JP6351279B2 - 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法 - Google Patents

地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6351279B2
JP6351279B2 JP2014019187A JP2014019187A JP6351279B2 JP 6351279 B2 JP6351279 B2 JP 6351279B2 JP 2014019187 A JP2014019187 A JP 2014019187A JP 2014019187 A JP2014019187 A JP 2014019187A JP 6351279 B2 JP6351279 B2 JP 6351279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
ground
frequency shift
strain
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014019187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015145592A (ja
Inventor
自求 薛
自求 薛
良昭 山内
良昭 山内
欣増 岸田
欣増 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Neubrex Co Ltd
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Neubrex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute of Innovative Technology for Earth, Neubrex Co Ltd filed Critical Research Institute of Innovative Technology for Earth
Priority to JP2014019187A priority Critical patent/JP6351279B2/ja
Publication of JP2015145592A publication Critical patent/JP2015145592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6351279B2 publication Critical patent/JP6351279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Optical Transform (AREA)

Description

本発明は、光ファイバのブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフト現象を利用して、地滑り等の地盤状態変動の前兆を早期に検知する地盤状態監視システムに関するものである。
地震や地滑りなどの予知に関する従来技術としては、例えば特許文献1に開示がある。特許文献1では、観測井戸内の空気振動(雑音)を振動センサで検出し、CPUの処理によって空気振動の周波数スペクトラムを作成し、メモリに予め設定してある湧水判定基準と周波数スペクトラムとを比較照合することにより、地下湧水の有無を判定する。これにより、地下湧水を、その発生と同時に発生時刻を特定して検出でき、また短時間で終息する湧水も確実に検出でき、自然災害の予知に利用できる湧水監視データが得られることが開示されている。
また、特許文献2では、地盤や崖の変形崩壊検出方法として、地盤の中の2次元平面内に、2方向成分を有するように光ファイバを配線し、光ファイバの片端からパルス光を入射し、地盤の変形により発生した光ファイバの歪に基づくブリルアン散乱光およびレイリー散乱光が距離に応じた時間後に戻るのを光検波方法により検出し、その周波数シフト分布を測定することにより光ファイバの歪の大きさを検知し、入射光が戻ってくる時間から歪の発生している場所を特定することにより、地盤の変形崩壊を検出することが開示されている。
一方、特許文献3では、光ファイバのブリルアン周波数シフトに加えてレイリー周波数シフト現象を利用して、主として圧力と温度の分布を測定するシステムが開示されている。しかし、このシステムでは、圧力と温度の分布を計測するのが目的であり、光ファイバが被測定物に固定されていないために、これで計測されるひずみは使い道がない。
特開平8−285954号公報 特開平11−166869号公報 特開2010−216877号公報
特許文献1に開示されている方法では、観測井戸を掘る必要があるが、特に、急激な湧水の発生時には、雨等も沢山降り、井戸が塞がれたり、井戸水が周囲の雨や井戸に流れ込む影響等により、影響を受けて実用的ではなかった。また、井戸の観測だけでは、地中の状況が正確に判断できないような状況にあり、更に高精度で地滑り等を予測できる装置が必要となってきていた。
また、特許文献2によるひずみのみの測定では、早期に地盤や崖の変形崩壊を検出することは、難しいと言える。特に、最近の地盤や崖の変形崩壊は、地域で集中的に発生する集中豪雨等で、その雨が、地盤や崖の地下を流れる地下水の増加により、変形崩壊が起こるようになっている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、地滑りが発生する要因の詳細検討に基づいて、様々な状況においても地滑りなどの前兆を捉えられ、より高精度で地滑りなどを予測できる地盤状態監視システムを提供することを目的とする。
この発明は、地盤と共に変形するように埋設された光ファイバに入射されたパルスレーザ光が光ファイバ内で散乱された散乱波を取得する散乱波取得部と、この散乱波取得部において取得した散乱波からブリルアン周波数シフトの、前記光ファイバ内の分布を計測するブリルアン周波数シフト計測部と、散乱波取得部において取得した散乱波からレイリー周波数シフトの、光ファイバ内の分布を計測するレイリー周波数シフト計測部と、ブリルアン周波数シフトとを関係付けるための、光ファイバ特有の係数、および、地盤の圧力、温度、およびひずみとレイリー周波数シフトとを関係付けるための、光ファイバ特有の係数を記憶する係数記憶部と、ブリルアン周波数シフト計測部において計測されたブリルアン周波数シフトの分布と、レイリー周波数シフト計測部において計測されたレイリー周波数シフトの分布と、係数記憶部に記憶された係数とを用いて、散乱波取得部において散乱波を取得した時点における地盤の圧力、温度、およびひずみの、光ファイバに沿った分布を解析により求める解析部と、解析部により求めた地盤の圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて、地盤の状態の変動を判定する地盤状態判定部とを備えたものである。
