JP4025469B2 - クローラトラクタの操向装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクローラトラクタ等の走行車両の操向装置の構成に関するもので、特に操向用のステアリングHST及び操向バルブユニット(オービットロール)を具備した走行車両における、操向装置の伝達系及び油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの出力をミッション装置において変速した後、差動装置に入力し、左右車軸に伝達して直進走行を行うとともに、操向ハンドルの操作によりステアリングHSTを駆動させ、該HSTからの駆動力を該差動装置に入力して左右車軸に回転数差を生じさせて旋回走行をさせる技術が公知となっている。例えば、特開平10−4719号である。また、パワーステアリングユニットを搭載した4輪型の走行車両においては、操向ハンドルの回転操作をパワーステアリングユニット(操向バルブユニット)にて作動油の流出入に変換し、パワーステアリングシリンダに作動油を送油することにより、パワーステアリングシリンダに連結したナックルアームを回動して操向輪の操向を行うよう構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、操向ハンドルの操作によりステアリングHSTを駆動させる場合、操向ハンドルとステアリングHSTのトラニオンアームは複雑なリンク機構により連結されていたので、コストアップになるばかりか、部品点数が多く組立がとても面倒な作業となっていた。また、操向ハンドルによる旋回操作時の反力(直進方向に戻す力)が殆どないために、操作フィーリングが悪かったのである。また、ステアリングHST又はパワーステアリングユニットを走行車両に搭載した場合、それぞれの利点が得られるが、両方を搭載する構成はなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
請求項1においては、左右に走行駆動出力軸(149L・149R)を有するクローラトラクタの操向装置において、左右の走行駆動出力軸(149L・149R)を差動装置(131)を介して連動連結し、該差動装置(131)を構成する左右の走行駆動出力軸(149L・149R)上に設けた遊星歯車機構(140L・140R)にそれぞれ回転数差を与えて操向を行うステアリングHST(120)を配置し、該ステアリングHST(120)の可動斜板の角度を変更するトラニオンレバー(126)を回動する油圧アクチュエーター(110)を、操向ハンドル(7)の基部に配置した操向バルブユニット(100)から送油される作動油にて駆動するよう構成し、前記油圧アクチュエーター(110)は、前部の油圧シリンダ(110a)と、後部の操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)により構成され、該操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)を油圧アクチュエーター(110)と一体的に構成したものである
【0005】
請求項2においては、請求項1記載のクローラトラクタの操向装置において、前記操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)として、前後方向に摺動可能なバネ受け(115・116)をバネ(117a・117b)を介して配設し、該バネ受け(115・116)を貫通する油圧シリンダ(110a)のシリンダロッド(111)には、バネ受け(116)の後端側において、プレート(118)をボルトにより固設し、また、操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)の後端側には規制プレート(119)を設け、前記シリンダロッド(111)が前方側への摺動した場合には、プレート(118)によりバネ受け(116)を前方に押し、バネ(117a・117b)の付勢力に抗して前方に摺動すべく構成し、該シリンダロッド(111)の前部にバネ受け(115)を嵌合し、シリンダロッド(111)の後方側への摺動に伴いバネ受け(115)がバネ(117a・117b)の付勢力に抗して後方に摺動すべく構成したものである。
【0006】
請求項3においては、請求項2に記載のクローラトラクタの操向装置において、前記油圧アクチュエーター(110)を、エンジン(3)を載置するエンジンブラケット(6)の側部に取付けたものである。
【0007】
請求項4においては、請求項2に記載のクローラトラクタの操向装置において、前記操向バルブユニット(100)を、前記操向ハンドル(7)の下部でエンジン(3)の後部近傍に配置し、前記油圧アクチュエータ(110)はエンジン(3)の側部近傍位置したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。図1は本発明の一実施例であるクローラトラクタの側面図、図2はクローラ走行装置の平面図、図3はクローラ走行装置及び駆動部の側面図、図4は同じく平面図、図5はミッションケース内の駆動伝達系を示す断面展開図、図6はミッションケース内の駆動伝達系を示すスケルトン図、図7は走行系及び操向系の油圧回路図、図8は差動装置の断面展開図、図9は操向ハンドルからHST装置までの操向伝達系を示す側面図、図10は油圧アクチュエータの取付状態を示す平面図、図11は油圧アクチュエータの側面断面図である。
