JP4025081B2 - 移動広告表示システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体を利用して広告情報を表示する移動広告表示システムに係り、特に地域に対応した広告情報を迅速に表示し、且つ広告情報毎に表示時間数と宣伝効果に応じた料金を課することのできる移動広告表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体を利用した広告表示システムとして、最も単純な例としては、広告表示を目的として移動する移動体、すなわち宣伝カー等による広告である。すなわち、図14(a)に示すように、特定の広告主からの依頼に従い、車の上部に設けた看板等に固定の広告情報を描く又は貼り付けて表示し、更に音声出力等しながら、各所、特に民衆が多く集まる街頭などを走り回って、広告内容が人々の目、耳に触れるように移動を行うものである。図14は、従来の移動体を利用した広告表示システムのイメージを示す説明図である。
このような広告表示サービスにおいては、広告表示サービス事業者と広告主との間では、広告表示を行う移動体の移動時間帯(表示時間帯)や移動時間(表示時間)、期間(日数)と、移動場所などを鑑みたトータルな広告表示業務に対する一括した料金で契約が交わされる場合が多い。
通常のこのタイプの広告表示は、専用車をチャーターすることになるので、広告主にとっては多大な費用が発生する。
【0003】
それに対して、移動の本来の目的が広告表示ではなく、別業務で各所を移動する移動体、すなわち公共のバスやタクシーを用いて広告表示を行う広告表示サービスがある。
これは、図14(b)に示すように、公共のバスの側面やタクシーの上部などに看板やステッカー等の掲示部分を設け、特定の広告主からの依頼に従い、固定の広告情報を表示しながら、乗客を乗せて、特定の路線、又は、指定された目的地までの道路を走行して、その間広告内容が人々の目に触れるようになっているものである。
このような広告表示サービスにおいては、広告表示サービス事業者(この場合には、バス会社やタクシー会社等)と広告主との間では、広告表示を行う期間(月単位など)と、移動場所(走行路線や主な営業エリア等)などを鑑みたトータルな広告表示業務に対する一括した料金設定で課金が行われて契約が交わされる場合が多い。
通常このタイプの広告表示は、移動体が本来の目的を持って運行されているものに広告表示を付加するものであるから、上記宣伝カーの場合に比べて料金設定が安価であるため、広告主にとっては広告費用がかなり軽減でき、また広告表示サービス事業者(この場合には、バス会社やタクシー会社等)にとっては、副収入となる。
【0004】
しかしながら、上記説明した公共のバスやタクシーの側面などに看板やステッカーの掲示を行う広告表示サービスでは、掲示部分に1種類の表示しかできず、広告を出したい地域以外を走行中には、広告が意味をなさないことになり、広告主が支払う費用の中に無駄な費用が含まれることになり、広告表示サービスとしての質が低いことになる。
【0005】
そこで、近年の電子部品を用いた表示装置における部品の小型化や、メモリの大容量化、制御装置の小型化によって、移動体を利用した広告表示システムにおいても電子化される傾向がある。
すなわち、移動体を利用した広告表示システムで電子化されたものは、図14(a)(b)に示した移動体(宣伝カー、バス、タクシーなど)における広告表示部分を看板やステッカーなどではなく、電子データを表示する表示部(表示装置)とし、表示部と表示データを制御する制御部とで構成される広告表示装置を移動体に搭載して、広告情報を表示部に表示しながら走行(移動)する移動広告表示システムが考えられる。
【0006】
従来の広告表示装置の構成例について、図15を用いて説明する。図15は、従来の広告表示装置の構成を示すブロック図である。
従来の移動体に搭載する広告表示装置は、図15に示すように、位置検出部11と、表示部12と、入力部16と、記憶部14″と、制御部10″とから構成されていた。
【0007】
従来の移動体に搭載する広告表示装置の各部について説明する。
位置検出部11は、衛星を利用して自分の位置を特定できるGPS(Global Positioning System)等の一般的な測位システムを用いて、移動体の現在位置を検出するものであり、カーナビなどに用いられていることも多い。
入力部16は、広告情報の文字データやイメージデータ、或いは音声データなどの各種情報を入力する一般的な入力部である。
記憶部14″は、メモリやディスクなどの一般的な記憶媒体であり、入力部16から入力された広告情報の各種データを記憶する広告情報テーブル14d″を具備している。
広告情報テーブル14d″は、1つ又は複数の広告情報を記憶しており、各広告情報を識別するための広告情報番号に対応付けられて記憶している。尚、移動体1″の位置情報(地域)に対応付けて広告情報を特定する場合には、各広告情報が位置情報(地域)に対応付けられて記憶されている。
表示部12は、移動体1(例えば、車)の上部や側面部に設け、特定された広告情報を表示するものである。
【0008】
制御部10″は、表示する広告情報を特定して、表示する制御を行う広告情報表示制御処理を行うものである。
具体的な広告情報表示制御の方法として最も簡単な方法としては、タイマ又は時計を用いて、予め決められた時間間隔又は時刻に従って、広告情報テーブル14d″に記憶されている広告情報の内の1つを特定して読み出し、表示部12に出力して表示させる方法がある。
また、近年行われている別の方法として、位置検出部11で移動体1″の位置を検出し、検出された位置情報に対応する広告情報を広告情報テーブル14d″から読み出し、表示部12に出力して表示させる方法がある。
【0009】
従来の移動体1″に搭載する広告表示装置の動作は、予め入力部16から広告情報を入力して、記憶部14″の広告情報テーブル14d″に記憶しておく。
そして、制御部10″で広告情報表示制御処理を起動すると、タイマ又は時計を用いて予め決められた時間間隔又は時刻に従って、記憶部14″の広告情報テーブル14d″に記憶されている広告情報の何れか1つを特定して読み出し、表示部12に出力して表示させる。
【0010】
また別の動作として、予め入力部16から広告情報を入力して、記憶部14″の広告情報テーブル14d″に位置情報(地域)に対応付けて広告情報を記憶しておく。
そして、制御部10″で広告情報表示制御処理を起動すると、位置検出部11で検出した移動体1″の位置を読み込み、検出された位置情報に対応する広告情報を広告情報テーブル14d″から読み出し、表示部12に出力して表示させるようになっている。
【0011】
上記説明した電子化された広告表示システムであれば、時間を区切って表示する広告情報を切り替える方法を採れば、1台の移動体に対して複数の広告主を付けることができるので、多数の広告主を受け入れることができる一方で、各広告主の料金を抑えることができて、広告主の幅を広げることができる。
また、地域に対応する広告情報を表示する方法であれば、移動体の存在する位置(地域)に合わせた広告が表示されるので、広告効果の無駄をなくしてサービスの向上を図ることができる。
【0012】
また、近年の無線通信技術の発達、普及は目覚ましく、小型な無線端末が入手可能となっている。加えて、カーナビゲーションシステムの普及に伴いGPS受信機に関しても小型になっている。このような背景から、無線通信システム及び位置検索システムを利用して、カーナビなどにおいて位置に対応した地図情報を配信する技術も提案されており、この技術を用いて位置に対応する広告情報を表示することも可能である。
【0013】
尚、移動体の位置に応じた広告情報を移動体に表示させる従来技術としては、平成13年7月27日公開の特開2001−202455号「広告情報配信システムおよびその広告情報配信予約システム、表示装置」(出願人:株式会社日立製作所、発明者:市川 勝英他)がある。
当該公報によれば、広告情報を発信する広告情報発信局を設けると共に、路線バスなどの移動局の表示装置に移動通信機を付加し、広告情報発信局側に予め広告情報配信スケジュールを保有して、当該スケジュールに従って広告情報を配信し、移動局は配信された広告情報を表示する広告情報配信システムとしているので、広告情報配信スケジュールに従って広告情報を切り替えることができるものである。
【0014】
また、当該公報によれば、路線バスなどの移動局の運行スケジュールに従って広告情報配信スケジュールを作成すれば、通過エリアに対応した広告の配信が可能となるので、例えば商店などが路線バスの運行路線のうち一部のエリアだけ広告を出したいというようなローカルな広告情報の配信も可能となるとしている。
【0015】
また、当該公報によれば、広告主が広告希望エリアや広告希望時間帯を予めインターネットなどを介して入力し、それに従って広告情報配信スケジュールを更新していく広告情報配信予約システムとしているので、簡単に広告の予約を行うことができ、予約内容に従う時間契約の広告料金を計算できるものである。
【0016】
また、当該公報によれば、移動局に位置検知システムを付加し、検知した位置情報を広告情報発信局に通知することにより、この位置情報と広告情報のデータベースから広告情報の配信を行うことにより、正確に現在位置に対応したエリアで、広告の配信が可能となるとしている。
また広告希望エリアや広告希望時間帯を予め設定しておき、移動局において位置検出を行って位置情報を広告情報発信局に通知することによって、この位置情報と時間情報と広告情報のデータベースから広告情報の配信を行うことにより、広告希望エリアで広告希望時間帯に広告を表示することができるとしている。
【0017】
