JP4026096B2 - ドライラミネート用一液型水性接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一液型水性接着剤に関するものである。さらに詳しくは本発明は、プリントラミネート、フィルムラミネート等の各種ラミネート用接着剤としてPET、OPP等のプラスチックフィルムとの密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐光性(耐黄変性)、初期接着性に優れたドライラミネート用一液型水性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ラミネート用接着剤市場は、接着剤に高度な性能が要求されるため、水系では満足なものがなく、溶剤系の独壇場となっていた。ところが近年省エネルギーと環境保全の両面からラミネート用接着剤に無溶剤化の要求が盛んとなり、特に最近、少量危険物取扱法の改訂にともない、各ラミネートメーカーが共通の課題として、溶剤系から無溶剤化への移行を迫られる状況になってきた。
【0003】
そこで無溶剤化のための従来技術として
▲1▼ 粘着加工を施したフィルムをラミネートする方法
▲2▼ ホットメルト型接着剤を使用する方法
▲3▼ 無溶剤型樹脂を使用する方法
等が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法は避け難い問題が派生してくる。すなわち、▲1▼の方法はコストが高く、また設備の改良が必要なため、溶剤系からの切り替えには問題がある。▲2▼の方法は▲1▼同様にコストアップの問題が有り更には接着剤の凝集力、耐熱性等に問題が残る。▲3▼の方法では、接着剤の粘度を下げるため、予備加熱、ロール加熱、供給装置を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、現在使用されている溶剤系接着剤用マシンをほとんど改造することなく乾燥システムの改造等一部改造で使用可能であり、かつ接着性、耐熱性、耐溶剤性、耐光性(耐黄変性)、そして初期接着性に優れ、さらに安定性、および作業性の良好な一液型水性接着剤の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来の技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、特定の単量体成分を乳化重合して得られる合成樹脂エマルジョンに対し、特定量のジヒドラジン化合物を配合してなる合成樹脂エマルジョンが、前記目的を有効に達し、実用的には従来の溶剤系接着剤に匹敵又はそれを凌駕する極めて優れたドライラミネート用一液型水性接着剤となり得ることを見出し本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、第1に、(A)(1)分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有するカルボニル基含有不飽和モノマーを1.0〜10重量部含み残部が他の不飽和二重結合を有する単量体からなる成分100重量部に対して(2)連鎖移動剤を0.2〜3.0重量部用いて乳化重合し、得られた(3)エマルジョンを構成するポリマーの重量平均分子量(Mw)が2万〜40万で且つ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が2.5〜10.0である合成樹脂エマルジョンに、(B)(1)水溶性のジヒドラジン化合物を該エマルジョンの樹脂成分中のアルド基又はケト基1モルに対して、0.5〜2モル配合してなるドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法において、該連鎖移動剤もしくは該連鎖移動剤と反応媒体を先に仕込み、次いで残余の乳化重合成分を添加して乳化重合することを特徴とするドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法を提供するものである。
【0008】
さらにまた本発明は、第2に、前記方法により製造されることを特徴とするドライラミネート用一液型水性接着剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の合成樹子エマルジョンを製造するために使用される(1)成分の分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有するカルボニル基含有不飽和モノマーは、重合可能なモノオレフィン性アルド化合物またはケト化合物であり、特に重要なものはアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン、例えばビニルメチルケトン、あるいは次の一般式:
【0010】
【化1】
【0011】
(式中R1はHまたはCH3、R2はHまたは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、R3は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、そしてR4は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)で表されるアクリルまたはメタクリルオキシアルキルプロパナール、アセトニトリルアクリレート、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート等があげられる。特に好ましいものはジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、およびビニルメチルケトン等である。これらの単量体は共重合体中に2種以上併用してもよい。
【0012】
