JP4026585B2 - リセット信号生成装置 - Google Patents
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このリセット信号生成回路としては、例えば、抵抗とコンデンサからなるCR回路を含み、そのCR回路に所定の電源電圧を入力するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1など)。
また、携帯用コンピュータなどの電子機器において、複数のリセット機能が必要な場合があり、この場合には異なる複数のリセット信号を生成するために、複数のリセット信号生成回路が必要となる。この各リセット信号生成回路は、例えばリセット用の集積回路(IC)と、外付けの抵抗およびコンデンサとで構成されている。そして、その各リセット信号生成回路が生成する各リセット信号の出力の相関関係は、外付けの抵抗およびコンデンサの各値を変えることにより調整(設定)している。
しかし、この場合には、抵抗およびコンデンサなどの部品に製造のばらつきや特性のばらつきがあり、その抵抗値や容量値にばらつきがあるので、各リセット信号の出力の相関関係が設計者の意図する場合と異なる場合が考えられる。この場合には、電子機器の動作の安定性の低下を招いたり、動作に支障をきたしたりするおそれがある。
さらに、従来技術では、複数のリセット信号を発生させるために複数のリセット信号生成回路を独立に設け、その各リセット信号生成回路は、それぞれリセット用ICと外付けの抵抗およびコンデンサとの組み合わせからなる。このため、リセット信号発生のための装置としては部品点数が多くなり、部品点数の削減が望まれる。
また、本発明の他の目的は、複数のリセット機能が必要な電子機器に適用され、その電子機器の設計変更などにより複数のリセット信号に変更がある場合に、そのような変更などに容易かつ柔軟に対応できるリセット信号生成装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、所定の電源電圧を分圧させた第1分圧電圧を所定の基準電圧と比較し、前記第1分圧電圧が前記基準電圧以上になったときに、第1リセット信号を出力する第1比較手段と、前記電源電圧を分圧させた第2分圧電圧を前記基準電圧と比較し、前記第2分圧電圧が前記基準電圧以上になったときに第2リセット信号を出力する第2比較手段と、前記第1比較手段から出力される前記第1リセット信号または前記第2比較手段から出力される前記第2リセット信号のいずれか一方を、設定されている遅延時間だけ遅延させて第3リセット信号として出力するとともに、前記遅延時間が設定されるようになっている遅延手段と、設定されている自己の出力電圧を検出し、この検出電圧を前記基準電圧と比較してその両電圧が一致するように制御するとともに、前記出力電圧が設定されるようになっている安定化電源と、前記遅延時間および前記出力電圧を予め記憶する不揮発性メモリと、電源の投入時に、前記不揮発性メモリに記憶される遅延時間および出力電圧を読み出し、この読み出した遅延時間を前記遅延手段に対して設定するとともに、その読み出した出力電圧を前記安定化電源に対して設定する設定手段と、を備え、前記第1比較手段、前記第2比較手段、前記遅延手段および前記設定手段を第1の電圧で動作させるとともに、前記不揮発性メモリを前記第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作させ、かつ、前記第1の電圧として前記安定化電源の出力電圧を使用するようにした。
また、本発明によれば、複数のリセット機能が必要な電子機器に適用され、その電子機器の設計変更などにより複数のリセット信号に変更がある場合に、そのような変更などに容易かつ柔軟に対応できる。
本発明のリセット信号生成装置の実施形態の構成について、図1を参照しながら説明する。
この実施形態に係るリセット信号生成装置は、複数のリセット機能が必要な電子機器(例えば、携帯用コンピュータ)に搭載され、その電子機器の電源のオン時またはオフ時などに、異なる複数(この例では3つ)のリセット信号を一括して生成するとともに、その各リセット信号の出力間に意図した相関関係が確実に得られるようにしたものである。
さらに、この実施形態は、複数の安定化電源を備えるとともに、その各安定化電源の出力電圧を予め任意に設定しておくことができ、動作時には、各安定化電源は設定された出力電圧を出力するようになっている。
分圧回路1は、具体的には図1に示すように、切り換えスイッチSW10と、MOSトランジスタなどからなるスイッチSW1〜SW9と、MOSトランジスタQ1とが直列に接続され、切り換えスイッチSW10に電源電圧VDDおよび第1安定化電源8の出力電圧VCC1が供給され、MOSトランジスタQ1のソースが接地されている。また、抵抗R1〜R9には、対応するスイッチSW1〜SW9がそれぞれ並列に接続され、その各スイッチSW1〜SW9は制御回路12によりオンオフ制御されるようになっている。さらに、MOSトランジスタQ1は制御回路12のよりオンオフされ、これにより分圧回路1の動作が制御されるようになっている。
第1コンパレータ3は、分圧回路1から出力される分圧電圧V1を基準電圧発生回路2からの基準電圧VREFと比較し、その分圧電圧V1が基準電圧VREF以上になったときにHレベルの信号を出力し、この出力信号がバッファ回路5に供給されるようになっている。