【0009】
まず、本発明に係る操向装置を具備した一実施例であるクローラトラクタの概略構成について説明する。図1、図2に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1の前部上方にはエンジン3が配置され、後部上方にはミッションケース5が配置されている。エンジン3はボンネット4に覆われ、該エンジン3は左右下側のエンジンブラケット6・6間に固定されている。ボンネット4の後方には操向操作を行う操向ハンドル7を配置し、該操向ハンドル7の後方にシート8を配設して、運転部を構成している。シート8の後方には、安全フレーム9が立設している。また、車両後端部には、各種作業機を装着するための三点リンク式の装着装置10が設けられている。
【0010】
前記クローラ式走行装置1は、図3、図4に示すように、クローラフレーム2に支持されており、該クローラフレーム2の前端部にアクスルケース132を固設して駆動スプロケット11を支持し、後端部にアイドラ12、及び、駆動スプロケット11とアイドラ12との間に転輪13・13・・・を回転自在に支持し、該駆動スプロケット11とアイドラ12と転輪13・13・・・の周囲をクローラベルト14で巻回している。
【0011】
次に、クローラトラクタの駆動伝達系について図1乃至図8を用いて説明する。前記エンジンブラケット6の前後中途部にはディファレンシャルケース130が固設されている。該ディファレンシャルケース130は、差動装置131と、該差動装置131から左右に延出するアクスルケース132・132と、該アクスルケース132・132の先端部にそれぞれ配置される最終減速装置133・133とを一体的に連結して構成しており、該最終減速装置133・133から突出した出力軸上にはそれぞれ駆動スプロケット11が固設されている。
【0012】
また、図3及び図4に示すように、ディファレンシャルケース130には後部側の左右中央から差動入力軸20が入力されて差動装置131に動力を伝える構成としている。該差動入力軸20の後部はユニバーサルジョイントを介して後方の駆動軸19に連結しており、該駆動軸19はミッションケース5から前方へ突出されており、エンジン3からの駆動力がミッションケース5内で変速されて駆動軸19に伝え、差動装置131に伝達するよう構成している。該差動装置131に伝達された駆動力は、減速された後に左右のアクスルケース132内の車軸を通じて各最終減速装置133に伝達され、該最終減速装置133内でさらに減速されて左右の駆動スプロケット11を駆動するように構成している。
【0013】
また、図2に示すように、エンジン3及びミッションケース5の左右側方にはクローラフレーム2・2が配置されており、該クローラフレーム2の前端部2aが最終減速装置133を内装するケース133aに取り付けられ、後部が後部支持ブラケット134を介してミッションケース5に取り付けられている。さらに、クローラフレーム2の前部は、前部支持ブラケット135を介してエンジンブラケット6に支持されている。
【0014】
また、エンジン3の前方には、ステアリングHSTである油圧式無段変速装置(以下HST装置と称す)120が配設されており、該HST装置120の油圧ポンプ121がポンプ駆動軸122、及びリダクションギアケース123を介してエンジン3と連結されている。そして、エンジン3の出力がリダクションギアケース123を介して増速された後、HST装置120の油圧ポンプ121に入力され、前記操向ハンドル7の操作量に応じて油圧ポンプ121からの吐出量が調整され、該油圧ポンプ121の吐出量に応じて駆動する油圧モータ124の出力軸125を駆動させるのである。
【0015】
油圧モータ124の出力軸125はHST装置120の後部側に延設して差動装置131に入力され、回転駆動力を差動装置131に伝達している。この回転駆動力は操向ハンドル7を操作することにより、後述する本発明に係る操向装置を介してその回転数及び回転方向が変化されるように構成している。そして、操向ハンドル7を操作して出力軸125の回転数及び回転方向を変化させることで、前述したミッションケース5の駆動軸19より差動装置131から左右の駆動スプロケット11・11へ伝達される駆動回転に回転数差を生じさせ操向操作可能としているのである。
【0016】
このように本実施例のクローラトラクタの駆動伝達系は、エンジン3の出力軸を前方及び後方に延設して、後方においてはミッションケース5に連動連結し、前方においてはHST装置120に連動連結しており、さらにミッションケース5の出力軸である駆動軸19を前方に延設してディファレンシャルケース130内の差動装置131に入力するとともに、HST装置120の出力軸125を後方に延設して差動装置131内に入力する構成としている。
【0017】
次に、ミッションケース9内の構成について、図5及び図6を用いて説明する。エンジン3の後方に配設されたミッションケース5は前後に二分割される構成(5a・5b)としており、間にセンタープレート5cを挟持している。また、後半部のケース5bの後部左右側には、ホィールトラクタとする場合にはリアアクスルケースが固設されるが、本実施例ではカバーによって閉じられている。
【0018】