この発明によれば、地盤の圧力、温度、およびひずみの分布を同時に的確に計測することにより、地滑りの前兆など、地盤状態の変動を早期に把握することができる地盤状態監視システムが得られる。
この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの概要を示す側面断面図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの地盤中の拡大側面図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムのセンサケーブルの拡大横断面図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムのDPTSSの構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの地盤状態の監視に関する工程の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの平常時の測定結果を概念的に示す図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの大雨により地下水が増加した場合の測定結果を概念的に示す図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの大雨を誘因とする地滑りの前兆が表れた場合の測定結果を概念的に示す図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの大雨を誘因とする地滑りの前兆が表れた場合の温度、圧力、ひずみの変動の測定結果を概念的に示す図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの地震を誘因とする地滑りの前兆が表れた場合の温度、圧力、ひずみの変動の測定結果を概念的に示す図である。 この発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの動作フローを示すフローチャートである。 この発明の地盤状態監視システムを適用する地盤の一例を模式的に示す側面断面図である。 この発明の実施の形態2による地盤状態監視システムの概要を示す概略図である。 この発明の実施の形態2による別の地盤状態監視システムの概要を示す概略図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による地盤状態監視システムの概要を示す側面断面図、図2は図1の地盤100中の拡大側面断面図、図3は、図1のセンサケーブルの拡大横断面図である。地滑りが発生する可能性のある地盤100には、表土層101の下に不透水層である粘土層103があり、その粘土層103の上に地下水102が流れている。粘土層103の下は例えば岩盤104となっている。地盤100中に、観測井3が設置される。
観測井3中には、地盤100中の圧力P、温度T、および地層のひずみεの分布を計測するために、セメンチング34の層内にセンサケーブル2が埋設される。図3は、センサケーブル2の断面構造の一例を示している。センサケーブル2は、圧力の影響を受ける第1光ファイバ21と、圧力の影響から遮断された第2光ファイバ22とを含む。第2光ファイバ22は、圧力遮断のため、金属細管24内に収納されている。第1光ファイバ21の周囲には保護カバー23を設けても良い。ただし、この保護カバー23は第1光ファイバ21が周囲の圧力や変形の影響を受けるような材質・構造となっている必要がある。第1光ファイバ21および金属細管24は、例えば複数の金属線25と共に撚り線としてセンサケーブル2を構成する。また、地盤のひずみεを計測するために、第1光ファイバ21はセメンチング34層に固定されなければならない。
センサケーブル2は、セメンチング34の層内に埋設されているので、周囲の地盤100に状態変化を生じた場合、その影響を受ける。例えば、地盤100が変動して変形した場合、センサケーブル2は、セメンチング34の層と一体となって変形を受けることになる。この場合、第1光ファイバ21はその圧力を受け、圧力を感知するが、金属細管24内に収容されている第2光ファイバ22は影響を受けない。
このような第1光ファイバ21および第2光ファイバ22の各々について、地上に設置された測定装置1によりブリルアン計測およびレイリー計測が行われ、ブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトの光ファイバに沿った分布が求められる。これら、ブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトの分布から、センサケーブル2に沿った圧力、温度、ひずみの分布を同時に知ることができる。よって、発明者らは、測定装置1をDPTSS(Distributed Pressure Temperature Strain System)1と名付けた。
ここで、光ファイバを利用した圧力、温度、ひずみ分布測定の、測定原理を説明する。光ファイバに光を入射し、その散乱光を周波数分析すると、入射光とほぼ同じ周波数をもつレイリー散乱光、入射光と大きく周波数が異なるラマン散乱光、および入射光と数〜数十GHz程度周波数が異なるブリルアン散乱光が観測される。
ブリルアン散乱現象は、光が光ファイバへ入射された場合に光ファイバの音響フォノンを介してパワーが移動する現象である。入射光とブリルアン散乱光との周波数差はブリルアン周波数と呼ばれ、このブリルアン周波数は、光ファイバ中の音速に比例し、そして、この音速が光ファイバのひずみおよび温度に依存する。このため、ブリルアン周波数の変化を測定することによって、光ファイバに加えられるひずみおよび/または温度を測定することができる。また、本発明者らにより、光ファイバに加えられる圧力によっても、ブリルアン周波数が変化することが確かめられている。ここでは、ブリルアン周波数の変化
を、ブリルアン周波数シフトと呼ぶことにする。