カルボニル基含有不飽和モノマーの作用としては、最終的に生成した合成樹脂エマルジョンに後添加されるジヒドラジン化合物と反応し、皮膜形成時に常温または低温で架橋することにより、ラミネート用接着剤として使用したときに、被着体として用いられるPET、OPP等の各種プラスチックフィルム間に強固な接着力を付与し、ラミネーションに必要な極めて高い耐熱性と耐溶剤性を付与する。
【0013】
(1)成分のカルボニル基含有不飽和モノマーの使用量は、他の不飽和二重結合を有する単量体との合計量100重量部に対して、1.0〜10重量部、好ましくは3.0〜5.0重量部である。
カルボニル基含有不飽和モノマーの使用量が1.0重量部未満の場合には、前記ラミネート接着剤として必要な接着力、耐熱性、耐溶剤性が不十分であり、10重量部より多い場合には架橋が高度に進みすぎ、合成樹脂エマルジョンのポットライフに問題を生じ、また接着剤として用いた場合、皮膜の凝集力が強すぎて接着力を逆に落とす結果となり、好ましくない。
【0014】
合成樹脂エマルジョンを作成するために使用される不飽和二重結合を有する単量体は、本発明において、(1)成分として使用される分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有するカルボニル基含有不飽和モノマーを除く、他の不飽和二重結合を有する単量体であれば、いずれも使用することができる。このような単量体の代表例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエンや官能基モノマー、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等のN−アルキロール誘導体;各種カルボン酸系モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート等の水酸基含有単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有単量体;シビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等の多官能不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルアルコキシシラン類とグリシドキシアルコキシシラン類単量体等が挙げられる。
【0015】
合成樹脂エマルジョンを製造するために使用される(2)連鎖移動成分は、ビニル系単量体の重合に用いられる一般的な連鎖移動剤であればいかなるものでもよい。具体例としては、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエチルアルコール、ドデシルメルカプタン、ベンゼンチオエタノール、メルカプトコハク酸、ブチルメルカプタン等のメルカプタン類;メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類等があげられる。これらの連鎖移動剤は、単独または2種以上併用することができる。
【0016】
これらの連鎖移動剤は、ポリマーの分子量を下げ、各種ポリオレフィンフィルムまたはポリ塩化ビニル等の基材に対するヌレ性を向上させることにより密着性の向上をはかり、接着性を向上させる役割を果たす。
連鎖移動剤の使用量は不飽和二重結合を有する単量体100重量部に対して0.2〜3.0重量部、より好ましくは0.4〜2.0重量部である。3.0重量部より多い場合にはポリマーが低分子量化しすぎ、耐熱性、耐溶剤性の低下が生じ、また反応停止効果が出るため、反応性の低下が生じた。0.2重量部以下の場合は、接着不良、特に初期接着性の低下が生じた。
本発明の合成樹脂エマルジョンの製造には、通常の乳化重合方法が採用されるが、更に、基材に対するヌレ性と、貼合後の接着力を発現させるために必要な凝集力を維持するために、分子量分布を広げ、低分子領域による基材へのヌレ性と、高分子領域による凝集力の維持が必要となる。
【0017】
そこで、上記連鎖移動剤を反応容器中に予め添加することにより、反応スタート段階での低分子領域の生成、及び、重合後半のゲル効果による高分子領域の生成により、生成ポリマーの分子量分布を広げることが出来、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比は2.5〜10の範囲が好ましく、より好ましくは2.5〜8である。
【0018】
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が2.5未満の場合や10.0を越える場合には、凝集力とヌレ性の相反する性能の両立が得られなかった。又、重量平均分子量(Mw)は2万〜40万の範囲が好ましく、より好ましくは2.5万〜35万である。2万より少ない場合は、接着後の凝集力が低く耐熱性の低下が著しく、又40万を越えると、初期接着性の低下が見られた。
乳化重合方法については改めて説明するまでもないが、適当なノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤や反応性界面活性剤等の界面活性剤または保護コロイドの存在下に単量体を水中に乳化状態に分散せしめ、一般には水溶性触媒を用いて重合させる。
【0019】
合成樹脂エマルジョンの固形分濃度は、広い範囲にわたって変えられるが、円滑な製造および実用上の制約の両面から考えて、30〜70%が適当である。
次に、本発明の一液型水性接着剤は、前記(A)成分の合成樹脂エマルジョンに対して、水溶性のジヒドラジン化合物を配合することによって調整される。
ジヒドラジン化合物の代表例としては、修酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の水溶性の脂肪族ジヒドラジン化合物があげられる。
【0020】
これらのジヒドラジン化合物の作用については、前記したとおり、皮膜形成時における合成樹脂エマルジョン中のカルボニル基との架橋反応によりプリントラミネート用接着剤として使用したときに強力な接着力、耐熱性、耐溶剤性等の諸性能を向上させるという機能を発揮する。
