量の増加率に対応する指標として土砂異常の判定に用いることができる。
【0034】
また、中央処理部16は、歪み計測用光検出部14からの出力信号に基づいて、光ファイバセンサ1の各位置における歪み量及びその歪み量が計測された位置を計測する。光ファイバセンサ1の各位置の歪み量は、例えば、後方散乱光であるブリルアン散乱光の強度の周波数分布を解析することによって求められる。また、光ファイバセンサ1の各位置(歪み計測用パルス光発生部13から歪み計測箇所までの距離)は、後方散乱光の戻り時間(第2のパルス光を出力してから当該第2のパルス光の後方散乱光を検出するまでの時間)及び光ファイバセンサ1中の光速から算出される。光ファイバセンサ1の各位置における歪み量は、土砂の移動量の増加(又は土砂表面の膨張量の増加)に対応して増加する指標として、土砂異常の判定に用いることができる。
【0035】
また、中央処理部16は、光ファイバセンサ1の各位置についての歪み上昇率を算出することもできる。歪み上昇率の算出は、複数回の歪み量の計測値及び歪みの検出時刻(検出時間の間隔)を用いて行われる。光ファイバセンサ1の各位置における歪み上昇率は、土砂の移動速度に対応する指標として、土砂異常の判定に用いることができる。
【0036】
さらに、中央処理部16は、温度計測用光検出部12又は歪み計測用光検出部14からの出力信号に基づいて光ファイバセンサ1の切断発生及び切断位置を観測する。切断発生は、第1又は第2のパルス光を発生してから温度計測用光検出部12又は歪み計測用光検出部14により戻り光が検出されるまでの時間(戻り時間)を解析することにより検知され、切断位置は、戻り時間と光ファイバセンサ1内の光速から算出される。
【0037】
管理情報記憶部17は、土砂異常監視装置3の季節別位置別基準温度テーブル31から受け取った基準温度データ、土砂異常監視装置3の温度判定用閾値テーブル32から受け取った温度判定用閾値、及び土砂異常監視装置3の歪み判定用閾値テーブル33から受け取った歪み判定用閾値を格納する。また、中央処理部16が温度下降率の判定及び歪み上昇率の判定を行う場合には、管理情報記憶部17は、土砂異常監視装置3の温度下降率判定用閾値テーブル(図示せず)から受け取った温度下降率判定用閾値と、土砂異常監視装置3の歪み上昇率判定用閾値テーブル(図示せず)から受け取った歪み上昇率判定用閾値とを格納する。管理情報記憶部17は、上記格納データを、例えば、土砂異常検出システムの起動時(又は起動毎)に土砂異常監視装置3から受け取る。また、管理情報記憶部17は、上記格納データを(例えば、季節別位置別基準温度テーブル31から受け取る基準温度データ)を、光ファイバ温度・歪み計測器2に内蔵されている時計(図示せず)の日付情報に基づいて、自動的に(例えば、季節又は月が切り替わる時点で)、土砂異常監視装置3から取り込むことによって更新するようにすることが望ましい。
【0038】
計測情報記憶部18は、中央処理部16が算出した光ファイバセンサ1の各位置の温度、光ファイバセンサ1の各位置の歪み量、光ファイバセンサ1の各位置の温度の判定結果、光ファイバセンサ1の各位置の歪み量の判定結果を記憶する。また、温度下降率の判定及び歪み上昇率の判定を行う場合には、計測情報記憶部18は、中央処理部16が算出した光ファイバセンサ1の各位置の温度下降率、光ファイバセンサ1の各位置の歪み上昇率、光ファイバセンサ1の各位置の温度下降率の判定結果、及び光ファイバセンサ1の各位置の歪み上昇率の判定結果を記憶する。さらにまた、光ファイバセンサ1の切断情報及び切断位置を観測する場合には、計測情報記憶部18は光ファイバセンサ1のファイバ切断情報及び切断位置を格納する。
【0039】
受信処理部19は、土砂異常監視装置3からの情報を受信して管理情報記憶部17に格納させる。送信処理部20は、中央処理部16によって指示された情報及び計測情報記憶部18に格納されている情報を土砂異常監視装置3に送信する。送信情報としては、計測された温度、温度異常発生箇所、計測された歪み量、歪み異常発生箇所、光ファイバセンサ1の切断発生情報、及び切断箇所が含まれる。また、温度下降率の判定及び歪み上昇率の判定を行う場合には、送信情報としては、温度下降率、温度下降率異常の発生箇所、歪み上昇率、歪み上昇率異常の発生箇所を含む。
【0040】
次に、上記構成を有する第1の実施形態に係る土砂異常検出システムの動作を説明する。
【0041】
先ず、土砂内に敷設された光ファイバセンサ1に温度計測用パルス光発生部11により第1のパルス光を入力し、このときに光ファイバセンサ1から出力される後方散乱光を温度計測用光検出部12により検出する。中央処理部16は、温度計測用光検出部12からの検出信号を解析することによって、光ファイバセンサ1の各位置における温度を計測する。温度計測位置は光ファイバセンサ1の任意の位置に定めることができるが、通常は、光ファイバセンサ1の基準とする位置から5m間隔の位置とする。
