JP4026169B2 - 軟弱地盤の表層埋立固化方法 - Google Patents

軟弱地盤の表層埋立固化方法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として浚渫土による埋立地盤のような超軟弱な地盤の表層部分に、固化材を混合させた添加材混合埋立土砂からなる表層を造成し、地盤表面に地盤改良機等資機材搬入のためのトラフィカビリティを確保する表面固化層を形成する軟弱地盤の表層埋立固化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軟弱地盤の改良工法として、帯状をしたドレーン材を軟弱地盤表面から地盤内に挿入し、そのドレーン材を通して軟弱地盤内の土壌間隙水を排出させる地盤改良工法が開発されている。この種の工法を浚渫土による超軟弱な地盤に対して施工する場合には、一般に、フローター式の固化処理船を浮かべ、これによってドレーン材の打込み等の地盤改良処理を行っているが、近年においては、浚渫土等の軟弱な埋立土砂に、セメントミルクなどの固化材を添加混合しておき、この固化材添加埋立土砂を使用して埋立地盤表層を形成し、これによって陸上走行式の地盤改良重機が走行できる表面固化層を形成する工法が研究されている。
【0003】
この表面固化層を造成する工法は、重機のトラフィカビリティ確保を目的に行われるため、qu28=50〜200kN/m2といった固化処理としては比較的低強度で行われることが多い。これは、後の地盤改良作業におけるドレーン材の打設に際し、これ以上の強度になるとマンドレルの貫入が困難になるためである。
【0004】
また、埋立土砂に固化材などの添加材を混合する方法として、スラリー状の、又はスラリー状にした埋立土砂を、埋立投入位置まで搬送管内を空気圧送し、その途中で添加材を注入する方法が開発されている。
【0005】
この従来の添加材管中混合方法は、スラリー状の埋立土砂を搬送管内で、空気部分に挟み、多数の塊状をしたプラグに分断して移動させ、搬送管内に設置した2つ圧力計を用いて移動するプラグ毎に、その体積、移動速度を計測し、各プラグの添加材注入器位置の通過に対応させて、添加材の注入量を制御するようにしている(特開平11−229428号公報)。
【0006】
即ち、図10に示すように土運船1で運ばれてくる埋立土砂2に注水し、或いは埋立土砂2が軟弱な高含水比の浚渫土である場合には注水せずにそのまま、荷降ろし用のバックホー3により搬送管4の始端のホッパー5内に投入する。投入されたスラリーはホッパー5下のスクリューによって搬送管4内に送り出される。
【0007】
搬送管4には搬送用圧縮空気を間欠的に注入する空気圧入管7が連通され、これによって土砂スラリーは図11に示すように空気部分Aによって挟まれた多数の塊状のプラグSとなって搬送される。
【0008】
搬送管4には間隔を隔てて圧力計8a,8b及びこの下流側に添加材注入器9を設置し、両圧力計8a,8bによる検出値の変化によって各プラグSの通過時、移動速度、プラグ長さを計測し、これによってプラグ毎の添加材注入器位置の通過時及びスラリー量をコンピュータ10で算出し、添加材注入器9からの注入開始時及び注入量を制御させている。
【0009】
この従来工法では、使用する土砂スラリーの性状に対応させて、事前に土砂スラリーに対する単位体積当りの添加材混合量(添加材混合比)を決定しておき、その添加材混合比に近づけた状態で各プラグに対して注入されるようにコンピュータで制御している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した固化材を混合した埋立土砂層を軟弱地盤表層に造成する工法において、マンドレルの貫入が容易に行え、且つトラフィカビリティが確保できるqu28=50kN/m2程度の低強度の地盤改良層を造成しようとする場合、室内配合試験では、殆どの軟弱地盤において固化材の添加量が30〜40kg/m3と少なく、現場での施工工程においては、混合精度の低下を考慮し、室内配合試験の結果に安全率を乗じてこれより1.5〜2倍の量の固化材を添加することとなるが、これを前述した従来の添加材管中混合方法によって行うと、従来の実績によれば、30〜40kg/m3程度の固化材貧配合時の現場/室内強度比は0.1〜0.3であり、所望の品質確保には過大な安全率が必要になる。
