JP4026395B2 - 自動車の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の電動パワーステアリング装置に係わり、特に、電動モータによりハンドルの操舵をアシストする自動車の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、例えば、特開平8−332964号公報等に示されているような、電動機の動力をステアリング系に作用させて操作力の低減を図るようにした電動パワーステアリング装置が使用されるようになってきている。この電動パワーステアリング装置は、操舵力検出手段を備え、この操舵力検出手段により運転者の操舵力(操舵トルク)を検出すると共に、同時に車速に基づき所定補正トルクを発生させるように電動機への駆動電流を制御し、運転者の操舵力の軽減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような電動パワーステアリング装置を設計する場合、良好な操舵フィーリングを得るためには、操舵角に対する操舵力の特性(以下「操舵力特性」という)を所望の操舵力特性(目標操舵力特性)となるように設定する必要がある。
しかしながら、操舵力は、タイヤ復元力、ステアリングシャフトの剛性、摩擦、パワーアシスト特性など各要素(構成部品)の総和で決定される。このため、従来の設計手法である上述した各要素(構成部品)の特性のチューニングでは構成部品の特性バラツキ等により、目標通りの操舵力特性を再現することが困難になっている。
【0004】
目標通りの操舵力特性が再現された場合には、ドライバは、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
しかしながら、ドライバが操舵力を感じてから、車両が挙動を実際に起こし、その車両挙動により感じる横加速度やヨーレートを受けるタイミングや値(大きさ)が変化すると、即ち、車両挙動の変化により、操舵フィーリングが変動し、そのため、ドライバは違和感を感じる。
例えば、従来は、目標通りに操舵力特性を再現することができず、カーブ走行時(車両旋回時)において、操舵力が重かったり、ステアリング剛性が高いため修正操舵が難かった。 さらに、車速変化により、コーナリングフィーリングが変動し、ドライバは違和感を感じた。
例えば、従来は、目標通りに操舵力特性を再現することができず、パーキング時においては、操舵角の変化に対応して操舵力は変化し難く、路面から受ける摩擦力が主なものであり、舵角の情報を操舵力を介して伝えることができるようになっていなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、パーキング時(極低車速時)において取り回し易い操舵力を保ちつつ、操舵角の情報を操舵力を介してドライバに伝えることができる自動車の電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、パーキング時において操舵力特性制御により目標操舵力を再現することでパーキングフィーリングを向上させた自動車の電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、電動モータによりハンドルの操舵をアシストする自動車の電動パワーステアリング装置であって、操舵トルクを検出するトルクセンサと、トルクセンサの値と予め設定した目標操舵力との偏差に基づいて停車を含む極低車速時における電動モータの制御量を設定する操舵力特性制御部と、この操舵力特性制御部による制御量により電動モータを制御する電動モータ制御部と、を有し、操舵力特性制御部は、極低車速であっても急減速又はABS作動時は、目標操舵力の値を使用せずトルクセンサ値に基づいて制御量を設定することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、操舵力特性制御部により、トルクセンサの値と予め設定した目標操舵力との偏差に基づいて停車を含む極低車速時における電動モータの制御量を設定し、さらに、電動モータ制御部により、この制御量により電動モータを制御するようにしているので、取り回し易い操舵力を保ちつつ、操舵角の情報を操舵力を介してドライバに伝えることができる。さらに、パーキングフィーリングを向上させることができる。
【0008】
また、本発明において、好ましくは、操舵力特性制御部は、操舵角を入力とした操舵力特性モデルを設定し、さらに、予め設定されたパーキングフィール評価指標の目標値を実現するように操舵力特性モデルの特性パラメータを設定し、目標操舵力を決定する。
【0009】
また、本発明において、好ましくは、パーキングフィール評価指標は、操舵の重さを定義する操舵重さCF1、及び、舵角変化に対する操舵力の変化率を定義するステアリング剛性CF2を含み、第操舵力特性制御部は、これらの各評価指標の目標値を実現するように操舵力特性モデルの特性パラメータを設定する。
本発明は、好ましくは、更に、所定の高車速で且つ直進状態にて予め設定した目標操舵力となるように電動モータの制御量を設定する第2制御部を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用される自動車の電動パワーステアリング装置の一例を示す斜視図である。この図1に示すように、自動車の電動パワーステアリング装置1は、ハンドル(ステアリングホィール)2を備え、このハンドル2は、ステアリングシャフト4の上端に連結されており、ハンドル2を操作する操舵力がスタアリングシャフト4に伝達されるようになっている。このステアリングシャフト4の下端部には自在継手を介して中間シャフト6の上端が連結され、この中間シャフト6の下端には、ステアリングギヤボックス8が設けられている。このステアリングギヤボックス8の両側にはタイロッド10が連結されており、これらの各タイロッド10にはタイヤ(車輪)12が取り付けられている。
【0011】
ここで、ステアリングギヤボックス8の内部には、ラック・ピニオン機構(図示せず)が設けられており、このピニオンには、中間シャフト6の下端が連結されている。一方、ラックの両端部には上述したようにタイロッド10を介してタイヤ12が連結されている。
ステアリングギヤボックス8には、減速ギヤ(図示せず)を介してピニオン側に力を付与する電動モータ14が設けられ、さらに、減速ギヤと中間シャフト6の間にはトルクセンサ(図示せず)が配置されている。このトルクセンサは、中間シャフト6に作用している操舵力(操舵トルク)を検出するためのものである。
これらの電動モータ14及びトルクセンサは、それぞれ制御ユニット16に接続されている。
この制御ユニット16は、後述する第1制御部18又は操舵力特性制御部62、第2制御部20、及び、モータ電流制御部22から構成されており、トルクセンサの検出値(操舵トルク)及び車速等に基づき、トルクセンサの検出値がゼロとなるようにすると共に目標操舵力特性を実現するように、電動モータ14が制御されるようになっている。
