JP4025086B2 - 車両用灯具における合成樹脂製成形品 - Google Patents

車両用灯具における合成樹脂製成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形過程でのヒケ防止と軽量化を達成した合成樹脂製成形品及び該合成樹脂成形品を備える車両用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のヘッドランプ、テールランプ、リアコンビネーションランプ、シグナルランプその他の車両用灯具に装備される成形品、具体的には、ランプボディ、表面に直に反射鏡面が設けられたランプボディ、灯室内にランプボディとは別体に配設される外部照射光形成用のリフレクター、外観デザイン上の要請から前面レンズ近傍に装備されるエクステンションリフレクタ等は、種々の合成樹脂を基材(基本材料)として成形される。
【0003】
これらの合成樹脂製の成形品は、成形品全体としての寸法安定性と軽量性が基本的に要求される。そして、光源からの出射光を反射させて外部照射光を形成するリフレクターにおいては、表面平滑性を確保して乱反射を防ぎ、配光性能を高める必要性があることから、アルミニウム蒸着される基材表面に、成形過程でヒケ(表面の凹み)が発生してしまうのを有効に防止する必要がある。
【0004】
添付した図9(A)は、ヒケXがなく基材表面Fが平滑なリフレクター101の一部分を示しており、図9(B)は、形成されたボス状部分BでヒケXが発生してしまい、このヒケX部分で入射光Pが乱反射しているリフレクター102の一部分を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現段階では、寸法安定性、軽量性、そしてヒケ発生防止のすべてに対して有効な合成樹脂製成形品を得ることが困難である。
【0006】
とりわけ、肉厚に差異がある成形品の場合、例えば、表面からリブ状又はボス状の部分が突設されたような形態を備える成形品では、成形工程の冷却固化過程での体積収縮が一様でなくなるので、リブ状又はボス状の部分に向かう収縮が周囲よりも大きくなって、ヒケと称される凹みが発生してしまう場合がある。
【0007】
成形品の表面にヒケが発生している状態で、アルミニウム蒸着を表面に施して反射鏡面を形成し、外部照射光形成用のリフレクターを製造した場合には、反射鏡面の表面平滑性が損なわれてしまう。このため、ヒケ部分で乱反射が発生し、配光性能に支障を来たしてしまうことになるので、特に問題である。
【0008】
そこで、本発明では、寸法安定性、軽量性、そしてヒケ発生防止のすべてに対して有効な対策が施された合成樹脂成形品及び該合成樹脂成形品を備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用灯具では、以下の手段を採用する。
【0010】
基材を構成する合成樹脂(以下、「ベース樹脂」と称する。)を溶融状態で金型中に充填し、冷却固化する過程では基材の体積が6/1000〜20/1000程度収縮する。この体積収縮率の大小によって、得られた成形品の表面にヒケが発生し、表面の平滑性が確保できなくなる。このような基材成形品は、平滑な反射面が得られず、乱反射を引き起こし高度の配光性能を確保できないので、とりわけリフレクターに採用するのは不適当となってしまう。
【0011】
そこで、本発明に係る合成樹脂製成形品では、基材である合成樹脂中に、この合成樹脂よりも熱膨張率の大きい添加材料を混入して成形するように工夫した。
【0012】
この手段によれば、熱膨張率の大きい添加材料によって、冷却過程でのベース樹脂の体積収縮率を補ってヒケの発生を防止することができる。具体的には、常圧条件下で加熱すると体積が膨張する特性を備える添加材料をベース樹脂に添加し、圧力がかかったシリンダーから常圧の金型内部へ充填する。
【0013】
充填後、金型内部では、この添加材料が熱膨張して基材を金型内面に確実に押し付ける。この作用によって、成形品表面にヒケが発生することがなくなる。更には、成形品全体の形状精度が向上し(成形安定性が向上し)、成形品の表面平滑性も確実に向上する。
【0014】
また、この熱膨張性の添加材料をベース樹脂に添加した材料構成を採用すれば、該添加材料を添加しない材料構成で得られた成形品と比較して、格段に比重の軽い成形品を得ることができる。即ち、成形品の軽量化も同時に達成できる。
【0015】