【0042】
次に、中央処理部16からの指令に基づいて、光スイッチ15が切り替わり、光ファイバセンサ1に歪み計測用パルス光発生部13により第2のパルス光を入力し、このときに光ファイバセンサ1から出力される後方散乱光を歪み計測用光検出部14により検出する。中央処理部16は、歪み計測用光検出部14からの検出信号を解析することによって、光ファイバセンサ1の各位置における歪み量を計測する。歪み計測位置は光ファイバセンサ1の任意の位置に定めることができるが、通常は、温度計測位置と同じ位置である。
【0043】
上記した温度計測及び歪み計測は、光スイッチ15を切り替えながら所定の周期で繰り返し行われる。計測周期は、自由に定めることができるが、通常は、30分間隔又は1時間間隔である。また、計測位置の間隔や計測周期は、気象条件に応じて切り替えてもよい。例えば、大雨時(天気予報及び降水量予報等、又は、実際の天気及び観測された降水量等)や、所定の震度を超える地震の直後に計測位置の間隔を狭めたり、計測周期を短くしたりしてもよい。また、大雨時には、温度の計測周期を短くし又は計測位置の間隔を狭くし、地震の直後には歪みの計測周期を短くし又は歪みの計測位置の間隔を狭くするように、予測される気象条件等又は観測された気象条件等に応じた最適な測定環境を選択できるようにしてもよい。さらに、上記した測定環境の切替えを、操作員の操作により行う他、気象情報や地震情報等に連動して自動的に切り替わるように構成してもよい。
【0044】
次に、中央処理部16は、土砂異常監視装置3の管理情報記憶部17に格納された季節別位置別温度に関する基準温度データを用いて、計測された各位置の温度を修正する。修正は、基準温度から計測温度を差し引いて温度変動値を算出することによって行われる。土砂異常監視装置3の季節別位置別基準温度テーブル31の簡素化された例(計測地点を10点とした場合)を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
また、管理情報記憶部17に格納された季節別位置別温度に関する基準温度データの簡素化された例(計測が5月に行われた場合)を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
また、修正された各位置の温度データ(計測温度から基準温度を差し引いた値)の簡素化された例を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
そして、修正された温度を予め決められた第1の閾値と比較し、この比較結果に基づいて各位置における土砂温度の異常の有無を判定する。予め決められた第1の閾値の具体例及び土砂温度の異常の有無の判定結果の簡素化された例を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
次に、中央処理部16は、計測された光ファイバセンサ1の各位置の歪み量を、管理情報記憶部17に格納された歪み判定用閾値と比較し、歪み量が歪み判定用閾値を超えたときに歪み異常有り(即ち、土砂に既定値を超える移動があった)と判定する。
【0053】
次に、中央処理部16は、計測された温度の下降率を求め、この温度の下降率を予め決められた温度下降率判定用閾値と比較した結果に基づいて土砂温度の下降率の異常の有無を判定する。また、計測された歪みの上昇率を求め、この歪みの上昇率を予め決められた歪み上昇率判定用閾値と比較した結果に基づいて歪み上昇率の異常の有無を判定する。ただし、温度下降率の判定及び歪み上昇率の判定を採用するか否かは、任意であり、省略することも可能である。温度下降率及び歪み上昇率の計測位置を、例えば、温度又は歪みの異常判定がなされた位置のみにする、又は、気象条件などの他の条件を考慮して変化させるようにしてもよい。さらに、中央処理部16は、温度、歪み、温度下降率、及び歪み上昇率のいずれかに異常が有ると判定した場合に、異常有りと判定された位置に関して、温度及び歪みの計測の周期並びに温度下降率及び歪み上昇率の計測の周期を短くするようにしてもよい。また、上記判定結果に基づいて各計測位置における危険度をランク付けして出力するようにしてもよい。例えば、異常判定の組み合わせに応じて、以下のような、最も低い危険度▲1▼から最も高い危険度▲8▼までの危険度情報を出力するようにしてもよい。
危険度▲1▼:温度異常のみ
危険度▲2▼:温度異常+温度上昇率異常
危険度▲3▼:歪み異常のみ
危険度▲4▼:温度異常+歪み異常