【0012】
次に、図2乃至図10を参照して、本発明の電動パワーステアリング装置によるセンターフィール感応域における操舵力特性制御(以下、「センターフィール制御」と言う)の内容を説明する。
先ず、本発明によるセンターフィール制御は、高車速且つほぼ直進状態の走行時(以下、「センターフィール感応域」と言う)に適用可能である。ここで、高車速とは、100km/h程度の速度であり、ほぼ直進状態とは、ハンドルをゆっくりと操作する状態、具体的には、0.2Hzの正弦波でハンドルを操作し横加速度(横G)が0.2G以下となるような操舵状態を想定している。
このため、センターフィール制御においては、開発車両を0.2Hzの正弦波で操作し横加速度(横G)が0.2G以下となるような操舵状態での走行テストを行ない、操舵角、操舵力、車速、ヨーレート及び横加速度(横G)などのデータを採取している。
【0013】
センターフィール制御では、詳細は後述するように、高速直進時の操舵力特性を、ばね成分(操舵角を含む線形及び/又は非線形の関数で表される)、粘性成分(操舵角速度に比例する)、摩擦成分(操舵角速度を含む非線形関数で表される)とに分解した操舵力特性モデルで表現すると共に、センターフィーリングを規定した複数のセンターフィール評価指数(CF1,CF2,CF3)に基づいて目標操舵力(目標値)を設定し、この目標操舵力となるように上記操舵力特性モデルの各成分の特性パラメータの値を設定し、さらに、車両挙動の遅れに対応させて摩擦成分の特性パラメータの値を変更するようにしている。
このようにして、本発明の電動パワーステアリング装置では、センターフィール感応域において、ドライバが感じる操舵力とドライバが感じる車両挙動との関係が予め設定した関係となるように電動モータ14が制御される。
ここで、車両挙動とは、車両の横加速度(横G)のタイミング、ヨーレートのタイミング、横加速度(横G)の値(大きさ)、ヨーレートの値(大きさ)等を意味している。
【0014】
以下、本発明によるセンターフィール制御を詳細に説明する。図2は、本発明によるセンターフィール制御における電動パワーステアリング装置の制御ユニットを示すブロック図である。この図2に示すように、制御ユニット16は、第1制御部(通常のアシスト制御部)18、第2制御部(センターフィール補償制御部)20、及び、モータ電流制御部22から構成されている。
また、電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト又は中間シャフトに作用している操舵力(操舵トルク)を検出するためのトルクセンサ24、横加速度(横G)を検出する横Gセンサ26、車速を検出する車速センサ28、及び、操舵角を検出する操舵角センサ30を備えており、これらの各センサの出力値が制御ユニット16に入力されるようになっている。
【0015】
第1制御部18は、通常のアシスト制御を行なう制御部であり、トルクセンサ24の出力値を小さくするように、即ち、操舵力を減らす方向のアシスト力を発生させるように、電動モータ14を制御するための制御部である。この第1制御部18には、トルクセンサ24からのトルクセンサ値が入力され、フィルタ34によりノイズがカットされ、制御ゲインK1により基準目標電流I0 が演算されるようになっている。ここで、この制御ゲインK1は、横Gセンサ26及び車速センサ28の値に基づいて設定される。
この第1制御部18は、センタフィール感応域では、抑制又は禁止されるようになっている。
【0016】
第2制御部20は、センターフィール補償制御部であり、高車速且つほぼ直進状態(センターフィール感応域)に、予め設定した目標操舵力となるように電動モータ14を制御するための制御部である。
第2制御部20は、目標操舵力演算部36を有し、この目標操舵力演算部36には、操舵角センサ30の出力値がフィルタ38を通って入力される。目標操舵力演算部36は、操舵角により表現された後述する操舵力特性モデルを用いて、目標操舵力を演算するようになっている。
【0017】
第2制御部20は、ローパスフィルタであるフィルタ(フィルタ2)38,40を有し、これらフィルタ38,40により、センターフィール感応域に対応した帯域(例えば、0.2Hzを含む帯域)のトルクセンサ24の値及び操舵角センサ30の値のみを入手できるようになっている。
また、第2制御部20は、後述するセンターフィール評価指標目標値設定部42及びセンターフィール評価指標演算部44、さらに、車両応答遅れ量推定部46を有し、車両応答遅れ量(λ:度)の変化に伴い、目標操舵力を目標操舵力演算部36で演算し直すようになっている。
【0018】
この第2制御部20では、目標操舵力演算部36から出力された目標操舵力とフィルタ40から出力されたトルクセンサ値(Ts2)との偏差が求められ、この偏差から、制御ゲインK3により補償目標電流If が演算される。ここで、この制御ゲインK3は、横Gセンサ26及び車速センサ28の値に基づいて設定される。
この第2制御部20は、非センターフィール感応域では、抑制又は禁止されるようになっている。
【0019】
次に、第1制御部20から出力された基準目標電流I0 と補償目標電流If とが加算され、目標電流Iが算出される。具体的には、符号を、操舵力を減少させるためにアシスト力を増大する場合には(+)、操舵力を増大させるためにアシスト力を減少させる場合には(−)としているため、基準目標電流I0 に対して補償目標電流If を減算する演算が行なわれる。
【0020】
モータ電流制御部22は、電動モータ14に供給される電流が目標電流Iとなるようにするためのフィードバック制御を行なうための制御部である。このため、モータ電流制御部22は、制御ゲンンK2、比例積分制御を行なうPI制御部48、モータ特性補償部50を有している。
【0021】
次に、図3及び図4により、第2制御部20の目標操舵力演算部36において使用される目標操舵力特性モデルについて説明する。図3は、操舵力特性モデルを示す図であり、図4は、この操舵力特性モデルにおけるばね成分、粘性成分及び摩擦成分を示す図である。
操舵力特性モデルは、図3に示すように、ばね成分、粘性成分、及び、摩擦成分からなるモデルである。なお、この操舵力特性モデルは、高速直進走行時の操舵力特性を対象したものであるため、ハンドルは、上述したようにゆっくりと操舵される(0.2Hzの正弦波)ため、慣性成分は含まないモデルとなっている。
【0022】
ばね成分は、電動パワーステアリング装置の軸(ステアリングシャフト、中間シャフト、タイロッド等)の剛性、さらに、操舵角に応じてタイヤから発生する力やサスペンションによる力、電動パワーステアリング装置の電動モータによるアシスト力を含めた成分であり、以下の式(数1)に示す指数関数として設定する。この式(数1)において、signは符号(+)又は(−)を示し、θは操舵角であり、Kp及びTpは、ばね成分の特性パラメータである。ばね成分は、基本的には、操舵角にほぼ比例するが、所定の操舵角以上となると飽和状態となるため、特性パラメータKpはこの飽和状態に対応し、特性パラメータTpは、指数関数の時定数を示している。このように、ばね成分を示す式(数1)は、非線形関数となっている。このように、ばね成分は、操舵角を含む線形及び/又は非線形の関数で表されるものと定義される。