レイリー散乱現象は、光ファイバ中の屈折率のゆらぎによって、光が散乱するために生ずる散乱現象である。入射光とレイリー散乱光との周波数差がレイリー周波数である。このレイリー周波数も、光ファイバに加えられるひずみおよび/または温度により変化する。ここでは、レイリー周波数の変化を、レイリー周波数シフトと呼ぶことにする。
従来、レイリー散乱現象は、ひずみと温度のみに感度があると考えられてきた。本発明者らの、先の提案である特許文献3においては、レイリー散乱現象は、ひずみと温度のみに感度があるとして、システムの提案を行っている。本発明者らのその後の研究の結果,レイリー散乱現象もブリルアン散乱現象と同様、ひずみと温度以外に、圧力にも感度を有することが判明した。すなわち、ブリルアン周波数シフトΔνBおよびレイリー周波数シフトΔνRは、それぞれ圧力変化量ΔP、温度変化量ΔT、ひずみ変化量Δεにより式(1)および式(2)のように表記できる。
Figure 0006351279
Figure 0006351279
ここで、Cijは光ファイバ固有の係数であり、使用する光ファイバについて、予備試験などによりこれらの係数の値を求めておくことにより、下記のように圧力変化量ΔP、温度変化量ΔT、ひずみ変化量Δεの分布を求めることができる。このレイリー周波数シフトΔνRに圧力の項を導入することで、より精度が高い圧力、温度、ひずみ分布測定が可能となったのである。
ΔνB、ΔνRが計測されたとする。計測値において圧力P、温度Tおよびひずみεの影響を分離するためには、3個以上の独立した計測量が必要となる。一つの光ファイバでは、独立した2個の計測値、ΔνB、ΔνRが得られるだけであるから、圧力P、ひずみεおよび温度Tに対する感度が異なる2種類の光ファイバを用いることで、4個の独立した計測値が得られる。すなわち、式(3)の連立方程式が得られる。
Figure 0006351279
ここで、上付きの数字は、光ファイバの種類を示している。圧力および温度は光ファイバが存在する部分の場の圧力および温度であるため、2種類の光ファイバで同一の値を持つ。一方、ひずみの値は光ファイバが周囲の物質に固定されているか否かに依存する。DPTSS1ではファイバ周囲の物質のひずみを計測する必要があるので、少なくとも一つの光ファイバは周囲の物質に固定されていなければならない。
上記式(3)の連立方程式を解くことにより、圧力P、温度Tおよびひずみεの影響を分離することができる。よって、ブリルアン周波数シフトの計測(ブリルアン計測と呼ぶ)、およびレイリー周波数シフトの計測(レイリー計測と呼ぶ)のハイブリッド計測を行い、式(3)の連立方程式を解くことにより、圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量Δεの、光ファイバに沿った分布を求めることができる。
式(3)において、上付き数字1のファイバを図3における第1光ファイバ21、上付き数字2のファイバを第2光ファイバ22とすると、第2光ファイバ22は圧力の影響から遮断されているため、式(3)は簡素化され、式(4)のようになる。
Figure 0006351279
式(4)でも、圧力および温度は光ファイバが存在する部分の場の圧力および温度であるため、2種類の光ファイバで同一の値を持つ。一方、ひずみについては、周囲の物質に固定された第1光ファイバ21が受けるひずみε1と、金属細管24に納められた第2光ファイバ22が受けるひずみε2は異なる。未知数はΔP、ΔT、Δε1、Δε2の4個となるが、方程式も4個あるため、これら4個の未知数を求めることができる。ただし、ひずみとして有用な値は、周囲の物質のひずみを直接受ける第1光ファイバ21のひずみε1である。
予め予備試験などにより、第1光ファイバ21および第2光ファイバ22の式(4)における各係数Cijを求めておき、ブリルアン計測およびレイリー計測のハイブリッド計測を行い、上記式(4)の連立方程式を解くことにより、圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量Δεの、光ファイバに沿った分布を求めることができる。ブリルアン計測およびレイリー計測のハイブリッド計測は、ある時点で同時に行うことができるため、光ファイバに沿った1次元の圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量Δεの分布だけではなく、時間軸のデータも得ることができる。
式(4)は増分型の式であることに注意が必要である。すなわち、左辺のブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトを求めるためには、初期の状態における基準となる計測と、状態が変化した後の本計測の2回の計測が必要となる。また、式(4)を解いて得られるのは、初期状態を基準とした圧力、温度、ひずみのそれぞれの変化量となる。圧力、温度、ひずみの絶対量が必要となる場合は、初期計測時における圧力、温度、ひずみのそれぞれの分布の絶対量を何らかの方法により測定しておく。
初期状態は任意に選ぶことができる。地盤状態の監視について言えば、観測井3にケーブルを設置する前に、地上の恒温室において初期計測を行うことができる。この場合、圧力、温度分布が一様一定の状態を初期状態とすることができる。
または、観測井3にケーブルを設置した時の状態を初期状態とすることもできる。この場合は、式(4)を解くことで、地盤状態の変化よる圧力、温度、ひずみの変化量を直接得ることができる。圧力、温度、ひずみの絶対量が必要となる場合は、観測井3を設置する際に電気センサ等で計測された圧力、温度の絶対量分布を用いればよい。地上の恒温室における初期計測データがあれば、観測井3を設置した際の計測から、圧力、温度の絶対量分布を得ることもできる。
圧力P、温度Tおよびひずみεの分布の絶対量の変化あるいは、変化量のデータを収集することで、地盤100の状態変化および分布をモニタリングでき、例えば地下水102の温度変化や、地盤100の変形などを監視することができる。
図4は、DPTSS1の一例の概要を示すブロック図である。散乱波取得部11において、光ファイバで散乱された散乱波を取得する。取得された散乱波はブリルアン周波数シフト計測部12において解析され、ブリルアン周波数シフトが計測される。このとき、ブリルアン周波数シフトは光ファイバの長さ方向に沿った分布として計測される。同様に、レイリー周波数シフト計測部13においてレイリー周波数シフトが計測される。レイリー周波数シフトも、光ファイバの長さ方向に沿った分布として計測される。