【0011】
しかし、過大な安全率を採用すると、最低強度として目標強度のqu28=50kN/m2を確保できるが、部分的には非常に強度の大きい個所ができてしまい、そこではドレーン材の打込みが困難になってしまう事態が生じる。
【0012】
一方、室内配合試験結果をそのまま現場に適用した場合には、全体の平均強度が目標強度を達成することができるが、部分的には目標強度に達しない個所ができることとなり、地盤改良重機走行の安全性が保てなくなるという問題が生じる。
【0013】
更に、上述した従来の添加材管中混合方法は、搬送管内に送り込まれる土砂スラリーの性状を、例えば搬送されてくる土運船毎に調査して添加材混合比を決定しているものであり、従って搬送管内を移動するプラグは常に一定の含水比であることが前提となっている。
【0014】
このため、搬送管に送り込む土砂スラリーの含水比が各プラグ毎に一定となるよう、常に土運船内の土砂を荷降ろし用のバックホー等を用いて攪拌しており、その作業に多くの労力と経費を要するという問題がある。
【0015】
また、バックホー等によって常に攪拌したとしても、荷降ろし開始時から完了まで含水比を一定に保つことができず、投入される埋立土砂の硬化後の強度にばらつきが生じ、全域に渡って必要な強度の埋立地が得難いという問題があった。
【0016】
以上のように、軟弱埋立土砂に対する固化材配合量が少ない場合には、低強度で均一な固化処理地盤を形成することは困難であり、特に従来の添加材管中混合方法を採用した場合には、部分的な強度差が大きくなるという問題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、主として浚渫土による埋立地盤のような超軟弱な地盤の表層部分に、埋立土砂に対して添加混合する固化材量を少なくして、低強度の表面固化層を造成する際に、部分的に強度が低すぎたり高すぎたりすることなく、全域に亘って所望範囲の目標強度とすることが容易な軟弱地盤の表層埋立固化方法に関する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、浚渫土による埋立地等の高含水率の軟弱地盤上に、埋立土砂にセメント等の固化材を主体とした添加材を混合した添加材混合埋立土砂による表面層を造成することにより前記軟弱地盤上に表層固化地盤を形成させ、前記埋立土砂に対する添加剤の混合を、該埋立土砂からなる土砂スラリーを所望の埋立個所に搬送する空気圧送用搬送管の途中に前記添加材を注入する添加材注入器を設置し、該添加材注入器による添加材の注入タイミング及び注入量を、コンピュータを使用した制御手段によりコントロールして前記土砂スラリー内に添加材を注入することによって行わせるようにした軟弱地盤の表層埋立固化方法において、前記添加材として、セメント等の固化材に無機質粉状材からなる固化助材を混合したものを使用し、前記搬送管の上流側端部に含水比計測用の一時貯留槽を設置し、該一時貯留槽内の土砂スラリーの密度をγ線密度計によって測定し、該測定値から前記土砂スラリーの含水比を算出し、前記添加剤の混合に際し、予め、使用する土砂スラリーの含水比に対する添加材の適正混合割合を前記コンピュータに入力しておき、前記γ線密度計による測定値から算出された土砂スラリーの含水比と、予めコンピュータに入力された添加材の前記混合割合に基づいて、添加材の注入量を調整させるようにしたことにある。
【0019】
尚、上記方法において、固化材としてセメントを、固化助材として石炭灰を使用し、セメント1(重量比)に対し、石炭灰を1〜1.4の割合で混合することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0021】