【数1】
Figure 0004026395
【0023】
粘性成分は、操舵角速度に比例した力であり、以下の式(数2)により示されている。この式(数2)において、Kdは、粘性成分の特性パタメータである。このように粘性成分は、操舵角速度に比例するものとして定義される。
【数2】
Figure 0004026395
【0024】
摩擦成分は、操舵角速度が舵角が小さいときは操舵角速度にほぼ比例した力であり、操舵角速度が大きくなると一定の大きさの摩擦力(飽和状態)となる。この摩擦成分は、以下の式(数3)に示す指数関数として設定する。この式(数3)において、Kf及びTfが摩擦成分の特性パラメータである。特性パラメータKfはこの飽和状態に対応し、特性パラメータTfは、指数関数の時定数を示している。このように、ばね成分を示す式(数3)は、非線形関数となっている。このように、摩擦成分は、操舵角速度を含む非線形関数として定義される。
【数3】
Figure 0004026395
【0025】
このようにして、操舵力特性モデルにおいて、ばね成分、粘性成分、摩擦成分が設定され、操舵力(操舵トルク:Torque)はこれらの各成分の合計値として設定される。即ち、操舵力特性モデルは、以下の式(数4)となる。
【数4】
Figure 0004026395
【0026】
次に、図5及び図6により、センターフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)を説明する。センターフィール評価指標は、不感帯(CF1)、ステアリング剛性(CF2)及び動き易さ(CF3)の3つの評価指標からなり、これらの評価指標により、自動車のセンターフィール感応域におけるセイターフィーリングの味付けが決まるようになっている。ここで、不感帯(CF1)は、操舵角変化に対してドライバが操舵力を感じない範囲を定義し、ステアリング剛性(CF2)は、操舵角変化に対する操舵力の変化率を定義し、動き易さ(CF3)は、操舵力に対する車両挙動の位相遅れ量を定義している。
【0027】
これらのセンターフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)と、上述した操舵力特性モデルの各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf、Tf)との間には所定の関係式が成立しており、一方が決れば他方も決定される関係がある。具体的には、以下の式(数5)の関係がある。
【数5】
Figure 0004026395
この式(数5)において、λは車両挙動の応答遅れ量(λ:度)であり、h1a,h1b,h1c,h2a,h2b,h3aは、定数である。
【0028】
センターフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)の各目標値(CF1t,CF2t,CF3t)及びこれらの各目標値の許容範囲(α1,α2,α3)は、車両実験により予め決定されており、図2に示す第2制御部20のセンターフィール評価指標設定部42に事前に記憶されている。
また、第2制御部20の目標操舵力演算部36では、このセンターフィール評価指標の目標値(CF1t,CF2t,CF3t)に基づいて、各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf、Tf)の値が設定される。さらに、この目標操舵力演算部36には、操舵角センサ30からのフィルタ処理された操舵角センサ値が入力され、これにより、目標操舵力が演算される。
【0029】
図5及び図6から理解可能なように、センターフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)のうち、評価指標(CF3)のみが、車両挙動の応答遅れに依存している。即ち、車両応答の変化に対し、動き易さ(CF3)のみが変動する。そこで、本実施形態では、車速が増大すると車両応答が遅れるため、車両応答遅れ量推定部46で、車速センサ28からの出力値に基づき、車両挙動の応答遅れ量(λ:度)を推定し、この推定された車両応答遅れ量(λ)をセンターフィール評価指標演算部44に出力する。このセンターフィール評価指標演算部44では、動き易さ(CF3)がその目標値(CF3t)の許容範囲から外れないように、操舵力特性モデルの摩擦成分の特性パラメータであるKfを補正する。
このようにして、第2制御部20の目標操舵力演算部36は、操舵力の変化に対する車両挙動の応答遅れの関係がほぼ一定となるように目標操舵力を設定しているので、車速が変化して車両挙動の応答遅れが生じても、ドライバは常にほぼ一定のセンターフィーリングを感じることができる。
【0030】
次に、図7により、本発明によるセンターフィール制御による制御フローを説明する。なお、図7における「S」は、各ステップを示している。
この制御フローにおいては、先ず、S1において、各センサの入力値を更新する。具体的には、トルクセンサ24、横Gセンサ26、車速センサ28、操舵角センサ30からの各入力値を更新する。次に、S2において、以下の式(数6)により、操舵力特性モデルのばね成分、粘性成分及び摩擦成分の各特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf,Tf)を設定する(目標操舵力演算部36)。
ここで、以下の式(数6)で示すように、操舵力特性モデルの特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf,Tf)は、ぞれぞれ、センターフィール評価指標の目標値(CF1t,CF2t,CF3t)及び車両挙動の応答遅れ量(λ)をパラメータとした関数として設定される。
【数6】
Figure 0004026395
ここで、式(数6)において、a,bは、定数である。
【0031】
次に、S3に進み、車速及び横Gの値に基づき、自動車の走行状態が、センターフィール感応域か否かを判定する。センターフィール感応域でなければ、S4に進み、第2制御部における補償電流Ifを0と設定する。
一方、センターフィール感応域であれば、S5に進み、車速から車両応答遅れ量(λ)を推定する(車両応答遅れ量推定部46)。次に、S6に進み、センターフィール評価指標の内の動き易さ(CF3)を演算する(センタフィール評価指標演算部44)。
【0032】
次に、S7に進み、この動き易さの値(CF3)がその目標値(CF3t)の許容範囲(α3)内か否かを判定する。CF3tの許容範囲(α3)内でない場合には、S8に進み、操舵力特性モデルの摩擦成分の特性パラメータKfの値は減少補正しない。CF3tの許容範囲(α3)外の場合には、S9に進み、操舵力特性モデルの摩擦成分の特性パラメータKfの減少補正値Kf1を算出する。