係数記憶部14には、予備試験などにより求めた式(4)の係数Cijが予め記憶されている。計測されたブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフト、および係数記憶部14に記憶されている係数を用いて、解析部15において式(4)により、圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量Δεが解析され、分布データ記憶部16に記憶される。以上の計測、解析は所定の時間間隔で実行され、時間毎の圧力・温度・ひずみの変化量の分布データとして分布データ記憶部16に記憶される。初期計測において、圧力・温度・ひずみの初期分布の絶対量が計測されている場合は、この値を分布データ記憶部16に記憶しておけば、変化量の分布データと合わせて各時点の絶対量の分布データが得られる。地盤状態判定部17では、圧力、温度、ひずみの時間変化量などにより地盤100における状態を判定し、例えば地滑りの前兆などを監視する。
図1のシステムにおける、地盤状態変動の監視に関する工程の一例を図5のフロー図に示す。まず、第1光ファイバ21および第2光ファイバ22として設置される2種類の光ファイバを準備し、室内試験などにより、各光ファイバの特性を測定し、式(4)の各係数Cijを決定しておく(ST1)。決定した各係数は、例えばDPTSS1の係数記憶部14に記憶させておく。各係数が決定できた2種類の光ファイバをセンサケーブル2の第1光ファイバ21、第2光ファイバ22として、まず恒温室において、圧力、温度一様一定の条件下で初期計測1を行い、ブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトの基準となるブリルアン基準スペクトルおよびレイリー基準スペクトルを測定する(ST2)。次に、図1〜図3に示すような構成で、地盤100中の観測井3にセンサケーブル2を設置する(ST3)。
センサケーブル2の設置の完了後、初期計測2として、ブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトの基準となるブリルアン基準スペクトルおよびレイリー基準スペクトルを測定する(ST4)。圧力・温度の絶対量が必要となる場合は、初期計測1と初期計測2の計測データから、ブリルアン周波数シフトおよびレイリー周波数シフトを求め、連立方程式(4)を用いて圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTの分布を算出する。続いて、初期計測1時の恒温室の圧力、温度を用いて、初期計測2時の圧力、温度の絶対量分布を求める。
センサケーブル2の設置後、ブリルアン周波数シフト計測部12およびレイリー周波数シフト計測部13においてブリルアンスペクトルおよびレイリースペクトルの計測を行い、初期計測2の計測データとの差分を取ることにより、ブリルアン周波数シフトΔν1 B、Δν2 B(ST5)およびレイリー周波数シフトΔν1 R、Δν2 R(ST6)を求め、解析部15において連立方程式(4)を用いて圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量Δεの分布を算出する(ST7)。ST5、ST6、ST7は、上述のようにDPTSS1において、所定の時間間隔で実行され、時間毎のデータとして分布データ記憶部16に記憶される。ここで算出される圧力変化量ΔP、温度変化量ΔTおよびひずみ変化量
Δεは、前述の初期計測2時からの各変化量である。圧力P、温度Tおよびひずみεの分布の絶対量の変化あるいは、変化量のデータを収集することで、降雨等の急激な環境変化により、地盤や崖の状況変化をリアルタイムで計測することができ、地盤状態判定部17において地盤状態変動の監視・判定を行う(ST8)ことができて、早期に地滑り等の警告を行うことができる。
ここで、地滑りが発生するしくみを説明する。地滑りが発生する原因は、素因と誘因に分けられる。素因とは、地滑りが発生する場所の地形や地質、地質構造、水分地質条件などが、地滑りが発生し易い状態にあることである。すなわち、地滑りが発生する場所には、地滑りを規制する何らかの規制条件がある。誘因とは、地滑りが発生するトリガーとなるもので、自然的誘因と人為的誘因に分かれる。自然的誘因としては、一般に降雨や融雪に伴う地下水圧の上昇を誘因とする地滑りが多い。他にも、地滑り末端の土砂が小規模崩壊や河川による洗掘などによって喪失することによるもの、積雪荷重や地震なども誘因となる。人為的誘因としては斜面の切土や盛土、トンネル掘削などの土木によるもの、ダム湛水によるものなどがある。このように、地滑りは、もともと地滑りが発生する規制条件などの素因を有する斜面に誘因としての何らかの作用が生じたことによって発生する。
したがって、まず、地滑りの素因を有する場所に本発明による地盤状態監視システムの観測井3を設置する。さらに、誘因別に、地滑りが発生する際の地盤状態の前兆を分析し、地盤状態監視システムが地盤状態の変動を監視してこの前兆を把握した場合に警報を発する、などする。
集中豪雨などで地下水が急激に増加し、表土層101が滑って地滑りが発生する場合を例に説明する。地下水が急激に増加すると、図1に示した地下水102の層が増大するとともに、急激な地下水の流入により地下水102の温度が変化する。この様子を以下に説明する。平常時である時刻t0における地下の温度、圧力、ひずみの分布例を図6に示す。温度に関しては、外気温度により、地表表面の温度は大きく影響を受ける。この例は、地表の温度が30℃位の状況を示している。表土層101では、最初急激に温度が下がり、その後一旦上昇し、それから深さに比例するように温度が下がっていく傾向にある。一方、地下水102の部分や粘土層103では、温度が複雑に変化しているのが観測できる。岩盤104にはいった時からは、略温度が一定になると思われる。冬になり、外気温が低くなった場合には、地表付近の温度は、外気温付近からになるが、岩盤104に入ったら、1年間を通じて、大きく変化は起こらない。
このような環境で、急激な大雨が降った場合の温度変化等の状況を、説明する。大雨が降って地下水が増加した場合の、地下の温度、圧力、ひずみの分布例を図7に示す。地下水102が増加して時刻tiになったとき、図7に示す温度分布のように、大雨が降る前の時刻t0のときに比べて、地表から岩盤までの温度が下がり、地表から深さ方向の温度勾配が急激になる。図7は、まだ地滑りが発生する兆候が表れていない状態であり、圧力とひずみは平常時から大きな変化はない。