危険度▲5▼:温度異常+温度上昇率異常+歪み異常
危険度▲6▼:歪み異常+歪み上昇率異常
危険度▲7▼:温度異常+歪み異常+歪み上昇率異常
危険度▲8▼:温度異常+温度上昇率異常+歪み異常+歪み上昇率異常
ただし、危険度の決め方は、土砂の形状、土の成分等のような各種要因に応じて適切に設定すればよい。
【0054】
また、中央処理部16は、光ファイバセンサ1の切断発生が検出された場合には、切断発生と切断の位置(土砂災害が発生したこと及び発生位置)を検知し、切断発生と切断の位置に関する情報を出力する。
【0055】
温度、温度異常発生箇所、歪み、歪み異常発生箇所、光ファイバセンサ1の切断発生、切断箇所の位置、温度下降率、温度下降率異常の発生箇所、歪み上昇率、歪み上昇率異常の発生箇所等の各種計測情報及び判定結果は、計測情報記憶部18に記憶され、所定のタイミングで(例えば、1回又は所定回数の計測及び判定を終了する度に、又は、所定の時間間隔で)、土砂異常監視装置3に送信される。土砂異常監視装置3は、異常発生等の重要な情報を表示部34(例えば、コンピュータのモニタ画面)に表示させたり、警報音や警報ランプで監視員に通知する。
【0056】
以上に説明したように、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、光ファイバセンサ1を用いて計測された温度に基づいて土砂災害を誘発する要因となる土中水分の移動又は増加(土中水分の挙動)を検出しているので、実際に土砂の移動が生じなければ何も検出できない従来の検出装置に比べ、早い時期に土砂異常を検出でき、その結果、早い時期に土砂災害の発生を予測できる。
【0057】
また、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、光ファイバセンサ1を用いて計測された温度に加え、温度が計測された位置と同じ又は近傍位置の歪みを計測すること(複合検知)によって、土中水分の移動又は増加(土中水分の挙動)及び土砂の移動量(土砂の挙動)の両方を土砂異常検出の判断材料としているので、いずれか一方の判断材料に基づく土砂災害の予測に比べ、土砂災害発生の有無を高い精度で予測することができる。
【0058】
さらに、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、光ファイバセンサを用いて計測された温度を、位置別且つ時期別の基準温度データに基づいて修正することにより、測定位置や測定時期(季節等)が計測温度に与える影響を排除し、修正された温度に基づいて土砂異常の有無を判定しているので、土砂災害発生の有無を高い精度で予測することができる。
【0059】
また、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、土砂の温度及び歪み量に加え、土砂の温度下降率(土中水分の急激な増加を示す指標)をも土砂異常検出の判断材料としているので、土砂災害の有無を高い精度で予測することができる。
【0060】
また、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、土砂の温度及び歪み量に加え、土砂歪みの上昇率(土砂移動の速さを示す指標)をも土砂異常検出の判断材料としているので、土砂災害の有無を高い精度で予測することができる。
【0061】
また、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば、光ファイバセンサの切断発生及び切断箇所を検出することにより、災害発生の予測機能に加え、発生した災害の通報機能をも兼ね備えることができる。
【0062】
第2の実施形態
図2は、本発明の第2の実施形態に係る土砂異常検出システム(第2の実施形態に係る土砂異常検出装置を含むシステムであり、第2の実施形態に係る土砂異常検出方法を実施するシステムである。)の構成を概略的に示すブロック図である。図2において、図1と同一又は対応する構成には同じ符号を付す。
【0063】
第2の実施形態に係る土砂異常検出システムは、それぞれが異なる位置に敷設された複数本(図2の簡素化された例においては、10本)の光ファイバセンサ1a〜1jを有する点、及び、光ファイバ温度・歪み計測器2に接続される光ファイバセンサ1a〜1jを切り替える光ファイバセンサ切替用光スイッチ22を有する点のみが、上記第1の実施形態の土砂異常検出システムと異なる。光ファイバセンサ1a〜1jを別々の場所に敷設することにより1台の光ファイバ温度・歪み計測器61により複数の区域の土砂異常を検出することができる。
【0064】