第2コンパレータ4は、分圧回路1から出力される分圧電圧V2を基準電圧発生回路2からの基準電圧VREFと比較し、その分圧電圧V2が基準電圧VREF以上になったときにHレベルの信号を出力し、この出力信号がバッファ回路6に供給されるようになっている。
遅延回路7は、バッファ回路5からの出力信号、すなわちリセット信号RS1を所定時間だけ遅延させた信号を出力(生成)するとともに、その遅延の際の遅延時間が後述のように制御回路12で設定されるようになっている。この遅延回路7の出力信号は、リセット信号RS2として制御回路12からそのまま出力されるようになっている。このために、遅延回路7は、図1に示すように、発振回路71と、分周回路72と、アンド回路73とから構成される。この各回路の具体的な構成については後述する。
EEPROM10と制御回路12との間には、データの授受の際にレベルシフトを行うレベルシフト回路11が配置されている。
また、制御回路12は、その読み出した第1設定電圧V1および第2設定電圧を分圧回路1に設定し、その読み出した遅延時間を遅延回路7に設定し、その読み出した両出力電圧VCC1,VCC2を第1および第2安定化電源8、9にそれぞれ設定するように、各部に対して所定の制御を行うようになっている。
次に、図1に示す発振回路71の具体的な構成について、図2および図3を参照して説明する。
このためCR発振回路は、図3に示すように、縦続接続される3個のインバータ716〜718と、インバータ718の出力端子とインバータ716の入力端子との間に直列に接続される抵抗R41〜R43と、その各抵抗R41〜43に並列に接続されるスイッチSW41〜SW43と、インバータ717の出力端子とインバータ716の入力端子との間に直列に接続されるコンデンサC3とを備えている。
次に、図1に示す分周回路72の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
分周器721は、図4に示すように複数のフリップフロップ7211を縦続接続させて発振回路71の出力を分周するようになっている。各フリップフロップ7211は、各リセット端子にリセット信号をに印加することによりリセット(初期化)されるようになっている。
この制御回路12は、図5に示すように、EEPROMインターフェース回路121と、シリアルインターフェース回路122と、論理回路123と、テストモード設定回路124とを備えている。
EEPROMインターフェース回路121は、図1に示すEEPROM10との間でデータの授受を行うための回路であり、例えば、EEPROM10にデータを書き込む際のライト制御信号の生成、またはEEPROM10からデータを読み出す際のリード制御信号などを生成するようになっている。従って、EEPROM10は、その内容が外部から書き換え可能である。
論理回路123は、この実施形態が適用される個別のアプリケーション(電子機器)に最適化させた論理回路である。このため、論理回路123は、この実施形態に適用される電子機器の必要とする複数のリセット信号の出力タイミングなどに応じて、各部の各スイッチをオンオフ制御し、遅延時間を遅延回路7に設定したり、出力電圧を定電圧電源8、9に設定するようになっている。
次に、このような構成からなる実施形態の第1の動作例について、図面を参照して説明する。
この例では、この実施形態が適用される電子機器が、図6(B)〜(D)に示すようなタイミングで出力される3種類のリセット信号RS1〜RS3を必要としているものとする。このため、EEPROM10には、そのリセット信号RS1〜RS3が上記の出力タイミングの関係を満たすように、分圧回路1に設定すべき第1分圧電圧V1および第2分圧電圧V2の各値と、遅延回路71に設定すべき遅延時間とに係るデータが予め記憶されているものとする。
このような条件の下で、電源が投入されると、電源電圧VDDが第1安定化電源8、第2安定化電源9、およびEEPROM10などに供給されるので、その各部は動作を開始する。このため、制御回路12は、上記のようにEEPROM10に予め記憶される分圧回路1に設定すべき第1分圧電圧V1および第2分圧電圧V2の各値と、遅延回路71に設定すべき遅延時間と、安定化電源8、9に設定すべき各出力電圧VCC1,VCC2の値をそれぞれ読み出す。
そして、制御回路12により、切り換えスイッチSW10が電源電圧VDD側に接続されているものとすると、その電源電圧VDDは分圧回路1で第1分圧電圧V1と第2分圧電圧V2にそれぞれ分圧される。電源電圧VDDは、図6(A)に示すように時間とともに上昇していく。この電源電圧VDDの上昇に伴い、第1分圧電圧V1と第2分圧電圧V2も時間とともに上昇していく。
アンド回路73は、第1コンパレータ3の出力信号と分周回路72からの遅延信号との論理積演算を行い、その演算結果を出力する。このアンド回路73からの出力信号は、制御回路12を介してそのままリセット信号RS2として(図6(C)参照)、制御回路12から出力される。図6に示すように、リセット信号RS2は、リセット信号RS1に対して遅延時間T1だけ遅延することになる。また、その遅延時間T1は上記のように任意に設定可能である。
