JP4026098B2 - 表示コントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置の表示コントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置においては、ブラウン管を用いたディスプレイ(CRT)や液晶パネルを用いたディスプレイ(LCD)等の表示デバイスに情報の表示を行うために、上位と表示デバイスとの間で情報を該表示デバイスでの表示に適合する形に変換して出力する表示コントローラが設けられている。
【0003】
表示コントローラは、入力側のインターフェース(I/F)、入力された情報を一時的に格納するフレームバッファ、情報の出力タイミングを調整するFIFIO、出力側のI/F等から構成され、入力された情報を順次所定のタイミングで出力して行く。
ここで、通常、表示デバイスには表示内容のメモリ機能はなく、表示は残像現象を利用することによって行われている。その残像を途切れさせることがないようにするため、表示コントローラは1秒間に数十回出力を繰り返すことによって定常的な表示が行われているように見せている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、全く変化のない画面を表示する場合でも、残像を発生させるために、表示コントローラは全く同じ画面を繰り返し出力するが、従来の表示コントローラでは、そのために入力側のI/Fを除く全ブロックが動作し、特にフレームバッファの内容は毎画面、全く同じ情報が1秒間に数十回読み出されることになる。このように、情報量から考えると無駄な動作を繰り返すことによって、平均消費電力が増大しており、また、その結果、回路の発熱量も増加している。
【0005】
特に、情報処理装置が動作を最低限とし、消費電力を低減させるモード(以後、Dozeモード)においては、待機状態の同一画面を表示し続けるためだけに、表示コントローラの大部分が動作するため、消費電力が無駄となっている。
また、フレームバッファに対して、このような表示が行われている間は、上位からのフレームバッファ読み書きは待たされることになるので、その分、システム全体の性能が低下してしまう。
【0006】
さらに、表示デバイスが液晶パネルの場合、縦2ラインに同じ1ライン分の情報を表示するモード(以後、縦倍表示モード)では、アクセスの半分以上が無駄となってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、上位から送られてくる表示のためのデータをフレームバッファに格納して行き、これを所定のタイミングで表示デバイスに出力して行く表示コントローラにおいて、フレームバッファに格納したデータから同じデータの連続を判断する手段と、 同じデータの連続を判断すると、圧縮したデータを作成して、これをフレームバッファの別領域に格納する手段と、前記格納した圧縮したデータを、伸長して出力する手段と、上位がまとまった書き込み処理を行う前に出す圧縮禁止信号を受けると圧縮処理を停止し、前記まとまった書き込み処理が終わると上位が出す圧縮許可信号を受けるまで前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたものである。
【0008】
請求項2にかかる発明は、請求項1の表示コントローラにおいて、圧縮したデータの格納先を、該圧縮したデータの大きさと表示モードに応じて、フレームバッファかルックアップテーブルに切り換える手段を備えたものである。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2の表示コントローラにおいて、上位の状態を監視する信号の入力を受け、上位が書き込みを行わない状態と判断すると、圧縮処理を停止し、書き込みを行わない状態が解除されるまで前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたものである。
【0009】
請求項4にかかる発明は、請求項1、2または3の表示コントローラにおいて、上位からのフレームバッファへの書き込みを監視し、書き込みによる更新が行われるまでは圧縮処理を停止し、前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の表示コントローラの第1の実施の形態を示すブロック図であり、図1において、1は表示コントローラと上位のホストバス(Host Bus)を接続するホストI/F(Host I/F)、2は表示される画像イメージが格納されるフレームバッファで、通常はDRAMにより構成される。
【0015】
3はフレームバッファ2の制御回路であるフレームバッファ制御部、4は表示タイミング制御部、5はフレームバッファ2からのデータを表示タイミングに合わせるためのバッファであるディスプレイFIFO(Display FIFO)、6はディスプレイFIFO5からのデータを表示コントローラに接続される表示デバイスの仕様に合わせて出力し、また、表示タイミング制御信号を生成する表示デバイスI/F、7はディスプレイFIFO5からのデータをそのまま色情報として扱うモード(以後、パックトピクセルモード)では使用されず、色番号として扱うモード(以後、パレットモード)で、色番号から色情報に変換するために使用されるテーブルであるルックアップテーブル(Look Up table)、8はCRT,LCD等の表示デバイスである。