ケース5aの前部側にはクラッチペダル16に連係される湿式多板式の主クラッチ21が配置され、該主クラッチ21の原動側軸22にエンジン3のクランク軸の回転が入力される。主クラッチ21の従動側軸23は機体後方に延出され、その後端に形設したギア23aには走行クラッチ軸24に遊嵌された主変速四速歯車34が噛合している。該主変速四速歯車34は主軸25に固設された伝達歯車44に噛合している。該主軸25には三枚の伝達歯車41・42・43が更に固設されあるいは形設されており、該三枚の伝達歯車41・42・43を介して、走行クラッチ軸24にそれぞれ遊嵌された主変速一速歯車31、主変速二速歯車32、主変速三速歯車33とそれぞれ噛合して動力が伝達可能とされている。
【0019】
従って、主クラッチ21の従動側軸23が回転すると、主変速一速歯車31、主変速二速歯車32、主変速三速歯車33及び主変速四速歯車34は各々異なる回転数で回転することとなる。そして、主変速レバー77に連動連結された油圧制御弁により、四つの油圧クラッチ51・52・53・54のいずれか一が選択されて「接」とされて、四段階の変速が可能となり、主軸25の回転が該主変速を経て走行クラッチ軸24に伝達される。
【0020】
走行クラッチ軸24はセンタープレート5cを貫通して後方に延長される。該延長部分には正転側歯車26及び逆転側歯車27がそれぞれ同一軸心上に遊嵌される。そして、後述するリバーサレバー82の操作により連係する油圧制御弁が作動し、前進側のリバーサ用油圧クラッチ56又は後進側のリバーサ用油圧クラッチ57のいずれか一が選択され接続され、走行クラッチ軸24の回転は正転側歯車26又は逆転側歯車27のいずれか一に伝達される。ただし、リバーサレバー82がニュートラル位置の場合は、回転は両歯車26・27いずれにも伝達されない。
【0021】
正転側歯車26は副変速軸35に相対回転不能に連結され、同時に、クリープ変速軸36に固設された伝達歯車37に噛合しており、その回転を両軸35・36に伝達する。逆転側歯車27は、正逆転軸38の一端に形設された歯車39に噛合しており、該正逆転軸38の他端に形設された歯車40は、クリープ変速軸36に固設された前記伝達歯車37に噛合する。従って、逆転側歯車27の回転は、正逆転軸38を介して該クリープ変速軸36を逆転方向に回転させる。また、該クリープ変速軸36の伝達歯車37に噛合する正転側歯車26を介して、それに連結された副変速軸35を逆転方向に回転させる。
【0022】
副変速軸35の後部には副変速第二軸45が同一軸心上に配置され遊転可能としており、該副変速第二軸45にはクリープ変速歯車46が遊嵌される。該クリープ変速歯車46はクリープ変速軸36に形設した歯車47に噛合している。また、副変速第二軸45には入力クラッチスライダ91が軸方向摺動可能にスプライン嵌合され、図示せぬクリープ変速レバーに連係されている。従って、該入力クラッチスライダ91は、上記クリープ変速レバーの操作により副変速軸35又はクリープ変速歯車46のいずれか一に噛み合って、その回転を副変速第二軸45に伝達可能としている。即ち、該入力クラッチスライダ91の摺動に基づく選択により、副変速軸35の回転又は副変速軸35からクリープ変速軸36によるクリープ変速を経た回転のいずれか一が、副変速第二軸45に入力される。
【0023】
また、出力軸48が副変速第二軸45と平行に軸支され、該出力軸48には二枚の伝達歯車49・50が固設される。該伝達歯車49・50は副変速第二軸45に遊嵌された二枚の変速歯車59・60に噛合している。また、副変速第二軸45には出力クラッチスライダ92が軸方向摺動可能にスプライン嵌合されている。該出力クラッチスライダ92は図略の副変速レバーに連係されている。従って、副変速レバーの操作により出力クラッチスライダ92が摺動され、二枚の変速歯車59・60のいずれか一に噛み合って、該副変速第二軸45の回転を二枚の変速歯車59・60のいずれか一に伝達可能としている。従って、出力クラッチスライダ92の摺動に基づく選択により、副変速第二軸45の回転が二段の変速を経て出力され、出力軸48に入力される。
【0024】
また、主軸25と平行にPTOクラッチ軸29が配置され、該PTOクラッチ軸29には四枚のPTO変速歯車、即ち、PTO一速歯車61、PTO二速歯車62、PTO三速歯車63、PTO四速歯車64が遊嵌される。該PTO変速歯車61・62・63・64は、主軸25に固設あるいは形設した四枚の前記伝達歯車41・42・43・44に噛合しており、主軸25の回転により該PTO変速歯車61・62・63・64が異なる回転数で回転される。また、PTOクラッチ軸29にはPTO逆転歯車65が遊嵌され、該PTO逆転歯車65は、走行クラッチ軸24に遊嵌された前述の主変速一速歯車31に噛合している。即ち、該主変速一速歯車31は、PTO逆転付与機構のアイドルギアとしての役割をも果たす。
【0025】
また、PTOクラッチ軸には二つのPTOクラッチスライダ93・94が軸方向摺動可能にスプライン嵌合される。また、該PTOクラッチスライダ93・94は、図略のPTO変速レバーに連係されている。従って、両PTOクラッチスライダ93・94の摺動に基づく選択により、主軸の回転が四段階の変速を経た後にPTO軸に伝達される。また、主変速一速歯車31、PTO逆転歯車65を介して、主軸25の回転が正逆変換されてPTOクラッチ軸29に伝達される。即ち、正転四速、逆転一速の変速が両軸25・29の間に行われる。前記PTOクラッチ軸29はPTO軸15に相対回転不能に連結される。該PTO軸15は後方に延出され、走行車両後端に接続された作業機99を駆動する。
【0026】