図1は本発明を実施する装置の概略を示している。同図中符号20は高濃度の浚渫土等の埋立土砂を輸送してくる土運船であり、21は揚土用のサンドポンプである。22はサンドポンプ21により揚土された土砂スラリーを一時的に貯留する一時貯留槽である。一時貯留槽22にはその内部の土砂スラリーの密度を計測するγ線密度計23が設置されているとともに低部に搬送管24の始端が連通されている。搬送管24には前述した従来例と同様に空気圧送管25が連通され、その下流側に流れ方向に小間隔を隔てて一対の圧力計26a,26bが設置され、その下流側に添加材注入器27が備えられている。
【0022】
この装置を使用し、図1に示すように、埋立土砂に対し、搬送管内の移動中に添加材を注入し、混合させて所望の軟弱埋立地盤15上に投入し、該軟弱地盤15の表面に層状に堆積させて表層固化地盤16を造成する。
【0023】
サンドポンプ21は土運船内の埋立土砂の含水比が搬送管24内を移動するために充分でないときは、土運船内の揚土部分に注水し、土砂スラリーとしたものを吸引し揚土する。また、土運船により運ばれてくる埋立土砂が浚渫土のように高含水比のものである場合にはそのまま吸引する。
【0024】
空気圧送管25は、間欠的に高圧空気を搬送管24内に送り込むようにしており、これによって一時貯留槽22から搬送管24内に送り込まれた土砂スラリーを空気部分Aを挟んだ多数の塊状のプラグSとして移動させるようにしている。
【0025】
両圧力計26a,26bは空気部分A及びプラグSが搬送管24内を移動することによる管内圧力の変動及びその大きさをリアルタイムで計測するようにしている。
【0026】
添加材注入器27は、固化材としてのセメントと、固化助材としての石炭灰を混合し、水を加えてスラリー状とした添加材を注入する注入ノズル27aが搬送管24内に挿入されており、この注入ノズル27aからの注入タイミング及び注入量を、コンピュータ28aを使用した注入制御手段28をもってコントロールしている。
【0027】
尚、添加材注入器27にて注入する添加材は、予め定めた配合に基づき、粉体混合器を使用してセメントと石炭灰を均一に混合しておき、これに水を加えて混練し、スラリー状としたものを使用する。
【0028】
注入制御手段28では、γ線密度計23、両圧力計26a,26bによる計測値を元にして各プラグS毎の添加材注入タイミング及び注入量をコントロールしている。
【0029】
注入制御手段28では、γ線密度計23による計測値から、次の土質公式(1)(2)により土砂スラリーの含水比を算出する。即ち、
【0030】
【数1】
【0031】
γt:湿潤単位体積重量(tf/m3)
Gs:土粒子密度(比重)
e:間隙比Sr:飽和度(%)
γw:水の単位体積重量(tf/m3)
w:含水比(%)
式(1)(2)において、飽和度Srは100%であり、土粒子密度Gsは事前に室内土質試験によって求めておく。土粒子密度はその地域の土砂について特徴ある土質定数であり、同一地域の浚渫土であれば大きく変化することはない。そしてγ線密度計23によって得られる密度値(湿潤単位体積重量γt)毎に含水比wを算出する。
【0032】
一方コンピュータ28aには、含水比wの変化に対応して所望の目標強度を得るための添加材混合割合を数式化して入力しておき、その添加材混合割合データに基づき、前述の計算式で得られた含水比に対応して必要な添加材混合割合を選択し、添加材注入器28による添加材注入量をコントロールさせるようにしている。
【0033】
この添加材混合割合データの作成は、図3に示すように土砂スラリーの含水比を数段階に分けて違えたサンプルS1,S2,S3毎に添加材混合量を違えて混合し、各混合量毎に固化後の強度を計測してグラフを作成し、このグラフから図4に示すように、含水比の変化に対する目標強度を得るための添加材混合量のグラフを作成する。
【0034】
更に、検出される含水比値が極端に少ない場合の添加材不足が生じないよう、及び含水比値が極端に大きい場合に単位時間当りの添加材注入量の過大によって装置の損傷を防止するため、予想される含水比外の部分について、図5に示すように一定の最低注入割合及び最高注入割合を設定したグラフを作成し、これを数式化してコンピュータに入力する。