さらに大雨が続き、時刻tcにおいて、図8に示すように、地下水102の辺りすなわち粘土層103の上の表土層101で圧力やひずみが増加すると地滑りの前兆が表れたことになる。図9に、地滑りの前兆を判定するための、平常時の時刻t0と、地下水102が増加した時刻tiでの温度差、時刻t0と地滑りの兆候が表れた時刻tcでの圧力差、地滑りの兆候が表れた時刻tcでのひずみを示す。以上より、所定時間間隔ty毎の温度差を検出し粘土層103より上の場所での温度差が所定の温度変化した場合には、地滑りの危険があるとして地滑り危険フラグを設定する。圧力Pの分布も所定時間間隔ty毎に測定し、地滑り危険フラグが設定されている状態では、tyよりも短い所定時間間隔tz毎に測定し、所定時間間隔tzにおける圧力差が所定以上の値になった場合には、地滑り
が発生する可能性が非常に高くなったと判断して、地滑りの警告を発する。あるいは、ひずみの分布も地滑り危険フラグが設定されている状態で、所定時間間隔tz毎に測定し、ひずみの大きさが所定値以上になった場合に、地滑りの警告を発するようにしても良い。
以上は、大雨による地滑り発生に関する監視の状況であるが、雨が降らない状況で、地震が起こり地滑りが発生することがある。この場合は、図10に示すように、平常時の時刻t0と地滑りが発生する兆候が表れる時刻tcにおいて、
1)温度の変化はほとんど生じない。
2)圧力の変化やひずみの変化が大きく表れる。
したがって、圧力変化やひずみ変化あるいはひずみそのものの値が大きくなった場合に地滑りの発生を予測できる。
大雨が誘因となる地滑り、および地震が誘因となる地滑り、いずれも予測して警報を発するためのフローを、図11に示す。まず、危険フラグが設定されるまでの通常時の監視時間間隔tyおよび危険フラグが設定された場合の監視時間間隔tzを設定する(ステップST11)。tyは例えば1時間、tzは例えば1分とする。平常時の時刻t0に測定を開始するとすると、時刻t0にて温度T、圧力P、ひずみεの分布の測定を行い、それぞれの測定値をTt0、Pt0、εt0として分布データ記憶部16に記憶する。また、測定番号iを1に設定する(ステップST12)。次に、時刻がt1=t0+tyになったら、再びT、P、εの測定を行い、それぞれの測定値をTt1、Pt1、εt1として分布データ記憶部16に記憶する。(ステップST13)。測定値を用いて、温度分布データのTt1とTt0の差の絶対値が所定の差Taより小さいかどうかを判定する(ステップST14)。差は深さ方向の分布として得られるため、最大値が所定の差Taより小さいかどうかを判定すればよい。
差がTaより小さい場合(ステップST14 YES)は、次に圧力データのPt1とPt0の差の絶対値が所定の値Paより小さいかどうかを判定する(ステップST15)。温度と同様、差は深さ方向の分布として得られるため、最大値が所定の値Paより小さいかどうかを判定すればよい。差がPaより小さい場合(ステップST15 YES)は、次にひずみデータのεt1とεt0の差の絶対値が所定の値εaより小さいかどうかを判定する(ステップST16)。温度と同様、差は深さ方向の分布として得られるため、最大値が所定の値εaより小さいかどうかを判定すればよい。
差がεaより小さい場合(ステップST16 YES)は、地滑りの危険が無いと判断された場合であり、監視を終了しない場合(ステップST17 NO)、測定番号iを1増加させ(ステップST18)、時刻t2=t1+tyにて温度T、圧力P、ひずみεの分布の測定を行い、それぞれの測定値をTt2、Pt2、εt2として分布データ記憶部16に記憶する。時刻t2の測定値と、時刻t1の測定値を用いて、ステップST04からST07の判定を行う。このようにして、所定時間間隔ty毎に測定を行い、ひとつ前の測定値との差を求めて判定を行う。
ステップST14において、TtiとTti―1の差がTa以上となった場合(ステップST14 NO)、ステップ15においてPtiとPti―1の差がPa以上となった場合(ステップST15 NO)、あるいはステップ16においてεtiとεti―1の差がεa以上となった場合(ステップST16 NO)は、地滑りの危険があるため危険フラグを設定する。ステップST19に移って、監視時間間隔tzに設定し、tz間隔毎にT、P、εの分布の測定を行い(ステップST20)。測定値を危険フラグが設定されたときのひとつ前の測定値と比較する。危険フラグが設定されたときの測定番号がiとすると時刻ti−1のときの測定値との差により地滑りの可能性が非常に高まったと判断し警報を発する。
これを具体的に実行するには、まず危険フラグが設定されたときの時刻tiをtcとし(ステップ ST19)、時刻がtc+tzとなったときこの時の時刻を再び時刻をtcと設定して、T、P、εの分布の測定を行う(ST20)。時刻tcにおける圧力Ptcと時刻ti−1における圧力Pti−1の差の絶対値が所定の値Pb以上であれば(ステップST21 NO)警報を発する。圧力Ptcと圧力Pti−1の差の絶対値が所定の値Pbより小さければ、時刻tcにおけるひずみεtcと時刻ti−1におけるひずみεti−1の差の絶対値を評価し、差が所定の値εb以上であれば(ステップST22 NO)警報を発する。ひずみの差も所定の値εbより小さい場合(ステップST22 YES)、危険フラグを設定してから所定時間tbの間、tcをtzだけ増加させ、時間間隔tz毎にステップST20からステップST22を繰り返す。
tcが危険フラグを設定した時刻tiから所定時間tb以上経過した(ステップST23 YES)時刻になった場合は、地滑りの可能性が無くなったと判断し、通常の監視に戻る。すなわち、ステップST24にて、時刻tcを初期値、すなわちt0とし、測定番号iを1に設定して、ステップST13から監視を開始する。
大雨が誘因となる地滑り、および地震が誘因となる地滑り、いずれも予測して警報を発するためのフローを図11で示したが、同様のフローを複数並列で稼働させ、それぞれのフローにおいて、ty、tzやtbの少なくとも一つの値を異ならせることで、より地滑り等の予測精度を向上させることができる。
また、以上では、粘土層103が一か所で、その上を地下水102が流れる地盤を例にして説明したが、図12の模式図のように、粘土層103が2層ある場合や、さらに多層ある場合がある。地下水102は、それぞれの粘土層103の上を流れており、このような地盤においても、以上説明したのと同様、温度、圧力、ひずみの分布計測を行い、同様の地盤状態判定を行うことができる。