【0016】
9はディスプレイFIFO5の中を通るデータから、同じデータの連続を発見する比較・カウント回路、10は比較・カウント回路9の結果をフレームバッファの未使用領域(圧縮フレーム2a)に書き込む圧縮データ書戻し回路である。11は比較・カウント回路9および圧縮データ書戻し回路10の動作タイミングを規定する圧縮タイミング回路である。
【0017】
図2は上述したフレームバッファ2の一例を示す構成図で、図2は15bppパックドピクセル形式で格納される場合を示す。表示データは1ドット当たり、赤(R):5bit、緑(G):5bit、青(B):5bit、フラグビット(flg):1bitで、通常画面の左上から1ライン毎に格納される。そして、このフラグビットビットが「1」である場合は、それに続くデータをデータ連続数と解釈することとする。
【0018】
図3はディスプレイFIFO5の内部構造を示すブロック図であり、12はフレームバッファ制御部3からのデータを格納するバッファ群、13はバッファ群12の中で、次に書き込まれるべきバッファを指定するライトポインタ(Write Pointer)、14はライトポインタ13に従って実際に書き込まれるバッファを選択するライトバッファセレクタ(Write Buffer Selector)、15は表示デバイスI/F6に対して次に送られるべきデータのバッファを指定するリードポインタ(Read Pointer)、16はリードポインタ15に従ってデータを選択するリードバッファセレクタ(Read Buffer Selector)、17はライトポインタ13およびリードポインタ15を制御するタイミング制御部(Controller)である。
【0019】
18はフレームバッファ2から送られてくるデータ内のフラグビットを解釈するフラグチェッカー(Flag Checker)、19はフラグビットが1だった場合に、次のデータをラッチするカウンタ(Counter)、20はフラグビットが1だった場合に、現データをラッチするデータラッチ(Data Latch)、21はデータをそのまま出力するか、データラッチ20にラッチしたデータを出力するかを選択するセレクタ(selector)である。
【0020】
以下に第1の実施の形態の動作を説明する。
上述した構成の第1の実施の形態の表示コントローラの回路は、圧縮/表示状態と、伸長/表示状態の2つの状態で動作する。
図4は第1の実施の形態における圧縮/表示状態の動作を示すブロック図である。この圧縮/表示状態では、図中「表示の流れ」で表示データ経路を示す通りに、ホストI/F1を経由してフレームバッファ制御部3の制御によってフレームバッファ2に書き込まれた情報は、表示タイミングでは表示タイミング制御部4のタイミング制御によって該フレームバッファ2からディスプレイFIFO5に読み込まれる。ディスプレイFIFO5では、ライトポインタ13およびライトバッファセレクタ14により情報がバッファ群12に順次格納され、表示デバイスI/F6からの要求タイミングに合わせて、リードポインタ12およびリードバッファセレクタ13によって格納された順番でそのまま情報を出力するが、パックドピクセルモードではそのまま表示デバイスI/F6に送られ、パレットモードではルックアップテーブル7によって色情報に変換された後に表示デバイスI/F6に送られる。表示デバイスI/F6では、ディスプレイFIFO5またはルックアップテーブル7から送られてきた情報を表示デバイス8に適合した形にし、該表示デバイス8が要求するタイミングで出力する。
【0021】
このとき、圧縮タイミング回路11が圧縮タイミングを発生しており、それによって、比較・カウント回路9および圧縮データ書戻し回路10がデータ圧縮動作を行う。
図5は圧縮/表示状態においてフレームバッファ2に書き込むデータを示す説明図で、比較・カウント回路9はディスプレイFIFO5から表示デバイスI/F6またはルックアップテーブル7に与えられるデータを監視しており、全く同じデータが2つ以上連続する場合には、図5(a)に示すようにフラグビットを「1」としたデータの次データに連続の回数を記述した形式のデータを圧縮データ書戻し回路10に対して生成し、そうでない場合は図5(b)に示すようにフラグビットを「0」としたデータを生成する。
【0022】
圧縮データ書戻し回路10は比較・カウント回路9からのデータをフレームバッファ2の圧縮フレーム2aに連続して書き込んで行く。図中、「圧縮データの流れ」は、この経路を示す。この状態は、1画面の表示が終わると終了し、次の伸長/表示状態に移行する。