更に、当該公報では、実際は渋滞などにより運行表通りに運行されないことから、移動局の位置情報を広告情報発信局に通知する手段を付加すれば、正確に希望区間で希望する広告情報の表示が可能となり、更にその区間を通過するのに要した時間を記録しておけば、この通過時間から広告料金を計算することも可能であるとしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の広告表示装置を用いた移動広告表示システムでは、地域に対応した広告情報を予め記憶しておくので、例えばタクシーのように走行地域が広範囲であるような移動体では、地域性が重要視される広告の表示は意味がなく、また、広告料金は予め設定された表示条件に対応する料金設定となるため、宣伝効果を加味した広告表示サービスに対する料金とはならないという問題点があった。
【0019】
また、特開2001−202455号に記載された広告情報配信システムでは、路線バスのように、予め運行スケジュールがあるような移動体での広告表示を前提としているため、予め広告主が広告表示されるであろう状況を想定し、広告希望エリアや広告希望時間帯を設定して予約し、基本的には固定料金で契約を行うことになり、ある程度の広告費用の無駄な部分を覚悟しなければならないという問題点があった。
また、当該公報の技術では、路線バスのように、予め運行スケジュールがあるような移動体での広告表示を前提としており、広範囲をスケジュールなく移動するタクシーや宅配トラックなどには適応できない。
また、表示する時間帯や地域特性を加味した課金方式とはなっていない。
【0020】
また、当該公報の広告情報配信システムでGPSなどの位置検出情報を用いる場合には、移動局が検出した位置情報を広告情報配信局に通知し、広告情報配信局が移動局から通知された位置情報に従って対応する地域の広告情報を移動局に配信するので、移動局が地域を移動してから広告情報の表示を切り替えるまでに時間がかかるという問題点があった。
【0021】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、広告料金を固定課金ではなく、実際に表示した時間数に基づく従量課金を行い、更に宣伝効果をも加味した課金を行うことによって、運行スケジュールのない移動体にも適応でき、また運行スケジュールのある移動体であってもスケジュールに関係なく、実際に行った広告表示行為に対する課金となり、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービスの多様化により広告主層の幅を広げ、またサービスの質の向上によって他社との差別化を図ることができる移動広告表示システムを提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明の別の目的は、移動体の地域の移動から表示する広告情報の切替までの時間を短縮して、システムとしての性能を向上できる移動広告表示システムを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、広告情報を無線配信する広告情報配信局と、前記広告情報を受け取って表示する移動体とを有し、前記移動体が前記広告情報を表示しながら移動する移動広告表示システムであって、前記移動体が、地域番号とそれに対応付けられた広告情報、広告表示時間の情報を記憶する広告情報テーブルを備え、前記広告情報配信局が、区分されたエリアを示す地域情報と地域番号を記憶する地域情報テーブルと、前記地域番号に対応付けて広告情報、広告表示累計時間の情報を記憶する地域毎広告情報テーブルと、前記移動体から送信された現在位置に対応付けて特定された現在地域番号を記憶する移動体現在地域記憶エリアと、マス目状に区切られた地域について現在地域の周辺地域を予想地域として予想地域番号を記憶する移動体予想地域記憶エリアとを備え、前記移動体の制御部が、現在位置を検出し、現在位置情報を前記広告情報配信局に送信する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した削除される地域番号に対応する広告表示時間のデータを前記広告情報テーブルから読み出して前記広告情報配信局に送信する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した追加された地域番号とそれに対応する広告情報を前記広告情報テーブルに格納する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した現在地域番号に対応する広告情報を前記広告情報テーブルから読み出して表示部に表示すると共に当該広告情報の表示時間をカウントして表示が切り替わるまでの広告表示時間のデータを前記広告情報テーブルの広告表示時間の情報に加算する処理を行い、前記広告情報配信局の制御部が、前記移動体から位置情報を受信し、前記地域情報テーブルを参照して位置情報に対応する現在地域番号を特定して前記移動体に送信する処理を行い、前記現在地域番号から予想地域を特定し、予想地域から外れた地域番号を削除される地域番号を前記移動体に送信すると共に、新たに特定された予想地域の予想地域番号を前記移動体予想地域記憶エリアに追加して格納する処理を行い、前記追加された地域番号とそれに対応する広告情報を前記地域毎広告情報テーブルから読み出して前記移動体に送信する処理を行い、前記移動体から受信した削除される地域番号に対応する広告表示時間のデータを前記地域毎広告情報テーブルの広告表示累計時間の情報に加算して累計する処理を行い、広告料金の課金締めのタイミングで、前記地域毎広告情報テーブルの各地域に対応する広告毎に累積された広告表示累計時間のデータに基づいて広告料金の計算を行って課金処理を行うことを特徴とする。
【0024】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、上記移動広告表示システムにおいて、地域情報テーブルは、移動体の種別に応じた地域区分を設定したテーブルを複数設け、地域毎広告情報テーブルは、前記種別に応じた広告情報を記憶するテーブルを複数設け、広告情報配信局の制御部が、移動体から受信した識別子から種別を識別し、当該種別に対応した地域番号を前記地域情報テーブルから読み込んで前記移動体に送信する処理を行い、前記種別に応じた広告情報を前記地域毎広告情報テーブルから読み込んで前記移動体に送信する処理を行うことを特徴とする。
【0025】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、上記移動広告表示システムにおいて、広告情報配信局の制御部が、移動体の種別に応じて予想地域の特定を切り替えるようにしたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る移動広告表示システムは、移動体における任意の広告情報の表示時間をカウントし、実際に行った表示時間数に応じた従量課金で広告料金を算出し、その際に表示時間帯又は表示地域特性、又はその双方による宣伝効果の重み付けを行うものなので、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービス向上により他社との差別化を図ることができるものである。
【0028】
まず、本発明の移動広告表示システムの概略イメージにつて、図1を使って説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る移動広告表示システムの概略イメージを示す説明図である。
本発明の移動広告表示システムは、電子データの各種広告情報を入力して記憶し、条件に応じて任意の広告情報を配信する広告情報配信局2と、任意に又は特定の道路或いは線路を走行しながら、前記広告情報配信局2から配信される広告情報を表示する移動体1とから構成されている。
【0029】
ここで、移動体1としては、広告表示を専門として走行する宣伝カー1aや、予め決められている路線を走行する路線バス1bや、乗客の指示に従って任意の道路を走行するタクシー1cや、荷物の配送先に応じて任意の道路を走行する宅配トラックや長距離トラック1d等の車ベースの移動体や、予め決められている線路区間を走行する電車1eなどが考えられる。
しかし本発明において移動体1は、広告情報配信局2から配信される広告情報を無線通信により受信して、車外又は車外から見える位置に配置された大衆向けの表示部に広告情報を表示する装置を搭載できる移動体であるならば、如何なる移動体であっても構わない。尚、表示部は主に車外、即ち街頭にいる人や、道路を走行中の他の車の搭乗者向けに表示を行うものであるが、それに限定せず、例えば、路線バスの乗客やタクシーの乗客向けに設置される車内の表示部であっても構わない。但し、車外の大衆向け表示の場合と、車内のある程度少数向けの表示の場合とでは、料金設定が異なってくる。
【0030】
次に、本発明の第1の実施の形態にかかる移動広告表示システムについて説明する。
本発明の第1の実施の形態にかかる移動広告表示システム(第1の移動広告表示システムと呼ぶ)は、移動体1の位置する地域に対応付けられた広告情報を配信して表示し、その表示時間数をカウントして表示時間数に応じた広告料金を課金するもので、その際、地域特性又は表示時間帯に応じた重み付けを行うものである。また、移動体1が移動する先を予想してその地域に対応付けられた広告情報をも配信して記憶させておくことにより、移動先の地域に関連付けられる広告を高速に表示することが可能となるものである。
【0031】
まず、本発明の第1の移動広告表示システムの構成例について、図2を使って説明する。図2は、本発明の第1の移動広告表示システムの構成例を示すブロック図である。尚、図15と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
また、説明を簡単にするために、1台の移動体1と広告情報配信局2との間のやりとりとして説明するが、実際には、1台以上の移動体1が存在し、移動体1毎に識別子を設けて、広告情報配信局2では、無線通信の際に当該識別子で移動体1を特定しながら処理を進めることになる。
【0032】