ジヒドラジン化合物の配合量は、合成樹脂エマルジョンの樹脂成分中のアルド基またはケト基1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは0.5〜1モルである。ジヒドラジン化合物の配合量が0.5モル未満では、架橋効率は上がらず、耐熱性、耐溶剤性が向上しない欠点がある。また、ジヒドラジン化合物の配合量が2モルより多い場合は、ジヒドラジン化合物の析出、架橋が速すぎることによる接着不良を起こす欠点がある。
【0021】
本発明の接着剤は、一液で完全水性の分散液であり、溶剤を含まないために火災の危険、安全性、環境問題等いっさいなく、また性能面においても本発明の接着剤を用いて加工したラミネート品は、従来市場で使用されている溶剤系ウレタン等の溶剤系接着剤を用いて加工したラミネート品に匹敵、またはそれを凌駕するものである。
本発明の一液型水性接着剤には、必要に応じてアンモニア、各種のアミン、各種消泡剤、防腐剤、各種増粘剤、レベリング剤等添加してもよいことは言うまでもない。
【0022】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部および%は重量基準である。
(実施例1)
撹拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートを有する容器中に、イオン交換水を15部、イソプロピルアルコールを0.5部仕込み80℃まで昇温した。
一方、イオン交換水19.7部、スチレン20部、ブチルアクリレート20部、メチルメタクリレート6.9部、ジアセトンアクリルアミド(DAA)2部、レベノールWZ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ソーダ、アニオン系、花王(株)製)2部をホモミキサーで乳化し、混合乳化液をつくった。
上記の容器中に、混合乳化液全量の5%をプレチャージし、同時に5%過硫酸アンモニウム水溶液0.2部を添加して乳化重合を開始した。次いで、15分後に残りの混合乳化液と5%過硫酸アンモニウム1部をそれぞれ3時間かけて滴下した。この間容器内は80℃に保った。滴下終了後、1時間80℃に保ち、熟成を行った。その後冷却を開始し、30℃まで冷却して合成樹脂エマルジョンを得た。このエマルジョンの構成ポリマーのMw、Mn、およびMw/Mnは表1に示すとおりである。
この得られた合成樹脂エマルジョンに、アンモニア水を0.3部、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液10.3部(DAAm1モルに対して0.5モル)を添加して一液型水性接着剤を得た。得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.1%であった。
【0023】
(実施例2)
実施例1において、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の使用量を20.6部に増やした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は48.1%であった。
【0024】
(実施例3)
実施例1において、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の使用量を41.2部に増やした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は42.0%であった。
【0025】
(実施例4)
実施例1において、ジアセトンアクリルアミドの使用量を4.0部に増し、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の使用量を20.6部に増した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は49.0%であった。
【0026】
(実施例5)
実施例1において、イソプロピルアルコールの使用量を0.25部に減らした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.0%であった。
【0027】
(実施例6)
実施例1において、イソプロピルアルコールの使用量を1.0部に増した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.3%であった。
【0028】
(実施例7)
実施例1において、イソプロピルアルコールの変わりにドデシルメルカプタンを0.2部使用した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.0%であった。
【0029】
(比較例1)
実施例1において、ジアセトンアクリルアミドと後添のアジピン酸ジヒドラジドを使用せず、イオン交換水を10.3部加えた以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は50.0%であった。
【0030】
(比較例2)
実施例1において、ジアセトンアクリルアミドの使用量を6.0部に増し、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の使用量を30.9部に増した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は46.6%であった。
【0031】
(比較例3)
実施例1において、後添のアジピン酸ジヒドラジド水溶液を使用せず、イオン交換水を10.3部添加した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は51.0%であった。
【0032】
(比較例4)
実施例1において、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の使用量を51.5部に増やした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は39.6%であった。