以上のように、温度、圧力、ひずみの分布を所定時間間隔ごとに測定し、圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて、地盤の状態の変動を判定して警告を発するようにしたので、大雨を誘因とする地滑りも、大雨以外の地震などを誘因とする地滑りも、より早期に地滑りの前兆を把握できる。したがって、杭等を打ち込むなど、地滑りを防ぐ対策がより早い時点で可能となる。
実施の形態2.
図13は、本発明の実施の形態2による地盤状態監視システムの概要を示す概略図である。図13に示すように、地滑り素因がある地盤に複数の観測井3を設置し、それぞれにセンサケーブル2を埋設して、光スイッチ18などで切替えながら、それぞれのセンサケーブル2に沿った温度、圧力、ひずみの分布を測定装置DPTSS1により測定するようにしても良い。
観測井3は、図13に示すように斜面の横方向に複数設けても良いし、図14に示すように斜面の上下方向に複数設けても良い。また、斜めに複数設けても良く、それぞれの観測井3の穴の方向も地中に斜めに掘っても良い。このように、地形に合わせて観測井3の配置や穴の方向を決定すればよい。
また、図13や図14では、それぞれの観測井3に別々のセンサケーブル2を埋設し、光スイッチ18などで切替えてそれぞれのセンサケーブル2に沿った温度、圧力、ひずみの分布計測を行うようにしたが、連続した1本のセンサケーブルを複数の観測井3に、例えば折り返して埋設するようにしてもよい。この場合は、センサケーブル2の位置と、各観測井3の深さ方向の位置とを関係付けて、測定値を各観測井3の深さ方向の分布に対応
させればよい。
以上のように、観測井3を複数設置し、それぞれの観測井3における温度、圧力、ひずみの分布を測定することにより、より精度が高い地盤状態の監視が行える。
以上では、地滑りの前兆の把握を例に地盤状態監視システムについて説明したが、本発明によるは地盤状態監視システムは、例えば地表の隆起や沈降、あるいは断層面でのずれなど地中の不連続面などの状態監視にも適用できる。また、プレート境界におけるプレートの変動など、地下深い位置での地盤の変動の監視などにも適用できる。
1 DPTSS、2 センサケーブル、3 観測井、11 散乱波取得部、12 ブリルアン周波数シフト計測部、13 レイリー周波数シフト計測部、14 係数記憶部、15 解析部、16 分布データ記憶部、17 地盤状態判定部、21 第1光ファイバ、22 第2光ファイバ、23 保護カバー、24 金属細管、25 金属線、34 セメンチング、100 地盤、101 表土層、102 地下水、103 粘土層(不透水層)、104 岩盤

Claims (10)

  1. 地盤と共に変形するように埋設された光ファイバに入射されたパルスレーザ光が前記光ファイバ内で散乱された散乱波を取得する散乱波取得部と、
    この散乱波取得部において取得した散乱波からブリルアン周波数シフトの、前記光ファイバ内の分布を計測するブリルアン周波数シフト計測部と、
    前記散乱波取得部において取得した散乱波からレイリー周波数シフトの、前記光ファイバ内の分布を計測するレイリー周波数シフト計測部と、
    前記地盤の圧力、温度、およびひずみと、前記ブリルアン周波数シフトとを関係付けるための、前記光ファイバ特有の係数、および、前記地盤の圧力、温度、およびひずみと前記レイリー周波数シフトとを関係付けるための、前記光ファイバ特有の係数を記憶する係数記憶部と、
    前記ブリルアン周波数シフト計測部において計測されたブリルアン周波数シフトの分布と、前記レイリー周波数シフト計測部において計測されたレイリー周波数シフトの分布と、前記係数記憶部に記憶された係数とを用いて、前記散乱波取得部において散乱波を取得した時点における前記地盤の圧力、温度、およびひずみの、前記光ファイバに沿った分布を解析により求める解析部と、
    前記解析部により求めた前記地盤の圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて、前記地盤の状態の変動を判定する地盤状態判定部と
    を備えたことを特徴とする地盤状態監視システム。
  2. 前記光ファイバは、圧力の影響を受けるように保持された第1光ファイバと、圧力の影響から遮断されるように保持された第2光ファイバとにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤状態監視システム。
  3. 前記解析部は、
    前記係数記憶部に記憶された、前記第1光ファイバと圧力、前記第1光ファイバと温度、前記第1光ファイバとひずみ、前記第2光ファイバと温度、前記第2光ファイバとひずみ、のそれぞれとブリルアン周波数シフトを関係づけるための係数である、C 13 、C 12 、C 11 、C 12 、C 11 と、
    前記第1光ファイバと圧力、前記第1光ファイバと温度、前記第1光ファイバとひずみ、前記第2光ファイバと温度、前記第2光ファイバとひずみ、のそれぞれとレイリー周波数シフトを関係づけるための係数である、C 23 、C 22 、C 21 、C 22 、C 21 と、
    前記第1光ファイバにおいて計測された、初期計測時からのブリルアン周波数シフトΔν およびレイリー周波数シフトΔν と、
    前記第2光ファイバにおいて計測された、ブリルアン周波数シフトΔν およびレイリー周波数シフトΔν と、による連立方程式
    Δν =C 13 ΔP+C 12 ΔT+C 11 Δε
    Δν =C 23 ΔP+C 22 ΔT+C 21 Δε
    Δν = C 12 ΔT+C 11 Δε
    Δν = C 22 ΔT+C 21 Δε
    により、前記初期計測時からの圧力変化量ΔP、温度変化量ΔT、第1光ファイバのひずみ変化量Δε 、および第2光ファイバのひずみ変化量Δε を求めることを特徴とする請求項2に記載の地盤状態監視システム。
  4. 前記光ファイバは、少なくとも前記地盤のうち地下水が流れる地層を含んで埋設されており、前記地盤状態判定部は、前記解析部により求めた圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて前記地盤の地滑りの前兆を把握することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の地盤状態監視システム。
  5. 前記光ファイバは、前記地盤の異なる位置に複数埋設されていることを特徴とする請求項に記載の地盤状態監視システム。