特に、熱膨張性の添加材料を混入したコア層樹脂を、同添加材料を混入しないスキン層樹脂で覆うように構成すれば、充填後の金型成形面に沿って延在するスキン層樹脂によってコア層樹脂の冷却が遅れて、コア層樹脂内の熱膨張性添加材料の熱膨張を促進する。即ち、一般に射出成形においては、成形サイクルを短縮するために、水等の冷却剤を循環させるなどの冷却手段が金型に設けられており、このため熱膨張性の添加材料を混入した樹脂だけで成形する場合には、金型に充填された樹脂は直ちに冷却されて、樹脂中に混入されている添加材料の熱膨張が抑制される(添加材料が熱膨張可能な温度以下となって十分に熱膨張できない)おそれがある。そこで、添加材料を混入したコア層樹脂の表層部に添加材料を混入しないスキン層樹脂を形成するという構成を採用することで、金型内に充填された樹脂は金型に放熱して冷却されるが、金型と直接接触するスキン層樹脂の断熱作用(スキン層樹脂がコア層樹脂の放熱を抑制して、コア層樹脂の冷却を遅らせるという作用)により、コア層樹脂は添加材料の熱膨張可能な温度に暫く保持されて、コア層樹脂内の添加材料が確実に熱膨張し、これによって、成形品表面にヒケが発生することが確実になくなる。
【0016】
なお、熱膨張性の添加材料を混入したコア層樹脂の表層部に添加材料を混入しないスキン層樹脂を形成するという構成は、金型内における樹脂の冷却速度が速い薄厚(例えば3mm以下)の成形品を成形する場合に特に有効である。
【0017】
このような添加材料として好適な材料としては、温度上昇により内圧が変化して熱膨張する特性を備える中空状の粒子が考えられる。例えば、温度を上昇させると、外殻のポリマーが軟化した状態へ変化するとともに、該ポリマーに内包されている液状の炭化水素がガス化して内圧が上昇することによって膨張して、中空の球状粒子を形成する特性を備える材料が好適である。
【0018】
ここで、合成樹脂製成形品が、リブ状又はボス状の部分が突設された形態を備えた構成の場合では、このリブ状又はボス状の部分において肉厚が増える結果、成形時(冷却固化時)におけるベース樹脂の成形収縮度合いが大きくなるので、リブ状又はボス状の部分が形成された表面領域にヒケが発生しやすい。
【0019】
車両用灯具に装備されるランプボディ、表面に直に反射鏡面が設けられたランプボディ(リフレクター一体型ランプボディ)、灯室内にランプボディとは別体に配設される外部照射光形成用のリフレクター、外観デザイン上の要請から前面レンズ近傍に装備されるエクステンションリフレクタ等は、多かれ少なかれリブ状又はボス状の部分が表面部分から突設された形態を有しているので、ヒケの発生は、成形安定性にも影響し、問題となる。
【0020】
とりわけ、リフレクターは、その後背面にエイミング装置やランプボディに対する支持部分等として用いられるリブ状又はボス状の部分が形成される場合が多いことから、ヒケの発生は配光性能のレベルに直結し、大きな問題となる。
【0021】
このため、本発明に係る合成樹脂製成形品は、反射鏡面が形成された構成のリフレクターの基材として採用するのに好適である。また、一般に、リフレクターよりも更にリブ状又はボス状の部分が突設される傾向が大きいランプボディに、ヒケの発生が無い本発明に係る合成樹脂製成形品を採用すれば、その内面に直接反射鏡面を形成して、配光性能に優れたリフレクター一体型ランプボディを提供できる。
【0022】
本発明に係る合成樹脂製成形品が装備された車両用灯具は、灯具全体として軽量化を達成でき、また、配光性能にも優れたものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る合成樹脂製成形品の一部分を拡大して見た図で、金型に材料が充填された直後の添加材料が膨張する前の様子を簡略に表した図、図2は、同添加材料が金型内で膨張した状態を表した図、である。
【0025】
まず、本発明に係る合成樹脂製成形品の材料構成は、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリルニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)、AAS樹脂、AES樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)、ポリエチレンテレフタレート(ポリテレフタル酸エチレン)、ハイヒートPC、ポリシクロオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド等から選択された合成樹脂から構成されたベース樹脂Rと、このベース樹脂Rに添加されて分散れている添加材料Eから構成されている。
【0026】