この特性パラメータKfは、上述した式(数5)からも明らかなように、不感帯(CF1)を表す関数h1のパラメータでもあるので、S10において、関数h1に減少補正値Kf1を入力して、不感帯(CF1)の値を算出する。次に、S11に進み、この不感帯の値(CF1)がその目標値(CF1t)の許容範囲(α1)内か否かを判定する。CF1tの許容範囲(α1)の範囲内でない場合には、S8に進み、操舵力特性モデルの摩擦成分の特性パラメータKfの値は減少補正しない。CF1tの許容範囲(α1)内の場合には、S12に進み、操舵力特性モデルの摩擦成分の特性パラメータKfの減少補正値Kf1を算出する。
【0033】
次に、S13に進み、第2制御部における補償電流をIf =(f(θ)−Ts2)*K3と設定する。ここで、(f(θ))は上述した(数4)により表現された操舵力特性モデル、(Ts2)はフィルタ40を通ったトルクセンサ値、K3は第2制御部20の制御ゲインである。
【0034】
次に、S14に進み、第1制御部における基準目標電流がI0 =Ts1*K1と設定する。ここで、(Ts1)はフィルタ34を通ったトルクセンサ値、(K1)は第1制御部19の制御ゲインである。
次に、S15に進み、目標電流をI=I0 −If と設定する。さらに、S16に進み、この目標電流Iを電動モータ14に提供し、電動モータ14の電流制御を実行する。
【0035】
次に、図8乃至図10により、本発明によるセンターフィール制御の作用効果を説明する。図8は、車両応答遅れ量が生じた場合の車両応答特性の変化を示す線図である。図9は、車両応答遅れ量が生じた場合の操舵力特性(横Gと操舵力の関係)の変化を示す線図である。図10は、車両応答遅れ量が生じた場合の操舵力特性(操舵角と操舵力の関係)の変化を示す線図である。
図8において、実線Aは車両応答特性の初期値を示し、破線Bは車速が増加した場合の車両応答特性を示している。図9において、実線Aは操舵力特性の目標値(初期値)を示し、破線Bは車速が増加しても特性パラメータKfを補正しない場合の操舵力特性(パラメータ補正なし)を示し、鎖線Cは車速の増加により特性パラメータKfを補正した場合の操舵力特性(パラメータ補正あり)を示している。図10において、実線Aは操舵力特性の目標値(初期値)を示し、鎖線Cは車速の増加により特性パラメータKfを補正した場合の操舵力特性(パラメータ補正あり)を示している。
【0036】
先ず、図8に示すように、車速が増加すると、車両応答(横G)が劣化する、即ち、車両挙動の応答遅れが生じる。このように車両応答遅れが生じた場合、図9に示すように、動き易さ(CF3)は、実線Aから破線Bに変動する。この場合、本発明によるセンターフィール制御では、操舵力特性の摩擦成分の特性パラメータKfを補正することにより、動き易さ(CF3)は、鎖線Cとなり、目標値(CF3t)の許容範囲内に収めることができる。
また、本発明によるセンターフィール制御では、このように車両応答遅れが生じた場合、図10に示すように、不感帯(CF1)及びステアリング剛性(CF2)も、操舵力特性の特性パラメータKfを補正することにより、実線Aから鎖線Cに変化し、CF1及びCF2)の両者を目標値(CF1t)及び(CF2t)のぞれぞれの許容範囲内に収めることができる。
【0037】
このように本発明によるセンターフィール制御によれば、センターフィール感応域において、車速の増加により車両挙動の応答遅れ量(λ)が生じても、この応答遅れ量に基づいて操舵力特性の摩擦成分の特性パラメータKfを補正して目標操舵力を得るようにしているので、センターフィーリングを向上させることができる。
さらに、本発明によるセンターフィール制御によれば、車速の変化により車両挙動が変化してもドライバは常にほぼ一定のフィーリングを感じることができる。
【0038】
次に、図11により、本発明によるセンターフィール制御の第2例を説明する。図11は、本発明のセンターフィールの第2例の自動車の電動パワーステアリング装置の制御ユニットを示すブロック図である。この図11において、第1例の制御ユニット(図2参照)と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
第2例は、車速が増加した際に操舵角に対する車両挙動の応答遅れ量(λ)が生じることから、車両応答遅れ量推定部46で、車速センサ28からの出力値である車速に基づき、車両応答遅れ量(λ)を推定する。次に、この推定された車両応答遅れ量(λ)を目標操舵力演算部36に出力する。
次に、目標操舵力演算部36は、演算して得られる目標操舵力と推定された車両応答遅れ量とが常に所定の一定の関係となるように、上述した目標操舵力演算の基になる操舵力特性モデル(数4参照)の特性パラメータ(少なくともKf)の値を変更する。
【0039】
このように、本発明のセンターフィール制御の第2例は、車両挙動の応答遅れが生じた場合、操舵力特性モデルの特性パラメータを変更することにより、ドライバの感じる操舵力とドライバが感じる車両挙動とが常に予め設定された所定の関係となるようにしたものである。
この結果、本発明のセンターフィール制御の第2例によれば、車両挙動が変化してもドライバが常にほぼ一定のフィーリングであると感じることができ、さらに、センターフィーリングが向上する。
【0040】
次に、図12により、本発明によるセンターフィール制御の第3例を説明する。図12は、本発明によるセンターフィール制御の第3例の自動車の電動パワーステアリング装置の制御ユニットを示すブロック図である。この図12において、第1例の制御ユニット(図2参照)と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
本発明によるセインターフィール制御の第3例は、車速が増加した際に操舵角に対する車両挙動の応答遅れ量(λ)が生じることから、車両応答遅れ量推定部46で、車速センサ28からの出力値である車速に基づき、車両応答遅れ量(λ)を推定する。次に、この推定された車両応答遅れ量(λ)を補正操舵力演算部52に出力する。
次に、補正操舵力演算部52は、この推定された車両応答遅れ量に基づく補正操舵力を演算する。この補正操舵力が、目標操舵力演算部36で得られた目標操舵力から減算され、最終の目標操舵力が得られるようになっている。この補正操舵力の値は、最終の目標操舵力と車両応答遅れ量とが常に所定の一定の関係となるような値に設定される。
【0041】
このように、本発明によるセンターフィール制御の第3例は、車両挙動の応答遅れが生じた場合、車両応答遅量から補正操舵力を求め、この補正操舵力を演算した目標操舵力から減算して最終の目標操舵力を設定することにより、ドライバの感じる操舵力とドライバが感じる車両挙動とが常に予め設定された所定の関係となるようにしたものである。