  6. 前記散乱波取得部は、前記複数の光ファイバからの散乱波を切替えてそれぞれの光ファイバの散乱波を取得することを特徴とする請求項に記載の地盤状態監視システム。
  7. 前記地盤状態判定部は、前記地盤の地滑りの前兆を把握したとき、警報信号を出力することを特徴とする請求項からいずれか1項に記載の地盤状態監視システム。
  8. 地盤と共に変形するように埋設された光ファイバに入射されたパルスレーザ光が前記光ファイバ内で散乱された散乱波を取得する散乱波取得工程と、
    この散乱波取得工程において取得した散乱波からブリルアン周波数シフトの、前記光ファイバ内の分布を計測するブリルアン周波数シフト計測工程と、
    前記散乱波取得工程において取得した散乱波からレイリー周波数シフトの、前記光ファイバ内の分布を計測するレイリー周波数シフト計測工程と、
    前記ブリルアン周波数シフト計測工程において計測されたブリルアン周波数シフトの分布と、前記レイリー周波数シフト計測工程において計測されたレイリー周波数シフトの分布と、前記地盤の圧力、温度、およびひずみと前記ブリルアン周波数シフトとを関係付けるための、前記光ファイバ特有の係数と前記地盤の圧力、温度、およびひずみと前記レイリー周波数シフトとを関係付けるための、前記光ファイバ特有の係数と、を用いて、前記散乱波取得工程において散乱波を取得した時点における前記地盤の圧力、温度、およびひずみの、前記光ファイバに沿った分布を解析により求める解析工程と、
    前記解析工程において求めた前記地盤の圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて、前記地盤の変動の状態を判定する地盤状態判定工程とを含む
    ことを特徴とする地盤状態監視方法。
  9. 前記光ファイバは、圧力の影響を受けるように保持された第1光ファイバと、圧力の影響から遮断されるように保持された第2光ファイバとにより構成されており、
    前記解析工程において、
    前記第1光ファイバと圧力、前記第1光ファイバと温度、前記第1光ファイバとひずみ、前記第2光ファイバと温度、前記第2光ファイバとひずみ、のそれぞれとブリルアン周波数シフトを関係づけるための係数である、C 13 、C 12 、C 11 、C 12 、C 11 と、
    前記第1光ファイバと圧力、前記第1光ファイバと温度、前記第1光ファイバとひずみ、前記第2光ファイバと温度、前記第2光ファイバとひずみ、のそれぞれとレイリー周波数シフトを関係づけるための係数である、C 23 、C 22 、C 21 、C 22 、C 21 と、
    前記第1光ファイバにおいて計測された、初期計測時からのブリルアン周波数シフトΔν およびレイリー周波数シフトΔν と、
    前記第2光ファイバにおいて計測された、ブリルアン周波数シフトΔν およびレイリー周波数シフトΔν と、による連立方程式
    Δν =C 13 ΔP+C 12 ΔT+C 11 Δε
    Δν =C 23 ΔP+C 22 ΔT+C 21 Δε
    Δν = C 12 ΔT+C 11 Δε
    Δν = C 22 ΔT+C 21 Δε
    により、前記初期計測時からの圧力変化量ΔP、温度変化量ΔT、第1光ファイバのひずみ変化量Δε 、および第2光ファイバのひずみ変化量Δε を求めることを特徴とする請求項8に記載の地盤状態監視方法。
  10. 前記光ファイバは、少なくとも前記地盤のうち地下水が流れる地層を含んで埋設されており、前記地盤状態判定工程において、前記解析工程において求めた圧力、温度、およびひずみの分布のうち少なくとも一つの経時変動に基づいて前記地盤の地滑りの前兆を把握することを特徴とする請求項8または9に記載の地盤状態監視方法。
JP2014019187A 2014-02-04 2014-02-04 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法 Active JP6351279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019187A JP6351279B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019187A JP6351279B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015145592A JP2015145592A (ja) 2015-08-13
JP6351279B2 true JP6351279B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=53889950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014019187A Active JP6351279B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6351279B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107386248A (zh) * 2017-07-11 2017-11-24 太原理工大学 一种采空区地表变形的监测方法
CN110207734A (zh) * 2019-04-30 2019-09-06 武汉隽龙科技股份有限公司 光纤传感中消除温度应变交叉敏感的测量方法
CN111141827B (zh) * 2020-02-13 2022-04-26 中国地震局地球物理研究所 基于测量多重散射波的滑坡动态变化监测系统
EP4266002A4 (en) * 2020-12-21 2024-08-14 Neubrex Co Ltd REINFORCED DSS CABLE
WO2023144916A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 ニューブレクス株式会社 電力用ケーブル監視システム、およびセンサロープの製造方法
CN116242238B (zh) * 2023-04-28 2023-07-18 山东鲁地建设发展有限公司 一种矿山生态修复用滑坡监测装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4027107B2 (ja) * 2002-02-06 2007-12-26 沖電気工業株式会社 土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法