また、PTO軸15にはパイプ状の前輪駆動取出軸55が遊転可能に外嵌され、前輪駆動取出軸55と平行に伝導軸30がミッションケース5に回転自在に軸支される。前輪駆動取出軸55には入力歯車67が固設され、該入力歯車67は前記出力軸48に固設された二枚の伝達歯車のうちの一枚49に噛合している。前輪駆動取出軸55には更にギア18が固設され、ギヤ18は伝動軸30に固設されたギヤ68に噛合している。これにより、前輪駆動取出軸55の回転が伝動軸30に伝達される。伝動軸30の回転は前端に連結する駆動軸19、ユニバーサルジョイント、差動入力軸20を介して前輪側のディファレンシャルケース130内に入力される。
【0027】
以上構成のクローラトラクタに具備される油圧回路の構成について図7を用いて説明する。油タンク(ミッションケース)71内の作動油はサクションストレーナ73を経て、走行系油圧ポンプ72、変速クラッチ系油圧ポンプ74、作業機用油圧ポンプ86にそれぞれ吸入され、各油圧ポンプ72・74・86はエンジン3によって駆動される。前記走行系油圧ポンプ72から操向バルブユニット100に作動油が圧送され、操向系の油圧回路の詳細については後述するが、操向バルブユニット100は操向ハンドル7を操作するのに必要なトルクを低減すべく設けられるものであって、操向ハンドル7に連動した方向切換弁101により、油圧アクチュエータ110が駆動され、操向用のHST装置120を制御可能としている。
【0028】
前記変速クラッチ系油圧ポンプ74から吐出された作動油は3方向に分岐され、一つは主変速レバー77に連動した主変速コントロールバルブ80により、四つの油圧クラッチ51・52・53・54のいずれか一を作動させ、主変速を行う。もう一つは比例減圧弁81を経て、リバーサレバー82に連動したリバーサコントロールバルブ83により、二つのリバーサ用油圧クラッチ56・57のうちいずれか一方を作動させ、作業車の前進又は後進の切り換えを行う。前記比例減圧弁81は電磁バルブよりなる切換弁より構成されている。残りは前記油圧クラッチの潤滑用に供給される。
【0029】
また、油タンク71からサクションストレーナ73を経て分岐された作動油は、作業機用油圧ポンプ86により、外部油圧取出部87を経て作業機制御用ユニット88に圧送される。そして、作業機昇降用シリンダ89及び作業機水平制御シリンダ90を適宜作動させ、作業車後端に連結された作業機の昇降及び水平制御を行う。
【0030】
次に、差動装置131の構成について図8を用いて説明する。エンジン3の出力は前記ミッションケース5を介して差動入力軸20よりディファレンシャルケース130内の差動装置131に入力される。差動入力軸20の駆動力は、ベベルギヤ141・142を介して入力軸143を伝達される。そして、入力軸143の回転出力が左右に分割され、差動装置131を構成する左右の遊星歯車機構(140L・140R)に入力される。左右の遊星歯車機構140L・140Rは、それぞれサンギヤ144L・144R、プラネタリアギヤ145L・145R、キャリア146L・146R・148L・148R及び出力ギヤ147L・147R等で構成されている。
【0031】
入力軸143の回転出力は、入力軸143の左右端に固設されたサンギヤ144L・144Rを同方向、同回転数で回転駆動する。そして、サンギヤ144L・144Rはそれぞれ左右のプラネタリアギヤ145L・145Rに刻設された2つのギヤの内の一方であるギヤ145La・145Raに噛合し、さらに他方のギヤ145Lb・145Rbはそれぞれ出力ギヤ147L・147Rに噛合している。ここでプラネタリアギヤ145Lは、入力軸143上に遊嵌されたキャリア146Lにより一端を、駆動出力軸149L上に遊嵌されたキャリア148Lにより他端をそれぞれ回転自在に軸支されており、該キャリア146L・148Lに挟まれるようにして回転自在に支持されるとともに、該キャリア146L・148Lと一体となって、入力軸143(駆動出力軸149L)の外周上を回転する。同様にプラネタリアギヤ145Rは、キャリア146R・148Rに挟まれるようにして回転自在に支持されるとともに、該キャリア146R・148Rと一体となって、入力軸143(駆動出力軸149R)の外周上を回転する。
【0032】
以上の構成において、前記操向ハンドル7による操作が中立位置を維持している場合には、前記HST装置120の油圧モータ124の出力軸125が回転駆動しないため、該出力軸125上に固設されたベベルギヤ151が固定され、さらに旋回逆転軸153L・153R上にそれぞれ固設されたベベルギヤ152L・152R及び逆転出力ギヤ154L・154Rも固定され、該逆転出力ギヤ154L・154Rに噛合する左右のキャリア146L・146Rにブレーキ作用を発生させる。これにより該キャリア146L・146Rは入力軸143上で回転することなく略固定状態を維持する。
【0033】
これにより、サンギヤ144L・144Rの回転駆動は、固定されたキャリア146L・148L上で回転自在に支持されるプラネタリアギヤ145L(145R)を介して伝達されるのである。そして、プラネタリアギヤ145L・145Rのギヤ145Lb・145Rbに噛合する出力ギヤ147L・147Rを回転駆動させることにより、左右の駆動出力軸149L・149Rを回転駆動する。つまり、前記操向ハンドル7が中立位置を保持している場合には、エンジン3からはミッションケース5を介した出力のみが差動装置131内に入力され、左右の駆動出力軸149L・149Rを同方向、同回転数で回転駆動するのである。
【0034】