【0035】
また、両圧力計26a,26bによって得られる搬送管24内の圧力変化値から、コンピュータ28aによって、プラグSの添加材注入管位置通過時及び重量(又は長さ)を算出し、プラグS毎の土砂スラリー量の変化に対応させて添加材注入量及び各プラグSに対する添加材注入時のタイミングをコントロールしている。
【0036】
即ち、コンピュータ28aは、図6に示すように圧力計26a,26bにより検出される圧力曲線のピーク値pに基づいて搬送管24内の各プラグSの重量(又は長さ)を算出し、2つの圧力計26a,26bのピーク値pの検出時間差tに基づいて各プラグS(土砂スラリー)の流速を算出し、各プラグSの重量及び流速に対応して添加材注入器27による添加材の注入量(又は注入時間)及び注入時期を制御する。
【0037】
即ち、搬送管24内では各プラグSが通過する際に圧力が上昇することが実験により確認されており、図6中に実線で示すように、プラグSの先端が圧力計26aの設置箇所を通過する時刻t0に、圧力計26aの計測値が上昇しはじめて、時刻t0から稍遅れた時刻t1に、圧力計26aでピーク値pが検出される。そして、図6中に破線で示すように、同一のプラグSが下流側の圧力計26bの設置箇所を通過する際に、上流側の検出時刻t1より遅い時刻t2に、圧力計26bでピーク値pが検出される。
【0038】
そして、圧力計26a,26bの設置間隔dと圧力計26a,26bのピーク値pの検出時間差t(t=t2−t1)とから、プラグSの流速v(v=d/t)を算出することができ、プラグSの流速vと圧力計26bと注入ノズル27aとの距離lとから、このプラグSの先端が注入ノズル27aの設置箇所を通過する時刻t3(t3=l/v+t0)を算出する。
【0039】
従って、多数のプラグS、S…の夫々の先端が注入ノズル27aを通過する際に、注入ノズル27aによる搬送管24内への添加材の注入を開始することができ、これによって、多数のプラグS、S…の間隔が一定でなくても、空気部分A、A…に添加材を供給することなく、プラグS、S…の夫々に添加材を確実に添加することができる。
【0040】
なお、圧力計26a,26bの設置間隔eが比較的狭く、圧力計26a,26bの間に1つのプラグSしか存在しない場合には、同一のプラグSに関して上流側の圧力計26aにより検出された直後に下流側の圧力計26bにより検出されるので、2つの圧力計26a,26bの検出結果を容易に対応させることができる。また、圧力計26a,26bにより検出されるピーク値p又は波形はプラグS、S…毎に特徴を有するため、ピーク値p又は波形に基づいて、同一のプラグSに関する2つの圧力計26a,26bの検出結果を対応させてもよい。
【0041】
そして、圧力計26bにより検出されるピーク値pは、各プラグSの重量Wに略比例する(W=ap+b(a、bは定数)となる)ことが、実験により確認されている。なお、各プラグSの長さ(体積)は、その重量Wに比例し、従って圧力計26bのピーク値pに比例する。
【0042】
このようにして算出される各プラグS毎の重量Wに対し、前述したγ線密度計23の計測値から算出した含水比に対応させた添加材混合割合となるように予めコンピュータ28aにプログラミングした計算式によって添加材注入量を算出し、添加材注入器27からの各プラグSに対する添加材注入量を制御する。
【0043】
なお、注入ノズル27aによる添加材の注入速度を一定にし、注入時間を圧力計26bのピーク値pに比例させるように制御することによって、プラグSの後端が注入ノズル27aの設置位置を通過する際に添加材の注入時間が丁度終了するように添加材の注入速度を調整しておくことができ、これによって、プラグSが長い場合でも、プラグSの前端から後端まで添加材を偏らずに均等に添加することができる。
【0044】
試験例次に、高含水比の浚渫土からなる粘性土に対してセメントと石炭灰からなる添加材を添加混合させて固化処理した試験例を示す。
【0045】