JP2004045135A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 地中監視システム及び地中監視方法
US7199869B2 (en) * 2003-10-29 2007-04-03 Weatherford/Lamb, Inc. Combined Bragg grating wavelength interrogator and Brillouin backscattering measuring instrument
JP5322162B2 (ja) * 2009-03-13 2013-10-23 ニューブレクス株式会社 分布型光ファイバ圧力センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015145592A (ja) 2015-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6351279B2 (ja) 地盤状態監視システムおよび地盤状態監視方法
JP5769676B2 (ja) 物質の圧力、温度、ひずみ分布測定システム、これを用いた二酸化炭素地中貯留の監視方法、二酸化炭素注入による地層安定性への影響評価方法、および結氷監視方法
Wang et al. Introduction to an FBG-based inclinometer and its application to landslide monitoring
Fang et al. Insights into the deformation and failure characteristic of a slope due to excavation through multi-field monitoring: a model test
JP3894494B2 (ja) 土砂災害予知システム、地域情報提供システム及び土砂災害予知方法
Damiano et al. A laboratory study on the use of optical fibers for early detection of pre-failure slope movements in shallow granular soil deposits
Wang et al. Characterization of sliding surface deformation and stability evaluation of landslides with fiber–optic strain sensing nerves
CN111042866B (zh) 一种多物理场协同的突水监测方法
Huang et al. Applications of FBG-based sensors to ground stability monitoring
Sheikh et al. Rainfall-induced unstable slope monitoring and early warning through tilt sensors
CN111259483A (zh) 一种寒区边坡稳定性系数的计算方法
JP4027107B2 (ja) 土砂異常検出装置、土砂異常検出システム、及び土砂異常検出方法
Loew et al. Monitoring of potentially catastrophic rockslides
Acharya et al. Application of novel distributed fibre-optic sensing for slope deformation monitoring: a comprehensive review
Zhang et al. An experimental evaluation of impact force on a fiber Bragg grating-based device for debris flow warning
Ravet et al. Pipeline geohazard risk monitoring with optical fiber distributed sensors: Experience with andean and arctic routes
KR100991867B1 (ko) 광섬유센서를 이용한 교량 세굴 측정 방법
Cola et al. Evolutionary behaviour of the Tessina landslide
KR102154725B1 (ko) 산지토사재해 감지 시스템
Wang et al. Monitoring shear deformation of sliding zone via fiber Bragg grating and particle image velocimetry
Moya et al. Integration of monitoring and inspection systems for geohazard assessment on pipelines that cross Amazonian Jungles and the Andes
Ravet et al. Simple method for DTS/DSS data interpretation: an application to pipeline geotechnical monitoring
JP2004293277A (ja) 岩盤内の破壊進行面検出システム
Kapogianni et al. Securing the future of cultural heritage sites, utilizing smart monitoring technologies: From the laboratory applications to the acropolis of Athens
Wang et al. Performance evaluation of underground pipelines subjected to landslide thrust with fiber optic strain sensing nerves

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6351279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250