また、例えば、2本の光ファイバセンサを1組として並設し、各光ファイバセンサにより計測された温度及び歪み量を互いに比較し、この比較結果に基づいて計測された温度及び歪み量の扱いを決めるようにしてもよい。例えば、両者の値の差が大き過ぎる場合(いずれかの検出データが信頼できない場合)には、両者の値の差が大き過ぎるデータを無視するようにしてもよい。また、両者の値の平均値を、土砂異常の判定のために用いる温度及び歪み量としてもよい。なお、第2の実施形態において、上記以外の点は、上記第1の実施形態と同じである。
【0065】
第3の実施形態
図3は、本発明の第3の実施形態に係る土砂異常検出システム(第3の実施形態に係る土砂異常検出装置を含むシステムであり、第3の実施形態に係る土砂異常検出方法を実施するシステムである。)の構成を概略的に示すブロック図である。図3において、図1と同一又は対応する構成には同じ符号を付す。
【0066】
第3の実施形態に係る土砂異常検出システムは、並設された1対の光ファイバセンサ51,52を有する点、光ファイバセンサ51を温度検出用パルス光発生部11及び温度計測用光検出部12に接続し、光ファイバセンサ52を歪み検出用パルス光発生部13及び歪み計測用光検出部14に接続とした点が上記した第1の実施形態に係る土砂異常検出システムと相異する。この場合には、光ファイバセンサ51として、図1と後方散乱光を測定する方式のものを採用することもでき、また、ファイバブラッググレーティング(FBG)を所定間隔で備えたものを使用することができる。また、第3の実施形態に係る土砂異常検出システムにおいては、図1の光スイッチ15が不要となるので、光ファイバ温度・歪み計測器62の構成を簡略化できる。また、第3の実施形態に係る土砂異常検出システムにおいて、複数対の光ファイバセンサ51,52を敷設し、第2の実施形態に係る光ファイバセンサ切替用光スイッチ22(図2)を用いて、切替可能に構成してもよい。なお、第3の実施形態において、上記以外の点は、上記第1又は第2の実施形態と同じである。
【0067】
第4の実施形態
図4は、本発明の第4の実施形態に係る土砂異常検出システム(第4の実施形態に係る土砂異常検出装置を含むシステムであり、第4の実施形態に係る土砂異常検出方法を実施するシステムである。)の構成を概略的に示すブロック図である。図4において、図1と同一又は対応する構成には同じ符号を付す。
【0068】
第4の実施形態に係る土砂異常検出システムは、光ファイバ温度・歪み計測器63の管理情報記憶部17が、季節別位置別基準温度テーブルと、温度判定用閾値テーブルと、歪み判定用閾値テーブルとを有する点が、上記第1の実施形態に係る土砂異常検出システムと相異する。また、第4の実施形態における管理情報記憶部17を上記第1から第3までの土砂異常検出システムに適用してもよい。なお、第4の実施形態において、上記以外の点は、上記第1から第3までのいずれかの実施形態と同じである。
【0069】
第5の実施形態
図5は、本発明の第5の実施形態に係る土砂異常検出システム(第5の実施形態に係る土砂異常検出装置を含むシステムであり、第5の実施形態に係る土砂異常検出方法を実施するシステムである。)の構成を概略的に示すブロック図である。図5において、図1と同一又は対応する構成には同じ符号を付す。
【0070】
第5の実施形態に係る土砂異常検出システムは、光ファイバケーブル41をループ状に敷設し、一方の端部を温度計測用パルス光発生部11及び温度計測用光検出部12に接続し、他方の端部を歪み計測用パルス光発生部13及び歪み計測用光検出部14に接続した点が上記第1の実施形態に係る土砂異常検出システムと相異する。また、図1の光スイッチ15が不要となるので、光ファイバ温度・歪み計測器64の構成を簡略化できる。また、第1の実施形態に係る土砂異常検出システムにおいては、光ファイバセンサ1の切断(災害発生箇所)は1箇所しか検出できないが、第5の実施形態に係る土砂異常検出システムによれば光ファイバセンサ1の切断(災害発生箇所)を2箇所まで検出できる。また、第4の実施形態における管理情報記憶部17を第5の実施形態に係る土砂異常検出システムに適用してもよい。なお、第5の実施形態において、上記以外の点は、上記第1から第4までのいずれかの実施形態と同じである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、光ファイバセンサを用いて計測された温度に基づいて土砂災害を誘発する要因となる土中水分の移動又は増加(土中水分の挙動)を検出しているので、実際に土砂の移動が生じなければ何も検出できない従来の検出装置に比べ、早い時期に土砂異常を検出でき、その結果、早い時期に土砂災害の発生を予測できるという効果がある。
【0072】