第1表に、使用した粘性土の特性、第2表に、使用した石炭灰の特性を示す。固化材には高炉セメントB種を使用した。配合は第3表に示す如くである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
上記材料を第3表の配合により、添加材はスラリー状にして添加し、ホイッパーを使用して10分間混練し、20℃の恒温恒湿室にて養生し、材令28日の一軸圧縮強さを測定した。
【0050】
添加材として固化材のみを使用し、固化助材を使用しなかった場合(配合No.1〜3,12〜14,18〜20)の、固化材添加量と材令28日一軸圧縮強さとの関係は図7に示すグラフの如くであった。
【0051】
含水率200パーセントの粘性土に対し、固化材添加量70kg/m3に対し、石炭灰混合量を40〜140kg/m3の範囲で変化させた場合(配合No.7〜11)の、材令28日一軸圧縮強さとの関係は図8に示すグラフの如くであった。
【0052】
含水比200%、250%及び300%粘性土に対し、固化材と固化助材とを1:1の比率で混合した添加材量を変化させて添加混合した場合(配合No.4〜6、15〜17、21〜23)の、材令28日一軸圧縮強さとの関係は図9に示すグラフの如くであった。
【0053】
試験結果の考察上記試験結果の通り、固化材としての高炉セメントと固化助材としての石炭灰とを同量ずつ混合した添加材については、何れの配合においても目標であるqu28=100〜200kN/m2を略満足している。但し、高炉Bセメントの添加量が70kg/m3の時に、石炭灰の添加量が140kg/m3となると一軸圧縮強さが急激に低下する傾向が見られ、石炭灰添加量は高炉セメント70kg/m3に対し100kg/m3(約1:1.4)以下が好ましい。
【0054】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る軟弱地盤の表層埋立固化方法においては、浚渫土による埋立地等の高含水率の軟弱地盤上に、セメント等の固化材を主体とした添加材を混合した添加材混合埋立土砂による表面層を造成することにより、前記軟弱地盤上に表層固化地盤を形成させるに際し、添加材として、セメント等の固化材に無機質粉状材からなる固化助材を混合して使用することにより、セメントの配合が貧配合であってもこれを予め混合した添加材の埋立土砂に対する混合量が多くなり、したがって硬化後の表層固化地盤を、ドレーン材打設用のマンドレルが貫入可能で、しかも必要なトラフィカビリティが得られる比較的低強度とする場合のであっても、全域に亘ってばらつきの少ない一定強度範囲内の表層固化地盤を容易に造成することができる。
【0055】
また、上記方法において、固化材としてセメントを、固化助材として石炭灰を使用することにより、両者は互いに似かよった成分を含むため石炭灰は固化助材としての役目をなすとともに、石炭灰がベアリング効果を発揮し、埋立土砂に対する添加材の均一な混合状態が得られやすくなり、より均質な強度の表層固化地盤が形成されやすくなる。更に、この添加材をセメント1(重量比)に対し、石炭灰を1〜1.4の割合で混合することにより、所望の比較的低強度の表層固化地盤が得られる。
【0056】
更に、上記方法において、埋立土砂からなる土砂スラリーを空気圧送用搬送管を通じて所望の埋立個所に搬送するようにし、その搬送途中にて搬送管内に添加材を注入することにより前記埋立土砂からなる土砂スラリーに添加材を混合するようにすることにより、埋立のための土砂の搬送中に添加材混合ができ、添加材混合作業が簡略化される。
【0057】