添加材料Eは、基本的に、熱膨張率がベース樹脂Rよりも大きい特性を備え、常圧で加熱することにより2〜100倍に体積膨張する樹脂フィラーである。
【0027】
この添加材料Eは、ガスインジェクション成形を一例にとると、充填シリンダーD内では圧力がかかっているため未膨張のままで存在するが、常圧条件下で過熱される金型T内に一旦充填されると、熱膨張(符号E'は、膨張した添加材料を示す。)し、成形工程中の冷却固化過程におけるベース樹脂Rの体積収縮を補うように成形材料Sを金型Tの内壁面に確実に押し付ける。
【0028】
この作用によって、金型Tから所定の形態を備えた合成樹脂製成形品を安定して得ることができるようになるとともに、ヒケが発生しないようになる。
【0029】
好適な添加材料Eとしては、温度上昇により内圧が変化して熱膨張する特性を備える中空状の粒子が考えられる。具体的には、温度を上昇させると、外殻のポリマーが軟化した状態へ変化するとともに、該ポリマーに内包されている液状の炭化水素がガス化して内圧が上昇することによって膨張して、中空の球状粒子を形成するような材料である。例えば、このような熱膨張性の中空状の粒子としては、Expancel社から提供されている熱膨張性マイクロカプセルなどを挙げることができる。
【0030】
熱膨張性の添加材料Eが添加されて成形された合成樹脂成形品は、車両用灯具のヘッドランプ、テールランプ、リアコンビネーションランプ、シグナルランプその他の車両用灯具に装備される成形品に使用可能である。
【0031】
とりわけ本合成樹脂成形品は、ランプボディ、表面に直に反射鏡面が設けられたランプボディ(リフレクター一体型ランプボディ)、灯室内にランプボディとは別体に配設される外部照射光形成用のリフレクター、外観デザイン上の要請から前面レンズ近傍に装備されるエクステンションリフレクタ等に適しており、その中でも、配光性能に直結する表面平滑性が要求される、外部照射光形成用のリフレクターに最適である。
【0032】
また、熱膨張性の添加材料が添加されて成形された合成樹脂成形品は、成形品自体の比重を小さくするので、該成形品自体の軽量化、更には該成形品が装備される車両用灯具の軽量化に寄与する。
【0033】
図3〜図5は、本発明に係る合成樹脂製成形品をサンドイッチ成形する工程を説明する図で、図3はスキン層樹脂の射出工程説明図、図4はコア層樹脂の射出工程説明図、図5は樹脂の充填終了後の冷却工程説明図である。
【0034】
ここで、サンドイッチ成形とは、合成樹脂製成形品のリサイクル化を図るために開発された技術で、コア層樹脂(例えばリサイクル樹脂)がスキン層樹脂(例えばバージン樹脂)でサンドイッチされた形態に合成樹脂製成形品を成形する周知の成形技術であり、数多くの特許出願が提案されて特許として成立しているが、この明細書では、合成樹脂製成形品のリサイクル化に限定することなく、コア層樹脂をスキン層樹脂でサンドイッチした形態に合成樹脂製成形品を成形する技術をいう。
【0035】
そして、サンドイッチ成形に用いる成形機としては、図3に示すように、コア層樹脂およびスキン層樹脂を金型(のキャビテイ)内に射出するノズル1を備えている。ノズル1には、中央の第1の射出口1aと、第1の射出口1aを環状に取り囲む第2の射出口1bとが同軸状に設けられており、第1の射出口1aには、ベース樹脂Rに熱膨張性の添加材料Eを混入したコア層樹脂が第1のシリンダ2から供給され、第2の射出口1bには、熱膨張性の添加材料Eを混入しないベース樹脂Rだけからなるスキン層樹脂が第2のシリンダ3から供給されるように構成されている。
【0036】
次に、前記した成形機を用いて、円弧状に湾曲する平均厚さ3mmの皿形の成形品をサンドイッチ成形する工程について説明する。
【0037】
まず、図3に示すように、第2の射出口1bからスキン層樹脂Rを所定量射出する。次に、第1の射出口1aからコア層樹脂R,Eを射出すると、溶融状態のコア層樹脂R,Eがスキン層樹脂Rをキャビテイの奥に押し込もうとするが、金型と接触するスキン層樹脂Rにおける表層部では冷却が始まっているため流動できず、図4に示すように、溶融状態のコア層樹脂R,Eがスキン層樹脂R間に流入して、スキン層樹脂Rをキャビテイの奥まで押し拡げる。そして、コア層樹脂R,Eの充填が終了すると、図5に示すように、金型の成形面に沿って延在するスキン層樹脂Rの内側にコア層樹脂R,Eが延在する形態、即ちコア層樹脂R,Eがスキン層樹脂Rによってサンドイッチされた形態となり、充填した樹脂が冷却され固化した段階で型開きし、成形品を取り出す。
【0038】