一方、操向ハンドル7の左右旋回操作時には、該操向ハンドル7の操作量に応じて前記HST装置120の油圧ポンプ124の吐出量が調整され、これに従って油圧モータ124の出力軸125が回転駆動される。そして、前記出力軸125により差動装置131内に入力された回転出力は、前記ベベルギヤ151を介して、左右の旋回逆転軸153L・153R上に固設されたベベルギヤ152L・152Rを逆回転、同回転数で回転駆動させる。
【0035】
これにより、逆転出力軸154L・154Rに噛合する左右のキャリア146L・146Rも逆回転、同回転数で入力軸143の外周を回転運動するのである。そしてキャリア146L・146Rの回転により前記プラネタリアギヤ145L・145Rがキャリア146L・148L又はキャリア146R・148Rと一体となって入力軸143の外周上を逆回転、同回転数で回転運動する。そして、前記プラネタリアギヤ145L・145Rのキャリア146L・146Rに対する回転方向と、該プラネタリアギヤ145L・145Rの入力軸143に対する回転方向が逆方向であれば、走行駆動出力軸149L(若しは149R)の回転数は加算され、同方向であれば走行駆動出力軸149L(若しくは149R)の回転数は減算される。
【0036】
つまり、前記ミッションケース5を介するエンジン3の出力と、前記HST装置120を介するエンジン3の出力が差動装置131内で合成され、左右の駆動出力軸149L・149Rに回転差を生じさせ、これにより左右のクローラ式走行装置1の駆動スプロケット11・11に回転差が生じ、左方向若しくは右方向への旋回走行が行えるのである。
【0037】
また、前記差動入力軸20上には、図8に示すように、複数(本実施例においては2枚)のブレーキ板164・164が差動入力軸20の軸方向に摺動可能に配設され、それぞれのブレーキ板164・164の近傍にはディファレンシャルケース130内に固定されたブレーキ相手板165・165が配設されている。またブレーキ板164・164の一側近傍にはブレーキシュー163が配設され、ばね163aによりブレーキシュー163はブレーキ板164・164とは逆方向に付勢されている。そして、図示せぬブレーキペダルの操作により、ブレーキアーム161が回動し、カム162が回転してブレーキシュー163を押圧し、ブレーキシュー163をばね163aの張力に逆らってブレーキ板164・164側へ押圧する。これにより、ブレーキ板164・164及びブレーキ相手板165・165及びブレーキシュー163間に摩擦力が発生し、差動入力軸20にブレーキ作用を発生させるのである。
【0038】
次に、本発明に係る操向装置の構成について説明する。図9に示すように、操向ハンドル7はハンドル軸7aを下方に延設し、該ハンドル軸7aの基部がステアリングコラムカバー内において操向バルブユニット(オービットロール)100に連結している。
【0039】
操向バルブユニット100は、操向ハンドル7の回転運動を油圧アクチュエータ110、HST装置120等を介して旋回運動に変換するコントロールバルブ式の変換装置であり、この操向バルブユニット100の油圧回路構成について説明する。図7に示すように、操向バルブユニット100はロータリ型の方向切換バルブ101とメータリングポンプ102とチェックバルブ103等を一体的に構成したものであり、方向切換バルブ101は6ポート3位置切換のバルブであって、前記ステアリング軸7aの回動に伴い切換操作される。ポンプポートPは操向バルブユニット100の外面に開口して油圧配管を介して油圧ポンプ72と接続され、タンクポートTは操向バルブユニット100の外面に開口して油圧配管を介して油溜めと接続され、ポンプポートPとタンクポートTの間にチェックバルブ103を介装している。
【0040】
また、二次側の出力ポートL・Rは、操向バルブユニット100の外面に開口して油圧配管100L・100Rに連通し、図9で示すように操向ハンドル7の下方に配置された前後進切換バルブ106に連結し、さらに前後進切換バルブ106から油圧配管108・109を前方に延設して油圧アクチュエータ110に接続させている。また、二次側の残りの出力ポート104・105はメータリングポンプ102の吸排ポートと接続されている。そして、方向切換バルブ101はバネによって中立位置に付勢され、ステアリング軸7aに連動して左右の作用位置に切り換えられる構成とし、前記メータリングポンプ102のフィードバック系102aがステアリング軸7aと反対側の方向切換バルブ101に接続している。
【0041】
このような構成において、操向ハンドル7を回転操作すると、ハンドル軸7aの回転にともなって方向切換バルブ101が中立位置から左右の作用位置に切り換えられ、油圧ポンプ72からの圧油がメータリングポンプ102を経て、前後進切換バルブ106を介した後、後述する油圧アクチュエータ110の油圧シリンダー110aのいずれかの油室114a・114bに送油されて伸長または縮小させる。その結果、油圧シリンダー110aのピストンロッド111に連結した連結ロッド127が前移動または後移動される。そして、該連結ロッド127の先端部には、前記HST装置120の可動斜板の角度を変更するアームであるトラニオンレバー126が連結されて、回動されるようにしており、該トラニオンレバー126の回動に伴ってHST装置120の油圧ポンプ121の斜板角が制御され、この制御に応じて油圧モータ124が駆動し、出力軸125を介してHST装置120による旋回駆動力が差動装置131内に取込まれるのである。そして、メータリングポンプ102の回転量がフィードバック系102aを介して方向切換バルブ101に伝達されるので中立位置に戻り、操向ハンドル7を回動した分だけ、油圧シリンダー110aが伸縮され、その伸縮位置が維持されて走行車両の旋回角も維持される。