本発明の第1の移動広告表示システムは、基本的に広告情報を配信する広告情報配信局2と、配信される広告情報を表示する移動体1とから構成される。
【0033】
尚、広告情報配信局2と移動体1とが直接無線通信を行っても良いし、移動体1と無線通信基地局(図示せず)とが無線通信を行い、無線通信基地局(図示せず)と広告情報配信局2との間が広域ネットワーク網などで接続されている構成であってもかまわない。いずれにしても、無線通信技術或いはネットワーク通信技術自体は、公知のものを用いるので、ここでは、その詳細については触れないこととする。
【0034】
本発明の移動体1の内部は、制御部10と、位置検出部11と、表示部12と、無線通信部13と、記憶部14と、タイマ15とから構成され、広告情報配信局2の内部は、制御部20と、入力部21と、無線通信部23と、記憶部24とから構成されている。
尚、移動体1における表示部12は、車外の大衆向け広告の場合には車外又は車外から見える位置に設置され、これ以外の構成は車内に設置される。
【0035】
まず、広告情報配信局2の内部の各部について説明する。
入力部21は、文字情報、画像情報や音声情報等の各種広告情報と、課金のための各種情報を入力する一般的な入力部で、具体的には、キーボードやスキャナ、マイク、カメラ等の入力装置や、CD、DVD−ROM等の記憶媒体の読出装置等である。
無線通信部23は、無線変復調することにより遠隔地の移動体1との間で各種情報を無線送受信するものである。無線通信技術としては、ある程度大容量の広告情報を送受信することからPDC(Personal Digital Cellular)システムやPHS(Personal Handy-phone System)システム等を用いることが考えられるが、本発明ではこの無線通信技術について限定するものではない。図1に示した例で、一般的な車及び電車を移動体1とする場合には、高速移動が想定されるので、無線通信技術としては、PDCシステムとするのが適宜であるが、例えば、図1(a)に示す宣伝カーのように広告表示を主目的に走行するような場合においては、宣伝効果を向上するために低速走行を行うという前提で、PHSシステムを用いても構わない。
尚、無線基地局を介して送受信する場合には、無線通信部23は、基地局上に設けられ、その代わりに、無線基地局との送受信を実現する手段が設けられることになる。
【0036】
記憶部24は、広告情報の配信及び課金用データ収集のための各種データを記憶する記憶部である。
地域情報テーブル24aは、移動体1の位置に対応し、ある程度の広さを有するエリアに区分し、区分されたエリアを示す地域情報を記憶するテーブルである。尚、エリアの区分の方法は任意であり、面積や形状は各々異なっていても良い。
具体例としては、移動体1の位置を地図上の緯度、経度で認識するような場合においては、最も簡単な方法として、図3に示すように、地図上の緯度、経度のある程度の範囲(地域範囲)でエリアを区切り、地域の識別子として地域番号を割り当てる方法がある。図3は、本発明の広告情報配信局2における地域情報テーブル24aの具体例を示すテーブル図である。尚、図3の例では、全ての地域範囲が同様の大きさ(面積)の正方形となるように割り当てられているが、大きさが異なっても構わない。
また、位置情報に対応する地域の割り出しが複雑になるが、地域毎に広告情報を割り当てるために、街の地域特性や生活圏に応じて区別するように、それぞれ異なる形、異なる大きさで地域を区切っても構わない。
また、移動体1の位置検出を無線通信における基地局の識別情報で認識するような場合においては、1つ又は複数の基地局の識別情報に対して地域番号を割り当てるようにしてもよい。
【0037】
地域毎広告情報テーブル24bは、地域情報テーブル24aで設定されている地域番号に対応付けて、広告に関する各種情報を記憶するテーブルである。各種情報とは、具体的には、図4に示すように、表示する広告情報と、移動体で表示した広告表示累計時間と、広告主に関する情報である。図4は、本発明の広告情報配信局2における地域毎広告情報テーブル24bの具体例を示すテーブル図である。
尚、図4の例では、広告情報として文字情報を示しているが、画像情報や音声情報の場合には、格納されている記憶部24上のアドレスなどが記憶される。
また、図4の例では、広告主情報として名称のみ示しているが、課金に用いる情報等も記憶しておくか、又は、課金に用いる情報等は別エリアに記憶し、広告主の識別子で対応付けるようにしても構わない。
【0038】
移動体現在地域記憶エリア24cは、移動体1から送信された現在位置に対応付けて特定された現在の地域番号を記憶するエリアである。
移動体予想地域記憶エリア24dは、移動体1の現在の地域番号に対して特定された移動するであろう地域(予想地域)の地域番号を記憶するエリアである。予想地域とは、例えば、図5に示すように、地域がマス目状に区切られ、移動体1の現在地域が地域番号6である場合には、この先移動体1が移動するであろう地域として周辺地域番号1〜3、5、7、9〜11を予想地域とする。そして、移動体1が移動して地域番号10に移動すると、周辺地域番号5〜7、9、11、13〜14が予想地域となる。図5は、本発明における移動体1の現在地域と予想地域との関連を示す説明図である。
尚、図5では、予想地域を周辺地域とする例を示したが、移動体1が、タクシーや宅配トラックなどのように、任意の道路を自由に走り回るものである場合には、周辺地域とするのがよいが、例えば、路線バスや、電車等のように、決まった道路や線路上を走行するものである場合には、予想地域は限定される。また、長距離トラックのような場合には、特定方向に進み続けている場合が多いので、進行方向側だけを予測地域とするか又は進行方向を優先的に配信するように順番を工夫する等の方法が考えられる。
【0039】
制御部20は、広告情報配信局2全体を制御するもので、具体的には、予め行う処理として地域の割当と地域毎の広告情報を設定する処理と、移動体1の現在地域の情報を提供する現在地域情報提供処理と、現在地域の広告情報を提供する現在地域広告情報提供処理と、移動体1の移動予想地域を特定して予想地域の広告情報を更新させる予想地域広告情報提供処理と、広告料金の課金計算を行う広告料金課金処理等を行うものである。
【0040】
制御部20の処理の概略について図6を使って説明する。図6は、本発明の広告情報配信局2の制御部20の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
本発明の広告情報配信局2の制御部20の処理は、事前に行う処理として、地域の割当と地域毎の広告情報設定処理(100)を行う。具体的には、サービス形態を考え、位置情報の範囲や基地局番号などに地域番号を割り当てた地域情報を地域情報テーブル24aに格納しておく。そして広告主からの要求に応じて、入力部21から文字情報、画像情報や音声情報等の各種広告情報と、表示地域の地域番号と、広告主に関する情報とを入力し、地域毎広告情報テーブル24bに地域番号に対応付けて格納しておく。
【0041】
そして、現在地域情報提供処理として、移動体1からの位置情報を受信し(110)、地域情報テーブル24aを参照して位置情報に対応する地域番号を特定して移動体1に送信すると共に、移動体現在地域記憶エリア24cに格納する(112)。
そして、この時動作の開始時であったり、予想地域に現在地域が含まれておらず、現在地域の広告情報が移動体1に送信されていないような場合には、現在地域広告情報提供処理として、現在地域に対応する広告情報を地域毎広告情報テーブル24bから読み出して、移動体1に送信する(114)。現在地域広告情報提供処理を行うか否かは、移動体予想地域記憶エリア24dに記憶されている地域番号と現在地域番号とを照合することによって判定することができる。
ただし、本発明の特徴として、移動予想地域の広告情報を事前に移動体1に送信しておくことになっているので、多くの場合はここで現在地域の広告情報を移動体1に送信する必要はない。
【0042】
そして、予想地域広告情報提供処理として、現在地域に対して移動体1が移動するであろう予想地域を特定し、予想地域から外れて移動体1において削除すべき地域番号を特定して移動体1に送信すると共に、予想地域の地域番号を移動体予想地域記憶エリア24dに格納する(120)。移動予想地域の特定方法については、前述したように移動体1(車や電車)の種類によって移動パターンが異なるので、パターンに応じた予想が為される。また削除する地域番号と追加する地域番号とは、移動体予想地域記憶エリア24dに記憶されているこれまでの予想地域番号と新たに特定された予想地域の地域番号とを比較することで決定される。
この時、移動体1からは削除される地域番号に関するこれまでの表示時間のデータが送信されるので、広告料金課金処理の一環として、当該表示時間データを受信して図4に示した地域毎広告情報テーブル24bの広告表示累計時間の欄のデータに加算して累計する(122)。
そして、新たに予想地域として加わった追加地域番号とそれに対応する広告情報を地域毎広告情報テーブル24bから読み出して移動体1に送信する(124)。
【0043】
通常の運用状態においては、処理110〜処理124を繰り返しており、広告料金の課金締めのタイミングで広告料金課金処理として、地域毎広告情報テーブル24bの各地域に対応する広告毎に累積された広告表示累計時間のデータに基づいて広告料金の計算を行い、課金処理を行う(130)ようになっている。
【0044】
次に、移動体1の内部の各部について説明する。
位置検出部11は、移動体1が存在する位置を検出するものである。具体的には、GPS(Global Positioning System)受信装置や、PHSやPDCシステムにおける基地局情報等を用いて、移動体1の位置を検出するものが考えられるが本発明ではその方法を限定するものではない。但し、ここで検出される位置情報の種類に応じて、前述した広告情報配信局2における地域情報テーブル24aの地域範囲が設定される必要がある。