このサンドイッチ成形工程では、金型に充填した樹脂が冷却される際に、金型成形面に沿って延在するスキン層樹脂R(熱膨張性の添加材料Eを混入しない樹脂)の存在によってコア層樹脂R,E(熱膨張性の添加材料Eを混入した樹脂)の冷却が遅れて、コア層樹脂R,E内の熱膨張性添加材料Eの熱膨張を促進する。即ち、成形サイクルを短縮するために、水等の冷却剤を循環させる冷却手段が金型に設けられており、このため、金型内に充填された樹脂は金型に放熱して冷却されるが、スキン層樹脂Rの断熱作用(スキン層樹脂Rがコア層樹脂R,Eの放熱を抑制して、コア層樹脂R,Eの冷却を遅らせるという作用)により、コア層樹脂R,Eでは添加材料Eが熱膨張可能な温度に保持されて、コア層樹脂R,E内の添加材料Eが確実に熱膨張し、これによって、たとえ薄い厚さ(3mm)の成形品であっても成形品表面にヒケが発生することが全くなくなる。
【0039】
図6〜図8は、本発明に係る合成樹脂製成形品が装備された車両用灯具の実施形態を表す図で、図6は、同車両用灯具の第1実施例の水平断面図、図7は、同車両用灯具の第2実施例の水平断面図、図8は、同車両用灯具の第3実施例の水平断面図、である。
【0040】
第1実施例である車両用灯具10は、合成樹脂製の略カップ状のランプボディ11と、このランプボディ11の内側に係着されたリフレクター12と、ランプボディ11の挿着孔19から挿入されて、リフレクター12に内包されるように灯室14内部に設けられたバルブ13と、リフレクター12の前方開口部を閉塞するように取り付けられている前面レンズ15と、該前面レンズ15の更に外側に、ランプボディ11の前方開口部分に取り付けられたアウターレンズ16と、を備えている。なお、符号17は、バルブソケット、符号18は、車体パネルをそれぞれ表している。
【0041】
ここで、バルブ13からの出射光を所定角度に反射して、外部照射光を形成するリフレクター12の背面12'の所定箇所には、リブ状部分12aが後方側に突設され、ランプボディ11の所定孔に係着されている。このようにリブ状部分12aを備えているリフレクター12には、本発明に係る合成樹脂製成形品が用いられ、反射面の表面平滑性を確保し、配光性能の向上に寄与している。
【0042】
即ち、図6においてM、Mで示された部分の反射鏡面部分12bは、合成樹脂基材にヒケが発生していないため、表面が平滑であり、乱反射を発生させることがない。
【0043】
また、ランプボディ11にも、本発明に係る合成樹脂製成形品が用いることによって、車両用灯具10全体の軽量化に大きく寄与できる。
【0044】
続いて、第2実施例である車両用灯具20は、合成樹脂製のランプボディ21と、このランプボディ21の内側に配設され、エイミング装置26の回動動作によって角度を調整可能に構成されたリフレクター22と、ランプボディ21の後頂部に設けられた所定挿着孔から挿入されて、リフレクター22に内包されるように灯室14内部に設けられたバルブ23と、ランプボディ21の前方開口部を閉塞するように取り付けられている前面レンズ25と、を備えている。なお、符号27は、バルブソケット、符号28は、玉継ぎ手である。
【0045】
ここで、リフレクター22には、本発明係る合成樹脂製製品が採用されているので、反射面の表面平滑性が確保され、配光性能が向上している。具体的には、図7においてM4〜M7で示された、リブ状又はボス状部分が設けられている反射鏡面部分22bでは、合成樹脂基材にヒケが発生していないため、表面が平滑であり、乱反射を発生させることがない。
【0046】
また、リフレクター22に、本発明に係る合成樹脂製成形品を用いることによって、車両用灯具20全体の軽量化に寄与させ、更には、ランプボディ21にも本発明に係る合成樹脂製成形品を用いることによって、車両用灯具20全体の軽量化に大きく寄与させることができる。
【0047】
次に、第3実施例である車両用灯具30は、合成樹脂製のランプボディ31と、このランプボディ31の内壁面(灯室34側の面)にアルミニウム蒸着されて形成されたリフレクター(反射鏡面)32と、ランプボディ31の後頂部に設けられた所定挿着孔37から挿入されて、灯室34内部に設けられたバルブ33と、ランプボディ31の前方開口部を閉塞するように取り付けられている前面レンズ35と、を備えている。なお、符号36は、バルブソケットである。
【0048】
上記構成の車両用灯具3のランプボディ31においても、本発明に係る合成樹脂製成形品を採用することができる。この構成によって、仮に、符号31a、31aで示すようなボス状部分がランプボディ31背面に形成されている場合であっても、該ランプボディ31の符号M、Mで示す内壁面部分32bにはヒケが発生していることがないから、ランプボディ31の内壁面に直接、反射鏡面32を形成しても、配光性能に優れたリフレクターとして機能させることが可能となる。