【0033】
(比較例5)
実施例1において、イソプロピルアルコールの使用量を0部に減らした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は51.8%であった。
【0034】
(比較例6)
実施例1において、イソプロピルアルコールの使用量を2.0部にした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.8%であった。
【0035】
(比較例7)
実施例7において、ドデシルメルカプタンの使用量を0.05部に減らした以外は、実施例7と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は51.8%であった。
【0036】
(比較例8)
実施例1において、ドデシルメルカプタンの使用量を0.5部にした以外は、実施例7と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.0%であった。
【0037】
(比較例9)
実施例1において、仕込みに用いたイソプロピルアルコールを除いて、混合乳化液に混ぜた以外は、実施例1と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は51.8%であった。
【0038】
(比較例10)
比較例9において、イソプロピルアルコールの使用量を1.5部にした以外は、比較例9と同様に行った。
得られた一液型水性接着剤の固形分濃度は52.5%であった。
【0039】
(比較例11)
市販品の溶剤系二液ウレタン(ポリオール/イソシアナート系)。
【0040】
上記の各実施例および比較例で得られた一液型水性接着剤、および比較例8の溶剤系二液ウレタンを用い、下記に示す物性試験を行った。結果を表1にまとめて示す。
【0041】
a)試料作製
▲1▼ 厚さ15μのOPPフィルムにバーコーターNo.3で合成樹脂エマルジョンまたは市販品の溶剤系二液ウレタンを塗布。
▲2▼ 風乾5分
▲3▼ 印刷紙に樹脂面を重ね、ヒートカレンダーでヒートシール。
(温度80℃、貼合0.1秒)
【0042】
b)試験方法
<重量平均分子量及び数平均分子量の測定>
分子量は、ゲル・パーミネーション・クロマトグラフ(GPC法)により、標準ポリスチレンを基準として測定した。
【0043】
<加工品物性の測定>
(1)常態密着性:試料作製30分後にOPPフィルムを剥し、その状態を観察した。
◎ 印刷面が全面取れる。
○ 印刷面が半分以上取れる。
△ 印刷面が部分的に取れる。
× 界面剥離又は接着不良。
【0044】
(2)耐 熱 性:試料の紙面に下からライターの炎を近づけ、OPPフィルムの浮き等の状態
を観察(試料作製24時間後)。
◎ OPP溶融又は印刷面を全部取ってふくれる。
○ 印刷面を一部取ってふくれる。
× OPP/印刷紙界面又は樹脂の凝集破壊によりふくれる。
【0045】
(3)初期接着性:試料作成後直ちにOPPフィルムを剥し、その状態を観察。
◎ 印刷面全面取れる
○ 印刷面半分以上とる
△ 印刷面部分的に取れる
× 界面剥離又は接着不良
【0046】
【表1】
【0047】
【0048】
【発明の効果】
表から明らかなように、本発明の一液型水性接着剤は、密着性、耐熱性、初期接着性において、溶剤系二液ウレタンと同等以上の性能を示すことがわかり、ドライラミネート用接着剤として有用であることがわかる。溶剤をしないので、環境汚染、火災等の危険がなく、プリントラミネート、フィルムラミネート等の各種ラミネート用接着剤として有用である。
Claims (5)
- (A)(1)分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有するカルボニル基含有不飽和モノマーを1.0〜10重量部含み残部が他の不飽和二重結合を有する単量体からなる成分100重量部に対して(2)連鎖移動剤を0.2〜3.0重量部用いて乳化重合し、得られた(3)エマルジョンを構成するポリマーの重量平均分子量(Mw)が2万〜40万で且つ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が2.5〜10.0である合成樹脂エマルジョンに、(B)水溶性のジヒドラジン化合物を該エマルジョンの樹脂成分中のアルド基又はケト基1モルに対して、0.5〜2モル配合してなるドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法において、該連鎖移動剤もしくは該連鎖移動剤と反応媒体を先に仕込み、次いで残余の乳化重合成分を添加して乳化重合することを特徴とするドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法。
- 連鎖移動剤がメルカプタンである請求項1に記載のドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法。
- 連鎖移動剤がアルコールである請求項1に記載のドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法。
- エマルジョンを構成するポリマーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が2.5〜8である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のドライラミネート用一液型水性接着剤の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法により製造されることを特徴とするドライラミネート用一液型水性接着剤。
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