【0042】
このように本発明に係る操向装置は、HST装置120のトラニオンレバー126を回動する油圧アクチュエータ110を、操向バルブユニット100から送油される作動油にて駆動するように構成しており、操向バルブユニット100によって操向ハンドル7を操作するのに必要なトルクを低減させながら、HST装置120の制御によるスムーズな操向を可能としており、操作性と操向性に優れた走行車両を提供することが可能となった。
【0043】
また、前述の如く操向バルブユニット100と油圧アクチュエータ110間には前後進切換バルブ106が介在されている。この前後進切換バルブ106は、走行車両の前後進を検出する前後進検出手段に連動して切換操作をするように構成されており、本実施例においては、前記操向ハンドル7の側部に配置したリバーサレバー82の基部に前後進検出手段であるリバーサレバーSW107を設けている。
【0044】
そして、リバーサレバーSW107の検出結果により前後進切換バルブ106を前進時には106F側に、後進時には106R側に切換えるのである。このような操作を行うことにより、前記操向バルブユニット100により油圧シリンダ110aの左右いずれかの油室114a・114bに送油される作動油の流れが反転し、前進時と後進時では油圧シリンダ110aのピストンロッド111に連結した連結ロッド127の回動方向が逆転するのである。つまり、HST装置120のトラニオンレバー126の回動方向が反転することになるので、ステアリング操作によるHST装置120の出力は左右逆となる。
【0045】
このような操作を行うことで、前進時に右旋回を行う場合には、操向ハンドル7を右回転操作することにより、左側の駆動スプロケット11が前方向に増速して走行車両が右旋回し、後進時には操向ハンドル7を右回転操作させることにより、右側の駆動スプロケット11が前方向に増速(つまり、後方向には減速)することにより、右旋回の後進を行えるのである。また、同様に操向ハンドル7を左回転操作した場合にも、左旋回前進及び左旋回後進を行うことが可能となる。このようにして、HST装置120による操向系においても通常のハンドル操作と同様の旋回動作を可能として操作性を向上させている。
【0046】
また、前記前後進切換バルブ106には、前進切換位置106F、後進切換位置106Rの間に中立位置106Nを配置する3方向切換弁としている。そして該前後進切換バルブ106が中立位置106Nに切換えられた場合には、操向バルブユニット100側の油圧回路と、油圧アクチュエータ110側との油圧回路を遮断する。このとき、操向バルブユニット100側はブロックして作動油が流れないようにし、油圧アクチュエータ110側は連通してピストンロッド111がバネ力によって中立側に戻るようにしているのである。そして、この前後進切換バルブ106の中立位置切換は、車軸の回転を検出する回転センサ150に連動するように構成されている。本実施例においては、図6に示すように差動装置131内のベベルギヤ142に回転センサ150を設けて車軸の回転状態を検出するようにしている。そして、該回転センサ150により車軸の回転を検出しない場合、つまり走行車両が停止中の場合には、前後進切換バルブ106が中立位置106Nに切換操作され、操向バルブユニット100からの送油による油圧アクチュエータ110を介したHST装置120の操作が行われないのである。これにより、走行車両の停止中に、または、クラッチペダル16を踏んで走行駆動されない時に、オペレータが誤って操向ハンドル7を操作したり、走行車両の乗降時に操向ハンドル7を握った場合にも、走行車両が旋回することはなく誤動作の未然防止が行えるのである。
【0047】
次に、前記油圧アクチュエータ110の構成について説明する。図9及び図10に示すように、油圧アクチュエータ110はエンジン3の側部近傍位置において、前記エンジンブラケット6に取付ブラケット112a・112bを介して固定されている。油圧アクチュエータ110は前部の油圧シリンダ110aと後部の操向ハンドル直進方向戻し手段110bにより構成されており、図11で示すように油圧シリンダ110aは、さらにセンタプレート113の前後に2つの油室114a・114bを形成している。油室114aは前部のキャップ114cと後部のセンタープレート113により閉じられており、該油室114aには前記前後進切換バルブ106の2次側の油圧配管108が連結されている。油室114bは前部のセンタープレート113と後部のキャップ114cにより閉じられており、前後進切換バルブ106の2次側の油圧配管109が連結されている。
【0048】
センタプレート113は油圧シリンダ110a内を前後方向(矢視A方向)に摺動可能としており、油圧配管108・109の送油により前後に移動する。そして、センタプレート113に固設された前記シリンダロッド111が油圧シリンダ110aの前部のキャップ114cを貫通して連結ロッド127と連結され、油圧シリンダ110aの後部のキャップ114cを貫通して、操向ハンドル直進方向戻し手段110b内に延設している。
【0049】