図6は第1の実施の形態における伸長/表示状態の動作を示すブロック図であり、図中に網掛けで示すホストI/F1、フレームバッファ制御部3、比較・カウント回路9、圧縮データ書戻し回路10、圧縮タイミング回路11は動作停止状態であることを示す。すなわち、この伸長/表示状態では、圧縮タイミング回路11は圧縮タイミングを発生しておらず、比較・カウント回路9および圧縮データ書戻し回路10は休止状態にある。
【0023】
図中、ディスプレイFIFO5は、「表示データの流れ」のように、図5で説明した圧縮/表示状態で空き領域に作成されたデータを取り出して使用する。
ディスプレイFIFO5の内部では図3のフラグチェッカー18がデータ内のフラグビットを監視しており、これが「0」の場合は、セレクタ21のデータをそのまま出力し、「1」の場合は、そのデータをデータラッチ20がラッチし、その次データをカウンタ19がラッチする。以後、セレクタ21はデータラッチ20のデータをカウンタ19で指定される回数出力した後、次データに移行する。
【0024】
圧縮タイミング回路11は、数〜数十フレーム毎に圧縮タイミングを発生する。このため、第1の実施の形態では、全画面分のデータがフレームバッファ2から読み出されるのは全画面表示の数〜数十回に一回だけであり、それ以外では、フレームバッファ2内の空き領域に圧縮されたデータが読み出されることになる。
【0025】
以上のように、第1の実施の形態によれば、全画面分のデータが読み出されるのは、画面表示回数の数分の1から数十分の1であり、それ以外の表示では圧縮されたデータを読み出すことになり、(1)式のようにフレームバッファのアクセス回数を減らすことができる。
【0026】
【数1】
【0027】
その分、フレームバッファブロックと、フレームバッファ制御ブロックの消費電力を低減することができ、また、表示のためのフレームバッファアクセス回数が減った分、それがホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果、上位アクセスが待たされる頻度が低下するため、全体としてのシステム性能も向上する。
【0028】
図7は本発明の表示コントローラの第2の実施の形態を示すブロック図であり、第1の実施の形態の表示コントローラに対して、圧縮データ書戻し回路10からの圧縮データの書き戻し先と、ディスプレイFIFO5の読み出し先をフレームバッファ2、またはルックアップテーブル7のどちらかから選択できる経路24、25を設け、また、ソフトウエアからその経路を選択する外部信号26を追加したものである。
【0029】
以下に第2の実施の形態の表示コントローラの動作を説明する。
第2の実施の形態での動作は、データの圧縮率および表示モードによって、第1の実施の形態と全く同じ場合と、それとは異なる動作の2つから選択することができる。
動作の選択はソフトウエアによって行われる。表示モードがパックドピクセルモードであり、かつ、圧縮した結果がルックアップテーブル7のサイズ以下であるとソフトウエアが判断した場合には、外部信号26によって、第1の実施の形態で説明した圧縮/表示状態の動作における圧縮結果の書き込み先を、経路24によってルックアップテーブル7にする。
【0030】
図8は第2の実施の形態における伸長/表示状態の動作を示すブロック図であり、図中で網掛けとなっているホストI/F1、フレームバッファ2、フレームバッファ制御部3、比較・カウント回路9、圧縮データ書戻し回路10、および圧縮タイミング回路11は動作を停止していることを示す。この動作状態では、経路25を経由して表示データを取り出すことによって、ディスプレイFIFO5、ルックアップテーブル7および表示デバイスI/F6だけが動作すればよいため、表示のためのフレームバッファアクセスおよびその制御回路を完全に停止することができる。なお、この第2の実施の形態の表示コントローラにおいて、表示モードがパレットモードである場合、あるいは表示モードがパックドピクセルモードであっても、圧縮率が低く圧縮した結果がルックアップテーブル7のサイズを越えるとソフトウエアが判断した場合には、第1の実施の形態と同じ動作を行う。
【0031】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、表示モードがパックドピクセルモードで、かつ、十分な圧縮率が得られる場合には、圧縮/表示状態以外では表示のためのフレームバッファアクセスを完全に停止することができる。通常、フレームバッファに使われるDRAMより、ルックアップテーブルの方が消費電力が小さいため、第1の実施の形態より、さらに低消費電力が得られるとともに、ホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果、上位アクセスが待たされる頻度がさらに低下するため、全体としてのシステム性能も向上する。
【0032】
図9は本発明の第3の実施の形態の表示コントローラを示すブロック図であって、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態で説明した表示コントローラの圧縮タイミング回路11に対し、外部のDoze状態を監視するDoze信号入力経路27を加えるようにしたものである。