【0045】
表示部12は、広告情報を表示する表示装置で、移動体1の外部又は内部等の大衆から見ることができる位置に設置されている。具体的には、表示部分の大きさや目的に応じ、文字データを表示するLED表示装置であったり、画像情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)装置であったり、更に音声情報も出力する場合には、スピーカ等の音声出力装置も含まれる。
尚、表示部12は主に車外、即ち街頭にいる人や、道路を走行中の他の車の搭乗者向けに表示を行うものであるが、それに限定せず、例えば、路線バスの乗客やタクシーの乗客向けに設置される車内の表示部であっても構わない。但し、車外の大衆向け表示の場合と、車内のある程度少数向けの表示の場合とでは、料金設定が異なってくる。
【0046】
無線通信部13は、無線変復調することにより遠隔地の広告情報配信局2との間で各種情報を無線送受信するものである。無線通信技術としては、ある程度大容量の広告情報を送受信することからPDC(Personal Digital Cellular)システムやPHS((Personal Handy-phone System)システム等を用いることが考えられるが、本発明ではこの無線通信技術について限定するものではない。尚、無線基地局を介して送受信する場合には、無線通信部13は、無線基地局との送受信を行うことになる。
【0047】
タイマ15は、表示時間を計時するための一般的なタイマで、制御部10内に設けるようにしても構わない。
記憶部14は、広告情報の表示及び課金用データ収集のための各種データを記憶する記憶部である。
現在位置記憶エリア14aは、位置検出部11にて検出した位置情報を記憶するエリアである。
現在地域記憶エリア14bは、現在位置に対する地域番号を現在地域番号として記憶するエリアで、広告情報配信局2から送信された現在地域番号を記憶するようになっている。
予想地域記憶エリア14cは、現在位置に対して、移動体1が移動するであろうと予想される地域番号を予想地域番号として記憶するエリアで、広告情報配信局2から送信された予想地域番号を記憶するようになっている。
【0048】
広告情報テーブル14dは、広告情報配信局2から配信された現在地域及び予想地域の地域番号とそれに対応付けられた広告情報を記憶するテーブルである。広告情報テーブル14dの具体例として、図7に示すように、順番号(No.)と、地域番号と表示する広告情報と、移動体における表示した広告表示時間を記憶する。図7は、本発明の移動体1における広告情報テーブル14dの具体例を示すテーブル図である。
【0049】
制御部10は、移動体1における広告表示全体を制御するもので、具体的には、現在位置を検出して現在地域を認識する現在地域認識処理と、現在地域の広告情報を取得する現在地域広告情報取得処理と、現在地域の広告情報を表示する広告情報表示処理と、移動予想地域の広告情報を取得する予想地域広告情報取得処理と、表示時間データを送信する表示時間データ送信処理等を、予め決められた時刻、又は予め決められた時間間隔又は広告情報配信局2からの要求の何れかのタイミングで繰り返し行うものである。
【0050】
制御部10の処理の概略について図8を使って説明する。図8は、本発明の移動体1の制御部10の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
本発明の移動体1の制御部10の処理は、現在地域認識処理として、位置検出部11で検出される現在位置情報を取得して現在位置記憶エリア14aに格納し、広告情報配信局2に送信し(210)、広告情報配信局2から送信される現在の地域番号を受信して現在地域記憶エリア14bに格納する(212)。
そして、この時動作の開始時であったり、予想地域に現在地域が含まれておらず、現在地域の広告情報入手していないような場合には、現在地域広告情報取得処理として、現在地域に対応する広告情報を広告情報配信局2から受信して予想地域記憶エリア14cに格納する(214)。現在地域広告情報取得処理を行うか否かは、予想地域記憶エリア14cに記憶されている地域番号と現在地域番号とを照合することによって判定することができる。
ただし、本発明の特徴として、移動予想地域の広告情報を事前に広告情報配信局2から取得しておくことになっているので、多くの場合はここで現在地域の広告情報を広告情報配信局2から受信する必要はない。
【0051】
そして、広告情報表示処理として、現在地域記憶エリア14bに記憶されている現在地域番号に対応する広告情報を広告情報テーブル14dから読み出して、表示部12に出力して表示させる(216)。
尚、この際に、現在地域が切り替わった場合には、表示時間カウントの初期化処理を行う必要がある。
表示時間カウントの初期化処理とは具体的に、タイマ15によるカウントをストップし、タイマ15のカウント値を図7に示した広告情報テーブル14dの旧現在地域に対応する広告情報の広告表示時間に加算し、タイマ15をゼロクリアしてからカウントを再開させる処理である。
【0052】
そして、予想地域広告情報取得処理として、広告情報配信局2から削除すべき地域の情地域番号を受信し(220)、表示時間データ送信処理として、予想地域記憶エリア14cに記憶されている削除地域番号に対する広告表示時間のデータ(表示時間データ)を広告情報テーブル14dから読み出して広告情報配信局2に送信し(222)、削除する地域の広告情報と広告表示時間をクリアする。
そして、追加される地域番号に対応する地域番号とそれに対する広告情報を広告情報配信局2から受信し、広告情報テーブル14dに格納する(224)ようになっている。
【0053】
尚、移動体1では図8に示した処理を、システム立ち上げ直後と、予め決められた時刻、又は予め決められた時間間隔又は広告情報配信局2からの要求の何れかのタイミングで繰り返し行うものである。繰り返し行う間隔としては、地域区分の範囲(広さ)が狭い場合、或いは、移動体1の位相速度が速い場合には、短い間隔で行う必要があるし、地域区分の範囲(広さ)が広い場合、或いは、移動体1の位相速度が遅い場合には、ある程度長い間隔で行ってよいことになる。
【0054】
次に、本発明の第1の移動広告表示システムの動作について、図2,図3,図4,図5,図7,図9の具体例を用いて説明する。尚、移動体1の位置検出部11における位置検出には、GPSを用いる場合で説明する。図9は、本発明の移動体1における広告情報テーブル14dの内容が更新された具体例を示すテーブル図である。
本発明の第1の移動広告表示システムでは、広告情報配信局2において、予め地域範囲に対する地域番号が図3に示すような地域情報テーブル24aに記憶されており、そして、広告主からの要求によって、広告情報と広告主に関する情報と表示地域の地域番号とを入力部21から入力されて、図4に示すような形で地域毎広告情報テーブル24bに地域番号に対応する広告情報及び広告主情報として記憶されている。この時、広告表示累計時間は、0からスタートする。
【0055】
そして、実際に広告情報の表示を行う移動体1において、システムが立ち上げられると、位置検出部11で位置が検出されて位置情報が広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2において地域情報テーブル24aに従って位置情報に対する地域番号が特定されて移動体現在地域記憶エリア24cに記憶されると共に、現在地域番号として移動体1に送信され、移動体1の現在地域記憶エリア14bに記憶される。
【0056】
そして更に、広告情報配信局2から現在地域の地域番号に対応する広告情報が移動体1に送信されて、移動体1の広告情報テーブル14dに格納されると共に広告表示時間は0クリアされ、広告情報が表示部12に表示されて、タイマ15で表示時間のカウントが開始される。
【0057】
例えば、図5(a)に示すように、移動体1が地域番号「6」の中に位置し、初めて装置が動作した場合、移動体1の位置検出部11で位置が検出されて、位置情報である緯度及び経度が広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2において位置情報から地域番号「6」が特定され、図4に示した地域毎広告情報テーブル24bに従って地域番号「6」の広告情報である「◇◇Tシャツ30%OFF!!」が移動体1に送信され、移動体1の広告情報テーブル14dに図7に示すように地域番号「6」と共に格納され、広告表示時間が0で設定され、広告情報「◇◇Tシャツ30%OFF!!」が表示部12に表示されて、タイマ15で表示時間のカウントが開始される。
【0058】
そして、広告情報配信局2では、移動体1の現在地域に対して移動することが予想される予想地域が特定されて、移動体予想地域記憶エリア24dに記憶されると共に、予想地域番号として移動体1に送信され、移動体1の予想地域記憶エリア14cに記憶される。
そして更に、広告情報配信局2から予想地域の地域番号に対応する広告情報が移動体1に送信されて、移動体1の広告情報テーブル14dに格納されると共に広告表示時間は0クリアされる。
【0059】
例えば、図5(a)に示すように、移動体1が地域番号「6」に存在し、移動体1が例えばタクシーなどのように任意の道路を自由に走行するような場合で、移動予想地域として周辺の地域番号「1」〜「3」、「5」、「7」、「9」〜「11」が特定され、図4に示した地域毎広告情報テーブル24bに従って予想地域番号に対応する広告情報である「☆☆☆100円均一」…等が移動体1に送信され、移動体1の広告情報テーブル14dに図7に示すように地域番号と共に格納され、広告表示時間が0で設定される。
【0060】