【0049】
即ち、ランプボディ一体型リフレクターを、その配光性能を心配することがなく、形成することができる。
【0050】
以上説明した本発明に係る合成樹脂製成形品は、上掲した実施例に限定されることなく、種々の車両用灯具の合成樹脂製部品に採用することができるものであって、寸法安定性の向上、軽量化、そしてヒケ発生防止のすべてに対して有効な技術を提供するものである。
【0051】
【発明の効果】
本発明によって奏される主な効果は、次の通りである。
【0052】
本発明に係る合成樹脂製成形品は、ベース樹脂中に、このベース樹脂よりも熱膨張率の大きい添加材料を混入しているので、金型成形の冷却過程においてベース樹脂の体積収縮率を補うように添加材料を熱膨張させることができる。この結果、基材を金型内面に確実に押し付けさせ、成形品の肉厚の異なる表面部分にヒケを発生させることがなく、更には、成形品の形状精度(成形安定性)を向上させ、成形品の表面平滑性も確実に向上させることができる。
【0053】
本発明に係る合成樹脂製成形品は、この熱膨張性の添加材料をベース樹脂に添加しているので、該添加材料を添加しない材料構成で得られた成形品と比較して、格段に比重の軽い成形品を得ることができる。即ち、合成樹脂製成形品自体の軽量化、ひいては該合成樹脂製成形品が装備された車両用灯具の軽量化を達成することができる。
【0054】
本発明に係る合成樹脂製成形品は、ヒケ部分がなく、表面平滑性があるため、乱反射がなく配光性能に優れたリフレクター及び該リフレクターを装備した高性能の車両用灯具を提供することができる。
【0055】
特に、本発明に係る合成樹脂製成形品が、熱膨張性の添加材料を混入したコア層樹脂を同添加材料を混入しないスキン層樹脂が覆う構成である場合には、3mm以下という薄い厚さの成形品であっても、表面部分にヒケを発生させることがなく、更には、成形品の形状精度(成形安定性)を向上させ、成形品の表面平滑性も確実に向上させることができるので、合成樹脂製の車両用灯具製品への適用が極めて有意義となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合成樹脂製成形品の一部分を拡大して見た図で、金型に材料が充填された直後のまだ添加材料が膨張する前の様子を簡略に表した図
【図2】同添加材料が金型内で膨張した状態を表した図
【図3】本発明に係る合成樹脂製成形品のサンドイッチ成形工程を構成するスキン層樹脂の射出工程説明図
【図4】同サンドイッチ成形工程を構成するスキン層樹脂の射出工程説明図
【図5】同サンドイッチ成形工程を構成する冷却工程説明図
【図6】本発明に係る合成樹脂製成形品が装備された車両用灯具の第1実施例の水平断面図
【図7】同車両用灯具の第2実施例の水平断面図
【図8】同車両用灯具の第3実施例の水平断面図
【図9】(A)ヒケXがなく基材表面Fが平滑なリフレクター101の一部分を示す図
(B)形成されたボス状部分BでヒケXが発生し、このヒケ部分で入射光Pが乱反射しているリフレクター102の一部分を示す図
【符号の説明】
10、20、30 車両用灯具
11、21、31 ランプボディ
12a、22a、31a リブ状又はボス状部分
12、22、32 リフレクター
32 反射鏡面
R 基材を構成する合成樹脂(ベース樹脂)
E 膨張前の添加材料
E' 膨張した添加材料

Claims (3)

  1. 基材を構成する合成樹脂中に、該合成樹脂よりも熱膨張率の大きい添加材料が混入されて成形された車両用灯具における合成樹脂製成形品であって、
    前記添加材料は、温度上昇によって熱膨張して中空の粒子となる特性を備え、前記基材がリブ状又はボス状部分が突設された形態を備えるリフレクター基材であることを特徴とする車両用灯具における合成樹脂製成形品。
  2. 反射鏡面が形成されたリフレクターであることを特徴とする請求項1に記載された車両用灯具における合成樹脂製成形品。
  3. 前記添加材料を混入したコア層樹脂と、該コア層樹脂の周囲に前記添加材料を混入しないスキン層樹脂が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された車両用灯具における合成樹脂製成形品。
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