操向ハンドル直進方向戻し手段110b内には、それぞれ前後方向(矢視A方向)に摺動可能なバネ受け115・116が2つのバネ117a・117bを介して配設されており、該バネ受け115・116を貫通するシリンダロッド111にはバネ受け116の後端側においてプレート118をボルト等により固設している。また、操向ハンドル直進方向戻し手段110bの後端側には規制プレート119が設けられている。また、シリンダロッド111にはボス部111aが形成されており、該ボス部111aがバネ受け115に嵌合しており、シリンダロッド111の後方側への摺動に伴いバネ受け115がバネ117a・117bの付勢力に抗して後方に摺動する。
【0050】
該シリンダロッド111の後方側において、後方への摺動に対し、シリンダロッド111、プレート118が一体的に油圧アクチュエータ110の後方へ突設するように摺動するが、バネ受け116は規制プレート119により支持されて後方へは摺動しない。そして、シリンダロッド111が前方側への摺動した場合には、プレート118によりバネ受け116は前方に押され、バネ117a・117bの付勢力に抗して前方に摺動する。
【0051】
以上のような構成において、前述した操向バルブユニット100、前後進切換バルブ106を介して、いずれかの油室114a・114bに作動油が送油されると、センタプレート113の摺動に伴って、シリンダロッド111が前後何れかに摺動し、連結ロッド126を介してHST装置120のトラニオンレバー126を操作するのである。そして、シリンダロッド111の摺動にともない、バネ受け115・116のいずれかが前後方向に摺動するが、バネ117a・117bの付勢力によってシリンダロッド111は中立位置に復帰しようとする。これにより、いずれかの油室114a・114b内の作動油が操向バルブユニット100側に強制的に戻されるため、操向ハンドル7を中立位置に戻す方向に力が加わるのである。これにより通常の機械式操作ハンドルと同様に、回転操作した操向ハンドル7はハンドルから手を放すことにより中立位置へ戻す油圧力によって直進方向に戻されるようになり、操作性に優れた構成となった。
【0052】
また、前述の如く油圧アクチュエータ110は、エンジン近傍位置において、エンジンブラケット6に取付けられる構成としているので、支持構造が安定しており、シリンダロッド111によるトラニオンレバー126の回動操作が安定した。また、エンジン3前方に位置するHST装置120との距離を短くする構成となり、油圧アクチュエータ110とHST装置120間の伝達経路が短くなり、これによってもトラニオンレバー126の操作が安定して行えるのである。また、前述した操向バルブユニット100が操向ハンドル7の下部でエンジン3の後部近傍に配置されているので、操向バルブユニット100、前後進バルブユニット106及び油圧アクチュエータ110間の油圧配管を短くすることで、操向装置の全体構成をコンパクトにするとともに、コストダウンが図れるのである。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果が得られる。
請求項1の如く、左右に走行駆動出力軸(149L・149R)を有するクローラトラクタの操向装置において、左右の走行駆動出力軸(149L・149R)を差動装置(131)を介して連動連結し、該差動装置(131)を構成する左右の走行駆動出力軸(149L・149R)上に設けた遊星歯車機構(140L・140R)にそれぞれ回転数差を与えて操向を行うステアリングHST(120)を配置し、該ステアリングHST(120)の可動斜板の角度を変更するトラニオンレバー(126)を回動する油圧アクチュエーター(110)を、操向ハンドル(7)の基部に配置した操向バルブユニット(100)から送油される作動油にて駆動するよう構成し、前記油圧アクチュエーター(110)は、前部の油圧シリンダ(110a)と、後部の操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)により構成され、該操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)を油圧アクチュエーター(110)と一体的に構成したので、通常の機械式伝達系による操向装置と同様に、回転操作した操向ハンドルはハンドルから手を放すことにより中立位置が保持されるので、操作性に優れた構成となった。
【0054】
請求項2の如く、前記操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)として、前後方向に摺動可能なバネ受け(115・116)をバネ(117a・117b)を介して配設し、該バネ受け(115・116)を貫通する油圧シリンダ(110a)のシリンダロッド(111)には、バネ受け(116)の後端側において、プレート(118)をボルトにより固設し、また、操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)の後端側には規制プレート(119)を設け、前記シリンダロッド(111)が前方側への摺動した場合には、プレート(118)によりバネ受け(116)を前方に押し、バネ(117a・117b)の付勢力に抗して前方に摺動すべく構成し、該シリンダロッド(111)の前部にバネ受け(115)を嵌合し、シリンダロッド(111)の後方側への摺動に伴いバネ受け(115)がバネ(117a・117b)の付勢力に抗して後方に摺動すべく構成したので、シリンダロッド111の摺動にともない、バネ受け115・116のいずれかが前後方向に摺動するが、バネ117a・117bの付勢力によってシリンダロッド111は中立位置に復帰しようとする。