この結果、本発明によるセインターフィール制御の第3例によれば、車両挙動が変化してもドライバが常にほぼ一定のフィーリングであると感じることができ、さらに、センターフィーリングが向上する。
【0042】
次に、図13により、本発明によるセンターフィール制御の第4例を説明する。図13は、本発明によるセンターフィール制御第4例の自動車の電動パワーステアリング装置の制御ユニットを示すブロック図である。この図13において、第1例の制御ユニット(図2参照)と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
第4例は、車速が増加した際に操舵角に対する車両挙動の応答遅れ量(λ)が生じることから、車両応答遅れ量推定部46で、車速センサ28からの出力値である車速に基づき、車両応答遅れ量(λ)を推定する。次に、この推定された車両応答遅れ量(λ)を位相制御部54に出力する。
次に、位相制御部54は、この推定された車両応答遅れ量に基づいて、操舵角センサ30から目標操舵力演算部36への操舵角入力値の位相を一次遅れなどにより遅らせる。この位相制御部54の一次遅れ等の時定数は、目標操舵力と車両応答遅れ量とが常に所定の一定の関係となるような値に設定される。
【0043】
このように、本発明によるセンターフィール制御の第4例は、車両挙動の応答遅れが生じた場合、車両応答遅量から操舵角入力値の位相を遅らし、この位相の遅れた操舵角入力値により目標操舵力を設定することにより、ドライバの感じる操舵力とドライバが感じる車両挙動とが常に予め設定された所定の関係となるようにしたものである。
この結果、本発明によるセンターフィール制御の第4例によれば、車両挙動が変化してもドライバが常にほぼ一定のフィーリングであると感じることができ、さらに、センターフィーリングが向上する。
【0044】
次に、図14により、本発明によるセンターフィール制御の第5例を説明する。図14は、本発明によるセンターフィール制御の第5例の自動車の電動パワーステアリング装置の制御ユニットを示すブロック図である。この図14において、第1例の制御ユニット(図2参照)と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
本発明によるセンターフィール制御の第5例は、車速が増加した際に操舵角に対する車両挙動の応答遅れ量(λ)が生じることから、車両応答遅れ量推定部46で、車速センサ28からの出力値である車速に基づき、車両応答遅れ量(λ)を推定する。次に、この推定された車両応答遅れ量(λ)を遅延制御部56に出力する。
次に、遅延制御部56は、この推定された車両応答遅れ量に基づいて、目標操舵力演算部36からの目標操舵力の出力を遅らせる遅れ時間を演算する。この手遅延制御部56の遅れ時間は、目標操舵力と車両応答遅れ量とが常に所定の一定の関係となるような値に設定される。
【0045】
このように、本発明によるセンターフィール制御の第5例は、車両挙動の応答遅れが生じた場合、車両応答遅量に基づいて目標操舵力の出力を遅れ時間だけ遅らせることにより、ドライバの感じる操舵力とドライバが感じる車両挙動とが常に予め設定された所定の関係となるようにしたものである。
この結果、本発明によるセンターフィール制御の第5例によれば、車両挙動が変化してもドライバが常にほぼ一定のフィーリングであると感じることができ、さらに、センターフィーリングが向上する。
【0046】
次に、図15乃至図22により、本発明によるコーナリングフィール感応域における操舵力特性制御(以下、「コーナリングフィール制御」という)の内容を説明する。
このコーナリングフィール制御は、中高車速(約60km/h以上)且つカーブ(0.2G≦横G≦0.4G)の走行時(コーナリングフィール感応域)に適用可能である。
【0047】
本発明の電動パワーステアリング装置は、このコーナリングフィール制御を実行するために、トルクセンセ値を小さくするように電動モータの制御量を設定する第1制御部(通常のアシスト制御部)18と、予め設定したコーナリングフィール評価指標の目標値に基づく目標操舵力となるように電動モータ14の制御量を設定する第2制御部(コーナリングフィール補償制御部)20、及び、第1及び第2の制御部による制御量を加算した制御量により電動モータを制御するモータ電流制御部22を備えている。
目標操舵力は、操舵角(θ)を入力とした操舵力特性モデルから設定される。複数のコーナリング評価指標(CF1,CF2,CF3)の目標値(CF1t,CF2t,CF3t)が車速毎に設定され、この各目標値を実現するように車両の横加速度応答ゲインGyを加味して目標操舵力モデルの特性パラメータを設定するようにしている。
【0048】
以下、この本発明のコーナリングフィール制御の内容を具体的に説明する。図15は、本発明のコーナリングフィール制御を実行するための制御ユニットを示すブロック図である。この図15に示すように、制御ユニット16は、第1制御部(通常のアシスト制御部)18、第2制御部(コーナリングフィール補償制御部)20、及び、モータ電流制御部22から構成されている。
この図15に示された制御ユニットの基本構成は、図2のものと同様であり、この同様な部分の説明は省略し、以下異なる部分のみ説明する。
【0049】
第2制御部20は、コーナリングフィール補償制御部であり、コーナリングフィール感応域に、予め設定した目標操舵力となるように電動モータ14を制御するための制御部である。
第2制御部20は、目標操舵力演算部36を有し、この目標操舵力演算部36には、操舵角センサ30の出力値がフィルタ38を通って入力される。目標操舵力演算部36は、操舵角により表現された後述する操舵力特性モデルを用いて、目標操舵力を演算するようになっている。
【0050】
第2制御部20は、ローパスフィルタであるフィルタ(フィルタ2)38,40を有し、これらフィルタ38,40により、コーナリングフィール感応域に対応した帯域(例えば、0.4Hzまでの帯域)のトルクセンサ24の値及び操舵角センサ30の値のみを入手できるようになっている。
また、第2制御部20は、後述するコーナリングフィール評価指標目標値設定部58、及び、車両応答ゲイン推定部60を有し、これらのコーナリング評価指標目標値及び車両応答ゲインが、目標操舵力演算部36に入力されるようになっている。
さらに、路面摩擦係数を検出する路面μセンサ32が設けられている。
この第2制御部20は、非コーナリングフィール感応域(センターフィール感応域、パーキング時等)では、抑制又は禁止されるようになっている。
【0051】
次に、図16及び図17により、第2制御部20の目標操舵力演算部36において使用される目標操舵力特性モデルについて説明する。図16は、操舵力特性モデルを示す図であり、図17は、この操舵力特性モデルにおけるばね成分、粘性成分、摩擦成分及び操舵力補正成分を示す図である。
操舵力特性モデルは、図16及ぶ図17に示すように、ばね成分、粘性成分、摩擦成分、及び、操舵力補正成分からなるモデルである。