この例では、この実施形態が適用される電子機器が、図7(B)〜(D)に示すようなタイミングで出力される3種類のリセット信号RS1〜RS3を必要としているものとする。このため、EEPROM10には、そのリセット信号RS1〜RS3が上記の出力タイミングの関係を満たすように、分圧回路1の第1分圧電圧V1および第2分圧電圧V2と、遅延回路71の遅延時間とに係るデータが予め記憶されているものとする。
さらに、この例では、制御回路12から出力されるリセット信号RS3が、制御回路12内で遅延時間T2だけ遅延されるようになっており(図7(D)参照)、その遅延時間T2はEEPROM10に予め記憶されている。そして、電源の投入時に、その遅延時間T2はEEPROM10から読み出されて制御回路12内に設定されるものとする。
第1コンパレータ3は、その第1分圧電圧V1を基準電圧発生回路2からの基準電圧VREFと比較する。そして、時刻t1において、第1分圧電圧V1が基準電圧VREF以上になると、第1コンパレータ3の出力信号は、LレベルからHレベルに立ち上がり、その出力信号がバッファ回路5および制御回路12を介してそのままリセット信号RS1として(図7(B)参照)、制御回路12から出力される。
アンド回路73は、第1コンパレータ3の出力信号と分周回路72からの遅延信号との論理積演算を行い、その演算結果を出力する。このアンド回路73からの出力信号は、制御回路12を介してそのままリセット信号RS2として(図7(C)参照)、制御回路12から出力される。図7に示すように、リセット信号RS2は、リセット信号RS1に対して遅延時間T1だけ遅延することになる。
また、この実施形態によれば、複数のリセット機能が必要な電子機器に適用され、その電子機器の設計変更などにより複数のリセット信号に変更がある場合に、そのような変更などに容易かつ柔軟に対応できる。
また、この実施形態では、安定化電源を備え、この安定化電源の安定化された電源で各部を動作させるようにした場合には、周辺温度などの悪影響による動作精度の低下を防止できる。
上記の実施形態は、電源のオン時に出力タイミングの異なる複数のリセット信号を生成するものであるが、他の実施形態としては、電源がオフ時に出力タイミングの異なる複数のリセット信号を生成するものでも良い。
この他の実施形態は、図1に示す実施形態と基本的に同一の構成となるが、図1中の第1コンパレータ3と第4コンパレータ4については、以下のような機能を有するものに置換する必要がある。
上記の実施形態では、電源電圧を第1分圧電圧V1と第1分圧電圧V2に分圧するとともに、その両電圧がそれぞれ設定されるようになっている分圧回路を備えている。また、これに伴い、第1コンパレータ3は、第1分圧電圧V1を基準電圧VREFと比較し、第1分圧電圧V1が基準電圧VREF以上になったときに、その出力信号を出力するように構成する。また、第2コンパレータ4は、第2分圧電圧V2を基準電圧VREFと比較し、第2分圧電圧V2が基準電圧VREF以上になったときに、その出力信号を出力するように構成する。
この場合には、図1示す第1コンパレータ3と第4コンパレータ4については、以下のような機能を有するもの置き換える必要がある。
なお、電源オフ時に出力タイミングの異なる複数のリセット信号を生成する場合には、第1コンパレータ3は、電源電圧を第1基準電圧と比較し、電源電圧が第1基準電圧以下になったときに、その出力信号を出力するように構成される。また、第2コンパレータ4は、電源電圧を第2基準電圧と比較し、電源電圧が第2基準電圧以下になったときに、その出力信号を出力するように構成される。
Claims (1)
- 所定の電源電圧を分圧させた第1分圧電圧を所定の基準電圧と比較し、前記第1分圧電圧が前記基準電圧以上になったときに、第1リセット信号を出力する第1比較手段と、
前記電源電圧を分圧させた第2分圧電圧を前記基準電圧と比較し、前記第2分圧電圧が前記基準電圧以上になったときに第2リセット信号を出力する第2比較手段と、
前記第1比較手段から出力される前記第1リセット信号または前記第2比較手段から出力される前記第2リセット信号のいずれか一方を、設定されている遅延時間だけ遅延させて第3リセット信号として出力するとともに、前記遅延時間が設定されるようになっている遅延手段と、
設定されている自己の出力電圧を検出し、この検出電圧を前記基準電圧と比較してその両電圧が一致するように制御するとともに、前記出力電圧が設定されるようになっている安定化電源と、
前記遅延時間および前記出力電圧を予め記憶する不揮発性メモリと、
電源の投入時に、前記不揮発性メモリに記憶される遅延時間および出力電圧を読み出し、この読み出した遅延時間を前記遅延手段に対して設定するとともに、その読み出した出力電圧を前記安定化電源に対して設定する設定手段と、を備え、
前記第1比較手段、前記第2比較手段、前記遅延手段および前記設定手段を第1の電圧で動作させるとともに、前記不揮発性メモリを前記第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作させ、
かつ、前記第1の電圧として前記安定化電源の出力電圧を使用するようにしたことを特徴とするリセット信号生成装置。
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