そして、移動体1が図5(b)に示すように、地域番号「6」から地域番号「10」の位置に移動した場合を考える。移動体1では予め決められた時刻、又は予め決められた時間の間隔又は広告情報配信局2からの要求の何れかのタイミングで再度位置検出部11で検出した位置情報を広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2において地域情報テーブル24aに従って位置情報に対する地域番号「10」が特定されて移動体現在地域記憶エリア24cに記憶される際に移動体1が移動したことが認識され、更に現在地域番号として移動体1に送信される。
【0061】
そして、移動体1では、受信した現在地域番号「10」と現在地域記憶エリア14bに記憶されているこれまでの現在地域番号「6」との比較から、地域を移動したことが認識されて、表示の切替が行われる。表示の切替に際しては、タイマ15を停止し、その値をこれまでの現在地域番号「6」に対する図7に示した広告情報テーブル14dの広告表示時間に加算し、新しい現在地域番号「10」の広告情報は既に予想地域の広告情報として広告情報テーブル14dに記憶しているので、読み出して広告情報「○○食堂ダブルカルビセット500円」が表示部12に表示されて、タイマ15で表示時間のカウントがリセットされて開始される。
【0062】
そして、広告情報配信局2では、移動体1の現在地域に対して移動することが予想される予想地域が特定されて、移動体予想地域記憶エリア24dに記憶されると共に、予想地域番号として移動体1に送信され、移動体1の予想地域記憶エリア14cに記憶される。
そして更に、広告情報配信局2から予想地域の地域番号に対応する広告情報が移動体1に送信されて、移動体1の広告情報テーブル14dに格納されると共に広告表示時間は0クリアされる。
【0063】
そして、広告情報配信局2では、移動体1の現在地域に対して移動することが予想される予想地域が特定されて、予想地域から外れて移動体1において削除すべき地域番号が移動体1に送信され、移動体1において削除される地域番号に関する広告表示時間データが広告情報テーブル14dから読み出されて広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2で受信した広告表示時間データが地域毎広告情報テーブル24bの広告表示累計時間に加算されて累計される。
そして更に、広告情報配信局2から追加地域の地域番号とそれに対応する広告情報が移動体1に送信されて、移動体1の広告情報テーブル14dに格納されると共に広告表示時間は0クリアされる。
【0064】
図5の例では、移動体1が地域番号「10」に移動して、予想地域が「5」〜「7」、「9」、「11」、「13」〜「15」となり、移動体1においてこれまで記憶されている地域番号の「1」〜「3」は不要となるため、削除地域となり、地域番号の「1」〜「3」残れまでの表示時間データが広告情報配信局2に送信されて、地域毎広告情報テーブル24bに累積加算される。
そして、移動体1においてこれまで記憶されていない地域番号の「13」〜「15」が追加地域として広告情報が広告情報配信局2から送信され、移動体1において、広告情報テーブル14dに格納され、図9に示すように、地域番号「13」〜「15」の広告情報「味の□吉 こだわりの味」…が保存されて、広告表示時間は0で設定される。
【0065】
上記説明したように、移動体1及び広告情報配信局2において、移動体1が位置を検出しながら移動した地域の広告情報を表示し、表示時間をカウントしていき、表示が切り替わる際に表示時間を加算していくようにし、広告情報配信局2からは、予想地域の広告情報を送信しながら、予想地域から外れて削除される広告情報に対してこれまでの表示時間データを受け取って累積加算するように繰り返し運用していく。
そして、広告料金を課金する期間(例えば1ヶ月)毎に、地域毎広告情報テーブル24bの広告表示累計時間の値に基づいて、時間単価と表示時間数との乗算でトータルの広告料金を算出して、広告主情報に基づいて課金を行うようになっている。
【0066】
上記説明では、広告情報配信局2で特定された予測地域から移動体1で削除する地域と追加する地域の判断を広告情報配信局2で行うようにしたが、広告情報配信局2が予測地域の情報を移動体1に送信し、移動体1において削除する地域と追加する地域の判断を行うようにしても構わない。
また、上記説明では、移動体1で記憶している広告情報について、表示時間を累計して記憶しておき、削除対象の地域となって広告情報を削除する際に広告情報配信局2に表示時間データとして送信するようになっていたが、移動体1では表示時間を記憶せず、表示が切り替わる毎に、タイマ15の値を広告情報配信局2に送信するようにしても構わない。
【0067】
上記説明した本発明の第1の移動広告表示システムでは、予め地域に対応付けて登録されている広告情報を、移動体1が位置する地域に応じて広告情報配信局2から配信して表示させるので、地域性を重要視する広告を移動体1の移動位置に応じて切替ながら表示できるので、1台の移動体で表示する広告情報の広告主として、複数の広告主を割り当てることができ、且つ地域に対応付けられた広告情報を表示することによって、宣伝効果を高めることができ、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
また、移動体1からの位置情報に基づいて、地域に対応する広告情報を配信するので、運行スケジュールのないタクシーのような移動体にも適応でき、また運行スケジュールのある路線バスのような移動体であってもスケジュールに関係なく、現在の位置に応じた広告情報が表示されるので、移動広告表示システムの適応範囲を大幅に拡大できる効果がある。
【0068】
そして、第1の移動広告表示システムでは、広告情報配信局2において、移動体1が位置する現在地域に対して、今後移動するであろう地域を予測して、予測地域の広告情報を事前に移動体1に送信して記憶させておき、移動体1が移動して地域が切り替わった際には、記憶されている広告情報を表示するので、地域移動毎に表示すべき広告情報の配信を待つことなく広告情報を速やかに表示して、移動体の地域移動から表示する広告情報の切替までの時間を短縮でき、表示されている広告情報の地域性を更に高めることができて、宣伝効果を向上でき、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0069】
そして、第1の移動広告表示システムでは、移動体1において、各地域ごとの広告情報の表示時間をカウントし、広告情報が削除される際に、当該広告情報の表示時間データが広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2で広告情報毎に加算累計され、課金期間毎に累計された広告表示累計時間に対して広告料金を課金するので、実際に表示した時間数に基づく従量課金であり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービスの多様化により広告主層の幅を広げ、またサービスの質の向上によって他社との差別化を図ることができる。
【0070】
なお、上記第1の実施の形態にかかる移動広告表示システムの説明では、1台の移動体1に対する処理を示したが、実際には1台以上の移動体1が存在し、移動体1毎に識別子を設けて、広告情報配信局2では、無線通信の際に当該識別子で移動体1を特定しながら処理を進め、移動体現在地域記憶エリア24c及び移動体予想地域記憶エリア24dを識別子毎に設けて処理を行うことになる。
よって、広告情報配信局2においては、各移動体1で記憶している地域に対応する広告情報が削除される際に、当該広告情報の表示時間データが広告情報配信局2に送信され、広告情報配信局2で加算累計されるので、広告情報配信局2においては複数の移動体1で表示されたトータルの広告表示累計時間が記憶されていくことになり、広告主としては、例えば、たまたま依頼した地域を走行する移動体1(タクシーなど)が少なく、自己の広告情報が表示されることが少なくとも、表示された時間分だけ料金を払えばいいので、広告費用に対する割安感を与えることができ、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0071】
また、上記説明では、移動体1の種別を設けることなく、単一の種別で説明したが、そもそも移動体1の種別によって移動特性が全く異なり、それに伴って、地域区分の仕方、広告情報の傾向、移動予測の仕方が異なってくるのは明らかである。
具体的には、図1(a)に示した宣伝カーは、宣伝目的に応じて任意の道路を任意のスピードで自由に走行できるものであるから、広告内容も短期集中的なものであり、新商品の宣伝や期間限定サービスの宣伝が多い。一方、図1(b)に示した路線バスは、運行スケジュールに従い、決められた路線をほぼ決められたスピードで走行するので、運行路線に関連する地域性の高い広告情報に適している。また、図1(c)に示したタクシーや宅配トラックなどは、乗客の希望する目的地や荷物の配送先に向かって、任意の道路を各種スピードで走行する。また、図1(d)に示した長距離トラックは、主に高速道路などを使って遠距離の目的地に向かって、高速で走行する。図1(e)に示した電車は、駅付近では低速になるが駅間は高速で、また人目に触れることも少ないので、駅周辺の地域性の高い広告情報に適している。
【0072】
よって、移動広告表示システムとしては、移動体1の識別子に、種別の識別情報をも含めることによって、広告情報配信局2が、移動体1の種別も識別できるようにし、広告情報配信局2の地域情報テーブル24aとしては、種別に応じた地域区分を設定したテーブルを複数設け、また、地域毎広告情報テーブル24bも、地域情報テーブル24aのテーブルに対応する形で種別に応じた広告情報テーブルを設け、移動体1の種別に応じて広告情報を切り替えて配信するようにすれば、広告主にとっては、より実際の広告表示の宣伝効果に見合った広告費用を支払うことになって、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0073】