以下に第3の実施の形態の動作を説明する。
【0033】
第3の実施の形態では、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態の圧縮/表示状態において、Doze信号入力経路27に外部からDoze信号が加えられた場合には、圧縮タイミング回路11が圧縮タイミングを出さなくなり、Doze信号が解除されるまで第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態の伸長/表示状態を維持する。
【0034】
以上説明したように、第3の実施の形態では、Doze状態ではフレームバッファに変更はあり得ず、圧縮されたデータも更新する必要がないため、Doze状態では圧縮/表示状態を起動しないこととしたので、Doze状態における消費電力をさらに小さくすることができる。
図10は本発明の表示コントローラの第4の実施の形態を示すブロック図であって、第1の実施の形態の表示コントローラ、第2の実施の形態の表示コントローラ、あるいは第3の実施の形態の表示コントローラに、ホストI/F動作監視回路28を加えたものである。
【0035】
以下に第4の実施の形態の動作を説明する。
ホストI/F動作監視回路28は圧縮タイミング回路11に対して更新フラグ信号29を与える。この信号は、圧縮/表示状態でクリアされ、ホストI/F1の動作によって、フレームバッファ2の内容が更新された場合にセットされる。第4の実施の形態の動作は、圧縮タイミング回路11は更新フラグがクリアされている状態では、圧縮/表示状態を起動せず、そのため、表示コントローラが伸長/表示状態を維持する点以外は第1〜第3の実施の形態と同じである。
【0036】
以上説明したように、第4の実施の形態では、ホストI/F1によるフレームバッファ2の内容の変更がなく、圧縮されたデータも更新する必要がない場合では、圧縮/表示状態を起動しないこととしたので、無駄なサイクルをなくすことができるため、さらに消費電力を小さくすることができる。
図11は本発明の表示コントローラの第5の実施の形態を示すブロック図であって、第4の実施の形態に対して、ソフトウエアによって、圧縮/表示状態の禁止・許可可能な圧縮許可信号30を追加したことを特徴とする。
【0037】
以下に第5の実施の形態の動作を説明する。
上位Hostが連続してアクセスした場合には、上位からの2回目以降のアクセスは表示コントローラ内の圧縮/表示状態によるアクセスと競合する可能性が高く、また、上位Hostが連続した書き込み処理を行う場合には、その書き込み過程に行われた圧縮データが即座に更新される必要があるため、無駄になる場合が多い。
【0038】
第5の実施の形態では、上位Hostは、フレームバッファ2に対し多数のアクセスを行う連続した処理を行う前に、ソフトウエアによって、圧縮/表示状態禁止信号を出し、上述した連続した処理を終了すると、圧縮/表示状態許可信号を出す。この場合、圧縮タイミング回路11は、多数のアクセスを行う連続した処理が終わるまでは圧縮/表示状態を起動しないため、上記のような無駄となる圧縮/表示サイクルを避けることができる。
【0039】
以上説明したように、第5の実施の形態の場合、上位Hostが、フレームバッファの内容を連続して書き換えるような場合、その過程での無駄な圧縮サイクルをなくし、また、圧縮/表示のためのアクセスと競合することがなくなるため、さらに消費電力を小さくすることができ、システム性能も向上させることができる。
【0040】
図12は本発明の表示コントローラの第6の実施の形態を示すブロック図である。なお、この第6の実施の形態以降、第10の実施の形態までの表示コントローラは、表示デバイスとして、液晶ディスプレイを用いる。
図12において、ホストI/F1、フレームバッファ2、フレームバッファ制御部3、表示タイミング制御部4、ディスプレイFIFO5、ルックアップテーブル7は図1で説明したものと同様である。31はディスプレイFIFO5からのデータを液晶表示ディスプレイ(LCD)32の使用に合わせて出力し、また、表示タイミング制御信号を生成する液晶パネル(LCD)I/Fである。
【0041】
33は縦倍表示を指定するレジスタであり、上位ソフトウエアから設定可能である。このレジスタは表示が縦倍表示モードになる場合にソフトウエアによって設定されるものとする。
図13は液晶表示パネル32の構造例を示すブロック図であり、図中34は2次元配列された液晶素子、35はシリアルに入力されたデータを横方向に直並列変換するシフトレジスタ群、36はシフトレジスタ群35のデータを保持するデータラッチ、37は表示ラインを特定するラインカウンタ、38はデータラッチ36のデータを液晶素子34に印加するデータ電極群、39はラインカウンタ37によって指定されるラインにのみ駆動電圧を印加する制御電極である。40はシフトレジスタ群35を駆動するシフトクロック(SCK)、41は表示データ(DATA)、42はラインの終わりを示すラインパルス(LP)、43は1画面の始めを示すファーストラインマーカ(FLM)である。
【0042】