更に、上記方法において、土砂スラリーを空気圧送させる該搬送管の途中に、セメント等の固化材を主体とした添加材を注入する添加材注入器を設置し、該添加材注入器による添加材の注入タイミング及び注入量を、コンピュータを使用した制御手段によりコントロールして前記土砂スラリー内に添加材を混合させるようにし、使用する土砂スラリーの含水比に対する添加材の適正混合割合を予め前記コンピュータに入力しておき、前記土砂スラリーが前記搬送管内の添加材注入器に到る前に該土砂スラリーの含水比を計測し、添加材注入器からの添加材注入量を、前記コンピュータに予め入力されている適正混合割合に対応させて調整することにより、搬送管内に送り込まれる土砂スラリーの含水比が変化しても、これに自動的に追随して予め設定した所望の必要な混合割合となるように添加材注入量を混合させることができることとなり、従来のように搬送管に送り込むためのスラリー含水率を一定に保つための作業工程が不要となり、経済的に、しかも一定品質の添加材混合埋立土砂を得ることが可能となり、特に軟弱埋立地盤の表層に重機のトラフィカビリティのための表層固化地盤を形成する際に、帯状ドレーン材の打ち込みが容易な程度の強度を得たい場合のように、固化後の埋立地盤の微妙な強度調整が必要な場合に、容易に必要強度の地盤を容易に造成することができる。
【0058】
また、搬送管の上流側端部に含水比計測用の一時貯留槽を設置し、該一時貯留槽内の土砂スラリーの密度をγ線密度計による測定し、該測定値から含水比を算出することにより、リアルタイムで含水比の変化を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示す装置の部分拡大断面図である。
【図3】含水比を違えた土砂スラリーサンプル毎の固化材添加量と固化後の強度との関係を示すグラフである。
【図4】図3における目標強度を得るためのサンプル毎の固化材添加量を示すグラフである。
【図5】含水比変化に対応した添加材の適正混合割合を数式化したグラフである。
【図6】図1に示す装置における圧力計による検出圧力の時間的変化を示すグラフである。
【図7】固化材添加量と材令28日一軸圧縮強さとの関係を示すグラフである。
【図8】石炭灰添加量と材令28日一軸圧縮強さとの関係を示すグラフである。
【図9】固化材・石炭灰同率添加量と材令28日一軸圧縮強さとの関係を示すグラフである。
【図10】従来方法に使用している装置の概略図である。
【図11】同上の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
A 空気部分
S プラグ
20 土運船
21 サンドポンプ
22 一時貯留槽
23 γ線密度計
24 搬送管
25 空気圧送管
26a,26b 圧力計
27 添加材注入器
27a 注入ノズル
28 注入制御手段
28a コンピュータ

Claims (2)

  1. 浚渫土による埋立地等の高含水率の軟弱地盤上に、埋立土砂にセメント等の固化材を主体とした添加材を混合した添加材混合埋立土砂による表面層を造成することにより前記軟弱地盤上に表層固化地盤を形成させ、
    前記埋立土砂に対する添加剤の混合を、該埋立土砂からなる土砂スラリーを所望の埋立個所に搬送する空気圧送用搬送管の途中に前記添加材を注入する添加材注入器を設置し、該添加材注入器による添加材の注入タイミング及び注入量を、コンピュータを使用した制御手段によりコントロールして前記土砂スラリー内に添加材を注入することによって行わせるようにした軟弱地盤の表層埋立固化方法において、
    前記添加材として、セメント等の固化材に無機質粉状材からなる固化助材を混合したものを使用し、
    前記搬送管の上流側端部に含水比計測用の一時貯留槽を設置し、該一時貯留槽内の土砂スラリーの密度をγ線密度計によって測定し、該測定値から前記土砂スラリーの含水比を算出し、
    前記添加剤の混合に際し、予め、使用する土砂スラリーの含水比に対する添加材の適正混合割合を前記コンピュータに入力しておき、
    前記γ線密度計による測定値から算出された土砂スラリーの含水比と、予めコンピュータに入力された添加材の前記混合割合に基づいて、添加材の注入量を調整させるようにしたことを特徴としてなる軟弱地盤の表層埋立固化方法。
  2. 固化材としてセメントを、固化助材として石炭灰を使用し、セメント1(重量比)に対し、石炭灰を1〜1.4の割合で混合する請求項1に記載の軟弱地盤の表層埋立固化方法。
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