また、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、光ファイバセンサを用いて計測された温度に加え、温度が計測された位置と同じ又は近傍位置の歪みを計測すること(複合検知)によって、土中水分の移動又は増加(土中水分の挙動)及び土砂の移動量(土砂の挙動)の両方を土砂異常検出の判断材料としているので、いずれか一方の判断材料に基づく土砂災害の予測に比べ、土砂災害発生の有無を高い精度で予測することができるという効果がある。
【0073】
さらに、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、光ファイバセンサを用いて計測された温度を、位置別且つ時期別の基準温度データに基づいて修正することにより、測定位置や測定時期(季節)が計測温度に与える影響を排除し、修正された温度に基づいて土砂異常の有無を判定しているので、土砂災害発生の有無を高い精度で予測することができるという効果がある。
【0074】
また、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、土砂の温度及び歪み量に加え、土砂の温度下降率(土中水分の急激な増加を示す指標)をも土砂異常検出の判断材料としているので、土砂災害の有無を高い精度で予測することができる。
【0075】
また、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、土砂の温度及び歪み量に加え、土砂歪みの上昇率(土砂移動の速さを示す指標)をも土砂異常検出の判断材料としているので、土砂災害の有無を高い精度で予測することができる。
【0076】
また、本発明に係る土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂災害検出方法によれば、光ファイバセンサの切断発生及び切断箇所を検出することにより、災害発生の予測機能に加え、発生した災害の通報機能をも兼ね備えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る土砂異常検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る土砂異常検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態に係る土砂異常検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】 本発明の第4の実施形態に係る土砂異常検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】 本発明の第5の実施形態に係る土砂異常検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a〜1j,41,51,52 光ファイバセンサ
2,61,62,63,64 光ファイバ温度・歪み計測器(土砂異常検出装置)
3 土砂異常監視装置
11 温度計測用パルス光発生部
12 温度計測用光検出部
13 歪み計測用パルス光発生部
14 歪み計測用光検出部
15 光スイッチ
16 中央処理部
17 管理情報記憶部
18 計測情報記憶部
19 受信処理部
20 送信処理部
22 光ファイバセンサ切替用光スイッチ
31 季節別位置別基準温度テーブル
32 温度判定用閾値テーブル
33 歪み判定用閾値テーブル
34 表示部
Claims (26)
- 土砂内に敷設された光ファイバセンサに入力する第1のパルス光を発生する第1のパルス光発生手段と、
前記光ファイバセンサに第1のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出する第1の光検出手段と、
土砂内に敷設された光ファイバセンサに入力する第2のパルス光を発生する第2のパルス光発生手段と、
前記光ファイバセンサに第2のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出する第2の光検出手段と、
前記第1の光検出手段からの出力信号に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における温度を算出し、前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサが敷設される土砂内の温度に関する基準温度データを用いて前記算出された各位置の温度を修正し、前記修正された温度を予め決められた第1の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂温度の異常の有無を判定し、また、前記第2の光検出手段からの出力信号に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における歪み量を算出し、前記算出された各位置の歪み量を予め決められた第2の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂移動の異常の有無を判定する中央処理手段と、