通常の動作は以下のように行われる。
ホストI/F1を経由して、フレームバッファ制御部3の制御によってフレームバッファ2に書き込まれた情報は、表示タイミングでは表示タイミング制御部4のタイミング制御によって、フレームバッファ2からディスプレイFIFO5に読み込まれる。ディスプレイFIFO5に読み込まれた情報は、パックドピクセルモードではそのまま液晶パネルI/F31に送られ、パレットモードではルックアップテーブル7によって色情報に変換された後に液晶パネルI/F31に送られる。液晶パネルI/F31では、ディスプレイFIFO5またはルックアップテーブル7から送られてきた情報を、液晶表示パネル32に適合した形にし、該液晶表示パネル32が要求するタイミングで出力する。
【0043】
図14および図15は液晶表示パネル32の動作タイミングの例を示す説明図で、図14は1画面分、図15は1ライン分の動作タイミングを示す。
位置44でシフトクロックによって表示データの値がシフトレジスタ群35内に蓄積されていき、位置45でラインパルスによってシフトレジスタ群35の内容がデータラッチ36にコピーされ、その値に応じた電圧がデータ電極群38によって液晶素子34の片面に印加される。
【0044】
そのとき、制御電極39のうちラインカウンタ37で指定されるライン1本のみによって液晶素子34の逆面に逆電圧が印加されており、ここに生じる電位差によって、そのラインの液晶素子34がそれぞれに対応するデータ電極群38の状態によって表示状態を変えることで、位置44で蓄積された情報が表示される。この動作が全ラインに対して繰り返されて、全ラインが走査的に表示されることで1画面の表示となる。次画面の最初の行では位置46でファーストラインマーカによってラインカウンタ37が初期化され、これによって制御電極39の位置が行の先頭に戻る。
【0045】
次に第6の実施の形態の動作を説明する。
図16は縦倍表示モードでの動作タイミング例を示す説明図で、図中47は偶数ラインでの動作を示す。縦倍表示モードでは、奇数ラインと全く同じ表示が偶数ラインに対しても行われるため、奇数ライン表示のためにシフトレジスタ群35に蓄積されたデータはそのまま偶数ラインでも使用可能であるので、これを利用する。縦倍表示設定レジスタ33の設定によって、縦倍表示を指定された表示タイミング制御部4は、偶数ラインに対応するフレームバッファへのデータ要求を抑制し、また、液晶パネルI/F31は偶数ラインでのデータおよびシフトクロックを停止させる。これによって、図16のように偶数ラインではシフトクロックと表示データが停止するが、ラインパルスは正常に動作するため、液晶表示パネル32内では、シフトレジスタ群35だけが動作を停止することになる。このため、データラッチ36はシフトレジスタ群35が保持している奇数ラインデータをラッチし、その値を液晶素子34に対して印加する。ラインカウンタ37はラインパルスによって支障なくカウントアップする。
【0046】
以上説明したように、第6の実施の形態によれば、縦倍表示モードにおいて、偶数ラインでのフレームバッファアクセスが抑制され、フレームバッファ動作による消費電力が平均して1/2となる他、液晶パネルに対するシフトクロックおよび表示データのドライブも抑制することができ、その分も消費電力を低減できる。また、表示のためのフレームバッファアクセス回数が減った分、それがホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果上位アクセスが待たされる頻度が低下するため、全体としてのシステム性能も向上する。
【0047】
図17は本発明の表示コントローラの第7の実施の形態を示すブロック図である。この第7の実施の形態において、ホストI/F1、フレームバッファ2、フレームバッファ制御部3、表示タイミング制御部4、ディスプレイFIFO5、ルックアップテーブル7、液晶パネルI/F31、液晶パネル32は第6の実施の形態と同じであり、これに、ラインフラグ格納部48、背景色選択部(Back Color Selector)49を設け、表示タイミング制御部4からラインフラグ格納部48にライン番号情報50を、ラインフラグ格納部48から背景色選択部49にラインフラグ51を接続したものである。
【0048】
図18はラインフラグ格納部48の内部構造を示した構成図であり、このように内部には各ライン番号に対応する1bitのフラグ52が格納されており、表示タイミング制御部4からのライン番号情報50に応じて対応するフラグが出力されるようになっている。このフラグ情報はソフトウエアによって書き込まれるものとする。
【0049】
背景色選択部49は内部にソフトウエアによって設定可能な背景色レジスタとセレクタを格納し、ラインフラグ51の値が「0」の場合、ディスプレイFIFO5からの出力を、「1」の場合にはラインフラグ格納部48からの出力を液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7に与えるものとする。
以下に第7の実施の形態の動作を説明する。
【0050】