この操舵力特性モデルは、上述した式(数4)に対し、さらに、操舵力補正成分を加えた関数となっている。
【0052】
この操舵力補正成分は、図17及び以下の式(数7)に示すように、舵角が小さいときは操舵角にほぼ反比例するが、所定の操舵角以上となると飽和状態となる。この式(数7)において、K0及びT0が操舵力補正成分の特性パラメータである。特性パラメータK0はこの飽和状態に対応し、特性パラメータT0は、指数関数の時定数を示している。この補正により、カーブ走行時のステアリングを保舵するための操舵力が低減され、コーナリングフィールが向上する。
【数7】
Figure 0004026395
【0053】
この操舵力特性モデルにおいて、ばね成分、粘性成分、摩擦成分、及び操舵力補正成分が設定され、操舵力(操舵トルク:Torque)はこれらの各成分の合計値として設定される。即ち、操舵力特性モデルは、以下の式(数8)となる。
【数8】
Figure 0004026395
【0054】
次に、図18及び図19により、コーナリングフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)を説明する。センターフィール評価指標は、舵角の転舵に対して操舵力の変化を定義する操舵力ヒス(CF1)、舵角変化に対する操舵力の変化率を定義するステアリング剛性(CF2)及び定常旋回時の横加速度(横G)に対する操舵力を定義する横G認知性(CF3)の3つの評価指標からなり、これらの評価指標により、自動車のコーナリングフィール感応域におけるコーナリングフィーリングの味付けが決まるようになっている。
【0055】
これらのコーナリングフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)と、上述した操舵力特性モデルの各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf,Tf,K0、T0)との間には所定の関係式が成立しており、一方が決れば他方も決定される関係がある。
いま、Kp,Tf,Kd、T0を固定(任意の定数)した場合、特性パラメータTp,Kf,K0は、コーナリング評価指標(CF1,CF2,CF3)及び車両応答ゲイン(Gy)により決定される。具体的には、以下の式(数9)の関係がある。
【数9】
Figure 0004026395
この式(数9)において、Gyは車両応答ゲインであり、a,b,c,d,g1a,g1b,g3aは、定数である。また、CF1t,CF2t,CF3tは、各評価指標の目標値である。
【0056】
このコーナリングフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)の各目標値(CF1t,CF2t,CF3t)及び車両応答ゲインGyは、車両実験により予め決定されており、車速毎(例えば、60km/h,100km/h等)に、事前に記憶されている。即ち、各目標値(CF1t,CF2t,CF3t)は第2制御部20のコーナリングフィール評価指標設定部458に、車両応答ゲインGyは車両応答ゲイン推定部60に記憶されている。
このため、第2制御部20の目標操舵力演算部36では、このコーナリングフィール評価指標の目標値(CF1t,CF2t,CF3t)及び車両応答ゲインGyに基づいて、車速毎に、各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf、Tf,K0、T0)の値が設定される。さらに、この目標操舵力演算部36には、操舵角センサ30からのフィルタ処理された操舵角センサ値が入力され、これにより、目標操舵力が演算される。
なお、特性パラメータTp,K0の値は、路面μの値に応じて補正することが好ましい。具体的には、Tpは減少補正し、K0は増加補正する。この補正により、路面μ変化の情報をステアリングを介して得ることが可能となる。
【0057】
ここで、図20及び図21に示すように、コーナリングフィール評価指標(CF1,CF2,CF3)の各目標値(CF1t,CF2t,CF3t)は、車速により異なる値となり、操舵力ヒスCF1は車速が増大するほど小さな値となり、ステアリング剛性CF2は車速が増大するほど大きな値となり、横G認知性CF3は車速が増大するほど小さな値となる。
また、図22に示すように、車両の横加速度応答ゲインGyは、車速が増大するほどその値は大きくなるように設定されている。
【0058】
次に、図23により、本発明のコーナリングフィール制御による制御フローを説明する。なお、図23における「S」は、各ステップを示している。
この制御フローにおいては、先ず、S1において、各センサの入力値を更新する。具体的には、トルクセンサ24、横Gセンサ26、車速センサ28、操舵角センサ30、路面μセンサ32からの各入力値を更新する。次に、S2において、コーナリングフィール感応域であるか否かを判定する。コーナリングフィール感応域でなければ、S3に進み、センターフィール感応域であるか否かを判定する。コーナリングフィール感応域であれば、S4に進み、上述したセンターフィール制御(図7参照)を実行する。
【0059】
センターフィール感応域でなければ、S5に進み、パーキング時か否かを判定し、パーキング時であれば、S6に進み、パーキング制御を実行する。このパーキング制御は、これ以降で詳細に説明する(図24乃至図26参照)。
【0060】
S2において、コーナリングフィール感応域であると判定された場合には、S7に進み、車速に応じて車両応答ゲインGyを設定する(図22参照)。
次に、S8に進み、車速に応じてコーナリングフィール評価指標の各目標値(CF1t,CF2t,CF3t)を設定する(図20及び図21参照)。上述した車両応答ゲインGy及びこれらの各目標値は、実験により予め設定されており車速毎に記憶されている。
【0061】
次に、S9に進み、コーナリングフィール評価指標の各目標値及び車両応答ゲインをパラメータとした式(数9)により、コーナリングフィール感応域における操舵力特性モデルの各特性パラメータ(Tp,K0,T0,Kf,Kp,Tf,Kd)を設定する。
次に、S10に進み、Kp,Tf,Kd,T0は任意の定数なので変更せずに、Tp,K0,KfをS9において演算した値に変更する。
【0062】
次に、S11に進み、第2制御部における補償電流をIf =(f(θ)−Ts2)*K3と設定する。ここで、(f(θ))は上述した(数8)により表現された操舵力特性モデル出力、(Ts2)はフィルタ40を通ったトルクセンサ値、K3は第2制御部20の制御ゲインである。
【0063】
次に、S12に進み、第1制御部における基準目標電流がI0 =Ts1*K1と設定する。ここで、(Ts1)はフィルタ34を通ったトルクセンサ値、(K1)は第1制御部19の制御ゲインである。
次に、S13に進み、目標電流をI=I0 −If と設定する。さらに、S14に進み、この目標電流Iを電動モータ14に提供し、電動モータ14の電流制御を実行する。