前記中央処理手段の判定結果に基づく情報を出力する情報出力手段と
を有することを特徴とする土砂異常検出装置。 - 前記土砂内の温度に関する基準温度データが、
土砂内の位置別及び季節別の温度データ、
土砂内の位置別及び月別の温度データ、及び、
土砂内の位置別及び日別の温度データ
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の土砂異常検出装置。 - 前記土砂内の温度に関する基準温度データが、土砂異常検出装置起動の後に外部から供給されるデータであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記土砂内の温度に関する基準温度データが、予め保持していたデータテーブルのデータであることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサが共通の光ファイバセンサであり、
前記光ファイバセンサに、前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段を接続するか、又は、前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を接続するかの切替えを行う切替手段を有する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。 - 前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサが、土砂内のほぼ同じ位置に敷設された別個の光ファイバセンサであることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記第1のパルス光が入力される光ファイバセンサ及び前記第2のパルス光が入力される光ファイバセンサが共通の光ファイバセンサであり、
前記光ファイバセンサの一方の端部に前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段を接続し、
前記光ファイバセンサの他方の端部に前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を接続した
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。 - 前記光ファイバセンサが異なる位置に複数本敷設されており、
前記第1のパルス光発生手段及び前記第1の光検出手段、又は、前記第2のパルス光発生手段及び前記第2の光検出手段を、前記複数本の光ファイバセンサのいずれかに選択的に接続する選択手段を有する
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。 - 前記第1の閾値が、土砂内の位置別に決められており、
前記第2の閾値が、土砂内の位置別に決められている
ことを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。 - 前記第1の閾値及び前記第2の閾値が、土砂異常検出装置起動の後に外部から供給されることを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記第1の閾値及び前記第2の閾値が、予め保持していたデータテーブルのデータに基づく値であることを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記中央処理手段が、温度の計測及び歪みの計測のそれぞれを所定の周期で繰り返し実行することを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記中央処理手段が、計測された温度の下降率を算出し、この温度の下降率を予め決められた第3の閾値と比較した結果に基づいて土砂温度下降率の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1から12までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記中央処理手段が、計測された歪みの上昇率を算出し、この歪みの上昇率を予め決められた第4の閾値と比較した結果に基づいて土砂歪み上昇率の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1から13までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記中央処理手段による温度判定、歪み判定、温度下降率判定、及び歪み上昇率判定のいずれかにおいて異常有りと判定された場合に、異常有りと判定された位置に関して、温度及び歪みの計測の周期を短縮することを特徴とする請求項1から14までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 