第7の実施の形態は表示画面に背景色のみの一様パターンのラインが多い場合に使用される。ソフトウエアは、画面表示内容に、背景色のみのラインを発見した場合、ラインフラグ格納部48中の、そのラインに対応するフラグを「1」にセットする。
ラインフラグ格納部48は表示中にライン番号情報50の確認によって現在表示中のライン番号を判断し、それに対応するラインフラグ51を表示タイミング制御部4および背景色選択部49に与える。これが「0」であった場合は、表示タイミング制御部4のタイミング制御によりフレームバッファ2からディスプレイFIFO5にデータが読み込まれ、ディスプレイFIFO5から表示モードに応じて液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7にデータを送る。
【0051】
これに対して、ラインフラグ51の値が「1」であった場合、表示タイミング制御部4はその対応するラインのフレームバッファ制御部3へのデータ要求を抑制し、背景色選択部49は液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7に対し内部レジスタの背景色情報を出力する。
図19は第7の実施の形態の動作タイミング例を示す説明図で、データは背景色選択部49からのものが固定的に出力される。
【0052】
以上のように、第7の実施の形態によれば、背景色のみのラインでのフレームバッファアクセスが抑制され、フレームバッファ動作による消費電力が低減される他、液晶パネルに対する表示データの変位を抑制することができるため、その分の消費電力を低減できる。また、表示のためのフレームバッファアクセス回数が減った分、それがホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果、上位アクセスが待たされる頻度が低下するため、全体としてのシステム性能も向上する。
【0053】
図20は本発明の表示コントローラの第8の実施の形態を示すブロック図であって、図17のラインフラグ格納部48をライン情報格納部53に、背景色選択部49を色選択部(Color Selector)54に置き換え、ライン情報格納部53から色選択部54にラインカラー55を接続した点で第7の実施の形態と異なる。
【0054】
図21はライン情報格納部53の内部構造を示すブロック図であり、ライン情報56には、ラインフラグ以外に、ラインカラーが追加され、ライン番号に応じたラインフラグと同時にラインカラーも出力されるようになっている。
以下に第8の実施の形態の動作を説明する。
第8の実施の形態では、ソフトウエアは何らかの色、例えば背景色、前面色等のみで一様となったラインを発見した場合には、対応したラインのフラグを1とし、さらに、ラインカラー部分にその一様な色のコードを書き込む。
【0055】
ライン情報格納部53は表示中にライン番号情報50の確認によって現在表示中のライン番号を判断し、それに対応するラインフラグ51を表示タイミング制御部4および色選択部54に与えるとともに、ラインカラー55を色選択部54に与える。ラインフラグ51が「0」であった場合は表示タイミング制御部4のタイミング制御によりフレームバッファ2からディスプレイFIFO5にデータが読み込まれ、ディスプレイFIFO5から表示モードに応じて液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7にデータを送る。ラインフラグ51が「1」であった場合、表示タイミング制御部4はその対応するラインのフレームバッファ制御部2へのデータ要求を抑制し、色選択部54は液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7に対しラインカラー55を出力する。
【0056】
以上のように、第8の実施の形態によれば、背景色以外でも、一様な表示がなされているラインであれば、そのフレームバッファアクセスが抑制され、フレームバッファ動作による消費電力が低減される他、液晶パネルに対する表示データの変位を抑制することができるため、さらに消費電力を低減できる。また、表示のためのフレームバッファアクセス回数が減った分、それがホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果上位アクセスが待たされる頻度が低下するため、全体としてのシステム性能もさらに向上する。
【0057】
図22は本発明の表示コントローラの第9の実施の形態を示すブロック図である。図中57は表示横位置を示すカラム番号であり、それが追加された以外は第8の実施の形態と同様である。
図23は第9の実施の形態におけるライン情報格納部53の構成を示したブロック図であり、58はライン内で一様でない部分の始まりを示すStartX座標、59は終わりを示すEndX座標であり、60は入力されたカラム番号とStartX座標58およびEndX座標59を比較する比較回路である。
【0058】
以下に、第9の実施の形態の動作を説明する。