これにより、いずれかの油室114a・114b内の作動油が操向バルブユニット100側に強制的に戻されるため、操向ハンドル7を中立位置に戻す方向に力が加わるのである。これにより通常の機械式操作ハンドルと同様に、回転操作した操向ハンドル7はハンドルから手を放すことにより中立位置へ戻す油圧力によって直進方向に戻されるようになり、操作性に優れた構成となった。
【0055】
また、前記油圧アクチュエーター(110)を、エンジン(3)を載置するエンジンブラケット(6)の側部に取付けたので、支持構造が安定し、ステアリングHSTの可動斜板の回動操作が安定した。また、エンジン前方に位置するステアリングHSTとの距離を短くする構成となり、油圧アクチュエータとの伝達経路が短くなり、これによっても可動斜板の回動操作が安定した。
【0056】
また、前記操向バルブユニット(100)を、前記操向ハンドル(7)の下部でエンジン(3)の後部近傍に配置し、前記油圧アクチュエータ(110)はエンジン(3)の側部近傍位置したので、操向バルブユニット、前後進バルブユニット、油圧アクチュエータ間の油圧配管を短くすることで、操向装置の全体構成をコンパクトにするとともに、コストダウンが図れるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるクローラトラクタの側面図である。
【図2】 クローラ走行装置の平面図である。
【図3】 クローラ走行装置及び駆動部の側面図である。
【図4】 同じく平面図である。
【図5】 ミッションケース内の駆動伝達系を示す断面展開図である。
【図6】 ミッションケース内の駆動伝達系を示すスケルトン図である。
【図7】 走行系及び操向系の油圧回路図である。
【図8】 差動装置の断面展開図である。
【図9】 操向ハンドルからHST装置までの操向伝達系を示す側面図である。
【図10】 油圧アクチュエータの取付状態を示す平面図である。
【図11】 油圧アクチュエータの側面断面図である。
【符号の説明】
3 エンジン
6 エンジンブラケット
7 操向ハンドル
100 操向バルブユニット
106 前後進切換バルブ
110 油圧アクチュエータ
110a 油圧シリンダ
110b 操向ハンドル直進方向戻し手段
111 シリンダロッド
120 HST装置(ステアリングHST)
126 トラニオンレバー
127 連結ロッド
Claims (4)
- 左右に走行駆動出力軸(149L・149R)を有するクローラトラクタの操向装置において、左右の走行駆動出力軸(149L・149R)を差動装置(131)を介して連動連結し、該差動装置(131)を構成する左右の走行駆動出力軸(149L・149R)上に設けた遊星歯車機構(140L・140R)にそれぞれ回転数差を与えて操向を行うステアリングHST(120)を配置し、該ステアリングHST(120)の可動斜板の角度を変更するトラニオンレバー(126)を回動する油圧アクチュエーター(110)を、操向ハンドル(7)の基部に配置した操向バルブユニット(100)から送油される作動油にて駆動するよう構成し、前記油圧アクチュエーター(110)は、前部の油圧シリンダ(110a)と、後部の操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)により構成され、該操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)を油圧アクチュエーター(110)と一体的に構成したことを特徴とするクローラトラクタの操向装置。
- 請求項1記載のクローラトラクタの操向装置において、前記操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)として、前後方向に摺動可能なバネ受け(115・116)をバネ(117a・117b)を介して配設し、該バネ受け(115・116)を貫通する油圧シリンダ(110a)のシリンダロッド(111)には、バネ受け(116)の後端側において、プレート(118)をボルトにより固設し、また、操向ハンドル直進方向戻し手段(110b)の後端側には規制プレート(119)を設け、前記シリンダロッド(111)が前方側への摺動した場合には、プレート(118)によりバネ受け(116)を前方に押し、バネ(117a・117b)の付勢力に抗して前方に摺動すべく構成し、該シリンダロッド(111)の前部にバネ受け(115)を嵌合し、シリンダロッド(111)の後方側への摺動に伴いバネ受け(115)がバネ(117a・117b)の付勢力に抗して後方に摺動すべく構成したことを特徴とするクローラトラクタの操向装置。
- 請求項2に記載のクローラトラクタの操向装置において、前記油圧アクチュエーター(110)を、エンジン(3)を載置するエンジンブラケット(6)の側部に取付けたことを特徴とするクローラトラクタの操向装置。
- 請求項2に記載のクローラトラクタの操向装置において、前記操向バルブユニット(100)を、前記操向ハンドル(7)の下部でエンジン(3)の後部近傍に配置し、前記油圧アクチュエータ(110)はエンジン(3)の側部近傍位置したことを特徴とするクローラトラクタの操向装置。
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