前記中央処理手段が、前記第1の光検出手段及び前記第2の光検出手段のいずれかの出力に基づいて前記光ファイバセンサの切断発生及び切断の位置を検出し、前記光ファイバセンサの切断が検出されたときに土砂災害の発生及び発生位置に関する情報を出力することを特徴とする請求項1から15までのいずれかに記載の土砂異常検出装置。
- 光ファイバセンサと、
この光ファイバセンサに接続されており、前記請求項1から16までのいずれか一つと同じ構成を持つ土砂異常検出装置、
前記土砂異常検出装置から出力された情報を受け取る土砂異常監視装置と
を有することを特徴とする土砂異常検出システム。 - 前記土砂異常監視装置が、
前記土砂内の温度に関する基準温度データを保持する第1のデータテーブルと、
前記第1の閾値に関するデータを保持する第2のデータテーブルと、
前記第2の閾値に関するデータを保持する第3のデータテーブルと
を有することを特徴とする請求項17に記載の土砂異常検出システム。 - 土砂内に敷設された光ファイバセンサに第1のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出することによって、前記光ファイバセンサの各位置における温度を算出する工程と、
前記光ファイバセンサに第2のパルス光を入力したときに前記光ファイバセンサから出力される光を検出することによって、前記光ファイバセンサの各位置における歪み量を算出する工程と、
光ファイバセンサが敷設される土砂内の温度に関する基準温度データを用いて前記算出された各位置の温度を修正し、前記修正された温度を予め決められた第1の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂温度の異常の有無を判定する工程と、
計測された各位置の歪み量を予め決められた第2の閾値と比較し、この比較結果に基づいて前記光ファイバセンサの各位置における土砂移動の異常の有無を判定する工程と、
前記判定結果に基づく情報を出力する工程と
を有することを特徴とする土砂異常検出方法。 - 前記土砂内の温度に関する基準温度データが、
土砂内の位置別及び季節別の温度データ、
土砂内の位置別及び月別の温度データ、及び、
土砂内の位置別及び日別の温度データ
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項19に記載の土砂異常検出方法。 - 前記第1の閾値が、土砂内の位置別に決められており、
前記第2の閾値が、土砂内の位置別に決められている
ことを特徴とする請求項19又は20のいずれかに記載の土砂異常検出方法。 - 前記温度を計測する工程及び前記歪みを計測する工程のそれぞれを所定の周期で繰り返し実行することを特徴とする請求項19から21までのいずれかに記載の土砂異常検出方法。
- 計測された温度の下降率を算出し、この温度の下降率を予め決められた第3の閾値と比較した結果に基づいて土砂温度の下降率の異常の有無を判定する工程を有することを特徴とする請求項19から22までのいずれかに記載の土砂異常検出方法。
- 計測された歪みの上昇率を算出し、この歪みの上昇率を予め決められた第4の閾値と比較した結果に基づいて土砂歪みの上昇率の異常の有無を判定する工程を有することを特徴とする請求項19から23までのいずれかに記載の土砂異常検出方法。
- 前記温度の異常の有無を判定する工程、前記歪みの異常の有無を判定する工程、前記温度下降率の異常の有無を判定する工程、及び前記歪み上昇率の異常の有無を判定する工程のいずれかにおいて、異常有りと判定された位置に関して、温度及び歪みの計測の周期を短縮することを特徴とする請求項19から24までのいずれかに記載の土砂異常検出方法。
- 前記光ファイバセンサの切断発生及び切断の位置を検出する工程と、
前記光ファイバセンサの切断が検出されたときに土砂災害が発生したこと及び発生位置に関する情報を出力する工程と
を有することを特徴とする請求項19から25までのいずれかに記載の土砂異常検出方法。
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