図24は第9の実施の形態が有効な場合の例を示す説明図である。図のような場合、第9の実施の形態では、ソフトウエアは、1ライン全てが一様でないラインでも、そのラインの大部分が一様であり、その中の一部にアイコン等のようにそうでない部分があるようなラインでは、第8の実施の形態と同じようにフラグビットを1とし、ラインカラーを書き込むとともに、その一様でない部分の開始横位置、終了横位置をそれぞれStartX、EndXに書き込む。
【0059】
表示中にライン情報格納部53は、ライン番号情報50の確認によって現在表示中のライン番号を判断し、それに対応するフラグ信号を生成するが、さらに比較回路60によってカラム番号を確認し、その値がStartX〜EndXの範囲にある場合にはフラグ信号をマスクする。これによって、図24の一様でない部分を例外とすることができる。ライン情報格納部53はこのマスクされた信号をラインフラグ51として表示タイミング制御部4および色選択部54に与えるとともに、ラインカラー55を色選択部54に与える。ラインフラグ51が「0」であった場合は、表示タイミング制御部4のタイミング制御によりフレームバッファ2からディスプレイFIFO5にデータが読み込まれ、ディスプレイFIFO5から表示モードに応じて液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7にデータを送る。ラインフラグ51が「1」であった場合、表示タイミング制御部4はその対応するラインのフレームバッファ制御部2へのデータ要求を抑制し、色選択部54は液晶パネルI/F31またはルックアップテーブル7に対しラインカラー55を出力する。
【0060】
図25は第9の実施の形態の動作タイミング例を示す説明図で、図25では、上述した図24のような場合での出力を示したものであり、このように、StartX〜EndX以外ではデータの動作が停止される。
以上説明したように、第9の実施の形態では、ラインの一部に一様でない部分があっても有効となるため、さらにフレームバッファアクセスが抑制され、フレームバッファ動作による消費電力が低減される他、液晶パネルに対する表示データの変位を抑制することができるため、さらに消費電力を低減できる。また、表示のためのフレームバッファアクセス回数が減った分、それがホストバス経由の上位フレームバッファアクセスと競合した結果上位アクセスば待たされる頻度が低下するため、全体としてのシステム性能もさらに向上する。
【0061】
図26は本発明の表示コントローラの第10の実施の形態を示すブロック図である。この第10の実施の形態は、上述した第7〜第9の実施の形態の表示コントローラを実現する際のハードウエア物量を低減するものである。なお、図26は第8あるいは第9の実施の形態の表示コントローラに適用した例を示しているが、図26のライン情報格納部53をラインフラグ格納部48に置き換え、色選択部54を背景色選択部49に置き換えることで、第7の実施の形態に適用することも可能である。
【0062】
すなわち、第7〜第9の実施の形態におけるルックアップテーブル7の内部RAM7aへの接続にセレクタを設け、パックドピクセルモードでは内部RAM7aがルックアップテーブル7から切り離され、ライン情報格納部53もしくはラインフラグ格納部48に接続されるようになっている。
以下に第10の実施の形態の動作を説明する。
【0063】
パックドピクセルモードに移行すると、通常はルックアップテーブル7は無効とされ、内部RAM7aは動作停止状態となるが、第10の実施の形態においては、パックドピクセルモードでは、ルックアップテーブル7の内部RAM7aがラインフラグ格納部48またはライン情報格納部53に接続され、ラインフラグ格納部48のラインフラグまたはライン情報格納部53のライン情報として機能する。それ以外は第7〜第9の実施の形態と同様である。
【0064】
以上説明したように、第10の実施の形態では、ライン情報をもともと内部にあるRAMに格納することで、ハードウエアの増大を防ぐことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明は、上位から送られてくる表示のためのデータをフレームバッファに格納して行き、これを所定のタイミングで表示デバイスに出力して行く表示コントローラにおいて、同じデータの連続を判断すると、圧縮したデータを作成して、これをフレームバッファの別領域に格納し、前記格納した圧縮したデータを、伸長して出力することとしたので、フレームバッファへのアクセス回数を減らすことができ、表示コントローラにおける消費電力を低減することができる。また、表示コントローラ内でのフレームバッファアクセスを減らすことで、上位からのフレームバッファアクセスとの競合が少なくなり、上位アクセスが待たされる頻度が低下するため、システム全体の性能も向上する。
また、上位がまとまった書き込み処理を行う場合は圧縮処理を停止することにしたので、圧縮データが即座に更新されるような状況での圧縮動作が無くすことができ、消費電力を小さくすることができるとともに、圧縮動作における表示コントローラ内でのフレームバッファへのアクセスと上位からのフレームバッファのアクセスとの競合が無くなるので、システム全体の性能も向上する。