また、現在地域に対する予想地域の特定方法としても、予想地域を周辺地域とする方法を説明したが、移動体1の種別よって移動特性を考慮して予想地域の特定方法を切り替えるようにすれば、無駄な地域の広告情報を配信する必要がなく、移動体1における記憶部の容量を削減できる効果がある。また、移動体1の種別よって移動速度も異なり、例えば長距離トラックのような場合には、特定方向に高速で進み続けている場合が多いので、進行方向側だけを予測地域とするか又は進行方向を優先的に配信するように順番を工夫する等すれば、更に効果的である。
【0074】
また、上記説明では、広告料金の算出方法として、各地域に対して一律の表示時間単価としたが、例えば、地域の特性を考慮すると、広告を目にする人の数が多い駅前などの繁華街(市街地)では宣伝効果が高く、郊外の住宅地などは人の数が比較的少ないため宣伝効果が低いと考え、地域ごとに単価を設定して地域情報テーブル24aに情報を付加し、料金計算時に地域ごとの単価で計算するようにしてもよい。
【0075】
また、上記説明では、各地域ごとに登録する広告情報を1つとしていたが、複数設けるようにしてもよく、各広告情報に表示時間帯の指定を設け、登録されている表示時間帯に合わせて複数の広告情報から1つを選んで配信するようにしても構わない。
それにより、例えば、同一の地域においても、昼間の時間帯向きの広告情報(デパートや普通の店舗など)と夜の時間帯向きの広告情報(居酒屋など)といった広告内容の時間帯特性があるので、同一の地域に対して時間帯特性の異なる複数の広告情報を割り当てることができ、宣伝効率をより高めて、広告主の広告費用に対する割安感を与えることができ、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0076】
更に、各地域ごとに登録する広告情報を複数設け、時間帯などを指定しない場合には、広告情報配信局2から1つの地域に対して複数の広告情報を配信しておき、移動体1側で一定間隔で表示する広告情報を切り替え、広告情報毎に当該地域の中で表示した時間に対して課金を行うようにすれば、広告主を多数受け入れることができ、また広告を見ている人に対して表示の切り替わりによる注目度が増し、その一方で広告主に対しては表示された時間に対してだけ課金されるので、宣伝効率をより高めて、広告主の広告費用に対する割安感を与えることができ、その結果広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0077】
また、各地域に対して広告情報を登録するが、登録のない地域に対しては、地域性の少ない広告情報を割り当てて表示させるようにすれば、システムの無駄を省くことができ、また、当該表示される広告情報の広告主に対しては、表示された時間分だけ課金されるので、移動広告表示システムの効率を向上できる効果がある。
【0078】
第1の移動広告表示システムは、移動体1の位置する地域に対応付けられた広告情報を表示し、表示時間数などに応じた広告料金を課金するものであったが、別の実施の形態として、地域性の少ない広告情報を表示する場合を第2の実施の形態として説明する。
本発明の第2の実施の形態にかかる移動広告表示システム(第2の移動広告表示システムと呼ぶ)は、広告情報配信局2から配信された地域性の少ない1つ又は複数の広告情報を移動体で記憶し、記憶されている広告情報の何れかを一定時間間隔で切り替えて表示し、各広告情報の表示時間数をカウントして表示時間数に応じた広告料金を課金するもので、その際、地域特性又は表示時間帯に応じた重み付けを行うものである。
【0079】
まず、本発明の第2の移動広告表示システムの構成例について、図10を使って説明する。図10は、本発明の第2の移動広告表示システムの構成例を示すブロック図である。尚、図2と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
また、説明を簡単にするために、1台の移動体1′と広告情報配信局2′との間のやりとりとして説明するが、実際には、1台以上の移動体1′が存在し、移動体1′毎に識別子を設けて、広告情報配信局2′では、無線通信の際に当該識別子で移動体1′を特定しながら処理を進めることになる。
【0080】
本発明の第2の移動広告表示システムは、基本的に第1の移動広告表示システムと同様で、広告情報を配信する広告情報配信局2′と、配信される広告情報を表示する移動体1′とから構成される。
そして、本発明の移動体1′の内部は、制御部10′と、位置検出部11と、表示部12と、無線通信部13と、記憶部14′と、タイマ15とから構成され、広告情報配信局2′の内部は、制御部20′と、入力部21と、無線通信部23と、記憶部24′と、時計25とから構成されている。
尚、移動体1′における表示部12は、車外の大衆向け広告の場合には車外又は車外から見える位置に設置され、これ以外の構成は車内に設置される。
【0081】
まず、広告情報配信局2の内部の各部について説明するが、入力部21、無線通信部23は第1の移動広告表示システムと同様であるので、説明を省略し、違う部分を中心に説明する。
時計25は、現在時刻をカウントしている一般的な時計機能をいう。
【0082】
記憶部24′は、広告情報の配信及び課金用データ収集のための各種データを記憶する記憶部である。
地域情報テーブル24aは、移動体1′の位置に対応し、ある程度の広さを有するエリアに区分し、区分されたエリアを示す地域情報を記憶するテーブルであるが、特徴部分として、ここでいう地域とは、広告料金を算出する際の地域に対する重み付けを区別する為の地域であり、例えば、ビジネス街、商店街、住宅街など重み付けが異なってくる地域である。尚、地域の設定方法は、第1の移動広告表示システムの場合と同様で、地図上の緯度、経度であってもよいし、無線通信における基地局の識別情報であってもよい。
【0083】
広告情報テーブル24b′は、移動体1′で表示する広告情報と広告表示累計ポイントと広告主に関する情報を広告番号に対応付けて記憶するテーブルである。地域毎広告情報テーブル24b′のフォーマットは、図4に示した第1の移動広告表示システムの地域毎広告情報テーブル24bにおいて、地域番号の代わりに広告情報の識別子である広告番号とし、広告表示累計時間の代わりに広告表示累計ポイントとしたものである。
【0084】
ここで広告表示累計ポイントとは、移動体1′で広告情報を表示した時間数に対して、表示した地域の重み付け又は表示した時間帯の重み付け、又はその両方の重み付けを行った表示ポイントを累計したものであり、当該表示ポイントに従って広告料金を算出するものである。
また、広告情報としては、あまり地域性のない、新商品の紹介広告や全国チェーンのビジネスの広告などである。
【0085】
重み付けテーブル記憶エリア24eは、広告料金の基本単価に対する重み付けを予め設定した重み付けテーブルを記憶するエリアで、重み付けの種類としては、地域毎の重み付けと、時間帯の重み付けと、地域毎と時間帯の両方を鑑みた重み付け等が考えられる。
【0086】
重み付けテーブルの具体例について、図11を使って説明する。図11は、本発明の第2の移動広告表示システムにおける重み付けテーブルの具体例を示すテーブル図である。
地域毎の重み付けとは、地域情報テーブル24aに設定されている地域番号に対応付けて重み付け係数を記憶している。重み付け係数は、地域の特性によって、例えば、図11(a)のように、比較的人目の多い商店街などは大きめの係数とし、比較的人目の少ないビジネス街とか郊外などは小さめの係数とする。
【0087】
時間帯の重み付けとは、時間帯に対応付けて重み付け係数を記憶している。重み付け係数は、時間帯の特性によって、例えば、図11(b)のように、通勤時間帯で比較的人目の多い6時〜9時と16時〜20時は大きめの係数とし、人目の少ない0時〜6時と20時〜24時は小さめの係数とする。
【0088】
地域毎と時間帯の両方を鑑みた重み付けとは、地域情報テーブル24aに設定されている地域番号と時間帯との両方に対応付けて重み付け係数を記憶している。重み付け係数は、地域ごとの時間帯の特性によって、例えば、図11(c)のように、ビジネス街では、通勤時間帯に比較的人目の多いことから6時〜9時と16時〜20時は大きめの係数とし、また、商店街は昼間の時間帯に比較的人目の多いことから9時〜16時を大きめの係数とするなど、両特性を組み合わせて係数を設定する。
【0089】
尚、図11では、各テーブルを1つづつ示したが、広告情報の種類によって、重み付けは異なってくるケースもあるので、それぞれ複数種類を設け、広告情報の種類によって対応付けるようにしてもよい。例えば、たばこの広告であれば、ビジネス街の通勤時間帯が係数大となるであろうし、洗剤の広告であれば、商店街の昼間の時間帯が係数大となるといった具合である。
また、図11(c)に地域特性と時間帯特性とを組み合わせた係数を示したが、単純に図11(a)の地域毎の重み付けを行い、更に図11(b)の時間帯毎の重み付けを行っても構わない。
【0090】
移動体情報記憶エリア24fは、移動体1′の現在地域番号と現在表示中の広告情報の広告番号と表示開始時刻を記憶しているエリアである。ここで、現在地域番号と広告番号は、移動体1′からの表示切替情報に基づいて格納され、表示開始時刻は、移動体1′からの表示切替情報を受信した時刻が制御部20′によって格納される。尚、移動体1′が複数ある場合には、移動体1′の識別子に対応付けて記憶している。
【0091】
制御部20′は、広告情報配信局2全体を制御するもので、具体的には、予め行う処理として地域の割当と広告情報と重み付け情報を設定する処理と、移動体1′に広告情報を送信する広告情報送信処理と、移動体1′からの表示切替情報に従ってポイント計算を行うポイント計算処理と、広告料金の課金計算を行う広告料金課金処理等を行うものである。
【0092】
制御部20′の処理の概略について図12を使って説明する。図12は、本発明の広告情報配信局2′の制御部20′の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