【0064】
以上説明したように、本発明によるコーナリングフィール制御によれば、カーブ走行時において操舵力特性制御により目標操舵力を再現することでコーナリングフィールを向上させることができる。また、カーブ走行時において車速が異なってもドライバが常にほぼ一定のコーナリングフィーリングであると感じることができる。
【0065】
次に、図3及び図4並びに図24乃至図36により、本発明によるパーキング時ににおける操舵力特性制御(以下、「パーキング制御」という)の内容を説明する。
このパーキング制御は、停車を含む車速5km/h未満のパーキング時に適用可能である。
【0066】
本発明の電動パワーステアリング装置は、このパーキング制御を実行するために、停車を含む極低車速時において、トルクセンサの値と予め設定した目標操舵力との偏差に基づいて停車を含む極低車速時における電動モータ14の制御量(アシスト量)を設定する操舵力特性制御部62と、この操舵力特性制御部62により設定された制御量により電動モータ14を制御するモータ電流制御部22を備えている。
目標操舵力は、操舵角(θ)を入力とした操舵力特性モデルから設定される。複数のコーナリング評価指標(CF1,CF2)の目標値(CF1t,CF2t)が予め設定され、これらの各目標値を実現するように目標操舵力モデルの特性パラメータを設定するようにしている。
【0067】
以下、このパーキング制御の内容を具体的に説明する。図24は、本パーキング制御を実行するための制御ユニットを示すブロック図である。この図24に示すように、制御ユニット16は、操舵力特性制御部62、及び、モータ電流制御部22から構成されている。
また、この操舵力特性制御部62には、トルクセンサ24、車速センサ28及び操舵角センサ30からの各出力値が入力されるようになっている。
なお、フィルタ34、PI制御部48、モータ特性補償部50は、図2に示す制御ユニット16におけるものと同じである。
【0068】
操舵力特性制御部62は、目標操舵力演算部36を有し、この目標操舵力演算部36には、車速センサ28及び操舵角センサ30の出力値が入力される。目標操舵力演算部36は、操舵角により表現された後述する操舵力特性モデルを用いて、目標操舵力を演算するようになっている。
【0069】
また、第2制御部20は、後述するパーキングフィール評価指標目標値設定部64を有し、このパーキングフィール評価指標目標値が、目標操舵力演算部36に入力されるようになっている。
この操舵力特性制御部62の目標操舵力演算部36での演算は、パーキング時以外は禁止されるようになっている。
【0070】
次に、操舵力特性制御部62の目標操舵力演算部36において使用される目標操舵力特性モデルは、上述した式(数4)と同じであり、ばね成分、粘性成分及び摩擦成分からなり、特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf,Tf)を有している(図3及び図4参照)。
【0071】
次に、図25により、パーキングフィール評価指標(CF1,CF2)を説明する。パーキングフィール評価指標は、操舵の重さを定義する操舵重さ(CF1)、及び、舵角変化に対する操舵力の変化率を定義するステアリング剛性(CF2)の2つの評価指標からなり、これらの評価指標により、自動車のパーキング時におけるパーキングフィーリングが決まるようになっている。
【0072】
これらのパーキングフィール評価指標(CF1,CF2)と、上述した操舵力特性モデルの各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf,Tf)との間には所定の関係式が成立しており、一方が決れば他方も決定される関係がある。
いま、Kp,Tf,Kdを固定(任意の定数)した場合、特性パラメータTp,Kfは、パーキングフィール評価指標(CF1,CF2)目標値(CF1t,CF2t)により決定される。具体的には、以下の式(数10)の関係がある。
【数10】
Figure 0004026395
この式(数10)において、a,b,c,g1a,g1b,g3aは、定数である。また、CF1t,CF2tは、各評価指標の目標値である。なお、この式(数10)は便宜上式(数9)と同じ記号を用いて定数としているが、各定数の値は両者において異なっている。
【0073】
このパーキングフィール評価指標(CF1,CF2)の各目標値(CF1t,CF2t)は、車両実験により予め決定されており、事前に記憶されている。即ち、各目標値(CF1t,CF2t)は操舵力特性制御部62のパーキングフィール評価指標設定部64に、予めに記憶されている。
ここで、パーキングフィール評価指標(CF1,CF2)の各目標値(CF1t,CF2t)は、所望のパーキングフィールを得るように設定されるが、特に、操舵重さCF1は、操舵角と操舵力(操舵トルク)とは比例するように設定されている。これにより、操舵角の情報を操舵力を介してドライバに伝えることができる。なお、従来の電動パワーステアリング装置においては、パーキング時、ステアリングの据えきりにより操舵角が大きく変化しても操舵力はほとんど変化せず、ほとんど路面から受ける摩擦力を感じるのみであり、舵角の情報を操舵力を介して得ることが困難だった。
【0074】
操舵力特性制御62の目標操舵力演算部36では、このパーキングフィール評価指標の目標値(CF1t,CF2t)に基づいて、各成分の特性パラメータ(Kp,Tp,Kd,Kf、Tf)の値が設定される。さらに、この目標操舵力演算部36には、操舵角センサ30からの操舵角センサ値が入力され、これにより、目標操舵力が演算される。
【0075】
次に、図26により、本発明のパーキング制御による制御フローを説明する。なお、図26における「S」は、各ステップを示している。
この制御フローにおいては、先ず、S1において、各センサの入力値を更新する。具体的には、トルクセンサ24、車速センサ28、操舵角センサ30からの各入力値を更新する。次に、S2において、車両が急減速しているか否かを判定する。パーキング以外の極低速状態を判定するためである。この場合には、ABSが作動しているか否かに判定しても良いし、また、変速機においてリバースポジションとなっているか否かにより判定するようにしてもよい。
【0076】
車両がパーキング以外の極低速状態であれば、S3に進み、通常のアシスト制御を行なう。具体的には、目標電流Iを、I=(Tsw−Ts1)*K1と設定する。ここで、Tswはアシスト制御の不感帯値、Ts1はフィルタ34を通ったトルクセンサ値、K1は操舵力特性制御部62の制御ゲインであり、Tsw及びK1の値は、車速に応じて補正されるようになっている。
【0077】
次に、車両が急減速でない場合には、S4に進み、車速が停車を含む極低車速、即ち、車速が5km/h未満か否かを判定する。車速が5km/h以上の場合には、S3に進む。
車速が5km/h未満の場合には、パーキング時であるので、S5に進み、パーキング制御を実行する。