【0066】
請求項2にかかる発明は、上述した圧縮したデータの格納先として、ルックアップテーブルを用いることとしたので、さらに消費電力を低減することができ、表示コントローラ内でのフレームバッファアクセスがさらに減ることで、上位からのフレームバッファアクセスと競合した場合に、上位アクセスが待たされる頻度がさらに低下するため、システム全体の性能も向上する。
【0067】
請求項3にかかる発明は、Doze状態で上位が書き込みを行わない状態と判断すると、圧縮処理を停止することにしたので、無駄な動作を無くすことができ、Doze状態における消費電力を小さくすることができる。
請求項4にかかる発明は、上位からのフレームバッファへの書き込みを監視し、書き込みによる更新が行われるまでは圧縮処理を停止することにしたので、圧縮したデータの更新が必要となるまでは、圧縮処理が行われず、無駄な動作を無くすことができ、消費電力をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示コントローラの第1の実施の形態を示すブロック図
【図2】フレームバッファの一例を示す構成図
【図3】ディスプレイFIFOの内部構造を示すブロック図
【図4】第1の実施の形態における圧縮/表示状態の動作を示すブロック図
【図5】フレームバッファに書き込むデータを示す説明図
【図6】第1の実施の形態における伸長/表示状態の動作を示すブロック図
【図7】本発明の表示コントローラの第2の実施の形態を示すブロック図
【図8】第2の実施の形態における伸長/表示状態の動作を示すブロック図
【図9】本発明の第3の実施の形態の表示コントローラを示すブロック図
【図10】本発明の表示コントローラの第4の実施の形態を示すブロック図
【図11】本発明の表示コントローラの第5の実施の形態を示すブロック図
【図12】本発明の表示コントローラの第6の実施の形態を示すブロック図
【図13】液晶表示パネルの構造例を示すブロック図
【図14】液晶表示パネルの動作タイミングの例を示す説明図
【図15】液晶表示パネルの動作タイミングの例を示す説明図
【図16】縦倍表示モードでの動作タイミング例を示す説明図
【図17】本発明の表示コントローラの第7の実施の形態を示すブロック図
【図18】ラインフラグ格納部の内部構造を示した構成図
【図19】第7の実施の形態の動作タイミング例を示す説明図
【図20】本発明の表示コントローラの第8の実施の形態を示すブロック図
【図21】ライン情報格納部の内部構造を示すブロック図
【図22】本発明の表示コントローラの第9の実施の形態を示すブロック図
【図23】ライン情報格納部の内部構造を示すブロック図
【図24】第9の実施の形態が有効な場合の例を示す説明図
【図25】第9の実施の形態の動作タイミング例を示す説明図
【図26】本発明の表示コントローラの第10の実施の形態を示すブロック図
【符号の説明】
1 ホストI/F
2 フレームバッファ
2a 圧縮フレーム
3 フレームバッファ制御部
4 表示タイミング制御部
5 ディスプレイFIFO
6 表示デバイスI/F
7 ルックアップテーブル
8 表示デバイス
9 比較・カウント回路
10 圧縮データ書戻し回路
11 圧縮タイミング回路
Claims (4)
- 上位から送られてくる表示のためのデータをフレームバッファに格納して行き、これを所定のタイミングで表示デバイスに出力して行く表示コントローラにおいて、
フレームバッファに格納したデータから同じデータの連続を判断する手段と、
同じデータの連続を判断すると、圧縮したデータを作成して、これをフレームバッファの別領域に格納する手段と、
前記格納した圧縮したデータを、伸長して出力する手段と、
上位がまとまった書き込み処理を行う前に出す圧縮禁止信号を受けると圧縮処理を停止し、前記まとまった書き込み処理が終わると上位が出す圧縮許可信号を受けるまで前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたことを特徴とする表示コントローラ。 - 請求項1において、
圧縮したデータの格納先を、該圧縮したデータの大きさと表示モードに応じて、フレームバッファかルックアップテーブルに切り換える手段を備えたことを特徴とする表示コントローラ。 - 請求項1または2において、
上位の状態を監視する信号の入力を受け、上位が書き込みを行わない状態と判断すると、圧縮処理を停止し、書き込みを行わない状態が解除されるまで前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたことを特徴とする表示コントローラ。 - 請求項1、2または3において、
上位からのフレームバッファへの書き込みを監視し、書き込みによる更新が行われるまでは圧縮処理を停止し、前記圧縮処理を停止する前に作成した圧縮データを伸長して出力する手段を備えたことを特徴とする表示コントローラ。
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