本発明の広告情報配信局2′の制御部20′の処理は、事前に行う処理として、地域の割当と広告情報と重み付け情報を設定する処理を行う(300)。具体的には、地域ごとの重み付けを考え、位置情報の範囲や基地局番号などに地域番号を割り当てた地域情報を地域情報テーブル24aに格納しておく。そして広告主からの要求に応じて、入力部21から文字情報、画像情報や音声情報等の各種広告情報と、表示地域の地域番号と、広告主に関する情報とを入力し、地域毎広告情報テーブル24bに地域番号に対応付けて格納しておく。また、図11に示したようなテーブルで、地域ごとの重み付け係数、又は時間帯毎の重み付け係数、又は地域/時間帯の重み付け係数を重み付けテーブル記憶エリア24eに格納する。
【0093】
そして、移動体1′が動作を開始して配信要求が送信されると、広告情報提供処理として、広告情報テーブル24b′に記憶されている広告情報の選択された一部の広告情報について広告情報テーブル24b′から読み出して、移動体1′に送信する(302)。尚、この広告情報提供処理は、広告情報配信局2′からの要求で移動体1′に記憶されている広告情報を入れ替えるような場合にも、行われるようにしても構わない。
【0094】
そして、以降、移動体1′から表示切替時及び定期的に送信される表示切替情報又は報告情報として、移動体1′の位置情報情報と表示中の広告番号の広告番号を受信し(310)、ポイント計算処理として、受信時刻を時計25から取得して保持しておき、地域情報テーブル24aを参照して位置情報に対応する地域番号を特定し、地域番号が切り替わったか、また表示する広告番号が切り替わったかを判断し、何れかが切り替わった場合には、これまでの表示に対する表示時間を算出し、表示ポイントを算出し、広告情報テーブル24b′の広告表示累計ポイントに表示ポイントを加算する。
【0095】
ここで、表示ポイントの計算においては、重み付けテーブル記憶エリア24eに設定されている重み付けテーブルに従い、これまで表示されていた地域に対する重み付け係数や表示時間帯に関する重み付け係数或いは地域/時間帯対する重み付け係数を用いて、表示ポイント=表示時間×重み付け係数で計算する。
このとき、表示時間は、移動体情報記憶エリア24fに記憶されている表示開始時刻から換算し、但し、重み付けテーブル記憶エリア24eに時間帯重み付けが設定されており、重み付け係数が異なる複数の時間帯を跨いでいる場合には、表示時間を分けて捉える必要がある。
【0096】
通常の運用状態においては、処理310、処理312を繰り返しており、広告料金の課金締めのタイミングで広告料金課金処理として、広告情報テーブル24b′の各広告番号毎に累積された表示累計ポイントのデータに基づいて広告料金の計算を行い、課金処理を行う(320)ようになっている。
【0097】
次に、移動体1′の内部の各部について説明するが、位置検出部11、表示部12、無線通信部13、タイマ15は第1の移動広告表示システムと同様であるので、説明を省略し、違う部分を中心に説明する。
記憶部14′は、広告情報のための各種データを記憶する記憶部である。
広告情報テーブル14d′は、広告情報配信局2から配信された広告番号とそれに対応付けられた広告情報を記憶するテーブルである。広告情報テーブル14d′の具体例として、図7に示した第1の移動広告表示システムの広告情報テーブル14dにおいて、地域番号の代わりに広告番号となり、広告表示時間は不要となる。
表示広告番号記憶エリア14eは、現在表示中の広告番号を記憶するエリアである。
【0098】
制御部10′は、移動体1′における広告表示全体を制御するもので、具体的には、広告情報を取得する広告情報取得処理と、定期的に表示する広告情報を切り替える表示切替処理と、定期的に現在の状況として現在位置と表示中の広告番号とを報告する報告処理を行うものである。
【0099】
広告情報取得処理は、通常、移動体1′のシステムの立ち上げ時に配信要求を広告情報配信局2′に送信し、広告情報配信局2′から送信された広告番号と広告情報を受信して広告情報テーブル14d′に格納するものである。尚、広告情報配信局2′からの要求で表示する広告情報を全体的に取り替えるような場合にも広告情報取得処理を行うようにしてもよい。
【0100】
表示切替処理は、予め定められた時間間隔で定期的に起動され、図13に示すように、広告情報テーブル14d′に記憶されている複数の広告情報の中から何れかを特定してその広告番号を表示広告番号記憶エリア14eに格納し(400)、特定された広告番号の広告情報を広告情報テーブル14d′から読み出して表示部12に出力して表示させ(402)、現在位置の情報を位置検出部11から取得し(410)、表示切替情報として、現在位置情報と表示した広告番号を広告情報配信局2′に送信する(412)処理である。図13は、本発明の移動体1′の制御部10′の表示切替処理の流れを示すフローチャート図である。
尚、表示する広告番号の特定方法としては、順番でも良いし、ランダムに選択するようにしても構わない。
【0101】
そして、報告処理は、予め定められた表示切替よりも短い時間間隔で定期的に起動され、現在位置の情報を位置検出部11から取得し、報告情報として、現在位置情報と表示中の広告番号を表示広告番号記憶エリア14eから読み出して広告情報配信局2′に送信する処理である。
【0102】
次に、本発明の第2の移動広告表示システムの動作について、図10,図11を用いて説明する。
本発明の第2の移動広告表示システムでは、広告情報配信局2′において、予め地域範囲に対する地域番号が図3に示すような地域情報テーブル24aに記憶されており、そして、広告主からの要求によって、広告情報と広告主に関する情報が入力部21から入力されて、広告情報テーブル24b′に広告番号に対応する広告情報及び広告主情報として記憶されている。この時、広告表示累計ポイントは、0からスタートする。
【0103】
そして、実際に広告情報の表示を行う移動体1′において、システムが立ち上げられると、配信要求が移動体1′から広告情報配信局2′に送信され、広告情報配信局2′から複数の広告情報が移動体1′に送信されて、広告情報テーブル14d′に格納される。
【0104】
そして、移動体1′では、広告情報テーブル14d′に格納されている広告情報の中から何れかを選択して特定し表示すると共に、現在位置を検出して、位置情報と表示中の広告番号からなる表示切替情報が広告情報配信局2′に送信され、広告情報配信局2′では、表示切替情報受信時の時刻を移動体情報記憶エリア24fに格納すると共に、位置情報から現在位置記憶エリア14aを参照して地域番号を特定し、地域番号と表示中の広告番号を移動体情報記憶エリア24fに格納する。
【0105】
そして、移動体1′では、短い時間間隔で定期的に、現在位置を検出して、位置情報と表示中の広告番号からなる報告情報が広告情報配信局2′に送信され、広告情報配信局2′では、報告情報受信時の時刻を一時記憶し、位置情報から現在位置記憶エリア14aを参照して地域番号を特定し、地域の移動があった場合又は時間帯の切替があったような場合に表示時間を算出し、重み付けテーブル記憶エリア24eに記憶されている重み付け係数を用いて表示ポイントを算出して、広告情報テーブル24b′の広告表示累計ポイントに加算する。そして、報告情報受信時の時刻を開始時刻として移動体情報記憶エリア24fに格納すると共に、地域番号と表示中の広告番号を移動体情報記憶エリア24fに格納する。
【0106】
そして、移動体1′では、比較的長い時間間隔で定期的に、表示する広告情報の切替を行う。即ち、広告情報テーブル14d′に格納されている広告情報の中から何れかを選択して特定し表示すると共に、現在位置を検出して、位置情報と表示中の広告番号からなる表示切替情報が広告情報配信局2′に送信され、広告情報配信局2′では、表示切替情報受信時の時刻を一時記憶し、位置情報から現在位置記憶エリア14aを参照して地域番号を特定して一時記憶しておき、これまでの広告情報の表示時間を算出し、重み付けテーブル記憶エリア24eに記憶されている重み付け係数を用いて表示ポイントを算出して、広告情報テーブル24b′の広告表示累計ポイントに加算する。そして、報告情報受信時の時刻を開始時刻として移動体情報記憶エリア24fに格納すると共に、新しい地域番号と表示中の広告番号を移動体情報記憶エリア24fに格納する。
【0107】
上記説明したように、移動体1′及び広告情報配信局2′において、移動体1′が定期的に位置を検出しながら状況を報告し、広告情報配信局2′では移動体1′の位置する地域と表示中の広告情報を捉え、重み付けの異なる地域或いは時間帯を跨ぐ際に、それまでの表示時間を求め、重み付けして表示ポイントを算出して累積加算するように繰り返し運用していく。
また、移動体1′において、表示する広告情報を切り替えた場合には、移動体1′が位置を検出し、位置情報と新しい広告番号を表示切替情報と広告情報配信局2′に送信し、広告情報配信局2′ではそれまでの表示時間を求め、重み付けして表示ポイントを算出して累積加算するように繰り返し運用していく。
【0108】
そして、広告料金を課金する期間(例えば1ヶ月)毎に、広告情報テーブル24b′の広告表示累計ポイントの値に基づいて、ポイント単価と表示ポイント数との乗算でトータルの広告料金を算出して、広告主情報に基づいて課金を行うようになっている。
【0109】
上記説明した本発明の第2の移動広告表示システムでは、広告情報配信局2側に地域特性に応じた地域ごとの重み付け又は時間帯特性に応じた重み付け又はその両方に応じた重み付けを行うための重み付け係数を記憶しておき、移動体1から送信される位置情報と表示中の広告番号とから表示時間を算出し、更に地域の重み付け又は時間帯の重み付け或いはその双方の重み付けを行って表示ポイントを算出し、当該表示ポイントに基づく広告料金の課金を行うので、単なる表示時間だけでなく、宣伝効果に応じた課金が為されるので、広告表示サービスの向上を図ることができる効果がある。