S5において、パーキングフィール評価指標の各目標値(CF1t,CF2t)をパラメータとした式(数10)により、パーキング時における操舵力特性モデルの各特性パラメータ(Tp,Kf,Kp,Tf,Kd)を設定する。
次に、S6に進み、Kp,Tf,Kdは任意の定数なので変更せずに、Tp,KfをS5において演算した値に変更する。
【0078】
次に、S7に進み、目標電流をI=(Ts1−f(θ))*K1と設定する。ここで、(f(θ))は上述した(数10)により表現された操舵力特性モデルにより設定された目標操舵力、(Ts1)はフィルタ34を通ったトルクセンサ値、K1は制御ゲインである。具体的には、上述したように、目標操舵力特性モデルにより設定された目標操舵力とトルクセンサ値との偏差から制御量(アシスト量)を設定する。
次に、S8に進み、この目標電流Iを電動モータ14に提供し、電動モータ14の電流制御を実行する。
【0079】
以上説明したように、本発明のパーキング制御によれば、パーキング時(極低車速時)において、取り回し易い操舵力を保ちつつ、操舵角の情報を操舵力を関してドライバに伝えることができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動車の電動パワーステアリング装置によれば、パーキング時(極低車速時)において取り回し易い操舵力を保ちつつ、操舵角の情報を操舵力を介してドライバに伝えることができる。さらに、パーキング時において操舵力特性制御を行なうことによりパーキングフィーリングを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電動パワーステアリング装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の電動パワーステアリング装置のセンターフィール制御を実行するための制御ユニットを示すブロック図である。
【図3】操舵力特性モデルを示す図である。
【図4】操舵力特性モデルにおけるばね成分、粘性成分及び摩擦成分を示す図である。
【図5】センターフィール評価指標(CF1,CF2)を示す図である。
【図6】センターフィール評価指標(CF3)を示す図である。
【図7】本発明のセンターフィール制御における制御フローを示すフローチャートである。
【図8】車両応答遅れ量が生じた場合の車両応答特性の変化を示す線図である。
【図9】車両応答遅れ量が生じた場合の操舵力特性(横Gと操舵力の関係)の変化を示す線図である。
【図10】車両応答遅れ量が生じた場合の操舵力特性(操舵角と操舵力の関係)の変化を示す線図である。
【図11】本発明の電動パワーステアリング装置のセンターフィール制御を実行する第2例の制御ユニットを示すブロック図である。
【図12】本発明の電動パワーステアリング装置のセンターフィール制御を実行する第3例の制御ユニットを示すブロック図である。
【図13】本発明の電動パワーステアリング装置のセンターフィール制御を実行する第4例の制御ユニットを示すブロック図である。
【図14】本発明の電動パワーステアリング装置のセンターフィール制御を実行する第5例の制御ユニットを示すブロック図である。
【図15】本発明の電動パワーステアリング装置のコーナリングフィール制御を実行する制御ユニットを示すブロック図である。
【図16】コーナリングフィール制御のための操舵力特性モデルを示す図である。
【図17】コーナリングフィール制御のための操舵力特性モデルにおけるばね成分、粘性成分及び摩擦成分を示す図である。
【図18】コーナリングフィール評価指標(CF1,CF2)を示す図である。
【図19】コーナリングフィール評価指標(CF3)を示す図である。
【図20】コーナリングフィール評価指標の目標値(CF1t,CF2t)を示す図である。
【図21】コーナリングフィール評価指標の目標値(CF3t)を示す図である。
【図22】コーナリングフィール制御における車両応答ゲインGyを示す図である。
【図23】本発明のコーナリングフィール制御における制御フローを示すフローチャートである。
【図24】本発明の電動パワーステアリング装置のパーキング制御を実行する制御ユニットを示すブロック図である。
【図25】パーキングフィール評価指標(CF1,CF2)を示す図である。
【図26】本発明のパーキング制御における制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置
2 ハンドル
4 ステアリングシャフト
6 中間シャフト
12 タイヤ
14 電動モータ
16 制御ユニット
18 第1制御部
20 第2制御部
22 モータ電流制御部
24 トルクセンサ
26 横Gセンサ
28 車速センサ
30 操舵角センサ
34,38,40 フィルタ
36 目標操舵力演算部
42 センターフィール評価指標目標値設定部
44 センターフィール評価指標演算部
46 車両応答遅れ量推定部
52 補正操舵力演算部
54 位相制御部
56 遅延制御部
58 コーナリングフィール評価指標目標値設定部
60 車両応答ゲイン推定部
62 操舵力特性制御部
64 パーキングフィール評価指標目標値設定部

Claims (4)

  1. 電動モータによりハンドルの操舵をアシストする自動車の電動パワーステアリング装置であって、
    操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    上記トルクセンサの値と予め設定した目標操舵力との偏差に基づいて停車を含む極低車速時における上記電動モータの制御量を設定する操舵力特性制御部と、
    この操舵力特性制御部による制御量により上記電動モータを制御する電動モータ制御部と、を有し、
    上記操舵力特性制御部は、上記極低車速であっても急減速又はABS作動時は、上記目標操舵力の値を使用せず上記トルクセンサ値に基づいて上記制御量を設定することを特徴とする自動車の電動パワーステアリング装置。
  2. 上記操舵力特性制御部は、操舵角を入力とした操舵力特性モデルから上記目標操舵力を設定し、さらに、予め設定されたパーキングフィール評価指標の目標値を実現するように上記操舵力特性モデルの特性パラメータを設定する請求項記載の自動車の電動パワーステアリング装置。
  3. 上記パーキングフィール評価指標は、操舵の重さを定義する操舵重さCF1、及び、舵角変化に対する操舵力の変化率を定義するステアリング剛性CF2を含み、上記第操舵力特性制御部は、これらの各評価指標の目標値を実現するように上記操舵力特性モデルの特性パラメータを設定する請求項記載の自動車の電動パワーステアリング装置。
  4. 更に、所定の高車速で且つ直進状態にて予め設定した目標操舵力となるように上記電動モータの制御量を設定する第2制御部を有する請求項1乃至の何れか1項記載の自動車の電動パワーステアリング装置。
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