【0110】
また、重み付け係数を記憶する重み付けテーブルを広告情報の種別に応じて設け、当該広告商品に興味を示す世代、職業、性別等及びその行動パターン等から宣伝効果を想定して、重み付け係数を決定して設定し、広告情報の商品種別に重み付けテーブルを対応させれば、更に宣伝効果に応じた課金となり、広告主に対する広告表示サービスの質の向上を訴えることができる効果がある。
【0111】
本発明の第1及び第2の実施の形態にかかる移動広告表示システムによれば、移動体における任意の広告情報の表示時間をカウントし、実際に行った表示時間数に応じた従量課金で広告料金を算出し、更にその際に表示時間帯又は表示地域特性、又はその双方による宣伝効果の重み付けを行うものなので、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、更に運行スケジュールのないタクシーのような移動体にも適応でき、また運行スケジュールのある路線バスのような移動体であってもスケジュールに関係なく、現在の位置に応じた広告情報が表示されるので、移動広告表示システムの適応範囲を大幅に拡大できるので、広告サービス事業者にとっては、サービス向上により他社との差別化を図ることができるものである。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、広告情報を無線配信し、広告情報を受け取った移動体が広告情報を表示しながら移動する移動広告表示システムであって、広告料金として、移動体が広告情報を表示した時間数と、時間帯又は場所の何れか一方、或いは時間帯及び場所の双方に関する宣伝効果の重み付けに従って料金を求め課金する移動広告表示システムとしているので、広告料金を固定課金ではなく、実際に表示した時間数に基づく従量課金を行い、更に宣伝効果をも加味した課金を行うことによって、実際に行った広告表示行為に対する課金となり、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービスの多様化により広告主層の幅を広げ、またサービスの質の向上によって他社との差別化を図ることができる効果がある。
【0113】
本発明によれば、移動体が記憶装置を備え、配信された複数の広告情報を記憶装置に記憶し、繰り返し表示する移動広告表示システムとしているので、複数の広告情報を繰り返し表示する場合において、運行スケジュールのない移動体にも適応でき、実際に行った広告表示行為に対する課金となり、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービスの多様化により広告主層の幅を広げ、またサービスの質の向上によって他社との差別化を図ることができる効果がある。
【0114】
本発明によれば、配信される広告情報は、移動体の位置に関連する地域に対応付けられている移動広告表示システムとしているので、地域に対応付けられた広告情報を表示する場合において、運行スケジュールのない移動体にも適応でき、また運行スケジュールのある移動体であってもスケジュールに関係なく、実際に行った広告表示行為に対する課金となり、広告主にとっては宣伝効果に見合った料金を支払うことになり、広告主に広告費用の割安感を与えることができ、また広告サービス事業者にとっては、サービスの多様化により広告主層の幅を広げ、またサービスの質の向上によって他社との差別化を図ることができる効果がある。
【0115】
本発明によれば、移動体が記憶装置を備え、移動体の移動予想地域に対応する広告情報が予め配信されて移動体に記憶し、当該移動体が地域を移動する際に、記憶されている広告情報を表示する移動広告表示システムとしているので、移動体の地域の移動から表示する広告情報の切替までの時間を短縮できることになり、システムとしての性能を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動広告表示システムの概略イメージを示す説明図である。
【図2】本発明の第1の移動広告表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の広告情報配信局における地域情報テーブルの具体例を示すテーブル図である。
【図4】本発明の広告情報配信局における地域毎広告情報テーブルの具体例を示すテーブル図である。
【図5】本発明における移動体の現在地域と予想地域との関連を示す説明図である。
【図6】本発明の広告情報配信局の制御部の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
【図7】本発明の移動体における広告情報テーブルの具体例を示すテーブル図である。
【図8】本発明の移動体の制御部の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
【図9】本発明の移動体における広告情報テーブルの内容が更新された具体例を示すテーブル図である。
【図10】本発明の第2の移動広告表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の移動広告表示システムにおける重み付けテーブルの具体例を示すテーブル図である。
【図12】本発明の広告情報配信局の制御部の処理の大まかな流れを示すフローチャート図である。
【図13】本発明の移動体の制御部の表示切替処理の流れを示すフローチャート図である。
【図14】従来の移動体を利用した広告表示システムのイメージを示す説明図である。
【図15】従来の広告表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1′,1″…移動体、 2,2′,2″…、 10,10′,10″…制御部、 11…位置検出部、 12…表示部、 13…無線通信部、 14…記憶部、 14a…現在位置記憶エリア、 14b…現在地域記憶エリア、 14c…予想地域記憶エリア、 14d…広告情報テーブル、 14e…表示広告番号記憶エリア、 15…タイマ、 20、20′…制御部、 21…入力部、 23…無線通信部、 24…記憶部、 24a…地域情報テーブル、 24b…地域毎広告情報テーブル、 24b′…広告情報テーブル、 24c…移動体現在地域記憶エリア、 24d…移動体予想地域記憶エリア、 24e…重み付けテーブル記憶エリア、 24f…移動体情報記憶エリア、 25…時計
Claims (3)
- 広告情報を無線配信する広告情報配信局と、前記広告情報を受け取って表示する移動体とを有し、前記移動体が前記広告情報を表示しながら移動する移動広告表示システムであって、
前記移動体が、地域番号とそれに対応付けられた広告情報、広告表示時間の情報を記憶する広告情報テーブルを備え、
前記広告情報配信局が、区分されたエリアを示す地域情報と地域番号を記憶する地域情報テーブルと、前記地域番号に対応付けて広告情報、広告表示累計時間の情報を記憶する地域毎広告情報テーブルと、前記移動体から送信された現在位置に対応付けて特定された現在地域番号を記憶する移動体現在地域記憶エリアと、マス目状に区切られた地域について現在地域の周辺地域を予想地域として予想地域番号を記憶する移動体予想地域記憶エリアとを備え、
前記移動体の制御部が、現在位置を検出し、現在位置情報を前記広告情報配信局に送信する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した削除される地域番号に対応する広告表示時間のデータを前記広告情報テーブルから読み出して前記広告情報配信局に送信する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した追加された地域番号とそれに対応する広告情報を前記広告情報テーブルに格納する処理を行い、前記広告情報配信局から受信した現在地域番号に対応する広告情報を前記広告情報テーブルから読み出して表示部に表示すると共に当該広告情報の表示時間をカウントして表示が切り替わるまでの広告表示時間のデータを前記広告情報テーブルの広告表示時間の情報に加算する処理を行い、
前記広告情報配信局の制御部が、前記移動体から位置情報を受信し、前記地域情報テーブルを参照して位置情報に対応する現在地域番号を特定して前記移動体に送信する処理を行い、前記現在地域番号から予想地域を特定し、予想地域から外れた地域番号を削除される地域番号を前記移動体に送信すると共に、新たに特定された予想地域の予想地域番号を前記移動体予想地域記憶エリアに追加して格納する処理を行い、前記追加された地域番号とそれに対応する広告情報を前記地域毎広告情報テーブルから読み出して前記移動体に送信する処理を行い、前記移動体から受信した削除される地域番号に対応する広告表示時間のデータを前記地域毎広告情報テーブルの広告表示累計時間の情報に加算して累計する処理を行い、広告料金の課金締めのタイミングで、前記地域毎広告情報テーブルの各地域に対応する広告毎に累積された広告表示累計時間のデータに基づいて広告料金の計算を行って課金処理を行うことを特徴とする移動広告表示システム。 - 地域情報テーブルは、移動体の種別に応じた地域区分を設定したテーブルを複数設け、地域毎広告情報テーブルは、前記種別に応じた広告情報を記憶するテーブルを複数設け、
広告情報配信局の制御部が、移動体から受信した識別子から種別を識別し、当該種別に対応した地域番号を前記地域情報テーブルから読み込んで前記移動体に送信する処理を行い、前記種別に応じた広告情報を前記地域毎広告情報テーブルから読み込んで前記移動体に送信する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の移動広告表示システム。 - 広告情報配信局の制御部が、移動体の種別に応じて予想地域の特定を切り替えるようにしたことを特徴とする請求項2記載の移動広告表示システム。
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